第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 

当中間連結会計期間において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は発生しておりません。また、第23期有価証券報告書(2024年6月18日提出)に記載した「事業等のリスク」に重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

以下の記載における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国の景気は、一部に足踏みが残るものの、雇用・所得環境の改善が進んだことで緩やかな回復基調が続きました。一方、物価上昇に伴う消費者の生活防衛意識の変化や、欧米での高い金利水準による景気への影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。

このような環境の中、当中間連結会計期間の当社連結業績は、経常収益106,283百万円(前中間連結会計期間比15.2%増)、経常利益16,751百万円(同2.1%増)となりました。また、前中間連結会計期間において特別利益に負ののれん発生益21,540百万円を計上した反動減があったことから、親会社株主に帰属する中間純利益は10,940百万円(同66.4%減)となりました。

なお、セブン銀行単体では、経常収益68,958百万円(前中間会計期間比7.5%増)、経常利益17,118百万円(同1.1%増)、中間純利益11,734百万円(同2.3%増)となりました。

 

 

前中間連結会計期間

(百万円)

当中間連結会計期間

(百万円)

増減率(%)

経常収益

92,222

106,283

15.2

経常利益

16,405

16,751

2.1

親会社株主に帰属する

中間純利益

32,610

10,940

△66.4

 

 

 セグメント別の概況・業績は、以下のとおりであります。

 

○国内事業(銀行業その他)セグメント

当中間連結会計期間は、預貯金金融機関や、消費者金融等のノンバンクの取引件数が堅調に増加したことに加え、当社ATMを利用した各種キャッシュレス決済への現金でのチャージ取引件数も引続き順調に増加したことにより、ATM総利用件数は前年同期を上回る水準で推移いたしました。

2024年9月末現在のATM設置台数は27,702台(2023年9月末比2.2%増)、当中間連結会計期間のATM1日1台当たり平均利用件数は107.7件(前年同期間比2.9%増)、ATM総利用件数は542百万件(同5.2%増)となりました。なお、2024年9月末現在の提携金融機関等は681先(注)、第4世代ATMの設置台数は23,362台(2023年9月末比46.1%増)となりました。

また、ATMの共同運営やグループ外への積極的な設置を通じ、いつでもどこでもサービスが受けられる環境づくりに加え、ATMによるマイナンバーカードの健康保険証利用申込みや、マイナポータル情報連携サービスの提供、さらには、金融機関などの諸手続をATMで受け付ける新サービス「+Connect(プラスコネクト)」を提供するなど、ATMの可能性を広げるサービスプラットフォーム戦略も着実に進めております。

今後も物価上昇や金利・為替相場の変動、キャッシュレス化の進展等により、依然として先行き不透明な事業環境が予想されますが、ATMの社会的価値を現金プラットフォームからサービスプラットフォームへと進化させ、社会の変化・お客さまニーズの変化に柔軟に対応したATMプラットフォーム戦略を今後も推進してまいります。

 

(注)JAバンク及びJFマリンバンクについては、業態としてそれぞれ1つとしております。

 

 

個人のお客さまの預金口座数は3,175千口座(2023年9月末比10.3%増)と順調に増加し、個人向け預金残高は6,065億円(同2.8%増)、個人向けローンサービスの残高は513億円(同30.1%増)となりました。

また、「セブン銀行後払いサービス」の当中間連結会計期間における取扱高は353億円(前中間連結会計期間比22.7%増)となりました。

 

これらの結果、当中間連結会計期間の国内事業(銀行業その他)セグメントにおける経常収益は70,712百万円(前中間連結会計期間比6.6%増)、経常利益は16,923百万円(同1.6%増)となりました。

 

○クレジットカード・電子マネー事業セグメント

当社連結子会社の株式会社セブン・カードサービスは、クレジットカード事業・電子マネー事業を運営しております。

2024年9月末時点でのクレジットカード会員数は340万人、金融商品残高は451億円となりました。なお、当中間連結会計期間のクレジットカードショッピング取扱高は4,018億円となりました。

また、2024年9月末時点での電子マネー「nanaco」会員数は8,279万人、当中間連結会計期間の電子マネー取扱高は8,451億円となりました。

 

これらの結果、当中間連結会計期間のクレジットカード・電子マネー事業セグメントにおける経常収益は14,821百万円、経常利益は928百万円となりました。

 

○海外事業セグメント

米国における当社連結子会社のFCTI, Inc.は、米国セブン‐イレブン店舗にATMを設置しており、2024年6月末時点のATM設置台数は8,530台(2023年6月末比1.1%減)となりました。

インドネシアにおける当社連結子会社PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONALは、現地コンビニエンスストア店舗へのATM設置を推進しており、2024年6月末時点のATM設置台数は8,892台(2023年6月末比31.7%増)となりました。

また、フィリピンにおける当社連結子会社Pito AxM Platform, Inc.は、フィリピン国内のセブン‐イレブン店舗へのATM設置が堅調に推移し、2024年6月末時点のATM設置台数は3,427台(2023年6月末比29.9%増)となりました。

 

なお、2024年5月30日にはマレーシアにおいて、現地企業と合弁で当社連結子会社のATM運営事業会社ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL MALAYSIA SDN. BHD.を設立し、2024年中のサービス開始を目指しております。

 

これらの結果、当中間連結会計期間の海外事業セグメントにおける経常収益は21,229百万円(前中間連結会計期間比18.0%増)、経常損失は1,097百万円(同13.4%増)となりました。

 

当社は社会の変化に伴い顕在化・深刻化する社会課題解決への貢献をビジネス機会と捉え、これまで培ったノウハウに加え、外部企業とも連携し、さまざまなお客さまのニーズに応じた新たな金融サービスを提供することを目指してまいります。

 

総資産は、1,569,239百万円となりました。このうちATM運営のために必要な現金預け金が933,866百万円と過半を占めております。この他、主に為替決済、日本銀行当座貸越取引の担保等として必要な有価証券が127,576百万円、提携金融機関との一時的な立替金であるATM仮払金が102,624百万円、クレジットカード事業における債権である会員未収金が130,397百万円となっております。

負債は、1,287,257百万円となりました。このうち主なものは預金であり、その残高(譲渡性預金を除く)は871,845百万円となっております。なお、個人向け普通預金残高は493,306百万円、定期預金残高は113,253百万円となっております。

純資産は、281,981百万円となりました。このうち利益剰余金は206,311百万円となっております。

 

 

前連結会計年度

(百万円)(A)

当中間連結会計期間

(百万円)(B)

増減(百万円)

(B)-(A)

総資産

1,717,818

1,569,239

△148,579

負債

1,441,962

1,287,257

△154,704

純資産

275,856

281,981

6,125

 

 

 

①国内・海外別収支

当中間連結会計期間の資金運用収支は前中間連結会計期間比1,320百万円増加4,366百万円、役務取引等収支は同7,615百万円増加70,025百万円、その他業務収支は同143百万円増加185百万円となりました。

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額
(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前中間連結会計期間

3,312

△266

3,045

当中間連結会計期間

4,664

△298

4,366

 うち資金運用収益

前中間連結会計期間

3,441

160

3,601

当中間連結会計期間

4,992

258

5,251

 うち資金調達費用

前中間連結会計期間

129

427

556

当中間連結会計期間

327

557

885

役務取引等収支

前中間連結会計期間

55,599

6,809

62,409

当中間連結会計期間

60,759

9,266

70,025

 うち役務取引等収益

前中間連結会計期間

69,861

17,731

87,593

当中間連結会計期間

77,346

20,982

98,328

 うち役務取引等費用

前中間連結会計期間

14,262

10,921

25,183

当中間連結会計期間

16,587

11,715

28,303

その他業務収支

前中間連結会計期間

54

△12

41

当中間連結会計期間

186

△0

185

 うちその他業務収益

前中間連結会計期間

54

△12

41

当中間連結会計期間

186

△0

185

 うちその他業務費用

前中間連結会計期間

12

△12

当中間連結会計期間

0

△0

 

(注)1.「国内」とは、当社及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)であります。

 2.「海外」とは、海外に本店を有する連結子会社(以下、「海外連結子会社」という。)であります。

 3.特定取引収支はありません。

 4.「相殺消去額」には、「国内」、「海外」間の内部取引の相殺消去額等を記載しております。

 

 

②国内・海外別役務取引の状況

当中間連結会計期間の役務取引等収益は、ATM関連業務78,024百万円及び為替業務1,995百万円等により合計で前中間連結会計期間比10,735百万円増加98,328百万円となりました。役務取引等費用は、ATM関連業務21,232百万円及び為替業務974百万円等により合計で同3,119百万円増加28,303百万円となりました。

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額
(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前中間連結会計期間

69,861

17,731

87,593

当中間連結会計期間

77,346

20,982

98,328

 うち預金・貸出業務

前中間連結会計期間

114

114

当中間連結会計期間

107

107

 うち為替業務

前中間連結会計期間

1,773

1,773

当中間連結会計期間

1,995

1,995

 うちATM関連業務

前中間連結会計期間

55,548

17,663

73,211

当中間連結会計期間

57,097

20,926

78,024

役務取引等費用

前中間連結会計期間

14,262

10,921

25,183

当中間連結会計期間

16,587

11,715

28,303

 うち為替業務

前中間連結会計期間

849

849

当中間連結会計期間

974

974

 うちATM関連業務

前中間連結会計期間

10,074

10,355

20,430

当中間連結会計期間

10,313

10,919

21,232

 

(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。

 2.「海外」とは、海外連結子会社であります。

 

③国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額
(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前中間連結会計期間

872,645

872,645

当中間連結会計期間

871,845

871,845

 うち流動性預金

前中間連結会計期間

646,262

646,262

当中間連結会計期間

648,383

648,383

 うち定期性預金

前中間連結会計期間

226,234

226,234

当中間連結会計期間

214,128

214,128

 うちその他

前中間連結会計期間

148

148

当中間連結会計期間

9,334

9,334

譲渡性預金

前中間連結会計期間

1,260

1,260

当中間連結会計期間

830

830

総合計

前中間連結会計期間

873,905

873,905

当中間連結会計期間

872,675

872,675

 

(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。

 2.「海外」とは、海外連結子会社であります。

 3.流動性預金=普通預金

 4.定期性預金=定期預金

 

④国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)

 

業種別

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内

51,572

100.0

63,012

100.0

 個人

51,572

100.0

63,012

100.0

 その他

海外

30

100.0

 個人

30

100.0

 その他

合計

51,603

63,012

 

(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。

 2.「海外」とは、海外連結子会社であります。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前中間連結会計期間末より170,124百万円減少し、933,483百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。

当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、コールマネー等の純増減△50,000百万円及び預金の純増減△43,031百万円等の減少要因が、コールローン等の純増減10,000百万円及びATM未決済資金の純増減52,966百万円等の増加要因を上回ったことにより20,658百万円の支出となりました。

当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出△26,738百万円等の減少要因が、有価証券の償還による収入16,345百万円等の増加要因を上回ったことにより30,721百万円の支出となりました。

当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額6,459百万円等の減少要因により6,426百万円の支出となりました。

 

 

前中間連結会計期間
(百万円)(A)

当中間連結会計期間
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

営業活動による
キャッシュ・フロー

186,650

△20,658

△207,309

投資活動による
キャッシュ・フロー

△31,639

△30,721

918

財務活動による
キャッシュ・フロー

△4,829

△6,426

△1,596

現金及び現金同等物の
中間期末残高

1,103,607

933,483

△170,124

 

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定、経営方針・経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定、当社グループの経営方針・経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(5)従業員数

当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。

 

(6)主要な設備

当中間連結会計期間において、主要な設備に重要な異動はありません。また、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備計画に著しい変更はありません。

 

 

(自己資本比率の状況)

 

(参考)

自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

 

(単位:百万円、%)

 

2024年9月30日

1.連結自己資本比率(2/3)

30.78

2.連結における自己資本の額

234,742

3.リスク・アセットの額

762,420

4.連結総所要自己資本額

30,496

 

 

単体自己資本比率(国内基準)

 

(単位:百万円、%)

 

2024年9月30日

1.自己資本比率(2/3)

42.29

2.単体における自己資本の額

217,694

3.リスク・アセットの額

514,679

4.単体総所要自己資本額

20,587

 

 

 

(資産の査定)

 

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当社の中間貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるものについて債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2.危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3.要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4.正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

資産の査定の額

 

債権の区分

2023年9月30日

2024年9月30日

金額(百万円)

金額(百万円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

72

90

危険債権

要管理債権

正常債権

191,379

165,712

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

 

当社連結子会社のFCTI, Inc.は、7-Eleven, Inc.との間で、米国内のセブン‐イレブン店舗(Speedwayを含む)を対象とするATM設置契約を更新いたしました。