(1)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
①経営方針
当行は、「地域から親しまれ、信頼され、地域社会の発展に寄与する銀行」という経営理念に基づき、変わらぬ価値観である「職業倫理と高度の専門性を身につけるよう努めるとともに、真にお客様にとって必要とされる商品、サービスを提供し、お客様の最善の利益を追求する」という顧客本位の業務運営を目指します。
②経営環境
2022年度の国内経済は、政府が新型コロナ感染対策と経済活動の両立に軸足を移したことから、コロナ禍以降で初めて行動制限(まん延防止等重点措置など)が発出されない1年となりました。そのため人流が大幅に回復したことから、政府の景気判断は7月に「緩やかに持ち直している」に上方修正されました。しかし、年度後半は物価高騰や人手不足が鮮明となり、足元の経済指標では回復の動きがやや鈍る傾向が見えています。
沖縄県経済は、行動制限が発出されない中、県民や観光客の人流回復により、持ち直しの動きが鮮明になりました。年度後半に入っても、個人消費は物価高騰などの懸念材料はあるものの消費マインドに陰りは見えず、建設関連は民間投資を中心に活発な動きとなりました。また、観光関連は年度後半の国内観光客が2019年水準を上回るなど好調な動きが継続し、緩やかな回復基調となっています。沖縄県経済も物価高騰や人手不足の懸念はあるものの、産業構造でみる第三次産業の構成比が全国平均より高く観光や消費の回復が続いていることが、年度後半の経済指標において全国と異なる動きを示しているとみられます。
③対処すべき課題
当連結会計年度における沖縄県経済は、ウィズコロナ、アフターコロナを前提とした行動制限の解除等による人流の回復と、サービス消費を抑制してきた反動によるペントアップ需要の効果により景気回復の動きが見られました。一方でサービス業を中心に人手不足、資源高そして物価高などの影響を受けており、今後の企業の持続的成長に向けた生産性向上への取り組みが求められております。また、当行を取り巻く経営環境については全世界的な脱炭素化への対応に加えて、世界的な金融引き締めや海外銀行の経営破たん、そして各国の金融政策の変化が生じる可能性が高まっている状況など、金融環境の先行き不透明感が増しており、厳しい環境が続いています。
このような環境下、2023年度よりスタートした新中期経営計画「Value2023」では、「企業価値・環境価値・社会価値」の向上をテーマに、当行グループの持続的成長、役職員の人材育成、金融サービス力の向上に取り組んでまいります。加えて、これらの取り組みを通じて地域、お客さまの生産性向上に貢献し、脱炭素化への支援も強化することで、長期ビジョンとして定めた「地域経済の好循環サイクルを実現し、地域とともに成長する金融グループ」を目指してまいります。本計画では長期ビジョンの実現に向けて3つの基本戦略のもと、以下の取り組みを積極的に進めてまいります。
(ア)基本戦略1 事業基盤の拡大(ソリューション)
預金・融資・有価証券運用といった銀行本来のコア業務を金融経済環境の変化に合わせてブラッシュアップするとともに、前中期経営計画で成果を上げた役務ビジネスをさらに発展させていきます。また、多様化したお客さまのニーズに対応するため、質の高いコンサルティング営業を通してお客さまの課題解決に必要な融資や資産形成・運用等の提案につなげ、お客さまの最善の利益や満足度の最大化に努める活動を実践してまいります。
(イ)基本戦略2 ESG経営の実践(サステナビリティ)
全世界的な脱炭素化への潮流は様々な分野に影響を与えており、各事業者の皆さまも脱炭素化への取り組みが不可避な状況となっております。当行は地域の脱炭素化への先導的な役割を果たすため、当行の電力消費量の多い浦添ビル(ITセンター)の省エネ化や営業店におけるZEB認証取得の拡大、省エネ設備の導入を加速させてまいります。お客さま向けには前年度に発足したZEH・省エネ住宅建築に携わる企業との連携をベースに省エネ設備等の導入に向けた支援を充実させてまいります。また、脱炭素化の推進を目的とした環境コンサルティングメニューを充実させて地域の気候変動対策の拡充と連携の推進に努めてまいります。
(ウ)基本戦略3 変革への挑戦(トランスフォーメーション)
当行の持続的な成長を支える人材の育成を図るため、職員の自律的なキャリア形成の支援や研修体系の見直しを進めるとともに、人材への投資を拡大してまいります。これにより銀行コア業務の強化とコンサルティング機能の拡充に努め、お客さまの課題解決につながる金融サービスを提供してまいります。
また、高度な金融サービス提供を可能とする専門人材の育成にも注力し、アセットマネジメント会社設立など地域活性化や企業価値向上を目的とした新規事業領域へ挑戦してまいります。このような取り組みを通じて、地域社会ならびに当行グループの将来価値の創造と新たな事業ポートフォリオの構築に努めてまいります。
なお、2022年4月に発覚した不祥事件を重く受け止め、外部専門家を交えて設置した「不祥事再発防止に係る特別委員会」において、不祥事発生の真因分析を行い再発防止策を策定いたしました。現在は不祥事再発防止策を着実に実施し、内部管理態勢の整備と実効性向上に努めております。併せて「経営陣と職員間の対話機会」の充実と「多様な意見や価値観」を受け入れることができる「自由闊達な企業風土」の醸成にも取り組んでおり、全行を挙げて「新しい挑戦を歓迎・推奨し、円滑なコミュニケーションがとれる職場環境」を構築してまいります。
このような取り組みを通じて、今後も地域のお客さまの多様なニーズにお応えする魅力ある商品、サービスの提供によりお客さまの最善の利益を追求し、地域社会の根本的な課題解決に向けた取り組みをより一層強化 することで、沖縄県の経済成長と当行グループの成長を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
中期経営計画「Value2023」最終年度(2025年度)の目標
※1 顧客向けサービス利益=預貸金収支+役務利益-経費
(注)目標とする経営指標に関する記述は、当行が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当行として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性がございます。
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示
(ア)サステナビリティ委員会
サステナビリティ委員会は、ESG対策等に関する方針・計画・成果指標の設定および取り組み状況を確認し協議する機関として2021年10月に設立しました。
同委員会では、頭取を委員長、総合企画部担当役員を副委員長、委員に関係各部の部長を任じ、ESG対策等の諸課題について四半期に1回議論され、取締役会への報告も四半期に1回行われています。
また、当行グループのシンクタンクである株式会社りゅうぎん総合研究所がオブザーバーとして毎回参加しており、県内・国内を取り巻く環境問題について幅広く情報提供が行われています。
(イ)サステナビリティ小委員会
サステナビリティ委員会に諮問する前に、現状の取り組み状況を月1回議論するため、2021年11月にサステナビリティ小委員会を設置しました。
同委員会では、当行融資の約6割は、戸建て住宅、マンション、アパート向けの住宅関連であることから、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)や建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)に合致する建築物向けの積極的な融資推進施策や、省エネ建築、設備事業者との連携強化による県内におけるZEB・ZEH推進施策などを議論しています。

(ア)サステナビリティへの取り組み
琉球銀行は、「地域から親しまれ、信頼され、地域社会の発展に寄与する銀行」の経営理念のもと、地域社会の皆さまとともに、地元発展のため企業活動を行っています。
当行の営業基盤である沖縄県は、四方を海に囲まれ、また豊かな森林やそこで生息する動植物など、多種多様な自然環境に恵まれ、観光業を中心に第三次産業を基盤とする経済圏を形成しています。
一方近年は、気候変動の影響を受け、沖縄県においても少なからず自然環境が破壊されています。
2021年、IPCCにおける気候変動の自然科学的根拠を担当する第1作業部会(WG1)が公表した第6次評価報告書では「人間の影響が大気・海洋・陸域を温暖化させたことは疑う余地がない」と記載され、この気候変動は人為的な影響に基づくものだと断言されています。
また2023年3月にはIPCCによる第6次評価報告書統合報告書の政策決定者向け要約が公表され、「人間活動が主に温室効果ガスの排出を通して地球温暖化を引き起こしてきたことは疑う余地がない」、「継続的な温室効果ガスの排出は更なる地球温暖化をもたらし、短期のうちに1.5℃に達する」との厳しい見通しが示されました。
私たち金融機関は、投融資を通じ様々な企業および個人の活動の原動力となっています。そこで、金融機関が温暖化抑制・廃棄物削減など環境に配慮した健全な投融資活動を行えば、環境保全に大きく貢献できる一方、配慮しなければ環境破壊を助長することになってしまうと考えます。
環境破壊は、観光業やサービス業などはもちろん、建設業、不動産業、製造業、農業、金融業などにも波及し様々な企業や人々に多大な影響を及ぼします。これは、貧困など沖縄県が抱える社会的な問題の悪化を助長する可能性があります。つまり、ここ沖縄県においては、環境破壊は環境問題だけでなく社会的な問題に深刻に繋がっていくということです。
そこで私たち琉球銀行は、“地球環境の負荷軽減・再生”、“地域社会の発展、県民のより豊かな生活への貢献”を目標とし、地元の様々な企業や人々と協力しながら、環境と社会という密接に関連する2つの課題解決に果敢に挑戦してまいります。
(イ)重要課題(マテリアリティ)と関係整理
“環境保全”と“地域社会の発展・県民の豊かな生活”は相互に依存するものと想定しています。自然環境の破壊は沖縄県の主力産業に多大な影響を及ぼし、結果として貧困・低賃金などを助長する可能性があります。一方、生産性が低ければ十分な環境保全は望めないと考えられます。
琉球銀行は、環境・社会への影響を十分踏まえ投融資活動を行います。また、これまでにない金融サービスを提供し、地域社会の仕事をこなす力を底上げし、様々な社会的課題の解決を目指します。
実現に向けての要は、人財であり、高度なガバナンス機能です。誰もが平等に安心して働くことができる環境、持続可能な資源利用、積極的な地域社会との関わり、安全な金融商品の提供やリスクマネジメントの徹底が不可欠と考えます。

(ウ)TCFD提言の定義を踏まえた貸出金ポートフォリオに占める炭素関連資産の割合
(エ)移行リスクの重要セクター選定
脱炭素社会への移行により、お客さまのビジネスに影響がおよぶリスクが想定されます。
当行では移行リスクを対象としたシナリオ分析を実施し、2050年までの影響を評価しました。沖縄県は亜熱帯海洋性気候の下、美しいサンゴ礁が発達した青い海と多様な野生生物が生息・生育する緑豊かな160の島々から構成され、国内有数の観光リゾート地であり観光産業を基幹産業としていることも考慮しました。
上記内容を踏まえ定性的な分析を行った結果、最も移行リスクの高いセクターとして「観光産業(宿泊業、飲食業、道路旅客運送業)」セクターおよび「電気・ガス・水道」セクターを特定しました。
(オ)重要セクターごとのシナリオ策定、気候変動リスク推移の定量評価
移行リスク
a. 「観光産業(宿泊業、飲食業、道路旅客運送業)」セクターについて、以下のシナリオを想定しました。
・原油価格高騰による航空運賃の増加や飲食・宿泊代金の上昇に伴う観光コストの増加。
・地球温暖化に伴い、新型コロナウィルスのような、疫病・感染症等の発生頻度が増加。
b. 「電気・ガス・水道」セクターについては以下のシナリオを想定しました。
・炭素税導入によるコスト増、エネルギー転換による大幅なビジネスモデルの転換や設備投資が急務であり移行リスクが大きいと考えられます。
(カ)気候変動リスクの定量評価
物理的リスク
気候変動に伴う異常気象の増加により、当行のお客さまのビジネスにおよぶリスクや当行所有の各営業店設備に対するリスクが想定されます。
沖縄県は北西太平洋や南シナ海で発生した台風が接近するため風水被害が多い土地です。また、河川は他都道府県と比較し、流路延長が短く降雨は海へ直接流出するという特徴があるほか、流域面積が小さく、貯水能力が小さいことから洪水リスクが存在します。
よって、台風・豪雨等の風水害による当行不動産(建物)担保の担保価値影響額および当行各営業店設備等への被害額を分析の対象としました。
ハザードマップ情報、治水経済調査マニュアルのデータや2℃シナリオ・4℃シナリオに基づく将来的な台風による被災状況に関する試算等を踏まえ、2050年までの物理リスクの分析を行いました。
(ア)サステナブル投融資方針の策定について
気候変動問題、少子高齢化や人口減少による地域活力の低下、事業後継者不足による廃業の増加など、環境・社会的な課題が地域の持続可能性を脅かすものとなりつつあります。
琉球銀行グループは、これまでも持続可能な地域社会の実現に取り組んできましたが、この取り組みをさらに力強く推し進めるため、今般、「サステナブル投融資方針」を定め、これに基づいた投融資を推進いたします。
(イ)環境・社会・経済に肯定的で前向きな影響を与える事業への方針
以下に例示する事業等に対しては、積極的に投融資してまいります。
・気候変動リスクを低減する省エネルギー・再生可能エネルギー事業
・企業の脱炭素化社会への移行対応
・地域経済の持続的発展に資する創業・イノベーション創出・事業承継
・高齢化、少子化等の課題に対応する医療・福祉・教育の充実
・持続可能な社会の形成にポジティブな影響を与える事業
(ウ)環境・社会・経済に負の影響を与える可能性が高い事業への方針
以下に基づき適切に対応することで、環境・社会への影響を低減・回避するよう努めます。
a. 石炭火力発電事業
・沖縄県では地理的・地形的、ならびに系統規模の制約から水力・原子力発電等の開発が難しいため、火力発電に頼らざるを得ないことや、再生可能エネルギーの出力変動性を補う調整力や慣性力対応として一定規模の火力発電が必要であることから、石炭火力発電は引き続き重要な役割を果たすと考えられます。新たな石炭火力発電所建設事業に対する投融資は原則として行いませんが、沖縄エリアの構造不利性を踏まえ、石炭火力発電事業に対する投融資は、環境、地域、社会への影響や発電効率性能等CCUS(注1)、混焼等の技術など)を総合的に勘案したうえで、慎重に取り組みを検討します。
※(注1)二酸化炭素回収・利用・貯留技術(Carbon dioxide Capture,Utilizationand Storage)
b. 兵器製造関連事業
・核兵器・化学兵器・生物兵器等の大量破壊兵器や対人地雷・クラスター弾等の非人道的な兵器の開発・製造・所持に関与する先や、国内外の規制・制裁対象となる先、またはそのおそれのある先への投融資は行いません。
c. パーム油農園開発事業・森林伐採事業
・環境保全や人権保護の観点から、パーム油農園開発事業への投融資については、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)等の認証取得状況などを考慮し慎重に判断します。
・森林伐採事業に対する投融資に関しては国際認証の取得状況や環境に対する配慮などを考慮し慎重に判断します。
(エ)セクター全体にかかる取組方針
・「人身売買等の人権侵害への加担」や「児童労働や強制労働」への直接的または間接的な関与が認められる企業との投融資取引は行いません。
・「ラムサール条約指定湿地」「ユネスコ指定世界遺産」に重大な負の影響を及ぼす事業、「ワシントン条約」に違反する事業には投融資は行いません。
(ア)当行グループにおけるScope1・2のGHG(温室効果ガス)排出量と削減目標
a.Scope1・2のGHG排出量
・当行グループでは積極的に営業店のZEB化や営業店照明のLED化、老朽化空調機を効率化空調機へ更新するなどの施策を展開したことにより、Scope1・2の2022年度GHG排出量は2013年度比約42.3%削減となりました。また、2021年11月に導入した沖縄電力が提供する非化石証書を用いた再生可能エネルギー由来の電力「うちなーCO2フリーメニュー」を控除した場合の2022年度GHG排出量は2013年度比約64.1%削減となりました。
・またTCFD開示基準に準拠し、Scope1・2のGHG排出量算定範囲を単体ベースから連結ベースへ変更しました。
b.削減目標
・Scope1・2のGHG排出量を2025年度までに2013年度比45%削減、2030年度までに2013年度比60%削減します。

※2022年度のGHG排出量につきましては信頼性、正確性、透明性等を確保するため、現在、第三者保証機関による検証作業中となっております。そのため検証結果により2022年度GHG排出量が変更になる可能性がございます。
(イ)当行におけるScope3カテゴリー15(投融資) GHG排出量
a.住宅ローン
※住宅ローンのGHG排出量につきましては、当行住宅ローンにおけるZEH専用住宅ローン(データクオリティスコア:3)の割合を高めることで削減に努めてまいります。
b.商業用不動産(アパートローン)
c.事業ローン
(注)1 Mt-Co2=1,000,000t-co2
2 住宅ローン、商業用不動産(アパートローン)を除く。
(注) Scope3カテゴリー15計測に関する補足(住宅ローン、商業用不動産(アパートローン)、事業ローン)
・Scope3カテゴリー15(投融資)につきましては信頼性、正確性、透明性等を確保するため、現在、第三者保証機関による検証作業中となっております。そのため検証結果により2023年3月期の算定結果が変更になる可能性があります。
・PCAFスタンダードのメソドロジーの変更・高度化や、計測・目標設定上の実務的な基準(各種定義・計測範囲・時点等)の明確化等により、将来的に計測方法を変更する可能性があります。その場合には、変更点を明らかにした上で計測結果を開示していきます。
・事業ローンの計測については概ね推計値(score3~4)となっているため、取引先の実際の排出量とは少なからず乖離があります。今後は取引先とのエンゲージメントを通じてGHG排出量の削減に努めていきます。
(ウ)環境問題に対する新たなサービスや当行内の取り組み状況
a.住宅ローン、商業用不動産(アパートローン)のScope3削減について
・全国と沖縄県の部門別二酸化炭素排出量(2020年度)の排出構成を比較すると、沖縄県の産業構造が全国と比べて製造業の割合が小さいという地域性から、産業部門が全国では46%を占めているのに対し、沖縄県では13%となっています。
・一方、沖縄県では民生部門(民生家庭部門、民生業務部門)が48%と、全国(32%)と比べて高い割合を占めており、家庭から排出される二酸化炭素を抑制することで、ある一定の排出量抑制が期待できます。
・また当行の融資ポートフォリオは住宅ローンおよびアパートローン等のレジデンス関連融資が6割を占めているため、レジデンス関連融資先のGHG排出量を削減することで社会全体にインパクトが与えられると認識しております。
・当行は沖縄県の特徴、マーケット、課題等に適した脱炭素社会実現の取り組みとして、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)や建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)に合致する建物建築を推進することで、沖縄県全体のGHG排出量削減に寄与してまいります。
・また金融機関において、投融資先のGHG排出量削減は重要であると認識しています。
・計測および削減に向けた目標設定はチャレンジングな課題と考えており、引き続きサステナビリティ委員会で検討や議論を深めたうえで削減目標を開示してまいります。
b.地域の環境問題に対応する施策
沖縄県の脱炭素社会実現のため、Ryukyu net ZERO Energy Partnership(ZEP Ryukyu)を構築
・沖縄県の脱炭素社会実現のため、県内でのZEH※・省エネ住宅の普及を目的としたZEH・省エネ住宅建築に携わる企業の連携体制を構築いたしました。
・ZEH・省エネ住宅建築に係るノウハウの向上、省エネ計算に係る事業者の紹介など、ZEH・省エネ住宅建築に係る連携を図ります。
(注)「ZEH」(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)・・「高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現し、再生可能エネルギーを導入することにより年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」
c.融資商品
ZEP-Ryukyu専用「ZEH専用住宅ローン」の取り扱い開始
・「ZEH専用住宅ローン」は、「ZEP-Ryukyu」加盟業者様が施工等を行う住宅を対象としたエンドユーザー様向けの住宅ローンです。サステナビリティへの取組支援を行うことを目的として、建築物の省エネ性能を表示する制度である「ZEH」や「BELS」(※)を取得した際に住宅ローンの金利を優遇いたします。
※新築・既存の建築物において、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度
d.当行内の取り組み
沖縄県の金融機関初となる「Nearly ZEB」の認定を取得
CDPで「B」認定を取得
第4回ESGファイナンス・アワード・ジャパン間接金融部門で「特別賞」を受賞
(2)人的資本に関する開示
①人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
(ア)人材育成方針
企業価値の源泉は人である
琉球銀行は、企業の成長とはすなわち職員の成長であるとの考えを基に、人材育成を積極的に展開することで、企業価値を向上させていきます。
職員一人ひとりが、磨き上げた強みを発揮することで、お客様に喜ばれる高い付加価値を提供し、地域とともに成長する金融グループを目指しております。
a.『自身の強みを磨き上げる』
職員一人ひとりの強みを磨き上げるため、育成段階に応じた効果的な育成施策を展開しております。
○新入行員の集中的な研修プログラム
新入行員の入社時は今後の成長に向けた基礎固めを行う重要な時期であり、2019年度から特に集中的な研修プログラムを実施しております。プログラムの組成においては、1年目から「事業性フィールド」「リテールフィールド」の2つの育成フィールドに分け、インプットとアウトプットを繰り返し成長の実感を得ながら進めていく実践的な業務研修と、今後の成長イメージを持てる中長期的なキャリア形成も見据えたプログラムを実施しております。
(2022年度新入行員研修の主な取り組み)
・入行1年目の新入行員に対して、早期育成するための研修プログラムを人事部主導で実施しております。集合研修と営業店での実践を組み合わせることで、知識・スキルの定着を図っています。2022年度1年間における集合研修の日数は、事業性フィールド93日、リテールフィールド83日でした。
・主な集合研修プログラムとしては、事業性フィールドでは、融資案件組成スキルの習得を目的とした、法人事業部ローンサポートグループでの貸出調書作成および自己査定の研修を実施しました。リテールフィールドでは、預かり資産等の提案方法習得などを目的として、営業統括部による投資信託等の知識習得および顧客応対のロールプレイング研修を実施しました。
・年5回のフォローアップ面談を人事部および営業店で交互に行い、新入行員の成長をサポートしております。また、エンゲージメントサーベイを毎月実施し、その結果をもとに、個別の面談等も実施しております。
・新入行員のキャリア形成意識を醸成するために、各本部の担当者を講師とする、業務内容を紹介した研修を実施し、その中での質疑応答を通じて、本部施策の理解を深めることができるようにしております。
・1年間の新入行員研修による育成状況を踏まえて、2年目から営業店へ本格的に配置しております。
○スキル可視化とスキル習得状況に応じた研修実施
タレントマネジメントシステムを用いて、営業店の職員層・管理職層のスキルを収集しております。個々のスキルを可視化し、一人ひとりのスキル習得状況に応じた研修を実施しております。スキル習得状況は、「事業性フィールド」「リテールフィールド」のそれぞれの育成フィールドに応じて可視化され、自身の強みや課題を客観的に把握することができます。研修プログラムの組成においては、スキルの項目に対応した研修プログラムを揃え、効果的な研修を実施していきます。
(主な取り組み)
・営業店の全職員層を対象に営業店で必要とされる業務スキルを「事業性フィールド」「リテールフィールド」のそれぞれの育成フィールドをふまえて96項目に分類し、年2回スキル判定を実施しております。
・営業店の管理者層に対しては、営業店の管理職に必要とされるマネジメントスキル等を55項目に分類し、年1回スキル判定を実施しております。
・上司から行員本人に対して、スキル情報に基づいたフィードバックおよび育成目標の設定を実施しております。
・可視化されたスキルデータは、行員本人・上司・人材育成担当部署で共有し、研修企画等の人材育成施策に活用しております。
○自律的に学習する環境整備・リスキリングの促進
銀行内の研修プログラム以外にも職員が自律的に学習する環境整備を進め、リスキリングを促進しております。時間や場所の制限なく学習できるeラーニングのコンテンツを充実させるといった学習環境の整備も進めております。学習支援は外部サービス利用のみでなく、銀行内でも多くの学習コンテンツを作成しております。また、金融検定やIT関連試験、公的資格取得等の推奨資格取得にかかる補助金の支給や、職員自身で選定した資格取得および講座受講の費用を補助する自己申告制の支援制度も始めております。
今後は、これまでの銀行業務だけではなく、新規事業領域に対応できる幅広い専門スキルの習得が重要となります。そのため、育成を目的とした外部への出向派遣などの越境学習や、他社・異業種との交流を踏まえた研修への派遣など、銀行の枠を超えた研修機会をこれまで以上に実施し、新規事業領域に挑戦できる人材を育成していきます。
(主な取り組み)
・銀行内ポータル動画掲載サイト「RYU-TUBE」にて学習動画を659本掲載しています。「RYU-TUBE」は職場のPCのみならず、全職員に貸与しているスマートフォンでも視聴することができ、隙間時間で学習できるようにしております。
・育成目的の外部派遣者について、2022年度は31名を派遣しております。
b.『個の力を組織の力に』
一人ひとりの力を結束しチームとして一丸となり、より高いパフォーマンスを発揮可能にするため、各種施策を展開していきます。
○管理職のマネジメントスキル強化
チームが一丸となるためには、チームの牽引役である管理職の能力が重要であることから、管理職層へのマネジメントスキルアップの取り組みを強化していきます。管理職に必要なマネジメントスキルを定義し、経験則だけではない効果的な研修を実施していきます。
○対話機会の創出
組織のパフォーマンスを最大限に発揮するためには、組織と個人のビジョンを重ね、相互に理解し合うコミュニケーションの場が必要であるため、管理職と職員の対話の機会を創出し、信頼関係の構築および双方の成長を促進していきます。
(主な取り組み)
・組織ビジョンの浸透や経営方針の周知などを目的として、役員が全営業店や本部部署を回り、質疑応答を中心としたディスカッション形式の説明会を開催しております。2022年度は、役員による経営方針に関する説明会を延べ96回開催しました。
・経営トップの考えを全職員にダイレクトに伝えることを目的として、営業店長会議において頭取が発表する経営方針を動画配信しております。(営業店長会議:半期ごとに開催する営業店・本部の所属長を集めた会議)
○最適な人材配置
人材の配置においては、対話のコミュニケーションを通じて把握した職員の特性とスキルの状況を反映し、営業体制と成長環境の最適化を目指したバランスを重視していきます。加えて、職員が自ら希望する職務へ応募する公募制度も拡充し、自身の能力を主体的に発揮できる機会を増やしていきます。
(イ)社内環境整備方針
個の能力を最大限に発揮できる社内環境
企業を取り巻く環境変化のスピードが加速する中、企業の抱える経営課題も絶えず変化しています。環境変化に対応しながら持続的な成長につなげていくため、多様な人材の能力を最大限に活かす社内環境を整備します。
a.『多様な人材が活躍できる環境』
多様な人材が活躍できる環境を整備し生産性を向上させるため、働きやすさの追求やダイバーシティの実現に取り組んでおります。
○多様な人材の確保
新卒採用だけでなく、キャリア採用、コア人材の中途採用など、採用活動の幅を広げ多様な人材の獲得に努めております。
(主な取り組み)
・2022年度のキャリア採用は一括採用を実施しております。一方、コア人材の中途採用は通年採用しております。採用実績は、キャリア採用で19名、コア人材の中途採用は3名でした。
・臨時職の正社員登用を継続的に実施しており、人材の多様化につなげています。2022年度は15名を正社員に登用しました。
・地銀人材バンク(注)を活用して他行勤務経験のある職員を採用しています。即戦力人材の確保とともに、異なる視点や経験を持つ人材を積極的に受け入れております。2022年度は1名の採用実績があり、これまでに3名を採用しております。
(注)地銀人材バンク:県外への転居により退職となる職員を転居先の地方銀行へ紹介し、キャリアの継続を支援するための制度。
○働きやすさの追求
各人のワークライフバランスの充実とともに、組織のパフォーマンスを向上させることを目的に、多様な働き方に関する制度の充実を図っております。
(主な取り組み)
・自宅で勤務することのできるテレワーク制度を制定しており、職種や所属部署に関わらず誰でも利用できる制度として運用しております。また、県内にサテライトオフィスを2か所設置し、所属部店以外で働くことのできるオフィスを提供しております。コロナ禍を契機として導入した制度ですが、BCP対策だけでなく、業務に集中する時間の創出や、仕事と子育てや介護の両立が可能になるなど、組織の生産性向上に役立っております。
・働く時間、休む時間の柔軟性を高めるために、個々人の希望にあわせて、1日単位、半日単位、時間単位で柔軟に取得可能な年次有給休暇制度を導入しております。
・副業制度を導入しており、職場以外でも各人の強みや専門的知識、スキルを磨く機会を支援しております。2022年度は8名の活用実績があります。
○ダイバーシティの推進
人事部内にダイバーシティの専担者を配置し、多様な人材が働きやすく働き続けられる環境を整備しております。多様な人材が能力を発揮する制度の充実化を進めるとともに、ダイバーシティへの理解やマネジメント力の向上を図るためのセミナーなども実施しております。
(主な取り組み)
・男性職員が取得する育児休業(産後パパ育休を含む)の内4週間の休暇期間については法対応以上の収入を支援する有給休暇の取扱いとした育児休業制度を新設しました。2022年10月の制度新設から2023年3月末までの半年間で、24人の取得がありました。
・不妊治療や家族転勤の付き添い等、様々なライフイベントに利用可能な「ライフデザイン休職制度」を新設しました。制度新設から現在まで5名の職員が利用し、就業継続に役立てております。
・子育て支援の取り組みとして、当行施設内に企業主導型保育所「にじいろたまご保育園」を設置し、復職を支援しております。2023年3月末時点で定員27名に対し21名の園児が在園しており、定員充足率は77.8%です。
・「ダイバーシティマネジメントセミナー」や「男性の育休取得を支援する職場づくり講座」を実施し、延べ183名が受講しました。ダイバーシティに関する管理職としての役割、育児だけでなく介護等で急な休職者が発生したときの職場運営などを学び、組織マネジメントに活かしております。
○シニア層の活躍
多様な人材が活躍できる環境の整備として、シニア層の活躍の場を広げる取り組みも実施しています。当行では55歳になるとポストオフとなるいわゆる役職定年制度を2018年4月に廃止しました。能力に応じて55歳以降も昇格を可能とする人事制度とすることでシニア層のモチベーション向上を図っており、60歳の定年退職を超えてもライン長(課長相当)を継続して担うことも可能となりました。
(主な取り組み)
・2023年4月に行員の継続雇用制度の見直しを行いました。継続雇用制度利用時の雇用形態について、時給制のパートタイマーから月給制の嘱託に変更し、賃金水準を26%程度引き上げました。さらには、継続雇用制度移行後もライン長(課長相当)としての活躍を可能としております。
・臨時職員が継続雇用制度を利用する際の年収については、原則定年前の給与水準が維持されるよう見直しを行いました。
○女性の活躍推進
管理職層の多様性を促進するため、女性の活躍推進に取り組んでおります。女性管理職者の育成や、昇格制度の改定などの取り組みが評価され、2023年4月女性活躍推進企業認定において「えるぼし認定(3段階目)」を取得いたしました。女性職員のキャリアアップ、管理職登用を積極的に推進することは、男女賃金格差の縮小にもつながると考えております。今後は、経営層となる支店長クラス以上の女性職員の増加にも力を入れ、女性職員がその能力を最大限に発揮できる環境を整えていきます。
(主な取り組み)
・女性管理職者育成を目的として、管理職手前の女性職員を対象としたマネジメント関連の研修プログラムを実施しております。家庭との両立等で時間制約のある女性職員でも受講できるよう、受講者自身が日程や科目を選択できる約半年間の研修プログラムを実施し16名が受講しました。研修期間中に初めて部下を持つ職員もおり、学びと実践を通したマネジメント力の向上を期待しております。
・管理職登用では、出産休暇や育児休業、介護休業の取得が職務経験年数において不利にならない昇格制度に変更するなど、女性職員が積極的にチャレンジできる環境を整えております。その結果、管理職に占める女性職員の割合が2018年3月末の17.4%から2023年3月末で23.1%に上昇し、女性マネージャー層に一定の厚みを確保しております。
b.『長くイキイキと活躍できる環境』
職員の健康維持・増進は、ワークライフバランスに加えて、組織の活性化、生産性向上など将来にわたり持続的に企業の収益性を高めていく上で重要であるため、健康経営を推進しております。
○健康経営の取り組み
健康はすべての土台であり、職員自らが健康管理や健康保持に責任を持ち、主体的に取組む「セルフ・ヘルスケア」を積極的にサポートする体制を整えております。
これらの取り組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」において、「健康経営優良法人」に4年連続認定されております。今後も、職員の健康に関する取り組みのさらなる発展を図ります。
(主な取り組み)
・ウエアラブルデバイスの貸与
「健康づくり」のサポートとして、希望する全職員へウエアラブルデバイスを貸与し、職員自身が自分の活動量や睡眠状況を知り健康維持・増進に役立てることを推奨しております。また職場全体で開催するウォーキングイベントの歩数計測に活用する等、健康増進イベントでも積極的に活用しております。
・スポーツジムの設置
当行施設内に体育館、スポーツジムを設置しており、職員がいつでも運動できる環境を整えております。スポーツジムでは定期的にトレーナーを配置し、個別のトレーニング指導や集団でのスタジオレッスンを開催しております。また体育館等を活用したクラブ活動も積極的に推奨しており、これらの運動施設は職員の健康維持・増進だけでなく職員間のコミュニケーションの活性化に貢献しております。
・地域への健康支援
禁煙支援では、受動喫煙防止をテーマとした一般公開セミナーを開催するなど、地域の健康支援にも取り組んでおります。
②人材の育成及び社内環境整備に関する指標と目標
(ア)人材育成に関する指標および目標(当行)
(注)1 外部研修派遣者数は、2022年3月時点の出向者のうち、副参事未満かつ50歳未満の出向者および、研修登録している長期派遣者の合計を育成目的の外部派遣者として計上しています。(副参事:支店長クラスの経営者層)
2 公募制による配置人数は、行内の公募制を活用して異動配置を行った人数を計上しています。
3 行内開催研修の参加人数(延べ人数)は、業務時間内に開催した研修の参加人数について、研修後の受講報告件数をもとに算出した人数を計上しています。
(イ)社内環境整備に関する指標及び目標(当行)
(注)2023年度目標を設定してない項目は「―」を表示しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している事業等のリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当行の財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとして、以下に記載したリスクのうち(1)信用リスク及び(2)市場関連リスクがあげられます。
当行グループは、当該リスクについて、統計的手法であるVaRを用いて、ある確率のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を見積もり・把握しております。
これらのリスクが顕在化した場合、当行の業績・業務運営に影響を及ぼす可能性があるため、当行では業務の継続性を確保する観点から、リスク量が自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦制度(リスク量に対する資本の割当て)を用いた業務運営を行い、経営戦略と一体となったリスク管理を実践しております。また、リスクガバナンスの強化、経営戦略・収益・リスクの一体管理の強化を図るため、取るべきリスクの種類と総量(リスクアペタイト)を明確化し、フォワードルッキングな視点で経営管理やリスク管理を行う枠組みであるRAF(リスクアペタイト・フレームワーク)の構築に取り組んでおります。
長期に亘って続いてきたコロナ禍の行動制限も2022年度の中頃より徐々に解除の方向性で進みつつあり、収縮していた県内経済は、入域観光客数の増加などを筆頭に景気後退局面から回復局面への転換が進んでおります。コロナ禍において内包する信用リスクは増加したと考えられますが、政府支援や金融支援の効果などから、今のところ大きな信用リスクの顕在化は確認されておりません。しかしながら、国内外のインフレや金融政策の転換に伴い市場関連リスクは高まっております。当行グループでは各項目に記載した通りの対応策により各種リスクの低減を図っております。
当行グループは沖縄県を主たる営業地盤としていることから、沖縄県における人口・世帯数の動向や産業構造の特徴、経済環境等の変化により、信用供与先の財務状況が悪化し当行グループの不良債権額や与信関連費用が増加する等の信用リスクが顕在化した場合は、当行グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行グループでは適切に信用リスクを管理するため、取締役会の定めた「融資運用方針」や「信用リスク管理基本方針」に基づく債務者の支援スキームの策定や出口戦略のサポート等、積極的な支援に取組んでおります。
①貸出ポートフォリオの特徴とリスクの特性
沖縄県は全国でも数少ない人口・世帯数増加県であることから、個人住宅や分譲マンション、アパート等の住宅需要が高くなっております。さらに、コロナ禍前は入域観光客数の増加を背景にホテル・宿泊施設の建設需要も旺盛であったことから、当行貸出ポートフォリオは、住宅ローンと貸家業・不動産業向け融資が貸出金全体の6割以上を占めております。そのため、不動産市況や入域観光客数の動向の影響を受けやすいリスク特性となっており、住宅需要の減少や疫病の流行、地政学的リスクの高まりに伴う入域観光客数の減少など、需給の減退に伴って貸出先の財務状況が悪化し、不良債権額や与信関連費用が増加する可能性があります。
沖縄県を産業構造別でみると、第2次産業の割合が低く、第3次産業が全体の8割以上を占めています。国内有数の観光地であることから、宿泊・飲食・物販等の観光関連サービス業が主要な産業ですが、不動産や建設業など幅広い業種が観光に関連していることが沖縄県の産業構造の特徴と言えます。
当行の貸出ポートフォリオも、上記の特徴を反映する形で構成されております。貸家業・不動産業向け融資と住宅ローン等を除いた事業性融資は、貸出金全体の約25%程度の水準で、このうち観光関連産業をはじめとした第3次産業向け融資が約80%を占めています。
製造業など重厚長大産業向け融資がポートフォリオに占める割合は低く、大口先に対する与信集中リスクは低く抑えられております。
沖縄県経済を牽引してきた観光関連産業は、政府による行動制限の解除に伴って入域観光客数が回復基調に転じるなど、今後の景気回復が期待できる状況にあります。
一方、コロナ禍を契機とした人手不足やサプライチェーン停滞で供給力が回復していない中、海外を中心とした経済活動の再開による需要の拡大により、資材価格の高騰や品薄、燃料価格が上昇しております。また、ウクライナ情勢や急激な円安の影響で価格上昇が増幅され、幅広い業種において仕入れコストの上昇分を価格転嫁できないなど、信用供与先の財務状況が悪化することで当行グループの不良債権額や与信関連費用が増加する可能性があります。
こうした状況に対応するため、当行では2020年6月より「コロナ対応支援」として①中小企業への支援態勢の強化、②大口先(約30社)の定期的なモニタリングの開始、③資本性借入金の積極活用、④沖縄県の主要企業によって構成されるファンドを通じた支援などを展開し、取引先支援を通じ信用リスク顕在化の低減に取り組んでまいりました。さらに、2021年9月からは①個社毎の出口戦略サポートの強化、②ビジネス・マッチングなど営業情報の活用、③長期借入金等の一本化による支援、④債務者区分判定の弾力運用、2022年12月には全国旅行支援補助金見返り融資の取扱開始 、コロナ特別貸付「ゼロ・ゼロ融資」先の支援強化など、信用供与先へのモニタリングと対話を通して、適切な支援が実施できるよう追加の施策を実施しております。
条件変更や資金繰り支援などにより信用リスクの顕在化は抑制したものの、上記取り組みの結果として当行の貸出ポートフォリオに信用リスクの高い層が内在しています。内在する信用リスクの増加に対しては、2021年3月期より一般貸倒引当金の算出方法を過去の貸倒実績に基づく予想損失額の見積もり方法から、将来の予測を貸倒引当金に反映させる手法(フォワード・ルッキングな引当)を導入し、予見される信用リスクをより適時・適切に引当金へ反映させ、将来の損失への備えを強化しております。
②担保に関するリスク
当行グループの貸出ポートフォリオは、住宅・アパート等を含む不動産向け融資が6割以上を占めていることから、不動産関連担保による保全率は高くなっています。
近年の沖縄県における地価動向をみると、県内景気の拡大を背景に全国比較で高い上昇率で推移しております。コロナ禍で2021年の地価上昇は一時的に停滞したものの、政府による行動制限の解除や全国旅行支援などによる国内観光需要の回復に伴って足元では上昇傾向にあります。しかしながら、不況が長期化するなどの理由により市場価格が下落した場合は、担保評価額が下落し、与信関連費用が増加する可能性があります。また担保資産の市場流動性が低下することによって担保処分の執行が困難になる場合も与信関連費用が増加する可能性があります。
担保に関するリスクへの対応として、当行では審査目線の一つに不動産物件の担保価値と借入金の比率であるLTV(Loan to Value)を重視するなど、安全性の高い良質な貸出ポートフォリオの構築に努めております。
市場関連リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の様々な市場の変動により、保有する資産の価値が変動し損失を被るリスクであります。
当行グループは余剰資金運用を目的に有価証券投資を行っており、日本国債や地方債などの円貨債券、欧米国債などの外貨建債券、株式、投資信託等を保有しております。これらの市場性資産は市況により価値が変動するため、大幅な相場変動が起きる場合には、以下に示す各リスクの顕在化から保有資産の価値が変動し、当行グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当行グループの有価証券ポートフォリオは、国内外の国債や地方債、格付の高い社債への投資が中心となっております。債券の保有比率は、保有する有価証券の9割超となっています。2023年3月末時点において保有する円貨債券は約3,900億円あり、その内訳は地方債が約5割、日本国債で約4割となっています。元本の平均回収期間を示すデュレーションは約3.5年となっております。外貨建債券はドル建て及びユーロ建ての海外国債を約600億円保有しており、デュレーションは約3.5年となっております。
価格変動リスクのある資産(株式・投資信託)は有価証券全体の約6%程度を占めており、金額で約290億円となっています。このうち時価のある政策保有株式は10銘柄で約14億円となっております。
当行グループでは、運用方針にて取引限度額を定めるほか、リスクの定量的分析等によりモニタリングを行い、過度なリスクテイクを抑制しております。また、市場リスクのVaRに限度額を設定しリスクを経営体力の範囲にコントロールしているほか、有価証券損益を日次で把握しており、市場が急変した場合には運用部門と経営陣・関連部署が速やかに対応を協議するなど、損失を抑制する体制を構築しています。
①金利変動リスク
当行グループは、日本国債、地方債、欧米各国の国債など金利リスクのある債券を保有しているため、国内外の金融政策の変更等により市場金利が大幅に上昇した場合に評価損が発生するほか、調達コストが運用収益を上回る場合は逆ザヤが発生し、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
債券運用においては、金利上昇に備えデュレーションを短めに設定しているほか、流動性の高い銘柄を中心に投資し、金利上昇時には低利回り銘柄の高利回り銘柄への機動的な入れ替え等により評価損拡大の抑制に努めています。
②為替変動リスク
当行グループの為替リスクについては、主に為替スワップ取引および債券レポ取引等を利用し、持高限度額を定めるほか、バランスを調整するなど、為替相場の変動リスクを最小化することとしておりますが、保有する投資信託には外国為替の変動を受ける商品があり、予期せぬ為替変動が生じた場合、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③価格変動リスク
当行グループは、価格変動リスクのある株式や投資信託を保有しております。保有する投資信託には、国内外の株式や債券に投資するものが含まれているため、大幅な株価下落が生じた場合は減損または評価損が発生し、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループでは、保有する価格変動リスクのある商品については、運用方針にて取引限度額を定めるほか、評価損に対するアラーム設定、ロスカット・ルールを設けるなど、評価損の拡大抑制に努めています。
なお、価格変動リスクのある株式等には、保有目的が純投資以外の目的である時価のある政策保有株式も含まれておりますが、これらの政策保有株式は、4「コーポレート・ガバナンスの状況等」(5)「株式の保有状況」に記載のとおり定期的に保有の合理性等の検証及び保有の適否を判断しており、リスクの軽減を図る体制をとっております。
④デリバティブ取引のリスク
当行におけるデリバティブ取引は主に外貨建債券運用に係る外貨調達手段としての為替スワップ取引及び顧客向け為替予約に係るカバー取引があります。有価証券運用においてデリバティブを内包するような複雑な商品への投資は行っておりません。
⑤資金調達に係る流動性リスク
当行グループは、資金調達・運用構造に即した適切かつ安定的な資金繰りに加え、安全性・収益性のバランスを考慮した効率的な資金調達・運用を基本方針としております。また、不測の事態に備えて、資金繰りの状況の逼迫度に応じた危機管理対策を予め策定し、速やかに対処できる体制を整えております。
しかしながら、当行グループの業績および財務状況や格付が悪化した場合、あるいは市場環境が大きく変化した場合に、必要な資金の確保が困難になり、通常より著しく高い金利による資金調達を余儀なくされる、または調達が困難となることで、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の影響のほか、物価上昇や円安進行等により一部の業種または企業について、預金等が大幅に減少する懸念も考えられますが、預金等動向のモニタリングやそのリスクが顕在化した場合の対応策も定めていることから、当行の資金繰りに及ぼす影響は限定的であると考えております。
(3)自己資本比率に係るリスク
当行グループは、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた国内基準である自己資本比率4%以上を維持する必要があり、当行グループの現在の自己資本比率は、この最低水準を大幅に上回っております。
今後も安定した経営を継続するには、なお一層の自己資本比率の上昇は必要不可欠と考えており、当行グループでは、リスク・ウエイト判定の高度化等のリスク・アセットコントロールを中心に、自己資本比率の上昇に資する諸施策を継続的に実施しております。その結果として、各事業年度末の自己資本比率は上昇傾向にあります。
本項に示した事業等に係る各種リスクが顕在化することにより、自己資本比率は低下する可能性がありますが、上述したとおり現在の自己資本比率は自己資本比率規制上の最低水準を大幅に上回っていること、近年の自己資本比率が上昇傾向にあること等から、国内基準行に求められる最低水準を下回る可能性は低いと考えております。
(4)オペレーショナル・リスク
①事務リスク
当行グループは、業務の多様化や取引量の増加に適切に対処し、想定される事務リスクを回避するために、機械化投資の拡充と営業店後方事務の集中処理を積極的に進め、業務の効率化と事務リスクの圧縮に努めております。また、事務水準の向上や事務事故の未然防止の観点から、事務指導の強化や研修等を実施し、内部監査を厳格に実施しております。しかしながら、役職員による不正確な事務、あるいは不正や過失等により、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②システムリスク
(ア)当行グループは、システムリスク管理方針やバックアップ体制等を整備し、コンピューターシステムの安全稼働に万全を期しております。しかしながら、万が一重大なシステム障害や不正使用等が発生した場合には、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(イ)当行グループは、外部からのサイバー攻撃等への対応としてサイバーセキュリティ作業部会(CSIRT)を設置し、「システムの脆弱性診断」や「サイバーセキュリティに関する訓練」の実施等、システムの安全稼働とセキュリティ強化に努めております。しかしながら、サイバー攻撃等によりシステムの停止等が発生した場合には、決済業務に支障をきたす等、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、情報の漏えい・改ざん等が発生した場合には、当行グループの社会的信用の失墜などにより、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)当行グループは、非対面取引を安心・安全にご利用いただけるよう、インターネットバンキングのセキュリティ強化に努めております。対策としてワンタイムパスワードやリスクベース認証の導入、ホームページやメールマガジン・テレビCMで、SMSからフィッシングサイトへ誘導する手口等について注意喚起などを実施しております。また、他金融機関、警察と連携して犯罪の抑止となる情報収集にも努めております。しかしながら、犯罪者による不正送金が行われた場合、当行グループの信用失墜となり、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(エ)当行グループはカード発行業務(イシュイング業務)を通じて、沖縄県内のキャッシュレス化に取り組んでおります。安全性確保のため、セキュリティサービスの導入による不正取引の排除や、国際ブランド、同業他社との連携による取引のモニタリング精度の高度化等により、日々、不正対策の強化を図っております。その一環として最新のセキュリティ技術である3Dセキュア2.0にも対応しております。3Dセキュア2.0は3Dセキュアの最新バージョンであり、より高度な認証技術が利用されています。このように継続的にセキュリティ対策の高度化を図り、お客様の安全性を確保することに努めておりますが、クレジットマスター等の外部からの攻撃や、デジタル技術の発展で巧妙化する新たな手法による不正取引が大量に発生した場合は、当行グループの信用失墜となり、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③コンプライアンスリスク
当行グループは、銀行業務を遂行する上でさまざまな法令等を遵守することが求められるだけでなく、関係するさまざまなステークホルダー(利用者・役職員・社会・市場・株主等)からの信頼・信用を保持し、その期待に応えることも求められています。過去の不祥事件の経験を踏まえ、企業風土の変革を含む再発防止策の導入とその後の実効性確保を、最重要の経営課題の一つとして定期的にフォローアップし、改善に取り組んでおります。
しかしながら、これらの取り組みが不十分であるために、コンプライアンス違反や不祥事件等が発生した場合には、当行グループの信用が失墜し、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策上の不備に係るリスク
当行グループは、事業活動を行う上で、国内外の法令諸規制の適用及びそれに基づく国内外の金融当局の監督を受けております。近年、金融犯罪が多様化かつ高度化し、本邦金融当局や海外の規制当局から要請されるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の基準は急速に高まっております。当行グループでは、国内外のマネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止態勢の高度化のため、法人口座開設時の審査厳格化や、海外送金取扱店舗の集約化など各種施策の実施に取り組む一方、AML/CFTに関する先進的かつ実用的な取り組みのあるTSUBASAアライアンスに参加し、情報及びスキルの収集に努めています。
しかしながら、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止態勢の高度化が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分、当行グループの信用失墜等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤風評リスク
当行グループの業務は、預金者等のお客様や市場関係者からの信用に大きく依存しております。そのため、当行グループや金融業界等に対する風説・風評が、マスコミ報道・市場関係者への情報伝播・インターネット上の掲示板への書き込み等により発生・拡散した場合には、お客様や市場関係者が当行グループについて事実と異なる理解・認識をされ、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
①自然災害に関するリスク
当行グループでは「危機管理計画(コンティンジェンシープラン)」をはじめ各種の対応マニュアルを整備し、災害対応訓練等を通じてその実効性向上を図っております。しかしながら、近年大型化している台風の直撃や大規模な地震等の自然災害の発生により、業務の全部または一部の継続が困難となり、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループ自身の被災による損害のほか、取引先が自然災害により業績が悪化した場合、信用リスクの上昇などを通じて、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、通常想定されるレベルの台風では当行グループの建物は構造上重要な被害を受けるものではなく、被害は限定的なものと想定しております。
②気候変動に係るリスク
当行グループは、気候変動が環境・社会、人々の生活・企業活動にとっての脅威であり、金融市場の安定にも影響を及ぼしうる最も重要な課題の一つであると認識しています。気候変動リスクとしては、低炭素経済移行に伴う政策・法務・技術・市場の変化等に起因する移行リスク、気候変動による資産に対する直接的な損傷やサプライチェーンの寸断による財務損失等の物理的リスクが挙げられます。
当行は以下の手法により移行リスク及び物理的リスクを計測しております。
移行リスクについては気温上昇による当地の主要産業である観光業および関連する飲食業、運輸業への影響を試算し、与信関連費用を計測しました。物理的リスクについては台風・豪雨等の風水害による当行不動産(建物)担保の担保価値影響額および当行支店における設備等への被害額を試算し与信関係費用における追加信用コストや支店における設備等への被害額(累積)を計測しました。
当行グループおよび投融資先への気候変動リスクのうち、GHG(温室効果ガス)については2030年度までに2013年度比60%削減することを目指しております。排出対策として、移行リスクおよび物理的リスクの定量分析、本支店のZEB化(5支店)、ZEH普及を目的としたアライアンス(ZEP-Ryukyu)の構築等に取り組んでおります。ZEP-Ryukyuの取り組みにつきましては2023年3月末で加盟事業者数が70先となり、加盟事業者向けセミナーも2回開催しました。当行グループの気候変動に関するリスクへの取り組みや情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、当行グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
③感染症による業務継続リスク
新型コロナウイルス感染症のような感染症が世界的に流行し、当行グループ役職員に多数の感染者が発生した場合、業務の全部または一部の継続が困難となり、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当行では衛生対策の徹底による感染防止策を講じるとともに業務継続体制の整備を図ることでリスクの軽減に努めております。
④当行グループのビジネス戦略が奏功しないリスク
当行は、収益力増強のために様々なビジネス戦略を実施しておりますが、規制緩和による多業種との競合やその他の外部要因が発生した場合には、これらの戦略が功を奏しない、当初想定していた結果をもたらさない、又は変更を余儀なくされ、当行グループの財政状態及び経営成績に影響が生じる可能性があります。
しかしながら、当行は新規ビジネスについて、事業の将来性や銀行全体の資産に対する新規投資額の割合等を十分に検討したうえで投資を決定しており、仮にビジネス戦略が奏功しないリスクが顕在化した場合でもその影響は限定的なものであると考えております。
⑤固定資産減損リスク
当行グループは、保有する有形固定資産及び無形固定資産について、現行の会計基準に従い減損会計を適用しておりますが、当該資産に係る収益性の低下や時価の下落等により、投資額の回収が見込めなくなった場合は減損損失を認識する可能性があります。減損損失を認識した場合、当行グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥繰延税金資産に係るリスク
現時点におけるわが国の会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来実現すると見込まれる税金負担額の軽減効果を、繰延税金資産として貸借対照表に計上することが認められております。当行グループは、現時点において想定される金融経済環境等のさまざまな予測・仮定を前提に将来の課税所得を合理的に見積り計上しておりますが、実際の課税所得が想定と異なること等により、繰延税金資産が減額された場合には、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑦退職給付債務等の変動に係るリスク
当行グループの退職給付費用や債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、実際の結果が予測値と異なる場合や前提条件に変更があった場合には追加損失が発生する可能性があります。
なお、当行は2021年10月より在職中の職員の「確定給付企業年金(DB)」のすべてを「確定拠出年金(DC)」へ移行しております。これにより、当行における退職給付債務等は、在職中の職員の退職金にかかるもの約77億円(資産と負債の合計額)と、DC移行前に退職した職員の年金(閉鎖DB)の約68億円(資産と負債の合計額)となっております。このうち閉鎖DBについては、低リスクでの運用方針としていること及び年金資産が退職給付債務を大幅に上回っていることから利回りの変動等から発生するリスクや積立不足による追加拠出等が発生するリスクは大幅に軽減されております。
⑧規制変更のリスク
当行グループは、現時点の規制(法律、規則、政策、会計制度、実務慣行等)に従って業務を遂行しております。将来、これらの規制の新設、変更、廃止ならびにそれらによって発生する事態が、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨格付低下のリスク
格付機関が当行の格付を引き下げた場合、当行の市場部門は、取引において不利な条件を承諾せざるを得ない、あるいは一定の取引の実施が困難となる可能性があります。このような事態が生じた場合、資金調達費用の増加や資金調達そのものが困難となる等、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)による長期発行体格付はいずれも「A+」を取得しており、格付の方向性も「安定的」との評価を得ていることから、格付低下によるリスク顕在化の懸念は低いものと考えております。
⑩顧客情報に係るリスク
当行グループは、個人情報・機密情報等のデータを有しており、その管理につきましては、マニュアルで管理方法を明確に定めるとともに、本人確認システムを導入する等、不正利用・流出を防止する体制を強化しております。しかしながら、これらの対策にも関わらず、重要な情報が外部に漏洩した場合には当行グループの信用が失墜し、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪重要な訴訟によるリスク
当行グループは、法令諸規則の遵守の徹底に努め、法令違反の未然防止体制を強化しております。しかしながら、今後、様々な業務遂行にあたり、法令違反およびこれに対する訴訟が提起された場合には、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当行グループの財務状況、経営成績およびキャッシュフロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
経常収益は、貸倒引当金戻入益、有価証券利息配当金、カードビジネス関連手数料、法人ビジネス関連手数料等の役務取引等収益の増加等のほか、株式会社リウコムの連結子会社化に伴う売上高の計上により前期を30億81百万円上回る600億93百万円となりました。
一方、経常費用は、主に米国金利上昇による外貨調達コストの増加等により前期を25億12百万円上回る515億93百万円となりました。
この結果、経常利益は前期を5億69百万円上回る84億99百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期を3億6百万円上回る58億96百万円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。なお、当行グループは、当連結会計年度より株式会社リウコムを連結子会社としたことを契機に、従来の報告セグメントに加え「IT事業」について報告セグメントとして記載する方法に変更しております。また、当連結会計年度の比較・分析は変更後の区分に基づいております。
①銀行業
経常収益は前連結会計年度比20億68百万円増加の407億56百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比2億64百万円増加の72億61百万円となりました。
②リース業
経常収益は前連結会計年度比5億34百万円減少の155億57百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比21百万円減少の5億13百万円となりました。
③クレジットカード業
経常収益は前連結会計年度比14百万円減少の37億3百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比2億17百万円減少の4億50百万円となりました。
④信用保証業
経常収益は前連結会計年度比1億64百万円減少の7億47百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比1億54百万円減少の6億36百万円となりました。
⑤IT事業
経常収益は13億52百万円となり、セグメント利益は1億11百万円となりました。
⑥その他
経常収益は前連結会計年度比8百万円減少の4億29百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比6百万円減少の8百万円となりました。
主要勘定としては、預金等(譲渡性預金を含む)の期末残高は、新型コロナ禍において、個人預金の残高が依然と高いまま推移したことから、前連結会計年度末を1,305億20百万円上回る2兆7,287億80百万円となりました。貸出金の期末残高は、個人向け貸出が住宅ローンを中心に好調に推移したことに加え、法人向け貸出も運転資金などが増加したことから、前連結会計年度末を236億45百万円上回る1兆8,280億59百万円となりました。有価証券は国債や外国債券を中心とした債券等の取得により前連結会計年度末を1,129億96百万円上回る4,771億75百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況については次の通りであります。
現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比1,718億61百万円減少の5,981億2百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金の減少等により522億66百万円の支出(前連結会計年度は2,861億17百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、債券を中心とした有価証券の取得等により1,167億35百万円の支出(前連結会計年度は386億63百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び自己株式の取得等により29億5百万円の支出(前連結会計年度は22億29百万円の支出)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
中期経営計画「SINKA 2020」の最終年度を迎えた2022年度はお客さまの課題解決に向けた取り組みの深化を図るとともに、地域社会の脱炭素化への支援やデジタル技術の活用を推し進めてまいりました。
①お客さまの課題解決に向けた取り組み
事業者の皆さまには、事業性評価を起点とした提案営業の強化を図るとともに、本部・営業店一体となった事業先の伴走支援に取り組んでまいりました。具体的には、お客さまの資金繰り支援を主とし、借入金の元金返済据え置きや長期借入金一本化の他、売上拡大に向けた販路拡大、経営改善支援などお客さまのコロナ禍による影響度合い、回復状況に応じた適切な支援を実施いたしました。
個人のお客さまには、お客さま本位の業務運営に基づく「お客さまの最善の利益」の追求に向けた質の高いサービス提供を可能とする行員の育成体制の強化を図り、お客さまのライフイベントに沿った商品・資産運用サービスや相続分野においての遺言信託・遺産整理業務などコンサルティング提供体制の強化に取り組みました。
当行のカード加盟店の皆さまには、2022年7月に販路拡大を目的としたECサイト「結-YUI-モール」を開設した他、2022年11月には台湾の観光客誘致を目的とした電子マネー「悠遊カード」の取り扱いを開始するなどトップライン支援の強化を図りました。
②地域社会の脱炭素化への支援
当行は「地球環境の負荷軽減・再生」と「地域社会の発展、県民のより豊かな生活への貢献」を目標に積極的に実現すべきテーマとして6つの重要課題(マテリアリティ)を定めました。その実現すべきテーマの1つに「気候変動リスクの把握と対策」を掲げ、2022年度は地域社会の脱炭素化の支援体制の構築に努めてまいりました。
具体的には、お客さまのSDGs(脱炭素、健康経営等)への取組状況を診断し、お客さまのSDGsの達成に向けたサポート体制を整えた他、当行の貸出金残高の約6割を占める住宅関連、不動産分野が環境へ与える影響を鑑み、当行が主体となり県内の省エネ住宅などの普及を目的とした地域連携(Ryukyu net ZERO Energy Partnership)を発足したことが挙げられます。今後も気候変動に関するお客さまの課題解決への取り組みを支援するため、様々な企業と連携し、お客さまへの最善なソリューションを提供してまいります。
③デジタル技術の活用
銀行業務の構造改革として、行内の事務プロセスを見直し、業務効率化を図るためのデジタル技術の活用を推し進めてまいりました。
また、お客さまへの取り組みでは、りゅうぎんアプリに他行振込やカードローンの借入・返済機能を実装するなど利便性向上に努めたほか、全営業店に税公金納付書等のバーコード・QRコードの読み取り機器を導入し、お客さまの待ち時間短縮など店頭サービスの向上を図りました。
④県内金融機関とのアライアンス
2023年2月に株式会社沖縄海邦銀行と共同出資会社「ゆいパートナーサービス株式会社」を設立しました。今後は共同出資会社を通じて現金やメール便の配送コスト等の削減を行い、さらなるバックオフィス業務の共同化に関する検討を継続するとともに、本検討の実現により削減されるコストをお客さまの利便性向上につながる施策や地域のための施策へ還元してまいります。
これらの結果、顧客向けサービス利益は前年度を5億94百万円上回る56億91百万円となりました。
銀行以外のセグメントの経常利益について、リース業セグメントは売上高の減少等により前年度を21百万円下回る5億13百万円、信用保証業セグメントは前年度を1億54百万円下回る6億36百万円、クレジットカード業セグメントは与信コストの増加等により前年度を2億17百万円下回る4億50百万円となりました。
なお、第3四半期連結会計期間より株式会社リウコムを連結子会社としたことを契機に、従来の報告セグメントに加え「IT事業」について報告セグメントとして記載する方法に変更しております。IT事業でのセグメント利益は1億11百万円となりました。
当行グループの資本の財源及び資金の流動性については以下の通りです。
資金運用等に関しては、主要な運用手段である貸出金が順調に推移する一方で、金銭の信託等による資金運用の多様化を行っております。有価証券運用においては債券の償還が進む中で金融市場の動向を睨みながら、機動的な運用を行っております。一方で主要な資金調達手段である預金についても好調に推移しており、債券の償還等による調達と合わせて増加する運用資金に対応しております。
また、当行は「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり投資を計画しておりますが、これらに必要な資金は自己資金で対応する予定であります。
当行は中期経営計画「SINKA2020」における最終年度である2022年度の目標として親会社株主に帰属する当期純利益55億円ほか下表の項目を掲げておりました。
当連結会計年度において、親会社株主に帰属する当期純利益(①)、連結ROE(②)、顧客向けサービス利益(③)、単体自己資本比率(完全実施ベース)(④)、単体コアOHR(⑤)において目標数値を上回ることができました。
カード加盟店グループ総取扱高(⑥)については新型コロナの影響を受け、未達成となりましたが、県内の観光関連の回復に伴いカード取扱高は着実に増加しております。また、事業性評価シートによるソリューション提案(⑦)においても、2021年度下期より提案内容の質を重視したことにより、目標計数(提案件数)は未達成となりました。その結果として、事業性評価を起点とした営業態勢は整い、法人向けサービス手数料の増加に繋がっていると評価しております。
当行グループは、中長期的な視点で株主資本コストを上回るROE(自己資本利益率)の向上を目指していきたいと考えており、従前よりROEを主要な経営指標として位置付けております。当連結会計年度におけるROEは4.3%となり前連結会計年度を0.1ポイント上回りました。なお、当行グループにおける株主資本コストはCAPM算定式を採用し、3.5%から5.5%程度と認識しており、ROEの水準は概ね資本コストと同水準にあると認識しております。
2023年度から中期経営計画「Value2023」がスタートしました。中期経営計画で掲げた長期ビジョン「地域経済の好循環サイクルを実現し、地域とともに成長する金融グループ」の実現を目標に、グループ総合力を発揮し、経営計画に掲げる諸施策を着実に実行することで、目標の達成、ROEの継続した上昇および将来的なPBRの向上を目指してまいります。
(注)1 顧客向けサービス利益=預貸金収支+役務利益―経費
2 完全実施ベースの自己資本比率は、土地再評価差額金の資本算入額をゼロとし、無形固定資産および前払年金費用等を資本調整額として全額計上するベース。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行の貸倒引当金は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表」の「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項(5)貸倒引当金の計上基準」に記載のとおり、「破綻先」「実質破綻先」「破綻懸念先」に係る債権については、取立不能額及び担保や保証による回収見込額を控除した額に対し、全額または必要額を個別に計上しております。
それ以外の債権については、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、将来に関するマクロ経済指標の予想に基づき予想損失率を求め、これに将来見込み等必要な修正を加えて算定しております。
連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。
当行及び一部の連結子会社において今後の見通しについては、新型コロナウイルス感染症の影響を含め、経済活動は2023年度以降も緩やかな回復シナリオを想定していますが、貸倒引当金の見積りに用いた仮定については現時点における最善の見積りであるものの、当該仮定には不確実性が存在しております。そのため、新型コロナウイルス感染症の収束状況や資源価格高騰等による個別貸出先への影響等によっては、翌年度以降の連結財務諸表において当該貸倒引当金は増減する可能性があります。
当連結会計年度における資金運用収支は272億78百万円、役務取引等収支は63億22百万円、その他業務収支は△5億63百万円となっております。
部門別にみますと、国内部門の資金運用収支は270億円、国際部門の資金運用収支は6億97百万円となっております。
(注) 1 国内業務部門は当行の円建取引及び子会社取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
3 相殺消去額欄は、連結会社間の内部取引消去額を計上しております。
当連結会計年度における資金運用勘定の平均残高は2兆8,903億24百万円、そのうち貸出金が1兆8,011億83百万円、有価証券が4,076億81百万円となっております。資金運用利回りは0.97%、そのうち貸出金が1.44%、有価証券が0.48%となっております。
一方、資金調達勘定の平均残高は2兆8,842億69百万円、そのうち預金が2兆6,595億26百万円となっております。資金調達利回りは0.03%、そのうち預金が0.00%となっております。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当行以外の子会社については、当連結会計年度末と前連結会計年度末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 ( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当行以外の子会社については、当連結会計年度末と前連結会計年度末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 ( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
(注) 相殺消去額欄は、連結会社間の内部取引消去額を計上しております。
(注) 1 国内業務部門は当行の円建取引及び子会社取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。
2 相殺消去額欄は、連結会社間の内部取引消去額を計上しております。
(注) 1 国内業務部門は当行の円建取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3 定期性預金=定期預金
4 相殺消去額欄は、連結会社間の内部取引消去額を計上しております。
(注) 1 国内とは当行及び国内子会社であります。
2 海外及び特別国際金融取引勘定分については、該当ありません。
該当ありません。
(注) 1 国内業務部門は円建有価証券、国際業務部門は外貨建有価証券であります。ただし、円建外国債券は国際業務部門に含めております。
2 外貨建有価証券及び円建外国債券は、「その他の証券」に計上しております。
3 「相殺消去額」は、連結会社間の内部取引消去額を計上しております。
連結会社のうち「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当行のみです。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においては、信託の受託残高はありません。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
(単位:億円、%)
(単位:億円、%)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
該当ありません。
該当ありません。