(1)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
①経営方針
当行は、「地域から親しまれ、信頼され、地域社会の発展に寄与する銀行」という経営理念に基づき、変わらぬ価値観である「職業倫理と高度の専門性を身につけるよう努めるとともに、真にお客様にとって必要とされる商品、サービスを提供し、お客様の最善の利益を追求する」という顧客本位の業務運営を目指します。
②経営環境
2019年度の国内経済は、年度の前半は企業業績が堅調を維持し雇用情勢の着実な改善が続いたことから、消費にも底堅さがみられ緩やかな回復が続きました。年度の後半は、10月の消費税率引き上げ後に個人消費が弱含みとなり、また年度の終盤には新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、経済は大幅に下押しされ厳しい状況となりました。
県内経済においては、年度の前半は入域観光客数の増加を背景に観光が好調を維持し、高水準な民間・公共工事により建設も概ね順調に推移しました。さらに雇用情勢の改善により消費も概ね堅調に推移したことも伴い拡大を続けました。しかしながら、消費税率引き上げ後に消費が弱含み、年度の終盤には新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、特に入域観光客が激減し、宿泊施設の稼働が急低下するなど、観光が一転して弱くなったことから景気は後退しました。
③対処すべき課題
これまで好調に推移してきた沖縄県経済は、2019年末頃より日韓関係の悪化や新型コロナウイルス感染症拡大などにより、観光関連業にとどまらず幅広い業種で非常に大きな影響を受けています。その影響は雇用環境にも及んでおり、全体的にリーマンショック時よりも厳しい状況だと認識しています。
このような厳しい環境の中にありますが、2020年4月より中期経営計画「SINKA2020」(期間3年:2020年4月~2023年3月)をスタートさせました。
新しい中期経営計画「SINKA 2020」では、「景況に左右されず、どんな時も地域を支え、地域の発展に寄与する真のリーディングバンクへ」を目指す姿に掲げ、前回の中期経営計画の流れを汲みつつ、預金、融資、為替といった銀行本来のコア業務を「進化」させ、新たに取り組んできたキャッシュレス決済などの銀行付随業務の「深化」を図り、琉球銀行グループ全役職員がチャレンジし続けることで「SINKA」していくという思いが込められております。
具体的には、人材育成改革によりお客様に付加価値の高いサービスを提供できる人材を増やしていくとともに、営業店現場改革による業務効率化を徹底的に行い、お客様と向き合う時間を創出することで顧客本位の業務運営態勢を確立させ、法人ビジネス戦略、リテールビジネス戦略、キャッシュレス戦略、チャネル戦略で掲げた各施策をスピーディーに実行に移し、新中期経営計画の目指す姿に掲げる「景況に左右されず、どんな時も地域を支え、地域の発展に寄与する真のリーディングバンクへ」の達成に向け取り組んでまいります。
新中期経営計画の4つの基本戦略
Ⅰ.構造改革
経営環境の変化に対応しつつ、新たな分野にチャレンジするため、筋肉質の財務体質への変革を図る
Ⅱ.考動改革
顧客本位の業務運営を徹底するため、研修態勢を充実させるとともに、役職員の意識を変え行動を変える
Ⅲ.IT投資戦略
デジタル技術を積極的に活用し多様化する顧客ニーズに対応するとともに、行員の働き方もサポート
その一方で、既存システム経費や維持更改費用の削減に取り組みメリハリのあるIT投資を実現する
Ⅳ.グループブランド戦略
グループ各社の商品・サービスをいつでも受けられる態勢とし、琉球銀行グループのブランド力および企業価値向上に努める
(2)目標とする経営指標
中期経営計画「SINKA2020」最終年度の目標
※顧客向けサービス利益=預貸金収支+役務利益-経費
(注)目標とする経営指標に関する記述は、当行が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当行として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性がございます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
当行の財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとして、以下に記載したリスクのうち(1)信用リスク及び(2)市場関連リスクがあげられます。
当行グループは、当該リスクについて、統計的手法であるVaRを用いて、ある確率のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を見積もり・把握しております。
これらのリスクが顕在化した場合、当行の業績・業務運営に影響を及ぼす可能性があるため、当行では業務の継続性を確保する観点から、リスク量が自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦制度(リスク量に対する資本の割り当て)を用いた業務運営を行い、経営戦略と一体となったリスク管理を実践しております。
当行グループは沖縄県を主たる営業地盤としております。そのため、沖縄県における人口・世帯数の動向や産業構造の特徴、経済環境等の変化により、信用供与先の財務状況が悪化し当行グループの不良債権額や与信関連費用が増加することで当行グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行グループでは適切に信用リスクを管理するため、取締役会の定めた「融資運用方針」や「信用リスク管理方針」に基づき、信用リスク管理態勢の整備ならびに信用リスク管理手法の高度化に努めております。
沖縄県は全国でも数少ない人口・世帯数増加県であることから、個人住宅や分譲マンション、アパート等の住宅需要が高くなっております。また、入域観光客数も増加傾向にあることからホテル・宿泊施設の建設需要も旺盛であるため、当行において、住宅ローンと貸家業・不動産業向け融資が貸出金全体の6割以上を占めております。そのため、不動産市況の影響を受けやすいリスク特性を抱えており、住宅需要の減少や新型コロナウィルス感染症をはじめとした疫病の流行、テロや地政学的リスクの発生などに伴う入域観光客数の減少等が発生した場合は、需給の減退に伴って貸出先の財務状況が悪化し、不良債権額や与信関連費用が増加する可能性があります。
沖縄県を産業構造別でみると、第2次産業の割合が低く、第3次産業が全体の8割以上を占めています。国内有数の観光地であることから観光関連産業(宿泊・飲食・物販)等のサービス業が主要な産業であり、不動産・建設業など幅広い業種が観光産業に関連していることが沖縄県の産業構造の特徴と言えます。
当行の貸出ポートフォリオは、この産業構造を反映する形で構成されており、貸家業・不動産業向け融資を除いた事業性融資は貸出金全体の約25%程度の水準となっております。
事業性融資において、製造業など重厚長大産業向け貸出割合は低く、観光関連産業をはじめとした第3次産業向け融資が事業性融資全体の8割以上を占めており、大口先への与信集中リスクは抑えられております。沖縄県経済を牽引してきた観光関連産業は「人の動きが制限される」リスクに弱く、過去のSARSやアメリカ同時多発テロ時においても観光客数が回復するまでの期間、県内景気は一時的な後退局面を迎えました。今般の新型コロナショックでも「人の動き」が大きく制限されたことから、観光関連産業を中心に当行の不良債権額や与信関連費用が増加する可能性があります。
②担保に関するリスク
当行の貸出ポートフォリオは、住宅、アパート等の不動産向け融資が6割以上を占めていることから、不動産関連担保による保全率は高くなっています。その反面で当行が貸出金等の担保として取得している不動産や有価証券などは、市場価格の変動に伴い担保評価額が下落する可能性があります。
2020年1月現在における沖縄県の地価上昇率は4年連続で全国1位になるなど、不動産価格は堅調に推移しています。しかしながら、不況が長期化するなどの理由により市場価格が下落した場合には、担保評価額が下落し与信関連費用が増加する可能性があります。また担保資産の市場流動性が低下することで担保処分の執行が困難になる場合も与信関連費用が増加する可能性があります。
市場関連リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の様々な市場の変動により、保有する資産の価値が変動し損失を被るリスクであります。
当行は余剰資金運用を目的に有価証券投資を行っており、日本国債や地方債などの円貨債券、欧米国債などの外貨建債券、株式、投資信託等を保有しております。これらの市場性資産は市況により価値が変動するため、2008年のリーマンショックや2020年の新型コロナショック時に見られたような大幅な相場変動が起きる場合には、以下に示す各リスクの顕在化から保有資産の価値が変動し、当行グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
①金利変動リスク
当行は、日本国債、地方債、欧米各国の国債などの市場リスクのある債券を保有しており、内外金利が大幅に上昇した場合は評価損が発生し、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお2020年3月末時点において保有する円建債券は約2,287億円あり、その内訳は日本国債が約3割、地方債が約5割となっております。元本の平均回収期間を示すデュレーションは約4.5年となっております。外貨建債券はドル建ておよびユーロ建ての海外国債を約176億円保有しており、デュレーションは約7.0年となっております。
②為替変動リスク
当行の為替リスクについては、主に為替スワップ取引および債券レポ取引等を利用し、持高限度額を定めるほか、バランスを調整するなど、為替相場の変動リスクを最小化することとしております。一部円投(外貨買)による外債運用も行っておりますが、運用方針にて取引限度額を定めるほか、リスクの定量的分析等によりモニタリングを行い、過度なリスクテイクを抑制しております。しかしながら、予期せぬ為替変動が生じた場合、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③価格変動リスク
当行グループは、市場リスクのある株式等を保有しております。大幅な株価下落が生じた場合は減損または評価損が発生し、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、市場リスクのある時価のある株式等には、保有目的が純投資以外の目的である政策保有株式も含まれておりますが、これらの政策保有株式は、4「コーポレート・ガバナンスの状況等」(5)「株式の保有状況」に記載のとおり定期的に保有の合理性等の検証及び保有の適否を判断しており、リスクの軽減を図る体制をとっております。
なお、2020年3月時点において価格変動リスク資産(株式・投資信託)は有価証券全体の約5%の約143億円となっており、このうち時価のある政策保有株式は10銘柄で約11億円となっております。
④デリバティブ取引のリスクについて
当行におけるデリバティブ取引は主に外貨建債券運用に係る外貨調達手段としての為替スワップ取引及び顧客向け為替予約に係るカバー取引があります。有価証券運用においてデリバティブを内包するような複雑な商品への投資は行っておりません。
⑤資金調達に係る流動性リスクについて
当行グループは、資金調達・運用構造に即した適切かつ安定的な資金繰りに加え、安全性・収益性のバランスを考慮した効率的な資金調達・運用を基本方針としております。また、不測の事態に備えて、資金繰りの状況を逼迫度に応じた危機管理対策を予め策定し、速やかに対処できる体制を整えております。
しかしながら、当行グループの業績および財務状況や格付が悪化した場合、あるいは市場環境が大きく変化した場合に、必要な資金の確保が困難になり、通常より著しく高い金利による資金調達を余儀なくされる、または調達が困難となることで、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度末現在で流動性リスクの顕在化が懸念される事象として、新型コロナウイルス感染症の影響により企業の運転資金が逼迫し預金等が大幅に減少することが考えられますが、預金等の動向は日次でモニタリングしており、リスクが顕在化した場合の対応策も定めていることから、資金繰りに及ぼす影響は限定的であると考えております。
(3)自己資本比率に係るリスク
当行グループは、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた国内基準である自己資本比率4%以上を維持する必要があります。当行グループでは、適正かつ十分な水準の自己資本比率を維持することに努めており、現在のところ、自己資本比率はこの最低基準を大幅に上回っております。しかしながら、本項に示した事業等に係る各種リスクが顕在化することにより、自己資本比率が低下する可能性があります。
(4)オペレーショナル・リスク
①事務リスク
当行グループは、業務の多様化や取引量の増加に適切に対処し、想定される事務リスクを回避するために、機械化投資の拡充と営業店後方事務の集中処理を積極的に進め、業務の効率化と事務リスクの圧縮に努めております。また、事務水準の向上や事務事故の未然防止の観点から、事務指導の強化や研修等を実施し、内部監査を厳格に実施しております。しかしながら、役職員による不正確な事務、あるいは不正や過失等により、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②システムリスク
(ア)当行グループは、システムリスク管理方針やバックアップ体制等を整備し、コンピューターシステムの安全稼働に万全を期しております。しかしながら、万が一重大なシステム障害や不正使用等が発生した場合には、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(イ)当行グループは、外部からのサイバー攻撃等への対応としてサイバーセキュリティ作業部会(CSIRT)を設置し、「システムの脆弱性診断」や「サイバーセキュリティに関する訓練の実施」等、システムの安全稼働とセキュリティ強化に努めております。しかしながら、サイバー攻撃等によりシステムの停止等が発生した場合には、決済業務に支障をきたす等、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、情報の漏えい・改ざん等が発生した場合には、当行グループの社会的信用の失墜などにより、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③コンプライアンスリスク
当行グループは、業務を遂行する上でさまざまな法令等を遵守することが求められており、これらの法令等が遵守されるよう、役職員に対するコンプライアンスの徹底に努めております。しかしながら、これらが遵守できなかった場合には、当行グループの信用が失墜し、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策上の不備に係るリスク
当行グループは、事業活動を行う上で、国内外の法令諸規制の適用及びそれに基づく国内外の金融当局の監督を受けております。近年、金融犯罪が多様化かつ高度化し、本邦金融当局や海外の規制当局から要請されるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の基準は急速に高まっております。当行グループでは、国内外のマネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止態勢の高度化のため、法人口座開設の厳格化や、海外送金取扱店舗の集約化など各種施策の実施に取り組んでおります。
しかしながら、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止態勢の高度化が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分、当行グループの信用失墜等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤風評リスク
当行グループの業務は、預金者等のお客様や市場関係者からの信用に大きく依存しております。そのため、当行グループや金融業界等に対する風説・風評が、マスコミ報道・市場関係者への情報伝播・インターネット上の掲示板への書き込み等により発生・拡散した場合には、お客様や市場関係者が当行グループについて事実と異なる理解・認識をされ、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
①自然災害に関するリスク
当行グループでは「危機管理計画(コンティンジェンシープラン)」をはじめ対応マニュアルを整備し、災害対応訓練等を通じてその実効性向上を図っておりますが、近年大型化している台風の直撃や大規模な地震等の自然災害の発生により、業務の全部または一部の継続が困難となる当行グループ自身の被災による損害のほか、取引先の業績悪化による信用リスクの上昇などを通じて、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、通常想定されるレベルの台風では当行グループの建物は構造上重要な被害を受けるものではなく、被害は限定的なものと想定しております。
②環境・社会に配慮しない投融資等に係るリスク
当行グループは、グループ連携を通じて円滑に金融仲介機能を発揮するとともに、顧客本位のビジネスモデルを構築・実現し、地域経済の持続的な発展に貢献できるよう努めております。昨今、気候変動問題などの環境・社会課題の顕在化に伴い、ステークホルダーからは、資金提供者として、環境・社会に一層配慮することが期待されています。当行グループの取組みがステークホルダーの期待から大きく乖離した場合等には、レピュテーションの毀損等により、業務運営や、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当行は資金提供者として化石燃料エネルギー分野に対する貸出がありますが、取扱高は総融資量の1%未満であり影響は限定的であります。
③感染症による業務継続リスク
新型インフルエンザや新型コロナウイルス等による感染症の世界的な流行により、当行グループ役職員に感染者が発生し、業務の全部または一部の継続が困難となり、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当行グループは新型コロナウイルス感染症の流行下において、営業店における交代勤務制度の導入、ならびに本部各部における拠点分散化および在宅勤務の導入等、業務の継続性を確保するための各種施策を実施しました。
④当行グループのビジネス戦略が奏功しないリスク
当行は、収益力増強のために様々なビジネス戦略を実施しておりますが、規制緩和による多業種との競合やその他の外部要因が発生した場合には、これらの戦略が功を奏しない、当初想定していた結果をもたらさない、又は変更を余儀なくされ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が生じる可能性があります。
しかしながら、当行は新規ビジネスについて、事業の将来性や銀行全体の資産に対する新規投資額の割合等を十分に検討したうえで投資を決定しており、仮にビジネス戦略が奏功しないリスクが顕在化した場合でもその影響は限定的なものであると考えております。
⑤固定資産減損リスク
当行グループは、保有する有形固定資産及び無形固定資産について、現行の会計基準に従い減損会計を適用しておりますが、当該資産に係る収益性の低下や時価の下落等により、投資額の回収が見込めなくなった場合は減損損失を認識する可能性があります。減損損失を認識した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥繰延税金資産に係るリスク
現時点におけるわが国の会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来実現すると見込まれる税金負担額の軽減効果を、繰延税金資産として貸借対照表に計上することが認められております。当行グループは、現時点において想定される金融経済環境等のさまざまな予測・仮定を前提に将来の課税所得を合理的に見積り計上しておりますが、実際の課税所得が想定と異なること等により、繰延税金資産が減額された場合には、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑦退職給付債務等の変動に係るリスク
当行グループの退職給付費用や債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、実際の結果が予測値と異なる場合や前提条件に変更があった場合には追加損失が発生する可能性があります。
⑧規制変更のリスク
当行グループは、現時点の規制(法律、規則、政策、会計制度、実務慣行等)に従って業務を遂行しております。将来、これらの規制の新設、変更、廃止ならびにそれらによって発生する事態が、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨格付低下のリスク
格付機関が当行の格付を引き下げた場合、当行の市場部門は、取引において不利な条件を承諾せざるを得ない、あるいは一定の取引の実施が困難となる可能性があります。このような事態が生じた場合、資金調達費用の増加や資金調達そのものが困難となる等、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑩顧客情報に係るリスク
当行グループは、個人情報・機密情報等のデータを有しており、その管理につきましては、マニュアルで管理方法を明確に定めるとともに、本人確認システムを導入する等、不正利用・流出を防止する体制を強化しております。しかしながら、これらの対策にも関わらず、重要な情報が外部に漏洩した場合には当行グループの信用が失墜し、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪重要な訴訟によるリスク
当行グループは、法令諸規則の遵守の徹底に努め、法令違反の未然防止体制を強化しております。しかしながら、今後、様々な業務遂行にあたり、法令違反およびこれに対する訴訟が提起された場合には、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績およびキャッシュフロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
経常収益は、株式等売却益や有価証券利息配当金が減少したものの、国債等債券売却益や貸出金利息収入の増加により前期を6億18百万円上回る627億35百万円となりました。
一方、経常費用は、金銭の信託運用損や債権売却損が減少したものの、国債等債券償還損や貸出金償却、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による貸倒引当金繰入額の増加により、前期を23億58百万円上回る558億15百万円となりました。
この結果、経常利益は前期を17億42百万円下回る69億19百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期を11億54百万円下回る49億51百万円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①銀行業
経常収益は前連結会計年度比4億36百万円増加の424億90百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比20億22百万円減少の53億74百万円となりました。
②リース業
経常収益は前連結会計年度比1億92百万円増加の170億59百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比53百万円増加の5億73百万円となりました。
③その他
経常収益は前連結会計年度比39百万円増加の58億43百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比2億29百万円増加の13億72百万円となりました。
主要勘定としては、預金等(譲渡性預金を含む)は、個人及び法人預金が好調に推移し前連結会計年度末を587億7百万円上回る2兆2,443億75百万円となりました。貸出金は、住宅ローンやアパートローンを中心に好調に推移したことから、前連結会計年度末を246億72百万円上回る1兆7,235億32百万円となりました。有価証券は、債券の売却・償還等により前連結会計年度末を206億77百万円下回る2,584億36百万円となりました。
現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比521億28百万円増加の3,057億54百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により311億20百万円の収入(前連結会計年度は612億86百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、債券等を中心とした有価証券の売却・償還などにより229億52百万円の収入(前連結会計年度は1,203億71百万円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いなどにより19億37百万円の支出(前連結会計年度は84億35百万円の支出)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
中期経営計画「Customer Centric 2017」の最終年度である当連結会計年度は、銀行単体において当期純利益が前年度を13億65百万円下回る40億9百万円となりました。その結果、連結決算における親会社株主に帰属する当期純利益も、前年度を11億54百万円下回る49億51百万円となりました。
銀行単体における減少の主な要因は、2019年12月に米中貿易摩擦の影響による市場動向の影響により株式等損益が減少したこと並びに、2019年度末において新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業者の皆さまに対して経営維持のために元金返済据え置きなどの必要な資金繰り支援を積極的に対応した結果、与信コストが増加したことであります。一方で営業店部門を中心とする「法人ビジネス戦略」「個人ビジネス戦略」及び「カード戦略」への取り組み状況は下記の通りであり、顧客向けサービス利益について一定の成果がみられました。(顧客向けサービス利益:預貸金収支+役務利益-営業経費)
「法人ビジネス戦略」では資金ニーズへの対応、事業承継支援等の相談業務への積極的な取り組み、銀行本体によるリース案件の媒介業務の開始、「BORベンチャーファンド1号投資事業有限責任組合」を通じた独自のベンチャー企業の創出・育成への取り組みに努めました。
「個人ビジネス戦略」では、2019年6月に個人特化型店舗「パルコシティ出張所(りゅうぎん パルコシティ・パーソナルプラザ)」を新規に出店し、個人のお客様の資産運用のご相談から住宅ローンを含む各種ローンのご相談まで、ライフステージに応じたお客様の資産形成ニーズにお応えできる体制を整えました。また、2019年10月にはお客様の相続や資産承継ニーズをサポートするため、トータルプランニングの取り組みを強化することを目的に「遺言信託・遺産整理」業務の取り扱いを開始しました。
「カード戦略」では、個人向けのりゅうぎんVisaデビットカードが発行累計枚数13万枚を突破したほか、カード加盟店サービスの加盟店数は6,000店を突破しました。沖縄県と同様に観光客が増加しカード決済ニーズが高まりつつある奄美群島地域の奄美信用組合とカード加盟店サービスの提携を行ったほか、地域活性化および地域住民の生活環境の充実を目的に八重山地域や伊江村などと「キャッシュレス推進に関する地域協定」を締結しました。また、2020年度には隣国台湾で最も浸透している「悠遊カード」の加盟店業務を国内初で開始することになり、今後は日本国内での展開を支援することとなりました。今後も引き続き、沖縄本島のみならず、これまで金融サービスの提供が難しかった離島地域においても、金融仲介機能を発揮し地域社会の発展に寄与してまいります。
これらの結果、顧客向けサービス利益は前年度を1億47百万円上回りました。
銀行以外のセグメントについて、リース業セグメントは堅調であった年度前半の沖縄県経済を背景に経常利益は前年度を53百万円上回りました。
当行グループの資本の財源及び資金の流動性については以下の通りです。
資金運用等に関しては、主要な運用手段である貸出金が順調に推移する一方で、金銭の信託等による資金運用の多様化を行っております。有価証券運用においては債券の償還が進む中で金融市場の動向を睨みながら、機動的な運用を行っております。
一方で主要な資金調達手段である預金についても好調に推移しており、債券の償還等による調達と合わせて増加する運用資金に対応しております。
また、当行は「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり投資を計画しておりますが、これらに必要な資金は自己資金で対応する予定であります。
当行は中期経営計画「Customer Centric 2017」における最終年度である当年度の目標として下表のとおり、連結では親会社株主に帰属する当期純利益50億円以上及び連結自己資本比率8%台を、単体では貸出金平均残高1兆6,000億円及び預金等平均残高(譲渡性預金含む)2兆1,600億円を掲げておりました。当連結会計年度において、連結自己資本比率、貸出金平均残高及び預金等平均残高において計画値を上回ることができました。
親会社株主に帰属する当期純利益については未達成となりましたが達成率は99%で、前述のとおり新型コロナウイルス関連で発生した計画外の与信コストの大幅増加がありながらの結果であり、営業店部門を中心とする「法人ビジネス戦略」「個人ビジネス戦略」及び「カード戦略」において着実に収益基盤が整ってきた成果と評価しております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行が連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは 以下の通りであります。
当行の貸倒引当金は、第5「経理の状況」の「注記事項」(6)に記載のとおり、「破綻先」「実質破綻先」「破綻懸念先」に係る債権については、取立不能額及び担保や保証による回収見込額を控除した額に対し、全額または必要額を個別に計上しております。それ以外の債権については、過去の実績による貸倒実積率に基づき今後の予想損失額を見込んで算定しております。連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。
当行は、貸倒引当金の算出において用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は適切に計上されていると判断しております。ただし、経済環境の大幅な変化等、予測不能な前提条件の変化により債権の評価が変動した場合には、当行及び連結子会社が貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。
当行及び一部の連結子会社は新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、2020年度上期にピークに達し2020年度末にかけて収束していくものと想定しておりますが、当行及び一部の連結子会社の貸倒引当金は、新型コロナウイルスの影響による支援目的の返済条件変更等を実施した取引先について、今後の事業活動に一定の不確実性があると仮定して債務者区分の見直し等を行った上で計上しております。
なお、貸倒引当金計上額は現時点の最善の見積りであるものの、見積りに用いた仮定には不確実性があり、新型コロナウイルス感染症の感染状況やその経済環境への影響が変化した場合には、翌年度の連結財務諸表に与える影響額が増減する可能性があります。
当連結会計年度における資金運用収支は280億70百万円、役務取引等収支は50億44百万円、その他業務収支は30億41百万円となっております。
部門別にみますと、国内部門の資金運用収支は279億33百万円、国際部門の資金運用収支は5億56百万円となっております。
(注) 1 国内業務部門は当行の円建取引及び子会社取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
3 相殺消去額欄は、連結会社間の内部取引消去額を計上しております。
当連結会計年度における資金運用勘定の平均残高は2兆2,468億97百万円、そのうち貸出金が1兆6,929億85百万円、有価証券が3,038億47百万円となっております。資金運用利回りは1.30%、そのうち貸出金が1.57%、有価証券が0.56%となっております。
一方、資金調達勘定の平均残高は2兆2,915億37百万円、そのうち預金が2兆1,881億51百万円となっております。資金調達利回りは0.05%、そのうち預金が0.05%となっております。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当行以外の子会社については、当連結会計年度末と前連結会計年度末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 ( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当行以外の子会社については、当連結会計年度末と前連結会計年度末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 ( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 相殺消去額欄は、連結会社間の内部取引消去額を計上しております。
(注) 1 国内業務部門は当行の円建取引及び子会社取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。
2 相殺消去額欄は、連結会社間の内部取引消去額を計上しております。
(注) 1 国内業務部門は当行の円建取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3 定期性預金=定期預金
4 相殺消去額欄は、連結会社間の内部取引消去額を計上しております。
(注) 1 国内とは当行及び国内子会社であります。
2 海外及び特別国際金融取引勘定分については、該当ありません。
該当ありません。
(注) 1 国内業務部門は円建有価証券、国際業務部門は外貨建有価証券であります。ただし、円建外国債券は国際業務部門に含めております。
2 外貨建有価証券及び円建外国債券は、「その他の証券」に計上しております。
連結会社のうち「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当社1社です。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においては、信託の受託残高はありません。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
(単位:億円、%)
(単位:億円、%)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
該当ありません。
該当ありません。