(1) 経営方針
本年度は2022年度を初年度とする第17次中期経営計画(2022年4月1日~2025年3月31日)の最終年度となりました。「このまちで、あなたと・・・金融の枠を超えて地域の価値向上を実現する銀行グループ」を目指す姿として掲げ、“地域の発展なくして当行グループの発展なし”という地域銀行グループとしての使命を再認識し、地域の将来に亘る発展・成長を支え続けていくため、マーケットインの発想でお客さま起点の成長戦略に取組み、サステナブルなビジネスモデルの確立を目指しております。これら方針に全役職員一丸となって取組んだ結果、2024年度においては当期純利益ベースで5期連続の増益となりました。
2025年4月1日よりスタートしました第18次中期経営計画では、地域になくてはならない存在であり続けるために、金融を『核』にグループ会社の垣根を超えた地域貢献により、“総合サービス企業グループ”へ向けて着実に歩みを進めてまいります。地域の持続的な発展とともに、当行グループも成長できるビジネスモデルの実現のために、「このまちで、あなたと・・・地域を繋ぎ、人を繋ぎ、地域の豊かな未来をつくる銀行グループ」となることを目指し、当行グループ全役職員が一丸となって取組んでまいります。
有人店舗につきましては、2025年3月に大和町支店および大和町支店金立出張所を新築の同一建物内へブランチインブランチ方式にて移転統合いたしました。この結果、当事業年度末の有人店舗数は本支店72カ店、出張所31カ所、無人店舗(店舗外現金自動設備)は61カ所となりました。
○ 地方創生及び事業性評価に向けた取り組み
佐賀県内における税公金キャッシュレス納付の推進・協力に向けた官民連携プロジェクトの実施をはじめ、2024年10月には地域のキャッシュレス普及を目的として、さぎんキャッシュレス加盟店サービスの提供を開始いたしました。加盟店となる事業者の皆さまに対し国内外の主要な決済に1台で対応できる「モバイル決済端末」をご提供し、併せて決済代金の毎日入金サービス「毎日締め」をご利用いただくことで、入金サイクルの短縮化を図り、資金繰り負担の軽減にも繋げております。
今後も、多様なお客さまのニーズにお応えするため、インターフェイス(お客さまとの接点)の充実やデジタルプラットフォームの構築等、DXに積極的に取組むとともに、お客さまの悩みや課題の解決または価値向上に当行グループ一体となって寄り添うことで、地域経済のデジタル化・生産性向上に繋げてまいります。
また、上場支援に関しましては、2024年4月に地域支援部内に上場支援グループを新設し、東京証券取引所のプロ向け市場である「東京プロマーケット(TPM)」上場を支援する「J-アドバイザー」業務を開始いたしました。さらに、同年8月には、福岡証券取引所が開設するプロ向け市場「福岡プロマーケット(FPM)」における「F-アドバイザー」資格も取得いたしました。当行は、銀行業で唯一の「J-アドバイザー」及び「F-アドバイザー」として、営業エリアである佐賀県、福岡県及び長崎県で事業を行うお客さまを対象に、上場準備のアドバイスや上場適格性の確認を実施しており、上場後は適時開示や、上場維持要件の適合に向けた支援を行ってまいります。当行は、TPMやFPM上場を目指すお客さまへの支援を通じて、「地域の素晴らしい企業」の成長を支え、人口減少や少子高齢化で厳しさを増す地元経済の底上げを図ることで、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。
さらに、当行では、9つの「ブロック制」による営業態勢をベースとし、事業性評価の視点でグループ一体となって、事業承継・M&Aをはじめ、上場支援、IT・DX、事業再生、販路拡大など金融・非金融分野のサービス提供態勢を強化し、コンサルティング領域の拡大に努めたことにより、2024年度においては新たに224件のコンサルティングサービス契約を締結いたしました。
また、地域との連携に関しましては、2024年2月に佐賀県および環境省九州地方環境事務所と共同で、地域の中小企業の脱炭素経営支援を目的に設立した「SAGAネットゼロ・コンソーシアム」が、本事業年度に本格的に稼働を開始いたしました。2025年3月末時点で自治体や金融機関、支援機関など34団体が参加しております。
引き続き会員団体と連携を図り、脱炭素経営を通じた地域企業の成長および経済の活性化と、2050年に向けたカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ)の達成に寄与することを目指してまいります。
○ 取扱商品・サービスなどの拡充
一方、当行グループがもつ多様なリソースや知見により、コンサルティングを起点とした付加価値の高い商品・サービスを創出し、お客さまへ提供してまいります。
事業者さま向けにつきましては、海外展開支援として当行グループで初めて、2024年8月に香港で開催された、アジア最大級の総合食品見本市「Food Expo Pro 」に出展し、佐賀県内4事業者さまに対して香港を中心とした海外への販路開拓支援を実施いたしました。また、外為決済の多様化に伴い、貿易取引を行うお客さまに為替リスクヘッジの面から支援するため、新たに通貨オプション「目標設定型為替デリバティブ取引(TARF)」の取扱いを2025年4月より開始しております。引き続き、販路支援と金融支援の両面から、お客さまの海外販路拡大支援を実施してまいります。
なお、2024年9月にはさぎんBizポータルの提供を開始いたしました。本商品はデジタル化や収益機会創出を促進する機能を搭載したプラットフォームであり、当行から事業に役立つ情報などを提供することにより、お客さまのビジネスをサポートしてまいります。
また、個人のお客さまにつきまして、当行グループは「人生100年時代のライフコンサルタント」を目指し、ゴールベースアプローチの手法を活用してグループ一体となった質の高いサービスの提供に取組んでおります。
兵庫支店(さぎんパーソナルプラザ佐賀)などにおいて住宅資金や資産形成、相続など専門性を要する相談ニーズをサポートしており、また、佐銀キャピタル&コンサルティングによりお客さまへの資産運用サービスの一層の充実を目的とした金融商品仲介業務を行っております。
そのような中、2025年1月には、専門家に一任して資産の運用から管理まで行う、さぎんファンドラップ(MY GOALS)の取扱いを開始いたしました。お客さまに最適な将来の目標を起点とした専用の資産運用プランを案内し、継続的なフォローを実施しながら、お客さまの中長期的な資産形成をサポートしてまいります。
加えて、デジタル化に伴うお客さまの多様なニーズにお応えしつつ、銀行取引をより簡単かつ安全・安心にご利用いただけるよう、「さぎんアプリ」の機能向上にも取組んでおり、2023年12月のリニューアル時点における、普通預金の新規口座開設、残高照会、入出金明細、らくらくe投信といった機能に加え、2025年3月には新たに振込機能を追加いたしました。将来は全ての銀行取引を「さぎんアプリ」で完結できることを目指し、お客さまの利便性を飛躍的に向上させてまいります。
また、SDGs私募債「地域の芽 未来の芽・育む債」につきましては、当事業年度新たに96件/66億円をお引き受けし、SDGsの普及拡大や社会的課題解決への取組みを行う団体への寄付、寄贈を行っております。
さらに、「SDGs」に対する社会的な認知の高まりから、お客さまの企業価値向上とSDGs活動への貢献を金融面でサポートすることを目的として「伴走支援型サステナブルファイナンス(さぎんSDGsローン)」の取扱いを2023年6月より開始しております。この商品は、ご融資を受けられる事業者さまにSDGsに関する目標を設定していただき、当行が継続的に伴走支援をしながらその達成を目指すものです。
また、定められた期間に一定の目標を達成すると金利が優遇される商品内容となっており、2025年3月末時点におきまして累計で109件/25億円のご利用実績となっております。
なお、脱炭素に向けた当行自身の取組みとしましては、第17次中期経営計画期間において、所有する社宅・寮の建築の際に木材を活用することにより、従来の工法と比較し大幅な二酸化炭素排出量の削減に繋げております。引続き、環境に資するエネルギーの利用促進等により、カーボンニュートラル達成を目指してまいります。
2025年4月よりスタートしました第18次中期経営計画では、「金利のある世界」の中で、地域銀行グループとして金融を核としたグループ一体での地域貢献により、地域の豊かな未来をつくる銀行グループを目指してまいります。
日本国内では大企業を中心に中小企業においても賃上げの動きが広がる一方で、物価高騰の影響等もあり、景気の好循環の実現には時間がかかる見通しです。また、金融面では、日銀によるマイナス金利解除以降、政策金利の引き上げにより、長らく続いた低金利時代から「金利のある世界」へ転換しています。
変化する時代の中においても、銀行の根幹となる預金・貸出業務は、引き続き当行グループが地域において信頼を得るための証しであり、その重要性については改めて認識しております。
一方、デジタル化の進展による金融アプリ等の充実により、どこにいても金融取引ができる時代となっており、地域=地域銀行という絶対的な基盤が揺らぎつつあると考えています。デジタルチャネルの充実をはじめ、コンサルティング機能の強化や地域のキャッシュレス推進への貢献等を通じて、「金利のある世界」の中で預金の集まる仕組みづくりを行うとともに、お客さまとこれまで以上に強固なリレーションを構築し、このような環境下においても、当行グループが地域になくてはならない存在となるよう目指してまいります。
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、提出会社(当行)が判断したものであります。
当行は2019年10月1日に、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)の趣旨に賛同し、「佐賀銀行グループSDGs宣言」を制定しました。2025年4月よりスタートしました第18次中期経営計画においては、佐賀銀行グループSDGs宣言のもと、環境と経済の好循環の実現を目指すため、①サステナブルな地域社会の実現②多様性の時代に沿った人財の活躍③ガバナンスの高度化をテーマに掲げ、実現に向けた取組みを実践しています。このような中、人権問題をはじめとする社会課題や異常気象を起因とした気候変動問題等、サステナビリティに関連する社会的課題への取組みは当行の経営上の重要事項として認識しており、引続き地域社会の発展に貢献し、地域とともに豊かで活力ある未来を創り続けていくことで、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
1.気候変動への対応「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言の賛同」
近年は世界中で異常気象による自然災害が頻発し、当行営業エリア内におきましても甚大な被害が発生するなど、気候変動は地域社会や経済に大きな影響を及ぼす可能性を含んでおります。こうした状況を踏まえ、当行は2022年3月に金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同いたしました。
(1) ガバナンス
当行は、最高経営責任者である取締役頭取が取締役会議長を兼務しており、経営にかかる方針の協議・決定やサステナビリティに関する様々な課題を含むリスクについても経営上の重要事項として捉えており、取締役会にて議論しております。常務会においては、気候変動を含む社会的課題解決のための具体的な施策や戦略について審議し、経営戦略やリスク管理に反映しています。必要に応じて取締役会に報告することとし、報告された内容に対し、適切に監督する態勢を構築しております。
また、2024年4月に総合企画部担当役員を委員長としたサステナビリティ推進委員会を設立しており、今まで以上に当行が「環境・社会・経済」の観点から成り立つサステナビリティ経営の高度化の実現に努めてまいります。
<サステナビリティに関するガバナンス体制>

(2) 戦略
<サステナビリティ関連>
当行では、気候変動関連による機会とリスクについて主に以下のとおり認識しております。

今後、気候変動関連の機会とリスクが当行およびお客さまのビジネスや戦略等に与える影響についてさらなる分析をおこない、組織の強靭性を高めるとともに情報開示に努めてまいります。
<人的資本関連>
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内整備に関する方針
当行では、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当行においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
より付加価値の高いコンサルティング営業を行うことが出来る人財の育成を目的として、2027年度(第18次中期経営計画最終年度)までに以下の資格取得を目指してまいります。
また、多様な人財が活躍できる職場環境の整備を目指して、女性管理職の割合を2025年度までに以下の割合まで目指してまいります。
(3) リスク管理
当行では、統合的リスク管理の枠組みを整備しており、それらのリスクを「信用リスク」「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナル・リスク」に分類の上、管理しております。気候変動リスクについては、重要なリスクのひとつと認識し、金融リスクのリスクドライバーであるとの考えのもと、信用リスクやオペレーショナル・リスクなどのリスク管理の枠組みで管理しております。各リスクの詳細については次のとおりであります。
① 信用リスク
信用供与先の財務状況等の悪化により、資産(オフバランス資産を含む)の価値が減少・消失し損失を被るリスク。
② 市場リスク
金利、為替株式等の様々な市場リスク・ファクター変動によりオフバランスを含む資産・負債の価値が変動し損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスク、およびそれに付随する関連リスク。
③ 流動性リスク
運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、又は通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)及び市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされたりすることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)。
④ オペレーショナル・リスク
業務の過程、役職員の活動もしくはシステムが不適切であることまたは外生的な事象により、当行が損失を被るリスク。さらにオペレーショナル・リスクのサブカテゴリとして事務リスク、システムリスク、リーガルリスク、イベントリスク、レピュテーショナルリスク、人的リスクに分け、主管部署を分けて管理しております。
リスク管理につきましては、取締役頭取を議長とする経営会議を毎月開催しており、専務取締役、常務取締役、各部署の長によって全体のリスク管理状況について議論しております。気候変動リスクにつきましては、当面は影響度合いがより大きい物理リスクについてトップリスクであることを認識するとともに、統合的なリスク管理の枠組みの中で管理できる体制の構築に取組んでまいります。
(4) 指標及び目標
当行は第17次中期経営計画において2030年度に当行が排出するCO2を2013年度比46%削減することを宣言しましたが、2021年度に前倒しで達成することができました。新たな目標として、2030年度までに環境に資するエネルギー利用の促進等によりCO2排出量をネットゼロにし、カーボンニュートラル達成を目指します。

※Scope1排出量:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
※Scope2排出量:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
※2023年度Scope1につきましては、重油およびガスの使用分も含めて計測を行っております。
サステナブルファイナンス目標について
「佐賀銀行グループSDGs宣言」のもと、さまざまな社会活動や地域貢献を通じて、地域やお客さまのサステナビ
リティ向上への取組みを支援してまいりました。これからも地域社会の発展、脱炭素社会の実現に向けた取組みを
加速させるため、サステナブルファイナンスに係る長期目標を設定し、引続き金融機関の本業である投融資を通じ
て、環境問題・社会課題の解決を支援し、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
※目標内容:2023年度~2030年度 サステナブルファイナンス累計実行額3,000億円
※2024年度末時点でのサステナブルファイナンス累計実行額702億円
炭素関連資産の与信割合
TCFD提言が開示を推奨している炭素関連資産のうち、特に移行リスクが高いと考えられるエネルギーおよびユー
ティリティセクター(電力、除く再エネ)向け与信が当行貸出金に占める割合は2025年3月末時点で約2.05%となっ
ています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。
金融業務が一段と多様化、高度化するなかで、取り巻くリスクも多岐にわたり複雑化しております。当行では、現実に存在するリスクを的確に把握し、発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。
当行では、リスクを要因別に信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスクの4つのカテゴリーに分類し、それぞれにリスク主管部を定め、各々のリスク特性に応じた適切なリスク管理を行うとともに、リスク統括部がこれらのリスクを統合的に管理しております。具体的には、統計的手法等によりリスク量の計測を行い、信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスクについてリスク資本を配賦し、経営として許容できる範囲にリスクを制御しております。統合的リスクの状況は毎月開催している経営会議、ALM会議等に報告し、必要な施策を機動的に実施する態勢としております。
(ア)信用リスク
信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化等により元本や利息が回収できなくなるリスクをいいます。
当行の債権中に占める金融再生法開示債権の比率、いわゆる不良債権比率は2024年3月末の1.94%が2025年3月末には1.99%となりました。
業績への影響(損失の発生)は、貸倒引当金の追加、貸出金の償却及び債権の売却損の計上でありますが、当行は事前に損失が予測される部分に十分な引当を行っており、その影響は限定的なものになります。
しかしながら、取引先の経営状況の悪化や担保価格の下落等が発生した場合には、追加引当が必要になるなど、当行の業績に影響を与える可能性があります。
(イ)市場リスク
市場リスクとは金利、為替、有価証券価格等の変動により、保有するオフバランスを含む資産・負債等の価値が変動し損失を被るリスクをいいます。
当行は、国債等の債券、株式、投資信託等、また外貨建取引による資産及び負債を保有しており、将来の債券価格や株価の下落あるいは為替レートの変動等により損失が発生し、当行の業績に影響を与える可能性があります。また、貸出金・有価証券や預金などの資産・負債には金利または期間のミスマッチが存在しているため、将来の金利変動などによって資金利益が減少する可能性があります。
当行におきましては、リスクを適正にコントロールし、収益性と健全性の両立を目指した適切な対策を講じるため、総合企画部において、市場動向、資産・負債状況の把握・分析などALM(資産・負債の総合管理)の充実に注力しております。
(ウ)流動性リスク
当行の財務内容の悪化等により必要な資金が確保できなかったり、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク、および市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格で取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクがあります。
(エ)オペレーショナルリスク
① 事務リスク
銀行では、預金、融資、為替等多くの事務処理を正確にかつ迅速に行うとともに、マネー・ローンダリング、テロ資金供与・拡散金融を防止する必要があります。事務ミスによる事故を回避するため、当行では規程、マニュアル等の一層の充実を図るとともに本部集合研修や臨店指導による営業現場の指導を通して、絶えず管理能力向上と事務レベルアップに努めております。
② システムリスク
金融機関において、コンピュータシステムの停止は社会的に大きな影響を及ぼします。当行は、このリスクを回避するため、システム障害や災害等に備えたバックアップシステムの構築、通信回線の二重化、および外部からの不正アクセスや情報漏洩の防止を図るなど、万全のリスク管理体制で取り組んでおります。
しかしながら、コンピュータシステムの誤作動や不正使用、または外部からのサイバー攻撃等により、万一、重大なシステムの停止が発生した場合には、当行の業務運営に支障が生じる可能性、または当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ リーガルリスク
当行グループは各種法令等に則り業務を遂行していますが、各種取引等において法律関係に不確実性、不備が発生した場合やコンプライアンスの欠如により、信用の毀損や損失が発生する可能性があります。
④ イベントリスク
犯罪・自然災害・感染症等の発生により、店舗等の損傷による損失の他、当行グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。
⑤ レピュテーショナルリスク
レピュテーショナルリスクとは経営内容が誤って伝えられる風評等により損失を被るリスクをいいます。
当行のような金融機関にとって、特に信用を損なう風評は不測の損失を発生させる可能性があるものと認識しております。
⑥ 人的リスク
人事運営上の不公平・不公正(報酬・手当・解雇等の問題)や差別的行為(パワーハラスメント・セクシャルハラスメント・マタニティハラスメント等)により、信用の毀損や損失が発生する可能性があります。
(オ)自己資本比率
当行の連結自己資本比率及び単体自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づく2006年金融庁告示第19号に定められた算式に基づき算出しており、当行は国内基準を採用しております。
当行の自己資本比率が要求される基準(4%)を下回った場合には、金融庁長官から、自己資本比率の状況に応じた業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。当行の自己資本比率に影響を与える要因としては以下のもの等が含まれております。
a.有価証券ポートフォリオの価値の低下等(上記(イ)市場リスク)
b.債務者の信用力の悪化等(上記(ア)信用リスク)に際して生じうる与信関係費用の増加
c.繰延税金資産の資産性低下又は算入制限(※)
d.自己資本比率の基準及び算定方法の変更
※ 繰延税金資産の計上は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づくものであるため、当行が将来繰延税金資産の一部が回収できないと判断した場合、その一部は取り崩され、自己資本比率の低下につながる可能性があります。
当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当行グループの2025年3月末の財政状態につきましては、総預金残高が前連結会計年度末比194億円増加し2
兆9,661億円、総貸出金残高が前連結会計年度末比558億円増加し2兆2,482億円、有価証券残高が前連結会計年
度末比1,111億円減少し5,789億円となりました。
当行グループの連結経営成績につきまして、連結経常収益は、貸出金利息を中心とした資金運用収益が前連結会計年度比31億72百万円増加したことや、役務取引等収益が9億33百万円増加したこと等により、前連結会計年度比22億18百万円増加し552億31百万円となりました。
連結経常費用は、株式等売却損の減少によりその他経常費用が13億23百万円減少したこと等から、前連結会計年度比12億12百万円減少し442億30百万円となりました。
この結果、連結経常利益は前連結会計年度比34億30百万円増加し110億1百万円となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比12億78百万円増加し74億96百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
経常収益は、前連結会計年度比16億68百万円増加し468億58百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度比30億31百万円増加し101億40百万円となりました。
経常収益は前連結会計年度比1億35百万円増加し77億35百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比1億3百万円増加し3億12百万円となりました。
経常収益は前連結会計年度比7百万円減少し7億10百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比1億40百万円減少し4億44百万円となりました。
銀行業、リース業、信用保証業を除くその他の経常収益は前連結会計年度比46百万円増加し10億87百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比4百万円減少し1億4百万円となりました。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況に関しましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、
総預金の増加による194億37百万円の増加等があったものの、貸出金の増加による558億34百万円の減少等によ
り、合計で237億26百万円のマイナスとなりました。なお、前連結会計年度比では1,367億円82百万円減少して
おります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出2,088億10百万円の減少等があったもの
の、有価証券の売却による収入2,191億68百万円の増加や、有価証券の償還による収入801億23百万円の増加等
により、合計で954億7百万円のプラスとなりました。なお、前連結会計年度比では734億円92百万円増加して
おります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払14億30百万円を主因に、合計で14億33百万円のマイナ
スとなりました。なお、前連結会計年度比では2億円57百万円減少しております。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比702億47百万円増加して
2,704億25百万円となりました。
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
[金融経済環境]
2024年度におけるわが国経済は、コロナ禍の影響から脱した後、賃上げや経済社会活動正常化に向けた各種政
策の効果もあり、景気は緩やかな持ち直しが続きました。
当行の主要基盤である北部九州の経済につきましても、一部で物価上昇の影響がみられるものの、個人消費や雇用が回復基調にあり、緩やかに景気の持ち直しが続いております。
金融業界につきましては、日銀によるマイナス金利政策解除以降、各行が預金金利や貸出金利の引上げに動き出す等、長らく続いた低金利時代から「金利のある世界」への転換期を迎えております。
一方、今後、米国発信の貿易関税への対応をめぐる動き等から、日米欧の金融政策や為替の動向等が与える影
響についてはこれまで以上に注視していくことが重要であると考えます。
[財政状態]
当行グループの2025年3月末の財政状態につきましては、総預金残高が前連結会計年度末比194億円増加し2兆9,661億円、総貸出金残高が前連結会計年度末比558億円増加し2兆2,482億円、有価証券残高が前連結会計年度末比1,111億円減少し5,789億円となりました。
セグメントごとの財政状態は次のとおりであります。
セグメント資産は、前連結会計年度末比159億円増加し3兆1,728億円となり、セグメント負債は前連結会計年度末比231億円増加し3兆566億円となりました。
銀行業である当行単体の財政状態につきましては、2025年3月末の総預金残高は、前事業年度末比198億円増加し2兆9,723億円となりました。
総貸出金残高は、前事業年度末比561億円増加し2兆2,574億円となりました。
有価証券残高につきましては、前事業年度末比1,111億円減少し5,863億円となりました。
なお、自己資本比率(国内基準)は、前事業年度末比0.57ポイント増加し8.13%となりました。
不良債権(金融再生法開示債権)比率は、2024年3月末の1.94%が2025年3月末には1.99%となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末比6億円増加し197億円となり、セグメント負債は前連結会計年度末比4億円増加し171億円となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末比7億円増加し48億円となり、セグメント負債は前連結会計年度末比4億円増加し27億円となりました。
その他の事業の主なものは、情報処理業務等であります。セグメント資産は、前連結会計年度末比35百万円増加し11億円となり、セグメント負債は前連結会計年度末比29百万円減少し3億円となりました。
[経営成績]
当行グループの連結経営成績につきまして、連結経常収益は、貸出金利息を中心とした資金運用収益が前連結会計年度比31億72百万円増加したことや、役務取引等収益が9億33百万円増加したこと等により、前連結会計年度比22億18百万円増加し552億31百万円となりました。
連結経常費用は、株式等売却損の減少によりその他経常費用が13億23百万円減少したこと等から、前連結会計年度比12億12百万円減少し442億30百万円となりました。
この結果、連結経常利益は前連結会計年度比34億30百万円増加し110億1百万円となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比12億78百万円増加し74億96百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
a.銀行業
経常収益は、前連結会計年度比16億68百万円増加し468億58百万円となり、セグメント利益は前連結会計年
度比30億31百万円増加し101億40百万円となりました。
銀行業である当行単体の業績につきまして、経常収益は、貸出金利息を中心とした資金運用収益が前事業
年度比27億59百万円増加したことや、役務取引等収益が8億89百万円増加したこと等により、前事業年度比
16億68百万円増加し468億58百万円となりました。
経常費用につきましては、株式等売却損の減少によりその他経常費用が14億28百万円減少したこと等か
ら、前事業年度比13億63百万円減少し367億18百万円となりました。
この結果、経常利益につきましては、前事業年度比30億31百万円増加し101億40百万円となりました。
また、当期純利益につきましては、前事業年度比8億61百万円増加し69億32百万円となりました。
経常収益は前連結会計年度比1億35百万円増加し77億35百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度
比1億3百万円増加し3億12百万円となりました。
経常収益は前連結会計年度比7百万円減少し7億10百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比1
億40百万円減少し4億44百万円となりました。
銀行業、リース業、信用保証業を除くその他の経常収益は前連結会計年度比46百万円増加し10億87百万円
となり、セグメント利益は前連結会計年度比4百万円減少し1億4百万円となりました。
[経営成績に重要な影響を与える要因]
当行グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
[資本の財源及び資金の流動性]
当行グループの中核事業は銀行業であり、主に本店ほか支店が立地する地域のお客さまから預入れいただいた預金を貸出金や有価証券で運用しております。
今後につきましても、銀行経営の公共性に鑑み、長期にわたる安定的な経営基盤の確保に努め、当行が地域とともに成長するため、地域の資金需要等に今まで以上に積極的に応えていく体制を強化してまいります。地域金融機関として、お客さまに良質な金融サービスをご提供していく為には、相応の自己資本を有しておく必要性を認識しており、内部留保につきましては、効率的な資金運用を行い、経営体質の一層の強化と業績向上に努めてまいりたいと考えております。
なお、当面の設備資金、成長分野への投資並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
[重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定]
当行の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、会計上の見積りにおいて特に重要なものとして貸倒引当金があげられます。貸倒引当金は、すべての債権について資産の自己査定基準に基づく資産査定を実施し、自己査定の区分に応じて必要と認める額を計上しております。しかしながら、取引先の財務状況は常に変動するため、貸倒引当金の見積りは不確実性があり、将来的に損失額が増減する可能性があります。
② 目標とする経営指標
当行は2022年4月から2025年3月までの3年間を計画期間とする第17次中期経営計画において、目標とする経営指標を次のとおりとしており、最終年度年である2024年度の実績は次のとおりとなりました。
a.「第17次中期経営計画」の目標とする経営指標とその実績
※1.対顧客利益:預貸金利益+役務利益-経費
※2.役務収益比率:役務収益÷対顧客収益(=貸出金利息+役務収益)
※3.OHR:業務の効率性を示す指標。OHR=経費÷業務粗利益
※4.ROE:資本の効率性を示す指標。ROE=当期純利益÷純資産平均残高(除く新株予約権)
上記目標の達成状況につきましては、以下のとおり評価しております。
(ア)対顧客利益(単体)
対顧客利益につきましては、預貸金利益や役務利益が目標に到達したため、目標を上回る結果となりました。
(イ)当期純利益(連結)
当期純利益につきましては、対顧客利益の増加等により、目標を上回る結果となりました。
(ウ)役務収益比率(単体)
役務収益比率につきましては、役務収益が目標未達となったため、目標を下回る結果となりました。
(エ)OHR(単体)
OHRにつきましては、業務粗利益が目標未達となったため、目標を下回る結果となりました。
(オ)ROE(連結)
ROEにつきましては、当期純利益が目標に到達したため、目標を上回る結果となりました。
(カ)自己資本比率(連結)
自己資本比率につきましては、リスクアセットの増加が想定を下回ったこともあり、目標を上回る結果となりました。
b.第18次中期経営計画
当行は2025年4月から2028年3月までの3年間を計画期間とする第18次中期経営計画において、KGI(経営目
標達成指標)を次のとおりとしています。
※ROE:資本の効率性を示す指標。株主資本ROE=当期純利益÷株主資本平均残高
「第18次中期経営計画」の目標とする経営指標第18次中期経営計画の策定にあたり、地域においては人口減少や
人手不足といった課題を抱える中、佐賀を中心とする北部九州の産業や人を繋ぐ役割を果たし、お客さまが北部九
州はもちろん広く国内外へ進出する支援を続けることにより、地域の将来にわたる持続的な成長に貢献したいと考
えています。「金利のある世界」の中で、地域銀行グループとして金融を核としたグループ一体での地域貢献によ
り、2032年2月の創業150周年に向けて、総合サービス企業グループとしての歩みを着実に進めてまいります。
(参考)
(1) 国内業務部門・国際業務部門別収支
当連結会計年度の資金運用収支は283億3百万円、役務取引等収支は62億7百万円、その他業務収支は△71億58百万円となりました。
(注) 1.「国内業務部門」は、当行の円建取引並びに連結子会社の取引、「国際業務部門」は、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。
2.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度5百万円)を控除して表示しております。
3.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門との間における、資金貸借の利息であります。
(2) 国内業務部門・国際業務部門別資金運用/調達の状況
① 国内業務部門
貸出金を中心に、資金運用勘定は、平均残高2兆9,050億21百万円、利息270億14百万円、利回り0.92%となりました。一方、預金を中心に、資金調達勘定は、平均残高2兆8,558億85百万円、利息17億61百万円、利回り0.06%となりました。
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.「国内業務部門」は、当行の円建取引並びに連結子会社の取引であります。ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。
3.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
② 国際業務部門
有価証券を中心に、資金運用勘定は、平均残高1,567億12百万円、利息50億48百万円、利回り3.22%となりました。一方、債券貸借取引受入担保金を中心に、資金調達勘定は、平均残高1,623億47百万円、利息20億3百万円、利回り1.23%となりました。
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.「国際業務部門」は、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。
3.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
4.国際業務部門の外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
③ 合計
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門との間における、資金貸借の平均残高及び利息であります。
(3) 国内業務部門・国際業務部門別役務取引の状況
当連結会計年度の役務取引等収益は、国内業務部門で95億58百万円、国際業務部門で76百万円、合計で96億35百万円となりました。その主なものは預金・貸出業務の24億28百万円であります。
役務取引等費用は34億27百万円となりました。
(注) 1.「国内業務部門」は、当行の円建取引並びに連結子会社の取引、「国際業務部門」は、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。
2.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門との間における、部門間取引の額であります。
(4) 国内業務部門・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1.「国内業務部門」は、当行の円建取引、「国際業務部門」は、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。
2.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3.定期性預金=定期預金
4.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門との間における、部門間取引の額であります。
(5) 国内業務部門・国際業務部門別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)「国内」とは、当行及び連結子会社であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
前連結会計年度及び当連結会計年度とも、該当事項はありません。
(6) 国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1.「国内業務部門」は、当行の円建取引並びに連結子会社の取引、「国際業務部門」は、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。
2.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(7) 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社です。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においては、信託財産額はありません。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金並びに支払承諾見返の各勘定について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
該当事項はありません。
該当事項はありません。