本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末において判断したものであります。
お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。
1.お客さまのニーズに的確に応え、信頼される銀行を目指します。
2.社員一人一人が、技術革新の成果をスピーディーに取り入れ、自己変革に取り組んでいきます。
3.安全かつ効率的な決済インフラの提供を通じて、我が国の金融システムの安定と発展に貢献します。
当社は、セブン&アイグループの2万店以上の店舗インフラを活用し、原則24時間365日利用できるATMネットワークを構築することで、お客さまの暮らしに密着した「おサイフ」代わりの銀行サービスを「安全、確実、迅速」に提供することに努めます。
また、利便性の高い当社ATMネットワークを他の金融機関等に活用いただくことでお客さまサービスの向上や事業効率化に繋げていただく等、共存共栄の理念に基づいたサービスの実現を図ります。
さらに、お客さまの「ふだんの暮らし」に密着した金融サービスを広く提供することにより、幅広いお客さまにより多くご来店いただくように努力することで、セブン&アイグループとの相乗効果を追求してまいります。
当社は、取巻く事業環境の大きな変化に対応し持続的に企業価値を向上させるため、収益構造に厚みを持たすべく事業の多角化を推進しております。当社グループの長期的な持続可能性・成長性を最大化すべく2021年5月に策定した中期経営計画では、連結経常収益拡大を最重視した施策を推進しております。なお、中期経営計画の実行度合いを評価する指標として、計画最終年度の連結KPIを以下のとおり設定しております。
(3)経営環境
当社グループを取巻く事業環境は国内外における物価や金利の上昇、デジタル技術進展に伴う決済手段の多様化や異業種の金融事業への新規参入、環境・社会課題への意識の高まり等、急速に変化しております。これまで以上に社会の変化、お客さまのニーズの多様化を敏感に捉え、技術革新の成果をスピーディーに取り入れた柔軟な経営が求められていると認識しております。
加えて格差拡大、気候変動等の社会課題が顕在化・深刻化しており、企業も社会を構成する一員として、その解決に対し、これまで以上に真摯に向き合う時代を迎えております。
当社グループは、「お客さまの『あったらいいな』を超えて、日常の未来を生みだし続ける。」ために存在します。この存在意義に基づきセブン銀行はお客さまの生活に寄り添い「近くて便利」、「信頼と安心」を実現するユニークな銀行として、持続的な成長を目指してまいります。
2025年までの5ヵ年を当社が持続的に成長し、「第二の成長を具体化していく」期間と位置づけ、中期経営計画(2021年度~2025年度)を策定しております。本中期経営計画では、以下の3つの基本施策を推進してまいります。
<基本施策>
①基幹事業であるATMプラットフォーム事業の変革と積極的な投資を通じた戦略事業分野での事業多角化
②サステナビリティを長期的な経営戦略の根幹と位置づけ、深刻化・顕在化する社会課題に対し事業活動を通じて貢献し、社会・企業双方における新たな価値創造を持続的に推進
③持続的成長の原動力となる事業・運営の両面における企業変革(コーポレート・トランスフォーメーション)の推進
(5)対処すべき課題
当社グループは、環境変化を更なる変革と飛躍のチャンスと捉えており、以下の課題に対処することにより、当社グループの持続的成長を実現し、お客さまや社会に必要とされる企業であり続けたいと考えております。
<国内事業(銀行業その他)セグメント>
■ATMプラットフォーム戦略
これまで当社が中核事業としてきたATMの現金プラットフォーム事業は、キャッシュレス化の進展などにより、大きな転換点を迎えておりますが、従来から取り扱ってきた金融機関の現金入出金取引に加え、コード決済等への現金チャージ取引が大きく増加したことなどにより、当社のATM年間総利用件数は今なお増加を続けております。当社は、決済環境の変化は新しいATMサービスが生まれるチャンスであるとの認識のもと、デジタル化、キャッシュレス化の流れの中でも、リアルとバーチャルの貴重な接点として、引続きATMを通じて、お客さまに安心で便利なサービスを提供する取組みを続けてまいります。
なお、2019年9月より当社が入替を進めてきた第4世代ATMは、2025年3月末を以て、全台の入替が完了いたしました。これにより、第4世代ATMで新たに実装した機能(本人認証機能、スキャニング機能等)を活用して金融機関などの手続きを行える新サービス「+Connect(プラスコネクト)」を日本全国のセブン銀行ATMで提供することが可能となりました。また、2025年2月には、「+Connect」のさらなる展開として、顔認証機能を活用して現金入出金取引ができる新サービス「FACE CASH(フェイスキャッシュ)」を開始し、新しい金融体験をお客さまにお届けしております。今後も、「+Connect」の提携先拡大及び提供サービスの拡充を図り、セブン銀行ATMがサービスプラットフォームとして、あらゆる手続き・認証の窓口となる世界の実現を目指してまいります。
■リテール戦略
金融リテール分野では、キャッシュレス化の進展による、生活様式・決済体験の変化や、非金融系企業の金融事業への新規参入などによる競争環境の激化が進んでいます。このような中、当社は、セブン&アイグループとの連携強化を図りながら、流通グループ発祥の銀行ならではの親しみやすくユニークな金融サービスを開発・提供する取組みを拡大してまいります。
日本国内における外国人居住者の増加を背景に、当社グループは、セブン銀行海外送金サービスやセブン銀行ATMを介した海外送金事業者との協業、海外グループ会社との連携といった強みを活かしながら、外国人居住者に使っていただきやすい金融サービスを提供することで、誰もが暮らしやすい社会を目指し、多文化共生の実現に貢献してまいります。
■法人戦略
当社が創業来蓄積し、強みとしている銀行品質の事務処理能力や安心・安全な資金管理・資金移動の仕組み、認証などのセキュリティの高いテクノロジーについて、金融機関や一般事業者に提供するサービスの拡大を図ってまいりました。昨今、進化するDXの技術をいち早く取り入れ、外部事業者とも協力しながら事業規模の拡大に努めてまいります。
<クレジットカード・電子マネー事業セグメント>
当社連結子会社である株式会社セブン・カードサービスは、セブン&アイグループの決済サービス事業会社として、クレジットカード「セブンカード・プラス/セブンカード」と電子マネー「nanaco」を発行・運営し、お客さまの毎日の便利を支えています。今後は、セブン銀行の金融リテール事業と一体運営することで、両社が培ってきたノウハウ・専門性を統合・拡充しつつ、セブン&アイグループとの連携を深化させていくことで、「ふだんの暮らし」に密着した金融サービスの提供に挑み続けてまいります。
<海外事業セグメント>
米国では、高水準の政策金利やインフレの進行により資金調達コストや運営コストが増加しておりますが、ATMオペレーションの最適化に取組むことで、様々なコスト削減策を講じております。また、現在米国セブン‐イレブン店舗に設置している約8,300台のATMに加えて、新たにSpeedway約3,000店舗へのATM設置を開始し、全米でのATMネットワークをさらに強固なものとしてまいります。さらに、この強固なATMネットワークを基盤としながら米国セブン‐イレブンとの協業を拡大し、小売と金融を組み合わせた独自の金融サービスを提供することで、米国市場での顧客基盤の強化と事業の多角化を目指してまいります。
アジアでは、インドネシア・フィリピンの2カ国で、積極的なATM設置を継続しており、両国ともに国内最大規模のATM事業者にまで成長しております。
また、2025年1月からは、マレーシアにおいてもATM運営事業を開始いたしました。
今後は各国におけるATMネットワーク網を引続き強化するとともに、ATMを入口とした多層的な金融サービスの実現にも取組んでまいります。
当社グループは、創業以来、事業活動を通じて社会課題・環境問題の解決に取組んでまいりました。常にお客さまの想いに寄り添い、真摯に対応する姿勢はこれからも変わりません。「お客さまの『あったらいいな』を超えて、日常の未来を生みだし続ける。」というパーパスの実現に向けて、多様なステークホルダーの皆さまとともに、豊かな社会と地球の未来に貢献してまいります。
当社グループでは、「事業活動を通じて環境・社会課題の解決に積極的に取組み、環境・社会と企業双方に価値を創り出すこと」及び「お客さまや社会から支持され環境や社会と共存する企業として主体的に果たすべき社会的責務」をサステナビリティと定義し、長期的な経営戦略の根幹に位置づけ、多様化する社会課題の解決と新しい価値創造を目指し、さまざまな取組みを実践しております。
2024年度は外部環境の変化と当社グループの事業ポートフォリオ変革に対応するため、2019年に策定した「5つの重点課題」の見直しを行いました。ステークホルダーへのアンケートや社内ディスカッション、更に有識者とのダイアローグを通して、改めて当社が優先的に取組む課題を再検証し、パーパスを実現するための価値創造の観点から、新たな5つの重点課題を策定いたしました。
当社グループの5つの重点課題
1.気候変動への取組み
当社グループでは、5つの重点課題の一つとして、「豊かな社会と地球の未来に貢献する」ことを掲げており、気候変動への対応も重要な経営課題の一つと位置づけております。2021年に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しており、2023年には気候変動が自社の事業活動や収益等に与える影響を把握するため、当社の主力事業であるATMプラットフォーム事業を対象としたシナリオ分析を実施、気候変動によるリスク及び機会を特定し、財務インパクトを試算しました。今後も気候関連のリスク及び機会に対して、具体的な対策を講じるとともに、当社グループ全体で脱炭素社会の実現に向けたさまざまな取組みを行ってまいります。
なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末において判断したものであります。
当社グループでは、経営会議の諮問機関である「サステナビリティ委員会」において、気候変動に関する重要事項の協議や、グループ各社の社会課題や環境問題の解決に向けた取組み状況の把握と併せて、グループ全体でのサステナビリティ情報開示や外部評価の対応を行っております。
また、気候関連リスクについては、同じく経営会議の諮問機関である「リスク管理委員会」と連携し、取締役会により毎年度決定される「リスク管理基本方針」に沿って、気候変動に起因する影響を含めた統合的リスク管理の状況、評価、対応を行っており、四半期ごとに全社的なリスク状況を確認しております。「サステナビリティ委員会」および「リスク管理委員会」は、気候変動を含むサステナビリティに関する事項に関して、それぞれ必要に応じて経営会議および取締役会へ付議・報告する体制を構築しており、経営の意思決定・監督機関として、サステナビリティに関する基本方針および業務運営における重要事項の決定並びに業務執行について監督しております。
「サステナビリティ委員会」では、主力事業であるATMプラットフォーム事業を対象として、2022年3月期末時点の情報をもとに、2030年時点を想定したシナリオ分析を実施しました。その中で特に事業インパクトの大きいと想定される異常気象による物理的リスクに関しては、財務的インパクトを試算しております。
■想定するシナリオの条件
気候変動のシナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書をベースとして2℃以下と4℃シナリオを想定し、それぞれの世界で当社ATM事業に与える様々な要因を抽出し、財務的な影響を評価した上で、リスクと機会を特定しました。
■気候変動によるリスク及び機会の特定
*短期:1年、中期:1年~5年、長期:5年~30年
■財務インパクトの試算
シナリオ分析の結果、事業インパクトが大きいと評価された異常気象による当社設置ATMへの被害と影響については、ハザードマップから全国のATM設置場所で洪水・高潮の発生頻度や発生確率を割り出し、被害を受けた場合のATM実機の損害についてATM復旧費用及び稼働停止による損失を算出し、財務インパクトを試算しました。
■当社の主な取組みについて
気候変動関連のリスク及び機会に対応し、当社グループでは脱炭素社会の実現に向けた様々な取組みを行っております。
当社グループでは、気候関連リスクについて「リスク管理基本方針」内の統合的リスク管理方針として、リスク評価結果・モニタリングを通じて外部・内部環境の変化に即応した機動性の高いリスク管理を実践することを定めており、全社的なリスク管理体制の中で気候関連リスクを把握・管理するプロセスに組み込まれております。
リスク管理体制の整備状況は、
一方、機会については、「サステナビリティ委員会」にて、重点課題の一つである「豊かな社会と地球の未来に貢献する」について各事業部やグループ各社での取組状況を定期的にヒアリングしており、グループ全体での環境への取組みを強化しております。また、2024年2月よりATM関連の主要事業パートナー3社と共同で「ATMパートナーサステナビリティ会議」を立ち上げました。これまで以上に環境負荷低減や社会課題解決に貢献できるATMネットワークの構築を目指し、サプライチェーン一体でサステナビリティ戦略を推進してまいります。
またScope1について、社用車の利用に係る移動燃焼をセブン銀行単体で算定いたしました。海外子会社4社でも社用車の利用がありますが、算定に必要な数値実績の把握が現状困難であることと、対象車両の台数が限定的であり、影響が軽微であると考えられることから、グループ連結での算定を行っておりません。今後、グループ連結でのScope3のCO2排出量算定に併せて、当社グループにおけるCO2排出量の目標設定について検討していく予定です。
Scope2の算定対象範囲は以下の通りです。
[国内]
・株式会社セブン銀行
オフィス5拠点:東京都千代田区2ヵ所、東京都墨田区、神奈川県横浜市、大阪府豊中市
ATM直営店3拠点:東京都新宿区(※1)、東京都港区、大阪府大阪市
・株式会社セブン・ペイメントサービス
オフィス1拠点:東京都千代田区(※2)
・株式会社ACSiON
オフィス1拠点:東京都千代田区(※2)
・株式会社バンク・ビジネスファクトリー
オフィス3拠点:神奈川県横浜市、長崎県長崎市2か所
・株式会社ビバビーダメディカルライフ(※3)
オフィス1拠点:神奈川県大和市
・株式会社セブン・カードサービス(※4)
オフィス3拠点:東京都千代田区2ヵ所(※5)、埼玉県さいたま市
[海外]
・FCTI, Inc.(ダラス、アメリカ合衆国)(※6)
・PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL(ジャカルタ、インドネシア共和国)
・Pito AxM Platform, Inc.(マニラ、フィリピン共和国)
・ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL MALAYSIA SDN. BHD.(クアラルンプール、マレーシア)(※7)
※1.2024年1月に閉店
※2.株式会社セブン銀行と同一の東京都千代田区のオフィスを利用
※3.2022年11月より子会社化
※4.2023年7月より子会社化
※5.2025年1月より株式会社セブン銀行と同一の東京都千代田区のオフィスを利用。それ以前は東京都千代田区の別オフィスを利用しており、いずれの拠点も当該期間の算定対象範囲に含める。
※6.2024年4月より移転。2024年3月以前はロサンゼルスのオフィスを利用
※7.2024年5月設立
算定方法として、GHGプロトコルを採用し、原則国内についてはマーケット基準(契約した電力メニューに基づく算定)、海外についてはロケーション基準(特定の地域の平均排出原単位に基づく算定)で算定しております。また一部電気使用量の実数把握が困難な拠点については、ロケーション基準手法の床面積推定値を用いて算定しています。算定にはいずれもパーセフォニ社の炭素会計プラットフォームを活用しております。
(単位:t-CO2)
なお2021年度~2023年度のセブン銀行単体でのScope3での排出量は以下の通りとなります。
(単位:t-CO2)
2.人財戦略
当社グループでは、5つの重点課題の一つとして、「誰もが活躍できる社会づくりを進める」ことを掲げており、グループ全体として、人権と多様性を尊重し、誰もが生きがい・働きがいを実感できる企業を目指し取組んでおります。そのため、性別・年齢・国籍等を問わず活躍できる機会を創出し、さまざまな社員の能力強化による生産性の向上や多様な人財の育成、また、誰もが活躍できる環境をつくることが、人々の豊かな生活と社会の継続的な発展につながると考えております。
(1)人的資本経営の方針
当社の人的資本経営とは、パーパスに掲げる「日常の未来」の実現に向け、企業価値向上の主体である“社員”の自律的成長を支援し活躍の場を提供することで、全社員がイノベーションマインドによる事業挑戦を通じて社会に貢献することです。人的資本経営の推進主体である社員について、当社が求める人財像として、新たな事業・ビジネスの拡大に向けた「自律型人財」を設定し、「事業・ビジネスの基盤となる“多様なスキルと専門性を持つ人財”」「事業・ビジネスを拡げ・創造する“事業を企画し挑戦する人財”」「多様な仲間との協働のため“コミュニケーションが取れる人財”」を定義しております。
(2)人事ポリシーと人財戦略
人事ポリシーは人財戦略を実現するための土台の考え方で、社員の自律的成長を促すことで、パーパスの実現に向けて社員も会社も共に成長することを目指しております。社員の自律的成長の観点では、社員が実現したい未来に向けて自ら進化を続けるため、変化を恐れず自由な発想で挑戦できるマインド醸成に関する取組みを推進しております。また、継続的な成長支援の観点では、社員が最大限に力を発揮し成長できる環境を提供するため、多様な人財が活躍できる機会の創出に努めております。
人財戦略については、事業環境変化に対応した第2の成長の加速に向けて、経営戦略の3つの柱である「成長戦略」「社会課題解決への貢献」「企業変革」と連動して策定しております。成長戦略の実現にあたり、当社の人財に必要なスキル・マインドについて現状とのギャップを明確化した「採用・育成」、誰もが活躍できる社会を実現するための「多様な人財の活躍」、自律型人財を育成するための組織変革・ビジネスモデル変革につながる「エンゲージメント向上」「イノベーションマインドの醸成」「生産性向上」に関する取組みを推進しております。
(3)人財育成方針、社内環境整備方針
① 採用
採用にあたっては、「差別的な扱いは行わず、雇用における機会均等に努める」ことを原則としています。また、豊富な知見と経験を有するキャリア人財の積極的な採用も進めております。
② 育成・登用
当社では、一人ひとりのポテンシャルを見極めるため、適切なローテーションを通じて適性を確認しながら中長期的な視点で育成を行います。自律型人財が活躍できるよう、各ステージに必要な知識やスキルを習得するための研修を実施しております。また、社員の成長を促すべく、公平な評価を行い、それに基づいた登用を行っております。
③ 社内環境整備方針
一人ひとりが個性を活かし、力を発揮し成長することが会社の成長につながると考え、2024年度に人事制度の全面的な見直しを行った他、「エキスパートキャリア制度」「社員登用制度」「マスターズ社員制度」といった多様なキャリアを実現する制度や「在宅勤務制度」「育児・介護休業制度」等の働きやすさを促進する制度を導入し、活用促進に努めております。
(4)指標と目標
当社グループでは上記に記載した、人財育成方針及び社内環境整備方針に関する指標について、以下の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は下記の通りです。
なお、当社では、当該指標に関する関連データの管理と共に具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難です。このため、以下の指標に関する目標及び実績は、特に明記した場合を除き提出会社のものを記載しております。
① 女性管理職:2025年度末に30%を目指してまいります(2024年度末時点 18.7%)
② 中途採用管理職:2024年度末時点において90%超となっております。
③ 外国人管理職:成長戦略の一つとして、海外事業を展開しております。海外子会社の役員・管理職は海外雇用社員を登用するなどグローバルな展開を推進しております。海外子会社役員・管理職の海外雇用社員登用比率は2024年度末時点において50%を超えており、現状維持に今後も努めてまいります。
以下において、当社の事業その他に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社の事業その他に関するリスクは、これらのものに限られるものではなく、当社の認識していないリスクを含め、これら以外のリスクが無いという保証はありません。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末において判断したものであります。
なお、経営に係る各種リスクを適切に認識・管理するための枠組みとして、当社は取締役会により決定される「リスク管理基本方針」のもと、全社的なリスク管理方針、各種リスク管理方針及びリスク管理組織・体制を定めております。また、リスクに関する経営会議の諮問機関として「リスク管理委員会」、「ALM委員会」及び「セキュリティ委員会」を設置し、全社的なリスク管理統括部署としてリスク統括部を設置するとともに各種リスクの管理統括部署を設置し、適切なリスク管理を実践しております。
1.事業戦略上のリスク
当社の国内事業(銀行業その他)の収入は、ATMプラットフォーム事業に大きく依存しております。お客さまの利便性、安心感の向上を実現するために、堅実なATM台数の増加及び独自の新ATMサービスの開発・提供、セキュリティの強化等を推進しておりますが、ATMプラットフォーム事業のビジネスモデルを脅かす以下のような変化があった場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
将来、キャッシュレス化が更に進んだ場合は、ATM利用件数が減少し、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
このような環境下においても、従来の概念にない新たなATMサービス(交通系電子マネー、コード決済等へのチャージ取引やATM受取(現金受取サービス)、マイナンバーカードを活用した取引、新型ATMを活用した新サービス「+Connect」等)を創造するなどして、ATMの社会的価値を拡大し、利用件数の向上を目指してまいります。
当社は、セブン&アイグループ外のコンビニエンスストア等に対してATMを設置する会社等との間では競合関係にあります。また、ATMネットワークを有する金融機関等がATM展開を積極化する場合には、当社との競合関係が拡大するおそれがあります。
将来、これらの会社等との競争が激化し、当社ATM利用者又はATM受入手数料の減少等が生じる場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
当社が提携先から受取るATM受入手数料は、双方の事業にとって合理的と判断される水準に定めておりますが、ATM受入手数料の水準が引下げられた場合、またはATM受入手数料の水準が折合わず提携関係が解消された場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
当社はセブン&アイグループ内の各店舗を始め、商業施設等のセブン&アイグループ外にもATM設置を拡大し、安定的にATM設置場所を確保、拡大しておりますが、将来、ATM設置場所の確保、拡大に支障を来す場合、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
提携先のビジネスに関連する法令・規則等の改正により、提携先のお客さまの当社ATM利用が大幅に減少した場合には、ATM受入手数料収入の減少等により、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、ATMプラットフォーム事業を行うために必要な現金を、預金や社債等により調達しておりますが、これらの資金調達コストは市場の金利動向に影響を受けております。
当社では、金利変動の影響を小さくするため長期固定金利での調達を行う等、相応の対策を講じておりますが、大幅な金利変動により予期せぬ資金調達コストの上昇が生じた場合には、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
また、当社は、普通預金や定期預金、個人向けローンサービス、海外送金サービス、デビットサービス等の提供を行っているほか、国内の連結子会社を通じて他金融機関等からの事務受託事業等に取組んでおります。しかし、これらのサービスが順調に拡大する保証はありません。
事業領域拡大のために、現在取扱っていない他の金融サービスの提供等、新事業を開始する可能性がありますが、これらが成功する保証はありません。新事業の展開に際し、連結子会社設立やM&A及び他社との資本提携を実施する可能性があります。しかし、これらの戦略的投資について、当初期待した効果が得られず戦略目的が達成できない場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
(2)クレジットカード・電子マネー事業セグメント
クレジットカード業界では、規制緩和及び技術の進展により異業種からの新規参入等で競争が激化するとともに、競合他社との戦略の差別化が難しくなっており、当社グループが競争に十分対応することができない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 経済条件の変更
当社グループがセブン&アイグループの店舗や、セブン&アイグループ外の企業から受け取る加盟店手数料は、双方の事業にとって合理的と判断される水準に定めておりますが、加盟店手数料の水準が引下げられた場合、または加盟店手数料の水準が折合わず提携関係が解消された場合、当社グループの損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
③ 各種規制及び法制度の変更
当社グループは、現時点の規制に従って、また、規制上のリスクを伴って業務を遂行しております。当社グループの事業は、会社経営に係る一般的な法令諸規則のほか、金融関連法令諸規則の適用を受けておりますが、これらの法令諸規則は将来において改正もしくは解釈の変更や厳格化、又は新たな法的規制によって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、海外にATM運営を行う連結子会社を有しております。今後、これら連結子会社を取巻く政治・経済環境に大きな変化、あるいは自然災害等の不測の事態が生じた場合や、これら連結子会社の業績が不振に陥った場合は、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
海外事業では、ATM事業を行うために必要な現金を金融機関等から調達しておりますが、市場金利が上昇した場合には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。加えて、為替レートの変動により、当社の利益が減少する可能性があります。
上記連結子会社ではATM設置への強い需要に対応して設置台数を拡大しておりますが、設置場所は日本国内と比べ治安が不安定な地域も含まれております。さまざまな犯罪を想定のうえ、十分な安全対策を講じておりますが、ATMへの物理的な攻撃その他想定外の犯罪に遭遇し、ATM損傷又はATM機内現金を盗取された場合、損失が生じるおそれがあります。
当社は、有形固定資産やのれん等の無形固定資産を保有しております。保有資産・連結子会社等の収益性悪化やその他資産価値の毀損等により減損処理が必要になった場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、システムリスク管理についての基本的な考え方を「システムリスク管理規程」に定め、規程に基づきシステム開発・運用を行うことで、効率的な開発・品質向上及び安定運用を実現できるよう努めております。また、常時2つのセンターが稼働するシステム構成の採用、サーバ・ネットワーク機器の冗長化、24時間365日の運用監視等、システム障害への対策を実施するとともに、重要度に応じたファイル・プログラム等のバックアップを行い、不測の事態に備え隔地保管を実施しております。
しかし、大地震、台風等の自然災害、停電、ネットワーク障害、コンピュータウィルス等による障害又は人為的なミスによるシステム機能停止等の危険性を完全に排除することはできず、その場合には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
当社は、ATM装填用現金の交換や各種システムの開発・運用のほか、ATMの保守・管理、コールセンター業務等の重要な業務を外部委託しております。また、預金口座開設に係る業務のうち、キャッシュカード発行・郵送業務等も外部委託しております。
現在、これらの外部委託先との関係は良好ですが、外部委託先の事業環境悪化等により委託手数料が高騰した場合や何らかの事情により外部委託先のサービス提供が困難になった場合等には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
当社の事業戦略、人事政策、資本政策等は、全て当社が独立して主体的に検討の上、決定しておりますが、当社は、セブン&アイグループ内の店舗を中心にATMを設置することでATMプラットフォーム事業を展開しております。
当社は株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東証プライム上場)の連結子会社であり、当連結会計年度末現在において、同社は当社議決権の46.44%を所有しております。同社は、今後も引続き大株主であり続けるものと想定され、当社の方針決定に何らかの影響を与えないという保証はありません。
当社の2025年3月末時点のATM設置台数は、セブン&アイグループ内においては23,594台(内訳は、セブン‐イレブン店舗内22,970台、その他624台)となっております。また、セブン&アイグループ外においては4,396台となっております。このように、当社ATMの約84%はセブン&アイグループ内に設置されていることから、セブン&アイグループ内にATMを設置し続けることが困難になった場合やセブン&アイグループの店舗の来客数が著しく減少した場合には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
また、当社は、セブン&アイグループに対してATM設置手数料を支払っておりますが、条件の大幅な変動により当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
セブン&アイグループ各社に関連する重要な取引は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載しております。
当社は、ATMを中心とした非対面取引を基本とした銀行としての特殊性を認識し、口座開設時の取引時確認を厳正に行っております。また、ATM利用状況、口座利用状況を随時監視し、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与等の金融犯罪防止に係る態勢強化に努め、お客さまの保護に注力しております。また、クレジットカード業、貸金業を営む株式会社セブン・カードサービス等の当社連結子会社においても、その業態のリスクに基づいたリスクベースのリスク管理態勢構築の更なる強化に取り組んでおります。しかし、犯罪手口の急激な高度化・巧妙化より一時的に対策が追いつかない場合には、風評の悪化等により社会的評価や損益に影響が及ぶおそれがあります。
主に予防法務に重点を置き、弁護士等の専門家等と連携を取りながら、リスクの極小化に努めております。しかし、将来にわたって法令違反や不完全な契約締結等の法律上の問題を原因として、当社の損益及び財務状況に影響を及ぼす訴訟や係争が発生しない保証はありません。
当社は、現行の法令・規則等に従い業務を遂行しておりますが、将来の法令改正等の内容及びその影響を予測しコントロールすることは困難であり、将来に亘り当社の想定どおりに事業を遂行できる保証はありません。
当社は、銀行法第4条第1項の規定に基づき、銀行業を営むことについての免許(免許書番号金監第1812号)の交付を受け、預金、為替、貸付業務をはじめとした種々の業務を営んでおります。ただし、銀行法第4条第4項の規定(注)に基づき当社の免許には一定の条件が付されており、今後、外貨預金等の新たな業務を行う場合には、改めて、監督官庁の長たる金融庁長官の承認が必要となります。
したがって、承認申請の進捗状況によっては、当社の事業計画どおりに新事業を展開できないおそれがあり、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
また、銀行業については、銀行法第26条において業務の停止等及び同第27条において免許の取消し等の要件が定められており、当該要件に該当した場合、業務の停止及び免許の取消しを命じられるおそれがあります。
現時点で、当社はこれらの事由に該当する事実はないと認識しておりますが、将来、何らかの事由により業務の停止及び免許の取消し等があった場合には、当社の事業活動に支障をきたし、会社の損益に重大な影響を与えるおそれがあります。
(注)銀行法第4条第4項:内閣総理大臣は、前二項の規定による審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。
9.自己資本比率の低下
当社は、海外営業拠点を有していないため、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)」に定められた国内基準である自己資本比率4%以上を維持する必要があります。
現状、当社の自己資本比率はこの水準を大幅に上回っております。しかし、本項に示した事業等に係る各種リスクが顕在化した場合、もしくは将来的に当該規制等が変更された場合に、その結果として要求される自己資本比率の水準を充足できなくなる可能性があります。
当社は、銀行業務を行うに際して、多数の個人情報をはじめとするお客さまの情報を保有しております。当社は、「個人情報の保護に関する法律」に定められる個人情報取扱事業者として同法に基づき個人情報の利用目的の公表または通知、個人データの安全管理、本人からの保有個人データの開示請求等には十分留意し、その旨を「個人情報管理規程」に定め社内に周知徹底しております。さらに外部委託先との間で個人情報の取扱いに関する覚書を締結し、厳格な管理を徹底しておりますが、大規模な情報漏洩等により、お客さま等に甚大な被害を及ぼす事態が生じた場合には、監督官庁からの命令、罰則等の適用を受けるほか、当社への損害賠償請求や風評の悪化等により、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
現在、当社は、S&Pグローバル・レーティングから発行体格付けとして、長期「A」(アウトルック「安定的」)及び短期「A-1」を得ているほか、株式会社格付投資情報センターから発行体格付け「AA-」(格付けの方向性は「安定的」)を得ております。
しかし、この格付けが将来にわたって維持できる保証はなく、引下げがあった場合には、当社の資本・資金調達に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、ATMプラットフォーム事業を中心とした業容の継続的な拡大に加え、新たな事業開拓のために必要とされる人財を確保することが、事業戦略上必要であると考えております。
当社は、人財採用に関して、他の金融機関のみならず、インターネットサービス関連企業やシステム関連企業と競合関係にあるために、必要とされる人財を採用・育成し定着を図ることができない場合には、当社の損益や今後の事業展開に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、「風評リスク管理規程」を定め、当該規程において、認識すべき風評リスクの範囲を以下のとおり定めております。
・顧客やマーケット、インターネット、ソーシャル・ネットワーキング・サービスや電子メール等における当社
グループに関する風評、風説の類
・マスコミの誤報もしくは恣意的な報道等によって発生する当社グループに関する風評等
・システム障害、個人情報漏洩、事務ミス等の当社グループにて発生した事故もしくは経営の根幹に関する問題
等についての当社グループの不適切な外部対応に起因する外部からのネガティブな評価
・提携先、外部委託先、その他取引先等に関する風評等
これらの風評リスクに対し、事実に基づき的確かつ緊急に対応することを基本方針とし、当社グループに損害をもたらし得る風評等の発生を抑止するとともに、万一の発生時には適切な対処をすること、及び当社グループにおいて事故もしくは経営の根幹に関わる問題等が発生した場合に適切な外部対応を実施することで、当社グループの損害発生を最小限にとどめることができるよう体制を整備しております。
しかし、当社グループは、提携先や外部委託先も多く、必ずしも当社に責めがない場合においても様々なトラブルに巻込まれるおそれがあり、その結果として風評等の悪化により社会的評価や損益に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、感染症の発生及び拡大時の対応として、在宅勤務・時差出勤の推進、社内外を問わないオンライン会議の実施等により当社及び外部委託先の従業員の感染を防止する体制を整備していますが、感染が拡大することで事業運営に支障を来し、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
地政学的な緊張の高まり等を背景とした資源価格上昇等や構造的な人手不足等に起因する人件費上昇などにより、ATM運営費用や部材調達コスト等も上昇した場合、事業運営に支障を来すほか、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
気候変動により大雨・台風・洪水といった自然災害の頻度が増加した場合、ATMをはじめとする当社設備が損傷することで営業活動に支障を来すほか、影響が長引けば経済活動が制限されATMの利用低下等を招くなど、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、気候変動は経営上重要な課題の一つと位置付け、2021年12月にTCFD提言に賛同しました。TCFDの枠組みに準拠し、事業活動に与える影響を検証するとともに、順次開示を進めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、一部に足踏みが残るものの、雇用・所得環境の改善が進んだことで緩やかな回復基調が続きました。一方、物価上昇の継続に伴う消費者マインドの変化や、金利・為替相場の変動による景気への影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況も続いています。
このような環境の中、人流回帰や資金需要の回復によりATM総利用件数が増加したことや、2023年7月1日付で連結子会社化した株式会社セブン・カードサービスの収益を通期で計上した影響などにより増収となりました。一方で、新型の第4世代ATMへの更改などを主因として費用も増加し、経常利益は減益となりました。なお、前連結会計年度において特別利益に負ののれん発生益21,540百万円を計上した反動減があったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は大きく減益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の当社連結業績は、経常収益214,408百万円(前連結会計年度比8.3%増)、経常利益30,289百万円(同0.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益18,221百万円(同43.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
国内事業(銀行業その他)セグメントにおきましては、経常収益139,473百万円(前連結会計年度比4.4%増)、経常利益27,226百万円(同6.8%減)となりました。ATM総利用件数は1,089百万件(同4.7%増)となりました。
クレジットカード・電子マネー事業セグメントにおきましては、経常収益32,539百万円(同21.2%増)、経常利益2,704百万円(同24.5%減)となりました。
海外事業セグメントにおきましては、経常収益43,555百万円(同12.0%増)、経常利益353百万円(前年同期は経常損失1,771百万円)となりました。
当連結会計年度の当社財政状態は、総資産1,495,977百万円(前連結会計年度末比221,841百万円減)、負債1,213,488百万円(同228,473百万円減)、純資産282,489百万円(同6,632百万円増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、892,626百万円(前連結会計年度末比96,094百万円減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に預金の純増減△73,532百万円及びコールマネー等の純増減△75,000百万円等の減少要因が、ATM未決済資金の純増減55,707百万円及びコールローン等の純増減50,000百万円等の増加要因を上回ったことにより、38,869百万円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有価証券の取得による支出△36,884百万円、有形固定資産の取得による支出△23,206百万円及び無形固定資産の取得による支出△21,856百万円等の減少要因が、有価証券の償還による収入30,732百万円等の増加要因を上回ったことにより、46,714百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額△12,920百万円等の減少要因により、12,667百万円の支出となりました。
銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたっての重要な事項は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表」の「注記事項」に記載のとおりであります。
当連結会計年度は、預貯金金融機関や、消費者金融等のノンバンクの取引件数が堅調に増加したことに加え、当社ATMを利用した各種キャッシュレス決済の現金チャージ取引件数も引続き順調に増加したことにより、ATM総利用件数は前年同期を上回る水準で推移いたしました。
2025年3月末現在のATM設置台数は27,990台(2024年3月末比2.0%増)、当連結会計年度のATM1日1台当たり平均利用件数は108.0件(前連結会計年度比2.8%増)、ATM総利用件数は1,089百万件(同4.7%増)となりました。
なお、2025年3月末現在の提携金融機関等は682先(注)となり、2019年から入替を進めてきた第4世代ATMは2025年3月末を以て全台の入替が完了いたしました。
また、ATMの共同運営やグループ外への積極的な設置を通じ、いつでもどこでもサービスが受けられる環境づくりに加え、ATMによる「マイナポータル情報連携サービス」や、金融機関などの手続きをATMで受け付ける新サービス「+Connect(プラスコネクト)」の提供など、ATMの可能性を広げるサービスプラットフォーム戦略も着実に進めております。
今後も物価上昇や金利・為替相場の変動、キャッシュレス化の進展等により、依然として先行き不透明な事業環境が予想されますが、ATMの社会的価値を現金プラットフォームからサービスプラットフォームへと進化させ、社会の変化・お客さまニーズの変化に柔軟に対応したATMプラットフォーム戦略を引続き推進してまいります。
(注)JAバンク及びJFマリンバンクについては、業態としてそれぞれ1つとしております。
2025年3月末現在、個人のお客さまの預金口座数は3,359千口座(2024年3月末比10.6%増)と順調に増加し、個人向け預金残高は6,078億円(同1.5%増)となりました。また、個人向けローンサービスの残高は、2025年3月末現在で605億円(同36.6%増)となりました。
また、「セブン銀行後払いサービス」の当連結会計年度における取扱高は764億円(前連結会計年度比25.9%増)となりました。
③ クレジットカード・電子マネー事業セグメント
当社連結子会社の株式会社セブン・カードサービスは、クレジットカード事業・電子マネー事業を営んでおります。
2025年3月末時点でのクレジットカード会員数は317万人、金融商品残高は454億円となりました。なお、当連結会計年度のクレジットカードショッピング取扱高は7,924億円となりました。
また、2025年3月末時点での電子マネー「nanaco」会員数は8,331万人、当連結会計年度の電子マネー取扱高は1兆6,218億円となりました。
米国における当社連結子会社FCTI, Inc.は、米国のセブン‐イレブン店舗にATMを設置しており、2024年12月末時点でのATM設置台数は8,332台(2023年12月末比3.1%減)となりました。
インドネシアにおける当社連結子会社PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONALは、インドネシア現地のコンビニチェーン店舗等にATMを設置しており、2024年12月末時点のATM設置台数は9,312台(2023年12月末比16.9%増)となりました。
フィリピンにおける当社連結子会社Pito AxM Platform, Inc.は、フィリピンのセブン‐イレブン店舗等にATMを設置しており、2024年12月末時点のATM設置台数は3,515台(2023年12月末比16.5%増)となりました。
なお、マレーシアにおいては、当社連結子会社のABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL MALAYSIA SDN. BHD.が、2025年1月よりマレーシアのセブン‐イレブン店舗にATMを設置し、ATM運営事業を開始いたしました。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金・設備資金については、預金を主とする負債及び自己資本により充当しております。
当社グループの資金調達は、ATM装填用現金等の運転資金及びATM・システム関連投資等の設備投資資金の調達に大別され、金利動向等を踏まえてベースとなる資金を預金、長期借入や社債発行等により確保した上で、日々の調達額の変動をコール市場からの調達により賄っております。
当連結会計年度末における現金預け金は892,852百万円であり、上記運転資金・設備資金を十分な水準にて確保しており、また、資金流動性確保に懸念はないものと考えております。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、上記「(1)② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社は、取巻く事業環境の大きな変化に対応し持続的に企業価値を向上させるため、収益構造に厚みを持たすべく事業の多角化を推進しております。当社グループの長期的な持続可能性・成長性を最大化すべく2021年5月に策定した中期経営計画では、連結経常収益拡大を最重視した施策を推進しております。次期の連結業績については、経常収益216,000百万円(前年同期間比0.7%増)、経常利益24,500百万円(同19.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16,000百万円(同12.1%減)を予想しております。
また、セブン銀行単体では、経常収益140,000百万円(同3.1%増)、経常利益24,500百万円(同10.2%減)、当期純利益16,500百万円(同6.5%減)を予想しております。
当連結会計年度の資金運用収支は前連結会計年度比2,006百万円増加し8,990百万円、役務取引等収支は同9,424百万円増加し142,241百万円、その他業務収支は同51百万円減少し257百万円となりました。
(注)1.「国内」とは、当社及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)でありま
す。
2.「海外」とは、海外に本店を有する連結子会社(以下、「海外連結子会社」という。)であります。
3.特定取引収支はありません。
4.資金調達費用は、金銭の信託運用見合を控除しております。
5.「相殺消去額」には、「国内」、「海外」間の内部取引の相殺消去額等を記載しております。
当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は前連結会計年度比85,713百万円減少し235,187百万円、利息は同2,931百万円増加し11,089百万円、利回りは4.71%となりました。また、資金調達勘定平均残高は同7,954百万円減少し1,075,662百万円、利息は同925百万円増加し2,098百万円、利回りは0.19%となりました。
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除して表示しております。
(注)1.一部の海外連結子会社については、原則として月末毎の残高に基づく平均残高等を利用しております。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
(注)「相殺消去額」とは、連結会社間に係る相殺消去額であります。
当連結会計年度の役務取引等収益は、ATM関連業務156,400百万円及び為替業務3,913百万円等により合計で前連結会計年度比11,660百万円増加し197,895百万円となりました。役務取引等費用は、ATM関連業務41,452百万円及び為替業務1,845百万円等により合計で同2,235百万円増加し55,654百万円となりました。
(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
3.「相殺消去額」には、「国内」、「海外」間の内部取引の相殺消去額等を記載しております。
(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
3.流動性預金=普通預金
4.定期性預金=定期預金
(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
3.「その他の証券」には、外国株式を含んでおります。
4.「相殺消去額」には、当社及び海外連結子会社の資本連結に伴い相殺消去した金額を記載しております。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当社の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
当社は、ATM業務提携先の金融機関等と提携契約を締結しております。当該契約に基づき、当社は、提携金融機関等に代わって、提携金融機関等のお客さまに、当社ATMを介した出金、入金及び残高照会等のサービスを提供しております。
当社は、ATMを利用した本サービスの対価として、提携金融機関等からATM受入手数料を受取っており、当社の主要な収益源となっております。なお、提携金融機関のうち、当社が各地域で現金準備等を依頼している提携先には、ATM支払手数料を支払っております。
当社連結子会社のFCTI, Inc.は、7-Eleven, Inc.との間で、米国内のセブン‐イレブン店舗(Speedwayを含む)を対象とするATM設置契約、また、当社連結子会社のPito AxM Platform, Inc.は、Philippine Seven Corporationとの間でATM設置契約を締結しております。
該当事項はありません。