当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
堅実経営に徹し、たくましく着実な発展をめざす
長期ビジョンに込めた想い
①お客さまとの価値共創
地域のお客さまの持続的な成長や発展を全力でご支援し、ともに新しい価値を創造することで地域経済の繁栄に貢献する
②企業変革への挑戦
堅実経営を続けていくために時代の変化に順応できる企業文化を醸成し、絶えず変革に挑戦することができるたくましい企業に成長する
③人が未来を創造
紀陽の重要な経営資本である役職員一人ひとりの多様な能力や才能が最大限発揮される環境を整え、個の成長や活躍により地域の未来を創造する
(3) 経営の基本姿勢
多様化するお客さまのニーズに対して、お客さまの声を受け止めるだけでなく、潜在ニーズまでをも引き出し、常にお客さまの満足を第一に、高度でかつきめ細やかな総合的金融サービスをご提供してまいります。
当行の主要営業エリア(和歌山県・大阪府)に有する営業基盤・戦略、商品・サービス、営業チャネルを効率的かつ戦略的に活用することで、さらに多くのお客さまにお取引いただき、盤石な営業基盤を確実に拡大し一層の収益確保に努めます。
地域のお客さまとのリレーションシップを強化し、地域金融の一層の円滑化に資するとともに、産(地域企業等)・学(大学等)・官(地公体等)とも連携し地域経済の発展に取り組むなど、地方再生や地方創生に貢献してまいります。
当行グループを取り巻く環境は、株価や賃金の上昇などデフレからの脱却が進行し、地域経済についても活況なインバウンド需要や「大阪・関西万博」の開催など、明るい兆しを感じる一方で、円安や資源高に伴う物価上昇、人手不足など、依然先行き不透明な状況が続いております。
また、国内金利についても本格的に「金利のある世界」へと突入し、金融機関を取り巻く環境は大きな変革期を迎えております。
そのような状況下、当行グループでは、2024年4月から2027年3月までの3年間を計画期間とした「第7次中期経営計画 KX~Kiyo transformation~」に取り組んでおります。
本計画においては、長期ビジョン「お客さまとの価値共創と企業変革への挑戦を続け、人が未来を創造する地域金融グループとなる」に向けたファーストステップと位置づけ、長期ビジョンよりバックキャスト・価値創造プロセスの構築・マテリアリティへの取組み・現在からの課題抽出を意識し策定しており、基本方針を「地域の金融リーディンググループとしての機能発揮による地元地域との価値共創」と定め、中小企業取引を起点としたビジネスモデルへの変革を進めてまいります。
主要戦略① 営業戦略:営業体制の最適化
当行グループが最も力を発揮できる領域である中小企業取引への経営資源投下に加え、営業体制の効率化並びに役務収益の増強、RORA向上に向けた貸出ポートフォリオの構築等従来以上に資本効率性を意識した営業活動を展開してまいります。
お客さまとの価値共創並びに企業価値向上に向け、グループ事業の成長並びに新たな収益基盤構築に向けた経営資源の最適配賦を進め、グループ収益の増強に取り組んでまいります。
地域の人口減少が確実視されるなか、デジタル社会実現に向けたお客さまへのDX支援並びに産学官連携を進め、グループ会社である紀陽情報システムと協業し、地元地域のDX高度化に貢献してまいります。
主要戦略④ サステナビリティ戦略:地域未来の創造
当行グループのマテリアリティである「地域経済の発展」に資する活動を展開し、地域の持続可能性向上並びにサステナビリティ経営の高度化を進めてまいります。
当行グループは、上記に掲げる「第7次中期経営計画 KX~Kiyo transformation~」の遂行により、当行グループが得意としている「中小企業分野」における本業支援活動の充実、サステナビリティ経営の高度化等により地元企業の成長に貢献し、当行グループ・地元地域が双方に持続可能な発展に向け事業展開いたします。
第7次中期経営計画において、以下の目指す経営指標を設定しております。
なお、2025年5月、好調な業績推移、および金利環境の変化を背景に目指す経営指標の見直しを実施いたしました。
※顧客向けサービス業務利益<単体>=貸出金平残×預貸金利回差+役務取引等利益-営業経費
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関する事項
①ガバナンス
・当行はコーポレート・サステナビリティを意識した経営の高度化と、グループの中長期的な企業価値向上のため、「サステナビリティ委員会」「サステナビリティ推進室」を設置しております。サステナビリティ委員会において、気候変動を含むサステナビリティ関連における課題・取組について審議・検討を行い、取締役会に報告する体制としております。
・「サステナビリティ基本方針」を制定し、企業活動における持続可能な社会の実現に向けた基本的な考え方を示しております。また、ステークホルダー(地域社会・顧客・株主・従業員等)と当行グループ双方にとって重要な課題をマテリアリティ(重要課題)として設定し、中長期的な観点から経営と一体化した取組を推進します。
②戦略
・各マテリアリティに関するリスクと機会を特定し、経営戦略を通してマテリアリティの解決に向けて取り組んでおります。
③リスク管理
・金融機関が直面するリスクに関し、リスク・カテゴリーごとに評価したリスクを総体的に捉え、経営体力(自己資本)と比較・対照することによって、統合的リスク管理に取り組んでいます。また、サステナビリティの観点から、中長期的な企業価値に重大な影響をもたらす可能性がある事象をリスクと認識し、多様なリスクを一元的に管理・運営することにより、経営の健全性確保および収益性向上を図っております。
④指標と目標
・各マテリアリティに関する2032年度まで(サステナブルファイナンスは2029年度、CO₂排出量削減割合は2030年度)の目標を設定しております。
なお、2025年5月、業績推移、および金利環境の変化を背景にサステナビリティKPIのうち本業付加価値、本業支援人的資本ROI、ソリューション営業人材一人当たりの本業付加価値の3項目について一部見直しを実施いたしました。
また、2024年度のCO₂排出量削減割合については2013年度比75.3%の削減実績となり、2030年度の目標を大幅に前倒しで達成することができました。2050年度としていたカーボンニュートラル達成目標年度についても前倒しを検討してまいります。
※1 本業付加価値は取引先に対するサービスの付加価値(本業の売上高)を示す。
(計算式:貸出金平残×預貸金利回差+役務取引等利益)
※2 本業支援人的資本ROIは本業における人件費の投資利益率を示す。
(計算式:顧客向けサービス業務利益÷人件費)
※3 累計は2024年4月以降分を累計(サステナブルファイナンス実行額は2022年4月以降を集計)
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)
当行グループは2021年11月にTCFD(気候変動財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、気候変動への対応に取り組んでまいりました。今後も地域の脱炭素社会の実現に向けた施策に積極的に取り組んでまいります。
<ロードマップ>

①ガバナンス
当行グループは、「気候変動への対応」をマテリアリティ(重要課題)として設定しております。サステナビリティ推進体制としては、取締役頭取を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しており、持続可能な環境・社会・企業統治(ESG)の実現に向けた気候変動や脱炭素社会への対応について、協議・検討を行っております。原則として年2回開催するサステナビリティ委員会において、具体的施策の決定や各目標額の策定、取組進捗の報告等を議題として上程し、サステナビリティ委員会での協議内容は都度取締役会へ報告しており、取締役会が適切に監督する体制を構築しております。また、各本部・営業店一体となったサステナビリティ推進体制の強化を図ることを目的に、経営企画部内に「サステナビリティ推進室」を設置しております。
なお、2024年度においては、サステナビリティ委員会(TCFD関連議題)は3回開催されております。
<サステナビリティ推進体制>

②戦略
当行における気候変動に伴う「リスク(移行リスクならびに物理的リスク)」と「機会」は以下の通りであります。それぞれの「リスク」、「機会」に関して、短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で定性的に分析しております。
<シナリオ分析>
今年度についてもTCFD提言に沿い、物理的リスクと移行リスクについて、それぞれ下記のシナリオに基づき気候変動に起因する与信費用の増加額の試算を行いました。
物理的リスク
気候変動の影響により洪水等の発生が増加した場合の、当行不動産担保の毀損および当行取引先の業務停止による与信費用の増加額を算定しております。試算結果は以下の通りであります。
移行リスク
当行のポートフォリオ等を勘案し、GHG排出量が相対的に大きく、移行リスクの影響を受けやすいと想定される「エネルギーセクター(電力、ガス、石油小売)」、「運輸」セクターを分析対象としています。
現時点においては、物理的リスク、移行リスクのいずれも当行の事業の持続可能性に重大な懸念を与えるものではないと認識しています。引き続き、シナリオ分析の高度化に努めてまいります。
③リスク管理
当行グループでは、気候変動リスクについて、中長期的に財務に影響を与える可能性がある「重要なリスク」と認識しております。取締役会で策定している2025年度のリスク管理方針にて、気候変動リスクの対応について明記しており、定量的な影響把握に努めるとともに、TCFD提言に基づき段階的に開示内容の充実を図っていきます。
また、「責任ある投融資に向けた取組方針」を策定しており、環境や社会問題に真摯に向き合っている取引先に対しては、地域金融機関として適切な知見の提供や積極的な支援を行い、一方で、環境や社会に対してリスク・負の影響を与える投融資については慎重に判断し、その影響を低減・回避するよう努めてまいります。
④指標と目標
(ア)GHG排出量実績(単位:t-CO₂)
※算定にあたっては、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(ver.2.7)」および環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(ver.3.5)」を使用。
(イ)GHG排出量(Scope1・2)削減目標と実績推移
当行グループでは、「2030年度に2013年度比70%以上削減、2050年度にカーボンニュートラル」をめざし、GHG排出量削減に取り組んでまいりました。2024年9月より、導入可能な拠点すべてに再生可能エネルギー由来の電力を導入したこと等により、2024年度における当行グループでのGHG排出量は2013年度比75.3%の削減実績となり、2030年度の目標を大幅に前倒しで達成しました。
引き続き、カーボンニュートラル達成に向け、新店建設時のZEB認証取得や、省エネ設備の導入、営業車両のHV・EV化等の施策を検討・実行しつつ、2050年度としていた達成目標年度についても前倒しを検討してまいります。

(ウ)投融資先のGHG排出量(Scope3カテゴリ15、ファイナンスド・エミッション)について
当行では、PCAF※スタンダードの算定手法を活用し、国内法人向け貸出を対象としてCO₂排出量を算定しております。また、2024年度分の排出量算定より、NTTデータが提供するC-Turtle FEを導入し、ファイナンスド・エミッションの算定を開始しております。引き続き、算定の精緻化と対象の拡大を図るとともに、投融資先とのエンゲージメントを強化し、地域の脱炭素化に向けた取組を推進してまいります。
※Partnership for Carbon Accounting Financials。投融資先の温室効果ガス排出量の計測・開示を標準化するための基準を開発する国際的なイニシアティブ。
(エ)サステナブルファイナンス実行額目標
サステナブルファイナンス(SDGsなどの事業のサステナビリティ向上に向けた取組がある取引先への融資やサステナビリティ関連商品)の実行額(累計)目標を7,000億円としております。(2022年4月~2030年3月)
2024年度の実行実績は、1,581億円(累計4,303億円)となっております。引き続き、環境課題の解決や地域の持続的発展に寄与するファイナンスを強化していきます。
(オ)炭素関連資産の与信割合
TCFD提言が開示を推奨する炭素関連資産について、セクターごとの貸出残高および全セクターに占める割合は以下のとおりです。2024年度より、炭素関連資産の対象となる業種区分およびセクターの振分けの見直しを行っております。
単位:億円
(3)人的資本の最大化と持続性向上
事業内容が異なる連結グループ全体での設定が困難なため、当行単体で指標及び目標を設定しております。
①人材育成方針
多様な学びの機会を提供し、挑戦と成長を後押しする環境を整備することで、従業員一人ひとりの自律的な思考・行動を促し、求める人材像に向けた人材育成をめざす。
※ 「KIYO Learning」とは、2022年4月に導入した動画配信機能等を備えた行員向け教育システム
②社内環境整備方針
従業員の心身の健康の保持・増進に向けた取組を推進するとともに、多様な価値観や働き方を受容する組織風土を醸成することで、従業員の働きがいの向上を図り、従業員一人ひとりが最大限に能力を発揮できる環境を整備する。
※1 産休・育休・欠勤等は含んでおりません。
※2 女性管理職は本部および営業店の部下を持つライン長
(4)自然資本・生物多様性保全への取組
近年、気候変動問題に加えて生物多様性の損失や、これに伴う自然資本および生態系サービスの劣化が深刻化しています。企業の事業活動は自然資本・生物多様性に依存・影響しており、生物多様性の損失を止めて回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」に向けて行動することが求められています。
当行グループにおいても「ネイチャーポジティブ」に向けた取組を推進するべく、2025年6月にTNFD提言に賛同し、TNFDフォーラムに参画しました。また、環境方針を改定し、気候変動や生物多様性の損失などの課題解決に資する事業活動や取組を行うことを表明しました。
当行グループの事業活動における自然資本への依存・影響度を把握するため、MS&ADインターリスク総研株式会社の助言のもと、ENCORE※を用いて11セクターの分析を行いました。また、当行は和歌山県と大阪府を主要営業エリアとしており、それぞれのエリアにおける自然資本の特徴、主要産業等が異なることから、当行の融資ポートフォリオや地域の産業特性等も勘案し、和歌山県、大阪府それぞれの地域における依存・影響度のヒートマップを作成しました。
その結果、和歌山県・大阪府共に、供給サービスにおける「水資源」、調整・維持サービスにおける「水質浄化」「降雨パターンの調整」や「土壌・堆積物の維持」などへの依存度が高く、「GHG排出量」「土壌・水質汚染」へのインパクトが大きいとの結果になりました。一方、両府県におけるセクター毎の依存・影響度には違いが見られる結果となりました。今後、TNFD提言が推奨するLEAPアプローチを用いた分析を進めることで、地域産業の基盤である生物多様性や自然資本に対する評価と情報開示を行い、ネイチャーポジティブな金融の流れに資することで地域社会の持続可能な発展に貢献してまいります。
※ENCORE:国連環境計画自然保全モニタリングセンター等により開発された、自然への依存や影響を分析す
るツール。
和歌山県における依存・インパクト


大阪府における依存・インパクト


(5)人権に関する取組
価値観の多様化や、企業における事業・サービスの拡大などに伴い、企業活動における人権尊重の重要性が高まっています。当行グループでは、人権尊重への取組を強化するとともに、お客さまやサプライヤーとの協働を通じて、人権が尊重される社会の実現に貢献するため、2024年5月に「紀陽フィナンシャルグループ人権方針」を策定いたしました。また、お客さまとのより良好な関係の構築と、従業員の良好な職場環境の確保を目的に、2025年4月に「カスタマーハラスメント対応方針」を策定いたしました。
引き続き、社会課題に配慮した事業活動により、質の高い金融サービスの提供、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行及び当行グループ(以下、総称して当行)が判断したものであります。
当行の財政状況、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとして、以下に記載したリスクのうち(1)信用リスク及び(2)市場リスクがあげられます。
当行は、信用リスク・市場リスクについて、統計的手法を用いて、一定の期間に被る最大損失額をリスク量として計測し、これらのリスクを統合的に把握し、経営体力(自己資本)と対比することで適切なリスクをとりつつ、収益機会を捕捉する経営戦略に資するよう努めております。また、想定されるリスクシナリオについて、ストレステストを実施し、経営計画の実行性や資本の十分性等について確認を行っております。
当行の主要営業基盤は、和歌山県及び大阪府であり、貸出金・預金ともに中小企業、個人及び地方公共団体を中心に同地域での比率が高くなっております。
主要営業基盤とする地域の経済動向により、貸出金額、預金量及び与信関係費用等が変動し、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
地域経済や地価の動向、融資先企業の経営状況などにより、不良債権残高の増加や不良債権の劣化がありますと、与信関係費用が増加する可能性があります。
また、当行では不良債権残高の圧縮に向け、不良債権の実質処理を促進するための処置や対応を進めておりますが、実質処理に際するコスト等が発生することがあり、このため与信関係費用が増加する場合があります。
③貸倒引当金の状況
当行では、貸出先の貸倒実績等に基づいて予想損失率を見積もり、貸出先の状況や担保による保全状況等に応じて貸倒引当金を計上しております。しかしながら、経済状況の変化や大口取引先の倒産等により、実際に発生する貸倒が見積りを上回り、貸倒引当金を上回る損失が発生する場合があります。また、担保価値の下落や予期しない事象により、貸倒引当金の積み増しが必要となる可能性もあります。
④その他
当行の貸出先のなかには、当行以外の銀行をメインとしている企業があります。メイン行の融資方針が転換された場合に当該企業のキャッシュ・フローや支払能力に問題が生じる場合があり、当行にも悪影響が及ぶ可能性があります。
当行は、国内債券・外国債券を保有しております。投資対象は国内外の国債をはじめとする信用リスクが小さい銘柄が中心です。
これらの債券の価格は国内外の市場金利や投資先の信用状況の影響を受けます。当行では、リスクの限定やヘッジ取引などを通じてリスクコントロールに努めておりますが、予期しない金利上昇や投資先の信用状況の悪化により、価格変動等に伴う損失を被る可能性があります。
当行は、金融資産と金融負債の金利更改期が異なることにより発生する期間損益の変化について管理しておりますが、予期しない金利変動が起こった場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、国内株式、投資信託等を保有しております。これらは、取引先との関係強化などを総合的に判断するなかで保有している株式、あるいは投資を目的とした株式、投資信託等ですが、今後の株価等の動向によっては当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④為替リスク
当行は、外貨建て資産を保有しております。これらの資産に関しては、同一通貨での資金調達やオフバランス取引などにより為替リスクを回避しておりますが、予期せぬ事象によりヘッジの有効性が損なわれた場合などには、損失を被る可能性があります。
当行は、資金の運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、又は通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被る可能性があります。
当行は、金融市場の混乱等により市場において取引ができなくなったり、通常よりも著しく不利な条件での取引を余儀なくされることにより損失を被る可能性があります。
役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより、業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
コンピュータシステムの停止、誤作動や不正使用、または外部からのサイバー攻撃等により、業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
法令解釈の相違や法令手続きの不備などによる法律関係の不確実性のほか、将来の法令諸規制の変更等により、業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
災害、犯罪、その他の事象の発生により、有形資産の毀損及び損害を被る可能性があります。
人事労務上の不公正や不公平(報酬・手当・解雇等)、差別的行為(セクシャルハラスメント等)のほか安全衛生管理上の問題など訴訟が発生した場合、業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行が営業を行う地域は、東南海・南海地震や南海トラフ巨大地震等の発生が危惧されている地域です。大規模な震災やその他の自然災害等が発生した場合、業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 競争の激化
当行が主として注力している中小企業・個人マーケットは、大手金融機関を含め他の金融機関との競争が激化しております。
こうしたなかで、地域金融グループとして、総合的な金融サービスをご提供するための新商品や新サービスの導入、地域のお客さまとの接点を重視したきめ細かい対応などにより優位性を保つことを目指しておりますが、これが奏功しない場合には当行の収益性の低下などを招く可能性があります。
当行は、お客さまの個人情報をはじめとした重要情報を多く保有しております。これらの重要な情報が外部に漏えいした場合、当行の信用が低下・失墜するとともに、業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行業務の外部委託先において、委託業務の遂行に支障が生じた場合や、重要情報の漏えい及び紛失等により、業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行では、コンプライアンスを経営の最重要課題のひとつとして、規程の制定や諸施策の実施等を通じたコンプライアンス態勢の整備に取組んでおります。
しかしながら、法令違反行為等により、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行では、地域金融グループとしての公共性と社会的責任に鑑み、公正かつ適切な情報公開を積極的に行い、経営の透明性の向上を図ってまいります。しかしながら、当行や金融業界等に対する憶測や市場関係者の噂等、その内容の正確性に関わらず風説や風評がきっかけとなり、当行の株価や当行の業務運営、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた国内基準以上に連結自己資本比率及び単体自己資本比率を維持しなければなりません。
当行は、当連結会計年度末時点では、これらの各基準を大きく上回っておりますが、万一、基準を満たさなくなった場合には監督当局から指導や命令を受けることとなります。なお、当行の各自己資本比率は、主に以下の要因により低下する可能性があります。
・財務会計上の最終赤字が発生する。
・営業地域での資金需要増加に対応して貸出金残高が増加する。
・収益性向上のため市場運用での信用リスクのリスクテイクを行う。
・自己資本比率の基準及び算定方法が変更される。
・その他、自己資本が減少する、もしくはリスク・アセットが大幅に増加する。
当行は、格付機関から格付を取得しております。格付機関が格付を引き下げた場合、当行の資金調達コストの上昇や市場からの資金調達が困難になるなど、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
新たな会計基準の導入や会計基準の変更が行われた場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
繰延税金資産の計算は、将来の課税所得を含めた様々な予測等に基づいており、実際の結果が予測等とは異なる場合があります。
当行が、将来の課税所得の予測等に基づいて繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当行は繰延税金資産を減額し、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
年金資産の運用利回りが低下した場合、退職給付債務の算出の前提となる割引率等の計算基礎に変更があった場合及び退職給付制度を変更した場合等には、退職給付費用や退職給付債務が増加し、当行の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行が所有する営業拠点等の固定資産については、経済環境や不動産価格の変動等による収益性の低下又は価額の下落が発生した場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
金融政策の変更により、上記のリスク等に影響を与え、当行の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行では、現時点の法律・規則等にしたがって業務を遂行しております。将来において、これらの変更が発生した場合、当行の業務遂行や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(16)マネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融及びその他経済制裁措置違反に係るリスク
当行はマネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融及びその他経済制裁措置違反防止のための態勢整備を重要な課題と位置づけ、リスクベース・アプローチに基づく適切なマネロン等管理態勢の構築に努めております。しかしながら、不正な取引を未然に防止することができなかった場合等には、不測の損失の発生や信用失墜等により、当行の業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17)気候変動に係るリスク
気候変動に伴う以下の事象が当行の業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
・豪雨・台風、河川氾濫等の被害による当行営業拠点の毀損。
・豪雨・台風、河川氾濫等の被害による取引先の資産(不動産担保等)の毀損、及び取引先の操業停止に伴う財務状況悪化。
・環境規制強化の影響を受ける取引先の財務状況悪化。
・技術転換・技術革新への対応による影響、及び消費者ニーズの変化に伴う需要減少による影響を受ける取引先の資産価値毀損や財務状況悪化。
当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度のわが国の経済は、緩やかに回復しました。
企業部門では、企業の設備投資意欲は底堅く、価格高によるマイナスの影響や人手不足による供給制約があるなかでも、緩やかに持ち直しました。輸出は、中国向けでやや減速傾向にあるものの、インバウンド需要が堅調に推移し、全体としては緩やかな増加基調となりました。また、個人消費では、食料品を中心とした物価高により節約志向が高まっているものの、雇用・所得環境の改善を背景に、持ち直しの動きが続きました。
金融面では、インフレの鈍化や景気の減速を背景に、米欧中央銀行が金融緩和姿勢を強めましたが、第2次トランプ政権の関税政策や欧州の防衛費増額により海外金利は一進一退となりました。また、日本においてはコメ価格やエネルギー価格の高騰を背景にした物価上昇から日本銀行は利上げを実施し、円金利が上昇しました。為替市場は、日本銀行の利上げを背景に円高進行したものの、第2次トランプ政権への期待から年後半は円安方向へと転換しました。
このような状況下、当行グループは、目指す銀行像「銀行をこえる銀行へ(お客さまの期待や地域の壁をこえ、銀行という枠をこえることを目指します。)」の基本方針のもと、お客さまの利便性向上に努めるとともに、より充実した金融商品、金融サービスの提供に注力し、業績の向上と経営体質の強化に取り組んでまいりました。
財政状態は、貸出金残高が、中小企業向け貸出を中心に前連結会計年度末比3,136億円増加し4兆1,460億円となりました。預金等残高(譲渡性預金を含む。)は、前連結会計年度末比529億円増加し4兆7,376億円となりました。有価証券残高は、前連結会計年度末比503億円減少し8,320億円となりました。
経営成績は、連結経常収益が、貸出金利息や有価証券利息配当金、役務取引等収益が増加したこと等から、前連結会計年度比139億38百万円増加し987億20百万円となりました。連結経常費用は、国債等債券売却損が増加したこと等から、前連結会計年度比107億65百万円増加し754億11百万円となりました。以上の結果等により、連結経常利益は、前連結会計年度比31億72百万円増加し233億8百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比25億98百万円増加し176億18百万円となりました。
セグメントの業績は、当行グループの中心である銀行業セグメントが、上記の要因等により、経常収益が前連結会計年度比126億59百万円増加し867億30百万円、経常費用が前連結会計年度比100億81百万円増加し658億33百万円、経常利益が前連結会計年度比25億78百万円増加し208億97百万円となりました。また、その他セグメントは、経常収益が前連結会計年度比10億83百万円増加し142億65百万円、経常費用が前連結会計年度比9億8百万円増加し118億39百万円、経常利益が前連結会計年度比1億75百万円増加し24億26百万円となりました。
連結自己資本比率(国内基準)は、自己資本の額が前連結会計年度末比29億円増加し、リスク・アセット等の額が前連結会計年度末比1,304億円増加した結果、前連結会計年度末比0.72ポイント低下し12.05%となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、債券貸借取引受入担保金が増加したものの、貸出金の増加や借用金の減少等から、前連結会計年度比3,012億49百万円減少し△1,861億81百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が減少したこと等から、前連結会計年度比1,475億5百万円増加し169億52百万円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出が増加したこと等から、前連結会計年度比46億82百万円減少し△74億23百万円となりました。以上の結果等により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比1,766億61百万円減少し8,070億17百万円となりました。
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
当連結会計年度の資金運用収支は、資金運用収益が前連結会計年度比128億92百万円増加の591億32百万円となり、また、資金調達費用が前連結会計年度比27億75百万円増加の83億82百万円となったため、前連結会計年度比101億18百万円増加の507億50百万円となりました。うち国内業務部門は、494億93百万円となりました。役務取引等収支は、前連結会計年度比6億42百万円増加の127億25百万円となりました。うち国内業務部門は、127億21百万円となりました。その他業務収支は、前連結会計年度比29億80百万円減少の△88億84百万円となりました。うち国内業務部門は、△104億75百万円となりました。
(注) 1 国内業務部門は円建取引、国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度△0百万円、当連結会計年度4百万円)を控除して表示しております。
3 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
当連結会計年度の資金運用勘定の合計の平均残高は、貸出金の平均残高が増加したこと等から、前連結会計年度比3,456億円増加の4兆9,285億円となり、利回りは、前連結会計年度比+0.17ポイントの1.15%となりました。うち国内業務部門の平均残高は4兆8,170億円、利回りは1.04%となりました。
また、資金調達勘定の合計の平均残高は、コールマネーの平均残高が減少したこと等から、前連結会計年度比4,282億円減少し5兆6,446億円となり、利回りは、前連結会計年度比+0.05ポイントの0.14%となりました。うち国内業務部門の平均残高は5兆5,373億円、利回りは0.05%となりました。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2 国内業務部門は円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は無利息預け金及び付利対象である日本銀行への預け金の平均残高(前連結会計年度1,622,308百万円、当連結会計年度867,132百万円)及び当座預け金利息(前連結会計年度1,087百万円、当連結会計年度2,269百万円)を控除して表示しております。
4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2 国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は無利息預け金及び付利対象である日本銀行への預け金の平均残高(前連結会計年度11百万円、当連結会計年度10百万円)を控除して表示しております。
4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2 資金運用勘定は無利息預け金及び付利対象である日本銀行への預け金の平均残高(前連結会計年度1,622,319百万円、当連結会計年度867,143百万円)及び当座預け金利息(前連結会計年度1,087百万円、当連結会計年度2,269百万円)を控除して表示しております。
3 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
当連結会計年度の役務取引等収益は、前連結会計年度比9億37百万円増加し184億65百万円となりました。うち国内業務部門は、183億68百万円となりました。また、役務取引等費用は、前連結会計年度比2億95百万円増加し57億39百万円となりました。うち国内業務部門は、56億47百万円となりました。
(注) 国内業務部門は円建取引、国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金
3 国内業務部門は円建取引、国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
該当事項はありません。
(注) 1 国内業務部門は円建取引、国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態
貸出金残高は、大阪府内を中心に中小企業向け貸出が増加したこと等により、前連結会計年度末比3,136億円増加し4兆1,460億円(うち中小企業等貸出金(※)残高は3兆1,531億円)となりました。
預金等残高(譲渡性預金を含む。)は、法人預金を中心に増加したこと等により、前連結会計年度末比529億円増加し4兆7,376億円となりました。
有価証券残高は、国内債券及び投資信託を中心としたポートフォリオの入替等により、前連結会計年度末比503億円減少し8,320億円となりました。
※ 中小企業等貸出金とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社または常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の会社及び個人への貸出金をいいます。
キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが、債券貸借取引受入担保金が増加したものの、貸出金の増加や借用金の減少等から、前連結会計年度比3,012億49百万円減少し△1,861億81百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が減少したこと等から、前連結会計年度比1,475億5百万円増加し169億52百万円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出が増加したこと等から、前連結会計年度比46億82百万円減少し△74億23百万円となりました。以上の結果等により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比1,766億61百万円減少し8,070億17百万円となりました。
なお、重要な資本的支出の予定はございません。当面の設備投資及び株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
資金利益は、貸出金残高の増加や利回りの上昇により貸出金利息が増加したことや、有価証券利息配当金が増加したこと等から、前連結会計年度比101億18百万円増加し507億50百万円となりました。
役務取引等利益は、事業性サービス部門収益が増加したこと等から、前連結会計年度比6億42百万円増加し127億25百万円となりました。
その他業務利益は、国債等債券損益が減少したこと等から、前連結会計年度比29億80百万円減少し△88億84百万円となりました。
以上により、連結粗利益は前連結会計年度比77億80百万円増加し545億91百万円となりました。
営業経費は、人件費が増加したこと等から、前連結会計年度比19億43百万円増加し349億61百万円となりました。また、与信コスト総額は、前期に大口債権の回収による取立益があったことの反動等から、前連結会計年度比16億94百万円増加し△5億59百万円となりました。さらに、株式等関係損益は、株式等売却益が減少したこと等から、前連結会計年度比10億75百万円減少し23億69百万円となりました。
以上の結果等により、経常利益は前連結会計年度比31億72百万円増加し233億8百万円となりました。
特別損益は、固定資産処分益の増加等から、前連結会計年度比74百万円増加し△27百万円となり、また、法人税、住民税及び事業税は、前連結会計年度比8億54百万円減少し42億3百万円となりました。
以上の結果等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比25億98百万円増加し176億18百万円となりました。
(注) 1 連結粗利益=資金利益(資金運用収益-資金調達費用)+役務取引等利益(役務取引等収益
-役務取引等費用)+その他業務利益(その他業務収益-その他業務費用)
2 与信コスト総額は、与信費用に償却債権取立益などの与信関連損益を加味して算出しております。
③連結自己資本比率(国内基準)
連結自己資本比率(国内基準)は、自己資本の額が前連結会計年度末比29億円増加し、リスク・アセット等の額が前連結会計年度末比1,304億円増加した結果、前連結会計年度末比△0.72ポイントの12.05%となりました。
(単位:億円、%、ポイント)
当行グループにおいては、「銀行業」を報告セグメントとしております。
銀行業セグメントは、既述の要因等により、経常収益が前連結会計年度比126億59百万円増加し867億30百万円、経常費用が前連結会計年度比100億81百万円増加し658億33百万円、経常利益が前連結会計年度比25億78百万円増加し208億97百万円となりました。
また、その他セグメントは、経常収益が前連結会計年度比10億83百万円増加し142億65百万円、経常費用が前連結会計年度比9億8百万円増加し118億39百万円、経常利益が前連結会計年度比1億75百万円増加し24億26百万円となりました。
当行グループは、2024年4月から2027年3月までの3年間を計画期間とした「第7次中期経営計画」に取り組んでおります。
第7次中期経営計画における目指す経営指標及び実績
なお、2025年5月、好調な業績推移、および金利環境の変化を背景に目指す経営指標の見直しを実施いたしました。
※顧客向けサービス業務利益<単体>=貸出金平残×預貸金利回差+役務取引等利益-営業経費
第7次中期経営計画の遂行により、当行グループが得意としている「中小企業分野」における本業支援活動の充実、サステナビリティ経営の高度化等により地元企業の成長に貢献し、当行グループ・地元地域が双方に持続可能な発展に向け事業展開いたします。
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。