当グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、記載事項のうち将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 経営方針
当グループは、以下の理念体系の下、「お客さまの喜びがりそなの喜び」という基本姿勢を貫きながら、お客さま・地域社会からもっとも支持され、ともに未来へ歩み続ける「リテールNo.1」のソリューショングループを目指し、社会価値・企業価値の最大化に努めてまいります。

<りそなグループパーパス>
<りそなグループ経営理念>
<長期ビジョン>
(2) 経営環境
当グループは、2003年の預金保険法に基づく公的資金の注入とりそな改革のスタートから20年を迎えました。国民の皆さまからお預かりした3兆円を超える公的資金を2015年に完済するとともに、りそなのDNAである「変革」に挑戦しつつ、お客さま・地域社会の信頼に応え、ともに成長する、という経営の軸をぶらすことなく、今日まで取り組んでまいりました。一方で世の中は、サステナビリティ・トランスフォーメーション(以下、SX)、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)といった潮流等の歴史的な構造転換期にあり、お客さま・地域社会のこまりごとは一層多様化・高度化していくことが予想されます。
当グループとしては、社会・環境がいかに変わろうとも、「お客さまの喜びがりそなの喜び」という基本姿勢を貫き、これまで以上に社会に貢献することで、全てのステークホルダーとともに成長していきたいと考えております。
(3) 中期的な経営戦略及び優先的な対処すべき課題
①前中期経営計画の振り返り
前中期経営計画では、お客さまのこまりごと・社会課題を起点に、従来の銀行の常識や枠組みにとらわれることなく、新しい発想、幅広いつながりが育む様々な「共鳴」を通じて、お客さまに新たな価値を提供するという「レゾナンス・モデルの確立」を基本方針とし、既存領域の"差別化"を図る「深掘」、"脱・銀行"に向けた新たな創造への「挑戦」、これらを支える「基盤の再構築」に取り組んでまいりました。想定を超える厳しい外部環境のもと、「深掘」「挑戦」「基盤の再構築」を通じた収益コスト構造改革は、注力領域の収益力向上によるコア収益の反転、金融デジタルプラットフォームをはじめとした次なる成長の種まきの進捗など一定の成果を示したものと認識しております。一方で、世の中が歴史的な転換点を迎えるなか、これまで以上に社会に貢献していくためには、収益・コスト構造改革のさらなる加速が必要であると考えております。

②経営の方向性
りそな改革のスタートから20年の時を経て、これまでの歩みを忘れることなく次世代に繋ぎながら、「リテールNo.1」実現に向けた新たな挑戦への一歩を踏み出してまいります。その針路をより明確にするため、今般、当グループでは、創業以来、経営の根底に流れる想いを「パーパス」・「長期ビジョン」として制定するとともに、2030年度をターゲットとする「サステナビリティ長期指標」を設定いたしました。
また、長期的な戦略の方向性を「これまでのビジネス構造・経営基盤を変革するコーポレートトランスフォーメーション(以下、CX)」とし、そこからのバックキャストによって、2023年5月に、2023年度から2025年度を計画期間とする新たな中期経営計画(以下、本計画)を策定いたしました。
「リテールNo.1実現への加速に向けてCXに取り組む最初の1,000日」と位置づける本計画では、SX・DXの潮流等を見据えた「変化への適応」及び「収益・コスト構造改革のさらなる加速」を図るべく、「価値創造力の強化」「経営基盤の次世代化」に取り組んでまいります。
③長期的に目指す姿
・りそな改革のスタートから20年の節目に、今日まで築き上げたりそなのDNAである「変革への挑戦」を次世代に繋ぎながら、「リテールNo.1」実現に向けて加速します。
・一方で、SXやDXの潮流等の歴史的な構造転換期において、お客さま・地域社会のこまりごとは一層多様化・高度化していくことが予想されます。また、当グループの特性である「リテール」や「地域に根差した4つの銀行を中心としたマルチリージョナル体制」は、地域密着型のきめ細やかなビジネス展開を可能とする反面、高コスト性を内包しており、収益・コストにおいて構造的なミスマッチが生じております。
・これらの課題を克服し、「お客さまの喜びがりそなの喜び」という基本姿勢を貫きながら、これまで以上に社会に貢献していくためには、当グループ自らが、「これまでのビジネス構造・経営基盤を変革するCX」に踏み出さなければならないと認識しております。
・CXに向けて、多様化・高度化するお客さま・地域社会のこまりごとに応えるための「価値創造力の強化」と、自らが変化に適応しながら、多様な価値創造・提供を可能にする「経営基盤の次世代化」に取り組みます。
・これらの長期的な取組みを通じて、持続的な社会価値・企業価値の向上及び「リテールNo.1」実現を目指します。

④中期経営計画
a. 計画期間
・2023年度~2025年度(2024年3月期~2026年3月期)
b. 本計画の位置づけ・ポイント
・本計画を「リテールNo.1実現への加速に向けてCXに取り組む最初の1,000日」と位置付けます。
・本計画では、SX・DXの潮流等を見据えた「変化への適応」及び「収益・コスト構造改革のさらなる加速」を図ります。
・これらの実現に向け、リテール特化の歴史の中で培ったグループの強みを活かしたビジネスの深掘と新たな価値の創造への挑戦を通じた「価値創造力の強化」、グループ連結運営のさらなる強化と一体的な基盤改革を通じた「経営基盤の次世代化」に取り組んでまいります。

c. 経営指標
・本計画の最終年度における主な経営指標は以下のとおりです。

〔2025年度前提条件:無担保コールO/N △0.05%、10年国債 0.40%、日経平均株価 28,000円〕
※1. 国内預貸金利益+円債利息等(円債利息・金利スワップ収益)+フィー収益+経費
※2. 親会社株主に帰属する当期純利益÷株主資本(期首・期末平均)
※3. 国際統一基準・バーゼル3最終化ベース(完全実施基準)、その他有価証券評価差額金除き
※4. FTSE Blossom Japan Index、FTSE Blossom Japan Sector Relative Index、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数、MSCI日本株女性活躍指数、Morningstar Japan ex-REIT Gender Diversity Tilt Index
d. 価値創造力の強化
〇深掘・挑戦
・以下の表に記載のとおり、事業・資産循環、社会構造転換の促進に向けて、前中期経営計画から進めてきた注力ビジネスへの人的資源投入、投資、資本活用を引き続き強化してまいります。
・具体的には、中小企業向け貸出、承継等におけるコンサルティングの質・量の拡充、ファイナンス力の一層の強化を図ります。
・オールりそなで、「お客さま基盤」「機能」等、グループの潜在力の最大限発揮に取り組みます。
・キャッシュレス・DX、資産形成サポート等における、テクノロジー・データの利活用を通じた、より広く価値を届ける「仕組み」の拡大を図ります。
〇共創・拡大
・インオーガニック投資や、地域金融機関・異業種等との共創基盤である金融デジタルプラットフォームを通じて戦略的提携を拡大させ、「お客さま基盤」「経営資源」「機能」の拡充を図ってまいります。
e. 経営基盤の次世代化
・多様な価値提供を支え、変化に柔軟かつ敏捷に適応していくため、ガバナンス、人的資本、知的資本の次世代化を、人的資源投入や投資拡充を通じて、一体的に進めてまいります。
f. 資本マネジメント
健全性を維持しながら、成長投資や株主還元の拡充に資本を活用することで、企業価値向上の実現に取り組んでまいります。なお、資本収益性の指標として、ROE8%を目指してまいります。
〇健全性
自己資本比率については、現在適用している国内基準において十分な水準を維持するとともに、国際統一基準においても、普通株式等Tier1 比率10%台(バーゼル3最終化完全実施ベース、その他有価証券評価差額金除き)で運営してまいります。
〇成長投資
お客さま・地域社会のこまりごと解決に資する貸出の増強等に加え、「お客さま基盤」「経営資源」「機能」の拡充を目指すべく、インオーガニック投資に取り組んでまいります。
〇株主還元
安定配当を継続するとともに、総還元性向の水準の50%程度への引き上げを目指してまいります。
⑤サステナビリティ長期指標
持続的な社会価値・企業価値向上への取組みを加速させるべく、2030年度の達成を目指す指標を設定いたしました。お客さまのこまりごと・社会課題解決を通じてマルチステークホルダーにとっての様々な価値の向上に貢献する企業を目指し、従業員一同取り組んでまいります。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご覧ください。
当グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティへの対応(全般)
①ガバナンス
取締役会は、りそなグループが事業活動を通じて社会からの信頼、期待に応え、「持続可能な社会」と「りそなグループの持続的成長」の共鳴を実現していくための「サステナビリティ基本方針」を定めております。
取締役会の方針を踏まえたサステナビリティの取組み状況は、少なくとも年1回以上取締役会へ報告を行い、重要な事案については随時付議を行うことで、適切な監督が図られる体制を整えております。
社外取締役が過半数を占める取締役会では、多角的な視点から議論が行われ、その結果はグループの経営戦略やリスク管理、開示に反映されております。
②戦略
企業はお客さま・社会に対して価値を提供するからこそ、事業を存続・成長させることができます。
世の中の価値観がSXやDXをキーワードに、時間をかけて大きく変わろうとしている環境下、当グループの価値提供もそれに合わせて大きく変えていくことが必要と認識しております。
時代の変化の先を読み、この大きな変化に適応していくことは、当グループの持続的な成長をもたらす一方、変化に適応できなければ、当グループの成長はありません(機会とリスクに対する基本認識)。
また当グループの成長は、常に地域社会・お客さまの成長とともにあります。りそなグループが持続的に企業価値を高めていくには、当グループはもとより、当グループを支えてくださっているお客さまにも、持続可能な社会の実現にむけた社会全体の変化への適応力を備えていただくこと、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)が不可欠となっております。
この実現に向けた取組みをグループ全体に浸透し、行動を加速させていくため、当グループでは以下のフレームワークに沿ってSX推進に取り組んでおります。
<SX推進のフレームワーク>

<当グループとして優先すべき環境・社会課題>(優先取組みテーマ)
SDGsをはじめとした環境・社会課題を分析し、当グループとの親和性を考慮したうえで、持続可能な社会と当グループの持続的な成長の共鳴に向けて、優先して取り組むべき課題を以下のとおり特定、抽出しております。

当社及び当グループは、当社及び当グループに重大な影響を及ぼす可能性の高いトップリスクとして、サステナビリティの取組みの加速に関するリスクを認識しております。
具体的には、サステナビリティに関する取組みが奏功せず、ないしは不十分で、SXの実現に向けた社会的課題や要請に十分に応えられない場合、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループではサステナビリティに関する具体的な取組みとして、「持続可能な社会への貢献」と「りそなグループの持続的な成長」の実現に向け、リテールを中心とするお客さまのSXを金融サービスを通じてサポートすること、お客さまの取り組みを社会全体の大きな動きに結び付けていくことに取り組んでおります。
また、持続可能な社会の実現に向け、サステナビリティや人権に関する考え方や取り組み姿勢をより明確化すべく、「グループサステナビリティ基本方針」や「グループ人権方針」等を定め、社内への浸透やお客さまへの働きかけ強化等を進めております。
(リスクを識別・評価・管理するプロセス)
当社及び当グループは、当社及び当グループに重大な影響を及ぼす可能性の高いリスクをトップリスクとして認識し、トップリスクをリスク管理の起点とした一貫性のあるリスク管理体制を整備しております。トップリスクは経営会議、取締役会等での議論を踏まえて決定され、トップリスク管理を通じてリスクガバナンスの強化、重大なリスクの発生防止、リスクが発生した場合の早期対応・影響拡大の抑制等に努めております。
また、管理すべきリスクの種類・定義、リスク管理を行うための組織・体制、およびリスク管理の基本的な枠組みを明確化し、リスクの特性に応じた手法によってリスク管理を行う体制を構築しております。(リスクカテゴリー及び管理手法の詳細は「りそなグループディスクロージャー誌2022 ハイライト編(統合報告書)」のp75をご参照下さい。)

〔新設項目について〕
○価値創造力指数
・お客さまのこまりごと・社会課題の多様化・高度化にお応えするため、様々なソリューションを創造し・お届けできているかを「価値創造力指数」として定義します。本指数の倍増を長期指標として掲げることで、お客さま・社会にとっての様々な価値を向上させるための取組みを促進します。
○投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量実質ゼロ宣言、電力セクター中間目標
・既に設定済みの自社のカーボンニュートラル目標に加え、「2050年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量実質ゼロとすること」を宣言いたします。
・また、その達成に向けた2030年度のマイルストーンとして、「電力セクターにおける中間目標」を設定いたします。電力はあらゆる産業・生活の基盤であり、電力セクターのさらなる脱炭素化は、当グループの投融資ポートフォリオの多くを占めるリテールのお客さまの脱炭素化にも不可欠であると認識しております。
・さらなる再生可能エネルギーの普及、トランジションや技術革新に取り組む発電事業者を支援することで、当グループが地盤とする地域社会のカーボンニュートラル実現を目指してまいります。
○Well-being指数
・価値創造や経営基盤の次世代化を担う、当グループの従業員の「仕事と生活の充実」が欠かせないという認識のもと、本指数の向上を長期指標として掲げることで、従業員にとっての価値を向上させるための取組みを促進します。
(2) サステナビリティへの対応(個別テーマ)
当社グループが重要と認識しているサステナビリティ課題(優先課題)のうち、「気候変動」「人的資本」に関する考え方及び取組みは次のとおりです。
〔気候変動〕
気候変動リスクはトップリスクの1つに位置づけられており、気候変動への対応状況は、サステナビリティへの取組みの重要な要素として、取締役会による監督が行われております。また、りそなホールディングスの社長を委員長とし、グループ銀行の社長などを構成員とする「グループサステナビリティ推進委員会」を四半期毎に開催し、気候変動リスクに関する重要事項について協議・報告を実施しております。詳細は「(1) サステナビリティへの対応(全般)①ガバナンス」をご覧ください。
a. 気候変動がビジネスに及ぼす機会とリスク
気候変動による財務影響は最大の資産である貸出金に表れる可能性が高く、お客さまの機会とリスクが、貸出金を通じてりそなグループの機会とリスクにつながっていると認識しております。
不確実性の高い気候変動の影響を捉えるため、「1.5℃」と「4℃」の2つのシナリオを用いて機会とリスクを定性・定量両面から評価しております。評価に際しては、「短期:5年程度」「中期:15年程度」「長期:35年程度」の時間軸を設定して影響を受ける時期を想定しております。

b. 気候変動シナリオ分析(定性)
気候変動リスクは幅広い業種に影響を及ぼし、業種ごとに影響内容や程度、時期が異なると認識しております。このことを踏まえ、気候変動の影響を受けやすいとされる業種の潜在的な影響度と当グループのポートフォリオに占める割合を踏まえた「重要セクター」を選定し、当該セクターに対する定性シナリオ分析の深掘りを実施しております。
有価証券報告書提出日現在、「不動産・建設」「自動車・運輸」「エネルギー」の3つを重要セクターに選定しております。シナリオ分析(定性)の詳細は「りそなグループ統合報告書2022」のp42-43にて開示しております。
c. 気候変動シナリオ分析(定量)
定性分析の結果を踏まえ、移行リスク、物理的リスクそれぞれについて、当社財務影響の定量分析を実施しております。以下の推定は2022年3月末基準によるものであります。
◎ 移行リスク(1.5℃シナリオ)
移行リスクは与信先の業種ごとに特性や影響度が異なること、企業の今後のカーボンニュートラル対応にも左右されると考えられることから、分析対象は定性分析で選定した重要セクターを対象としました。
またシナリオの前提とする重要なリスク要素は各セクターに共通する「炭素税の導入・引上」とし、公的シナリオを参考に1.5℃下での与信先企業への将来影響等を想定、2050年までの当社の信用リスク影響を推定しました。
◎ 物理的リスク(4℃シナリオ)
物理的リスクは与信先の業種ごとの特性だけでなく、企業や当社担保物件の所在地にも左右されると考えられることから、分析対象は一般事業法人全体としました。
またシナリオの前提とする重要なリスク要素は、利用可能なデータの制約から、急性リスクが顕在化することによる水災被害とし、公的シナリオを参考に4℃下での与信先企業の業績影響、当社担保物件への影響を想定、2050年までの当社の信用リスク影響を推定しました。
◎ 今後の課題
上記分析結果からは移行リスク、物理的リスクとも与信関係費用への影響は限定的と考えられるものの、一部のリスク要素を対象とした結果であること、推定に際し様々な仮定を置いていることから、当社のリスク影響全体が限定的と言えるものではないと受け止めております。
気候変動の影響は、様々なリスク要素が複合的に作用し、波及経路も様々な要因によって変化するため、引き続き様々な分析手法の研究、分析に用いるデータの拡充等に努めてまいります。
一方、分析の精度向上が途上段階にあっても、気候変動による財務影響が最大の資産である貸出金に現れる可能性が高く、与信先のリスクと機会が貸出金を通じて当社のリスクと機会につながっていることは明白であると認識しております。
当グループの貸出金は、大部分が個人と中小企業のお客さま向けで構成されております。ポートフォリオ全体ではリスクが分散されている一方、中小企業のお客さまは、大企業に比べ気候変動への対応状況に差があり、背景には様々な課題があることが分かっております。
りそなグループでは、2021年に「サステナビリティ長期目標」を掲げ、伴走型でお客さまのカーボンニュートラル対応の支援に取り組んでおります。引き続きお客さまとの対話の深化と、お客さまの様々な現状・課題を踏まえた多様なソリューションの強化を通じて、気候変動リスクを低減し、機会を伸ばす取組みに注力してまいります。
③リスク管理
当社及び当グループは、当社及び当グループに重大な影響を及ぼす可能性の高いトップリスクの1つとして、気候変動が及ぼす財務影響を認識しております。(リスクを識別・評価・管理するプロセスについては「(1)サステナビリティへの対応(全般)③リスク管理」をご参照ください。)
具体的には、複数の気候変動シナリオに基づく、当グループのポートフォリオ構成を踏まえた定性的な評価により、「移行リスク」「物理的リスク」とも、短期から長期(※1)において当グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性を認識しております。
当グループの貸出金は、大部分を個人と中小企業のお客さま向けで占める構成となっております。リスクが分散されている一方、気候変動対応の重要性を数多くのお客さまにお伝えしていくことが重要となってまいります。
当グループは地球温暖化・気候変動への対応を、優先的に取り組むべき重点課題(マテリアリティ)に設定し、「2030年SDGs達成に向けたコミットメント」において、社会全体の環境負荷低減に積極的に取り組み、低炭素・循環型社会の実現を目指すことを宣言しております。
この取り組みを一段と加速させるため、2021年6月に公表した「サステナビリティ長期目標」では、お客さまとの対話の深化、当グループのソリューション強化により、お客さまとともに気候変動リスクを低減し、機会を伸ばすこと(リテール・トランジション・ファイナンス目標)、当グループが自ら率先してカーボンニュートラルに取り組むこと(当グループのScope1・2に対するカーボンニュートラル目標)を明確化しました。
また2023年5月には、投融資に係るScope3(カテゴリ15)について、2050年ネットゼロを宣言するとともに、電力セクターについて2030年中間目標を設定いたしました。
なお当グループでは、石炭火力発電事業への新規融資は、災害時対応などの真にやむを得ない場合を除き行わないこと、MTR方式(※2)で行われる石炭採掘事業など、環境に重大な負の影響を及ぼすおそれのあるプロジェクトへの新規融資は行わないことなどを「融資業務における基本的な取組姿勢」にて表明しております。
(※1)短期:5年程度、中期:15年程度、長期:35年程度
(※2)山頂除去方式と呼ばれ、山の表面石炭層を採掘するため、森林伐採し土砂を河川等に廃棄する手法
④指標及び目標
気候変動リスクを低減し、機会を伸ばすための長期的な取り組みについて、以下のターゲットを定めています。各ターゲットの具体的な数値は「(1)サステナビリティへの対応(全般) ④指標及び目標」をご覧ください。
〔人的資本〕
「持続可能な社会」と「りそなグループの持続的成長」の共鳴を実現していくためにも、価値創造の原動力である「人財」への投資を拡充してまいります。「人財」はりそなグループにとって最も重要な財産です。多様な人財が集い、性別・年齢・職種などにかかわらず全ての従業員が持てる力を最大限発揮するとともに、その活力を組織として最大化できるように人的資本経営を進めております。
人財育成方針や社内環境整備方針などの人的資本経営にかかる方針や取組み状況については、経営戦略と人財戦略の連動を目的として、取締役会への定期的な報告を行い、適切な監督が図られる体制を整えております。
また、りそなホールディングスの社長を委員長とし、グループ銀行の社長などを構成員とする「グループ人事委員会」を原則月1回開催し、グループ全体の人事運営に関する重要事項にかかる協議・報告を実施しております。
当グループでは定めたパーパスと経営理念のもと、長期ビジョン「リテールNo.1」の実現を目指し、「共鳴(Resona)」を起点とした『人財戦略』を策定しております。
人財戦略では、「エンゲージメント(従業員と会社の共鳴)」、「プロフェッショナル(多様な専門性の共鳴)」、「共創(りそなと外(パートナー)の共鳴)」を強化していくべき3つの柱として定め、「価値創造」と「Well-being」の持続的な好循環を実現していくことを目指しております。
当グループが、これまでも大切にしてきた組織風土(インテグリティ・ダイバーシティ&インクルージョン・変革への挑戦)をベースに、経営戦略や変化し続ける就業価値観を踏まえて、未来に向けて変えていく6つの『ドライバー』(リーダー・越境・専門性・自律と支援・働きがい・働きやすさ)を設定し、目指す姿に向けた取組みを進めております。
<人財戦略の全体像>

価値創造とWell-beingの持続的な好循環の実現に向け、個々の従業員が自律的に成長することを目的とした「人財育成方針」と個々の従業員が持てる力を最大限発揮できる環境づくりを目的とした「社内環境整備方針」を整備しております。
a. 人財育成方針
当グループでは、従業員が自律的に学び、成長することを目指して、以下の取組みを実施しております。
(i) 多様なリーダーの育成(人財戦略のドライバー:リーダー)
社内外の多様な人財との共創・価値創造を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンをより高いレベルで進めるべく、様々な性別・経験・年代などのリーダーの育成・確保に取り組んでおります。具体的には、マネジメントスキル・リーダーシップの向上を目的とした階層別研修や選抜型研修に加えて、出向や外部派遣研修での異文化経験、多面評価(360度評価)を通じた自己認知・意識改革等、本人の能力や適性に応じて様々な機会を提供しております。
女性リーダーの育成・登用は特に重要な取組みと認識しております。2021年6月に公表したサステナビリティ長期目標では、りそなホールディングスの女性役員比率30%以上、グループ6社の女性経営職階比率20%以上、グループ6社の女性ライン管理職比率40%以上を2030年度に向けた女性登用・活躍推進の目標として掲げ、達成に向けて女性の成長サポートを実施しております。
具体的には、新たに経営職階に昇格した女性向けのメンタリング制度による業務面・メンタル面のサポートや、女性従業員を対象としたリーダー研修による意識醸成サポート、トレーニー制度による未経験業務への挑戦サポート等を実施しております。また、経営直轄の諮問機関である「りそなWomen's Council」は2005年から継続して活動を実施しており、グループ横断で選抜された女性従業員がリーダーシップをとり、職場環境の整備やキャリア形成のサポート等、様々な施策を提言・実現しており、女性活躍推進の象徴となっております。今後も、このような取組みを通じて、女性従業員がより幅広い分野で活躍する組織を実現し、新たな価値創造を目指してまいります。
(ii) 異文化経験を通じた多様な価値観・ネットワークの形成(人財戦略のドライバー:越境)
新たな視点の獲得による多様性への受容力向上や共創に向けた多様なネットワークの構築を目指し、りそなグループ内外にかかわらず所属する組織の枠を超えた経験や交流機会を提供しております。
具体的には、他社や官公庁への出向、大学院への派遣プログラムや異業種人財との共創による新規事業創出経験等、従業員の能力や適性に応じた派遣先を選定し、所属する組織の枠を超えた経験を提供しております。加えて、自己研鑽サポートとして、公募型の外部ビジネススクールへの派遣プログラムを取り入れており、従業員が自律的に他企業の人々と交流できる機会を提供しております。
また、グループ企業間での出向も拡大しており、人財交流を通じた新たな経験による成長とグループ連結運営の強化を進めております。
(iii) 多様なこまりごとに対応できるプロフェッショナル人財の育成(人財戦略のドライバー:専門性)
当グループでは、従業員全員が各業務分野において、多様なお客さまのこまりごとを解決し、より大きな喜びをもたらす「専門性」と「人間力」を兼ね備えた「プロフェッショナル人財」を目指しております。
具体的には、20のコース※からなる複線型人事制度において、コース毎に育成体系を用意し、OJTと社内・社外研修等を通じてコース毎に必要な「専門性」の向上に取り組んでおります。このような取組みについては毎年見直しを実施し、経営戦略や組織課題に合わせて内容をアップデートしております。
加えて、時代の変化に合わせて必要とされるスキルを身につけられるように、各種リスキルへの取組みを実施しております。現在はDX・SX・AMLに関する知識・実践力向上に資する取組み、リベラルアーツ学習へのコンテンツ提供・研修を実施しております。
また、真のプロフェッショナル人財は業務知識やスキルだけに留まらず、お客さまと信頼関係を築き、「こまりごと」を深く理解した上で解決に導く必要があるという考えのもと、教養に関する幅広いテーマでの公募型研修の実施等を通じて「人間力」の向上にも取り組んでおります。
※2023年4月より「AML/CFTスペシャリストコース」を新設
(iv) 従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成に向けた支援(人財戦略のドライバー:自律と支援)
従業員の自律的なキャリア形成を促進するため、2021年の複線型人事制度導入に伴い、キャリア実現に向けた一連の行動(キャリアを知りたい、考えたい・相談したい、実現したい)をサポートする「トータルキャリアサポート体制」を整備しました。「キャリアの選択肢を知りたい」ニーズに対しては従業員が様々なキャリアを知る機会としてキャリアカレッジを年2回実施しております。毎回30を超える部署が座談会・ワークショップを開催し、各業務の内容・魅力を伝えております。「キャリアについて考えたい・相談したい」ニーズに対してはキャリアデザイン研修に加え、所属長を中心に上司がサポートを実施しております。また、所属長はキャリア相談力向上に向けた研修を全員受講しております。「目指すキャリアを実現したい」ニーズに対しては、コース別育成体系にて各コースに必要なスキルや資格を整理しております。従業員は現状とのギャップを把握した上で能力開発計画を策定し、上司との共有を通じて目指すキャリアに向けての取組みを進めております。また、各種自己研鑽ツールやトレーニー制度等も準備し、従業員の自律的な成長に向けた後押しを行っております。
<トータルキャリアサポート体制>

b. 社内環境整備方針
当グループでは多様な人財の活躍と確保に向けて、従業員それぞれが持てる力を最大限発揮できるように以下の取組みを実施しております。
(i) 従業員一人ひとりが自ら選択し挑戦できる機会の提供(人財戦略のドライバー:働きがい)
当グループが目指す性別・年齢・職種などにかかわらず全ての従業員が持てる力を最大限発揮できる環境を整備するために2021年度に人事制度を改定し、業務別の20コースからなる複線型人事制度を導入しました。併せて社内公募制度の再構築を行い、各希望コース等への異動に関して公募する「キャリアチャレンジ制度」を創設しました。「トータルキャリアサポート体制」を通じたキャリア開発支援だけに留まらず、従業員が自らキャリアに挑戦できる環境を整えることで自律的な成長・キャリア選択機会を提供しております。採用においてもキャリア採用・新卒採用ともにコース別での採用を実施しており、新規採用者も自身の強みや専門性を最大限活かし、各業務分野で活躍できる環境を整備しております。
また、社員自らが60歳~65歳の間で定年時期を選べる「選択定年制」や定年後も70歳まで就労可能な制度を導入し、多様な年齢層が活躍できる環境整備により、ダイバーシティ&インクルージョンを推し進めております。
(ii) 多様性を認め合う心理的安全性の高い職場環境づくり(人財戦略のドライバー:働きがい)
多様な従業員が働く職場環境において、従業員がともに理解し合い風通しの良い職場環境にすることを目的として毎年全従業員向けに各種研修を実施しております。2022年度はアンコンシャスバイアスと人権をとりあげ、各職場単位で所属長が自ら解説を行うことにより従業員の理解を深めております。
セクシャルハラスメントとパワーハラスメントについては、未然防止と事態の深刻化を防ぐことを目的とし、毎年全従業員を対象に「ハラスメント防止研修(eラーニング)」を実施しております。
また、上司・部下間の更なるコミュニケーション活性化による風通しの良い職場づくりや部下の自律的な成長支援等を目的に1on1ミーティングを導入しております。1on1ミーティングの質を高め部下従業員のエンゲージメント向上や成長に繋げていくために2022年度には希望者に対して1on1ミーティングの取組みに対する研修を実施しました。他にも従業員と経営トップが意見を交わす「タウンミーティング」を2003年から実施しており、直接の対話を通じて、従業員と経営トップが同じベクトルを共有する機会にするとともに、経営参画への意識や新たな視点の獲得などにもつなげております。
(iii) ライフイベントに沿った多様な働き方へのサポート(人財戦略のドライバー:働きやすさ)
<多様な働き方>
勤務時間の制約の有無等にかかわらず、誰もが活躍できる環境整備として、働き方の選択肢の拡充を図っております。
全社員に変形労働時間制を導入していることに加え、一定の条件の下、裁量労働制やフレックスタイム制を活用し、一人ひとりの業務やライフイベントにあった働き方を可能としております。また、ワークライフバランスに応じた働き方の選択肢として、勤務時間もしくは業務範囲を限定できる正社員制度(スマート社員制度)を用意しております。
その他、テレワーク利用の全従業員への拡大、営業店会議室のサテライトオフィスとしての活用など、働く場所についての選択肢の拡充も進めております。
<両立支援>
育児関連休暇・休業、育児勤務等の制度や各種セミナー等からなる復職支援プログラムを用意し、仕事と育児の両立を支援するための環境整備を行っております。2022年度は仕事と不妊治療の両立支援を目的とした「出生支援制度」と男性の育児参画をこれまで以上に促進することを目的とした「産後パパ育休」を新たに導入しております。「産後パパ育休」のうち14日間を有給とするなど、制度上の工夫に加えて、仕事と育児の両立に向けた意識改革の取組みを進めてきた結果、男性の育児休業取得率は向上し、2022年度で98.2%※となっております。
介護休業・短時間勤務などの介護関連制度の充実、制度周知のためのガイドブック作成、セミナーの継続的な開催等により、介護に対する従業員の不安を払拭し、安心して働くことができるための環境づくりに取り組んでおります。
※りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行・みなと銀行の合算
(iv) 心身ともに健康的に働くことができる職場環境づくり(人財戦略のドライバー:働きやすさ)
<健康経営>
当社グループでは健康管理指針を定め、従業員の心身両面にわたる健康の保持・増進と快適かつ衛生的な職場環境づくりなどを推進しております。
産業医に加え、産業保健スタッフを配置し、各部店への巡視・巡回による健康指導や保健指導、職場環境の確認や改善指導を行い、各部店の衛生管理責任者と連携して、働きやすい職場に向けた環境改善に努めております。
健康診断においては、法令に基づく定期健康診断に加えて、35歳及び40歳以上の偶数年齢の従業員を対象に会社指定の人間ドックを実施しております。さらに、ストレスチェックや各種メンタルヘルス研修の実施等により、従業員の健康管理をサポートしております。
当社の取組みに対しては「健康経営優良法人2023」の外部認定を受けております。
<ファイナンシャルウェルネス>
お金や生活に関する不安を解消し、当グループで長く安心して働ける環境を提供することは従業員のWell-beingや生産性向上につながると考え、以下の資産形成をサポートする制度の導入及び制度の適切な活用やリテラシー向上へとつなげる運用サポートを実施しております。
〔ファイナンシャルウェルネスの取組み〕
当社及び当グループは、当社及び当グループに重大な影響を及ぼす可能性の高いトップリスクの1つとして、人財に関するリスクを認識しております。(リスクを識別・評価・管理するプロセスについては「(1)サステナビリティへの対応(全般)③リスク管理」をご参照ください。)
具体的には、高度な専門性とコンプライアンス意識を持った人財が確保できない場合や人財の一斉流出等が発生した場合、ないしは最適な人的資源配賦ができない場合、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
人財確保等のため、採用活動や人財育成策の充実、処遇の向上、ダイバーシティによるキャリア多様化、テレワークやサテライトオフィスの導入、デジタル化による業務効率化、男性の育児休暇、介護休暇取得の促進等を進めております。
価値創造とWell-beingの持続的な好循環の実現に向けて「エンゲージメント」・「プロフェッショナル」・「共創」の3つの柱を強化すべく、6つのドライバーに対して以下の非財務目標を設定しております。

※連結対象会社のうち、りそなHD・りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらいFG・関西みらい銀行・みなと銀行が対象
※1:海外・外部派遣・外部出向
※2:社内の専門コースにおける上位認定者及び同等の資格保有者
※3:LMS:学習管理システム、TMS:タレントマネジメントシステム
当社及び当グループは、当社及び当グループに重大な影響を及ぼす可能性の高いリスクをトップリスクとして認識し、トップリスクをリスク管理の起点とした一貫性のあるリスク管理体制を整備しております。
トップリスクは、経営会議、取締役会等での議論を踏まえて決定され、トップリスク管理を通じて当社及び当グループ内のリスク認識を共有し、リスクガバナンスの強化、重大なリスクの発生防止、リスクが発生した場合の早期対応・影響拡大の抑制等に努めております。
有価証券報告書提出日現在、以下をトップリスクとして選定しております。
(図表1)トップリスクとリスクシナリオ
当社及び当グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項や、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項であっても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項について以下に記載しております。
これらのリスクは独立して発生するとは限らず、あるリスクの発生が他のリスクの発生につながり、様々なリスクを増大させる可能性があります。
当社は、リスクが顕在化する可能性やリスクが顕在化した場合に当社及び当グループに与える影響の内容を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、記載事項のうち将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①社会構造・産業構造の変容に伴う競争力低下等
近年、金融業界の規制緩和やデジタルトランスフォーメーションを見据えた金融イノベーションの進展、金融機関の統合・再編・業務提携等に加え、カーボンニュートラルをはじめとするSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)への取り組みの加速等により事業環境は厳しさを増しております。
今後、競争が激化し、当グループが競争に十分対応することが出来ない場合には、貸出増強が進まない、リスクに見合った貸出金利鞘が確保できない、手数料収入が期待通りに得られない等、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらに対応するため、既存ビジネスの深掘と新たな価値の創造への挑戦、及び他金融機関・異業種等との共創・拡大を行い、様々なビジネス戦略のもとリスクテイクを行っております。新規ビジネスへの挑戦などにより、新たなリスクテイクを行う場合には、経営陣による十分な議論を行うほか、リスクチェック制度により、内在リスクを洗出し、リスク特性に応じた管理体制の構築を図っております。
○サステナビリティの取り組みの加速に関するリスク
世界的な潮流として、企業に対しサステナビリティや人権問題への対応が求められる中、当グループでは、「持続可能な社会への貢献」と「りそなグループの持続的な成長」の実現に向け、リテールを中心とするお客さまのSXについて金融サービスを通じてサポートすること、お客さまの取り組みを社会全体の大きな動きに結び付けていくことに取り組んでおります。
しかしながら、これらのサステナビリティに関する取組みが奏功せず不十分である場合、SXの実現に向けた社会的要請に十分に応えられず、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティへの対応(全般)③リスク管理」をご参照ください。
○気候変動が及ぼす財務影響
気候変動による財務影響は、最大の資産である貸出金にあらわれる可能性が高く、お客さまの機会とリスクが、貸出金を通じて当グループの機会とリスクにつながっていると認識しております。
そのため、気候変動への取組みが不十分である場合、当グループの財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティへの対応(個別テーマ)〔気候変動〕③リスク管理」をご参照ください。
○人財に関するリスク
当グループは、銀行業務を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っておりますが、デジタル化やIT化への対応、お客さまへの高度なソリューションの提供等のため、従来以上に高度な専門性と遵法意識を持った人財を確保する必要があります。
こういった人財が確保できない場合や人財の一斉流出等が発生した場合、ないしは最適な人的資源配賦ができない場合、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティへの対応(個別テーマ)〔人的資本〕③リスク管理」をご参照ください。
②各種法規制や政策変更等に伴う収益構造変化(収益性低下)等
自己資本規制の強化に関して、2024年3月末から適用されるバーゼル3最終化によって当グループの自己資本比率が低下する可能性があります。規制適用開始に向けて自己資本管理部署が中心となって態勢整備を進めており、経営陣の関与のもと適切に対応する体制となっております。
会計基準の変更に関して、現在、当グループの会計基準は日本基準を採用しておりますが、将来のIFRSの適用に備え、影響度の調査や課題の洗出等の取り組みを実施しております。適用時期については未定でありますが、適用時には、当グループの業務運営や業績、財務状況、自己資本比率に悪影響を及ぼす可能性があります。影響度や課題については財務部門が中心となって経営陣に報告を行い、経営陣の関与のもと適切に対応する体制となっております。
LIBORの公表停止に関して、当グループは着実に後継金利への移行を進めておりますが、国内外の金融規制当局の指針や市場慣行の変化等により、当グループのコントロールが及ばない事態が発生した場合には、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループではグループ横断的なワーキンググループを通じた準備を行っており、国内外の動向や対応状況について経営陣に報告を行い、経営陣の関与の下で適切に対応する体制を整えております。
当社及び国内銀行持株会社は連結自己資本比率を、国内グループ銀行は連結自己資本比率及び単体自己資本比率を4%以上に維持する必要があります。
当社並びに国内銀行持株会社及び国内グループ銀行の自己資本比率は、本「事業等のリスク」に記載する各種リスクの顕在化等を主な要因として低下する可能性があり、その場合は、資金調達コストの上昇などにより、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。仮に上記の自己資本比率が基準値の4%を下回った場合には、早期是正措置により、金融庁長官から業務の全部または一部停止等を含む様々な命令を受けることとなり、その結果、当グループの業務運営や業績、財務状況に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では、業務の健全性及び適切性を確保し、質・量ともに十分な自己資本を維持するとともに、自己資本管理を有効に機能させることを目的として「グループ自己資本管理の基本方針」を制定し、当グループの直面するリスクに見合った十分な自己資本及び自己資本比率の確保に努めております。
③与信費用の増加
当グループの与信ポートフォリオにおいては、中堅・中小企業向け貸出金や、住宅ローンを中心とした個人向け貸出金が大きな割合を占めており、与信の小口分散が図られております。しかしながら、以下に記載している与信集中や景気動向、担保価格の下落、融資先の経営状況等によっては、想定の範囲を超える償却・引当を余儀なくされ、当グループの業績、財務状況及び自己資本の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、貸出資産の劣化に対する予兆管理やリスク分散に向けた取り組みを進め、信用リスク管理体制の強化を図っております。また、不良債権については、正確な自己査定に基づき、十分な水準の財務上の手当てを行っております。
○大口与信集中によるリスク
大口先に対する与信集中リスクについては、当グループの経営に対して重大な影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、各グループ銀行等では、クレジットシーリング制度を定め、与信集中の防止を図っております。同制度では、各社がその体力に応じて金額上限を設定し、原則として、一取引先への与信額がこれを超過しない仕組みとしており、定期的に運用状況をモニタリングしております。
○特定業種への与信集中リスク
特定の業種等に与信が集中することにより、景気や経済の構造的な変動等が生じた際、それら特定分野の業績や資産価格が影響を受け、当グループの不良債権や与信費用が増加する可能性があります。
こういった事態を未然に防止するため、各グループ銀行等において特定の業種の与信残高に一定の協議ポイントを設定する等により、業種集中リスクコントロールに努めております。
○与信費用の主な増加要因
・融資先の業況悪化等
融資先を取り巻く環境変化(景気の悪化、産業構造や消費者志向の変化、人手不足、各種感染症の拡大、地政学リスクの顕在化、気候変動等)により、信用状態が悪化する融資先が増加したり、貸出条件の変更や金融支援を求められたりすることなどにより、当グループの与信費用が増加する可能性があります。
・地域経済の悪化等
当グループは東京都・埼玉県を主とした首都圏と大阪府を主とした関西圏を主要な営業基盤としており、これらの地域の経済状態が低迷した場合や、大規模な自然災害(震災、風水害等)、各種感染症等が発生した場合は、融資先の信用状態の悪化、不動産担保価値の下落等により、当グループの与信費用が増加する可能性があります。
・融資先等企業の存立を揺るがすガバナンスの欠如
不正会計(粉飾決算)、融資書類の偽造や資金使途の偽装、建築施工不良、会社の私物化、商品の不適切販売等、企業のガバナンス欠如等に伴う問題が発生しております。これらにより、融資先の信頼性の著しい失墜あるいは企業の存立を揺るがす事態が生じた場合、当グループの与信費用が増加する可能性があります。
④保有有価証券の評価損益悪化
○市場業務に関するリスク
当グループでは、デリバティブ取引を含む相場変動を伴う金融商品を取扱うトレーディング業務や国債を中心とした円建債券、外国通貨建債券及び株式投資信託、公社債投資信託、不動産投資信託等への投資運用業務を行っております。
これらの業務は、市場金利、為替レート、株価、債券価格等の変動により悪影響を被る可能性があります。たとえば、国内外の市場金利が上昇した場合には当グループが保有する円建債券や外国通貨建債券をはじめとする債券ポートフォリオの価値が下落することによって想定以上の評価損や実現損失が発生し、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、投資対象商品に係る需給の悪化により市場流動性が急速に悪化した場合や裏付資産が大幅に劣化した場合には、保有する投資対象商品の価値が下落することによって想定以上の評価損や実現損失が発生し、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
市場金利の上昇、株価や為替レートの変動が生じるケースとしては、例えば日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の解除や修正観測、米国の金融政策の変更、要人の発言、地政学リスクの顕在化、大規模なシステム障害や自然災害、各種感染症の発生等が想定しえます。
これらのリスクに対応するため、当グループでは、経営体力に見合ったリスク限度や損失限度等を設定した上で当該限度等への接近時や抵触時の対応を定める等、厳格なリスク管理体制を整備し、各種ヘッジ取引等を含め適切なリスクコントロールを行っております。また、新規取扱商品の選定に際しては、当該商品のリスク特性を認識・把握し、リスク特性に応じた管理体制の構築に努めております。
・外国為替相場変動に伴うリスク
当グループは、資産・負債の一部を外国通貨建で保有しており、外国為替相場の変動によって為替差損が発生した場合は、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これら外国通貨建資産・負債は、相互の相殺あるいは必要に応じた適切なヘッジによりリスクコントロールを行っております。
○政策保有株式に伴うリスク
政策保有株式には、株式相場の価格変動や個社別の業績見通し等の影響等を受け、その時価が変動する価格変動リスクがあります。政策保有株式の時価が下落した場合、評価損や減損が生じ、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、公的資金による資本増強以降、政策保有株式残高を圧縮し、価格変動リスクの低減に努めてまいりました。引き続き、保有継続の是非については、中長期的な取引展望の実現可能性を含むリスク・リターンの観点や、経営・財務戦略を考慮した上で、個別銘柄毎に検証し、判断してまいります。今後もお客さまとの丁寧な対話を通じて、削減に努めてまいります。
⑤外貨資金調達の不安定化
○資金調達・流動性に関するリスク
当グループは、お客さまからの預金や市場からの調達等により資金調達を行い、貸出金や有価証券の運用等を行っております。
今後、外部環境の変化(急激な景気の悪化、大規模な金融システム不安の発生等)や、当グループに対する評価の悪化(業績悪化等に伴う格下げ・株価下落、風評の発生等)が生じた場合には、預金の流出や市場調達金利の上昇などにより、想定を上回るコスト・損失が生じる、あるいは資金繰り運営に支障が生じる可能性があります。その結果、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
国内外の経済・金融情勢が大きく変化する中、当グループは、お客さまの海外進出や資金調達等を継続的に支援していくことが重要と考えており、外貨については国内での業務が主体である当グループにとっては資金調達手段が限定されていることから、外部環境や当グループの資金繰りの状況等を常時モニタリングしながら、外貨運用・調達のバランスを意識した厳格な管理を行うとともに、緊急時に利用可能な他の金融機関との外貨資金調達ファシリティを設定する等、外貨流動性リスクの低減に努めております。
なお、円貨については、日銀当座預金や有価証券等の資金化可能な資産を充分に確保しております。また、SNS等についても常時モニタリングを行っております。
・格付低下のリスク
当社及び各グループ銀行等は、格付機関から格付を取得しております。
格付の水準は、当グループから格付機関に提供する情報のほか、格付機関が独自に収集した情報に基づいて付与されているため、常に格付機関による見直しがなされる可能性があります。また、当社及び各グループ銀行等の格付は、本「事業等のリスク」に記載する様々な要因、その他日本国債の格付や日本の金融システム全体に対する評価等が単独または複合的に影響することによって低下する可能性があります。
仮に格付が引き下げられた場合には、資金調達コストの上昇や必要な資金を市場から確保できず資金繰りが困難になる可能性があります。その結果、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、収益力増強策や財務の健全性向上策等の諸施策に取り組み、格付の維持・向上に努めております。
⑥重要拠点や委託先での重大インシデント発生による業務停止等
当グループでは、預金、為替、融資などの業務を行う勘定系システムや営業支援、経営管理、リスク管理等を行う情報系システムなど様々なコンピュータシステムやITに関する外部サービスを使用しております。
これらのシステムがダウンまたは誤作動した場合等システムに不備が生じた場合やシステムが不正に使用された場合には、当グループの業務停止、お客さま情報の漏えい、インタ-ネットバンキングを通じたお客さま預金の不正送金・不正引出し、Webサイト及び各種データの改竄等の被害が生じ、業務の復旧に要するコスト、被害を受けたお客さまへの補償、システムセキュリティ強化にかかるコストの増大等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、システムに関する障害・不備、不正等により顕在化するリスクは経営基盤を揺るがしかねないリスクとなる可能性もあるとの認識のもと、システムに関する障害・不備防止対策、不正防止対策等のリスク管理の基準を定め適切な管理体制を整備するとともに、システム障害を想定したコンティンジェンシープランを整備することにより、これらシステムリスクの軽減に努めております。
○サイバー攻撃
サイバー攻撃を起因としたセキュリティインシデントには、DoS・DDoS攻撃、マルウェア感染、標的型攻撃、Webサイト改竄、不正アクセスなどがあります。サイバー攻撃は年々巧妙化しており、継続的な対策を実施する必要があります。
当グループ(当グループが業務を委託している先を含みます)がサイバー攻撃を受けた場合、当グループの業務停止、お客さま情報の漏えい、インタ-ネットバンキングを通じたお客さま預金の不正送金・不正引出し、Webサイト及び各種データの改竄等の被害が生じ、業務の復旧に要するコスト、被害を受けたお客さまへの補償、システムセキュリティ強化にかかるコストの増大等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、サイバー攻撃への対応を経営の最重要課題の1つとして位置づけ、経営会議・取締役会等での議論・検証のもと、サイバー攻撃対策を推進しております。サイバー攻撃に備えて平時・有事の活動を行う専担部署 (Resona-CSIRT) を設置し、サイバー攻撃に関する情報収集・分析、手続・マニュアル整備を行うとともに、定期的な演習・訓練の実施、コンティンジェンシープランの見直しを実施しております。
○外部委託等に関するリスク
当グループは、銀行業務を中心とした様々な業務の外部委託(外部委託先が再委託を行っている場合や外部委託先がサービスの提供を受けている場合を含みます)を行っております。
委託先(再委託先やサービスの提供を行っている先を含みます)が、システム障害の発生やサイバー攻撃を受けた場合等、委託業務遂行に支障をきたしたり、お客さまの情報等の重要な情報を漏えいした場合等には、当グループの業務運営にも支障をきたす可能性がある他、被害を受けたお客さまへの補償等が必要となったり、当グループの信用が低下・失墜することにより、業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループはこれらの悪影響を未然に防止するため、業務の外部委託を行うに際しては、業務委託を行うことの妥当性検証、委託先の適格性検証、委託先における情報管理体制の確認・検証、委託期間中の継続的な委託先管理、問題発生時の対応策策定等、体制整備に努めております。
⑦法令・コンプライアンス違反による業務停止等
当グループは、銀行法、会社法、金融商品取引法等の各種法令諸規則等に基づいて業務を行っております。役員及び従業員が法令諸規則等を遵守しなかった場合や、役員及び従業員による不正行為等が行われた場合には、行政処分や罰則を受けたり、お客さまからの信頼を失墜したりすること等により当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは法令諸規則等を遵守すべく、役員及び従業員に対する法令等遵守の徹底や不正行為等の未然防止に向けた体制整備を行うとともに、研修の実施等により全社的なコンプライアンス意識の向上に努めております。
○役員・従業員の不正・不祥事に伴うリスク
近年の人口減少や異業種参入等に伴う競争激化、営業現場のプレッシャー増加やガバナンス不全など理由は様々考えられますが、各種ハラスメント、不正会計(粉飾決算)、お客さま預金の着服、融資審査書類の偽造への関与、会社の資金使い込み・会社の私物化、取引業者等からの不適切な金銭受領、商品の不適切販売等、企業の役職員の不祥事等が報じられています。
役員・従業員の不正・不祥事が生じた場合には、お客さまへの補償や当社の信用失墜等により、当グループの業務運営、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、役職員の行動指針である『りそなSTANDARD/関西みらいSTANDARD』や腐敗防止への姿勢を明確化した「グループ腐敗防止方針」を定め、役職員に周知・徹底し、定期的な研修を実施することで企業倫理の向上に努めています。また、不正・不祥事の発生状況を定期的に把握し、リスクの所在及び原因・性質を総合的に分析することにより、その結果を再発防止策ならびにリスク軽減策の策定に活用しております。
○マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策上の不備に係るリスク
マネー・ローンダリング、テロ資金供与の脅威や、国内法や海外規制などの枠組みは常に変化しております。当グループの管理態勢が不十分となった場合、犯罪者の標的になる可能性が高まり、更なる対策強化に伴う想定外のコストの発生、コルレス契約の解除による海外送金業務等の一部停止、制裁金等の行政処分、風評悪化等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、経済制裁規制等への対応を経営上の最重要課題のひとつとして位置付け、対策について方針を明確化し、組織体制を整備するとともに、役員・従業員に対する研修や人事制度の整備によって人財を確保し、リスクの低減に努めております。
○情報漏えいに関するリスク
当グループは、お客さまの情報をはじめとした膨大な情報を保有しており、各種法令諸規則等に基づく適切な取扱いに努めております。しかしながら、人為的ミス、内部不正、外部犯罪等によりお客さまの情報等の重要な情報が漏えいした場合は、被害を受けたお客さまへの補償等が必要となったり、当グループの信用が低下・失墜することにより、業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的にセキュリティ対策のためのコストが増加する可能性があります。
当グループは、情報管理に関する方針・規程等の策定、社員教育、システムセキュリティ対策等を行い、情報漏えいの防止に努めております。
○個人情報の保護、利活用等に関するリスク
当グループは、お客さまからお預かりしている情報について適切な保護を図り、安心してお取引いただけるよう努めております。しかしながら、法令違反等、個人情報の不適切な利活用を行った場合は、当グループの信用が低下・失墜することにより、業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
個人情報の利活用に関しては、個人情報保護法等の法令遵守に努め、法令等で認められている場合を除き、当社が公表している利用目的の範囲でのみ取扱うとともに、その利活用が個人情報の提供者に対し不利益とならないよう慎重に行うことに加え、社会通念や道徳的な見地から適切であるかを十分検討することとしております。
⑧自然災害の発生による業務停止等
当グループは、多くの店舗・システムセンター等の施設において業務を行っておりますが、これらの施設は、地震、風水害等の自然災害、停電、テロ等による被害を受け、業務が停止する可能性があります。また、各種感染症の流行により、当グループの業務を一部縮小したり、停止せざるを得なくなるなど業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、不測の事態に備えた業務継続に係るマニュアルを整備するとともに、マニュアルに基づき訓練等を実施しております。
(2) その他の主要なリスク
①ビジネス戦略毎の固有リスク
○資産・事業承継ビジネス、資産形成サポートビジネス
・信託業務に係る受託者責任リスク
当グループがお客さまに提供する多様なソリューションの中には、年金運用で培った資産運用力や資産運用会社を傘下に抱える強みを活かした投資信託やファンドラップといったお客さまの資産形成をサポートする商品・サービスや、遺言信託や資産承継信託、自社株承継信託といったお客さまの円滑な資産・事業承継をサポートする商品・サービスがあります。これらのうち、信託業務の受託において、受託者として果たすべき忠実義務・善管注意義務等の責任の履行を怠ったことにより、現在及び将来においてその責任を問われる可能性や、委託者の信頼を失い、現在受託している、或いは今後受託を予定していた取引を失う可能性があります。
このようなことがないよう、信託業務に関する高い専門性を持つ人財の確保・育成とともに、コンプライアンス意識の向上に努めております。
○個人向けローンビジネス
・一部の不動産関連業者等による法令違反行為・不正行為
昨今、住宅やアパート・マンション等の不動産取得にかかるローンの申し込み手続きに関連して、金融機関へのお客さま紹介を行う一部の不動産関連業者等による、コンプライアンス意識の欠如などを背景とした、次のような法令違反行為・不正行為が取り沙汰されております。
収入証明書(例:源泉徴収票、課税証明書など)の偽造・改竄
預金残高の水増し・改竄
他人の預金通帳の流用
不動産の売買金額を水増しするなど、売買契約書の偽造・改竄
不動産投資目的の借入を住宅ローンとして虚偽申込
当グループでは、お客さまが法令違反行為・不正行為に巻き込まれることを防ぐため、更には、法令違反行為・不正行為による住宅ローンのリスク削減のため、このような行為に対して、法的措置を含めた厳格な対応を実施しております。
○決済ビジネス
・加盟店向けサービス提供におけるリスク
当グループでは、「りそなキャッシュレス・プラットフォーム」において、クレジットカード等のキャッシュレス決済を可能とする加盟店向けのサービスを提供しておりますが、悪質加盟店の是正・排除、クレジットカード番号の適切な管理、不正使用の防止のために必要な加盟店調査および調査結果に基づく必要な措置を行わなかった場合には、法令等に基づき行政処分等を受ける可能性があります。
また、加盟店における利用者等の保護に欠ける行為、クレジットカード情報の漏えい、不正使用等が発生した場合には、当グループのレピュテーショナルリスクが顕在化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、こうしたリスクの低減に向け、加盟店契約時の厳正な審査、適切な加盟店調査・管理を行うために必要な社内体制の整備に努めております。
②金融犯罪の発生に伴うリスク
金融犯罪の手口は巧妙化・複雑化しており、想定の範囲を超える大規模な金融犯罪が発生した場合は、その対策に伴うコストや被害を受けたお客さまへの補償等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、本人確認や取引時確認の強化等によって、不正利用口座の開設防止や偽造・盗難カードによる支払防止に取り組むとともに、カード、インターネットバンキングサービス、各種スマートフォンアプリのセキュリティを強化しております。また、振り込め詐欺等の特殊詐欺に対しては、店頭・ATMコーナーでのお声かけやポスター、ウェブサイト、ATMの画面や音声等を通じたお客さまへの注意喚起を強化するとともに、警察と連携し、被害防止に取り組んでおります。
③役員・従業員の事務過誤に伴うリスク
当グループは、預金・為替・貸出・信託・証券等の幅広い業務を行っております。これらの業務は、役員及び従業員が正確な事務を怠る、あるいは事故等を起こすこと等の事務リスクに晒されております。
事務リスクを防止するために、業務プロセスや事務処理に関して、手続きの見直し・集中処理化・システム化を推進するとともに、教育・研修を継続的に行っております。
更に、事務過誤の発生状況を定期的に把握し、事務リスクの所在及び原因・性質を総合的に分析することにより、その結果を再発防止策ならびにリスク軽減策の策定に活用しております。
④レピュテーショナルリスク
レピュテーショナルリスクとは、「マスコミ報道、評判・風説・風評等がきっかけとなり、損失を被るリスク」をいいます。レピュテーショナルリスクは、各種リスクとの連鎖性を有しており、顕在化した場合には、信用の失墜、株価の下落、取引先の減少、ブランドの毀損等、予想を超えた不利益を被る可能性があります。
当グループでは、レピュテーショナルリスクを経営上の重要なリスクの一つと位置付け、適時適切な情報開示等により信頼の維持・向上を図り、リスク顕在化の未然防止に努めております。具体的には、インターネット上の風説やマスコミによる憶測記事等、各種媒体等の確認を通じてリスク顕在化事象の早期把握に努めております。また、当グループ各社ならびに従業員のソーシャルメディア利用によるレピュテーショナルリスク発現の未然防止のため、「ソーシャルメディアポリシー」を制定しております。
レピュテーショナルリスクが顕在化した際には、迅速かつ適切な対応により当グループのステークホルダー(株主、お客さま、社員等)の利益を守り、影響の拡大防止に努めることとしております。当グループの経営に影響を及ぼす可能性があり、危機の程度が高い場合には、速やかに危機管理体制へ移行いたします。
なお、対外的なお問合せおよび公表窓口については、情報を集約するため、りそなホールディングスに一元化し、関西みらいフィナンシャルグループと連携して行う体制としております。
⑤重要な訴訟発生に伴うリスク
過去または今後の事業活動に関して当グループ各社に対し多額の損害賠償請求訴訟等を提起された場合など、その訴訟の帰趨によっては当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めております。
なお、現在、当グループには大口の損失や業務の制限等に繋がりかねない重要な訴訟はありません。
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症への対応と社会経済活動の両立が進む中、総じて持ち直しの動きとなりました。個人消費は物価上昇の影響を受けつつも緩やかな増加基調となりました。生産や輸出は供給制約の緩和により回復する場面もありましたが、年度末にかけては海外経済減速の影響を受け弱含みとなりました。消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数において、エネルギーや食料品等の価格上昇により1月に前年比+4.3%のピークをつけましたが、2月以降は政府の電気・ガス価格激変緩和対策により上昇率は鈍化しました。
海外経済は総じて回復基調となったものの、夏場以降は回復ペースが鈍化し一部で弱さがみられました。米国経済は緩やかな回復基調が続き、雇用情勢について堅調に推移した一方で、高インフレやFRBの金融引締めの影響等から製造業景況感や住宅市況には悪化がみられました。欧州経済は減速感が強まる場面もありましたが、年度末にかけエネルギー価格が下落すると減速基調は一服し、景気は底堅く推移しました。中国経済は新型コロナウイルスの感染者数の急増により停滞する場面もありましたが、年度末にかけては感染状況の落ち着きとゼロコロナ政策の転換により急回復しました。
金融市場では、インフレ高進により主要国で大幅な利上げが実施され、振れの激しい展開となりました。また年度末には米国地方銀行の破綻や欧州大手金融機関の救済合併を受けた金融不安から、リスク回避姿勢が強まりました。NYダウは9月末にかけて下落し一時3万ドルを割り込んだものの、その後は持ち直し11月以降は概ね3万2,000~3万4,000ドル台のレンジで推移しました。日経平均株価はグローバル経済の先行きに対する懸念が重石となる一方で円安進行による輸出企業業績への期待が下支えとなり、2万円台後半のレンジで上下する動きとなりました。米国長期金利はFRBの利上げ見通しが高まるなかで10月下旬に4.2%台のピークをつけたものの、その後はレンジを切り下げ3月に金融不安から一時3.3%を割り込みました。日本長期金利は日本銀行による長期金利誘導レンジ上限である0.25%付近で推移していましたが、12月の金融政策決定会合で誘導レンジが上下0.5%に拡大されると上限の0.5%近辺まで上昇し、その後年度末にかけては米国金利低下等を受けて0.3%台の水準にレンジを切り下げました。ドル円は日米金利格差の拡大等を背景に上昇し、10月に約32年ぶりの150円台に乗せたものの、その後は政府・日本銀行により為替介入が実施されたほか、米国金利低下や日銀による金融政策の修正の思惑から下落し、一時130円割れの水準となりました。
(業績)
業務粗利益は6,000億円と前連結会計年度比18億円減少しました。資金利益は、前連結会計年度比98億円減少して4,193億円となりました。資金利益のうち国内預貸金利益は貸出金利回りの低下により減少しましたが、貸出金の平残は増加しました。信託報酬と役務取引等利益を合わせたフィー収益は、保険販売、不動産等の承継関連業務及び決済関連業務等に係る収益が牽引し前連結会計年度比3億円増加の2,086億円となりました。有価証券ポートフォリオの健全化実施等により債券関係損益が損失となりましたが、その損失額は前連結会計年度比減少し、その他業務利益は前連結会計年度比77億円改善して309億円の損失となりました。経費(除く銀行臨時処理分)は、4,047億円と前連結会計年度比116億円減少しました。内訳では人件費は47億円、物件費は45億円減少しました。これらにより実質業務純益は、1,957億円と前連結会計年度比96億円増加しました。コア収益(*)は1,381億円と前連結会計年度比81億円増加しました。株式等関係損益は政策保有株式売却益の積上げ等により、前連結会計年度比85億円増加して541億円となりました。与信費用は前連結会計年度比427億円減少し159億円となりました。税金費用を加味して、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比504億円増加して、1,604億円となりました。
なお、1株当たり当期純利益は67円49銭となっております。
当社(単体)の経営成績については、営業収益はグループ会社からの受取配当金の増加等により、前事業年度比11億円増加して611億円、経常利益は前事業年度比25億円増加して549億円となり、当期純利益は前事業年度比24億円増加して553億円となりました。
財政状態については、連結総資産は前連結会計年度末比3兆3,423億円減少して74兆8,127億円となりました。資産の部では、貸出金は前連結会計年度末比1兆7,593億円増加して41兆3,572億円となりました。有価証券は地方債等の増加により前連結会計年度末比6,536億円増加して8兆3,862億円に、現金預け金は主に日銀預け金の減少により前連結会計年度末比5兆6,078億円減少して22兆3,915億円となりました。負債の部は前連結会計年度末比3兆4,173億円減少して72兆2,786億円となりました。そのうち預金は前連結会計年度末比9,766億円増加して61兆8,986億円に、コールマネー及び売渡手形は前連結会計年度末比1,489億円減少して1兆1,746億円に、債券貸借取引受入担保金は前連結会計年度末比1兆4,814億円増加して、2兆2,857億円に、借用金は主に日銀借入金の減少により前連結会計年度末比5兆5,168億円減少して3兆6,179億円となりました。純資産の部では、その他有価証券評価差額金は減少しましたが、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末比750億円増加の2兆5,340億円となりました。
また、信託財産は前連結会計年度末比2兆9,667億円減少して28兆8,744億円となりました。
(*) 国内預貸金利益+連結フィー収益+経費
なお、1株当たり純資産は、1,065円31銭となっております。
連結自己資本比率(国内基準)は12.48%となりました。
セグメントごとの業績は、以下のとおりとなりました。
個人部門は、業務粗利益が前連結会計年度比90億円増加し1,887億円となりました。経費、与信費用ともに減少して与信費用控除後業務純益は142億円増加し362億円となりました。
法人部門は、不動産業務や決済関連業務等が順調に推移し、業務粗利益は前連結会計年度比57億円増加の2,887億円となりました。また、与信費用が減少して、与信費用控除後業務純益は435億円増加の1,251億円となりました。
市場部門は、有価証券ポートフォリオの健全化を進めたこと等により、業務粗利益が前連結会計年度比36億円減少し16億円の損失に、与信費用控除後業務純益は64億円の損失となりました。
「関西みらいフィナンシャルグループ」は、業務粗利益が前連結会計年度比107億円減少して1,359億円となりました。与信費用は減少しましたが、与信費用控除後業務純益は前連結会計年度比21億円減少して308億円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5兆2,075億円の支出となりました。これは貸出金の増加や日銀借入金を主とする借用金が減少したこと等によるものです。前連結会計年度比では9兆985億円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,903億円の支出となりました。これは有価証券の取得による支出が、有価証券の売却及び償還による収入を上回ったこと等によるものです。前連結会計年度比では5,356億円の支出の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、640億円の支出となりました。これは配当金の支払及び自己株式の取得等によるものです。前連結会計年度比では1,062億円の支出の減少となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首残高に比べ5兆6,619億円減少して22兆2,575億円となりました。
当グループの中核事業は銀行業であり、主に首都圏や関西圏のお客さまから預入れいただいた預金を貸出金や有価証券で運用しております。
なお、当面の店舗・システム等への設備投資、並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
(参考)
当連結会計年度の資金運用収支は、国内では貸出金の平残は増加しましたが、貸出金利回りの低下等預貸金利益が減少したことにより前連結会計年度比110億円減少して4,138億円となりました。海外では主に貸出金利息の増加等により同比13億円増加して56億円となりました。合計(相殺消去後)では同比98億円減少して4,193億円となりました。
信託報酬は同比7億円増加して216億円、特定取引収支は同比1億円減少して30億円となりました。なお、信託報酬及び特定取引収支はすべて国内で計上しております。
また、役務取引等収支及びその他業務収支は国内がその大宗を占めており、それぞれ合計では同比4億円減少し1,870億円、同比77億円改善し309億円の損失となりました。国内のその他業務収支の改善は、主に有価証券ポートフォリオ健全化の実施等により、債券関係損益の損失が改善したことによるものです。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
3 資金調達費用は、金銭の信託運用見合額の利息を控除しております。
当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は、前連結会計年度比2,455億円減少して64兆5,541億円(相殺消去前)となりました。このうち国内は64兆3,705億円、海外は1,835億円となりました。資金運用勘定平均残高の減少は、主に貸出金の増加、日銀預け金の減少によるものです。資金調達勘定平均残高は、同比1,213億円減少して71兆9,886億円(相殺消去前)となりました。このうち国内は71兆8,391億円、海外は1,495億円となりました。資金調達勘定平均残高の減少は、主に預金の増加、日銀借入金の減少によるものです。
国内の貸出金平均残高は同比増加し、貸出金利回りが0.02ポイント減少しましたが、利息額は平均残高が増加したことにより同比増加となりました。資金運用勘定の利回りは、国内は同比0.02ポイント増加して0.70%、海外は同比0.31ポイント減少して4.11%、合計では同比0.03ポイント増加して0.71%となりました。資金調達勘定の利回りは、国内は同比0.03ポイント増加して0.05%、海外は同比0.39ポイント減少して1.27%、合計では同比0.04ポイント増加して0.05%となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の国内連結子会社については、月末毎又は半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除
しております。
(注) 1 「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の海外連結子会社については、月末毎又は半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除しております。
(注) 1 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除しております。
2 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
当連結会計年度の役務取引等収益合計は前連結会計年度比16億円増加して2,593億円、役務取引等費用合計は同比20億円増加して723億円となり、役務取引等収支合計では同比4億円減少して1,870億円となりました。なお、国内が役務取引等収支の大宗を占めております。
国内の役務取引等収益の主な増減要因は、代理業務に係る役務収益が同比46億円、信託関連業務に係る役務収益が同比31億円増加した一方、証券関連業務に係る役務収益が同比61億円、預金・貸出金業務に係る役務収益が同比35億円減少したこと等になります。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
当連結会計年度の特定取引収益は前連結会計年度比1億円減少して33億円、特定取引費用は同比ほぼ横ばいの2億円となりました。なお、特定取引収支はすべて国内で計上しております。
主な内訳は、特定金融派生商品収益が同比2億円減少して31億円、その他の特定取引収益が同比1億円増加して1億円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
当連結会計年度末の特定取引資産は前連結会計年度末比163億円減少して2,219億円、特定取引負債は同比221億円増加して483億円となり、すべて国内で計上しております。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
定期性預金=定期預金+定期積金
2 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
3 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
(注1) 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
(注2) 連結子会社である株式会社関西みらい銀行の2010年3月1日の合併により発生した貸出金に係る時価変動額は控除しております。
(注) 「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、地方公共団体、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国に所在する外国政府等の債権残高を掲げております。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、「海外」とは、海外連結子会社であります。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
3 「相殺消去額」は、連結会社間の取引その他連結上の調整であります。
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、株式会社りそな銀行、株式会社埼玉りそな銀行及び株式会社関西みらい銀行であります。
(注) 1 上記残高表には、金銭評価の困難な信託を除いております。
2 共同信託他社管理財産
(注) 1 信託財産の運用のため再信託された信託を含みます。
2 リスク管理債権の状況
資産の査定は、貸出金等の各勘定について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては粗利益配分手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
(単位:億円、%)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社としての業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(概要)
・当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比504億円増加し1,604億円となりました。2022年5月公表の通期目標(1,500億円)及び中期経営計画の目標(1,600億円)を共に達成いたしました。また、コア収益(国内預貸金利益+フィー収益+経費)は前連結会計年度比81億円の増益となりました。 国内預貸金利益は、前連結会計年度比38億円の減少、貸出金平残は同比3.20%の増加、貸出金利回りは4bps減少で、貸出金残高は計画比強含み、利回りは計画比やや弱含みとなりました。 フィー収益は、前連結会計年度比3億円増加の2,086億円となり、前年に続き過去最高益を更新しています。
経費は、4,047億円となりました。一人当たりの処遇改善をすすめる一方、グループベースでの最適配置を通じた総人員コントロール等により人件費は前連結会計年度比47億円減少、新営業店システム等の大型案件稼働に伴う償却費用の増加を預金保険料率の低下等により補完し、前連結会計年度比45億円減少しました。 株式等関係損益は、政策保有株式売却の進捗が寄与して前連結会計年度比85億円増加して541億円となりました。与信費用は159億円と前連結会計年度比427億円減少、年間計画(380億円)に対する費消率は41.9%に留まりました。
[重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定]
当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
・財政状態については、連結総資産は前連結会計年度末比3兆3,423億円減少して74兆8,127億円となりました。資産の部では、貸出金は前連結会計年度末比1兆7,593億円増加して41兆3,572億円となりました。有価証券は地方債等の増加により前連結会計年度末比6,536億円増加して8兆3,862億円に、現金預け金は主に日銀預け金の減少により前連結会計年度末比5兆6,078億円減少して22兆3,915億円となりました。負債の部は前連結会計年度末比3兆4,173億円減少して72兆2,786億円となりました。そのうち預金は前連結会計年度末比9,766億円増加して61兆8,986億円に、コールマネー及び売渡手形は前連結会計年度末比1,489億円減少して1兆1,746億円に、債券貸借取引受入担保金は前連結会計年度末比1兆4,814億円増加して、2兆2,857億円に、借用金は主に日銀借入金の減少により前連結会計年度末比5兆5,168億円減少して3兆6,179億円となりました。純資産の部では、その他有価証券評価差額金は減少しましたが、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末比750億円増加の2兆5,340億円となりました。
(目標とする経営指標)
なお、前中期計画で目標とする経営指標の状況は以下の表のとおりとなりました。
(*)国際統一基準・バーゼル3最終化ベース(完全実施基準) 、その他有価証券評価差額金除き
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比504億円増加し1,604億円となりました。通期目標及び中計目標共に達成いたしました。連結フィー収益比率は前連結会計年度比0.1ポイント増加の34.7%、連結経費率は前連結会計年度比1.7ポイント減少の67.4%、株主資本ROEは前連結会計年度比2.0ポイント増加の7.66%となりました。また、普通株式等Tier1比率「国際統一基準・バーゼル3最終化ベース(完全実施基準) 、その他有価証券評価差額金除き」は10%程度となりました。
2023年5月に「グループのパーパス、長期ビジョン、新たな中期経営計画について」を公表しています。これらについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題」をご参照ください。
(株主還元方針)
株主還元については、これまで着実に拡充を実現してまいりました。2022年度においては、普通株式1株当たり21円(中間配当10.5円及び期末配当10.5円)の配当を継続するとともに、2022年11月14日から12月23日にかけて、株主還元の充実、資本効率の向上および機動的な資本政策の遂行を目的として、総額約150億円の自己株式の取得を行いました。
当社は2023年5月12日に新たな中期経営計画(計画期間2023年4月1日~2026年3月31日)を公表しました。この中で、株主還元については、安定配当を継続するとともに、総還元性向の水準の50%程度への引き上げを目指していく方針としております。
本方針に基づき、2023年度については、1円増配し普通株式1株当たり22円(中間配当11円及び期末配当11円)の年間配当とする方針です。また、株主還元の充実、資本効率の向上および機動的な資本政策の遂行を目的として、2023年5月12日に100億円(上限)の自己株式の取得枠の設定を行いました。
1 経営成績の分析
(注)金額が損失又は減益の項目には△を付しております。
(1) 業務粗利益
・業務粗利益は前連結会計年度比18億円減少して6,000億円となりました。
・資金利益は、国内預貸金利益等の減少により前連結会計年度比98億円減少の4,193億円となりました。
・信託報酬と役務取引等利益を合わせたフィー収益は、保険販売、不動産等の承継関連業務及び決済関連業務等に係る収益が牽引し前連結会計年度比3億円増加の2,086億円となりました。連結フィー収益比率は前連結会計年度比0.1ポイント増加の34.7%となりました。
(2) 経費(除く銀行臨時処理分)
経費(除く銀行臨時処理分)は、一人当たりの処遇改善をすすめる一方、グループベースでの最適配置を通じた総人員コントロール等により人件費は前連結会計年度比47億円減少、新営業店システム等の大型案件稼働に伴う償却費用の増加を預金保険料率の低下等により補完し、前連結会計年度比45億円減少しました。
(3) 株式等関係損益
・株式等関係損益は、前連結会計年度比85億円増加し、541億円の利益となりました。なお、先物込の株式等関係損益は前連結会計年度比67億円増加して539億円となりました。
・政策保有株式については、2022年5月に計画を刷新し、2026年3月末までの4年間で800億円の削減を目指す新計画を策定・公表いたしました。削減ペースをさらに加速させた新たな計画の下、引き続き、残高縮減に取り組んでまいります。
(4) 与信費用
・与信費用は再生支援の取り組みの中で一部大口先からの戻入益等により、前連結会計年度比427億円減少の159億円となりました。年間計画(380億円)に対する費消率は41.9%に留まっています。
・また、金融再生法基準開示債権額は、前連結会計年度末比39億円減少の6,683億円、不良債権比率は前連結会計年度末比0.08ポイント減少の1.57%となりました。引き続き低水準で推移しております。
2 財政状態の分析
(1) 貸出金
・貸出金残高は、法人向けなどが伸び、前連結会計年度末比1兆7,593億円増加して、41兆3,572億円となりました。
・業種別の内訳では、製造業向けが3兆3,907億円、卸売業,小売業向けが3兆2,052億円、不動産業向けが9兆3,602億円などとなっております。
(注)株式会社りそな銀行、株式会社埼玉りそな銀行、株式会社関西みらい銀行、株式会社みなと銀行の単体計数(元本補塡契約のある信託勘定を含む)の単純合計を表示しております。
(2) 有価証券
・有価証券は、地方債、外債や投資信託等のその他の証券が増加し、前連結会計年度末比では6,536億円増加して、8兆3,862億円となりました。
・なお、その他有価証券の評価差額(時価のあるもの)は、債券を中心に前連結会計年度末比491億円減少し、4,647億円となっております。
(注) 連結貸借対照表の「有価証券」のほか、「現金預け金」中の譲渡性預け金、「買入金銭債権」中の信託受益権を含めて記載しております。
(3) 繰延税金資産
・繰延税金資産の純額は、前連結会計年度末比46億円減少の2億円となりました。
・繰延税金資産では主に貸倒引当金及び貸出金償却相当分が減少し、繰延税金負債では主にその他有価証券評価差額金相当分が減少しております。
・なお、当社を通算親会社としたグループ通算制度を前提に計算しております。
(4) 預金
・預金は、主に国内個人預金が増加し、前連結会計年度末比9,766億円増加して61兆8,986億円となりました。
・譲渡性預金は、前連結会計年度末比775億円減少して8,981億円となりました。
(注) 株式会社りそな銀行、株式会社埼玉りそな銀行、株式会社関西みらい銀行、株式会社みなと銀行の単体計数の単純合計を表示しており、特別国際金融取引勘定を除いております。
(5) 純資産の部
・純資産の部合計は、前連結会計年度末比750億円増加の2兆5,340億円となりました。
3 キャッシュ・フローの状況の分析
・営業活動によるキャッシュ・フローは、5兆2,075億円の支出となりました。これは貸出金の増加や日銀借入金を主とする借用金が減少したこと等によるものです。前連結会計年度比では9兆985億円の減少となりました。
・投資活動によるキャッシュ・フローは、3,903億円の支出となりました。これは有価証券の取得による支出が、有価証券の売却及び償還による収入を上回ったこと等によるものです。前連結会計年度比では5,356億円の支出の減少となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フローは、640億円の支出となりました。これは配当金の支払及び自己株式の取得等によるものです。前連結会計年度比では1,062億円の支出の減少となりました。
・これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首残高に比べ5兆6,619億円減少して22兆2,575億円となりました。
・当グループの中核事業は銀行業であり、主に首都圏や関西圏のお客さまから預入れいただいた預金を貸出金や有価証券で運用しております。
・なお、当面の店舗・システム等への設備投資、並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。