以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(経営方針)
1 経営の基本方針
当行は、「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」を経営理念とし、経営の健全性の確保を図りながら、地域のためにお役に立つことを基本方針としております。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響が広く実態経済へと波及し、今後の見通しは依然不透明なままです。このような危機的状況において、お客様・従業員等の安全確保と安定的な金融サービスの維持を最優先に位置付けたうえで、地域経済の悪化防止と早期回復に向け、金融サービスを通じてお客様や地域社会を支えることが当行の社会的使命であると認識しております。
当行の有する経営資源を最大限活用してお客様や地域の課題解決に取り組むことで、お客様や地域社会、株主の皆様、従業員など、全てのステークホルダーに価値を提供するとともに、持続可能な地域社会の実現を目指します。
2 中長期的な経営戦略
当行の経営環境は、主たる営業地盤である山陰の人口減少と高齢化に加え、日本銀行のマイナス金利政策継続による影響もあり、厳しい環境が続くものと予想されます。しかしながら、このような環境下においても地域とともに持続的に成長できるよう、2018年度からスタートした中期経営計画においては「お客様本位の付加価値共創」「デジタル化による構造改革の推進」「組織が活性化する人事運営」を三本柱とする重点施策を推し進めております。
中期経営計画の重点施策のうち、「お客様本位の付加価値共創」については、「地域産業の競争力強化とお取引先の企業価値向上」「兵庫・大阪への進出加速による地域の架け橋としての機能強化」「個人向けコンサルティング機能の高度化」に取り組んでおります。
「地域産業の競争力強化とお取引先の企業価値向上」では、地域産業に対し当行グループが一体となり面的支援や、地公体等との連携を通じた地域経済の底上げを図るほか、地域に夢のある新事業を創出すべく、事業の創発プログラムを実行しております。また、個々のお取引先に対して、これまで以上に対話を深め、売上や利益の増加等の付加価値向上に向けた徹底的なサポートや、事業性評価に基づく成長や業績改善のための積極的な資金供給等に取り組み、従来の事業領域の枠組みにとらわれず挑戦してまいります。特に、新型コロナウイルスの影響を受けたお客様のサポート体制を強化するため、「新型コロナ事業支援チーム」を発足しました。当チームを中心に、本部・営業店が一体となり、コンサルティングを通じた事業支援活動に取り組んでまいります。
「兵庫・大阪への進出加速による地域の架け橋としての機能強化」では、戦略的市場と位置付ける兵庫・大阪地区の中堅・中小企業の顧客基盤の拡充を進め、当行の強みである広域ネットワークを活用し、山陰と山陽・兵庫・大阪のお取引先を繋ぐことにより、戦略的市場の成長が地元に還流されるよう取り組んでまいります。
「個人向けコンサルティング機能の高度化」では、大きく変わる収益環境と多様なお客様のニーズに応えるため、野村證券株式会社と業務提携を行い、預り資産ビジネスの抜本的な見直しを実施いたします。同社の持つ高度な知見を取り入れ、コンサルティング能力を高め、ワンストップで幅広いソリューションを提供いたします。個人ローンでは、対面・非対面チャネルを効果的に連携させ、お客様一人ひとりのライフステージに応じた様々なニーズに応えてまいります。また、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に更にキャッシュレス決済が進展することを見据え、地域のインフラ環境の整備に取り組むとともに、キャッシュレス収益の増強に取り組んでまいります。
「デジタル化による構造改革の推進」においては、戦略的分野に経営資源を投下するため、ITを活用して抜本的な業務改革を行い、コスト競争力の強化と生産性の向上を実現いたします。Webやアプリの機能を拡充し、デジタルチャネルによる顧客接点の強化や新たな価値・サービスの開発を進め、お客様へ利便性の高い金融サービスを提供いたします。また、キャッシュレス化を促進させ、新たな価値提供にも取り組んでまいります。
「組織が活性化する人事運営」においては、専門人材の育成や女性・シニア層の活躍促進など、行職員一人ひとりが成長し能力を存分に発揮できる体制を整備し、地域・お客様の長期的な価値創造のソリューション提供に努めてまいります。
(経営環境)
当期のわが国経済は、上期は海外景気が減速傾向にあるなかで、堅調な国内需要を下支えに緩やかな回復基調を維持しましたが、下期は消費税率引き上げや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響などにより大幅に悪化しました。生産活動は資本財や耐久消費財の需要減退により低下し、期末には設備投資を先送りするなどの動きもみられました。個人消費も上期は改元に伴う需要増加などの好材料がありましたが、消費税率引き上げや自然災害、新型コロナウイルスの影響などが重なり、下期には弱い動きが広がりました。
当期の金融マーケットの動向をみると、長期金利は日銀の金融緩和政策が続くなかで夏場に△0.290%まで低下しました。その後、米国FRBが10年7カ月ぶりに利下げに転じましたが、年明け以降はウイルス感染の拡大に端を発した世界的な金融市場の不安定化に伴う債券売却の圧力から、上昇しやすい地合いとなりました。日経平均株価は、年央に米中対立の激化などを材料に弱含んだ後、年末にはITサイクルの回復期待や米中通商協議の部分合意を受けて24,000円を超えましたが、期末にはウイルス感染の拡大懸念から一時16,000円台まで下落しました。また、米ドル円相場は、期を通じて方向感が定まらない展開が続き、年央にかけて円高傾向で推移した後、下期には米中間の緊張緩和などを背景に一旦は円安方向へ動きましたが、期末にはFRBの緊急利下げなどを受けて一時101円台まで円高が進みました。
こうした金融経済環境のもとで、当行グループの主たる営業地盤である山陰両県の経済は、高水準の公共投資による下支えがありましたが、生産活動は海外向けを中心に鉄鋼や電子部品・デバイスなどで受注の減少がみられ、設備投資も大型投資の一巡などにより減少に転じました。また、個人消費は耐久消費財を中心に消費税率引き上げ後の回復が鈍く、観光消費も減少傾向で推移するなど弱い動きが続き、期末にかけて停滞色を強める展開となりました。
当行グループは、山陰地方を中心に山陽、兵庫・大阪地域まで広域なネットワークを構築し、銀行業務を軸に、リース業務、クレジットカード業務など、グループ一体となって幅広い金融サービスを提供しております。
グループの中核となる当行は、特長として、国内銀行の中でトップクラスの安定性・健全性を背景に、山陰地方を中心とした広域な営業地盤における貸出金の増強や有価証券運用の多様化など、積極的にリスクテイクを行なってまいりました。
特に、主要営業地盤である山陰両県では、預金・貸出金いずれにおいても高いシェアを誇っております。その一方、山陰地方は人口減少や少子高齢化といった社会構造の変化が全国に先駆けて進んでいることに加え、新型コロナウイルスが地域経済に与える打撃も大きくなってきております。当行は、こうした環境下においても、地域と共に成長し続けるために、持続可能なビジネスモデル構築に取り組んでおります。
(優先的に対処すべき事業上の課題)
地域金融機関を取り巻く環境は、人口の減少や少子高齢化に加え、日本銀行のマイナス金利政策の継続による超低金利環境の長期化により、更に厳しさを増しております。また、年初からの新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、地元経済への影響も拡大しつつあります。当行は、今こそお客様ならびに地域経済に寄り添い、地域のリーディングバンクとしての使命を果たす機会と考え、最優先課題としてコロナ禍で影響を受けたお客様の資金繰り支援や事業支援に努めてまいります。
また、当行では2017年度から進めてまいりました基幹システムの移行作業を終え、本年1月より新システムを順調に稼動させております。新しくなったシステム基盤をベースに構造改革を着実に進め、収益環境の変化にしっかりと対応してまいります。預り資産部門においては、野村證券株式会社との業務提携による抜本的な業務の見直しに着手し、2020年度より新しいビジネスモデルを展開してまいります。業務のデジタル化についても更にスピードアップして対応し、その他の分野においても、切れ目無く構造改革を進めてまいります。
こうした構造改革による経営資源の創出や組織のレベルアップを通し、地域産業の競争力強化やお取引先の企業価値向上に向けたサポートと、個人のお客様向けコンサルティング機能の高度化によるきめ細やかなサービスを実践することで、地域経済の活力を引き出し、持続可能な地域社会の発展と当行の企業価値の向上を実現してまいります。
(優先的に対処すべき財務上の課題)
2020年3月末時点の連結自己資本比率は12.95%、単体自己資本比率は12.52%と、引き続き高い水準を維持しておりますが、当行が戦略的に実施している貸出残高の増加等により、自己資本比率は長期的には低下傾向にあります。当行では引き続き、予算策定時の目標設定、リスク・リターンを意識した取り組み、期中モニタリングのPDCAサイクルを回すことなどにより、自己資本比率を適正に維持するための取り組みを実践してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
マイナス金利政策による超低金利環境が続く厳しい状況下においても、当行は収益を安定的に確保していかなければなりません。このため当行は、主たる営業地盤である山陰両県における法人及び個人向け取引の推進、また山陰両県外においてもリスクを見極めながら貸出金残高の増強に努めるなど、貸出金利息の維持・増強に取り組んでおります。また、有価証券投資においては、日本国債等への投資に加え、外国債券や投資信託への投資などによる収益の確保に努めております。また、非金利収益を安定的に確保していくことの重要性を認識しており、事業支援業務、クレジットカード業務、預り資産業務など、グループ総力を挙げて取り組んでおります。このためには、安定した預金調達基盤を一層強固なものにし、預金残高を維持・増強する必要があります。
このような中において、当行では、主に以下のリスクを認識しております。
① 営業戦略等が奏功しないリスク
当行は、収益力強化のために様々な営業戦略等を実施しておりますが、国内外の経済環境悪化、他業種との競争激化あるいは顧客ニーズとの乖離等により、これらの戦略が奏功しないリスクがあります。このような場合、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は中期経営計画に基づき、取締役会のほか、経営執行会議や執行役員会議等を機動的に開催し、多面的に検討を行ったうえで営業戦略を策定しております。また、採用した営業戦略の進捗について評価・分析を行い、必要に応じ戦略を修正・変更するなど、機動的な運営ができる態勢としております。
② 特定地域の経済動向の影響を受けるリスク
当行は、山陰両県を主たる営業地盤として営業活動を行っております。したがって、当行の預金残高や貸出金残高のほか、手数料収益や与信費用などの増減が山陰両県の経済情勢に大きく影響を受け、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、少子高齢化が進む課題先進地域の地域金融機関として、積極的に地域の課題解決を図り、地域、お客様とともに成長する、先行モデルづくりにチャレンジしております。当行は従来より広域地方銀行を目指し、山陽地区や、兵庫県へ広域展開を図ってまいりました。積極的に経営資源を投入し、地域的なリスク分散も図っております。当事業年度末日における地域別の貸出金割合は、山陰両県の50.9%に対し、広島・岡山15.7%、兵庫・大阪19.5%、東京13.7%となっております。
③ 感染症の流行に関するリスク
現在流行している新型コロナウイルス感染症の流行が収束しない場合や、新型インフルエンザその他の感染症が流行した場合、当行の営業活動に支障を来たすことによる手数料等収益の減少や、経済活動が低下し、お取引先の財政状態及び経営成績が悪化することによる与信費用の増加など、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、一部の店舗等において業務の継続が困難になる可能性もあります。
当行では、新型コロナウイルスで影響を受けたお取引先への徹底的な支援を実施しております。また、当行ではお取引先・役職員の安全を最優先に、感染防止策を講じるとともに、万一の事態が発生した場合にも業務が継続できるよう、万全の態勢を整備しております。
④ 風評リスク
各種リスクの顕在化、不祥事件の発生、あるいは風説の流布などによって当行の風評が悪化した場合、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、健全性を維持し、安定的な利益を計上するとともに、積極的な情報開示を行うことで、風評リスクの発生防止に努めております。
⑤ 信用リスク
信用リスクとは、お取引先の財務内容の悪化等により、貸出金などの利息や元本の回収が困難になり、損失を被るリスクであります。お取引先を取り巻く環境の変化等によっては、当行の不良債権及び与信費用が増加し、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
貸出金残高の増強戦略下においては、対象となる資産が増加するため、信用リスクは増加する傾向にあります。信用リスクに対しては資本配賦を行い、モニタリングすることで、経営体力(自己資本)の範囲内にリスク量をバランスさせております。信用リスクの管理は、「内部格付制度」をベースとして、「個別案件の厳正な審査・管理(ミクロの信用リスク管理)」と、「信用リスクの計量化によるポートフォリオの管理と適切な運営(マクロの信用リスク管理)」及び「厳正な自己査定とそれに伴う適切な償却・引当の実施」を基本としております。また、定期的にローンレビューや信用リスク管理委員会、ALM委員会を開催し、信用リスク管理に関する協議等を行っております。
⑥ 市場リスク
市場リスクとは、金利、株価、為替などの市況の変動によって、当行が保有している金融資産・負債の価値が変動し損失を被るリスクであります。
当行は、日本国債等への投資に加え、外国債券や多様な投資信託への投資を戦略的に実施するなど、有価証券運用に係るリスクテイクの多様化を図っております。そのため、国内外の経済・金融市場の動向によっては、保有する有価証券の価格下落による減損または評価損が発生し、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、市場リスクに対し資本配賦を行い、モニタリングすることで、経営体力(自己資本)の範囲内にリスク量をバランスさせております。市場リスクについては、実質リスクやVaRの水準について日次で把握・管理を行っているほか、ALM委員会を開催し、実質リスクやVaRの水準、評価損益額などを報告し、リスク量の把握、適切なリスクコントロールの手段の協議・決定を行っております。
⑦ 流動性リスク
流動性リスクとは、予期せぬ資金の流出等により、決済に必要な資金調達に支障を来たす、あるいは通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる等のリスクであります。
深刻な金融システム不安の発生、あるいは当行財務内容の大幅な悪化などにより、当行の資金調達力が著しく低下するような場合には、資金調達費用が大幅に増加し、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行では、流動性リスクについて、日々資金ギャップ限度額による管理を行っております。また、月次ベースで資金繰りの予想・実績を作成し、計画との差異を検証しております。さらに、緊急時に備えて組織体制や対応策などをまとめたコンティンジェンシープランを策定しております。なお、当行では国債等流動化可能債券やその他流動性の高い資産を潤沢に保有しており、流動性リスクに対して万全の態勢を整備しております。
⑧ オペレーショナル・リスク
(オペレーショナル・リスクの概要)
オペレーショナル・リスクとは、「銀行の業務の過程、役職員等(当行及び関連会社の役職員で派遣社員を含む、(以下、「役職員等」という。))の活動、もしくはシステムが不適切であること、又は外生的事象により損失が発生するリスク」と定義し、以下のリスクを認識しております。
A 事務リスク
事務リスクとは、事務管理体制の不備、役職員が正確な事務を怠ること、あるいは事故・不正等を引き起こすこと等によって損失を被るリスクであります。
預金、融資、為替などの銀行業務における各種の事務を適時適切に処理しなかった場合、保有している顧客情報や経営情報の漏えい、紛失等が発生した場合、あるいは役職員による事故・不正等が発生した場合等には、お客さまにご迷惑をおかけしたり、損害賠償責任を負ったりすること等により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
B システムリスク
システムリスクとは、コンピュータシステムの停止や誤作動、システムの不備、またはコンピュータが不正に使用されること等により損失を被るリスクであります。
ATMや営業店端末、当行ホームページ等に障害が発生した場合には、預金払出や振込業務の停止、社会的信用の失墜などによって、お客さまにご迷惑をおかけするとともに、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
C イベントリスク
自然災害やテロリズム等の外生的要因等により、当行の有形資産が毀損し損失を被ったり、事業活動に支障が生じたりすることで、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
D 人的リスク
役職員等の処遇、役職員等の健康及び職場の安全環境に関する問題や、差別行為に起因した賠償責任等により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
E 法務・コンプライアンスリスク
不適切な契約の締結、苦情・トラブル等に起因する訴訟・調停・和解等により、あるいは銀行業務に適用される法律、規制、規則、関連自主規制機関の基準あるいは内部諸規程、企業倫理、社会規範等を遵守しなかった結果として、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(オペレーショナル・リスクの管理体制)
当行は、業務の健全性・適切性の観点から、オペレーショナル・リスクの総合的な管理態勢を整備・構築し、「オペレーショナル・リスク管理規程」にもとづき、オペレーショナル・リスクの特定、評価、モニタリング、コントロール及び削減を図っております。
具体的には、取締役会で承認されたオペレーショナル・リスク管理態勢をもとに、オペレーショナル・リスク管理担当執行役員をはじめとする経営陣の関与のもと、オペレーショナル・リスク統括部署と各オペレーショナル・リスク主管部署による管理を行っております。
また、当行はオペレーショナル・リスク管理委員会を設置し、オペレーショナル・リスク管理各部門が共有すべき重要な事項を把握し、具体的な対応策の策定や部門間の調整等オペレーショナル・リスク管理に関する事項の協議・検討を行っております。オペレーショナル・リスクの管理上重要なものについては、経営執行会議において協議・決定を行います。オペレーショナル・リスクの管理状況については、取締役会に報告しております。
⑨ 規制リスク
当行は、現時点の規制(法律、規則、政策、実務慣行、解釈など)に従って業務を遂行しておりますが、将来におけるこれらの規制の変更ならびにそれに伴って発生する事態により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(財政状態の分析)
預金等(譲渡性預金含む)は、期中808億円増加し、期末残高は4兆2,211億円となりました。これは、公金預金や金融機関預金及び譲渡性預金が減少した一方で、個人預金や法人預金が増加したことによるものです。
貸出金は、山陰両県を中心に住宅ローンなどの個人向け貸出が増加したほか、法人向け貸出も山陽地区、兵庫・大阪及び東京地区で増加したことなどから、期中2,323億円増加し、期末残高は3兆3,223億円となりました。
有価証券は、日本国債への再投資が難しい中で、リスクを見極めながら投資を行った結果、期中556億円増加し、期末残高は1兆6,549億円となりました。
連結自己資本比率(国内基準)は、自己資本額が3,202億円、リスク・アセット等が2兆4,723億円となりました結果、期中0.84ポイント低下し、12.95%となりましたが、引き続き高い水準を維持しております。
(注) 「その他有価証券」については、時価評価しておりますので、上記の表上は、連結貸借対照表計上額と取得原価との差額を記載しております。
(注) 「総所要自己資本額」は、リスク・アセット等の額に4%を乗じた額となります。
(経営成績の分析)
当行は、地域産業の競争力強化とお取引先の企業価値向上に向けた徹底的なサポート、個人のお客様向けコンサルティング機能の高度化によるきめ細やかなサービスを実践することで、地域経済の活力を引き出し、持続可能な地域社会の発展と当行の企業価値の向上を目指し諸施策を展開しております。
日本銀行のマイナス金利政策による超低金利が続き、国内債券への再投資が難しい環境の中、事業支援活動などによる貸出金の増加ならびに投資信託などでの機動的な運用を行いました。このほか、企業価値向上やコンサルティングといった事業支援や預り資産関連業務等の非金利収益増強にも努めました。
この結果、経常利益は前期比30億38百万円減少の162億56百万円となりました。これは、資金利益や債券関係損益が増加しましたが、一方で期末にかけて、新型コロナウイルス感染症拡大懸念からの市況悪化による株式等関係損益の減少や与信費用の増加に加え、基幹システムの移行に伴う一時費用を計上したことなどによるものであります。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、同様の理由から前期比27億38百万円減少の104億67百万円となりました。
(注) 連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(役務取引等収益-役務取引等費用)+
(その他業務収益-その他業務費用)
セグメントごとの業績につきましては、「銀行業」で経常収益が前期比81億62百万円減少の733億50百万円、セグメント利益は前期比33億53百万円減少の159億6百万円となりました。また、「リース業」では、経常収益が前期比1億83百万円増加の160億17百万円、セグメント利益は前期比1億27百万円減少の5億16百万円となり、証券業務や信用保証業務等を行う「その他」では、経常収益が前期比12億77百万円減少の26億56百万円、セグメント利益は前期比1億95百万円減少の△1億37百万円となりました。
なお、当行では、お客様のニーズが多様化、複雑化する中、グループ経営をより一層重視し、各セグメントに属する各社の総合力により、お客様に最適な金融サービスを提供することで、各セグメント利益の向上、ひいては当行グループの企業価値向上を図ってまいります。
(キャッシュ・フローの状況の分析ならびに資本の財源及び資金の流動性)
営業活動によるキャッシュ・フローは貸出金の増加などによる支出が預金の増加などによる収入を上回ったことから、1,072億円の支出(前期比439億円減少)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは有価証券の取得などによる支出が有価証券の売却や償還などによる収入を上回ったことから、859億円の支出(前期比3,558億円減少)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払いなどにより40億円の支出(前期比1億円増加)となり、その結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比1,972億円減少の5,676億円となりました。
当行グループは、銀行業務を中心とする事業を行っております。したがって、当行グループの資金調達は主に預金等(預金及び譲渡性預金)及びコールマネー等の市場調達等によっており、資金運用は主に貸出金及び有価証券等によっております。
当行グループは、預金等を中心とした安定的な資金調達基盤を整備し、営業活動や設備投資等に十分に対応できる手元資金を確保しているほか、流動性の高い資産を潤沢に保有するなど、流動性リスクに対し万全の態勢を整備しております。
このため、当行グループは、今後予定している資金運用や設備投資等に必要な資金は、手元資金及び営業活動上の資金調達手段にて対応する予定であります。
(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定等)
当行グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しておりますが、取引等の内容によっては、当行グループが合理的と判断する仮定や見積りを必要とするものがあります。これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し決定しており、将来における不確実性を有しております。
重要な仮定や見積りを伴うものは、以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積りについては、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(追加情報)に記載しております。
○ 貸倒引当金の計上
貸倒引当金の計上基準については、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」に記載のとおりであります。
取引先の格付、担保評価、保証人等からの回収見込、引当率(倒産確率・予想損失率等)等の仮定や見積りが実績と乖離した場合、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
○ 有価証券の減損処理
減損処理を行った有価証券については、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」に記載のとおりであります。
時価が回復すると見込み、減損処理を実施しなかった有価証券の時価が回復しなかった場合、または減損処理を実施した有価証券の時価が上昇した場合、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
○ 退職給付関係に係る会計処理
退職給付関係については、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」に記載のとおりであります。
数理計算上の仮定や見積りとして用いられた割引率、長期期待運用収益率、予想昇給率等が実績と乖離した場合、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
○ 繰延税金資産の計上
税効果会計関係については、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」に記載のとおりであります。
繰延税金資産は、期末時点における将来加算一時差異の解消スケジュールを合理的に見積り、回収可能と判断したものを計上しておりますが、実際の一時差異の解消が解消スケジュールの見積りと乖離した場合、繰延税金資産にかかる評価性引当額の増減等により、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(参考)
当連結会計年度の資金運用収支は、国内業務部門487億円、国際業務部門52億46百万円となり、合計で539億47百万円と前期比9億63百万円の増加となりました。役務取引等収支は、国内業務部門69億80百万円、国際業務部門71百万円となり、合計で70億51百万円と前期比2億99百万円の減少となりました。また、その他業務収支は、国内業務部門9億50百万円、国際業務部門3億68百万円となり、合計で13億18百万円と前期比24億43百万円の増加となりました。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内に本店を有する連結子会社(以下「国内連結子会社」という。)の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 連結会社間の取引相殺後の計数を記載しております。
3 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度:国内業務部門1百万円、国際業務部門―百万円、当連結会計年度:国内業務部門1百万円、国際業務部門―百万円)を控除して表示しております。
4 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は、国内業務部門4兆6,389億60百万円、国際業務部門3,755億52百万円となり、両部門間の資金貸借の平均残高相殺後の合計で4兆9,664億20百万円と前期比290億30百万円の減少となりました。また、資金運用利回りは、国内業務部門1.08%、国際業務部門2.09%となり、合計では1.16%と前期比0.09ポイントの低下となりました。
資金調達勘定の平均残高は、国内業務部門5兆139億90百万円、国際業務部門3,752億48百万円となり、両部門間の資金貸借の平均残高相殺後の合計で5兆3,411億46百万円と前期比220億51百万円の減少となりました。また、資金調達利回りは、国内業務部門0.02%、国際業務部門0.69%となり、合計では0.07%と0.11ポイントの低下となりました。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の国内連結子会社については月末毎の残高ないし半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。
3 連結会社間の債権・債務及び取引相殺後の計数を記載しております。
4 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度557,213百万円 当連結会計年度569,841百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度4,000百万円 当連結会計年度4,999百万円)及び利息(前連結会計年度1百万円 当連結会計年度1百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
5 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 1 「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等を含めております。
2 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度―百万円 当連結会計年度―百万円)及び利息(前連結会計年度―百万円 当連結会計年度―百万円)を控除して表示しております。
3 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の国内連結子会社については月末毎の残高ないし半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 連結会社間の債権・債務及び取引相殺後の計数を記載しております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度557,213百万円 当連結会計年度569,841百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度4,000百万円 当連結会計年度4,999百万円)及び利息(前連結会計年度1百万円 当連結会計年度1百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
4 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
当連結会計年度の役務取引等収益は、国内業務部門110億88百万円、国際業務部門1億59百万円となり、合計で112億48百万円と前期比2億14百万円の減少となりました。また、役務取引等費用は、国内業務部門41億8百万円、国際業務部門88百万円となり、合計で41億96百万円と前期比85百万円の増加となりました。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 連結会社間の取引相殺後の計数を記載しております。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 連結会社間の債権・債務相殺後の計数を記載しております。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金+定期積金
(注) 1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは海外店及び海外連結子会社であります。なお、当行は海外店及び海外連結子会社を保有しておりません。
3 連結会社間の債権・債務相殺後の計数を記載しております。
日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定の計上が必要となる国の外国政府等(外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等)に対する債権残高はありません。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 連結会社間の債権・債務相殺後の計数を記載しております。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては、基礎的内部格付手法を採用しております。また、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては、粗利益配分手法を採用しております。
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、3カ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
該当事項はありません。
該当事項はありません。