当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当行グループは、富山県を主要な地盤とする地域金融機関として「限りなくクリア(透明)、サウンド(健全)、フェア(公平)」を経営理念に掲げ、金融サービスの提供を通じてお客さま、株主さま、地域の皆さまから愛され、市場から評価される銀行を目指して「健全経営・効率経営」に積極的に取り組んでまいりました。
今後もこの方針を堅持しつつ、当行グループ全社が一体となって質の高い金融サービスの提供により、地域社会の発展に積極的に貢献するとともに、より一層の経営体質の強化を図り、経営理念に基づいた業務活動を推進してまいります。
(2)長期的な経営戦略
長期ビジョンの基本的な考え方
脱炭素・DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展に加え、コロナ禍後の産業構造・お客さまの行動様式等、地域・お客さまを取り巻く経済、社会環境は加速度的に変化しており、お客さまの価値観やニーズは多様化し、対処すべき課題は複雑化かつ高度化しています。
こうした環境のもと、当行は、お客さまファーストを徹底し、地域の成長の一翼を担い、共に価値を創造する銀行グループへ成長することを目指して、2023年6月に「ファーストバンク VISION10」を公表いたしました。
長期ビジョンにおいては、中長期的な視点で当行グループの『目指す姿』を思い描き、バックキャストする形で経営課題を抽出し、具体的な施策に反映させてまいります。また、急速に変化する社会環境・経済環境等に応じて、臨機応変に戦略等をアップデートする方針としております。
(3)経営環境と対処すべき課題
物価の上昇や金融政策の転換により、銀行経営を取り巻く環境は大きく変化しています。また脱炭素を巡る対応の進展や地域の深刻な人手不足など、目まぐるしく変化する経済環境や産業構造に対応するため、当行が対処すべき課題は一段と複雑化かつ高度化しています。
こうした環境のもと、当行は2023年6月に公表した「ファーストバンク VISION10」に基づき、お客さまファーストを徹底し、地域の成長の一翼を担い、すべてのステークホルダーの利益のために取組んでまいりました。
事業者の皆さまの多種多様な経営課題に対しては、資金繰り支援等のファイナンスとともに、各ビジネスステージに応じた最適なコンサルティングによって課題の解決に向けて積極かつ迅速に対応いたします。具体的には、持続可能な経営の実現に向けた経営計画の策定支援や伴走支援、お客さまの求める人材を網羅した人材紹介など、幅広く支援を強化してまいります。
個人のお客さまに対しては、最適な金融サービスを提供するため、お客さま向けの金融セミナーの開催や、金融資産形成のご提案からアフターフォローまで一貫したサポートを実践してまいります。また対面・非対面のベストミックスにより、一層の利便性向上に努めており、より高いレベルで、「お客さま本位の業務運営」を実現してまいります。
ガバナンス面では、東証プライム上場企業に求められる中長期的な企業価値向上に向けた取り組みとして、当行の資本コストを踏まえた持続的な収益力の向上、適切な株主還元に努め、課題とされるPBR(株価純資産倍率)の早期改善を図ってまいります。
また完全子会社化したグループ3社を含め、当行グループ全体の効率化、シナジー効果の発揮、ダイナミックな業務範囲の拡大やグループガバナンスの強化を図ることにより、企業集団としての価値向上を実現してまいります。
当行の創立80周年にあたる、2024年度は思い切った株式売却益の計上により、大きく自己資本を積み上げてまいりました。その結果として、ファーストバンク VISION10に掲げた、1st STAGE(2023年4月~2028年3月)の計数目標は既にほぼ達成済みですが、2025年度は国内の金利上昇や金融市場の動揺に対処しつつも、積み上げた資本を原資に新たなリスクテイクを実現し、2nd STAGEに向けて、更に取組みを強めてまいります。
■サステナビリティの取り組みにおけるガバナンス
当行グループは、地球環境問題への配慮など気候変動に関する対応や、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮、人材育成など、サステナビリティを巡る課題への取り組みを強化し、中長期的な企業価値向上につなげていくことを目的として、頭取を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しております。
サステナビリティ委員会においては、サステナビリティに関連する対応方針や取り組み状況等、経営全般にかかわる重要事項を広い視野で協議し、経営会議・取締役会に報告のうえ、監督を受ける体制を構築しております。その枠組みにおいて、サステナビリティに関連する各リスクについては、適宜、リスク管理委員会で協議を行い、その結果を経営会議・取締役会に報告し、監督を受ける体制にしております。
また、監査役会はサステナビリティへの取り組みに対し業務監査を年2回実施するほか、2024年2月からは監査役2名をサステナビリティ委員会の構成員に加えることで監督体制を強化しております。加えて、内部監査部門が関連部署すべてにサステナビリティへの取り組みに関する業務監査を実施いたしました。今後も内部監査体制の強化に努め、サステナビリティを巡る諸課題への取り組みを積極的に行い、中長期的な企業価値の向上と非財務情報の開示の充実に努めてまいります。
■グローバルなサステナビリティへ貢献
[脱炭素への組織的な取り組み]
近年、異常気象や自然災害による被害が激甚化しており、気候変動がお客さまや当行の経営基盤に与える影響は徐々に大きくなっております。こうした状況を踏まえ、気候変動がお客さまや当行に及ぼすリスク・機会を把握し、脱炭素社会の実現に貢献するべく、2022年5月、「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言(※)」に賛同いたしました。金融サービスの提供を通じた脱炭素社会の実現への取り組みを強化するべく、今後情報開示の充実に努めるとともに、お客さまの脱炭素化に向けた活動を多面的に支援してまいります。
(※)TCFDは2023年10月をもって解散いたしましたが、TCFDが担っていた役割はISSB(国際サステナビリティ基準審議会)に引き継がれております。なお、TCFD提言に基づいた情報開示は引き続き有効であり、当行はその枠組みを利用して開示を行っております。
[当行の脱炭素への取り組み]
① 指標と目標
当行グループでは、2030年度における削減目標50%(対2013年度実績)の達成に向けた取り組みを推進しており、2024年度(連結子会社含む)は、2013年度と比較し42.9%の削減となりました。
<年度毎のCO2排出量の推移(単位:t-CO2)>
[Scope1+2排出量(単位:t-CO2)]
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2013年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
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Scope1(※1) |
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Scope2(※2) |
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Scope1+2 |
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当行は脱炭素化をより加速させるため、調達する電力の一部を富山県内に新たに設置する太陽光発電所からの調達に組み替えする太陽光発電電力販売サービス(オフサイトPPAサービス)の取り組みに向け、準備を開始いたしました。なお、オフサイトPPAサービスによる電力の調達は2025年12月頃を予定しております。
今後も2030年度における削減目標50%(対2013年度実績)の達成に向けた取り組みを継続するとともに、地域特性を活かしたGX(グリーン・トランスフォーメーション)により、地域の脱炭素化に貢献してまいります。
[Scope3の算定(単位:t-CO2)]
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計測項目 |
2024年度 |
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出張(カテゴリー6) |
85 |
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通勤(カテゴリー7) |
246 |
当行では、サプライチェーンを含めたScope3のCO2排出量把握の取り組みを行っており、2024年度より一部Scope3(※3)の算定も開始いたしました。
(※1)Scope1:当行自らによる温室効果ガスの直接排出
(※2)Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
(※3)Scope3:サプライチェーン排出量におけるScope1・2以外の間接排出(当行の活動に関連する他社の排出)
② 戦略
a.機会・リスク
短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、気候変動に伴う機会とリスクを以下のとおり認識しております。当行グループは、お客さまのカーボンニュートラル実現に向けた支援と自らの環境負荷低減への取り組みを実践してまいります。
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区分 |
内容 |
リスク カテゴリー |
影響度 (※) |
時間軸 |
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機会 |
お客さまの脱炭素社会への移行に伴う投資など、課題に対するファイナンスや金融サービスの提供、コンサルティング等によるビジネス機会の増加 |
― |
― |
短期~ 中期 |
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自然災害の激甚化に伴う、お客さまの災害に備えるための防災設備への投資や関連サービスへの投資等の資金需要の増加 |
― |
― |
中期~ 長期 |
||
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当行の省資源・省エネルギー化による事業コストの低下 |
― |
― |
短期~ 長期 |
||
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リスク |
移行リスク |
気候変動に関する規制や税制の変更に伴うお客さまの損失 |
信用リスク |
大 |
中期~ 長期 |
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脱炭素技術の失敗や市場の変化に伴うお客さまの損失 |
信用リスク |
大 |
中期~ 長期 |
||
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物理的リスク |
大規模風水害の発生による融資先の事業停滞に伴う当行の損失 |
信用リスク |
中 |
短期~ 長期 |
|
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大規模風水害の発生による当行拠点の毀損 |
オペレーショナルリスク レピュテーショナルリスク |
中 |
短期~ 長期 |
||
(※)「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」等の情報を参考に、気候変動の影響を受けやすいとされる業種(不動産業等)を対象とした定性的な評価に基づき、1.5℃シナリオにおける影響度を記載。
b.重要セクターの選定(※)
気候変動に伴う移行リスクおよび物理的リスクが当行グループの事業運営や財務内容等に影響を及ぼす重要なリスクであることを認識しております。
気候変動の影響を受けやすいとされる業種の潜在的な影響度と、当行の融資ポートフォリオに占める割合を踏まえた「重要セクター」を選定し、当該セクターに対する定性的な評価を実施しております。
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業種 |
気候変動影響度 |
貸出金額 |
重要度 |
判定 |
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不動産業 |
中 |
大 |
大 |
重要セクター |
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金属加工・金属 |
大 |
中 |
大 |
重要セクター |
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電力・エネルギー |
大 |
中 |
大 |
重要セクター |
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建設業 |
中 |
大 |
中 |
非選定 |
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小売業 |
中 |
大 |
中 |
非選定 |
(※)業種別貸出残高に、環境省ガイドラインで示されたセクター別評価値を積算し重要度を算出
c.重要セクターにおける気候変動の影響
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業種 |
移行リスク・1.5℃シナリオ |
物理的リスク・4℃シナリオ |
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不動産業 |
・炭素税の導入、ZEB、ZEH等の建築費が増加する。 |
・台風等の気象災害の増加・甚大化に伴い、工程が遅延する。 |
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金属加工・金属 |
・環境政策及び規制強化により、カーボンプライシングが導入される。再生エネルギー導入や低炭素技術、環境配慮商品開発への投資が要求されるため、調達コストが増加する。 |
・地球温暖化が進展することで、異常気象による台風や洪水等の増加・激甚化が進み、工場やサプライチェーンの維持コストが増加する。 |
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電力・エネルギー |
・炭素税の導入に伴い燃料コストが増加する。 |
・台風等の気象災害の増加・甚大化に伴い、設備被害が増大する。 |
d.シナリオ分析 移行リスク及び物理的リスク
移行リスクについては、選定した「重要セクター」における融資先について、脱炭素社会への移行に伴う財務悪化を踏まえて、当行の信用コストの増加額を算出いたしました。2050年までの信用コストの増加額は最大45億円程度という結果となりました。
物理的リスクについては、水害を対象に、与信先からの担保物件の想定される棄損額を算定し、それに伴い増加する信用コストを算定しました。2050年までの信用コストの増加額は最大0.1億円程度という結果となりました。棄損額は1.4億円程度あるものの、担保余力で吸収されます。
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項目 |
移行リスク |
物理的リスク |
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リスクイベント |
・炭素税導入による融資先の財務悪化 ・電力セクターは電源構成・エネルギー需要の変化を反映 |
・河川氾濫・高潮による不動産担保の棄損 |
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シナリオ |
・IEA(国際エネルギー機関)のシナリオのうち、NZE:1.5℃シナリオ |
・IPCC(国連政府間パネル)のシナリオのうち、RCP8.5:4℃シナリオ |
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分析手法 |
・移行シナリオに基づき、対象企業の将来財務諸表への影響を推計し、信用コストの増加額を算出 |
・水害発生時の被害推定の分析を実施し、担保物件の棄損額を踏まえた信用コストの増加額を算出 |
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分析対象 |
・「不動産」「金属・金属加工」「電力・エネルギー」セクターにおける融資先 |
・日本全国の事業性貸出先のうち不動産担保を当行が保有する先 |
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分析期間 |
2050年まで |
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分析結果 |
信用コストの増加額:最大45億円 (うち富山県内27億円、富山県外18億円) |
担保の棄損額:最大1.4億円 (うち富山県内1.2億円、富山県外0.2億円) 信用コストの増加額:最大0.1億円 |
e.炭素関連資産の割合
2025年3月末時点における当行貸出金に占める炭素関連資産の割合は39.60%です。
(「エネルギー」「運輸」「素材・建築物」「農業・食料・林産物」セクター向けエクスポージャー。ただし、再生可能エネルギー発電事業を除く。)
炭素関連資産は当行財務へ影響を及ぼす可能性がありますが、当行はお客さまの脱炭素に向けた取り組みに寄り添い、様々なコンサルティングやサステナブルファイナンスの提供等により、地域の脱炭素社会の実現に向けて貢献してまいります。
f.融資ポリシー
当行では、経営理念及びサステナビリティ方針に基づき、融資ポリシーを定め、本業を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。なお、
[お客さまの脱炭素支援への取り組み]
[お客さまのサステナブル経営支援への取り組み]
当行では、お客さまの受ける気候変動の影響や脱炭素化へ移行する企業行動を機会と認識し、持続可能な社会・環境の実現に向け、お客さまの経営改善支援や伴走支援等の多様なニーズに対しコンサルティング業務を積極的に展開し、お客さまのサステナブル経営をサポートしております。
2024年度は、SDGs取り組み支援や脱炭素経営の啓発活動、DX支援、人材紹介、事業承継等、最適なコンサルティングをビジネスステージに応じて提供し、お客さまのサステナブル経営を実現すべくコンサルティング業務に積極的に取り組みました。なお、
[サステナブルファイナンスへの取り組み(※)]
※ 環境・社会課題の解決に向け、お客さまのサステナビリティへの取り組みへの支援を通じ、持続可能な地域社会の実現に資するファイナンス
お客さまのサステナブル経営の実現に向けた取り組みへのコンサルティングが起点となり、事業活動の省力化や再エネ関連等のサステナブルファイナンスに繋がる機会が増加しております。このようなコンサルティングを起点とした取り組みも奏功し、年間のサステナブルファイナンスの新規実行額は198億円となりました。
2024年度は前年度と同様にお客さまの事業活動から発生しうるポジティブなインパクトとネガティブなインパクトを特定・分析のうえ目標を設定し、その達成状況を確認していくファースト・ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)の取り組みが寄与いたしました。
また、持続可能な社会の実現に資する資金を継続的に提供していくため、2025年度よりサステナブルファイナンスの目標をこれまでの毎年度投融資額130億円から、2021~2030年度までの新規実行累計額2,000億円へと中長期的な目標に見直しいたしました。この目標額は、お客さまの気候変動への対応に重点的に取り組むという当行グループの方針を反映したものになります。
引き続き地域金融機関として、総合金融サービスの提供とお客さまのサステナブル経営に資する取り組みを強力に進め、持続可能な社会・環境の実現に向け取り組んでまいります。
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目標:2021~2030年度までの新規実行累計額 2,000億円 実績:2021~2024年度までの新規実行累計額 707億円(うち2024年度新規実行額198億円) |
③ リスク管理
気候変動リスクは、当行グループの事業運営や財務内容に影響を及ぼす重要なリスクの一つと位置づけております。気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクを認識する等、統合的リスク管理の枠組みにおける管理体制構築に取り組んでおります。
その内容については、適宜、リスク管理委員会で協議を行い、経営会議・取締役会へ報告し、監督を受ける体制としております。
■組織のサステナビリティへの実現・充実
人的資本経営への取り組み
① 指標と目標
10年長期ビジョン「ファーストバンク VISION10」では、2028年3月までを1stSTAGE(変革期)、2028年4月から2033年3月までを2ndSTAGE(発展期)としており、当行の人材戦略では2028年3月までの計数目標を以下のとおり設定し、取り組みを行っております。
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2024年3月実績 |
2025年3月実績 |
2028年3月目標 |
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キャリア バリュー |
公的専門資格保有行員数比率 |
43.5% |
45.7% |
50.0% |
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ITパスポート保有者数 |
78名 |
116名 |
300名 |
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人材育成投資額(行員一人あたり) |
47.8千円 |
70.2千円 |
80.0千円 |
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行内研修時間(行員一人あたり) |
2時間13分 |
2時間11分 |
3時間 |
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エンゲージ メント |
満足度調査① 働き方に満足している |
73.6% |
74.8% |
80.0% |
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満足度調査② 能力や実績が正しく評価されている |
79.1% |
79.2% |
85.0% |
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ソーシャル バリュー |
女性管理職比率 |
11.3% |
12.0% |
15.0% |
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女性代理職比率 |
22.0% |
25.2% |
25.0% |
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男女の賃金差異(全ての労働者) |
56.2% |
58.4% |
60.0% |
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(正規労働者) |
66.7% |
66.9% |
70.0% |
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(非正規労働者) |
59.7% |
64.7% |
65.0% |
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男性職員の育児休業取得率 |
125.0% |
106.3% |
100.0% |
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フィジカル バリュー |
1ヵ月あたり8時間超の時間外労働平均時間 |
7時間21分 |
7時間29分 |
8時間以内 |
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職員の有給休暇取得率 |
75.1% |
76.1% |
80.0% |
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人間ドック受診率 |
82.5% |
84.9% |
100.0% |
※ 満足度調査…当行で実施している「働き方、職場風土に関する意識調査」の回答を記載しております。
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調査目的:働きやすい職場づくり・エンゲージメント向上に向けた「職場の実態把握」と「職員の要望把握」 対 象:全職員(休職者、出向者、退職予定者を除く) 指標項目:① 問:あなたは現在、当行の「働き方」に満足していますか。 答:1.大いに満足している、2.まあまあ満足している、3.どちらともいえない、4.不満である、5.大いに不満である ② 問:あなたの能力や実績は正しく評価されていると思いますか 答:1.とても思う、2.概ね思う、3.どちらともいえない、4.あまり思わない、5.思わない |
※ 以上の問いに対する、答1と答2を合わせた比率を記載しております。
※ 調査項目のうち、銀行と職員との相互理解、エンゲージメントを図る観点から①と②の項目について回答状況を記載しております。
※ 「男性の育児休業取得率」は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しております。
※ 「男性の育児休業取得率」は、計算式の分母を「配偶者が事業年度内に出産した男性労働者の人数」としております。2028年3月目標は、当該事業年度内の対象者全員が取得することを目指し100%としております。
※ 公的専門資格保有行員数比率は、全行員に対する中小企業診断士、FP1級、FP2級、社会保険労務士、証券アナリストのいずれかを保有している者の占める比率となります。
※ 行員一人あたり人材育成投資額は、「研修費(教材費・検定補助金を含む)」/「行員の期中平均人数」で算出しております。
※ グループ全体で主要な事業を営む銀行単体と比較し、連結グループ企業の規模・人員数に大きな開きがあることから、「指標と目標」は銀行単体での計数としております。
② 人材戦略
当行では、長期ビジョン「ファーストバンク VISION10」で掲げるバリュー戦略「お客さまファーストの実践」と「責任ある企業活動の実践」の実現に向けて、職員が最大限に能力を発揮できる人材ポートフォリオの最適化が人材戦略における重要なテーマであると認識しております。
その実現の原動力となる職員の「働きがい・やりがい・生きがい」を創出するため、銀行と職員が共有する「4つのバリュー」を基に、人的資本への積極的な投資による専門性の高い人材の増加、多様な人材の活躍や働きやすさ向上による強固なエンゲージメント構築に取り組んでまいります。
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・人材ポートフォリオでは、成長分野・重要分野への厚みのある人材配置を行う方針としております。 ・将来の計画と現状の人材の質・量の差分を埋めるために、必要スキルの習得に向けた人材育成や、業務効率化による人材の再配置、女性や経験者人材など多様な人材が活躍できる環境整備に取り組んでまいります。 |
[人材育成方針]
・「学び続ける人材の育成・支援」、「自己成長によるやりがい創出」を職員との共通の価値観として各種施策を実行してまいります。
・人材育成を大きく[OJT]、[行内研修]、[行外研修]、[自己啓発支援]の4つに区分し、職員が「成長による喜びや自己実現によるやりがい」を感じることができるような体系・カリキュラムを実行してまいります。
・指標と目標の設定にあたっては、4つのバリューのうち「キャリアバリュー」の共有を重点項目としております。
[社内環境整備方針]
・働き方、職場風土に関する意識調査、1on1ミーティングの充実等、積極的なコミュニケーション機会の増加により、職員のニーズを把握しながらバランスよく施策を実行し、エンゲージメント強化、付加価値創造に向け取り組んでまいります。
・多様な人材が活躍できる明るく働きやすい企業を目指し、キャリア構築の支援、女性の活躍、経験者採用の積極実施、アルムナイネットワークの拡大に向け取り組んでまいります。
・指標と目標の設定にあたっては、エンゲージメントや4つのバリューのうち「ソーシャルバリュー」「フィジカルバリュー」の共有を重点項目としております。
③ 従業員の状況
a.管理職に占める女性労働者の割合
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(単体) |
12.0% |
25.2% |
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(連結) |
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・管理職に占める女性労働者の割合は12.0%(連結11.6%)となりました。女性活躍推進法に基づく第4期行動計画(期間:2023年4月1日~2026年3月31日)で掲げた目標12%の期間内達成を目指しております。
・次の管理職候補者となる支店長代理職に占める女性労働者の割合は25.2%(連結25.2%)であり、引き続き人材育成、社内環境整備により「管理職比率と代理職比率の乖離幅縮小」、「代理職比率向上による裾野拡大」に向け取り組んでまいります。
b.男性の育児休業取得率
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(単体) |
106.3% |
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(連結) |
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・「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号に基づき算出した取得率は106.3%となります。
・「休暇の取得しやすい環境整備」「男性の育児参加」に向けて継続的に取り組み、引き続き男性の育児休業取得率100%を目指してまいります。
(連結子会社の男性に育児休業取得対象者がいないため、単体・連結とも同じ比率となっております。)
c.男女の賃金の差異
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≪正規・非正規による全体比較≫ |
全ての労働者 |
正規労働者 |
非正規労働者 |
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(単体) |
58.4% |
66.9% |
64.7% |
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(連結) |
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67.0% |
63.7% |
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≪同一コース・職種内での比較≫ |
総合職 |
エリア総合職 |
嘱託員(※2) |
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男女の賃金の差異 |
(単体)※1 |
76.6% |
77.0% |
80.9% |
(出向者・育児休業者を除く)
・全体比較では、前年度からほぼ同水準となりました。
・同一コース・職種内での比較は、全ての区分において全体比較よりも高い水準となっております(※1.コースの区分がある単体で算出しております ※2.男性パートタイマー人数ゼロのため嘱託員での比較を行っております)。
・男女の賃金の差異の改善を目指しており、今後女性職員の働きやすい環境整備、キャリアアップ支援等を通じた管理職比率向上等により、本数値が改善するよう取り組んでまいります。
d.有給休暇取得率
・有給休暇取得率は76.1%となり、女性活躍推進法に基づく第4期行動計画(期間:2023年4月1日~2026年3月31日)の目標であった70.0%を達成しました。
・2025年度は引き続き70.0%を目標とし、7割以上の取得率定着を目指してまいります。
e.平均残業時間
・2024年度の8時間超の平均残業時間は7時間29分(1ヶ月あたり)となりました(パートタイマー除く)。
・前年と比較して概ね横ばいとなっておりますが、今後もワークインライフ充実や、健康で働きがいある職場づくり、職員一人ひとりの能力の最大限の発揮に向け取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下の通りです。
当行グループは、このようなリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避や発生した場合の対応に努める態勢を機能させ、リスクの顕現化防止と極小化に努めてまいります。
本項に含まれている将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在で判断したものであります。
1.信用リスク
当行グループは「信用リスク管理規程」等に基づき、信用リスクを管理する体制としております。
(1)不良債権の状況
当行グループの不良債権及び与信関係費用は、経済環境や不動産価格並びに株価の変動、与信先の経営状況及び信用力の低下等により増加する恐れがあり、その結果、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、不良債権のオフバランス化に伴い売却損や償却が増加し、その結果、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)貸倒引当金
当行グループは、差し入れられた担保・保証の価値及び過去の毀損実績率のほかキャッシュ・フロー見積法に基づいて、個別企業の返済能力を反映した適切な貸倒引当金を計上しております。実際の貸し倒れが貸倒引当金の計上時点における前提及び見積りと乖離した場合、または、景気動向の変動、不動産価格下落による担保価値の減少、与信先の経営状況並びに保証人の信用状態の悪化、資産査定及び償却・引当に関する基準の変更、その他地政学的リスクの顕在化を含め予期せぬ事由が生じた場合、貸倒引当金の積み増しが必要になる等、追加的損失が発生し、その結果、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)貸出先への対応
当行グループは、貸出先に債務不履行等が発生した場合においても、回収の効率・実効性その他の観点から、当行グループが債権者として有する法的な権利の全てを必ずしも実行しない場合があります。また、貸出先の再建等を目的として債権放棄、追加貸出等の支援を行なう場合もあります。これらの支援等を行なった場合、あるいはこれらの支援等にもかかわらず企業再建が奏効しない場合、与信関係費用が増加し、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)権利行使の困難性
当行グループは、不動産市場や有価証券市場における流動性の欠如または価格の下落等の事情により、担保権を設定した不動産もしくは有価証券の換金、または貸出先の保有するこれらの資産に対して強制執行することが事実上できない可能性があります。その結果、与信関係費用等が増加し、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)特定地域への依存に関するリスク
当行グループは、富山県を主要な営業基盤としており、地域別与信額においても富山県内向けが大きな割合を占めています。そのため、富山県内の経済状態が悪化した場合には、信用リスクが増加し、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.市場リスク
当行グループは「市場リスク管理規程」等に基づき、市場リスクを管理する体制としております。
(1)金利変動に関するリスク
当行グループの主要業務である貸出や有価証券による資金運用と預金等による資金調達において、金利または期間のミスマッチが存在している中で予期せぬ金利変動等が発生した場合には、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)株価の状況
当行グループは、市場性のある株式を直接又は投資信託等を通じて間接的に保有しており、これらの保有株式は、株価が下落した場合には減損または評価損が発生する可能性があります。また、リスク管理の観点から売却した場合、売却損が発生する可能性があります。その結果、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)債券等の状況
当行グループは、投資活動として内外の国債をはじめとする市場性のある債券等を保有しております。必要に応じて債券等の売却や銘柄の入れ替え等による適切な管理を行なっておりますが、金利の上昇に伴う価格の下落等により、評価損や売却損等が発生する可能性があります。その結果、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)為替リスク
当行グループは、外貨建資産及び負債(オフ・バランスを含む)を保有しております。為替相場の変動によってこれら外貨建資産もしくは負債に不利に影響し、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.流動性リスク
当行グループは「流動性リスク管理規程」等に基づき、流動性リスクを管理する体制としております。
内外の経済情勢や金融市場の変化、外部の格付機関が当行の格付を引下げた場合等、当行グループの信用状態が悪化した場合、通常より著しく高い金利による調達を余儀なくされることにより必要な資金が確保できず、資金繰りが困難となる可能性があります。また、市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被った結果、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
4.オペレーショナル・リスク
当行グループは「オペレーショナル・リスク管理規程」等に基づきオペレーショナル・リスクを管理する体制としております。
(1)事務リスク
当行グループは、法令や諸規則に基づいて預金・為替・貸出業務のほか、証券・信託・資産運用など幅広い業務を行っております。これら多様な業務の遂行に際しては、事務の堅確化に努めるとともに相互牽制機能を強化しておりますが、役職員により不正確な事務、あるいは不正や過失等に起因する不適切な事務が行なわれることにより、損失が発生する可能性があります。
(2)システムリスク
当行グループは、業務遂行にあたり勘定系システムをはじめとした様々なコンピュータシステムを利用しております。安全対策やセキュリティ対策に万全を期すとともに不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを整備しておりますが、当行グループまたは外部のコンピュータシステムのダウンまたはサイバー攻撃等による誤作動等の障害が発生した場合、障害の規模や範囲によっては当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)情報漏洩に関するリスク
当行グループは、多数の法人・個人のお客さまのマイナンバーを含む個人情報や内部情報を保有しておりますので、安全管理措置として、セキュリティポリシーや個人情報保護マニュアルを整備し、役職員に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策等を行なっておりますが、外部者によるコンピュータへの不正なアクセス、役職員及び委託先の人為的ミス、事故等によりお客さまに関する情報等が漏洩した場合は、レピュテーションリスク、行政処分リスク、民事賠償リスク、刑事罰リスク等を負うこととなり、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)コンプライアンス・法務に関するリスク
当行グループは、「コンプライアンス規程」等に基づき、コンプライアンス・法務リスクを管理する体制としております。銀行法のほか各種法令諸規則の適用を受けており、これらの法令諸規則が遵守されるようコンプライアンスの徹底を経営の最重要課題と位置づけ、その態勢整備に努めておりますが、法令等遵守状況が不十分であった場合や、それに起因する訴訟等が提起された場合、その内容によっては行政処分を受けたり当行グループの評価に重大な影響を及ぼす可能性があります。その結果、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)金融犯罪に係るリスク
当行グループでは、キャッシュ・カードの偽造・盗難や振り込め詐欺、マネー・ローンダリング等の金融犯罪防止への各種対策を実施しておりますが、金融犯罪の高度化・大規模化等によりセキュリティ強化または被害発生を未然防止するために多額の費用が必要となる場合、または想定を超える大規模な金融犯罪の発生によりその対策に伴うコストや被害を受けたお客さまへの補償あるいは損害金等が必要となる場合、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)災害等の発生による有形資産等へのリスク
当行グループは、富山県を中心として店舗や事務センター等の施設を有しておりますが、このような施設等は地震・台風・水害(雪害)等の災害や犯罪等の発生により、施設が被害を受けたり施設での業務遂行に必要な人員の確保に支障が生じたりする可能性があります。当行グループは、各種緊急事態を想定し、コンティンジェンシープランを整備しておりますが、被害の程度によっては、当行グループの業務が一時停止する等、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)人的リスク
当行グループは、人事運営上の不公平・不公正・差別行為等から生じる人材の流出・喪失等がないよう、「就業規則」及び「コンプライアンス規程」等に基づく対策を講じておりますが、十分な人材が確保できない場合や人事労務上の問題が発生した場合は、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また感染症の拡大・流行が長期化し、当行職員の感染者が増加した場合、営業店及び本部業務に支障が生じる可能性があります。感染症への対策として、当行では「新型インフルエンザ対策規程」等に基づき事業継続の観点から業務運営体制上の対策を講じております。感染状況が広く経済に影響する場合は、市場価格の下落や融資の毀損を通じて当行グループの業績及び財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
(8)風説・風評の発生によるリスク
当行グループや金融業界に対するネガティブな風説・風評が、マスコミ報道、市場関係者への情報伝播、インターネット等を通じて発生・拡散した場合には、お客さまや市場関係者が当行グループについて事実と異なる理解・認識をされる可能性があります。その結果、当行の株価、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
5.その他のリスク
(1)自己資本比率等に係るリスク
当行グループは「自己資本管理規程」等に基づき自己資本充実度を管理する体制としております。
当行グループは海外拠点を有しておりませんので、単体及び連結自己資本比率を銀行法で定められた国内基準の4%以上に維持しなければなりません。この基準を下回った場合には、金融庁長官から業務の全部または一部の停止等を含む様々な命令を受けることになります。
その結果、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
単体及び連結自己資本比率に影響を与える要因には以下のものが含まれます。
・不良債権の処分に際して生じうる与信関係費用の増加
・債務者の信用力の悪化に際して生じうる与信関係費用の増加
・有価証券ポートフォリオの価値の低下
・繰延税金資産の回収可能性の低下
・自己資本比率の基準及び算定方法の変更
・本項記載のその他の不利益な展開
また当行グループは、当局による「監督指針」に基づき、銀行勘定の資産・負債の金利変動による経済価値の減少額をコア資本で除した比率を計測しております。この比率が20%を上回る場合は、金融庁から改善措置を求められる可能性があります。その結果、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)不動産に関するリスク
当行グループは、固定資産の減損会計を適用しております。当行グループが保有する固定資産について、市場価格の大幅な下落、使用範囲または方法の変更、収益性の低下等により固定資産の減損損失を計上することになる場合、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また不動産関連収益を見込む事業への投融資に関し、賃貸状況の悪化や不動産市場相場が下落した場合においては、当行グループの業績や財政状態に悪影響をおよぼす可能性があります。
(3)繰延税金資産の回収可能性に関するリスク
当行グループでは、現時点の会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来実現すると見込まれる税務上の便益を繰延税金資産として計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があり、当行グループの将来の課税所得の予測に基づいて繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断される場合や、将来的に制度の変更により繰延税金資産の算入額が規制された場合には、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)退職給付債務に関するリスク
年金資産の時価が下落した場合や運用利回りが期待運用収益を下回った場合、退職給付債務を計算する前提となる計算基礎等に変更があった場合等には、数理計算上の差異が発生する可能性があります。また、退職一時金制度や年金制度の変更により、過去勤務費用が発生する可能性があります。これらの数理計算上の差異および過去勤務費用の発生により、当行グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)金融業界の競争激化によるリスク
当行グループが主要な営業基盤とする富山県において、他の金融機関が今後さらに積極的な営業展開を進めることにより、あるいは他の業態が当行の事業分野に新たに参入することにより、競争が一層激化し当行グループが競争優位性を得られない場合は、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)経営戦略に関するリスク
当行グループは、様々な戦略を実施しておりますが、種々の要因によりこれらの戦略が功を奏しないか、当初想定した結果をもたらさない可能性があります。
(7)法的規制の変更のリスク
当行グループは、銀行法のほか各種法令諸規則に従い業務を遂行しております。将来において、法令、規則、政策、実務慣行、解釈、財政政策及びその他の政策の変更等が行なわれた場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)主要な事業の前提事項に関するリスク
当行は、銀行法第4条第1項の規定に基づき、銀行の免許を受け、銀行業を営んでおります。銀行業については、有効期間その他の期限は法令等で定められておりませんが、銀行法第26条及び同第27条にて、業務の停止等及び免許の取消し等となる要件が定められており、これに該当した場合、業務の停止等及び免許の取消し等が命じられることがあります。
なお、現時点において、当行はこれらの要件に該当する事実はないと認識しております。しかしながら、将来、何らかの事由により業務の停止等や免許の取消し等が命じられた場合には、当行の主要な事業活動に支障をきたすとともに、経営成績や財務状況に重大な影響を与える可能性があります。
(9)内部統制の構築に関するリスク
金融商品取引法に基づき、2009年3月期より、経営者による有価証券報告書の開示が適切である旨の宣誓及び財務報告に係る内部統制の有効性を評価した内部統制報告書の作成が義務付けられました。これらに対応するため、当行は従来にも増して業務を適切にモニターし、管理するための有効な内部統制の構築、維持、運営に努めておりますが、予期しない問題が発生した場合等において、想定外の損失、訴訟、監督官庁による何らかの措置、処分等が発生し、財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備について報告を余儀なくされる等の可能性があります。その結果、当行グループに対する市場の評価の低下等、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)業務委託リスク
当行グループの業務委託先において、当行グループが委託した業務に関し事務事故、システム障害、情報漏洩等の事故が発生した場合、「外部委託管理規程」に基づき対応する体制としております。被害が大きい場合は、当行の社会的信用の失墜などによって、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 気候変動リスク
地球温暖化の進行やそれに伴う異常気象等による自然災害の急増など、気候変動がもたらす被害は年々拡大しています。当行では頭取を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、当行グループにおける気候変動リスク・機会の特定・評価やリスク管理への反映など、TCFD(※)に沿った具体的な取り組みを行っております。
当行取引先の事業活動や業況悪化等による信用リスクの増加や、当行グループのオペレーショナル・リスクの増加など、気候変動に伴う移行リスクおよび物理的リスクが当行グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。
(※)TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)は2023年10月をもって解散いたしましたが、TCFDが担っていた役割はISSB(国際サステナビリティ基準審議会)に引き継がれております。なお、TCFD提言に基づいた情報開示は引き続き有効であり、当行はその枠組みを利用して開示を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
2024年度を振り返ると、日本経済は一部に弱めの動きが見られたものの、緩やかな回復を続けました。企業収益は改善傾向にあり、設備投資も増加しました。個人消費は物価上昇の影響が見られたものの、年度後半には実質賃金が上昇に転じたこともあって、底堅く推移しました。
当行グループの営業基盤である北陸地区においても、令和6年能登半島地震の影響は依然として残るものの、景気は緩やかに回復しています。
こうした状況を踏まえ、日本銀行は政策金利を7月に0.25%程度、1月に0.50%程度と段階的に引き上げました。これを受けて、当行も預金金利の引き上げを行うなど、金利のある世界に回帰しており、物価の上昇とともに銀行経営を取り巻く環境は大きく変化しています。
年明け後は、米国の関税政策により日本を含む世界各国の経済情勢、金融市場動向は不透明感を増しており、こうした動きが企業や家計に与える影響が懸念されるところです。
このような経済・金融情勢の中で、当行グループの当連結会計年度の財政状態・経営成績は以下のとおりとなりました。
まず資産・負債の状況をみると、貸出金は事業者向け融資の拡大に加え、住宅ローンの増加により、当期末残高は初めて1兆円を超え、1兆14億円(前年度比216億円増)となりました。有価証券は国内金利、株価等の動向を見極めつつ、ポートフォリオの見直しを進めた結果、当期末残高は4,870億円(前年度比217億円減)となりました。
一方、譲渡性預金を含めた預金等は、金利上昇による定期預金の増加等から、当期末残高は1兆3,970億円(前年度比525億円増)となりました。
次に損益の状況をみると、経常収益は、貸出金利息・有価証券利息配当金などの資金利益や株式売却益の増加により、485億13百万円(前年度比25.4%増)と大幅な増収となりました。このうち株式売却益については、バーゼルⅢ最終化を見据えた自己資本の積上げを図るため、含み益の一部を計画的に実現益として計上したものです。
一方、経常費用は、与信関係費用が大幅に減少した一方、賃上げによる人件費の増加、営業店端末の更改等のシステム投資等による物件費の増加があったことから、前年度とほぼ同水準の295億54百万円(前年度比0.3%増)となりました。この結果、経常利益は189億59百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は133億54百万円と、いずれも前年度を大幅に上回る過去最高益となりました。
また銀行単体の業績においては、銀行の本業利益を表すコア業務純益が100億62百万円と過去最高益を更新しました。
セグメントの損益状況については、銀行業の経常収益は96億58百万円増加の425億58百万円、セグメント利益は103億43百万円増加の192億34百万円となりました。リース業の経常収益は9億90百万円増加の65億57百万円、セグメント利益は5億61百万円増加の6億38百万円となりました。また報告セグメントに含まれていない事業セグメントの経常収益は8億79百万円増加の16億84百万円、セグメント利益は4億91百万円増加の7億54百万円となりました。
なお、グループの中核である当行単体の経営成績等の状況につきましては以下のとおりです。
(損益の状況)
コア業務粗利益については、貸出金利息はボリュームの拡大と利回りの上昇から3年連続の増加、有価証券利息配当金は株式・受益証券等の増配などによる受取配当金の増加等、資金利益が大幅に増加したことや役務取引等利益の増加等により、13億96百万円増加し228億26百万円となりました。一方、経費については、賃上げによる人件費の増加やシステム投資等による物件費の増加により、10億29百万円増加し127億64百万円となりました。
経費の増加以上にコア業務粗利益の増加により、コア業務純益は3億67百万円増加し100億62百万円と過去最高を更新しました。経常利益は103億41百万円増加し192億28百万円となりました。当期純利益は87億46百万円増加し139億51百万円となりました。
(預金・貸出金の残高等)
譲渡性預金を含む預金等残高は、預金金利の引上げに伴う各セグメントでの増加から、534億円増加し1兆3,987億円となりました。貸出金残高は、事業者向けおよび住宅ローンの残高が引き続き増加基調にあり、256億円増加し1兆239億円となりました。有価証券残高は、国内金利、株価等の動向を見極めつつ、ポートフォリオの見直しを進めた結果、228億円減少し4,677億円となりました。
(金融再生法開示債権)
銀行法及び金融再生法に基づく債権の額は、経営改善支援の強化による債務者区分の上方遷移を主因に38億57百万円減少し256億8百万円となり、総与信残高比率は0.44ポイント低下し2.48%となりました。保全額は、貸倒引当金及び担保・保証等の減少により24億22百万円減少し218億35百万円となりましたが、開示債権額がそれ以上減少したため、保全率は2.94ポイント上昇し85.26%となりました。
(自己資本比率)
自己資本比率規制(バーゼルⅢ・国内基準)に基づく自己資本比率は、前年比0.69ポイント増加し11.71%となり、国内基準行に求められる健全性基準の4%を大幅に上回っております。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により33億53百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却および償還による収入等により111億78百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払等により△25億92百万円となりました。
以上により現金及び現金同等物の期末残高は、119億39百万円増加し798億65百万円となりました。
なお、「生産、受注及び販売の実績」等については、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
③国内業務部門・国際業務部門別収支
資金運用収支は220億74百万円、役務取引等収支は16億3百万円、その他業務収支は△20億50百万円となり、その収支合計は216億27百万円であります。
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
資金運用収支 |
前連結会計年度 |
17,023 |
3,909 |
2 |
20,930 |
|
当連結会計年度 |
18,028 |
4,382 |
336 |
22,074 |
|
|
うち資金運用収益 |
前連結会計年度 |
(22) 17,427 |
3,959 |
253 |
21,111 |
|
当連結会計年度 |
(125) 19,565 |
4,547 |
654 |
23,332 |
|
|
うち資金調達費用 |
前連結会計年度 |
404 |
(22) 50 |
250 |
181 |
|
当連結会計年度 |
1,537 |
(125) 164 |
318 |
1,258 |
|
|
役務取引等収支 |
前連結会計年度 |
1,451 |
0 |
2 |
1,449 |
|
当連結会計年度 |
1,599 |
0 |
△3 |
1,603 |
|
|
うち役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
2,491 |
4 |
29 |
2,466 |
|
当連結会計年度 |
2,675 |
4 |
38 |
2,642 |
|
|
うち役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
1,040 |
3 |
26 |
1,017 |
|
当連結会計年度 |
1,076 |
4 |
41 |
1,038 |
|
|
その他業務収支 |
前連結会計年度 |
△4,560 |
1,070 |
229 |
△3,719 |
|
当連結会計年度 |
△5,386 |
3,570 |
235 |
△2,050 |
|
|
うちその他業務収益 |
前連結会計年度 |
6,446 |
2,051 |
436 |
8,061 |
|
当連結会計年度 |
6,740 |
4,892 |
406 |
11,226 |
|
|
うちその他業務費用 |
前連結会計年度 |
11,007 |
980 |
207 |
11,780 |
|
当連結会計年度 |
12,126 |
1,321 |
170 |
13,277 |
(注)1.国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは、当行及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定等は国際業務部門に含めております。
2.相殺消去額とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。
3.資金運用収益及び資金調達費用の上段の( )内計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息(内書き)であり、合計は控除して記載しております。
④国内業務部門・国際業務部門別資金運用/調達の状況
資金運用勘定において、平均残高は合計で1兆5,091億67百万円となり、資金運用利回りは1.54%となりました。
資金調達勘定において、平均残高は合計で1兆4,183億52百万円となり、資金調達利回りは0.08%となりました。
資金運用勘定の主なものは貸出金及び有価証券であります。平均残高ではそれぞれ65%、29%を占め、利息についてもそれぞれ44%、55%を占めております。
資金調達勘定の主なものは預金であり、平均残高で96%、利息で93%を占めております。
○ 国内業務部門
|
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
(108,772) 1,477,235 |
(22) 17,313 |
1.17 |
|
当連結会計年度 |
(114,470) 1,531,097 |
(125) 19,419 |
1.26 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
951,671 |
8,317 |
0.87 |
|
当連結会計年度 |
983,295 |
9,292 |
0.94 |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
29 |
0 |
0.59 |
|
当連結会計年度 |
5 |
0 |
0.34 |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
340,005 |
8,827 |
2.59 |
|
当連結会計年度 |
359,670 |
9,845 |
2.73 |
|
|
うちコールローン及び買入手形 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
76,755 |
145 |
0.19 |
|
当連結会計年度 |
73,655 |
157 |
0.21 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
1,394,455 |
404 |
0.02 |
|
当連結会計年度 |
1,438,960 |
1,537 |
0.10 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
1,305,626 |
126 |
0.00 |
|
当連結会計年度 |
1,373,260 |
1,132 |
0.08 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
46,633 |
8 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
13,069 |
30 |
0.23 |
|
|
うちコールマネー及び売渡手形 |
前連結会計年度 |
2,855 |
△0 |
△0.00 |
|
当連結会計年度 |
14,070 |
28 |
0.20 |
|
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
38,912 |
260 |
0.66 |
|
当連結会計年度 |
37,786 |
309 |
0.81 |
(注)1.国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは、当行及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定等は国際業務部門に含めております。
2.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
3.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
○ 国際業務部門
|
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
110,037 |
4,073 |
3.70 |
|
当連結会計年度 |
115,305 |
4,674 |
4.05 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
19,125 |
1,240 |
6.48 |
|
当連結会計年度 |
20,725 |
1,261 |
6.08 |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
88,875 |
2,816 |
3.16 |
|
当連結会計年度 |
92,153 |
3,398 |
3.68 |
|
|
うちコールローン及び買入手形 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
(108,772) 110,720 |
(22) 50 |
0.04 |
|
当連結会計年度 |
(114,470) 116,244 |
(125) 164 |
0.14 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
1,947 |
27 |
1.43 |
|
当連結会計年度 |
1,773 |
39 |
2.22 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うちコールマネー及び売渡手形 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
○ 合計
|
種類 |
期別 |
平均残高(百万円) |
利息(百万円) |
利回り (%) |
||||
|
小計 |
相殺消去額 (△) |
合計 |
小計 |
相殺消去額 (△) |
合計 |
|||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
1,478,500 |
19,227 |
1,459,272 |
21,364 |
253 |
21,111 |
1.44 |
|
当連結会計年度 |
1,531,932 |
22,764 |
1,509,167 |
23,968 |
654 |
23,313 |
1.54 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
970,797 |
17,915 |
952,881 |
9,557 |
242 |
9,315 |
0.97 |
|
当連結会計年度 |
1,004,021 |
20,860 |
983,161 |
10,553 |
281 |
10,272 |
1.04 |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
29 |
- |
29 |
0 |
- |
0 |
0.59 |
|
当連結会計年度 |
5 |
- |
5 |
0 |
- |
0 |
0.34 |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
428,880 |
678 |
428,202 |
11,644 |
10 |
11,634 |
2.71 |
|
当連結会計年度 |
451,823 |
728 |
451,095 |
13,244 |
354 |
12,890 |
2.85 |
|
|
うちコールローン及び買入手形 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
76,755 |
633 |
76,122 |
145 |
0 |
145 |
0.19 |
|
当連結会計年度 |
73,655 |
1,175 |
72,479 |
157 |
0 |
156 |
0.21 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
1,396,403 |
18,762 |
1,377,640 |
432 |
250 |
181 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
1,440,733 |
22,381 |
1,418,352 |
1,576 |
318 |
1,258 |
0.08 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
1,307,573 |
633 |
1,306,940 |
154 |
0 |
154 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
1,375,033 |
1,175 |
1,373,857 |
1,171 |
0 |
1,170 |
0.08 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
46,633 |
- |
46,633 |
8 |
- |
8 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
13,069 |
- |
13,069 |
30 |
- |
30 |
0.23 |
|
|
うちコールマネー及び売渡手形 |
前連結会計年度 |
2,855 |
- |
2,855 |
△0 |
- |
△0 |
△0.00 |
|
当連結会計年度 |
14,070 |
- |
14,070 |
28 |
- |
28 |
0.20 |
|
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
38,912 |
17,915 |
20,996 |
260 |
242 |
17 |
0.08 |
|
当連結会計年度 |
37,786 |
20,860 |
16,926 |
309 |
281 |
27 |
0.16 |
|
(注)1.相殺消去額とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。
2.国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
⑤国内業務部門・国際業務部門別役務取引の状況
役務取引等収益は26億42百万円となり、役務取引等費用は10億38百万円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
2,489 |
4 |
26 |
2,466 |
|
当連結会計年度 |
2,679 |
4 |
41 |
2,642 |
|
|
うち預金・貸出業務 |
前連結会計年度 |
1,020 |
- |
7 |
1,012 |
|
当連結会計年度 |
1,083 |
- |
8 |
1,075 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
469 |
4 |
- |
473 |
|
当連結会計年度 |
465 |
4 |
- |
470 |
|
|
うち投資信託業務 |
前連結会計年度 |
515 |
- |
- |
515 |
|
当連結会計年度 |
811 |
- |
- |
811 |
|
|
うち証券関連業務 |
前連結会計年度 |
10 |
- |
- |
10 |
|
当連結会計年度 |
10 |
- |
- |
10 |
|
|
うち代理業務 |
前連結会計年度 |
417 |
- |
- |
417 |
|
当連結会計年度 |
236 |
- |
- |
236 |
|
|
うち保護預り・貸金庫業務 |
前連結会計年度 |
13 |
- |
- |
13 |
|
当連結会計年度 |
13 |
- |
- |
13 |
|
|
うち保証業務 |
前連結会計年度 |
42 |
- |
19 |
23 |
|
当連結会計年度 |
57 |
- |
33 |
23 |
|
|
役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
1,040 |
3 |
26 |
1,017 |
|
当連結会計年度 |
1,076 |
4 |
41 |
1,038 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
41 |
3 |
- |
44 |
|
当連結会計年度 |
41 |
4 |
- |
45 |
(注)1.国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは、当行及び連結子会社の外貨建取引であります。
2.相殺消去額とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。
⑥国内業務部門・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
預金合計 |
前連結会計年度 |
1,318,323 |
1,989 |
829 |
1,319,483 |
|
当連結会計年度 |
1,377,096 |
1,665 |
1,679 |
1,377,083 |
|
|
うち流動性預金 |
前連結会計年度 |
727,613 |
- |
829 |
726,783 |
|
当連結会計年度 |
726,431 |
- |
1,679 |
724,752 |
|
|
うち定期性預金 |
前連結会計年度 |
586,375 |
- |
- |
586,375 |
|
当連結会計年度 |
642,245 |
- |
- |
642,245 |
|
|
うちその他 |
前連結会計年度 |
4,334 |
1,989 |
- |
6,324 |
|
当連結会計年度 |
8,419 |
1,665 |
- |
10,085 |
|
|
譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
25,000 |
- |
- |
25,000 |
|
当連結会計年度 |
20,000 |
- |
- |
20,000 |
|
|
総合計 |
前連結会計年度 |
1,343,323 |
1,989 |
829 |
1,344,483 |
|
当連結会計年度 |
1,397,096 |
1,665 |
1,679 |
1,397,083 |
(注)1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2.定期性預金=定期預金+定期積金
3.相殺消去額とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。
⑦国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
|
業種別 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
国内(除く特別国際金融取引勘定分) |
979,826 |
100.00 |
1,001,453 |
100.00 |
|
製造業 |
188,576 |
19.25 |
198,983 |
19.87 |
|
農業、林業 |
1,384 |
0.14 |
953 |
0.10 |
|
漁業 |
76 |
0.01 |
109 |
0.01 |
|
鉱業、採石業、砂利採取業 |
1,384 |
0.14 |
1,225 |
0.12 |
|
建設業 |
61,281 |
6.25 |
65,651 |
6.56 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
37,546 |
3.83 |
39,688 |
3.96 |
|
情報通信業 |
12,426 |
1.27 |
8,149 |
0.81 |
|
運輸業、郵便業 |
36,568 |
3.73 |
39,018 |
3.90 |
|
卸売業、小売業 |
96,088 |
9.81 |
93,828 |
9.37 |
|
金融業、保険業 |
53,654 |
5.47 |
57,425 |
5.74 |
|
不動産業、物品賃貸業 |
86,302 |
8.81 |
89,026 |
8.89 |
|
各種サービス業 |
61,300 |
6.26 |
64,436 |
6.43 |
|
国・地方公共団体 |
106,048 |
10.82 |
95,679 |
9.55 |
|
その他 |
237,188 |
24.21 |
247,275 |
24.69 |
|
特別国際金融取引勘定分 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
979,826 |
- |
1,001,453 |
- |
(注) 「国内」とは、当行及び連結子会社であります。「海外」は該当ありません。
○ 外国政府等向け債権残高(国別)
該当ありません。
⑧国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
国債 |
前連結会計年度 |
35,704 |
- |
- |
35,704 |
|
当連結会計年度 |
31,781 |
- |
- |
31,781 |
|
|
地方債 |
前連結会計年度 |
13,059 |
- |
- |
13,059 |
|
当連結会計年度 |
13,133 |
- |
- |
13,133 |
|
|
社債 |
前連結会計年度 |
70,749 |
- |
- |
70,749 |
|
当連結会計年度 |
68,849 |
- |
- |
68,849 |
|
|
株式 |
前連結会計年度 |
148,281 |
- |
728 |
147,552 |
|
当連結会計年度 |
147,643 |
- |
3,135 |
144,507 |
|
|
その他の証券 |
前連結会計年度 |
138,295 |
103,424 |
- |
241,720 |
|
当連結会計年度 |
136,047 |
92,754 |
- |
228,801 |
|
|
合計 |
前連結会計年度 |
406,091 |
103,424 |
728 |
508,787 |
|
当連結会計年度 |
397,455 |
92,754 |
3,135 |
487,073 |
(注)1.国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは、当行及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2.相殺消去額とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
|
(単位:億円、%) |
|
|
2025年3月31日 |
|
1.連結自己資本比率(2/3) |
12.07 |
|
2.連結における自己資本の額 |
1,167 |
|
3.リスクアセットの額 |
9,665 |
|
4.連結総所要自己資本額 |
386 |
単体自己資本比率(国内基準)
|
(単位:億円、%) |
|
|
2025年3月31日 |
|
1.自己資本比率(2/3) |
11.71 |
|
2.単体における自己資本の額 |
1,117 |
|
3.リスクアセットの額 |
9,537 |
|
4.単体総所要自己資本額 |
381 |
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付を行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
|
債権の区分 |
2024年3月31日 |
2025年3月31日 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
|
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
48 |
58 |
|
危険債権 |
233 |
191 |
|
要管理債権 |
13 |
5 |
|
正常債権 |
9,769 |
10,057 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当行グループは、地域・お客さまの多様化するニーズにお応えし続ける総合金融グループとして、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するべく、2023年6月に長期ビジョンとして「ファーストバンク VISION10」を策定いたしました。当初5年間を1st STAGE(2023年4月~2028年3月)として、利益成長イメージおよび計数目標を設定いたしました。
経営上の目標の達成状況を判断するための指標に照らした経営成績につきましては、以下のとおりです。
(「ファーストバンク VISION10」における1st STAGEの主要計数目標)[単体]
|
|
最終年度目標 |
2024年3月期 実績 |
2025年3月期 実績 |
前年度比 |
|
a.当期純利益 |
60億円程度 |
52億円 |
139億円 |
+87億円 |
|
b.株主資本ベースROE |
6% |
5.34% |
12.19% |
+6.85%pt |
|
c.コアOHR |
60%未満 |
54.76% |
55.92% |
+1.16%pt |
|
d.自己資本比率 |
10% |
11.02% |
11.71% |
+0.69%pt |
a.コア業務純益の増加に加え、計画どおりの株式等損益の計上と与信関係費用の減少により、当期純利益は大幅な増益となりました。
b.当期純利益の増益を踏まえ、配当金の増配や自己株式の取得を実施。資本効率を高めた結果、株主資本ベースROEは上昇しました。
c.賃上げ等による人件費と積極的なシステム投資等による物件費の増加が、貸出金利息や有価証券利息配当金等の増加を含めたコア業務粗利益の増加を上回り、コアOHRは上昇となりました。
d.積極的なリスクテイクによるリスクアセットの増加以上に、自己資本は当初計画した100億円を超える積み上げとなったことから、自己資本比率は上昇しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源および資金の流動性に係る情報)
当行グループの中核事業は銀行業であり、主にお客さまからお預け頂いた預金を貸出金や有価証券等で運用しております。また必要に応じて日銀借入金やコールマネー等の外部調達も行っております。資金調達の状況等については、ALM委員会に報告し必要に応じて妥当性や今後の対応を協議しております。
当面の設備投資や成長分野への投資並びに株主還元等については自己資金で対応する予定であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。