当グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、記載事項のうち将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営方針
当グループは、以下の経営理念の下、地域のお客さまを重視する姿勢を徹底することにより、地域社会から信頼され、株主の皆さまや市場からの評価を得られる金融サービスグループを目指すとともに、グループの更なる飛躍に向けた改革に邁進し、企業価値の最大化を目指してまいります。
<りそなグループ経営理念>
(2)経営環境
(経営環境)
我が国においては、人口減少・高齢化の進展や急速なデジタル化、お客さまの行動多様化の継続など、不可逆的な社会構造変化が加速しています。また、マイナス金利政策の長期化に加え、新型コロナウイルス感染症の影響は世界経済にまで拡大し、日本においても人の移動制限による消費活動の停滞、社会的制限による生産活動の停止等、景気動向に大きな影響を及ぼしています。
(新型コロナウイルス感染症拡大による影響)
雇用の悪化やグローバル全体での需要の落ち込み、それに伴った幅広い業種への影響を加味した与信費用の増加等を総合的に考慮し、2021年3月期は、フィービジネスの減速、与信費用増加等のダウンサイド等を中心に一定の影響を勘案した計画としております。
また、危機を契機としたお客さまの認識変化「将来設計見直し・備えに対する意識の高まり」「デジタル活用に対する意識の高まり」をうけ、事業・資産承継、資産形成サポート、コミットメントライン設定、非対面取引、キャッシュレス決済、SMEのIT化支援等のビジネス機会の増加が展望できると考えております。
2020年3月期(実績)への影響
2021年3月期(計画)
(3)中期的な経営戦略及び優先的な対処すべき課題
(前中期経営計画の振り返り)
前中期経営計画では、基本戦略として3つのオムニ戦略を掲げ、次世代リテール金融サービスモデルの構築と、収益・コスト構造改革に取り組んでまいりました。
想定を超える厳しい外部環境の下、PLに係るKPIは未達となりましたが、資金利益の減少をフィー収益の増加と経費削減でカバーする、収益・コスト構造改革には、一定の進展があったものと認識しております。具体的には、質に拘った貸出運営の下、利ざやの低下幅は計画以上に縮小しました。また、ストック型フィービジネスが拡大し、デジタル化を通じて人員スリム化も当初計画を上回る水準で達成しました。
ビジネス展開としては、グループアプリ、りそなアカデミー、りそなキャッシュレス・プラットフォーム、KMFG(関西みらいフィナンシャルグループ)創設など、新たな取り組みが着実に進展しております。一方で、マネタイズに向けてこれを更に加速していかなければならないと考えております。

(経営の方向性)
上述の環境・状況変化が中長期的にも予想され、また想定外の事態が発生する中において、当グループでは、「リテールNo.1」に徹底的に拘り、首都圏・関西圏における有人拠点網や、法人・個人のお客さま基盤、フルラインの信託機能といったりそなの強みを活かしつつ、従来型のビジネスモデルを時代の変化へ適合させてまいります。
また、中長期的には『「持続可能な社会への貢献」と「自らの持続的な成長」の両立』を目指すことが不可欠であると考え、その目指す姿の実現に向けて、2020年5月に、2022年度までを新たな計画期間とする中期経営計画(以下「本計画」という。)を公表いたしました。

(新中期経営計画について)
当グループでは、中長期的な環境変化、お客さまの行動多様化の継続を踏まえ、従来型のビジネスモデルを時代の変化へ適合させることを、重要な経営課題として認識しております。これらの課題の克服に向けて、「お客さまの喜びがりそなの喜び」という基本姿勢を貫き、以下の戦略に基づく取り組みを加速するとともに、「リテールNo.1」のサービスグループを目指して、企業価値の最大化に努めてまいります。

① 基本方針
レゾナンス・モデルの確立とは、お客さまのこまりごと・社会課題を起点に、従来の銀行の常識や枠組みにとらわれることなく、新しい発想、幅広いつながりが育む様々な「共鳴」を通じて、時代の変化に適合し、お客さまに新たな価値を提供することです。レゾナンス・モデルを従業員一人ひとりが意識・行動する軸に据え、本計画を実現してまいります。
(ア) お客さまのこまりごと・社会課題を起点
(イ) 新しい発想、幅広いつながりが育む様々な「共鳴」
(※) 3つのドライバー
当グループがリテールにフォーカスし、長年培ってきたお客さまとの揺るぎないリレーションを基軸に、「デジタル&データ」「デザイン思考」「オープン」をドライバーとして、ビジネスモデル・経営基盤を次世代化してまいります
② ビジネス領域
伝統的な間接金融業務(信託+商業銀行)を徹底的に“差別化”する「深掘」と、“脱・銀行”へ向けた新たな発想で取り組む新規ビジネスへの「挑戦」を通じて、中長期的に次世代のリテールサービスを提供するグループへと進化を遂げるとともに、収益構造改革を実現してまいります。
(ア) 深掘
(イ) 挑戦 (オープン・イノベーション)
③ 基盤の再構築
ビジネスの「深掘」と「挑戦」の実現には、リテールに内在する高コスト体質を打破し、経営資源を適正に配分することが必要不可欠です。3つのドライバーを軸に、ビジネスモデル・経営基盤を再構築し、営業力強化と生産性向上に取り組んでまいります。
(ア) 人財
(イ) 業務プロセス
(ウ) 営業スタイル
(エ) チャネルネットワーク
(オ) システム
④資本政策の方向性
健全性、収益性、株主還元のバランス最適化を追求し、企業価値向上の実現に取り組んでまいります。
(ア)健全性
本計画の最終年度における自己資本比率の目標水準については、主に以下の3点を踏まえ、現在適用している国内基準において十分な自己資本を確保するとともに、国際統一基準においても、普通株式等Tier1比率(バーゼル3最終化影響反映後・その他有価証券評価差額金を除く)で10%を目指してまいります
a.安定した資金供給・サービス提供等を通じた地域社会・経済発展への一層の貢献
b.国際的な目線においても信用力ある金融機関としての資本確保と持続的成長の実現
c.投資機会・金融規制への対応に備えた戦略的機動性の確保
(イ)収益性
資本効率、リスク・コスト・リターンを重視した財務運営の継続に努め、8%を上回るRОEの確保を目指してまいります。
(ウ)株主還元
安定配当を継続するとともに 、健全性・収益性とのバランスや成長投資の機会を考慮しつつ、株主還元の拡充に取り組んでまいります。
具体的には、総還元性向の水準として、中期的に40%台半ばを目指してまいります。
(目標とする経営指標)
2020年5月に策定、公表いたしました中期経営計画において目標とする主な経営指標(2022年度)は以下のとおりです。
〔2022年度前提条件:無担保コールO/N △0.05%、10年国債△0.05%、日経平均株価23,000円〕
(注) 1 親会社株主に帰属する当期純利益÷株主資本 (期首・期末平均)
2 バーゼル3最終化ベース、その他有価証券評価差額金除き
3 FTSE Blossom Japan Index、MSCIジャパン ESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数
中長期的な収益構造改革の実現に向け、連結フィー収益比率35%以上、連結経費率60%程度を目指してまいります。また、健全性・収益性とのバランスや成長投資の機会を考慮しつつ、株主還元の拡充に取り組むため、株主資本ROEは8%程度、有価証券評価差額金を除く普通株式等Tier1比率(バーゼル3最終化勘案ベース)で10%程度を目標としております。
加えて、本業を通じて、社会課題解決を目指すSDGs経営を加速させていきたいという狙いから、「持続可能な社会の実現」に向けたKPIとして、引き続き、GPIFが選定するESG指数すべてに選定されることも目標としております。
当社及び当グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社及び当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。
これらのリスクは必ずしも全てを網羅したものではありません。また、リスクは独立して発生するとは限らず、あるリスクの発生が他のリスクの発生につながり、様々なリスクを増大させる可能性があります。
当社は、リスクが顕在化する可能性の程度や時期、リスクが顕在化した場合に当社及び当グループの経営成績等に与える影響の内容を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、記載事項のうち将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、欧米の主要国を始め、各国で人々の移動制限や企業活動の禁止などが行われ、国内では、緊急事態宣言が発令され、外出や企業活動の自粛要請等がなされました。
当グループは、お客さまの健康・安全を最優先に新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組むとともに、お客さまの資金決済や事業資金のご支援など金融サービスの提供に引き続き迅速に対応してまいります。
新型コロナウイルスの感染拡大により以下のとおり様々なリスクを想定しております。
○ 与信費用の増加
・感染拡大防止策の直接影響から影響長期化による深刻な景気低迷へ
○ 保有有価証券の評価損益悪化
・財政拡張に伴う長期金利の上昇
・企業業績の長期低迷による株価下落
・原油価格下落等を起因とした金融市場混乱拡大
○ 外貨建資金調達の不安定化
・感染拡大第2波等による金融市場の再混乱
○ サイバー攻撃増加
・オンライン取引増加、テレワークの拡大等
○ 従業員間の感染拡大による業務停止
○ 経済活動の縮小・取引延期等による収益減少
当社及び当グループは、当社及び当グループに重大な影響を及ぼす可能性の高いリスクをトップリスクとして認識し、トップリスクをリスク管理の起点とした一貫性のあるリスク管理体制を整備しております。
トップリスクは、経営会議、取締役会等での議論を踏まえて決定され、トップリスク管理を通じて、当グループ内のリスク認識を共有化し、リスクガバナンスの強化、重要なリスクの発生防止、リスクが発生した場合の早期対応・影響拡大の抑制等に努めております。
2020年3月現在、以下をトップリスクとして選定しております。
【図表1】トップリスクとリスクシナリオ

○ ビジネス戦略
当社及び当グループでは「リテールNo.1」のサービスグループを目指し、「資産・事業承継ビジネス」、「資産形成サポートビジネス」、「中小企業貸出・国際ビジネス」、「個人向けローンビジネス」、「決済ビジネス」等への取組を強化することで、長期安定的な収益基盤の構築を目指しております。
また、国債を中心とした円建債券、外国通貨建債券及び投資信託等への投資運用業務を行っております。
トップリスクとビジネス戦略の関係は図表2のとおりであります。
【図表2】トップリスクとビジネス戦略

当社及び当グループのトップリスクとトップリスク以外の重要なリスクは以下のとおりであります。
近年、金融業界の規制緩和やFinTechに代表される金融イノベーションの進展、金融機関の統合・再編・業務提携等により事業環境は厳しさを増しております。
今後、競争が激化し、当グループが競争に十分対応することが出来ない場合には、貸出増強が進まない、リスクに見合った貸出金利鞘が確保できない、手数料収入が期待通りに得られない等、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらに対応するため、当グループでは、既存ビジネスの深堀と“脱・銀行”へ向けた挑戦を行い、様々なビジネス戦略のもとリスクテイクを行っております。新規ビジネスへの挑戦などにより、新たなリスクテイクを行う場合には、経営陣による十分な議論を行うほか、リスクチェック制度により、内在リスクを洗出し、リスク特性に応じた管理体制の構築を図っております。
当グループは、銀行業務を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っておりますが、デジタル化やIT化への対応、お客さまへの高度なソリューションの提供等のため、従来以上に高度な専門性と遵法意識を持った人財を確保する必要があります。
こういった人財が確保できない場合や人財の一斉流出等が発生した場合、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
人財確保等のため、当社及び当グループでは、採用活動や人財育成策の充実、ダイバーシティによるキャリア多様化、テレワークやサテライトオフィスの導入、デジタル化による業務効率化、男性の育児休暇、介護休暇取得の促進等を進めております。
当グループは、現時点の規制・制度に則って業務を遂行しております。したがって、今後予定されている自己資本規制の強化、会計基準の変更、様々な金融規制改革の適用や政府の方針、実務慣行及び解釈に係る変更等のうち、当グループのコントロールが及ばない事態が発生した場合には、当グループの業務運営や業績、財務状況、自己資本比率に悪影響を及ぼす可能性があります。
自己資本規制の強化に関して、2023年より国際統一基準行に対しバーゼル3最終化の適用開始が予定されております。当グループは国内基準行であり、国内基準行に対する本邦での適用開始時期等は未定ですが、当グループの自己資本比率が低下する可能性があります。
ルール化の状況や影響については自己資本管理部署が中心となって経営陣に報告を行い、経営陣の関与のもと適切に対応する体制となっております。
会計基準の変更に関して、現在、当グループの会計基準は日本基準を採用しておりますが、将来のIFRSの適用に備え、影響度の調査や課題の洗出等の取組みを実施しております。適用時期については未定でありますが、適用時には、当グループの業務運営や業績、財務状況、自己資本比率に悪影響を及ぼす可能性があります。
影響度や課題については財務部門が中心となって経営陣に報告を行い、経営陣の関与のもと適切に対応する体制となっております。
2021年末以降のLIBOR公表停止可能性に関して、当グループではLIBORを参照する貸出取引等の規模は大きくありませんが、システム開発等に伴う費用の増加、ヘッジ会計の取扱変更等により、当グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループではグループ横断的なワーキンググループを通じた準備を行っており、国内外の動向や対応状況について経営陣に報告を行い、経営陣の関与の下で適切に対応する体制を整えております。
○ 自己資本比率規制
当社及び国内銀行持株会社は連結自己資本比率を、国内グループ銀行は連結自己資本比率及び単体自己資本比率を4%以上に維持する必要があります。
当社並びに国内銀行持株会社及び国内グループ銀行の自己資本比率は、本「事業等のリスク」に記載する各種リスクの顕在化等を主な要因として低下する可能性があり、その場合は、資金調達コストの上昇などにより、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。仮に上記の自己資本比率が基準値の4%を下回った場合には、早期是正措置により、金融庁長官から業務の全部または一部停止等を含む様々な命令を受けることとなり、その結果、当グループの業務運営や業績、財務状況に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では、業務の健全性及び適切性を確保し、質・量ともに十分な自己資本を維持するとともに、自己資本管理を有効に機能させることを目的として「グループ自己資本管理の基本方針」を制定し、当グループの直面するリスクに見合った十分な自己資本及び自己資本比率の確保に努めております。
○ 日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」に伴うリスク
日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の継続により、国内の市場金利は極めて低い水準で推移する状況となっております。
今後、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の長期化やマイナス金利幅の拡大により金利が一段と低下した場合には、貸出金利回りや国債等の金融商品の投資利回りが低下することにより、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、低金利水準への対応のため、業務運営面やシステム面における管理体制の整備を進めるとともに、金融仲介機能の発揮に引き続き努めております。
当グループの与信ポートフォリオにおいては、中堅・中小企業向け貸出金や、住宅ローンを中心とした個人向け貸出金が大きな割合を占めており、与信の小口分散が図られております。
しかしながら、以下に記載している与信集中や景気動向、担保価格の下落、融資先の経営状況等によっては、想定の範囲を超える償却・引当を余儀なくされ、当グループの業績、財務状況及び自己資本の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、貸出資産の劣化に対する予兆管理やリスク分散に向けた取り組みを進め、信用リスク管理体制の強化を図っております。また、不良債権については、正確な自己査定に基づき、十分な水準の財務上の手当てを行っております。
○ 大口与信集中によるリスク
大口先に対する与信集中リスクについては、当グループの経営に対して重大な影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、各グループ銀行等では、クレジットシーリング制度を定め、与信集中の防止を図っております。同制度では、各社がその体力に応じて金額上限を設定し、原則として、一取引先への与信額がこれを超過しない仕組みとしており、定期的に運用状況をモニタリングしております。
○ 特定業種への与信集中リスク
特定の業種等に与信が集中することにより、景気や経済の構造的な変動等が生じた際、それら特定分野の業績や資産価格が影響を受け、当グループの不良債権や与信費用が増加する可能性があります。
こういった事態を未然に防止するため、各子銀行において特定の業種の与信残高に一定の協議ポイントを設定する等により、業種集中リスクコントロールに努めております。
○ 与信費用の主な増加要因
・融資先の業況悪化等
融資先を取り巻く環境変化(景気の悪化、産業構造や消費者志向の変化、気候変動、人手不足、各種感染症の拡大等)により、信用状態が悪化する融資先が増加したり、貸出条件の変更や金融支援を求められたりすることなどにより、当グループの与信費用が増加する可能性があります。
・地域経済の悪化等
当グループは東京都・埼玉県を主とした首都圏と大阪府を主とした関西圏を主要な営業基盤としており、これらの地域の経済状態が低迷した場合や、大規模な自然災害(震災、風水害等)、各種感染症等が発生した場合は、融資先の信用状態の悪化、不動産担保価値の下落等により、当グループの与信費用が増加する可能性があります。
・融資先等企業の存立を揺るがすガバナンスの欠如
不正会計(粉飾決算)、融資書類の偽造や資金使途の偽装、建築施工不良、会社の私物化、商品の不適切販売等、企業のガバナンス欠如等に伴う問題が発生しております。これらにより、融資先の信頼性の著しい失墜あるいは企業の存立を揺るがす事態が生じた場合、当グループの与信費用が増加する可能性があります。
○ 市場業務に関するリスク
当グループでは、デリバティブ取引を含む相場変動を伴う金融商品を取扱うトレーディング業務や国債を中心とした円建債券、外国通貨建債券及び株式投資信託、公社債投資信託、不動産投資信託等への投資運用業務を行っております。
これらの業務は、市場金利、為替レート、株価、債券価格等の変動により悪影響を被る可能性があります。たとえば、国内外の市場金利が上昇した場合には当グループが保有する円建債券や外国通貨建債券をはじめとする債券ポートフォリオの価値が下落することによって想定以上の評価損や実現損失が発生し、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、投資対象商品に係る需給の悪化により市場流動性が急速に悪化した場合や裏付資産が大幅に劣化した場合には、保有する投資対象商品の価値が下落することによって想定以上の評価損や実現損失が発生し、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
市場金利の上昇、株価や為替レートの変動が生じるケースとしては、例えば日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の解除や修正観測、米国の金融政策の変更、要人の発言、地政学リスクの顕在化、大規模なシステム障害や自然災害、各種感染症の発生等が想定しえます。
これらのリスクに対応するため、当グループでは、経営体力に見合ったリスク限度や損失限度等を設定した上で当該限度等への接近時や抵触時の対応を定める等、厳格なリスク管理体制を整備し、適切なリスクコントロールを行っております。また、新規取扱商品の選定に際しては、当該商品のリスク特性を認識・把握し、リスク特性に応じた管理体制の構築に努めております。
・外国為替相場変動に伴うリスク
当グループは、資産・負債の一部を外国通貨建で保有しており、外国為替相場の変動によって為替差損が発生した場合は、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これら外国通貨建資産・負債は、相互の相殺あるいは必要に応じた適切なヘッジによりリスクコントロールを行っております。
○ 政策保有株式に伴うリスク
政策保有株式には、株式相場の価格変動や個社別の業績見通し等の影響等を受け、その時価が変動する価格変動リスクがあります。
政策保有株式の時価が下落した場合、評価損や減損が生じ、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、公的資金による資本増強以降、政策保有株式残高を圧縮し、価格変動リスクの低減に努めてまいりました。
引き続き、保有継続の是非については、中長期的な取引展望の実現可能性を含むリスク・リターンを検証、具体的には資本コストを加味した採算性や中長期的な信用リスク等の観点から、個別銘柄毎に検証し、判断してまいります。今後もお客さまとの丁寧な対話を通じて、削減に努めてまいります。
○ 資金調達・流動性に関するリスク
当グループは、主にお客さまからの預金により資金調達を行い、当該預金を原資に貸出金や有価証券の運用を行うことで収益を得ております。
今後、内外景気の急激な悪化や大規模な金融システム不安が発生した場合、当グループの業績悪化、格付の低下や当グループに対する風評が発生した場合等には、通常より著しく高い金利による資金調達を余儀なくされたり、市場調達が困難になる、あるいは大口預金先を中心に想定の範囲を大幅に上回る預金流出が発生し、資金繰り運営に支障が生じる可能性があります。その結果、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
尚、調達のうち円貨は預金残高が運用額を大幅に上回っており、また、国債等即時に資金化可能な流動性資産も十分に保有していることから、現状、資金調達・流動性リスクに特段の問題はありません。
外貨(米ドル)については、安定した資金繰りに努め、現状、資金化が困難な貸出金残高を預金残高と中長期市場調達の合計額が十分に上回るように運営しております。
・格付低下のリスク
当社及び各グループ銀行は、格付機関から格付を取得しております。
格付の水準は、当グループから格付機関に提供する情報のほか、格付機関が独自に収集した情報に基づいて付与されているため、常に格付機関による見直しがなされる可能性があります。
また、当社及び各グループ銀行の格付は、本「事業等のリスク」に記載する様々な要因、その他日本国債の格付や日本の金融システム全体に対する評価等が単独または複合的に影響することによって低下する可能性があります。
仮に格付が引き下げられた場合には、資金調達コストの上昇や必要な資金を市場から確保できず資金繰りが困難になる可能性があります。その結果、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、収益力増強策や財務の健全性向上策等の諸施策に取り組み、格付の維持・向上に努めております。
当グループでは、預金、為替、融資などの業務を行う勘定系システムや営業支援、経営管理、リスク管理等を行う情報系システムなど様々なコンピュータシステムを使用しております。
これらのシステムがダウンまたは誤作動した場合等システムに不備が生じた場合やシステムが不正に使用された場合には、当グループの業務停止、お客さま情報の漏えい、インターネットバンキングを通じたお客さま預金の不正送金・不正引出し、Webサイト及び各種データの改竄等の被害が生じ、業務の復旧に要するコスト、被害を受けたお客さまへの補償、システムセキュリティ強化にかかるコストの増大等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、システムに関する障害・不備、不正等により顕在化するリスクは経営基盤を揺るがしかねないリスクとなる可能性もあるとの認識のもと、システムに関する障害・不備防止対策、不正防止対策等のリスク管理の基準を定め適切な管理体制を整備するとともに、システム障害を想定したコンティンジェンシープランを整備することにより、これらシステムリスクの軽減に努めております。
○ サイバー攻撃
サイバー攻撃を起因としたセキュリティインシデントには、DoS・DDoS攻撃、マルウェア感染、標的型攻撃、Webサイト改竄、不正アクセスなどがあります。サイバー攻撃は年々巧妙化していることに加え、今後予定される東京オリンピックに向け、日本を標的としたサイバー攻撃は増加するおそれがあります。
当グループ(当グループが業務を委託している先を含みます)がサイバー攻撃を受けた場合、当グループの業務停止、お客さま情報の漏えい、インターネットバンキングを通じたお客さま預金の不正送金・不正引出し、Webサイト及び各種データの改竄等の被害が生じ、業務の復旧に要するコスト、被害を受けたお客さまへの補償、システムセキュリティ強化にかかるコストの増大等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では、サイバー攻撃への対応を経営の最重要課題の1つとして位置づけ、経営会議・取締役会等での議論・検証のもと、サイバー攻撃対策を推進しております。サイバー攻撃に備えて平時・有事の活動を行う専担部署(Resona-CSIRT)を設置し、サイバー攻撃に関する情報収集・分析、手続・マニュアル整備を行うとともに、定期的な演習・訓練の実施、コンティンジェンシープランの見直しを実施しております。
インターネットバンキング等のサービスにおいては、ワンタイムパスワードやトランザクション認証を活用するなど不正な取引を分析しセキュリティ対策の強化に努めております。
当グループは、銀行法、会社法、金融商品取引法等の各種法令諸規則等に基づいて業務を行っております。
役員及び従業員が法令諸規則等を遵守しなかった場合や、役員及び従業員による不正行為等が行われた場合には、行政処分や罰則を受けたり、お客さまからの信頼を失墜したりすること等により当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは法令諸規則等を遵守すべく、役員及び従業員に対する法令等遵守の徹底や不正行為等の未然防止に向けた体制整備を行うとともに、研修の実施等により全社的なコンプライアンス意識の向上に努めております。
○ 役員・従業員の不正・不祥事に伴うリスク
近年、人口減少や異業種参入等に伴う競争激化、営業現場のプレッシャー増加やガバナンス不全など理由は様々考えられますが、各種ハラスメント、不正会計(粉飾決算)、お客さま預金の着服、融資審査書類の偽造への関与、会社の資金使い込み・会社の私物化、取引業者等からの不適切な金銭受領、商品の不適切販売等、企業の役職員の不祥事等が報じられることが増えております。
役員・従業員の不正・不祥事が生じた場合には、お客さまへの補償や当社の信用失墜等により、当グループの業務運営、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは『りそなSTANDARD』という行動指針を定め、役職員に周知・徹底することで企業倫理の向上に努めるとともに、不正・不祥事の発生状況を定期的に把握し、リスクの所在及び原因・性質を総合的に分析することにより、その結果を再発防止策ならびにリスク軽減策の策定に活用しております。
○ マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策上の不備に係るリスク
マネー・ローンダリング・テロ資金供与の脅威や、国内法や海外規制などの枠組みは常に変化しており、各グループ銀行及び関連会社において管理態勢が不十分となった場合、更なる対策強化に伴う想定外のコストの発生、コルレス契約の解除による海外送金業務等の一部停止、制裁的課徴金の発生、当グループの風評悪化等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、公共性の高い金融機関として公平・公正な社会の維持に寄与するため、マネー・ローンダリング・テロ資金供与防止対策の強化を行い、安心して商品・サービスをご利用いただけるよう努めております。
○ 情報漏えいに関するリスク
当グループは、お客さまの情報をはじめとした膨大な情報を取り扱っております。
しかしながら、人為的ミス、内部不正、外部犯罪等によりお客さまの情報等の重要な情報が漏えいした場合は、被害を受けたお客さまへの補償等が必要となったり、当グループの信用が低下・失墜することにより、業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的にセキュリティ対策のためのコストが増加する可能性があります。
当グループは、情報管理に関する方針・規程等の策定、社員教育、システムセキュリティ対策等を行い、情報漏えいの防止に努めております。
○ 個人情報の保護、利活用等に関するリスク
当グループは、お客さまからお預かりしている情報について適切な保護を図り、安心してお取引いただけるよう努めております。
法令違反等、個人情報の不適切な利活用を行った場合は、当グループの信用が低下・失墜することにより、業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
個人情報の利活用に関しては、個人情報保護法等の法令遵守に努め、法令等で認められている場合を除き、当社が公表している利用目的の範囲でのみ取扱うとともに、その利活用が個人情報の提供者に対し不利益とならぬ様に慎重に行うことに加え、社会通念や道徳的な見地から適切であるかを十分検討することとしております。
当グループは、多くの店舗・システムセンター等の施設において業務を行っておりますが、これらの施設は、地震、風水害等の自然災害、停電、テロ等による被害を受け、業務が停止する可能性があります。また、各種感染症の流行により、当グループの業務を一部縮小したり、停止せざるを得なくなるなど業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、不測の事態に備えた業務継続に係るマニュアルを整備するとともに、マニュアルに基づき訓練等を実施しております。
○ 気候変動が及ぼす財務影響
気候変動による財務影響は、最大の資産である貸出金にあらわれる可能性が高く、お客さまの機会とリスクが、貸出金を通じて当グループの機会とリスクにつながっていると認識しております。
複数の気候変動シナリオに基づく定性的な評価により、「移行リスク」については短期から中期、「物理的リスク」については長期(※1)において影響を受ける可能性を認識しております。
当グループの貸出金は、大部分を個人と中小企業のお客さま向けで占める構成となっております。リスクが分散されている一方、気候変動対応の重要性を数多くのお客さまにお伝えしていくことが重要となってまいります。
当グループは地球温暖化・気候変動への対応を、優先的に取り組むべき重点課題(マテリアリティ)に設定し、「2030年SDGs達成に向けたコミットメント」において、社会全体の環境負荷低減に積極的に取り組み、低炭素・循環型社会の実現を目指すことを宣言しております。
より多くのお客さまに気候変動対応の重要性を知っていただき、お取り組みを支援していくための指標・目標を、年度ごとにアクションプランとして設定し、お客さまとともにリスクを低減し、機会を拡大する取り組みを行っております。
なお当グループでは、環境に重大な負の影響を及ぼすおそれのあるプロジェクトや石炭火力発電事業への新規融資は、災害時対応などの真にやむを得ない場合を除き、行わないことを表明しております(※2)。
(※1)短期:5年程度、中期:15年程度、長期:35年程度
(※2)『融資業務における基本的な取組姿勢』
○ 資産・事業承継ビジネス、資産形成サポートビジネス
・信託業務に係る受託者責任リスク
当グループがお客さまに提供する多様なソリューションの中には、年金運用で培った資産運用力や資産運用会社を傘下に抱える強みを活かした投資信託やファンドラップといったお客さまの資産形成をサポートする商品・サービスや、遺言信託や資産承継信託、自社株承継信託といったお客さまの円滑な資産・事業承継をサポートする商品・サービスがあります。これらのうち、信託業務の受託において、受託者として果たすべき忠実義務・善管注意義務等の責任の履行を怠ったことにより、現在及び将来においてその責任を問われる可能性や、委託者の信頼を失い、現在受託している、或いは今後受託を予定していた取引を失う可能性があります。
このようなことがない様、信託業務に関する高い専門性を持つ人財の確保・育成とともに、コンプライアンス意識の向上に努めております。
○ 個人向けローンビジネス
・一部の不動産関連業者等による法令違反行為・不正行為
昨今、住宅やアパート・マンション等の不動産取得にかかるローンの申し込み手続きに関連して、金融機関へのお客さま紹介を行う一部の不動産関連業者等による、コンプライアンス意識の欠如などを背景とした、次のような法令違反行為・不正行為が取り沙汰されております。
収入証明書(例:源泉徴収票、課税証明書など)の偽造・改ざん
預金残高の水増し・改ざん
他人の預金通帳の流用
不動産の売買金額を水増しするなど、売買契約書の偽造・改ざん
不動産投資目的の借入を住宅ローンとして虚偽申込
当グループでは、お客さまが法令違反行為・不正行為に巻き込まれることを防ぐため、更には、法令違反行為・不正行為による住宅ローンのリスク削減のため、このような行為に対して、法的措置を含めた厳格な対応を実施しております。
○ 決済ビジネス
・加盟店向けサービス提供におけるリスク
当社の銀行子会社であるりそな銀行、埼玉りそな銀行は、「りそなキャッシュレス・プラットフォーム」において、クレジットカード、電子マネー、QR決済等の主要な決済方法に1台で対応可能な決済端末の提供等を通じ、「決済」をトータルにサポートする加盟店向けのサービスを提供しております。
かかるサービス提供にあたっては、2018年6月1日に施行された「割賦販売法の一部を改正する法律」(改正割賦販売法)に基づく登録事業者として、悪質加盟店の是正・排除に加え、クレジットカード番号等の適切な管理、不正使用の防止について、加盟店を調査し必要な措置を行うことが義務付けられておりますが、このような義務を履行できていなかった場合、行政処分等を受ける可能性があります。
また、実際に加盟店における利用者等の保護に欠ける行為、クレジットカード番号等の漏えい、クレジットカードの不正使用等が発生した場合には、ネガティブな報道等により当グループのレピュテーショナルリスクが顕在化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、加盟店契約時の厳正な審査体制、加盟店調査・管理に関する社内管理体制について整備するとともに、役員及び従業員に周知徹底することで、リスクの低減に努めております。
関西みらいフィナンシャルグループの株式会社関西アーバン銀行と株式会社近畿大阪銀行は、2019年4月1日に合併し、株式会社関西みらい銀行として新たな一歩を踏み出し、2019年10月15日に事務システム統合を完了しました。
しかしながら、当グループにおける業務面での協調体制の強化や経営資源の相互活用が奏功せずシナジー効果が十分に発揮できない場合や、合併・統合に伴う経営インフラの整備・統合・再編等により想定外の追加費用が発生した場合など、当初期待した統合効果が十分に発揮できないことにより、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
統合効果発揮のため、引続き関西みらいフィナンシャルグループでの信託・不動産機能の活用、オムニ戦略・差別化商品の展開、及びグループ情報ネットワークの活用等を進めていくとともに、グループベースで人的資源やチャネルの最適化に取り組んでまいります。
当グループは、銀行業務を中心とした様々な業務の外部委託(外部委託先が再委託を行っている場合や外部委託先がサービスの提供を受けている場合を含みます)を行っております。
委託先(再委託先やサービスの提供を行っている先を含みます)が、システム障害の発生やサイバー攻撃を受けた場合等、委託業務遂行に支障をきたしたり、お客さまの情報等の重要な情報を漏えいした場合等には、当グループの業務運営にも支障をきたす可能性がある他、被害を受けたお客さまへの補償等が必要となったり、当グループの信用が低下・失墜することにより、業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループはこれらの悪影響を未然に防止するため、業務の外部委託を行うに際しては、業務委託を行うことの妥当性検証、委託先の適格性検証、委託先における情報管理体制の確認・検証、委託期間中の継続的な委託先管理、問題発生時の対応策策定等、体制整備に努めております。
前述のマネー・ローンダリングやテロ資金供与に加え、振り込め詐欺等の特殊詐欺、不正利用口座開設、盗難通帳や偽造・盗難カードでの支払い、クレジットカードやインターネットバンキング、各種スマホアプリにおけるID・パスワード等の盗難、なりすまし等の金融犯罪は、近年、ますます巧妙化・複雑化しております。
想定の範囲を超える大規模な金融犯罪が発生した場合は、その対策に伴うコストや被害を受けたお客さまへの補償等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、本人確認や取引時確認の強化等により、マネー・ローンダリングやテロ資金供与の防止、不正利用口座開設防止、盗難通帳での支払防止等に取り組んでまいりました。
偽造・盗難カード、インターネットバンキングサービス、りそなグループの各種アプリについては、セキュリティ対策強化等により、お客さまの大切な財産をお守りするよう努めております。
振り込め詐欺等に対しては、店頭・ATMコーナーでのお声かけやポスター、ウェブサイト、ATMの画面や音声等を通じたお客さまへの注意喚起を強化するとともに、警察と連携し、被害防止に取り組んでおります。また、反社会的勢力との取引に対しては、取引遮断に向けた取組みを推進しております。
当グループは、預金・為替・貸出・信託・証券等の幅広い業務を行っております。これらの業務は、役員及び従業員が正確な事務を怠る、あるいは事故等を起こすこと等の事務リスクに晒されております。
事務リスクを防止するために、業務プロセスや事務処理に関して、手続きの見直し・集中処理化・システム化を推進するとともに、教育・研修を継続的に行っております。
更に、事務過誤の発生状況を定期的に把握し、事務リスクの所在及び原因・性質を総合的に分析することにより、その結果を再発防止策ならびにリスク軽減策の策定に活用しております。
レピュテーショナルリスクは、マスコミ報道、評判・風評、風説などを契機に顕在化し、各種リスクとの連鎖性を有しております。顕在化した場合には、信用の失墜、株価の下落、取引先の減少、ブランドの毀損等、予想を超えた不利益を被る可能性があり、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、レピュテーショナルリスクを経営上の重要なリスクの一つと位置付け、適時適切な情報開示等により信頼の維持・向上を図り、リスク顕在化の未然防止に努めております。具体的には、インターネット上の風説やマスコミによる憶測記事等、各種媒体等の確認を通じてリスク顕在化事象の早期把握に努めております。また、当グループ各社ならびに従業員のソーシャルメディア利用によるレピュテーショナルリスク発現の未然防止のため、「ソーシャルメディアポリシー」を制定しております。
過去または今後の事業活動に関して当グループ各社に対し多額の損害賠償請求訴訟等を提起された場合など、その訴訟の帰趨によっては当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めております。
なお、現在、当グループには大口の損失や業務の制限等に繋がりかねない重要な訴訟はありません。
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
当連結会計年度の日本経済は、海外経済の減速や米中貿易摩擦の影響もあり外需の弱さが続くなか、下半期にかけては台風災害や消費増税の影響で内需も弱含みとなりました。年度末にかけては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うインバウンド需要の減少や外出自粛の動きによる消費の低迷が日本経済の更なる下押し要因となりました。消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比は0%台の推移が続きました。
海外経済は、中国経済の減速や世界的に製造業が弱含む中で、年後半にかけて弱さがみられました。米中貿易摩擦が緩和すると持ち直しに転じましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症が世界的に広がる中で、各国で都市封鎖等の措置が講じられ、経済環境は急速に悪化しました。米国では雇用調整が急速に進むとともに失業率が上昇し、また欧州でも景況感の悪化が鮮明となりました。
金融市場では、米中通商協議の合意や世界経済持ち直しへの期待が広がるとリスク選好の動きが強まりましたが、2月以降は新型コロナウイルス感染症の影響が顕著となり、年度末にかけて、リスク回避の動きとともに市場のボラティリティが急速に高まりました。株式市場では、日経平均株価が12月に一時24,000円台を回復し、米国株は連日の史上最高値更新が続きNYダウが30,000ドルに迫りましたが、年度末にかけては大幅に下落し、一時は日経平均が16,000円台、NYダウが18,000ドル台をつける場面もありました。米国長期金利は、FRB(米連邦準備制度理事会)が2008年以来の利下げに踏み切るなかで低下基調を辿り、年度末にかけ利下げの思惑が一段と高まると、一時0.3%台まで金利低下が進みました。FRBは年度で計2.25%の利下げを実施し、実質的なゼロ金利政策に踏み切りました。日本長期金利は、追加金融緩和の思惑から8月には△0.3%に迫りましたが、緩和観測後退とともに金利は上昇し、年度末には米金利に連れて上下したものの0%近辺での動きとなりました。ドル円は総じて狭いレンジ内の推移が続いたものの、年度末にかけてはボラティリティが急速に高まり101~112円台で乱高下しました。
(業績)
当連結会計年度の業務粗利益は6,586億円と前連結会計年度比145億円増加しました。このうち、資金利益については有価証券利息配当金は増加しましたが、国内の預貸金利益が預貸金利回り差の低下等により減少し、前連結会計年度比47億円減少の4,311億円となりました。役務取引等利益については住宅ローンに係るフィー収益や決済関連業務に係るフィー収益は増加しましたが、投資信託や保険等の金融商品販売に係るフィー収益の減少等により前連結会計年度比34億円減少し1,711億円となりました。一方、その他業務利益は、債券関係損益(先物込)が増加したこと等により前連結会計年度比242億円増加し325億円となりました。経費は人件費、物件費ともに減少して、前連結会計年度比34億円減少の4,171億円となりました。これらにより実質業務純益は、2,419億円と前連結会計年度比163億円増加しました。臨時損益は、株式等関係損益(先物込)は前連結会計年度比22億円増加し93億円の利益となりましたが、与信費用は一定の債権に対する追加引当を実施したことや前連結会計年度に計上した大口の戻入益の剥落等により前連結会計年度比216億円増加し229億円となりました。また、前連結会計年度に計上した株式会社関西みらいフィナンシャルグループ統合に伴う負ののれん発生益等の剥落などにより特別利益が減少し、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比227億円減少して1,524億円となりました。
なお、1株当たり親会社株主に帰属する当期純利益は66円27銭となっております。
当社(単体)の経営成績については、営業収益はグループ銀行からの受取配当金の増加等により、前事業年度比27億円増加して1,069億円、経常利益は前事業年度比34億円増加して1,002億円となりました。一方、当社の保有する株式会社関西みらいフィナンシャルグループの株式につき関係会社株式評価損908億円を特別損失として計上したこと等により当期純利益は前事業年度比876億円減少して105億円となりました。
財政状態については、連結総資産は前連結会計年度末比1兆4,023億円増加して60兆5,124億円となりました。貸出金は住宅ローンや中小企業向けが伸び、前連結会計年度末比5,110億円増加して36兆6,455億円に、現金預け金は前連結会計年度末比4,809億円増加して15兆3,295億円に、有価証券は株式は減少しましたが債券等が増加して、前連結会計年度末比1,677億円増加の5兆5,556億円となりました。負債の部では、預金が個人向け法人向けともに伸び、前連結会計年度末比1兆8,013億円増加して52兆9,099億円となりましたが、譲渡性預金が前連結会計年度末比2,525億円減少して9,428億円となりました。純資産の部は前連結会計年度末比396億円減少して2兆3,165億円となりました。
また、信託財産は前連結会計年度末比5,977億円増加して28兆4,506億円となりました。
なお、1株当たり純資産は、904円60銭となっております。
連結自己資本比率(国内基準)は11.17%となりました。
セグメントごとの業績は、以下のとおりとなりました。
個人部門は、対面営業の制約や市場の不透明感から投資信託や保険等の金融商品販売に係る役務取引等利益が減少したこと等により業務粗利益が前連結会計年度比98億円減少し1,961億円となり、また与信費用が増加となったこと等により、与信費用控除後業務純益は123億円減少し418億円となりました。
法人部門は、業務粗利益が前連結会計年度比36億円減少し2,595億円となり、私募債業務や決済関連業務等に係る役務取引等利益は好調だったものの与信費用が増加となったこと等により、与信費用控除後業務純益は211億円減少し987億円となりました。
市場部門は、前連結会計年度のポートフォリオ健全化の反動やタイミングを捉えた売買益の積み上げ等により、業務粗利益が前連結会計年度比350億円増加し622億円に、与信費用控除後業務純益は343億円増加し530億円となりました。
「関西みらいフィナンシャルグループ」は、業務粗利益が前連結会計年度比39億円減少して1,424億円、与信費用控除後業務純益が前連結会計年度比23億円減少して226億円となっております。
連結キャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローは、9,745億円の収入となりました。これは主に預金が大きく増加した一方で、貸出金やコールローンも増加したこと等によるものです。前連結会計年度比では6,501億円の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、2,788億円の支出となりました。これは主として有価証券の取得による支出が、有価証券の売却及び償還による収入を上回ったこと等によるものです。前連結会計年度比では5,224億円の支出の増加となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、1,677億円の支出となりました。これは主として社債の償還、配当金の支払及び自己株式の取得等によるものです。前連結会計年度比では1,140億円の支出の増加となりました。これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首残高に比べ5,279億円増加して15兆2,354億円となりました。
当グループの中核事業は銀行業であり、主に首都圏や関西圏のお客さまから預入れいただいた預金を貸出金や有価証券で運用しております。
なお、当面の店舗・システム等への設備投資、並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
(参考)
当連結会計年度の資金運用収支は、国内では主に有価証券の利息が増加したものの、貸出金の利息が減少したこと等により前連結会計年度比51億円減少して4,274億円となりました。海外では主に貸出金利息等が増加しましたが、預金等の資金調達費用が増加して前連結会計年度比ほぼ横ばいの35億円となりました。合計(相殺消去後)では47億円減少して4,311億円となりました。
また、役務取引等収支及びその他業務収支は国内がその大宗を占めておりそれぞれ、合計では前連結会計年度比34億円減少し1,711億円、同242億円増加し325億円となりました。国内の役務取引等収支の減少は、主に預金・貸出金業務、代理業務に係る役務収益が減少したことによるものです。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
3 資金調達費用は、金銭の信託運用見合額の利息を控除しております。
当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は、貸出金を中心に51兆5,920億円(相殺消去前)となりました。
このうち国内は51兆4,576億円、海外は1,344億円となりました。
資金調達勘定平均残高は、預金を中心に55兆7,059億円(相殺消去前)となりました。
このうち国内は55兆5,904億円、海外は1,155億円となりました。
国内の貸出金平均残高は前連結会計年度比増加しましたが、利息額は貸出金利回りが低下して前連結会計年度比減少しました。
資金運用勘定の利回りは、国内は前連結会計年度比0.01ポイント減少して0.91%、海外は前連結会計年度比0.51ポイント増加して6.30%、合計では前連結会計年度比0.01ポイント減少して0.92%となりました。
資金調達勘定の利回りは、国内は前連結会計年度比0.01ポイント減少して0.07%、海外は前連結会計年度比1.07ポイント増加して4.22%、合計では前連結会計年度比ほぼ横ばいの0.08%となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の国内連結子会社については、月末毎又は
半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除
しております。
(注) 1 「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の海外連結子会社については、月末毎又は半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除しております。
(注) 1 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除しております。
2 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
当連結会計年度の役務取引等収益合計は前連結会計年度比51億円減少して2,393億円、役務取引等費用合計は前連結会計年度比17億円減少して681億円となり、役務取引等収支合計では前連結会計年度比34億円減少して1,711億円となりました。
なお、国内が役務取引等収支の大宗を占めております。
国内の役務取引等収益の主な増減要因は、信託関連業務に係る役務収益が前連結会計年度比28億円増加した一方、預金・貸出金業務に係る役務収益が前連結会計年度比13億円減少したこと、代理業務に係る役務収益が前連結会計年度比51億円減少したこと等です。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
当連結会計年度の特定取引収益は52億円、特定取引費用は4億円となり、すべて国内で計上しております。
主な内訳は、特定金融派生商品収益が前連結会計年度比3億円減少して51億円となりました。当連結会計年度に商品有価証券費用が2億円、特定取引有価証券費用が2億円発生しました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
当連結会計年度末の特定取引資産は前連結会計年度末比1,293億円増加して4,573億円、特定取引負債は前連結会計年度末比336億円減少して872億円となり、すべて国内で計上しております。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
定期性預金=定期預金+定期積金
2 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
3 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
(注1) 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
(注2) 連結子会社である株式会社関西みらい銀行の2010年3月1日の合併により発生した貸出金に係る時価変動額は控除しております。
(注) 「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、地方公共団体、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国に所在する外国政府等の債権残高を掲げております。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
3 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、株式会社りそな銀行1社です。
(注) 1 上記残高表には、金銭評価の困難な信託を除いております。
2 共同信託他社管理財産
(注) 1 信託財産の運用のため再信託された信託を含みます。
2 リスク管理債権の状況
資産の査定は、貸出金等の各勘定について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては粗利益配分手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
(単位:億円、%)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社としての業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(概要)
・当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比227億円減少し1,524億円となりました。前連結会計年度に計上した株式会社関西みらいフィナンシャルグループの統合に係る統合一時利益(398億円)を除くと171億円の増加となります。通期目標(1,600億円)に対する達成率は95.2%になりました。
業務粗利益は6,586億円と前連結会計年度比145億円増加しました。このうち国内の預貸金利益は減少しましたが、貸出金平残はお客さまのニーズに応えるかたちで前連結会計年度比増加いたしました。預貸金利回り差は0.04%の低下となっておりますが、マイナス金利政策導入に伴う市場金利の低下が落ち着いてきたことなどにより低下幅は改善傾向にあり、ほぼ計画どおりの推移となりました。役務取引等利益と信託報酬を合算した連結フィー収益は1,902億円と前連結会計年度比35億円減少し、連結フィー収益比率は28.8%となりました。投資信託・保険販売等の金融商品販売に係る手数料が減速する一方で、ファンドラップ、決済関連等に係る手数料が堅調に推移し、投資信託・保険販売手数料を除いたストックでのフィー収益は前連結会計年度比1.2%増加しました。2021年3月期については新中期経営計画で注力するビジネスとした決済・承継関連の伸長を企図し、連結フィー収益比率30%程度を目指します。債券関係損益(先物込)は前連結会計年度比191億円増加の113億円となりました。前連結会計年度の有価証券ポートフォリオの健全化の反動増に加え、金利低下局面を捉えて確実に売買益を積み上げることができました。経費は引き続きローコストオペレーションに取り組み、前連結会計年度比34億円改善しました。与信費用は前連結会計年度に計上した大口の戻入益の反動減に加え、アパマンポートへの予防的な引当を実施したこと等により前連結会計年度比216億円増加の229億円となりました。
以上により、今連結会計年度の業績は、冒頭記載のとおりとなっております。
[重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定]
当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。上述の与信費用の計上にあたり、重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定は以下のとおりです。
銀行業を営む連結子会社の貸倒引当金は、予め定めている償却・引当基準に則り次のとおり計上しております。
破産、特別清算等、法的に経営破綻の事実が発生している債務者(破綻先)に係る債権及びそれと同等の状況にある債務者(実質破綻先)に係る債権については、帳簿価額から担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額を計上しております。また、現在は経営破綻の状況にないが、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者(破綻懸念先)及び今後の管理に注意を要する債務者(要管理先)で与信額が一定額以上の大口債務者のうち、債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権については、「キャッシュ・フロー見積法」により計上しております。
上記以外の債権については、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額を見込んで計上しております。なお、当連結会計年度におきましては、一部の連結子会社の一定の債権について、融資対象物件の施工状況の不備等に応じて貸倒引当金を追加的に計上しております。
このように、会計上の見積り及び見積りに用いた仮定には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。このため、予測不能な前提条件の変化等により、貸倒引当金が増額又は減額する可能性があり、これにより当社の経営成績に影響を与えることがあります。
また、「第5経理の状況 1連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4会計方針に関する事項 (6)貸倒引当金の計上基準」もご参照ください。
・財政状態については、連結総資産は前連結会計年度末比1兆4,023億円増加して60兆5,124億円となりました。貸出金は住宅ローンや中小企業向けが伸び、前連結会計年度末比5,110億円増加して36兆6,455億円に、現金預け金は前連結会計年度末比4,809億円増加して15兆3,295億円に、有価証券は株式は減少しましたが債券等が増加して、前連結会計年度末比1,677億円増加の5兆5,556億円となりました。負債の部では、預金が個人向け法人向けともに伸び、前連結会計年度末比1兆8,013億円増加して52兆9,099億円となりましたが、譲渡性預金が前連結会計年度末比2,525億円減少して9,428億円となりました。純資産の部は前連結会計年度末比396億円減少して2兆3,165億円となりました。
また、信託財産は前連結会計年度末比5,977億円増加して28兆4,506億円となりました。
(目標とする経営指標の達成状況)
なお、当グループが当連結会計年度までの中期計画で目標とする主な経営指標の実績は以下の表のとおりとなりました。
(注) 親会社株主に帰属する当期純利益÷株主資本、期首・期末平均
[前連結会計年度との比較]
連結フィー収益比率は前連結会計年度比1.2ポイント減少し28.8%、連結経費率は前連結会計年度比1.9ポイント減少し63.3%、株主資本ROEは前連結会計年度比1.93%ポイント減少し8.91%となりました。また、普通株式等Tier1比率(その他有価証券評価差額金除き)は前連結会計年度比1.24ポイント増加し10.54%となりました。
[前中期経営計画目標値との比較]
当連結会計年度までの中期経営計画の目標対比では、金融機関を取り巻く厳しい外部環境の下、損益に係る経営指標は未達となりましたが、市場金利の低下に伴う預貸金利回り差による資金利益の減少を、フィー収益の増強や経費の削減で一部補完しており、収益・コスト構造改革は一定の進展がみられたものと評価しております。
[今後の見通し]
2020年度におきましては、新型コロナウィルス感染拡大防止のため営業活動に一定の足枷もありますが、ITの活用等の創意工夫により例年以上に収益目標達成に力を入れて取り組んでまいります。また、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けているお客さまへのきめ細かい支援により与信費用をコントロールしていくとともに、ポストコロナのリカバリー局面での中長期的なビジネス機会の捕捉も図ってまいります。
(株主還元方針)
株主還元については、還元拡充を着実に実現してまいりました。2019年度においては、普通株式1株当たり21円(中間配当10.5円及び期末配当10.5円)の配当を継続致しました。また、株主還元の充実、資本効率の向上および機動的な資本政策の遂行を可能とするため、総額約100億円の自己株式の取得を行いました。これは、公的資金の返済に関わるものを除けば、りそな発足以来初となります。
2020年度における普通株式に対する年間配当は、普通株式1株当たり21円(中間配当10.5円及び期末配当10.5円)とする方針です。
今後も中期経営計画の株主還元方針に基づき、安定配当を継続するとともに、健全性・収益性とのバランスや成長投資の機会を考慮しつつ、株主還元の拡充に取り組んでまいります。具体的には、総還元性向の水準として、中期的に40%台半ばを目指してまいります。
1 経営成績の分析
(注)金額が損失又は減益の項目には△を付しております。
(1) 業務粗利益
・業務粗利益は6,586億円と前連結会計年度比145億円増加しました。
・資金利益は、有価証券利息は増加しましたが、国内預貸金利益が減少して前連結会計年度比47億円減少の4,311億円となりました。
・信託報酬は、前連結会計年度比1億円減少の190億円となりました。役務取引等利益は、住宅ローン関連業務や決済関連業務に係るフィー収益は増加しましたが、投資信託や保険などの金融商品販売に係るフィー収益が減少し、前連結会計年度比34億円減少の1,711億円となりました。信託報酬と役務取引等利益を合わせた連結フィー収益比率は28.8%となりました。
(2) 経費(除く銀行臨時処理分)
・経費(除く銀行臨時処理分)は4,171億円と引き続きローコストオペレーションに取り組み前連結会計年度比34億円減少しました。
(3) 株式等関係損益
・株式等関係損益は、前連結会計年度比96億円減少し、5億円の利益になりました。
・政策保有株式については、中長期的な取引展望の実現可能性やリスク・リターンを検証しつつ判断しております。当連結会計年度の削減額(上場株式・取得原価ベース)は169億円、売却益は222億円となっております。2023年3月期までにさらに300億円の圧縮を計画しています。
(4) 与信費用
・与信費用は、前連結会計年度に計上した大口の戻り益の反動やアパマンポートへの予防的な引当を実施したこと等により、前連結会計年度比216億円増加の229億円となりました。
・また、グループ銀行合算の当事業年度末における開示債権額は、前事業年度末比86億円減少の4,335億円、不良債権比率は前事業年度末比0.03ポイント減少の1.14%と引き続き低水準で推移しました。
(注) 1 株式会社りそな銀行、株式会社埼玉りそな銀行、株式会社関西みらい銀行、株式会社みなと銀行の単体計数の単純合計を表示しております。
2 不良債権比率=A/(A+B)
2 財政状態の分析
(1) 貸出金
・貸出金残高(連結)は、お客様のニーズに確りと応える形で中小企業向けや住宅ローンが伸び、前連結会計年度末比5,110億円増加し、36兆6,455億円となりました。
・業種別の内訳をみますと、製造業が3兆706億円、卸売業,小売業が2兆8,814億円、不動産業が9兆4,383億円などとなっております。
(注)株式会社りそな銀行、株式会社埼玉りそな銀行、株式会社関西みらい銀行、株式会社みなと銀行の単体計数(元本補塡契約のある信託勘定を含む)の単純合計を表示しております。
(2) 有価証券
・有価証券は、株式は減少しましたが、地方債を中心に債券が増加し前連結会計年度末比1,677億円増加して、5兆5,556億円となりました。
・なお、その他有価証券の評価差額(時価のあるもの)は、株式を中心に前連結会計年度末比1,675億円減少し、4,097億円となっております。
(注) 連結貸借対照表の「有価証券」のほか、「現金預け金」中の譲渡性預け金、「買入金銭債権」中の信託受益権を含めて記載しております。
(3) 繰延税金資産
・繰延税金資産の純額は、前連結会計年度末比285億円増加して297億円となりました。
・資産では主に税務上の繰越欠損金相当分等が減少しました。負債ではその他有価証券評価差額金相当分が減少しました。
・なお、当社を連結納税親法人とした連結納税を前提に計算しております。
(4) 預金
・預金は、国内個人預金、法人預金ともに増加し、前連結会計年度末比1兆8,013億円増加して52兆9,099億円となりました。
・譲渡性預金は、前連結会計年度末比2,525億円減少して9,428億円となりました。
(注) 株式会社りそな銀行、株式会社埼玉りそな銀行、株式会社関西みらい銀行、株式会社みなと銀行の単体計数の単純合計を表示しており、特別国際金融取引勘定を除いております。
(5) 純資産の部
・純資産の部合計は、利益の積み上げはありましたが、一方で期末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響により株式市況は軟化しその他有価証券評価差額金が減少し、前連結会計年度末比396億円減少の2兆3,165億円となりました。
3 キャッシュ・フローの状況の分析
・営業活動によるキャッシュ・フローは、9,745億円の収入となりました。これは主に預金が大きく増加した一方で、貸出金やコールローンも増加したこと等によるものです。前連結会計年度比では6,501億円の増加となりました。
・投資活動によるキャッシュ・フローは、2,788億円の支出となりました。これは主として有価証券の取得による支出が有価証券の売却及び償還による収入を上回ったことによるものです。前連結会計年度比では5,224億円の支出の増加となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フローは、1,677億円の支出となりました。これは主として社債の償還、配当金の支払及び自己株式の取得等によるものです。前連結会計年度比では、1,140億円の支出の増加となりました。
・これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は当期首に比べ5,279億円増加して15兆2,354億円となりました。
・当グループの中核事業は銀行業であり、主に首都圏や関西圏のお客さまから預入れいただいた預金を貸出金や有価証券で運用しております。
・なお、当面の店舗・システム等への設備投資、並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。