第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

また、当行グループは、銀行業務を中心とした金融サービスの提供にかかる事業を行っており、グループの業績等に占める当行の比率が高いことから、当行の経営方針等を中心に記載しております。

 

(1)経営方針

当行は、未来創造業をパーパスと位置づけ、法人のお客さまと一緒になって会社の発展につながる未来を創り、個人のお客さまと一緒になって家族の幸せにつながる未来を創ることで、地域の皆さまに新たな価値を提供してまいります。あわせて当行の創業以来不変である社是「地域社会の繁栄に奉仕する。これが銀行の発展と行員の幸福を併せもたらすものである。」に基づき、第22次経営計画および2030年ビジョンに従い、地域社会の繁栄に奉仕する地域金融機関として企業価値の一層の向上に努めるとともに、その責務を果たし、株主の皆さまをはじめとするすべてのステークホルダーの揺るぎない支持と信頼の確立に努めてまいります。

 

(2)経営戦略等

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2023年4月から8年間の第22次経営計画「未来創造業の真価の発揮」を策定し、新たに定義した2030年ビジョンを実現させるための重点項目を実施してまいります。

パーパス(存在意義)

 銀行業から『未来創造業』へ

  私たちは『未来創造業』です。

  私たちは、法人のお客さまと一緒になって会社の発展につながる未来を創ります。

  私たちは、個人のお客さまと一緒になって家族の幸せにつながる未来を創ります。

  そして、私たちはお客さまと自分の未来のために一生懸命に仕事をします。

 

2030年ビジョン

  お客さまとともに成長する地域№1金融グループ

重点項目

  サステナビリティ

  人的資本戦略

  DX戦略

 

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

<「財務」中間目標(2027年度)>

当初策定した「財務」中間目標の達成に目処が付いたことから、2025年5月に見直しを実施いたしました。

 

2024年度実績

2027年度目標

 

(見直し後)

2027年度目標

当期純利益(連結)

147億円

150億円

 

200億円

ROE(連結)

5.08%

5%超

 

6%超

コアOHR

57.2%

50%台

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(変更なし)

預貸和

9.0兆円

10兆円

 

(変更なし)

上場政策株式縮減額(取得原価ベース)

116億円

124億円

 

(変更なし)

 

<「非財務」2030年度目標>

 

2024年度実績

2030年度目標

女性配置率

90%

100%

ワークエンゲージメント

3.59

3.60

クロスキャリア比率

61.8%

80%

ESG投融資額(2030年度までの10年間累積実行額)

3,054億円

5,000億円

CO2排出量(2013年度対比)

△42%

△70%

 

(4)DX戦略

2025年度から2027年度を対象期間とする新たなDX戦略を策定いたしました。非対面チャネルの基盤整備から活用拡大へとステージシフトし、データ活用による営業力強化、デジタルチャネルを通じた顧客接点の拡大、お客さまのDX化支援強化、およびデジタル人材の育成に重点を置いて取組んでまいります。

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(5)経営環境

地域金融機関を取り巻く経営環境は、人口減少・少子高齢化といった社会構造問題、地政学的リスクの高まり、米国の通商政策の影響等により、先行きの不確実性が高い状況が継続しております。また、日本銀行による政策金利の引き上げによって、長らく続いた超低金利時代は終わりを告げ、デフレ脱却への期待が高まる中、「金利のある世界」への対応が求められるなど、これまで以上に環境変化への対応力が必要とされております。

当行は、地域金融機関として29,000社余りの事業性取引先数を有しております。これまで維持してきた店舗網を活用し、お客さまの経営課題の把握と適切なソリューションの提案、事業性評価を活用した真の伴走型支援を行うことで、お客さまの企業価値向上に貢献することにより、愛知県内における当行シェアを高め、収益力を強化していく方針です。

 

 

(6)事業上及び財務上の対処すべき課題

上記(5)の経営環境に対応するため、第22次経営計画において①サステナビリティ、②人的資本戦略、③DX戦略の3つの戦略を着実に実践していくことで、2030年ビジョンである「お客さまとともに成長する地域№1金融グループ」の達成を目指してまいります。

具体的には、「持続可能な環境保全への貢献」の取組みとして、コンサルティング機能やファイナンス等の様々な形での支援、ICTを活用した生産性向上の支援、事業承継やベンチャービジネス等のステージに応じた支援、スタートアップ企業への支援体制拡充、カーボンニュートラルや健康経営に関する取組支援等のお客さまの様々なニーズにお応えしてまいります。

 

「地域社会の繁栄に奉仕する」理念のもと、当行グループ全体でお客さまの様々な課題を解決し、地域との共生を成すことで、地域から絶対的に必要とされる金融グループであり続けることを目指します。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

また、当行グループは、銀行業務を中心とした金融サービスの提供にかかる事業を行っており、グループの業績等に占める当行の比率が高いことから、当行のサステナビリティに関する考え方及び取組を中心に記載しております。

 

(1)サステナビリティ経営への取組

当行グループは、「サステナビリティに関する基本方針」に基づき、頭取を委員長とする「サステナビリティ委員会」において、気候変動を含む環境・社会的課題への取組み方針等を審議し、お客さまと地域社会の未来を創造する経営戦略へと反映しております。

 

当行グループは、マテリアリティとして「健全な地域経済の成長への支援」「持続可能な環境保全への貢献」「将来にわたり活躍し続ける人財の育成」を特定しており、全体に係る指標と目標として、第22次経営計画の「非財務」2030年度目標である「ESG投融資を2030年度までの10年間で5,000億円実行すること」を定めております。また、気候変動対応については、CO2排出量に関する指標と目標、人的資本に関する取組みは、健康経営及びダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)に関する各指標と目標を設定しております。

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①ガバナンス

当行グループは、「サステナビリティに関する基本方針」に基づき、頭取を委員長とする「サステナビリティ委員会」において、気候変動を含む環境・社会的課題への取組み方針等を審議し、お客さまと地域社会の未来を創造する経営戦略へと反映しております。

「サステナビリティ委員会」では、取締役及び本部各部の部長、ESG投融資に関わるグループ会社代表取締役をメンバーとして年4回開催し、審議内容を取締役会に報告しております。これにより取締役会が気候変動への取組みを監督する体制を構築しております。

当行のサステナビリティへの取組体制を含めた当行のコーポレート・ガバナンスの概要は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

<サステナビリティ推進室の設置>

サステナビリティに対するガバナンス体制強化のため組織横断的な体制としております。健康経営の推進、サステナビリティ・リンク・ローンやポジティブ・インパクト・ファイナンスといったESGファイナンス等、環境・社会的課題解決に向けて銀行一体となり取組んでおります。

 

②戦略

当行グループは、持続可能な地域社会の実現のため、「めいぎんSDGs宣言」のもと、お客さまの脱炭素社会への移行を支援するサステナブルファイナンスやコンサルティングサービスの提供を積極的に推進しております。

持続的な企業価値の向上を実現させるべく特定セクターに対する「ESG投融資方針」を新たに策定したほか、持続可能な社会の実現のため気候変動に関連するリスクと機会を特定し、当行グループ一体でサステナビリティに取組む体制としております。

 

 

<ESG投融資方針>

名古屋銀行グループは、環境・社会・経済に影響を与える可能性のある特定の事業及びセクターへの投融資に関する取組み方針を以下のとおり明確化しました。本ポリシーに基づき適切な対応に努めることで、持続可能な地域社会の実現に貢献していきます。

環境・社会・経済にポジティブな影響を与える事業に対する取組み方針

下記に例示する事業等に対しては、積極的な投融資支援をしていきます。

・気候変動リスクの低減に資する省エネルギー・再生エネルギー事業

・脱炭素社会への移行に係る対応

・地域社会の持続的発展に資する事業

環境・社会にネガティブな影響を与える可能性のある特定セクターに対する取組み方針

下記に基づき適切に対応することで、環境・社会への影響を極小化するよう努めます。

・森林伐採を伴う事業

違法な森林伐採や焼却等に関わる事業への投融資は行いません。伐採が伴う投融資については、持続可能な認証の取得状況や環境・地域社会への影響やお客さまの対応状況等を考慮した上で慎重に対応します。

・石炭火力発電所に係る対応

原則として、新設及び拡張案件への投融資は行いません。ただし災害対応や国内政策に則った対応を検討する場合は、個別に慎重に対応します。

セクター横断的に禁止する取組み方針

下記に対する投融資は、環境・社会に対するネガティブ要素が強いため取組みません。

・反社会的勢力

・公序良俗や法令等に違反する事業

・ワシントン条約に違反する事業

・人権侵害・強制労働等に関与する事業

・クラスター弾やその他非人道兵器の製造に関与する事業

 

③リスク管理

当行グループにおいて、統合的リスク管理はALM委員会にて行っておりますが、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、サステナビリティ委員会の中でより詳細な検討を行い、共有しております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当行グループに与える財務的影響、当行グループの活動が環境・社会に与える影響、顕現化の可能性を踏まえ行われます。

重要なリスクは、各種会議体での協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。サステナビリティに関するリスクへの対応状況は、サステナビリティ委員会においてモニタリングされ、その内容は取締役会に報告される体制としております。

 

④指標及び目標

目標:ESG投融資を2030年度までの10年間で5,000億円実行すること

 

2021年度から累計3,054億円実行

ESG投融資実行額

2024年度実績

サステナブル関連融資・出資

689億円

ESG債出資

417億円

寄贈型私募債

156億円

災害対策融資

6億円

合計

1,269億円

 

 

(2)気候変動対応(TCFD提言に基づく開示)

①ガバナンス

<各種推進室の設置>

サステナビリティに対するガバナンス体制強化のため組織横断的な体制としてサステナビリティ推進室を設定しております。サステナビリティ・リンク・ローンやポジティブ・インパクト・ファイナンスといったESGファイナンス等、環境・社会的課題解決に向けて銀行一体となり取組んでおります。また、2022年1月設置の自動車サプライチェーン支援室により、地域の自動車サプライチェーンに対して、事業承継や製造現場改善、カーボンニュートラルへの取組み等の支援を行える体制を整備しております。

 

②戦略

<気候変動に関するリスクと機会>

 

内容

リスク

カテゴリ

シナリオ

時間軸※

1.5℃

4℃超

影響度合い

移行

リスク

気候変動に関する規制強化や技術革新が産業や企業に影響し、貸出資産や保有株式等の価値が毀損するリスク

信用リスク

中期~長期

脱炭素に向けた規制対応や消費者嗜好の変化に伴う需要減少がビジネスモデルや財務にネガティブな影響を及ぼすリスク

信用リスク

中期~長期

甚大・広範な自然災害による金融市場の混乱に伴うリスク

市場リスク

短期~長期

気候変動に関する取組みや情報開示が不十分と判断されることに伴うレピュテーションリスク

その他

短期~長期

物理的

リスク

自然災害等による不動産担保資産の価値が毀損するリスク

信用リスク

短期~長期

投融資先の営業拠点が被災により事業活動の継続が困難になるリスク

信用リスク

短期~長期

社会インフラや当行グループの営業拠点が毀損するリスク

オペレーショナルリスク

短期~長期

機会

脱炭素社会への移行を支援する金融商品・サービスの提供等、ビジネス機会の増加

短期~長期

省エネ・再エネ化による事業コストの低下

短期~長期

気候変動対策のためのインフラ整備や技術開発等に対する投融資機会の増加

中期~長期

※短期:5年、中期:10年、長期:30年

 

<シナリオ分析>

いずれの分析結果についても影響は限定的となる見込みとなりましたが、今後もリスクについて注視していくとともに、脱炭素社会への移行に向けたお客さまの取組みを支援していきます。

移行

リスク

・CO2排出量の大きい「エネルギー」と愛知県内の基幹産業である「自動車」の2セクターを対象として、IEA及びPRIの外部シナリオを参考に試算を行いました。

・エネルギーセクターでは、IEAのSDS(2℃未満シナリオ)を参考に、再生可能エネルギーへの追加設備投資費用の増加に起因した2040年までの与信コスト増加額を試算しました。分析の結果、2040年までの与信コストへの影響は単年度1億円程度となる見込みです。

・自動車セクターでは、PRIのFPS(予測政策シナリオ)を参考に、EV化に伴う当セクター全体の企業価値への影響を考慮した場合の与信コスト増大額を試算しました。分析の結果、2050年までの与信コストへの影響は単年度0.3億円程度となる見込みです。

物理的

リスク

・IPCCのRCP8.5(4℃上昇シナリオ)の下で、気候変動に起因する自然災害の大半を占め、愛知県で特に発生確率の高い浸水災害による担保不動産毀損に起因した2050年までの与信コストへの影響を試算しました。

・分析の結果、与信コストへの影響は、2050年までで最大15~24億円となる見込みです。

※上記分析結果は、一定の前提のもと外部シナリオに基づき実施した試算です。引き続きIEAのNZEシナリオ(1.5℃シナリオ)等、外部シナリオの活用による分析の向上及び精緻化に取組みます。

 

③リスク管理

当行グループは、「気候変動リスク」を重要なリスクのひとつとして位置付けるべく「気候変動リスク管理規程」を策定する等、気候変動に対応したリスク管理体制を整備してまいりました。気候変動を要因としてあらゆるリスクが顕現化することを踏まえ、気候変動が与える影響を「統合的リスク管理」の枠組みで対応する体制としております。

 

④指標及び目標

<削減目標と推移>

目標:CO2排出量(Scope1・2)を2030年度に2013年度対比70%削減し、2050年度にネットゼロとすること

<CO2排出量削減目標対比実績>

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<CO2排出量>

TCFD提言等を踏まえ、下記のとおりCO2排出量の算定を行っております。2023年度よりScope1~3のすべての項目の算定を実施しております。今後も排出量把握の精緻化に努めていきます。

算定項目

2024年度 CO2排出量(t-CO2)

Scope1(燃料の燃焼等、直接排出)

668

Scope2(電気の使用等、間接排出)

3,816

Scope3(上記以外の間接エネルギー消費)※

7,690,792

 

カテゴリ1(製品・サービスの購入)

13,966

 

カテゴリ2(資本財)

819

 

カテゴリ3(燃料・エネルギー使用)

904

 

カテゴリ4(購入物品の輸送・配送)

1,825

 

カテゴリ5(廃棄物)

52

 

カテゴリ6(出張)

62

 

カテゴリ7(通勤)

736

 

カテゴリ15(投融資)

7,672,429

総合計

7,695,276

※カテゴリ8~14は該当無し

 

<Scope3カテゴリ15の試算>

投融資を通じた間接的な温室効果ガス排出量は、金融機関におけるScope3(サプライチェーンにおけるCO2排出量)の中でも大きな割合を占めるため、2022年度よりPCAFスタンダード(※)の計測手法を参考に当行の国内事業法人向け融資について試算しました。試算概要は以下のとおりです。

 

※Partnership for Carbon Accounting Financials。金融機関の投融資先における温室効果ガス排出量の計測・開示方法を開発する国際的なイニシアティブ。

 

 

セクター

CO2排出量

(t-CO2)

 

セクター

CO2排出量

(t-CO2)

石油及びガス

41,970

 

化学

48,970

石炭

0

 

建設資材

193,865

電力ユーティリティ

213,711

 

資本財

2,604,939

旅客空輸

1,201

 

不動産管理・開発

51,813

航空貨物

0

 

飲料

18,291

海上輸送

33,172

 

加工食品・加工肉

180,484

鉄道輸送

5,680

 

農業

9,726

トラックサービス

384,492

 

製紙・林業製品

148,640

自動車及び部品

370,401

 

その他

3,095,439

金属・鉱業

269,634

 

合計

7,672,429

 

<算定式>

・排出量=Σ[業種別の売上高当たりの炭素強度×融資先売上高×当行融資の寄与度]

 

<試算条件>

・融資残高:2025年3月末時点

・融資先売上高等財務情報:試算実施の2025年3月末時点で当行の保有する各融資先の最新決算情報

・PCAF定義によるデータ品質は、スコア4相当

 

※策定結果については、国際的な基準の明確化に対する議論が進む中で、今後大きく変化する可能性があります

 

 

(3)人的資本に関する取組

①ガバナンス

<健康経営推進体制>

当行は取締役頭取を健康経営最高責任者に任命し、健康経営施策の推進に関する領域を管掌する一方で、従業員の健康保持・増進におけるリスクを把握し、適切なリスクマネジメントを実施しております。

健康経営に関する基本方針については取締役会にて審議され、各健康経営施策については重要性に応じて各種委員会にて報告・議論された後、常務会に付議されております。また、全体の活動については、定期的な取締役会報告を通じて取締役会による監督が適切に図られる体制となっております。

 

<健康経営推進室の設置>

健康経営最高責任者の下で、各部横断組織として「健康経営推進室」を設置しております。行内及び地域に対する健康経営推進チームとして活動を強化しており、健康や就業に関する意識の醸成や課題に対する施策を進めてまいります。

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②戦略

(人的資本に関する各種方針について)

当行グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

<人材育成方針>

・当行は、2018年に「未来創造業宣言」を行いました。預金と貸出の利鞘に依存した従来の銀行業のビジネスモデルから、「お客さまと未来を創る」、「お客さまと自分の未来のために一生懸命に仕事をする」という新しいビジネスモデルのイメージを「未来創造業」と表現しました。この考えは「お客さまとの持続的な価値向上」を目指す当行グループ全体で共有するものであります。

・2023年4月からスタートした第22次経営計画ではこの未来創造業を当行のパーパス、存在意義と定めました。当行がこの未来創造業の「真価」を発揮していくためには「将来にわたり活躍し続ける人財の育成」が重要課題であり、様々な行員のキャリア自律と環境整備、そして働きがい改革を推進していくことで、当行の企業価値向上を目指します。

 

<社内環境整備方針>

・2023年4月からの第22次経営計画における7色のダイバーシティを起点として多様な人材が多様なスキルを身に付けながら自律的にキャリアを形成していくための体制を整備します。

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さらに、当行グループでは、名古屋銀行のパーパスである「未来創造業」のもと、人権の尊重を経営における重要な課題と位置付け、お客さまとともに、すべての人々の人権が尊重される持続可能な社会の実現に向け、「名古屋銀行グループ 人権方針」を策定しております。

 

<名古屋銀行グループ 人権方針>

名古屋銀行グループ(以下、当行グループ)は、名古屋銀行のパーパスである『未来創造業』に表されるように、お客さま、役職員、取引先をはじめとする多様なステークホルダーとの未来への価値協創を目指す上で、すべての人々の人権を尊重した取り組みを推進します。

 

1.国際規範の尊重

当行グループは、「世界人権宣言」、「国連グローバル・コンパクト」、「ビジネスと人権に関する指導原則」、「労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」、「子どもの権利とビジネス原則」等の国際規範を尊重します。

 

2.適用範囲

本方針は、当行グループのすべての役職員に適用されます。

また、お客さまやサプライヤー等、あらゆるステークホルダーに対しても、本方針の趣旨を理解し、配慮していただくことを期待します。

 

3.役職員に対して

当行グループは、全役職員の人権を尊重し、いかなる場面においても、国籍、人種、民族、門地、社会的身分、宗教、信条、性別、障がいの有無、身体的特徴、性的指向、性自認、健康状態等を理由とした差別、ハラスメント行為、人権侵害を容認しません。

また、役職員一人ひとりの個性や多様性を尊重し、相談できる窓口を設置する等、全役職員が安心して働くことができる職場環境を整備しています。

 

4.お客さまに対して

当行グループは、お客さまの人権を尊重し、商品やサービスの提供にあたり差別的な扱いのないように努めます。

また、お客さまとともに人権課題の解決に努め、人権を侵害しないことを求めていきます。

 

5.サプライヤー(取引業者)に対して

当行グループは、サプライヤーに対しても人権を尊重し、侵害しないことを求めています。

また、サプライヤーが人権に対して負の影響を与えている場合には、サプライヤーに対して適切な対応をとるよう働きかけていきます。

 

6.人権教育の実施

当行グループは、人権に関する正しい理解と認識を深めるため、役職員に対して人権問題に関する教育を継続的に実施します。

 

7.人権デュー・ディリジェンス

当行グループは、適切な人権デュー・ディリジェンスを通じて、事業活動による人権への負の影響を予防・軽減することに努めます。

 

8.救済措置

当行グループは、役職員や提供する商品やサービスが人権に対して負の影響を引き起こした、あるいはこれに関与したことが明らかになった場合には、その救済に向けて適切に対応します。

また、役職員に対しては、差別やハラスメント行為等の人権侵害に対するホットラインを設けており、匿名の相談にも救済に向けて適切に対応します。

 

9.ステークホルダーとの対話

当行グループは、本方針の取り組みについてステークホルダーとの対話や協議を通じて、人権尊重に関する取り組みの向上、改善に努めます。

 

10.管理体制

当行グループは、人権尊重に関する取り組み状況についてサステナビリティ委員会に報告し、人権尊重に関する取り組みの向上、改善に努めます。

また、本方針は取締役会において決議され、必要に応じて見直しを行います。

 

(健康経営について)

当行は、健康経営を推進することはマテリアリティとしての「将来にわたり活躍し続ける人財の育成」を解決するための重要な戦略と位置付けております。働きがいを感じられる職場環境の整備やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進し、多様性と多面性に満ちた人財が活躍できる職場風土の構築に努めてまいります。

 

<健康経営の基本方針>

当行が目指す2031年3月のありたい姿(2030年ビジョン)「お客さまとともに成長する地域No.1金融グループ」の基盤となる従業員1人ひとりの「健康」をサポートするため、4つの基本方針で健康経営を実践してまいります。

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<健康経営戦略マップ>

当行では健康経営を推進するにあたり、資源を適切に配分しその効果を極大化していくために、経営計画で定めた目標達成に向けて、経営課題から各種施策までの繋がりを明確に図示しております。また、健康経営全体及び健康投資の効果を定期的に確認し、PDCAサイクルを意識した健康経営を実践してまいります。

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健康経営の取組状況については当行ホームページ「名古屋銀行の目指す健康経営」(https://www.meigin.com/about/health-management.html)に掲載しております。

(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)について)

前身の女性活躍推進プロジェクト「チームひまわり」から、女性活躍推進施策に加え様々な立場の従業員の視点を組み入れた「チームひまわりPlus+」が2023年1月より発足し、心理的安全性の確保・多様性を尊重する風土の醸成・発想豊かな行員がいきいきと働くことによりサービス向上に繋がるよう、各種施策提言を行っています。

当行では、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進に関連する指標として、第22次経営計画において「女性配置率」と「クロスキャリア比率」を策定しております。「女性配置率」は本部・営業店の管理職及びグループの中で女性が複数名在籍している比率であり、2030年度までに100%を目標としております。「クロスキャリア比率」は入行11~20年目の行員の内、複数の職種や当行以外の業務等を経験した比率であり、2030年度までに80%を目標としております。女性行員の心理的安全性を確保するとともに、様々な業務の経験を通じたキャリアの多様性を重視しております。

また、キャリア採用や障がい者採用についても積極的に推進しております。引続き多様な従業員が働きがいを持って働くことができる環境づくりに努めてまいります。

 

③リスク管理

当行は、人的資本に関する取組みとして、人材におけるリスクに対しても管理体制を構築しております。「就業規則」及び「健康管理規程」に則り、労働条件の明確化、従業員の健康管理や勤務効率の向上、不法行為の防止に努めております。また、毎月開催の健康管理会議(衛生委員会)にて、全従業員の健康保持・増進施策及び発生防止策を検討することで、リスクの低減を図っています。

 

④指標と目標

当行グループでは、上記「②戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当行においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、当行分のみを記載しております。

 

(健康経営にかかる指標について)

 

指標

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

2030年度目標

ワークエンゲージメント※1

3.08

3.58

3.59

3.60

プレゼンティーズム※2

13.9%

14.5%

13.6

20.0

アブセンティーズム※3

1.0日

1.0日

0.9

0.9

高ストレス職場数※4

7職場

0職場

0職場

0職場

離職率※5

4.0%

4.3%

3.6

3.0

※1:ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度の「活力」「熱意」「没頭」の平均値

※2:(100%-(「病気やけががないときに発揮できる仕事の出来を100%として過去4週間の自身の仕事を評価してください」という質問に対する回答(0~100%))の回答者平均にて算出(SPQ東大1項目版)

※3:((傷病を理由とした欠勤日数)+(休職日数))÷(年度内の各月末日時点の在籍行員数(嘱託含む)の平均)にて算出

※4:ストレスチェックの集団分析より得られる総合健康リスク(従業員の健康に影響を与えるリスクを総合的に評価する指標)が120以上であった事業場の数

※5:(年度内の退職行員数)÷(年度内の各月末日時点の在籍行員数の平均)にて算出

 

(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)にかかる指標について)

 

指標

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

目標

女性配置率※6

82%

87%

90

100%(2030年度

クロスキャリア比率※7

44%

49%

61

80%(2030年度

キャリア採用者数※8

22名

27名

38

30名(2025年度

障がい者雇用率※9

2.18%

2.23%

2.78

2.50%(2025年度

※6:本部・営業店の管理職及びグループの中で女性が複数名在籍している比率

※7:11~20年目の行員のうち複数の職種、当行以外の業務等を経験した比率

※8:中途採用者の行員数(嘱託及び臨時従業員から行員への転換者を含む)

※9:「障害者の雇用の促進等に関する法律」(1960年法律第123号)の規定に基づき厚生労働大臣に報告する翌年度6月1日時点の障がい者雇用率

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当行グループ(当行及び連結子会社。以下、本項目においては「当行」と総称。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、本項目においては「経営成績等」という。)に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行が判断したものであります。

信用リスク

①不良債権の状況

国内外の景気や地域経済の動向、取引先の経営状況及び信用力の低下、あるいは不動産価格の下落等によって、不良債権及び与信関係費用は増加し、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、不良債権を最終処理するためのオフバランス化の進捗に伴い売却損や償却が増加し、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

②貸倒引当金の状況

当行は、貸出先の状況、差入れられた担保の価値及び貸倒実績率等に基づいて、合理的に貸倒引当金を算定し、計上しております。貸倒引当金計上時点における見積りと実際の貸倒費用の乖離、経済状態全般の悪化や担保価値の下落、その他予期せざる理由により、貸倒引当金の積み増しが必要となる可能性があります。その結果、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

③貸出先への対応

当行は、債権回収の実効性と効率の観点から、貸出先に債務不履行等が生じた場合においても、債権者として有する法的な権利について、必ずしも行使しない可能性があります。また、当行がこれらの貸出先に対して貸出先の再生等を目的として債権放棄又は追加貸出を行って支援することもありえます。この場合、与信関係費用等の増加により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

④権利行使の困難性

当行は、担保として差入れられた物件によっては、不動産や有価証券の市場における流動性の欠如又は価格の下落等の事情により、担保権を設定した不動産もしくは有価証券等の換金や貸出先の保有するこれらの資産に対する強制執行が困難となる可能性があります。この場合、与信関係費用が増加するとともに不良債権処理が進まず、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤業種別貸出状況

当行は、特定の業種等に対する短期的な収益確保を目的とした信用リスクの集中を排除するとともに、リスク分散によるリスク量の軽減を図ること等を目的として信用リスクを管理しております。業種別貸出状況では、過度に集中している業種はありませんが、貸出金の構成比が比較的高い業種について、経営環境等に変化が生じた場合には、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行は信用リスクに対し、国内外の景気や地域経済の動向を調査しつつ、案件審査や信用格付・自己査定制度等を通じて、取引先ごとに信用リスクを確実に認識する態勢を構築しており、担保について、定期的に評価替えを行うことで価格変動により担保価値が減少するリスクを管理しております。

与信ポートフォリオに対しては、一定期間でどの程度信用コストが発生するかを統計的手法により推計し、自己資本額に与える影響を評価しております。

市場リスク

①金利リスク

当行は、貸出取引や有価証券投資等の資金運用と預金等による資金調達を行っており、金利リスクを認識しつつ慎重な運営を行っております。このような運営において、当行は、金利又は期間のミスマッチが存在している状況において、予期せぬ金利変動等によって、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

②保有有価証券における株価及び債券価格下落のリスク

当行は、市場性のある債券及び株式等の有価証券を保有しております。景気や市場の動向、発行体の信用力の低下、金融政策の変更等によって保有している有価証券の価格が大幅に下落した場合、減損又は評価損が発生し、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

③為替リスク

当行は、外貨建資産及び負債を保有しております。為替レートが変動した場合において、これら外貨建資産及び負債にかかる為替リスクが相殺されない場合、又は適切にヘッジされていない場合には、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行は市場リスクに対し、過去の市場変動に基づき、有価証券の市場価値が今後一定期間でどの程度減少する可能性があるかを統計的に推計することでリスク計測・管理を行っておりますが、過去とは異なる市場変動が起こった場合、リスク量を上回る損失が発生する可能性があるため、過大な損失を回避すべく、損失限度額の設定やシミュレーションによるリスク分析などさまざまな指標で管理を行っております。

 

流動性リスク(資金繰りリスク・市場流動性リスク)

当行は、安定的な資金繰りを行うことを目的として、過度な大口調達等を抑制する等、適切な管理を行っておりますが、国内外の経済情勢や市場環境の変化等により、資金繰りに影響を来したり、当行に対する悪意を持った風評等の発生や、外部の格付機関が当行の格付けを引き下げた場合には、通常より著しく高い金利での調達を余儀なくされたり、調達が困難になったりすることで損失を被る等のリスク(資金繰りリスク)があります。

また、有価証券投資においては換金性を重視しておりますが、債券などの金融商品の売買において、市場の混乱などにより取引ができなくなったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることで損失を被る等のリスク(市場流動性リスク)があります。このような事象が発生した場合、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

オペレーショナル・リスク

様々な人為的又は技術的エラーによって損失が発生するリスクをオペレーショナル・リスクといいます。具体的には、以下のようなリスクがありますが、当行は、オペレーショナル・リスクの発生状況を定期的にモニタリング・分析するほか、外部データベースも活用しリスク低減策等や、システム障害等に対する再発防止策等の検討を行っております。

①事務リスク

当行は、預金・貸出・為替などの銀行業務を中心とした様々な業務を行っていますが、こうした業務において、役職員が故意又は過失による事務ミスを起こすことにより、事故やトラブルが発生し、業務遂行や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

②システムリスク

当行は、基幹系システムをはじめとした様々なコンピュータシステムを利用し、業務を運営しておりますが、コンピュータシステムの停止や誤作動、不正使用等が発生した場合や、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染等の被害を受けた場合、障害の規模によっては、業務遂行や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

③法務リスク

顧客に対する過失による義務違反、不適切なビジネスマーケット慣行、不適切な契約その他の法務上の原因により、損失・損害(監督上の措置並びに和解等により生じる罰金、違約金及び損害賠償金等を含む)を被る可能性があります。

④人的リスク

当行は多数の従業員を雇用しており、有能な人材の確保や育成に努めておりますが、十分な人材の確保・育成ができない場合には、当行の競争力や効率性が低下し、業績又は財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、人事運営上の不公平・不公正(報酬・手当・解雇等の諸問題)及び差別的行為(セクシュアルハラスメント等)、職場の安全衛生環境の問題などに関連する重大な訴訟等が発生した場合、業務遂行や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤有形資産リスク

災害、犯罪又は資産管理の瑕疵などの結果、当行の有形資産が毀損した場合や、あるいは当行の有形資産が顧客などに損傷を与えた場合には、有形資産の再構築費用などの発生や、社会的信用の失墜などによって、業務遂行や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

その他のリスク

①コンプライアンスに関するリスク

当行は、業務を遂行するうえで様々な法令諸規則等の適用を受けており、これらの法令諸規則等遵守の意識の向上と利用者保護の徹底、チェック機能の確立等に向けた具体的施策として、コンプライアンスプログラムを策定しております。階層別の研修や各部店で勉強会を実施する等、役職員に対するコンプライアンスの徹底に努めておりますが、法令等遵守状況が不十分であった場合やそれに起因する訴訟等が提起された場合、当行の評価に重大な影響を及ぼすとともに、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

②繰延税金資産に関するリスク

当行は、将来年度の課税所得を、合理的かつ保守的に見積り、これに基づいて繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、予測や仮定を前提とした将来の課税所得に基づいており、実際の結果がかかる予測や仮定とは異なる可能性があります。その結果、繰延税金資産の一部又は、全部の回収ができないと判断された場合、当行の繰延税金資産は減額され、経営成績等や自己資本比率等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③退職給付債務に関するリスク

当行の退職給付債務は、年金資産の時価が下落した場合や運用利回りが期待運用収益率を下回った場合、退職給付債務を計算する前提となる基礎率等に変更があった場合等には、数理計算上の差異が発生する可能性があります。また、年金制度の変更により過去勤務費用が発生する可能性があります。これらの未認識債務は将来の一定期間にわたって損益として認識していくため、将来の退職給付費用が増加する可能性があります。その結果、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

④固定資産の減損会計に関するリスク

当行は、固定資産の減損会計を行っておりますが、今後の経済環境の動向や不動産価格の変動等によっては、新たな減損が発生する可能性があります。その結果、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤自己資本比率に関するリスク

当行は、海外営業拠点を有しておりますので、連結自己資本比率及び単体自己資本比率について、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)で求められる国際統一基準の水準を維持する必要があります。

自己資本比率が上記の国際統一基準の水準を下回るような場合には、社外流出の制限、あるいは業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。

なお、当行の自己資本比率に影響を与える要因には、以下のものが含まれます。

・有価証券ポートフォリオの価値の低下

・不良債権の処分に際して生じうる与信関係費用の増加

・債務者の信用力の悪化に際して生じうる与信関係費用の増加

・自己資本比率の基準及び算出方法の変更

・本項記載のその他の不利益な展開

以上の要因に対し当行は、信用リスク・市場リスクの項目で記載したリスク管理を行うほか、上記要因が与える影響を分析し対応策の検討・実施を行っております。

⑥規制変更に関するリスク

当行は、現時点における規則に従い、また、規則上のリスク(法律、規則、政策、実務慣行、解釈及び財政の変更の影響を含みます。)を伴って、業務を遂行しております。したがって、今後、政府の方針、法律、規則、政策、実務慣行、解釈、財政及びその他の政策の変更並びにそれらによって、当行のコントロールが及ばない事態が発生した場合、業務遂行や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑦情報管理に関するリスク

当行は、業務の性格上、多数の顧客情報を保有しておりますが、万一情報の漏えい、紛失、不正利用等が発生した場合には、信用失墜など、業務遂行や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行は、顧客情報の利用状況のモニタリング、漏えい等事案の要因分析による再発防止策の役職員への啓発など、情報管理の徹底に努めております。

⑧外部委託に伴うリスク

当行は、業務の外部委託を行うに際して、顧客情報の取扱いの有無、顧客情報の安全管理措置の遵守状況について定期的に確認するなど、業務の規模・特性に応じて適切性の確保を図るよう努めておりますが、委託先において委託業務遂行に支障をきたす事態となった場合や、顧客情報の漏えい等が発生した場合、業務遂行や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑨風説・風評リスク

当行は、広報・IR活動等の積極的な取組みを通じて、当行に対する社会やお客さま、投資家等の正しい理解や信頼を得ることにより、事実と異なる風説・風評の流布の発生防止に努めておりますが、インターネット等を通じて、事実と異なる風説・風評が発生・拡散し易くなっております。このような風説・風評の流布が発生した場合、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑩格付低下によるリスク

当行は、外部格付機関から格付けを取得しておりますが、外部格付機関が当行の格付けを引き下げた場合、資本及び資金調達における条件の悪化、もしくは取引が制約される可能性があり、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑪当行株式の保有に関するリスク

当行の株式を保有している企業が、株価下落による業績への影響を小さくすること、また、金融機関においては、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律に対応すること、リスク・アセットを減らして自己資本比率の維持向上を図ること等を目的として、保有株式を削減する可能性があります。このように、当行株式の市場売却が増加した場合には、当行株式の株価は影響を受ける可能性があります。

 

⑫金融犯罪に関するリスク

当行は、預金口座を多数取扱っており、口座売却防止や偽造・盗難カードの使用を防止する様々な対策を実施しております。また、当行はインターネットバンキングサービスを提供しており、ウイルス対策ソフトの提供やワンタイムパスワードの導入等のセキュリティ対策強化に努めておりますが、想定を超える大規模な犯罪が発生した場合は、その対策に伴うコストや被害を受けたお客さまへの補償等により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑬地域経済の動向及び地域特性の影響を受けるリスク

当行は、愛知県を主要な営業基盤としておりますが、地域経済が悪化した場合は、業容の拡大が図れないほか、不良債権が増加する等、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑭ビジネス戦略が奏効しないリスク

当行は、収益力増強のために、様々なビジネス戦略を実施しておりますが、以下に述べるものをはじめとする様々な要因が生じた場合には、当初想定していた収益増強をもたらさない可能性があります。

・競合状況や市場環境により顧客数が増加せず、資金運用収入や手数料収入が期待通りの成果とならない場合

・経費削減等の効率化が期待通りに進まない場合

・リスク管理での想定を超える市場等の変動等により、有価証券運用が期待通りの成果を上げられない場合

・業務範囲の拡大等に伴う新たなリスクが発生する場合

・DX戦略への対応が遅れることにより、次世代金融サービスの提供や業務効率化が想定通り進まない場合

当行は各種戦略に対し、定期的に市場環境や進捗状況等の確認を行い、必要に応じて機動的に対応を検討することとしております。

⑮災害等の発生に関するリスク

当行は、愛知県を中心として店舗・電算センター等の施設等を保有しており、これらの施設等が継続して安定的に使用できるように、建物・設備等の機能を整備するとともに、経年状況の把握と適切な維持管理に努めておりますが、これらの施設が自然災害、停電、テロ等の想定の範囲を超える大規模災害等の事象が発生し大きな被害を受けるおそれがあります。また、新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症の世界的流行により、業務運営上十分な人員を確保できなくなるおそれがあることや、世界的な経済の悪化により経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行は、これらの緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、バックアップオフィスの構築等、緊急時における業務継続に係る体制整備を行っておりますが、必ずしもあらゆる事態に対応できるとは限らず、被害の程度によっては、当行の業務の全部又は一部が停止し、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑯マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策に関するリスク

当行は、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融への対策のための態勢整備を経営上の重要な課題と位置づけ、組織横断的かつ適切な行内態勢の整備に取組んでおりますが、態勢の不備等により、銀行業務がマネー・ローンダリング等に利用されるおそれがあります。そのような場合には、国内外の規制当局による法令及び規則に抵触し、制裁金の賦課等により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑰気候変動に関するリスク

当行は、気候変動に関するリスクを経営上の重要なリスクとして認識し、リスク管理態勢の整備に取組んでおりますが、気候変動に伴う異常気象や自然災害等によってもたらされる物理的な被害による取引先や当行の事業の停滞、当行不動産担保価値の毀損、また気候関連の規制強化及び低炭素社会への移行に伴う取引先の業績悪化を通じて、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑱人権問題に関するリスク

当行は、当行グループの人権尊重の取組方針として「名古屋銀行グループ人権方針」を制定・公表し、人権尊重に対する取組みの強化を図っておりますが、人権尊重に対する取組みが奏功しない、もしくは不十分である場合、お客さま及び市場等からの信用失墜等により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における連結ベースでの経営成績は以下のとおりとなりました。

グループ全体の経常収益は、株式等売却益等が減少したものの、有価証券利息配当金及び貸出金利息等が増加したことを主な要因として、前連結会計年度比1,511百万円増加し102,788百万円となりました。

経常費用は、国債等債券売却損及び債券貸借取引支払利息が減少したことを主な要因として、前連結会計年度比4,874百万円減少し81,889百万円となりました。

この結果、経常利益は前連結会計年度比6,385百万円増加し20,899百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比4,694百万円増加し14,730百万円となりました。

セグメントごとの経営成績につきましては、次のとおりであります。

(銀行業務)

経常収益は、前連結会計年度比93百万円減少し75,895百万円となりました。セグメント利益は、前連結会計年度比6,323百万円増加し19,967百万円となりました。

(リース業務)

経常収益は、前連結会計年度比1,708百万円増加し22,548百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度比379百万円増加し843百万円となりました。

(カード業務)

経常収益は、前連結会計年度比69百万円増加し2,511百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度比136百万円減少し544百万円となりました。

(その他業務)

経常収益は、前連結会計年度比141百万円減少し3,501百万円となりました。セグメント利益は、前連結会計年度比195百万円減少し316百万円となりました。

 

連結ベースでの主要な勘定の動きは以下のとおりとなりました。

資産の部合計は、前連結会計年度末比339,321百万円増加し5,770,358百万円となりました。

資産項目の主要な勘定残高は以下のとおりであります。

有価証券は、前連結会計年度末比2,180百万円増加し936,433百万円となりました。

貸出金は、前連結会計年度末比209,472百万円増加し3,990,329百万円となりました。

一方、負債の部合計は、前連結会計年度末比366,139百万円増加し5,493,827百万円となりました。

負債項目の主要な勘定残高は以下のとおりであります。

預金は、前連結会計年度末比277,051百万円増加し4,790,183百万円となりました。

譲渡性預金は、前連結会計年度末比112,656百万円増加し235,996百万円となりました。

コールマネー及び売渡手形は、前連結会計年度末比426百万円減少し-百万円となりました。

債券貸借取引受入担保金は、前連結会計年度末比17,363百万円減少し-百万円となりました。

借用金は、前連結会計年度末比2,862百万円減少し367,700百万円となりました。

社債は、前連結会計年度末比10,000百万円減少し、10,000百万円となりました。

純資産の部合計は、前連結会計年度末比26,818百万円減少し276,531百万円となりました。

これは、その他有価証券評価差額金の減少を主因にその他の包括利益累計額合計が前連結会計年度末比35,973百万円減少し57,141百万円となったことが主な要因であります。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比134,932百万円収入が増加し219,451百万円の収入となりました。収入の増加の要因は、譲渡性預金及び預金の増加等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資活動の結果支出した資金は49,886百万円(前連結会計年度は25,048百万円の収入)となりました。支出の増加の要因は、有価証券の取得による支出によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比10,498百万円支出が増加し15,627百万円の支出となりました。支出の増加の要因は、劣後特約付社債の償還による支出等によるものです。

 

この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、704,976百万円であり、前連結会計年度末比153,938百万円の増加となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため該当する情報がないので、記載しておりません。

 

④参考

a.国内・海外別収支

当連結会計年度の資金調達費用は、前連結会計年度比1,602百万円増加し10,121百万円となり、資金運用収益は、前連結会計年度比9,642百万円増加し50,777百万円になりました。

  その結果資金運用収支は、前連結会計年度比8,039百万円増加し40,656百万円となりました。

  役務取引等収支は前連結会計年度比449百万円増加し10,475百万円となりました。

  また、その他業務収支は前連結会計年度比5,755百万円増加し△6,205百万円となりました。

なお、経常収益に占める主なものは、資金運用収益(合計)が49%、その他業務収益(合計)が28%であります。経常費用に占める資金調達費用(合計)の割合は12%、その他業務費用(合計)は42%となっております。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

33,004

383

△771

32,616

当連結会計年度

41,070

347

△761

40,656

うち資金運用収益

前連結会計年度

41,427

561

△854

41,134

当連結会計年度

51,157

520

△900

50,777

うち資金調達費用

前連結会計年度

8,422

178

△83

8,518

当連結会計年度

10,087

172

△138

10,121

信託報酬

前連結会計年度

48

48

当連結会計年度

61

61

役務取引等収支

前連結会計年度

10,033

△2

△4

10,026

当連結会計年度

10,437

△1

39

10,475

うち役務取引等収益

前連結会計年度

13,367

2

△227

13,142

当連結会計年度

14,147

1

△179

13,969

うち役務取引等費用

前連結会計年度

3,334

5

△223

3,116

当連結会計年度

3,710

3

△219

3,493

その他業務収支

前連結会計年度

△11,719

194

△435

△11,961

当連結会計年度

△5,681

△47

△476

△6,205

うちその他業務収益

前連結会計年度

27,334

194

△537

26,991

当連結会計年度

28,930

△535

28,394

うちその他業務費用

前連結会計年度

39,053

△101

38,952

当連結会計年度

34,611

47

△58

34,600

 (注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。

2.「海外」とは、当行の海外店であります。

3.「合計」欄は、内部取引金額等(相殺消去額(△))を相殺消去しております。

b.国内・海外別資金運用/調達の状況

当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は前連結会計年度比532,541百万円増加の5,309,927百万円で、利回りは、有価証券利回り等の上昇により0.95%となりました。

当連結会計年度の資金調達勘定の平均残高は前連結会計年度比121,226百万円増加の5,222,427百万円で、利回りは、0.19%となりました。

ⅰ.国内

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

4,788,109

41,427

0.86

当連結会計年度

5,326,232

51,157

0.96

うち貸出金

前連結会計年度

3,670,595

28,263

0.76

当連結会計年度

3,856,623

32,333

0.83

うち商品有価証券

前連結会計年度

3

0

0.05

当連結会計年度

4

0

0.10

うち有価証券

前連結会計年度

831,137

12,145

1.46

当連結会計年度

831,855

16,793

2.01

うちコールローン及び

買入手形

前連結会計年度

4,201

177

4.23

当連結会計年度

2,615

130

4.99

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引支払

保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

269,625

467

0.17

当連結会計年度

625,344

1,769

0.28

資金調達勘定

前連結会計年度

5,124,446

8,422

0.16

当連結会計年度

5,249,262

10,088

0.19

うち預金

前連結会計年度

4,424,661

1,329

0.03

当連結会計年度

4,663,719

4,132

0.08

うち譲渡性預金

前連結会計年度

103,806

44

0.04

当連結会計年度

162,840

479

0.29

うちコールマネー及び

売渡手形

前連結会計年度

188,152

548

0.29

当連結会計年度

2,319

118

5.09

うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引受入

担保金

前連結会計年度

57,645

3,206

5.56

当連結会計年度

2,150

121

5.63

うちコマーシャル・

ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

329,723

356

0.10

当連結会計年度

399,017

400

0.10

(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。

2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度428,238百万円、当連結会計年度45,236百万円)を控除して表示しております。

3.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の(連結)子会社については、毎月の残高に基づく平均残高を利用しております。

4.連結会社間の取引は、相殺消去しておりません。

ⅱ.海外

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

17,463

561

3.21

当連結会計年度

17,660

520

2.94

うち貸出金

前連結会計年度

13,362

409

3.06

当連結会計年度

13,164

374

2.84

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールローン及び

買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引支払

保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

4,011

152

3.80

当連結会計年度

4,020

145

3.61

資金調達勘定

前連結会計年度

9,073

178

1.96

当連結会計年度

9,481

171

1.80

うち預金

前連結会計年度

8,228

157

1.91

当連結会計年度

9,283

167

1.80

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー及び

売渡手形

前連結会計年度

654

15

2.29

当連結会計年度

うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引受入

担保金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコマーシャル・

ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

191

5

3.10

当連結会計年度

197

4

2.13

(注)「海外」とは、当行の海外店であります。

 

ⅲ.合計

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り

(%)

小計

相殺消去額

(△)

合計

小計

相殺消去額

(△)

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

4,805,572

△28,186

4,777,386

41,988

△854

41,134

0.86

当連結会計年度

5,343,893

△33,965

5,309,927

51,677

△900

50,777

0.95

うち貸出金

前連結会計年度

3,683,958

△23,549

3,660,408

28,672

△73

28,598

0.78

当連結会計年度

3,869,787

△28,957

3,840,830

32,708

△132

32,576

0.84

うち商品有価証券

前連結会計年度

3

3

0

0

0.05

当連結会計年度

4

4

0

0

0.10

うち有価証券

前連結会計年度

831,137

△4,035

827,102

12,145

△780

11,365

1.37

当連結会計年度

831,855

△4,035

827,819

16,793

△767

16,025

1.93

うちコールローン及び

買入手形

前連結会計年度

4,201

4,201

177

177

4.23

当連結会計年度

2,615

2,615

130

130

4.99

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引支払

保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

273,637

△600

273,036

619

△0

619

0.22

当連結会計年度

629,365

△973

628,392

1,914

△0

1,914

0.30

資金調達勘定

前連結会計年度

5,133,520

△32,319

5,101,201

8,601

△83

8,518

0.16

当連結会計年度

5,258,743

△36,315

5,222,427

10,259

△138

10,121

0.19

うち預金

前連結会計年度

4,432,890

△8,769

4,424,120

1,487

△0

1,487

0.03

当連結会計年度

4,673,003

△7,358

4,665,644

4,299

△0

4,299

0.09

うち譲渡性預金

前連結会計年度

103,806

103,806

44

44

0.04

当連結会計年度

162,840

162,840

479

479

0.29

うちコールマネー及び

売渡手形

前連結会計年度

188,807

188,807

563

563

0.29

当連結会計年度

2,319

2,319

118

118

5.09

うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引受入

担保金

前連結会計年度

57,645

57,645

3,206

3,206

5.56

当連結会計年度

2,150

2,150

121

121

5.63

うちコマーシャル・

ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

329,914

△23,549

306,365

362

△73

288

0.09

当連結会計年度

399,214

△28,957

370,257

404

△132

272

0.07

(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度420,070百万円、当連結会計年度38,850百万円)を控除して表示しております。

2.「合計」欄は、内部取引金額等(相殺消去額(△))を相殺消去しております。

 

c.国内・海外別役務取引の状況

役務取引等収益(合計)は、前連結会計年度比826百万円増加し13,969百万円、役務取引等費用(合計)は、前連結会計年度比377百万円増加し3,493百万円となりました。役務取引等収益のうち、預金・貸出業務が6,323百万円(45%)、為替業務が2,577百万円(18%)となっております。

役務取引等費用の主なものは、為替業務の390百万円(11%)であります。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

13,367

2

△227

13,142

当連結会計年度

14,147

1

△179

13,969

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

5,722

0

△11

5,711

当連結会計年度

6,334

0

△10

6,323

うち為替業務

前連結会計年度

2,549

2

△32

2,519

当連結会計年度

2,609

1

△33

2,577

うち証券関連業務

前連結会計年度

2,292

2,292

当連結会計年度

2,495

2,495

うち代理業務

前連結会計年度

1,261

1,261

当連結会計年度

1,308

1,308

うち保護預り・貸金庫業務

前連結会計年度

173

173

当連結会計年度

168

168

うち保証業務

前連結会計年度

96

96

当連結会計年度

106

106

役務取引等費用

前連結会計年度

3,334

5

△223

3,116

当連結会計年度

3,710

3

△219

3,493

うち為替業務

前連結会計年度

377

377

当連結会計年度

390

390

(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。

2.「海外」とは、当行の海外店であります。

3.「合計」欄は、内部取引金額等(相殺消去金額(△))を相殺消去しております。

 

d.国内・海外別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

4,510,713

9,099

△6,681

4,513,131

当連結会計年度

4,786,776

10,507

△7,100

4,790,183

うち流動性預金

前連結会計年度

3,324,674

510

△6,671

3,318,513

当連結会計年度

3,301,590

378

△7,090

3,294,878

うち定期性預金

前連結会計年度

1,149,134

8,589

△10

1,157,714

当連結会計年度

1,450,213

10,128

△10

1,460,331

うちその他

前連結会計年度

36,904

36,904

当連結会計年度

34,972

34,972

譲渡性預金

前連結会計年度

123,340

123,340

当連結会計年度

235,996

235,996

総合計

前連結会計年度

4,634,053

9,099

△6,681

4,636,471

当連結会計年度

5,022,772

10,507

△7,100

5,026,179

 (注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。

2.「海外」とは、当行の海外店であります。

3.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

4.定期性預金=定期預金+定期積金

5.「合計」欄は、内部取引金額等(相殺消去額(△))を相殺消去しております。

 

 

e.国内・海外別貸出金残高の状況

ⅰ.業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

3,767,468

100.00

3,978,006

100.00

製造業

470,086

12.48

475,615

11.96

農業,林業

1,452

0.04

1,691

0.04

漁業

123

0.00

152

0.00

鉱業,採石業,砂利採取業

3,851

0.10

3,314

0.08

建設業

240,080

6.37

243,662

6.13

電気・ガス・熱供給・水道業

68,446

1.82

66,903

1.68

情報通信業

24,623

0.65

28,789

0.72

運輸業,郵便業

122,224

3.24

127,083

3.19

卸売業,小売業

389,726

10.35

405,726

10.20

金融業,保険業

405,588

10.77

467,822

11.76

不動産業,物品賃貸業

519,666

13.79

549,971

13.83

学術研究,専門・技術サービス業

29,306

0.78

31,792

0.80

宿泊業,飲食サービス業

39,851

1.06

39,806

1.00

生活関連サービス業,娯楽業

37,767

1.00

38,835

0.98

教育,学習支援業

11,704

0.31

13,468

0.34

医療,福祉

60,684

1.61

62,752

1.58

その他のサービス

84,801

2.25

96,835

2.43

地方公共団体

192,247

5.10

223,929

5.63

その他

1,065,235

28.28

1,099,853

27.65

海外及び特別国際金融取引勘定分

13,388

100.00

12,323

100.00

政府等

金融機関

その他

13,388

100.00

12,323

100.00

合計

3,780,857

──

3,990,329

──

  (注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。

2. 「海外」とは、当行の海外店であります。

3.連結会社間の取引は、相殺消去しております。

 

ⅱ.外国政府等向け債権残高(国別)

 前連結会計年度、当連結会計年度ともに該当事項はありません。

 

f.国内・海外別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

100,037

100,037

当連結会計年度

178,130

178,130

地方債

前連結会計年度

128,073

128,073

当連結会計年度

96,436

96,436

社債

前連結会計年度

207,758

207,758

当連結会計年度

206,894

206,894

株式

前連結会計年度

171,833

△4,035

167,797

当連結会計年度

124,994

△4,035

120,958

その他の証券

前連結会計年度

330,586

330,586

当連結会計年度

334,013

334,013

合計

前連結会計年度

938,289

△4,035

934,253

当連結会計年度

940,469

△4,035

936,433

(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。

2.「海外」とは、当行の海外店であります。

3.「合計」欄は、内部取引金額等(相殺消去額(△))を相殺消去しております。

4.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(参考)

「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況

連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当行1行であります。

 

〇信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)

資産

科目

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

銀行勘定貸

1,588

100.00

1,478

100.00

合計

1,588

100.00

1,478

100.00

 

負債

科目

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金銭信託

1,588

100.00

1,478

100.00

合計

1,588

100.00

1,478

100.00

(注)共同信託他社管理財産については、前連結会計年度(2024年3月31日)及び当連結会計年度(2025年3月31日)のいずれも取扱残高はありません。

 

〇元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)

科目

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

金銭信託

(百万円)

貸付信託

(百万円)

合計

(百万円)

金銭信託

(百万円)

貸付信託

(百万円)

合計

(百万円)

銀行勘定貸

1,588

1,588

1,478

1,478

資産計

1,588

1,588

1,478

1,478

元本

1,588

1,588

1,476

1,476

その他

0

0

2

2

負債計

1,588

1,588

1,478

1,478

 

 

(自己資本比率等の状況)

(参考)

自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

なお、当行は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。また、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法を採用しております。

また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(2019年金融庁告示第11号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

連結自己資本比率(国際統一基準)

(単位:億円、%)

 

 

 2025年3月31日

1.

連結総自己資本比率(4/7)

11.74

2.

連結Tier1比率(5/7)

10.18

3.

連結普通株式等Tier1比率(6/7)

10.18

4.

連結における総自己資本の額

2,984

5.

連結におけるTier1資本の額

2,588

6.

連結における普通株式等Tier1資本の額

2,588

7.

リスク・アセットの額

25,408

8.

連結総所要自己資本額(7×8%)

2,032

 

連結レバレッジ比率(国際統一基準)

(単位:%)

 

 

 2025年3月31日

連結レバレッジ比率

5.04

 

単体自己資本比率(国際統一基準)

(単位:億円、%)

 

 

2025年3月31日

1.

単体総自己資本比率(4/7)

11.47

2.

単体Tier1比率(5/7)

9.91

3.

単体普通株式等Tier1比率(6/7)

9.91

4.

単体における総自己資本の額

2,864

5.

単体におけるTier1資本の額

2,475

6.

単体における普通株式等Tier1資本の額

2,475

7.

リスク・アセットの額

24,959

8.

単体総所要自己資本額(7×8%)

1,996

 

単体レバレッジ比率(国際統一基準)

(単位:%)

 

 

2025年3月31日

単体レバレッジ比率

4.87

 

(資産の査定)

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

2.危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

3.要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

4.正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

資産の査定の額

債権の区分

2024年3月31日

2025年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

103

93

危険債権

810

580

要管理債権

130

127

正常債権

37,482

39,902

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当行グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当行グループの経営陣は、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、当行が連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

・貸倒引当金の計上

当行及び連結子会社における貸出金、支払承諾見返等の債権の残高は多額であり、経営成績等に対する影響が大きいため、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。

当行の貸倒引当金は、予め定めている償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。

「銀行等金融機関の資産の自己査定並びに貸倒償却及び貸倒引当金の監査に関する実務指針」(日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号 2022年4月14日)に規定する各債務者区分の債権については、以下のとおりです。

正常先債権及び要注意先債権に相当する債権については、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、1年間の倒産実績を基礎とした倒産確率の過去の一定期間における平均値に基づき損失率を求め、これに将来見込み等必要な修正を加えて算定しております。

破綻懸念先債権に相当する債権については、債権額から担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち必要と認める額を計上しております。

破綻先債権及び実質破綻先債権に相当する債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した残額を計上しております。

すべての債権は、自己査定基準に基づき、営業関連部署が一次・二次の資産査定を実施し、当該部署から独立した資産監査部署が査定結果を監査しております。

連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。

当行の経営者は、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。このため、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合には、将来当行及び連結子会社が貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当行グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

経営成績の分析

当連結会計年度の業績は、前連結会計年度と比較して、経常収益は1,511百万円増加し102,788百万円となりました。経常利益は6,385百万円増加し20,899百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4,694百万円増加し14,730百万円となりました。

当連結会計年度の主要な損益状況は次のとおりであります。

〔連結損益状況〕

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減(百万円)

(百万円)(A)

(百万円)(B)

(B)-(A)

連結業務粗利益(注)1

30,729

44,987

14,258

 

資金利益

32,616

40,656

8,039

 

役務取引等利益

10,074

10,537

462

 

その他業務利益

△11,961

△6,205

5,755

営業経費(△)

31,030

31,074

44

貸倒償却引当費用(△)①

4,229

1,314

△2,914

 

一般貸倒引当金繰入額

1,280

401

△878

 

貸出金償却

2

22

20

 

個別貸倒引当金繰入額

2,194

217

△1,977

 

偶発損失引当金繰入額

309

△309

 

延滞債権等売却損等

442

672

230

貸倒引当金戻入益②

償却債権取立益

2

2

△0

偶発損失引当金戻入益③

249

249

株式等関係損益

19,451

8,769

△10,681

その他

△411

△722

△310

経常利益

14,513

20,899

6,385

特別損益

0

△196

△197

税金等調整前当期純利益

14,513

20,702

6,188

法人税、住民税及び事業税(△)

5,706

5,067

△639

法人税等調整額(△)

△1,229

904

2,133

法人税等合計(△)

4,477

5,971

1,494

当期純利益

10,036

14,730

4,694

親会社株主に帰属する当期純利益

10,036

14,730

4,694

 

与信関連費用(①-②-③)

4,229

1,064

△3,164

 

連結業務純益(注)2

△2,642

11,886

14,528

(注)1 連結業務粗利益=資金利益(資金運用収益-資金調達費用)

+役務取引等利益(役務取引等収益(信託報酬を含む)-役務取引等費用)

+その他業務利益(その他業務収益-その他業務費用)

2 連結業務純益=単体業務純益+子会社経常利益+関連会社経常利益×持分-内部取引(配当等)

 

 (資金利益)

 資金運用収益については、有価証券利息配当金等が増加したことを主な要因として、9,642百万円増加いたしました。

資金調達費用については、預金利息等が増加したことを主な要因として、1,602百万円増加いたしました。

この結果、資金利益は前連結会計年度比8,039百万円増加となりました。

 (役務取引等利益)

役務取引等利益については、受入手数料の増加等により、前連結会計年度比462百万円増加いたしました。

 (その他業務利益)

その他業務利益については、国債等債券売却損の減少等により、前連結会計年度比5,755百万円増加いたしました。

 (営業経費)

営業経費については、前連結会計年度比44百万円増加いたしました。

 (貸倒償却引当費用)

貸倒償却引当費用については、貸倒引当金繰入額が減少したことを主な要因として、前連結会計年度比2,914百万円減少いたしました。

 (株式等関係損益)

株式等関係損益については、前連結会計年度比10,681百万円減少いたしました。

 (経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)

以上のことなどから、経常利益は、前連結会計年度比6,385百万円増加し20,899百万円となりましたまた、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比4,694百万円増加し14,730百万円となりました。

 

財政状態の分析

 (預金等)

預金については、地域に密着した取組みなどにより、前連結会計年度比277,051百万円増加し4,790,183百万円となりました。また、譲渡性預金については、112,656百万円増加し235,996百万円となりました。

 (貸出金)

貸出金については、前連結会計年度比209,472百万円増加し3,990,329百万円となりました。

これは、地元企業の資金需要や住宅ローンを中心とした個人向け融資等、各種資金ニーズに積極的に対応した結果であります。

 (有価証券)

有価証券については、前連結会計年度比2,180百万円増加し936,433百万円となりました。

 (不良債権)

当行の金融再生法に基づく開示債権については、「破産更生債権及びこれらに準ずる債権、危険債権、要管理債権」の合計で前事業年度比24,198百万円減少し80,231百万円となり、対象債権合計に占める割合は、前事業年度比0.74ポイント減少し1.97%となりました。なお、当行は部分直接償却を実施しておりませんが、仮に実施したと仮定した場合の対象債権合計に占める割合は、1.89%となります。

 金融再生法基準による不良債権(単体)

 

 

前事業年度

(A)

当事業年度

(B)

増減

(B)-(A)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

百万円

10,311

9,398

△912

危険債権

百万円

81,028

58,072

△22,955

要管理債権

百万円

13,090

12,760

△330

 

三月以上延滞債権

百万円

167

914

747

 

貸出条件緩和債権

百万円

12,923

11,845

△1,077

合計①

百万円

104,429

80,231

△24,198

対象債権合計②

百万円

3,852,680

4,070,435

217,755

不良債権額の対象債権合計に占める割合(①/②)

2.71

1.97

△0.74

(ご参考) 部分直接償却を実施したと仮定した場合

不良債権額の対象債権合計に占める割合

2.64

1.89

△0.75

 

〔連結自己資本比率(国際統一基準)〕

バーゼルⅢに基づく総自己資本比率は前期比1.59ポイント減少し、11.74%となりました。また、Tier1比率は10.18%、普通株式等Tier1比率は10.18%となりました。

 

 

 

前連結会計年度末

(A)

当連結会計年度末

(B)

増減

(B)-(A)

1.

総自己資本比率(4/7)

13.33

11.74

△1.59

2.

Tier1比率(5/7)

11.36

10.18

△1.18

3.

普通株式等Tier1比率(6/7)

11.36

10.18

△1.18

4.

総自己資本の額

億円

3,336

2,984

△351

5.

Tier1資本の額

億円

2,844

2,588

△256

6.

普通株式等Tier1資本の額

億円

2,844

2,588

△256

7.

リスク・アセットの額

億円

25,029

25,408

378

8.

総所要自己資本額(7×8%)

億円

2,002

2,032

30

(注)自己資本比率の算出にあたっては、以下の手法を採用しております。

・信用リスクに関する手法:標準的手法

・オペレーショナル・リスクに関する手法:標準的計測手法

小数点第2位未満を切捨てにて表示しております。

 

③キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

当行グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

また、不良債権処理について、貸倒償却引当費用は前連結会計年度比2,914百万円減少して1,314百万円となりました。

株式等関係損益については、前連結会計年度比10,681百万円減少して8,769百万円になりました。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性

当行グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性を維持することが重要だと認識しております。銀行法等の各種法令及び金融庁、その他関係規制当局の定める各種規制を遵守することに加え、それを準拠した行内規程を策定、運用しながら、十分な現預金等を準備し、支払能力を確保することに努めております。

また、お客さまからの預金を主な源泉とし、営業エリア内の中小企業向けの融資を中心とした貸出と主に市場性のある有価証券投資を行う中で、円滑な決済等に必要な水準の流動性を確保しております。

なお、固定資産の取得等の資本的支出につきましては、自己資金で対応しております。

 

⑥経営方針に照らした、経営者による経営成績等の分析・検討内容

経営方針に照らした、経営者による経営成績等の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。