以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループのグループビジョンは、「スローガン『地域を超えて未来のために』」と「経営方針『健全なる積極進取』」を掲げ、お客さまへは「最高のサービスと利便性の提供」、地域へは「広がる地域の未来のために、地域の発展への貢献」、株主さまへは「新たな企業価値の創造」、従業員へは「夢あふれる金融グループへ」をミッションとし、健全性と収益性、成長性を兼ね備えた事業運営に取り組んでおります。
(2) 中長期的な経営戦略及び目標とする経営指標
ESG(環境・社会・ガバナンス)の重視や、SDGs(持続可能な開発目標)、Society5.0(仮想と現実が高度に融合された未来社会)への対応が求められる現代社会において、当社グループは、人口減少や地域産業の衰退などの社会課題に直面しております。また、新たな金融サービスへのニーズが高まる中、金融機関間の競争激化や、金融機能を有する新興勢力の脅威に晒されております。
そのような中、当社グループは、地域における幅広いネットワークと、これまでのビジネスで培った信頼と信用、地域に対する深い理解や情報、健全な財務体質などで、地域における存在感を有しております。これらの地域における存在感を強みに、徹底したコンサルティング起点のアプローチや、ビジネスや業務提携等を通じた金融ノウハウの蓄積などにより、総合的な金融機能を発揮しております。また、地方創生コンサルティングや、地域産品のブランド化、ITを活用した地域情報の提供等の非金融領域での取り組みも強化してまいりました。
これらの外部環境や当社グループの強みを踏まえ、これまでの取組みをさらに加速するため、2019年度に「YMFG中期経営計画2019」を策定しております。なお、計画の内容は、以下のとおりであります。
《ミッション》
志を以って地域の豊かな未来を共創する
《目指すべき姿》
金融の枠を超え、圧倒的な当事者意識を以って地域を巻き込み、社会課題を解決するリージョナル・バリューアップ・カンパニー(地域価値向上会社)
《基本目標》
①「地域共創モデルの確立」
・地域の社会課題を解決する「地域エコシステム」を、地域の皆さまと一緒に当社グループが中心となっ
て次々と生み出すモデル(=地域共創モデル)を確立します。
なお、「地域エコシステム」の重点テーマは、以下のとおりであります。
観光、農林水産、不動産開発、街づくり、空き家問題、地域インフラの輸出、PPP/PFIなどの官民連携、
高齢者サポート、健康・医療分野、物流、モビリティ、地域情報発信
・社会課題の解決を通じて地域価値を向上させると共に、SDGsに即した地域社会の実現に貢献します。
②「金融モデルの”SHINKA”」
既存の銀行モデルをお客さま目線から徹底的にSHINKA(①深化、②進化)させ、お客さまにとって
より高付加価値で便利な金融モデルを提供します。
a.法人事業戦略
・支店長及び法人外交が事業性評価に集中できる環境を整備し、事業性評価を起点に多様なソリューシ
ョンを提供します。
・グループの総合力を活かしたコンサルティング機能を強化し、お客さまの成長や経営の安定化を実現
します。
b.リテール事業戦略
・店舗チャネルの機能強化により、ライフプランニングを通じた長期伴走体制を構築します。
・全ての取引のWeb完結化など、デジタルチャネルを活用したお客さまとの接点拡大により、利便性の
向上を実現します。
c.デジタル・データ
・ペーパーレス化、電子化等により、本部及び営業店の業務効率化を実現します。
・グループ内のデータを集約した「統合データベース」を構築し、継続的に必要なデータを蓄積し活用
します。
d.銀行店舗の変革
・異業種との協業店舗や、営業時間延長、保険ショップ併設店舗や軽量化店舗等、店舗形態の多様化を
進めます。
・銀行事務スペースの極小化により生じる余剰空間を、地域課題解決に繋がるサービス提供者とコラ
ボレーションし活用します。
③「銀行文化と起業家精神の融合」
・CSV(共通価値の創造)経営に応じた企業文化や社員の考え方・行動に変革します。
・銀行文化の良い面は残しつつ、今後重要となる起業家精神を融合させてまいります。
《ビジネスモデル》
「地域共創モデル」と「金融モデル」が有機的に連携しながらそれぞれ発展し、「銀行文化と起業家精神の融合」が下支えする当社グループオリジナルのCSV経営モデル(YM-CSVモデル)を確立し、地域の社会価値の向上と当社グループの経済価値の向上を両立することを目指してまいります。
目標とする連結経営指標及び2020年3月期の実績は、以下のとおりであります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後の金融経済環境を展望しますと、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、諸外国での外出制限や失業急増などによる個人消費の減少、生産活動の大幅な低下、外需の落込みに伴う輸出の減少などから経済成長の大幅な減速が予想されており、国内経済においても、消費増税などの影響による景気減速感に加え、雇用や所得環境の悪化による個人消費のさらなる落込み、生産や輸出の減少による企業収益の低下など、先行きの不透明な状況は続くものとみられております。
地元経済においても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、企業収益の低下や個人消費の減少など先行き不透明な状況に加え、人口減少や少子高齢化、事業の後継者不足等の深刻な悩みを抱えており、いかに地域の企業、産業の活性化を図り、雇用の確保と地域経済の持続性を高めていくかが課題となっており、地域金融機関が地方創生、地域経済活性化の実現に向け果たすべき役割・ご期待は大きくなっていると認識しております。
また、地域金融機関を取巻く環境は、新たな金融サービスへのニーズが高まる中、フィンテックの台頭やAI等に代表される新技術の一層の進展、キャッシュレス化の推進により、あらゆる業種との業界の垣根を越えた競争に晒されております。
こうした環境下において、2019年度よりスタートした「YMFG中期経営計画2019」では、金融の枠を超え、圧倒的な当事者意識を以って地域を巻き込み、社会課題を解決するリージョナル・バリューアップ・カンパニー(地域価値向上会社)を目指しております。真に地域の皆さまのお役に立てる企業グループとなれるように、中期経営計画で掲げる3つの基本目標(①地域共創モデルの確立、②金融モデルの“SHINKA”、③銀行文化と起業家精神の融合)の達成に向けた取り組みを進め、地域の社会課題解決に努めてまいります。
今後も、地域の皆さまに最高のサービス・付加価値を提供できるように努め、地域経済の発展を通じて、企業価値の増大を図ってまいります。また、企業グループとして安定的で実効性の高いコーポレート・ガバナンス体制を構築してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 信用リスク
① 不良債権の状況
不良債権に対する十分な引当金を確保し資産の健全性を維持しているものの、今後の本邦及び地元地域の景気の動向、不動産価格及び株価の変動、当社グループの融資先の経営状況等によっては、不良債権及び与信関係費用が増加するおそれがあり、その結果、経営成績及び財政状態に悪影響を与え自己資本の減少につながる可能性があります。
また、これまでも鋭意不良債権のオフバランス化、不良債権に対する適切な処理や適正な水準の貸倒引当金を計上する等の対応を進めてきましたが、不良債権売却時の想定外の損失発生、もしくは想定を上回る償却の実施等をすることで、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
② 貸倒引当金の状況
貸倒引当金は、所定の基準に基づき、正常先債権及び要注意先債権に相当する債権については、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額に基づく損失見込額を、破綻懸念先債権に相当する債権については、債権額から担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した残額のうち必要と認める額を、破綻先債権及び実質破綻先債権に相当する債権については、債権額から担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した残額をそれぞれ計上しておりますが、実際の貸倒れが貸倒引当金計上時点における見込額と乖離し、貸倒引当金を大幅に超える可能性があります。この結果、実際の貸倒れが損失見込額を上回り、貸倒引当金が不十分となることがあります。
また、経済情勢全般の悪化、担保価値の下落、その他予期せざる事由により、設定した基準及び損失見込額を変更する必要が生じ、貸倒引当金の積み増しをすることで、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
③ 業種及び地域別貸出状況等
リスク管理面は、格付・業種・規模・地域別等に関するポートフォリオによる与信管理を行っております。
しかしながら、特定の業種から多額の不良債権が発生するおそれがあり、更にこれら業種の経営不振が長期化した場合、企業の倒産が新たに発生し、与信関係費用が増大し経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、当社グループは山口県、広島県及び北九州市を主たる営業基盤としており、地域経済の影響を特に強く受ける傾向にあります。そのため当該地域の経済状況により、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
④ 貸出先への対応
貸出先に債務不履行等が生じた場合であっても、回収の効率・実効性その他の観点から、当社グループが債権者として有する法的な権利を行使しない場合があります。また、これらの貸出先に対して、追加貸出等の支援や再起に向けた協力を行うこともあります。このような貸出先の信用状況の悪化や支援により、与信関係費用が増加することで、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑤ 新型コロナウイルス感染症の影響
現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた休業要請や外出自粛等により、地域のお客様は過去に経験したことのない厳しい状況に直面しております。この局面において、当社グループは個々の貸出先の状況を適時適切に把握するとともに、各種支援制度等の活用を含め、資金繰り等お客様の事業継続等に必要な様々な支援を実施してまいります。しかしながら、今後、さらに経営環境が悪化した場合には、与信関係費用が増加することで、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(2) 自己資本比率に関するリスク
① 自己資本比率
当社グループは海外営業拠点を有しておりますので、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第20号)に基づき、国際統一基準により連結自己資本比率を算出しており、総自己資本比率8%以上、Tier1比率6%以上、普通株式等Tier1比率4.5%以上の最低所要水準を維持する必要があります。自己資本比率は、現在、この水準を上回っておりますが、資本金、利益剰余金、保有有価証券の評価差額等の増減、リスク・アセット等が変動した場合には、自己資本比率に影響を与える可能性があります。
また、国際統一基準では、資本保全バッファー(各最低所要水準+2.5%)を備える必要があります。現在、このバッファー水準を上回っておりますが、一定水準を下回り、配当等の社外流出について制限を受ける場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
なお、銀行業を営む連結子会社におきましては、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に基づき、山口銀行は国際統一基準により、もみじ銀行及び北九州銀行は国内基準により、それぞれ単体自己資本比率を算出しております。
② 繰延税金資産
本連結会計年度末現在の本邦の会計基準では、ある一定の状況において、将来実現すると見込まれる税務上の便益を繰延税金資産として計上することが認められております。
国際統一基準においては、一時差異に係る繰延税金資産について一定の限度額まで自己資本の額に含めてよいこととされており、2012年金融庁告示第28号に従って計算した額を自己資本の額に含めております。
繰延税金資産の貸借対照表計上額は、将来の課税所得に関するものを含めた様々な予測・仮定に基づいているため、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、経営成績及び財政状態に悪影響を与えるとともに、自己資本比率の低下を招くおそれがあります。
(3) 市場リスク
① 金利リスク
銀行業を主たる業務としており、資金運用手段である貸出金の貸出金利、債券投資等の利回り、資金調達手段である預金の金利等は、市場金利の動向の影響を受けております。資金運用と資金調達との金額または期間等のミスマッチが生じている状況において、予期せぬ金利変動が生じた場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 保有有価証券等の価格変動リスク
投資等を目的として市場性のある有価証券を大量に保有しています。全般的かつ大幅な価格下落が続く場合には、保有有価証券に減損または評価損が発生し、経営成績及び財政状態に悪影響を与えるとともに、自己資本比率の低下を招くおそれがあります。
③ 為替取引
当社グループの業務は為替レート変動の影響を受けます。円高が進行した場合には、外貨建て取引の円換算額が目減りすることになります。さらに、資産及び負債の一部は外貨建てで表示されており、外貨建ての資産と負債の額が、通貨毎に同額で相殺されない場合又は適切にヘッジされていない場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 新型コロナウイルス感染症の影響
保有する有価証券等については、適切なリスク管理態勢を構築しております。しかしながら、今後、さらに金融市場が悪化した場合には、保有する有価証券の価格が下落することで、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(4) 流動性リスク
① 資金繰りリスク
預金による資金調達が大半を占める等、安定した調達基盤のもと資金管理をし、資金繰りを行っておりますが、運用と調達の不一致や予期せぬ資金の流出等により資金調達に支障をきたし、決済日の支払い義務を履行できなくなる、あるいは通常よりも著しく割高な金利での資金調達を余儀なくされることにより損失が発生する可能性があります。
② 市場流動性リスク
保有する有価証券等の売買において、市場の混乱等により取引ができなくなる、あるいは通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失が発生する可能性があります。
③ 流動性規制に関するリスク
国際統一基準においては、流動性カバレッジ比率100%以上を維持する必要があります。この流動性カバレッジ比率は、現在、基準を上回っておりますが、適格流動資産の額や資金流出額等の変動により、流動性カバレッジ比率が低下した場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(5) オペレーショナル・リスク
① 事務リスク
銀行業務を中心として、証券業務、クレジットカード業務など、地域密着型の総合金融サービスを展開しておりますが、役職員が正確な事務を怠るなど、事故・不正等を起こした場合には、直接的な損失の発生だけではなく、永年培ってきたお客様からの信頼失墜に繋がる可能性があり、結果として経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 情報漏洩リスク
お客様の預金情報、借入情報等、外部へ漏洩してはならない多くの情報を蓄積しております。オンラインシステムやその他のシステムへの外部からの侵入を防ぐ方策を講じておりますが、不測の事態により当該システム等の情報が外部へ流出する可能性があります。紙に出力された情報や電子記憶媒体に記録された情報は、情報資産管理規程に基づいて厳格に取り扱っておりますが、悪意を持った者や、情報を扱う者の過失等により外部へ流出する可能性があります。その場合、社会的責任を問われるだけでなく、損害賠償を請求される可能性があり、結果として経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ システムリスク
コンピューターシステムの停止や誤作動又は不正利用、外部からのサイバー攻撃等のシステムリスクに対して、システムの安全稼働やセキュリティ対策に万全を期す他、セキュリティポリシーに則った厳格な情報管理を行うなどの対策を実施しておりますが、災害、各種機器や通信回線の故障、プログラムの不備などによりシステムリスクが発生し、情報の破壊や流出が発生した場合、決済機能やサービス業務の停止、社会的信用の失墜等によって経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 法務リスク
法令遵守の徹底に努め、法令違反の未然防止体制を強化している中で、今後、様々な業務遂行にあたり、法令違反及びこれに対する訴訟が提起された場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人的リスク
有能な人材の確保や育成に努めておりますが、十分な人材の確保や育成ができず、競争力や効率性が低下した場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 風評リスク
当社グループや金融業界に関するネガティブな報道や風評が発生した場合、それが事実であるか否かにかかわらず、業績・財務状況及び株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 事業に関するリスク
① 競争に関するリスク
近年、金融制度の大幅な規制緩和に加え、地域金融機関の再編や他業態による金融分野への参入などにより、金融業界の競争環境が激化しております。この結果、当社グループの営業基盤において、他金融機関などに対して競争優位を得られない場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② ビジネス戦略が奏功しないリスク
銀行業務を中心として、証券業務、クレジットカード業務など、地域密着型の総合金融サービスを展開しているため、企業価値の向上を目指して様々なビジネス戦略を実施しておりますが、想定を上回る経営環境の変化等により、想定したとおりの収益が計上できない場合、あるいは想定を上回るコスト等が発生した場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、2019年度よりスタートした「YMFG中期経営計画2019」に基づき展開する経営戦略が奏功しない場合、当初想定した結果が得られない可能性があります。
③ 持株会社のリスク
当社は、銀行持株会社であり、収益の大宗は完全子会社である山口銀行、もみじ銀行及び北九州銀行が当社に対して支払う配当からなっております。一定の状況下では、銀行法及び会社法上の規制等により、山口銀行、もみじ銀行及び北九州銀行が当社に支払う配当の金額が制限される場合があります。また、山口銀行、もみじ銀行及び北九州銀行が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当を支払えない状況等が生じた場合は、当社は配当を支払えなくなるおそれがあります。
④ 業務範囲の拡大に伴うリスク
法令等の規制緩和に伴い、新たな収益機会を得るために業務範囲を拡大することがあります。業務範囲を拡大することに伴い、新たなリスクに晒されるほか、当該業務の拡大が予想どおりに進展しない場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) その他リスク
① 年金債務に関するリスク
年金資産の時価が下落した場合や運用利回りが低下した場合、または退職給付債務を計算する前提となる基礎率に変更等があった場合には、損失が発生する可能性があります。年金制度の変更により過去勤務債務の償却費用が発生する可能性があります。また、金利環境の変動その他の要因により退職給付債務の未積立額に悪影響を与える可能性があります。
② 固定資産の減損に関するリスク
保有する固定資産について「固定資産の減損に係る会計基準」を適用し、保有する固定資産の使用目的の変更、収益性の低下及び価額の下落などにより評価減が発生した場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 金融犯罪に関するリスク
キャッシュカードの偽造・盗難や振り込め詐欺等の金融機関を狙った犯罪が多発している状況を踏まえ、金融犯罪による被害発生を未然に防止するため、セキュリティ強化に向けた対策を講じております。しかしながら、高度化する金融犯罪等の発生により、不公正・不適切な取引を未然に防止できなかった場合には、不測の損失の発生や信用失墜等により、経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 規制変更のリスク
当社は、銀行持株会社であり、銀行法によって規制及び監督されており、また、本連結会計年度末現在の規制(法律、規則、政策、実務慣行等)に従って業務を遂行しております。このため、将来における規制の変更によって、業務遂行や経営成績及び財政状態、自己資本比率等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 格付低下のリスク
格付機関が当社の格付を引き下げた場合、取引において不利な条件を承諾せざるを得ない可能性や、または一定の取引を行うことができなくなり、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ コンプライアンス(法令遵守)に関するリスク
役職員全員によりコンプライアンス体制の強化を図るため、毎年コンプライアンス・プログラム実践項目を策定し、様々な取り組みを行っておりますが、コンプライアンス上の問題が発生した場合には、直接的な損失の発生だけではなく、永年培ってきたお客様からの信頼失墜に繋がる可能性があり、結果として経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 外的要因に関するリスク
自然災害(地震、風水害、感染症等)、人為的災害(テロ、サイバー攻撃等)及び技術的災害(停電、コンピューター・トラブル等)等の外的要因により、本部、店舗等各種拠点に障害が発生し、業務の全部又は一部の継続が脅かされ、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止への対応として、本社・営業店における分散勤務態勢やテレワークの導入、時差出勤等を含めた健康管理や予防策を実施しておりますが、同感染症の拡大が収束に向かわず長期間継続、または一層進行する場合などにおいて当社グループ社員における感染者が発生するなどして業務継続の確保が困難となり、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の業務運営、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
2019年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調を辿りましたが、期末にかけて新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により大幅に下押しされて、厳しい状況となりました。輸出や生産が弱含んだほか、改善傾向が続いていた雇用情勢にも影響が及びました。また、個人消費も、雇用情勢の影響などにより、弱い動きとなりました。
地元経済は、緩やかに回復していましたが、期末にかけて先行き不透明感が強まり、足踏み状態となりました。生産活動は、好調な国内外需要を背景に、総じて堅調に推移しましたが、下半期には、米中貿易摩擦に加えて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、輸送機械等の生産水準が低下しました。個人消費は、消費税増税前の駆け込み需要の反動もあり、下半期に弱含みました。一方、設備投資は、化学等の主要企業による能力増強投資の実施などにより、製造業の投資額が引き続き増加しました。
こうした中で、地域金融機関は、「地方創生」の観点から、地域経済発展への貢献という使命を果たすべく、財務体質及び収益力の強化とともに、資金供給の一層の円滑化や金融サービスのさらなる充実が強く要請されております。
このような金融経済環境の中、当社グループは当社株主やお取引先の皆さまのご支援のもと、役職員一丸となって経営基盤の拡充と業績の伸展、地域貢献に努めてまいりました。
当年度よりスタートした中期経営計画「YMFG中期経営計画2019」のもと、「金融の枠を超え、圧倒的な当事者意識を以って地域を巻き込み、社会課題を解決するリージョナル・バリューアップ・カンパニー(地域価値向上会社)」を目指すべき姿として掲げ、計画の実現に向けて邁進してまいりました。
地方創生への取り組みにつきましては、2019年7月に多様化する人材ニーズに幅広く対応するため、当社100%出資による人材紹介に係る新会社として、株式会社YMキャリアを設立しました。同社は、当社グループがこれまで培ってきた事業性評価活動を活用し、経営人材及び経営戦略に紐付く副業・兼業を含めた多様な人材紹介ソリューションの提供を通じた事業者さまの事業成長支援とともに、地域経済の活性化に繋げてまいります。
2020年1月には、株式会社愛媛銀行と業務提携(名称:西瀬戸パートナーシップ協定)に関する契約を締結しました。本提携では、西瀬戸地域における社会・経済の発展に貢献することを基本理念とし、法人分野、シップファイナンス分野、リテール分野、地域振興に関する分野、及びその他両者の発展に関する分野での連携を進めてまいります。
また、2019年12月には、地域企業のデジタルトランスフォーメーションによる活性化を支援するため、パブリッククラウドを活用した「統合データベース」を構築し、2020年1月には、山口大学と共同で地域のスタートアップ企業を育成・支援する取組みとして、投資ファンド「Fun Fun Drive 投資事業有限責任組合」を設立しました。さらに、後継者不在企業の事業承継課題の解決、及び都市部の優秀な若者に「経営者」というキャリアパスを提供する取組みとして設立したサーチファンドにおいて、2020年2月に日本初となる第1号案件を実行しました。
2020年4月には、当社グループの営業エリア内における農業分野の課題解決を目的として農業法人「株式会社バンカーズファーム」を設立、2020年10月に「畑わさび」生産を開始する予定としており、今後も「YMFG中期経営計画2019」で掲げる基本目標である「地域共創モデルの確立」の達成に向けて、地域の社会課題を解決する「地域エコシステム」を次々と生み出す体制を構築してまいります。
銀行業務におきましては、既存の銀行モデルをお客さま目線から徹底的に見直し、SHINKA(深化、進化)させる取り組みも進めております。法人事業では、事業性評価を起点とした多様なソリューションの提供、リテール事業では、ライフプランニングを通じた長期伴走体制の構築に努めてまいりました。今後も、「YMFG中期経営計画2019」で掲げる基本目標である「金融モデルのSHINKA(深化、進化)」の達成に向けて、お客さまにとってより高付加価値で便利な新たな金融モデルを提供できる体制を構築してまいります。
(財政状態)
預金は、お客さまの多様化するニーズにお応えすべく商品やサービスの充実とともに、地域に根ざした着実な営業展開を進めたことなどから、前連結会計年度末比1,287億円増加して9兆65億円となり、譲渡性預金と合わせますと、前連結会計年度末比2,952億円増加して9兆5,259億円となりました。
貸出金は、金融仲介機能を通じて地域金融機関としての責務を果たし、お取引先の信頼にお応えすべく資金需要に積極的姿勢で取り組んでまいりました結果、前連結会計年度末比2,443億円増加して7兆6,526億円となりました。
有価証券は、各種規制への対応を踏まえ、期間損益及びポートフォリオ全体での収益力増強方針に基づく運用を行った結果、国債や地方債の増加等により、前連結会計年度末比1,147億円増加して1兆5,127億円となりました。
総資産は、貸出金や有価証券残高が増加した結果、前連結会計年度末比3,013億円増加して10兆6,054億円となりました。
純資産は、利益の積み上げにより196億円増加したものの、その他有価証券評価差額金が361億円減少した結果、前連結会計年度末比307億円減少して6,302億円となりました。
(経営成績)
経常収益は、国債等債券売却益や株式等売却益の増加などにより、前連結会計年度比128億15百万円増加して1,754億5百万円となりました。経常費用は、国債等債券償還損や与信費用の増加を主因として、前連結会計年度比96億44百万円増加して1,388億3百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度比31億72百万円増加して366億2百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比22億43百万円増加して253億91百万円となりました。
また、包括利益は、その他有価証券評価差額金の減少を主因として、前連結会計年度比258億56百万円減少して△252億4百万円となりました。
なお、当社グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメントの業績は記載しておりません。
(キャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、譲渡性預金の増加を主因として、前連結会計年度比3,818億円増加して1,340億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出等により、前連結会計年度比5,054億円減少して△1,657億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権付社債の償還による支出等により、前連結会計年度比54億円減少して△390億円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は期中708億円減少して9,447億円となりました。
(参考)
(1) 国内・海外別収支
資金運用収支は、国内874億99百万円、海外6億69百万円、合計881億68百万円となりました。
役務取引等収支は、国内137億61百万円、海外△14百万円、合計137億47百万円となりました。
特定取引収支は、国内のみの取扱いで、13億4百万円となりました。
また、その他業務収支は、国内24億51百万円、海外56百万円、合計25億7百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社、銀行業を営む連結子会社(海外店を除く)及び国内に本店を有する銀行業以外の連結子会社であります。
2 「海外」とは、銀行業を営む連結子会社の海外店であります。
3 相殺消去額は、銀行業を営む連結子会社の海外店に係る本支店間の資金貸借の利息であります。
4 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用を控除して表示しております。
(参考)
(2) 国内・海外別資金運用/調達の状況
資金運用勘定は、国内が平均残高9兆6,742億円、利回り1.00%、海外が平均残高363億円、利回り2.86%、合計平均残高9兆6,859億円、利回り1.01%となり、利息は983億67百万円となりました。
資金調達勘定は、国内が平均残高9兆4,944億円、利回り0.10%、海外が平均残高358億円、利回り1.03%、合計平均残高9兆5,057億円、利回り0.10%となり、利息は101億98百万円となりました。
① 国内
(注) 1 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。
2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当社及び銀行業以外の国内連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高等を利用しております。
3 「国内」とは、当社、銀行業を営む連結子会社(海外店を除く)及び国内に本店を有する銀行業以外の連結子会社であります。
② 海外
(注) 1 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。
2 「海外」とは、銀行業を営む連結子会社の海外店であります。
③ 合計
(注) 1 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。
2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当社及び銀行業以外の国内連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高等を利用しております。
3 相殺消去額は、銀行業を営む連結子会社の海外店に係る本支店間の資金貸借の平均残高及び利息であります。
(参考)
(3) 国内・海外別役務取引の状況
役務取引等収益は、預金・貸出業務、為替業務及び証券関連業務を中心として、国内230億18百万円、海外10百万円、合計で230億28百万円となりました。
一方、役務取引等費用は、国内92億56百万円、海外25百万円、合計で92億82百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社、銀行業を営む連結子会社(海外店を除く)及び国内に本店を有する銀行業以外の連結子会社であります。
2 「海外」とは、銀行業を営む連結子会社の海外店であります。
(参考)
(4) 国内・海外別特定取引の状況
① 特定取引収益・費用の内訳
特定取引収益は、商品有価証券収益など13億4百万円を計上しました。
(注) 1 「国内」とは、当社、銀行業を営む連結子会社(海外店を除く)及び国内に本店を有する銀行業以外の連結子会社であります。
2 「海外」とは、銀行業を営む連結子会社の海外店であります。
② 特定取引資産・負債の内訳(末残)
特定取引の資産残高は、特定金融派生商品8億90百万円のほか、合計15億42百万円となりました。
一方、特定取引の負債残高は、特定金融派生商品の7億42百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社、銀行業を営む連結子会社(海外店を除く)及び国内に本店を有する銀行業以外の連結子会社であります。
2 「海外」とは、銀行業を営む連結子会社の海外店であります。
(参考)
(5) 国内・海外別預金残高の状況
預金の種類別残高(末残)
(注) 1 「国内」とは、当社、銀行業を営む連結子会社(海外店を除く)及び国内に本店を有する銀行業以外の連結子会社であります。
2 「海外」とは、銀行業を営む連結子会社の海外店であります。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金
(6) 国内・海外別貸出金残高の状況
(注) 1 「国内」とは、当社、銀行業を営む連結子会社(海外店を除く)及び国内に本店を有する銀行業以外の連結子会社であります。
2 「海外」とは、銀行業を営む連結子会社の海外店であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしておりますが、前連結会計年度末及び当連結会計年度末の外国政府等向け債権残高は該当ありません。
(参考)
(7) 国内・海外別有価証券の状況
有価証券残高(末残)
(注) 1 「国内」とは、当社、銀行業を営む連結子会社(海外店を除く)及び国内に本店を有する銀行業以外の連結子会社であります。
2 「海外」とは、銀行業を営む連結子会社の海外店であります。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用しております。また、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の計算は、粗利益配分手法を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準」(2019年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、算出しております。
連結自己資本比率(国際統一基準)
(単位:億円、%)
連結総自己資本比率(国際統一基準)は12.62%、連結Tier1比率は12.44%、連結普通株式等Tier1比率は12.41%となりました。
なお、各子銀行の自己資本比率、Tier1比率は以下のとおりとなりました。
山口銀行の単体総自己資本比率(国際統一基準)は15.24%、単体Tier1比率、単体普通株式等Tier1比率はともに15.10%となりました。
もみじ銀行の単体自己資本比率(国内基準)は10.31%となりました。
北九州銀行の単体自己資本比率(国内基準)は11.02%となりました。
持株レバレッジ比率(国際統一基準)
(単位:%)
持株レバレッジ比率(国際統一基準)は、5.53%となりました。
なお、山口銀行の単体レバレッジ比率(国際統一基準)は、6.37%となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社山口銀行、株式会社もみじ銀行及び株式会社北九州銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
① 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
② 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
③ 要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
④ 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記①から③までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社山口銀行の資産の査定の額
株式会社もみじ銀行の資産の査定の額
株式会社北九州銀行の資産の査定の額
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
イ.預金(譲渡性預金含む)
お客さまの多様化するニーズにお応えすべく商品やサービスの充実とともに、地域に根ざした着実な営業展開を進めたことなどから、山口銀行の預金は前事業年度末比504億円増加して4兆9,856億円、譲渡性預金と合わせますと、2,233億円増加して5兆3,589億円となりました。同様に、もみじ銀行の預金は前事業年度末比317億円増加して2兆9,473億円、譲渡性預金と合わせますと、284億円増加して3兆107億円となりました。また同様に、北九州銀行の預金は前事業年度末比476億円増加して1兆932億円、譲渡性預金と合わせますと、444億円増加して1兆1,811億円となりました。その結果として、当社グループ連結の預金は前連結会計年度末比1,287億円増加して9兆65億円、譲渡性預金と合わせますと、2,952億円増加して9兆5,259億円となりました。
ロ.貸出金
金融仲介機能を通じて地域金融機関としての責務を果たし、お取引先の信頼にお応えすべく資金需要に積極的姿勢で取り組んでまいりました結果、山口銀行は前事業年度末比1,917億円増加して4兆2,347億円、もみじ銀行は前事業年度末比636億円増加して2兆3,169億円、北九州銀行は前事業年度末比216億円増加して1兆1,807億円となりました。その結果として、当社グループ連結では前連結会計年度末比2,443億円増加して7兆6,526億円となりました。引続き事業性評価活動の実践及び長期伴走体制を構築し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うお取引先への資金繰り支援、シップファイナンス業務の高度化などにより貸出金の増加に取り組んでまいります。
ハ.有価証券
各種規制への対応を踏まえ、期間損益及びポートフォリオ全体での収益力増強方針に基づく運用を行った結果、山口銀行は前事業年度末比492億円増加して9,458億円、もみじ銀行は前事業年度末比690億円増加して5,277億円、北九州銀行は前事業年度末比47億円減少して364億円となりました。その結果として、当社グループ連結では前連結会計年度末比1,147億円増加して1兆5,127億円となりました。
ニ.総資産
主要勘定等の増減により、山口銀行は前事業年度末比2,314億円増加して6兆754億円、もみじ銀行は前事業年度末比681億円増加して3兆2,685億円、北九州銀行は前事業年度末比268億円増加して1兆3,389億円となりました。その結果、当社グループ連結では前連結会計年度末比3,013億円増加して10兆6,054億円となりました。
ホ.純資産
当社グループ連結の純資産は、その他有価証券評価差額金の減少を主因として、前連結会計年度末比307億円減少して6,302億円となりました。
なお、「YMFG中期経営計画2019」において目標とする経営指標と2020年3月期実績につきましては、「第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略及び目標とする経営指標」に記載しております。
(経営成績の分析)
当社グループ連結につきましては、役務取引等利益の減少や与信関係費用の増加があったものの、国債等債券損益や株式等関係損益の増加などにより、経常利益は前連結会計年度比31億72百万円増加して366億2百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比22億43百万円増加して253億91百万円となりました。
山口銀行につきましては、株式等関係損益の増加等により、経常利益は前事業年度比54億71百万円増加して307億53百万円、当期純利益は前事業年度比42億14百万円増加して230億1百万円となりました。
もみじ銀行につきましては、与信関係費用の増加等により、経常利益は前事業年度比19億53百万円減少して76億52百万円、当期純利益は前事業年度比14億20百万円減少して62億86百万円となりました。
北九州銀行につきましては、株式等関係損益の増加等により、経常利益は前事業年度比21億68百万円増加して54億57百万円、当期純利益は前事業年度比15億76百万円増加して41億10百万円となりました。
2019年度計画に対する当連結会計年度の実績につきましては、与信関係費用の増加、役務取引等利益の減少等を主因として、経常利益は計画比△33億98百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、計画比△11億9百万円となりました。
2020年度の業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うお取引先への資金繰り支援等による貸出金の増加、シップファイナンス業務の高度化による海事産業向け貸出金の増加などによる資金利益の増加、また法人事業におけるコンサルティング体制強化による収益増加、リテール事業においてライフプランニングの展開による収益増加を見込んでおりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などを踏まえて、有価証券収益の減少や貸倒引当金の発生可能性を織り込んでいるため、全体では減益を見込んでおります。
(経営成績に重要な影響を与える要因についての分析)
イ.貸出金利息
貸出金平均残高は、前連結会計年度比239,020百万円(年率3.3%)の増加となったものの、貸出金利回りは、前連結会計年度比0.06%の低下となった結果、貸出金利息は、前連結会計年度比1,323百万円の減少となりました。
ロ.役務取引等利益
役務取引等収益は、事業性評価に係るコンサルティング手数料等は増加したものの、投資信託や生命保険の販売手数料収入及び、証券販売手数料収入が減少したことなどから、前連結会計年度比869百万円の減少となったことに加え、役務取引等費用も、前連結会計年度比225百万円の増加となった結果、役務取引等利益は、前連結会計年度比1,093百万円の減少となりました。
ハ.与信関係費用
与信関係費用は、前年度及び当年度の貸倒損失発生に伴う、貸倒実績率の上昇による一般貸倒引当金繰入額の増加及び不良債権処理額の増加により、前連結会計年度比45億5百万円増加して121億90百万円となりました。
ニ.株式等関係損益
株式等関係損益は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による株価下落により株式等償却額は増加したものの、政策保有株式の売却及び期中の機動的売買による株式等売却益の増加により、前連結会計年度比13億72百万円増加して86億14百万円となりました。
ホ.国債等債券損益
国債等債券損益は、株式私募投信の売却により国債等債券償還損が増加したものの、金利低下による国債等債券売却益の増加により、前連結会計年度比28億10百万円増加して70億52百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、譲渡性預金の増加を主因として、前連結会計年度比3,818億円増加して1,340億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出等により、前連結会計年度比5,054億円減少して△1,657億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権付社債の償還による支出等により、前連結会計年度比54億円減少して△390億円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は期中708億円減少して9,447億円となりました。
当連結会計年度における、資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りであります。
当社グループの中核事業は銀行業であり、主に本店ほか支店が立地する地域のお客さまから預け入れいただいた預金を貸出金や有価証券で運用しております。
固定資産の取得等の資本的支出につきましては、自己資金にて対応しております。また、今後の固定資産の取得や各事業分野への投資等、並びに株主還元等についても自己資金にて対応する予定であります。
なお、期間損益や自己資本の安定成長を図るべく、これら資本の財源及び資金の流動性等については、リスクの状況等を把握の上、適切な管理を行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループが連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは次の通りであります。
《貸倒引当金》
当社グループにおける貸出金等の債権は総資産に占める割合が高く、経済情勢の悪化など予期せざる事由によって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定と実績に差異などが生じた場合には、経営成績等に影響を与える可能性が大きいため、会計上の見積りにおいて重要と判断しております。
銀行業を営む連結子会社の貸倒引当金は、予め定めている償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。
正常先債権及び要注意先債権に相当する債権については、一定の種類毎に分類し、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額を見込んで計上しております。予想損失額は、1年間又は3年間の貸倒実績又は倒産実績を基礎とした貸倒実績率又は倒産確率の過去の一定期間における平均値に、将来見込み等必要な修正を加えて算定しております。破綻懸念先債権に相当する債権については、債権額から担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち必要と認める額を計上しております。破綻先債権及び実質破綻先債権に相当する債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した残額を計上しております。
すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業部店及び自己査定実施部署が資産査定を実施しております。
銀行業以外の連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。
当社は、貸出金等債権の評価に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は合理的であり、貸倒引当金は債権全体に対して十分計上し、また債権額は回収可能性を勘案して回収可能額を計上していると判断しております。ただし、会計上の見積りに用いた仮定において過去の貸倒実績又は倒産実績を基礎とした数値に基づいていることから将来において不確実性があり、経済情勢の悪化、担保価値の下落、その他予期せざる事由により、将来貸倒引当金の積み増しをすることで、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済への影響は、今後一定期間継続すると想定しております。当社グループは個々の貸出先の状況を適時適切に把握するとともに、各種支援制度等の活用を含め、資金繰り等お客様の事業継続等に必要な様々な支援を実施していることから、貸出金等の与信費用への影響は限定的であるとの仮定を置いて貸倒引当金を算定しております。なお、当該仮定には不確実性があり、今後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束に向かわず長期間継続、または一層進行する場合等において、さらに経営環境が悪化した場合には、翌連結会計年度以降の貸倒引当金に重要な影響を及ぼす可能性があります。
該当ありません。
該当ありません。