当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当行は、岩手県を中心に八戸から仙台をコア事業基盤とし、個人・中小企業に対して、「地域密着」「健全経営」「人間尊重」の経営理念のもと、健全経営を堅持しながら、地域に密着したお客さま本位で付加価値の高い金融サービスを提供してまいります。
株主の皆さまに対しましては、お客さまへのサービスに対する対価としての収益拡大と業務の効率化によるローコスト体質化により、持続的な利益成長を図ることによって株主価値の向上を目指し、ご期待にお応えしていきたいと考えております。
現中期経営計画「『Design The Future:2023』~お客さまの“今”を支え、ともに“明日”を拓く~」(2020年4月~2023年3月)では、主要計数目標として次の項目を掲げておりました。
(参考)
新中期経営計画「BRANDING THE KITAGIN QUALITY 2027~サステナブルな未来をともにつくる、課題解決の金融事業会社~」(2023年4月~2027年3月)では、主要計数目標として次の項目を掲げております。
(3)会社の対処すべき課題
当行の主たる営業エリアである岩手県は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和の流れから、個人消費を中心にやや持ち直しの動きが見受けられてきたものの、ウクライナ情勢の緊迫した状況や、資源・穀物価格高騰に伴う物価上昇、世界景気の悪化等、経済の正常化に対しなお不透明な状況が継続することが予想されます。当行を取り巻く経営環境についても、低金利環境の長期化、不透明な経済見通しの影響から、引き続き厳しい環境が続くことが予想されます。
このような環境の中、当行は、今期より新中期経営計画「BRANDING THE KITAGIN QUALITY 2027~サステナブルな未来をともにつくる、課題解決の金融事業会社~」を開始いたしました。この名称は、10年ビジョンで当行が目指す”ユニークバンク“の具体像を言語化したものです。また、10年ビジョンの第2フェーズにおいて、私たちが果たすべき使命として、「故郷“いわて東北”をもっと豊かにおもしろく」をキーコンセプトとし、徹底した「顧客最優先志向」に基づき、従来の銀行の発想にとらわれない、企業や個人一人ひとりに寄り添うオーダーメイド型の課題解決の実践を積み重ねることにより、当行の競争優位性を確立し、その結果として、お客さまや行員、その家族が魅力を感じる企業となることを目指すものです。
また、「金融事業会社」の言葉には、貸出業務などの伝統的な金融分野を強化しつつ、役務収益増強に向けた非金融分野や規制緩和を踏まえた新規事業へ挑戦する決意を込めております。
併せて、お客さまと行員、銀行、地域間の絆と相互の愛着心を育み、SDGs・ESGへの積極的な取組みを通じ、サステナブルな未来をともにつくることを目指します。
そして、地域の皆さまに“利用したい”と思われる銀行グループ、大切なひとに”紹介したい”と思われる銀行グループ、そして役職員がずっと”働きたい”と思える銀行グループを目指してまいります。
今期においても、新中期経営計画のもと、地元経済を支え、地域とともに当行が発展していけるよう、役職員一丸となって取り組んでまいりますので、皆さまの一層のお引き立てを賜りますようお願い申しあげます。
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)気候変動への取組
<気候関連のリスクと機会に関する組織のガバナンスについて>
北日本銀行グループは、「サステナビリティ方針」「環境方針」を策定し、持続可能な地域・社会、経済の実現に向けて取り組んでおります。これに関し、気候変動をはじめとする環境問題への対応などについては、頭取を委員長とし、役員、部長によって構成される「リスク管理委員会」内に設置する「サステナビリティ部会」で議論しております。また、取締役会へ定期的に報告、取締役会では当該報告に基づき審議し、必要に応じて対応を指示してまいります。
<気候関連のリスクと機会がもたらす組織の事業・戦略・財務計画への現在および潜在的な影響について>
■リスク
<移行リスク>
脱炭素社会の実現に向けた規制強化や政策変更に起因する、信用供与先の財務状況の悪化や担保価値の下落等により、北日本銀行グループの資産の価値が減少し、損失を被る影響などを分析してまいります。
<物理的リスク>
集中豪雨等に起因する風水被害に伴う、信用供与先の財務状況の悪化や担保価値の下落等により、北日本銀行グループの資産の価値が減少し、損失を被る影響などを分析してまいります。
■機会
脱炭素社会の実現に向けて、環境関連分野へのファイナンス、持続可能な社会の実現を目指すサステナブルファイナンス、コンサルティングメニューを拡充し、お客さまの脱炭素経営や社会課題・環境保全に対する取り組みをサポートしてまいります。
■炭素関連資産
2021年改訂のTCFD提言にて推奨する定義を踏まえ、当行貸出金等に占める炭素関連資産のうち地域性を踏まえた重要セクターを特定し、今後、シナリオ分析・戦略を検討してまいります。
<組織における気候関連リスクの特定・評価・管理方法について>
気候変動に起因する移行リスクおよび物理的リスクが、北日本銀行グループの各業務運営、戦略、財務状況等に影響を与えることを認識しております。今後、当該リスクの特定・分析・評価を行うため統合的リスク管理の枠組みにおける管理態勢の構築を検討してまいります。
<気候関連のリスクと機会を評価・管理する際に使用する指標と目標について>
■CO2排出量削減
○2030年度のCO2排出量(※)を2013年度比▲51%削減します。
単位:t-CO2
※ CO2排出量(絶対値)は、省エネ法の定期報告書における当行のCO2排出量にグループ会社を含む営業車等の使用による排出量を加算。
■環境関連分野の融資等
持続可能な社会の実現に向けて、気候変動を含む環境・社会的問題に取り組み、環境関連分野の融資等を含むサステナブルファイナンスを積極的に推進してまいります。
サステナブルファイナンス累計実行額目標(注)
2026年度まで 1,000億円(うち環境関連分野 200億円)
2027年度以後 段階的に目標設定する予定
(注)サステナブルファイナンスとは、環境課題や社会課題等の解決に資するファイナンスを対象としています。うち環境関連分野の融資においては、再生エネルギー、エネルギー効率改善などの気候変動の適応、緩和に資する事業を対象としています。
(2)人的資本への取組
<人材の採用及び維持並びに従業員の安全及び健康に関する方針等>
北日本銀行では、持続可能な社会にふさわしい多様性を前提に、「個人」が主役となり、能力を最大限に発揮できる環境を整備します。また、お客さまや職場の同僚と尊い信頼関係を育みながら、自分自身と地域社会の成長に貢献できる組織に向けて、エンゲージメントの向上と健康推進に取り組みます。
また、個の自律を目指し、人事制度および人財育成施策を改定して参りました。人財育成ではセルフキャリアドックを含むキャリアデザインとEQに着目した能力開発を展開することで自己変革を促し、「個人」が主役となり、多様なキャリア開発に主体的に取り組むことのできる環境を整備しております。
①ダイバーシティ&インクルージョン、多様性人財活躍の推進
ユニークなもの、イノベーションは多様な人財の集合知から生まれます。その集合知は心理的安全性、多様性に対する理解、チャレンジ文化がある環境で育まれます。
私たちは職位、年齢、性別等に関係なく、社会的な目的を達成するために、誰でも気兼ねなく発言できる組織を目指し、多様な人財の活躍する風土の醸成や女性活躍推進に取り組んで参ります。
女性活躍推進法 行動計画
②自律型人財の育成
自分自身の意思決定に責任を持ち、主体的に学び続け、“故郷への熱い想いを持つ”自律型人財の育成に取り組んでいます。自律を育むためのキャリアデザインを実施、スキル・知能の習得だけではなく心の知能指数と呼ばれるEQ向上にも取り組むことで、地域の活力を育み、お客様に選ばれる人財の創出を目指しています。
また、キャリアデザイン研修、1on1ミーティングの実施により自己理解を深めております。上司とメンバーがキャリアや将来のビジョンを共有し、気づきを与え、やるべきことを明確化していくことで成長を促すとともに、モチベーションの向上につなげています。
また、組織に好影響を与える自律型アクション数を明示することで、チャレンジできる企業文化の醸成、学び続ける人財の育成に取り組んで参ります。
(組織に好影響を与える自律型アクションの例)
・タレントマネジメントシステムへ自身・自店の取り組み等の投稿、発信
・立候補型研修への参加
・行内プロジェクトへの参加
・キャリアチャレンジ制度(社内公募)へのエントリー
③エンゲージメント向上
北日本銀行で働く全ての職員がずっと働きたいと思える、安心して自分らしく働ける職場環境の醸成に取り組んでいます。
お互いの価値観を認め、共有できる職場環境づくり、日々の仕事の中での充実感や達成感を感じられる機会として1on1ミーティングを活用しています。
1on1ミーティングの満足度の向上やリーダーシップのあるマネジメントの実現により、エンゲージメントの向上につなげて参ります。
当行グループでは、上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する当行の目標及び実績は、次の通りであります。
(注)1.多様性人財:出向、異業種勤務、副業等、多様な経験を持つ人財。
2.人事ビジョンに関する行内アンケート結果を指数として使用する。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
今後の地域経済動向、不動産価格の変動、これに伴う当行の与信先の信用状態の悪化や担保価値の下落等によっては、追加的な不良債権・与信関係費用が増加し、当行グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当行は岩手県を中心に、青森県、秋田県、宮城県、福島県、東京都を営業エリアとしており、貸出ポートフォリオでは地域分散を行っておりますが、例えばリーマン・ショックのような大規模な景気低迷となると、不動産市況が急激に落ち込み、担保価値の下落による信用コストの増加や、個人所得の落ち込みによる延滞の増加やデフォルト率の増加等により、与信関係費用が増加する可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
足元では、2023年5月から新型コロナウイルスの感染法上の分類が5類に移行し、感染拡大前の状況に戻りつつあります。新型コロナウイルスの蔓延で長期にわたり売上が低迷していた飲食業や観光業等の特定業種においても、売上が回復している兆候が見られております。一方、ロシアのウクライナ侵攻から1年が経つものの停戦への糸口は見えず、地政学リスクから原油や天然ガス等、各種資源価格は乱高下し、さらなる物価高、価格転嫁が見受けられます。FRBの金利見通しも不透明感が漂っている中、新たな事象の発生等により景気後退局面に陥る可能性は拭えず、当該リスクが顕在化する可能性は依然にして高いものと認識しております。
当行では、資産の健全性向上を目的として、「クレジットポリシー」を制定しております。与信取引に際しては、これを遵守した基本に忠実な審査を実施するとともに、優れた与信の判断能力と管理能力の習得に不断の努力をもって臨み、地域金融機関としての社会的使命を果たすための普遍的な態勢作りに取り組んでおります。また、信用格付結果および債権の保全情報をもとに、貸出資産などの回収や価値の毀損の危険性の度合いを厳正に判定し、適正な償却・引当の実施による貸出資産などの健全性の維持を図っております。急速かつ大規模な景気低迷や、少子高齢化による営業エリア圏内の人口減少等、外部環境への対応については、営業店と本部が一丸となり、事業性評価を通じた取引先との密な対話や営業力を駆使し、実効性のある業務計画の作成支援を通じて信用リスクのコントロールに努めてまいります。
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
予期せぬ急激な金利の上昇や株価急落等による市場の混乱により、有価証券等保有資産の価値の減少や、調達コストの上昇による資金利鞘の縮小等の状態を招き、当行グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。足元のマイナス金利環境や、競合との過当競争による金利低下による、貸出金利息収入の落ち込みを補完するべく有価証券運用態勢の強化・構築に努めておりますが、投資した運用商品が期待した収益を生まない等、運用に係るリスクを内包しております。また、意図しない特定のリスクや当初の取組時には想定してしないリスクを被る可能性があり、予期せぬ場面でリスクが顕在化し収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
日本では新型コロナウイルスの感染法上の分類が5類に移行したことで一定の区切りがついたものの、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や、FRBの金融政策に関する不透明感等、金融市場のボラティリティが高まってきており、当該リスクが顕在化する可能性は高いものと認識しております。
当行では、資産の健全性向上を目的として、「投資理念」を制定しております。主要な市場リスク(金利リスク、価格変動リスク、為替リスク)の管理については、「リスク管理規程」に基づきリスク管理部が内外金利、株価、為替レート等をリスクファクターとしてVaRを計量するほか、円貨の運用・調達構造の分析に基づく収益シミュレーションやBPVによる金利感応度の測定を定期的に行うなど、リスク量の多面的な把握を図っております。市場業務運営部署では、フロント(取引執行部門)、バック(事務管理部門)、ミドル(リスク管理部門)に分離し、相互牽制態勢のもと保有限度額等の設定、運用・調達基準等の遵守状況のモニタリングを実施するなど適切な管理を行っております。
また、定例的に本部各部で構成されるALM部会を開催し、有価証券の運用状況や経済環境、想定されるリスクやその対応策について実務者ベースで認識を合わせ、その内容について頭取を委員長とするリスク管理委員会に報告することで、情報共有を図っております。また、フロント部門が新たなリスクを内包する金融商品を購入する場合には、リスク管理部門を中心にそのリスクや投資効果について様々な視点から検討し、予期せぬ損失が発生しないような管理態勢の構築に努めております。
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
予期せぬ急激な金利の上昇や株価急落等による市場の混乱により、保有資産の流動性が確保できない等の状態を招き、当行グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
足元では、物価上昇等による先々の不透明感から、企業や家計は貯蓄を大きく取り崩す様子は見られないことや、日本銀行の資金供給が十分に確保されていることから、当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、大きな影響を及ぼす重要なリスクであると認識しています。
このため、当行では、流動性リスクについては、資金繰り管理部門が日常的に支払準備資産の把握・管理を行い、保有資産の流動性の確保や調達手段の多様性を進めるとともに、リスク管理部門がモニタリングを通じて支払準備の十分性について確認しリスク管理委員会に定期報告を行うなど、流動性の適正水準の管理態勢を確立しております。また、足元のマイナス金利環境においては、有価証券の一部を流動性の低い商品に投資し利息配当の増強を図っておりますが、流動性の低い商品に過度にポジションを傾けることのないよう、一定割合を換金性の高い国債や地方債等に置くことで、市場の混乱等への対策に努めております。また、当行の外貨資産・負債残高は僅少であり外貨流動性リスクは軽微となっています。
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
役職員の理解不足等による不正確な事務や不正・過失による不適切な事務、また特殊詐欺やキャッシュカード詐取への対応の不徹底などにより、顧客の信用の失墜や損害賠償の発生を招き、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当行グループでは、預金・為替・貸出などの銀行業務のほか、クレジットカード業務やリース業務等多様な業務を行っております。当行グループでは、全ての業務に事務リスクが所在していることを認識し、事務リスクを適切に管理することで、業務の健全性・適切性の確保を目的に「事務リスク管理規程」を定め、お客さまに安心して取引を行っていただけるよう、事務処理手続に関する諸規程を詳細に定めるとともに事務管理体制、内部監査体制の充実強化を図り、事故や不正の防止に取り組んでおります。当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一重大な事故が発生した場合には、大きな影響を及ぼす重要なリスクであると認識しております。
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
重大なシステム障害・誤作動及び役職員による不正使用等が発生した場合、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。銀行業務においてコンピューターシステムは欠くことのできない存在となっております。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当行では、コンピューターシステムの安定稼動に万全を期すため、基本方針として「システムリスク管理規程」等を定め、システムの異常や誤作動等の発生を未然に防止する体制を構築しております。また、万一の障害発生時の影響を極小化し早期回復を図るため、コンティンジェンシープランを策定し、バックアップサイトの設置、機器・回線の二重化や予備機の設置などのバックアップ対策等を講じるほか、障害時の体制、手順を明確化して、実効性向上の訓練を実施しております。情報セキュリティ管理面では、情報・データ等の機密性を保持し、情報の漏洩・改ざん等を未然防止するため、「セキュリティポリシー」を定めております。具体的には、サイバーセキュリティ対策を実施するほか、コンピュータ室への入退室を厳格に管理するなどセキュリティ管理、ネットワーク管理体制の整備、強化を実施しております。また、お客さまの個人情報の保護を図るため、各種の組織的、人的、技術的な安全管理措置を講じ、個人情報への不正アクセス、個人情報の紛失、破壊、改ざんおよび漏洩等の防止に万全を期しております。システム監査面では、監査部がFISCの安全対策基準・監査指針に準拠した監査を実施する等、システム監査体制の確立を図っております。当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一重大な事故が発生した場合には、大きな影響を及ぼす重要なリスクであると認識しております。
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
当行グループの業務が顧客、投資家、地域社会の信用に大きく依存していることやインターネット等の普及により情報が拡散しやすい環境下にあることから、レピュテーションの内容や影響度によっては、当行グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼすだけでなく、大量の預金流出や顧客の信用の失墜など、当行グループの経営基盤を揺るがしかねない悪影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当行グループにとって好ましくない風評や信用情報などのレピュテーションが広まることにより、当行グループへの信頼が低下し有形無形の損失が発生することの無いよう、予防およびリスクの拡大・二次的なリスクへの派生防止の組織的な対応などの管理態勢を整備しております。当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一発生した場合には、大きな影響を及ぼす重要なリスクであると認識しております。
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
災害やその被害の程度によっては、地域経済や当行グループの施設、人材に甚大な被害が及ぶ可能性があり、その結果、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
地震、津波、感染症等の災害その他の事象により人員や業務設備等に被害が生じた場合でも業務を継続し、金融機関としての社会的役割を履行するため、当行では「危機管理規程」等を制定し、防災対策や発生被害の早期復旧および被災地域の支援態勢の整備に努めております。直近では新型コロナウイルス感染症の対応策として、一部営業店での昼休みの導入や時差出勤の実施等を行い、お客様や当行行員等への感染リスクの軽減に努めております。
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクが、当行グループの業務運営、戦略、業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当行グループは、気候変動財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、TCFDに沿った体制整備および情報開示の充実に取り組んでまいります。また、当該リスクの特定・分析・評価を行うため統合的リスク管理の枠組みにおける管理態勢の構築を検討してまいります。
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
2023年4月から2027年3月までの中期経営計画「BRANDING THE KITAGIN QUALITY 2027 ~サステナブルな未来をともにつくる、課題解決の金融事業会社~」では、5つの基本方針を掲げ、当行の地盤である岩手や東北をより豊かにしていくことを企図しております。これらの戦略では、住宅ローン拠点の集約や専門化、本部業務の集約化、店舗・人員再配置等、実施までに至る過程の中で不確定な要素もあるため、戦略を実行したものの想定していた結果とならなかったり、戦略自体が実行できず見直しを迫られたりすることで、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
中期経営計画の進捗管理については、定例的に経営会議等に報告し、PDCAサイクルを回す体制構築に努めております。進捗に大きな乖離が生じる可能性が高まる場面では、ローリングプランによる軌道修正を行い、またその乖離について十分な検証を行うとともに、ステイクホルダーへの情報提供を行うよう努めております。また、関係省庁からの情報収集・情報交換や、営業店からのヒアリング、営業成績の進捗管理等により、中期経営計画の妥当性や実現可能性をチェックし、中期経営計画に掲げたゴールに向けて営業店・本部が一丸となり取り組んでおります。
当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和とともに経済活動が緩やかな持ち直しに向かったものの、長期化するウクライナ情勢や、エネルギー・穀物価格の上昇と、海外経済の減速により、先行き不透明な状況が続きました。
金融市場においては、長期金利は、2022年前半は概ね0.25%近辺で推移しましたが、12月には日銀によるイールドカーブコントロールの修正から0.5%近辺での推移に移行し、3月末にかけては0.3%近辺での推移となりました。為替は、米欧における相次ぐ利上げを受け円安が進み、ドル円相場において1990年8月以来32年ぶりの一時150円台を付け、政府・日銀による24年ぶりのドル売り・円買い介入により円高方向へ移行し、その後、日銀が実質的なイールドカーブコントロールの修正を行ったことから、円安の動きも一服し、2023年3月には130円台となりました。日経平均株価は、年度を通じ概ね2万6,000円台から2万8,000円台での推移となり、2023年3月末の終値は2万8,041円となりました。
当行の主な営業エリアである岩手県内経済においては、雇用・所得環境の改善の動きもあり個人消費の持ち直しの動きが続いているものの、消費者物価の上昇により、県内経済の先行きも懸念含みの状況にありました。
このような経済情勢のもと、当行グループは、3年間の中期経営計画「『Design The Future:2023』~お客さまの”今”を支え、ともに”明日”を拓く~」の最終年度を迎え、10年ビジョン「豊かな人間力と創造的開発力で、未来をデザインする“ユニークバンク“」に向かう第1フェーズにおいて、次のような業績を収めることができました。
当連結会計年度の経常収益は、リース関連収益や資金運用収益が増加したことなどにより、前連結会計年度比4億96百万円増加し236億38百万円となりました。また経常費用は、国債等債券売却損が減少したことなどにより、前連結会計年度比2億25百万円減少し201億38百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度比7億21百万円増加し35億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比5億48百万円増加し26億59百万円となりました。
なお、中期経営計画「Design The Future:2023」の最終年度である2022年度までの主要計数目標と2022年度実績については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載しております。
当行グループの業績の分析および検討内容は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(役務取引等収益-役務取引等費用)
+(その他業務収益-その他業務費用)
その他業務利益が国債等債券売却損の減少などにより前連結会計年度比2億3百万円増加したことや、資金利益が前連結会計年度比1億35百万円増加したことなどにより、連結粗利益は前連結会計年度比4億31百万円増加しました。営業経費は物件費の減少などにより前連結会計年度比83百万円減少しました。さらに、与信費用の減少や株式等関係損益の改善などにより、経常利益は前連結会計年度比7億21百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比5億48百万円増加しました。
セグメント毎の損益状況につきましては、「銀行業」の経常収益が役務取引等収益や株式等売却益の増加などにより、前連結会計年度比21百万円増加して200億6百万円、セグメント利益である経常利益が経常収益の増加や国債等債券売却損の減少などにより、前連結会計年度比4億96百万円増加して32億98百万円となりました。「リース業」の経常収益がリース関連収入の増加などにより、前連結会計年度比2億88百万円増加して37億3百万円、セグメント利益である経常利益がリース関連収益は増加したものの、リース関連費用も増加したため、前連結会計年度比39百万円増加して87百万円となりました。「クレジットカード業・信用保証業」の経常収益がクレジットカード業関連収入の増加などにより、前連結会計年度比25百万円増加して6億91百万円、セグメント利益である経常利益が経常収益の増加などにより、前連結会計年度比5百万円増加して2億63百万円となりました。
生産、受注及び販売の状況は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(イ)預金
預金(譲渡性預金含む)は、個人預金の増加などにより、当連結会計年度末残高は前連結会計年度末比28億円増加し1兆4,027億円となりました。
(ロ)貸出金
貸出金は、住宅ローンの増加などにより、当連結会計年度末残高は前連結会計年度末比347億円増加し1兆334億円となりました。
(ハ)有価証券
有価証券は、国内外の投資環境や市場動向に留意した取り組みの結果、当連結会計年度末残高は前連結会計年度末比281億円減少し3,250億円となりました。
当行単体の主要勘定の状況および増減の内容は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末比1,887億円(67.8%)減少し、892億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金が減少したことなどから2,109億円の支出となり、前連結会計年度比1,804億円減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による収入などから227億円の収入となり、前連結会計年度比285億円増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などから5億円の支出となり、前連結会計年度比45百万円増加しました。
キャッシュ・フローの状況および増減の内容は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
重要な資本的支出の予定につきましては「第3 設備の状況」に記載しております。また、資金調達方法につきましては自己資金で対応する予定であります。
資金の流動性につきましては、資金繰り管理部門が日常的に支払準備資産の把握・管理を行い、保有資産の流動性の確保や調達手段の多様性を進めるとともに、リスク管理統括部署がモニタリングを通じて支払準備の十分性について確認しリスク管理委員会に定期報告を行うなど、流動性の適正水準の管理体制を確立しております。
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(参考)
当連結会計年度における資金運用収支は前連結会計年度比136百万円増加して15,865百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比92百万円増加して820百万円、その他業務収支は前連結会計年度比203百万円増加して△274百万円となりました。
国内業務部門の資金運用収支は前連結会計年度比79百万円増加して15,511百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比89百万円増加して816百万円、その他業務収支は前連結会計年度比255百万円増加して△314百万円となりました。
国際業務部門の資金運用収支は前連結会計年度比57百万円増加して354百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比2百万円増加して3百万円、その他業務収支は前連結会計年度比52百万円減少して39百万円となりました。
(注)1.国内業務部門は当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2.資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
3.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。
当連結会計年度における資金運用勘定平均残高は、預け金の減少などにより、前連結会計年度比108,276百万円減少して1,518,688百万円となりました。また、受取利息は、貸出金利息の増加などにより、前連結会計年度比95百万円増加して15,982百万円となりました。
資金調達勘定平均残高は、借用金の減少などにより、前連結会計年度比110,141百万円減少して1,498,044百万円となりました。また、支払利息は、預金利息の減少などにより、前連結会計年度比41百万円減少して117百万円となりました。
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度5,802百万円、当連結会計年度5,241百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度6,285百万円、当連結会計年度8,769百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
3.( )内書は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。
(注)( )内書は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度5,802百万円、当連結会計年度5,241百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度6,285百万円、当連結会計年度8,769百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
3.国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
当連結会計年度における役務取引等収益は、保険窓販業務に係る受入手数料の増加などにより、前連結会計年度比73百万円増加して2,915百万円となりました。また、役務取引等費用は、為替業務に係る支払手数料の減少などにより、前連結会計年度比19百万円減少して2,095百万円となりました。
○預金の種類別残高(末残)
(注)1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2.定期性預金=定期預金+定期積金
(注)「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
(単位:億円、%)
(単位:億円、%)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1.から3.までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
該当事項はありません。
該当事項はありません。