第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の記載における将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において当行が判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

当行は、以下の「基本方針」等に基づき、地域経済の活性化や地域貢献等に強力に取り組んでまいります。

(経営理念)

・Contribution:貢献

わたくしたち豊和銀行は、地域の発展に貢献します。

・Customers:お客様第一主義

わたくしたち豊和銀行は、常にお客さまに寄り添い、ありがとうと言っていただける銀行を目指します。

・Challenge&Change:挑戦と変革

わたくしたち豊和銀行は、たゆまぬ挑戦と変革により、未来を切り開きます。

(目指す姿)

「地元大分になくてはならない地域銀行」

(基本方針)

「地域への徹底支援による地元経済の活性化」

 

(2) 目標とする経営指標

2022年9月に公表した「経営強化計画」(対象期間:2022年4月~2025年3月)につきましては、「経営の改善の目標」である「コア業務純益」及び「業務粗利益経費率」に加え、中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化及び地域経済の活性化に資するため、「中小規模事業者等向け貸出残高」、「中小規模事業者等向け貸出残高の総資産に対する比率」及び「経営改善支援等取組先数の取引先企業総数に占める比率」を目標に掲げております。

2024年度につきましては、「コア業務純益」、「業務粗利益経費率」及び「中小規模事業者等向け貸出残高の総資産に対する比率」については目標達成見込みとなりましたが、他の2項目については、未達成の見込みとなっております。

 

2022/3

2022/9

2023/3

2023/9

2024/3

2024/9

2025/3

2025/3

2025/3

実績

実績

実績

実績

実績

実績

計画

実績

計画比

(始期)

 

 

 

 

 

 

(速報)

 

コア業務純益
(百万円)

1,333

719

1,537

685

1,506

903

1,521

1,802

+281

業務粗利益経費率

65.53%

63.67%

63.48%

68.11%

67.52%

63.48%

65.52%

63.43%

△2.09P

中小規模事業者等向け貸出残高(億円)

2,885

2,884

2,945

2,950

2,997

3,027

3,179

3,096

△83

中小規模事業者等向け貸出残高の総資産に対する比率

44.87%

44.80%

47.52%

47.17%

48.29%

48.52%

49.70%

51.64%

+1.94P

経営改善支援等取組先数の取引先企業総数に占める比率

4.14%

3.73%

4.89%

4.42%

3.60%

3.38%

4.23%

3.66%

△0.57P

 

※「コア業務純益」=「業務純益」+「一般貸倒引当金繰入額」-「国債等債券損益」

※「業務粗利益経費率」=(「経費」-「機械化関連費用」)÷「業務粗利益」

※「中小規模事業者等向け貸出」とは、銀行法施行規則第19条の2第1項第3号ハに規定する別表第一における中小企業等から個人事業者以外の個人等を除いた先に対する貸出をいいます。

※「経営改善支援等取組先」とは、「経営改善応援ファンド支援先」「資金繰り安定化ファンド支援先」「事業継承支援先」「創業・新事業開拓支援先」「事業再生支援先」をいいます。

 

 

(3) 経営環境

2024年度の国内経済は、コロナ禍が収束し、経済活動が正常化したことで、概ね堅調に推移してきました。しかしながら、原材料価格、エネルギー価格、食料品価格をはじめ諸物価の高騰が継続する一方、人手不足が続く中、人件費負担も増加するなど、地域の多くの中小企業・小規模事業者の業績は悪化し、倒産件数も増加しております。労働市場のひっ迫を背景に連合の2024年春季労使交渉集計では33年ぶりとなる高い賃上げ率が実現する等賃金水準は上昇したものの、実質賃金はマイナスで推移していることから、個人消費は依然として力強さを欠く状態にあります。さらに、ウクライナや中東ガザ地区での紛争等の地政学リスク、あるいは米国トランプ政権の関税政策の影響など、海外の政治動向の不確実性が増していることから、今後景気の下押しが懸念され、国内経済の先行きが一層不透明な状況となるリスクが高まっております。

国内の金融環境については、日本銀行が金融政策の正常化を進めるため、政策金利を2024年7月に0.25%、2025年1月に0.50%に引き上げました。これらを受け、当行では預金金利を引き上げる一方、貸出金利の基準となる短期プライムレートを2024年10月に0.15ポイント、2025年3月に0.25ポイント引き上げました。

当行の主要な営業基盤である大分県経済においては、インバウンドを中心に観光客が増加するなど、宿泊業をはじめ観光関連の業種では業況が改善されてきております。しかしながら、全体的には原材料価格、エネルギー価格、食料品価格等の高騰さらには人手不足や人件費の上昇等の影響により、多くの中小企業・小規模事業者の業況は大変厳しい状況にあり、大分県経済は不透明な状況が続いております。

 

(4) 会社の対処すべき課題

私たちを取り巻く経済環境は、原材料価格、エネルギー価格、食料品価格等をはじめ諸物価の高騰、さらには人手不足・人件費の上昇等により、大変厳しい状況にあります。特に地域の中小企業・小規模事業者にとっては、価格転嫁に向けた交渉のハードルは高く、また人手不足や人件費についても有効な対策を打てないことから、業績低迷に苦しむお客さまが増えております。さらに、海外の地政学リスクや米国トランプ政権の関税政策の動向次第では世界同時不況の可能性も指摘されるなど、国内外の経済の不確実性は極めて高くなっております。加えて、わが国固有の構造的課題である過疎化、少子高齢化・人口減少、廃業の増加等の課題は依然として重くのしかかっており、中小企業・小規模事業者のお客さまを取り巻く経営環境はかつてないほどに厳しさを増す状況にあると言えます。

当行は、このような経営環境であればこそ、地域の中小企業・小規模事業者のお客さまのパートナーとして、これまで以上にお客さまに寄り添い、伴走し、お客さまの経営改善支援や再生支援に全力で取り組むことが当行の果たすべき最大の使命と考えております。

これまで当行はその使命を果たすため、お客さまの売上増強を含めた経営課題の改善や業務プロセスの改善をご支援する「Vサポート」及び「経営改善応援ファンド」「資金繰り安定化ファンド」を“経営改善支援の3本柱”として位置づけ、全行を挙げて取り組んでまいりました。今後はこれまでに蓄積してきたノウハウをより多くのお客さまの経営改善支援に活かしていきたいと考えております。

当行は『お客さま第一主義』の経営理念のもと、先ずは、お客さまに“ありがとう”と言っていただける付加価値をご提供し、その結果として当行にも収益性の向上がもたらされるという『共通価値の創造』の実現に向けて引き続き取り組んでまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行のサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当行が、有価証券報告書提出日現在において、合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

《基本的な考え方及び重点的取組》

当行は「ほうわSDGs宣言」を制定し、「貢献」「お客さま第一主義」「挑戦と変革」という経営理念のもと、地域金融機関としての事業活動を通じてSDGsの達成を目指し、サステナブルな社会の実現のために以下の3つの重点的な取組みを定めています

①銀行本業として地域経済の活性化を実現する

当行は、地域の中小企業・小規模事業者ならびに個人のお客さまの活性化なくして地域の発展はなく、地域の発展なくして地域金融機関の発展はないという信念のもと、地域のお客さまの課題解決に向けて、銀行が一丸となって取り組むことが、地域金融機関の最大の使命と考えております。地域のお客さまが抱えるさまざまな課題やニーズに真摯に向き合い、それらの解決に向けて伴走支援していくことで、地域のさらなる活性化に貢献してまいります。

②地域社会の発展・向上、地域の環境保全に努める

地域の文化活動、福祉の向上、金融教育及び環境保全活動に取り組み、将来にわたり安心して健やかに暮らせる社会の実現に努めてまいります。

③人材育成、働き方改革を推進する

性別や年齢を問わず、すべての従業員が生き生きと働き甲斐をもって活躍できるよう、人材育成、職場環境の改善、働き方改革、女性活躍推進等に取り組んでまいります。

 

(1)ガバナンス

当行は3年毎に中長期の経営方針を定めた『経営強化計画』を策定しております。その計画の中で達成すべき目標として中小企業に対する金融仲介機能の状況を示す「中小規模事業者等に対する貸出残高、総資産に対する比率」と、お取引先への経営改善支援の状況を示す「経営改善支援先数の取引先企業総数に占める比率」を定めております。毎月開催している経営強化計画運営協議会にてその目標の達成状況を把握・分析し、必要に応じて迅速に改善を図っております。

また、『経営強化計画』の履行状況については、半年毎に取締役会へ報告するとともに当行ホームページで開示しており、上記指標のほか、お客さまへの金融仲介機能及び経営改善支援として取り組んでいる各施策の実施状況も外部から確認できるようにしております。

人的資本においても、当行のビジネスモデルを支えるために必要な人材を育成・確保するため、人材育成計画や採用計画、その他人的資本投資等に関する重要な施策の検討や進捗状況の報告を定期的に行っております

 

(2)戦略

上記《基本的な考え方及び重点的取組》のもと、当行はその役割を果たすため、地域のお客さまに対する円滑な金融仲介機能の発揮に努めることは当然のこととして、さらに本業支援・経営改善支援・事業再生支援などに全行を挙げて取り組み、結果として当行の収益性・健全性の向上にも貢献するという『共通価値の創造』をビジネスモデルの根幹に据えております。『共通価値の創造』を実践するため、お客さまの経営改善を支援する強力なスキームを整備するとともに、そのための人的資本を充実させていくことが重要な取組みと考えております

経営改善支援のスキームとしては、お客さまの売上増強及び業務プロセスの改善をご支援する「Vサポート」、経営改善計画策定とご融資が一体となった「経営改善応援ファンド」、お客さまが資金繰りに追われることなく本業に専念できるためのご融資「資金繰り安定化ファンド」の3つのスキームを経営改善支援の3本柱と位置づけ、継続的・組織的に全力で取り組んでおります

人的資本については、『人材こそが経営の要』と考え、人材確保、人材の活躍推進及び人材育成等人的資源に関して下記の取組みを行っております。当行における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります

 

 

①お客さまの相談相手となれる行員の育成

当行の経営改善支援の3本柱と位置づける「Vサポート」「経営改善応援ファンド」及び「資金繰り安定化ファンド」を担うために必要な業務スキル(円滑な資金供給ができる融資スキル、事業性評価、販路開拓(Vサポート)、事業承継、M&A等)を向上させるための取組みを強化しております。

地域の課題解決や質の高いサービスを提供するため、階層別・職務別の集合研修を増加させるほか、これまで実施している本部各部への行内トレーニー制度の充実・強化と合わせ、行外トレーニー派遣により、地域振興や事業再生に強い人材の育成に取り組んでおります。

専門性の高い人材確保のため、有資格者(中小企業診断士、M&Aシニアエキスパート、事業承継シニアエキスパート、FP技能士、宅地建物取引士等)を養成する取組みを継続し、外部講師招聘によるセミナー開催等により資格習得のための支援を実施しております。

また、新入行員に対しては入行後、原則2年間は預金業務、融資業務を経験し、3年目以降は適性・希望に合わせて、預金業務、融資業務または渉外業務から選択し、さらなるスキルアップを図るという「マルチキャリア開発プログラム」を導入しております。この人材育成プログラムを経ることで仕事の幅を広げるとともに自身の適性を見極めるための機会が得られ、若手行員のモチベーションアップにもつながっていると考えております

 

②女性の活躍推進

女性行員の役割を重視した営業体制の構築が当行の喫緊の課題となっております。女性行員が十分に能力と個性を発揮し生き生きと活躍できるような環境を整備するとともに、融資や渉外といった今までは、主に男性行員が中心に担ってきた分野への配置による業務経験の蓄積やマネジメント力の向上を図り管理職への登用も拡大してまいります。また、育児短時間勤務については、法律上の義務は「子が3歳に達する日まで」のところを、これまで当行では努力目標の「子が3歳から小学校1年修了まで」を対象とし導入しておりましたが、従業員のニーズに応えるため2022年4月より「子が小学校6年修了まで」に対象を拡大しております。さらに、子の看護休暇についても法律上の義務は「小学校3年生修了まで」のところを、「小学校6年生修了まで」に対象を拡大しております。加えて、所定外労働の免除についても法律上の義務である「小学校就学の始期まで」のところを、「小学校6年生修了まで」に対象を拡大しております。

 

③ワーク・エンゲージメントの向上

行員が仕事に対して充実した心理状態を維持、向上させるためには、職場内における「心理的安全性」の確保が前提条件であり、上司や先輩に忖度することなく行員一人一人が自由闊達に発言できるフラットな人間関係の構築が必要だと考えております。「心理的安全性」の確保につきましては、地道な啓発活動による行員の理解が必要であることから、関係部が連携し、常にその重要性について情報発信を行い、臨店や行員との面談により実態の把握を行って定着化を図っております。更に、支店長経験者やシニア人材(60歳以上)が随時支店を臨店し、若手行員の悩みを聞く場も作っております。

また、当行では人材の確保につながる取組みとして、中途採用に積極的に取り組んでおります。特に、当行を退職した行員を対象とした「ウェルカムバック採用」に注力しており、退職した行員を「豊和銀行の業務内容や企業風土に一定の知見を持つ一方、当行外でさまざまな経験・キャリアを積んできた貴重な人材」と捉え、積極的に採用し、多様な人材によって人的リソースを強化することで、より一層、地域経済の発展に貢献してまいります。

加えて、行員が最大限の能力を発揮するためには、心身ともに健康であることが欠かせません。行員が健康を維持できるよう、健康診断の受診率の向上に努めるとともに、健康診断の結果が芳しくなかった行員については2次健康診断の受診を強く勧めてまいります

 

 

(3)リスク管理

当行のサステナビリティに関する考え方によれば、リスクとしては取引先の信用リスクがその大宗を占めると考えております。信用リスクについては「クレジットポリシー」、「信用リスク管理規程」及び「与信決裁権限規程」等の管理諸規程に従い、与信ポートフォリオのリスクの状況を定量・定性両面から把握しております。また、与信管理に関する規程やマニュアルを整備するとともに、特に信用リスクの程度が大きい与信先等については、融資部が重点的に管理を行うなど適切な対応をとっております

また、長時間労働やメンタル不調等の人的リスクについては、産業医による面談や全従業員を対象としたストレスチェックを実施のうえ、専門家の助言のもと適切に対処しております。

 

(4)指標及び目標

上記(1)に記載のとおり、「中小規模事業者等に対する貸出残高、総資産に対する比率」と「経営改善支援先数の取引先企業総数に占める比率」を指標と定め、目標を設定し管理しております。詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。なお、2025年度及びそれ以降の目標については現在策定中であり、決定次第公表いたします。

また、当行では、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いて進捗管理しております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績

(当事業年度)

前年度対比

専門性の高い資格の保有者割合(注1、2)

2028年3月まで30.0

27.1

△0.6P

渉外担当者に占める女性の割合(注3)

2028年3月まで35.0

19.4

+1.6P

期首行員数に対する年間離職率の5年平均(注4)

2028年3月まで5.0

5.4

女性の平均勤続年数(注5)

2028年3月まで13.0

12.1

 

(注)1.専門性の高い資格(中小企業診断士、M&Aシニアエキスパート、事業承継シニアエキスパート、FP技能士、宅地建物取引士等)保有者の延べ人数÷(正行員+元正行員の嘱託)により算出しております。

2.専門性の高い資格の保有者割合の向上のために、合格者に対しての報奨金制度の他、取得にかかる費用補助を行うなどにより推進を強化しております。また、資格取得の効果が上がるよう、eラーニングの視覚教材を全行員に提供しております。

3.渉外担当者に占める女性の割合の増加を図るためには、対象者への研修等の拡充の他、支店長経験者やシニア人材が帯同して顧客訪問を行うなどの実践により育成と定着を強力に進めております

4.離職防止に対しては、定期的な個人面談の実施によるコミュニケーションの強化や転勤・異動に関するミスマッチの防止に努め、さらに賃金・賞与・各種手当などの改善、時間外勤務の減少など労働環境の改善に向け取り組んでおります

5.女性の平均勤続年数の改善に向けては、女性の働きやすい職場環境の維持・向上への取り組みとして、子育て支援の短時間勤務制度の拡充、育児休業からの復帰支援の充実などに取り組んでおります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において当行が判断したものであります。

 

(1) 信用リスク

① 地域依存度の特殊性

当行は地域金融機関であり、大分県を主要な営業基盤としております。したがって、地域の経済環境の変化に大きな影響を受けます。地域経済の変動によっては、当行の不良債権及び与信関係費用は増加するおそれがあり、その結果、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 貸出先の特殊性

当行の貸出先は、中小企業及び個人が主体であることから、内部留保の蓄積が薄く、景気変動の影響を受けやすいため、当行は、ミドルリスク以上のリスクテイクをしている状況にあります。したがって、景気の低迷や雇用環境の悪化が続けば、当行の不良債権及び与信関係費用は増加するおそれがあり、その結果、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 業種別貸出の状況

当行は、特定業種や特定先等への与信集中を排除したリスクの分散を図っておりますが、当行の業種別の貸出割合は、建設業、不動産業、卸・小売業などの業種が他の業種に比べて高い状況にあります。また、地域には、建設業や不動産業が多く、建設工事の減少や不動産価格の下落により、内容が劣化している企業も少なくありません。企業の再生支援がうまくいかない場合、当行の与信関係費用はさらに増加する可能性があります。

 

④ 不良債権の状況

当行は、厳格な自己査定に基づき、資産の健全化を進めておりますが、地域経済の順調な回復とお取引先の業況回復ならびにお取引先に対する再生支援策の実現が遅れれば、与信関係費用が増加し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 貸倒引当金の状況

当行では、主に貸出金の貸倒実績率に基づく予想損失額を見込む方法により、貸倒引当金を計上しております。しかしながら、実際の貸倒れが貸倒引当金計上時点における予想を大幅に上回る可能性もあります。この場合、当行は貸倒引当金の積み増しを実施せざるを得なくなります。

 

(2) 市場リスク

当行では、有価証券などへの投資活動を行っております。したがって、当行の業績及び財政状態は、これらの活動に伴うリスク(金利、株価及び為替の市場変動)にさらされています。たとえば、金利が上昇した場合、保有する債券の価値に悪影響を及ぼします。また、保有している株式の価格が下落した場合には減損または評価損が発生し、当行の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 流動性リスク

当行の業績や財務内容の悪化等が発生した場合、あるいは市場環境が大きく変化した場合に、資金繰りに支障をきたすほか、通常より著しく高い金利による資金調達を余儀なくされ、当行の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) オペレーショナルリスク

① 事務リスク

当行は、預金・為替・貸出などの銀行業務を行っておりますが、全ての業務に事務リスクが存在すると認識しており、業務の遂行に際し損失が発生する可能性があります。また、役職員による不正確な事務、あるいは不正や過失等による不適切な事務が行われることにより、損失が発生する可能性があります。

 

② システムリスク

重大なシステム障害が発生した場合、あるいは悪意のある第三者によるコンピュータシステムへの侵入等が発生した場合には、当行の業務運営や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 繰延税金資産に係るリスク

「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に則り、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予測や仮定に基づいているため、実際の結果がこの予測や仮定とは異なる可能性があります。当行は、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産を減額することとなります。その結果、業績に悪影響を与え、自己資本比率の低下を招くことになります。

 

(6) その他のリスク

① 風評リスク

当行や金融業界等に対する風説・風評が、マスコミ報道・市場関係者への情報伝播・インターネット上の掲示板への書き込み等により発生・拡散した場合には、その内容の正確性にかかわらず、当行の業務運営や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② コンプライアンスリスク

当行は、業務を遂行する上で様々な法令諸規則の適用を受けており、これらの法令諸規則が遵守されるよう役職員に対するコンプライアンスの徹底に努めていますが、役職員による違法行為等が発生した場合には、各種法令・規則等に基づく処分を受けることとなり、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 重要な訴訟等の発生に係るリスク

当行は、コンプライアンスの徹底に努め業務を行っておりますが、今後の事業活動の過程で必ずしも当行の責はなくとも、当行に対し訴訟等が提起された場合には、当行の評価とともに業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 情報リスク

当行は膨大な顧客情報を保有しており、顧客情報の管理には万全を期しているものの、悪意のある第三者によるコンピュータへの侵入だけでなく、役職員及び委託先の人為的ミス、事故等により顧客情報が外部に漏洩した場合、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 年金債務に係るリスク

当行の年金資産の時価が下落した場合、年金資産の運用利回りが低下した場合、または予測給付債務を計算する前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合には、損失が発生する可能性があります。また、制度内容の変更により未認識の過去勤務費用が発生する可能性があります。金利環境の変動その他の要因も年金債務及び年金資産に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥ ビジネス戦略が奏効しないリスク

当行は、収益力強化のため様々なビジネス戦略を実施していますが、これらの戦略が功を奏さないか、当初想定していた結果をもたらさない可能性があります。戦略が奏効しない例としては、既存の貸出について期待どおりの利鞘拡大が進まないこと、競争状況や市場環境により手数料収入の増大が期待どおりの成果とならないこと、経費削減等の効率化が期待どおり進まないこと、リスク管理での想定を超える市場の変動等により有価証券運用が期待どおりの成果を挙げられないこと、などがあります。

 

⑦ 規制変更のリスク

当行は、現時点の規制(法律、規則、政策、実務慣行等)に従って業務を遂行しております。このため、将来における規制変更が当行の業務運営や業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 格付に係るリスク

当行は、格付機関から格付を取得しております。格付水準は、格付機関が当行から提供された情報のほか独自に収集した情報や国内の金融システムに対する評価等も反映して付与され、常時見直しが行われます。仮に当行の格付が引き下げられた場合には、資金調達コストの上昇や必要とする資金を市場から調達できず資金繰りが困難となる可能性があります。

 

⑨ 自然災害等のリスク

地震や風水害等の自然災害、犯罪等により、地域の経済活動が停滞し、又、当行の事業活動に支障が生じ、当行の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。また、貸出先が被害を受けたり、不動産価格の低下による担保価値の下落の影響を受けることにより、当行の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

⑩ 感染症流行のリスク

大規模な感染症の流行が発生した場合には、業務継続体制を確保するための対策を行います。当行の行員に多数の感染者が発生した場合は、支店の一時閉鎖等当行の事業活動に支障が生じるほか、経済活動等への影響によっては取引先の業績悪化による信用リスクの上昇等を通じて、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 人的リスク

当行は、お客さま本位の金融サービスの提供のために専門性の高い人材の確保や育成に努めておりますが、十分な人材の確保・育成ができない場合には、当行の競争力や生産性が低下し、当行の業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当行の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 

① 財政状態

預金は個人預金・法人預金ともに減少し前年度末比92億7百万円減少5,596億61百万円となりました。

貸出金は個人ローンが減少(前年度末比33億17百万円の減少)したものの、中小企業のお客さまに対する円滑な資金提供に努めた結果、事業性貸出が増加(前年度末比102億58百万円の増加)したことで、前度末比67億97百万円増加し、4,293億3百万円となりました。

有価証券は、前年度末比27億93百万円増加1,108億42百万円となりました。

 

② 経営成績

経常収益は貸出金利息が増加したものの、株式等売却益及び貸倒引当金戻入益の減少等により、前年度85百万円減少103億80百万円となりました。

経常費用は貸出金償却及び国債等債券売却損の減少等により、前年度比7億47百万円減少90億35百万円となりました。

この結果、経常利益は前年度比6億62百万円増加13億44百万円となりました。また、当期純利益は前年度比1億60百万円増加10億37百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、譲渡性預金の減少により、198億9百万円のマイナス(前年度56億96百万円のマイナス)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出により、53億47百万円のマイナス(前年度13億1百万円のプラス)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは自己株式の取得による支出等により、20億55百万円のマイナス(前年度30億81百万円のプラス)となりました。

この結果、現金及び現金同等物は、前年度末比272億12百万円減少し、503億64百万円となりました。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当行の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において判断したものであります。

 

① 経営成績の分析

当行は「地域への徹底支援による地元経済の活性化」という基本方針のもと、

(1)「地域への徹底支援」

(2)「経営基盤の強化」

の2つの取組方針を掲げ、中小企業・小規模事業者の成長・発展に向け、円滑な資金供給に努めるとともに、経営改善支援の取組みを徹底し、地域経済の発展に貢献していくことに全力で取り組み、地域のお客さまにとって「地元大分になくてはならない銀行」となることを目指しております。

特に、経営改善を必要とされるお客さまに対しては、「Vサポート」「経営改善応援ファンド」「資金繰り安定化ファンド」を“経営改善支援の3本柱”として施策の中心に据え、全行を挙げて取り組んでおります。

これら3つの取組みの2024年度末における実績は以下のとおりであります。

 

 

<Vサポート>(2016.11からの累計)

 

 

 

 

2024年度末

前年度末比

契約先数(売り手)

100先

-先

販路開拓件数累計(買い手)

2,441件

 +288件

契約先への売上貢献額累計

4,584百万円

+1,054百万円

 

<経営改善応援ファンド>

 

 

 

 

2024年度

前年度比

取扱金額(年間)

3,668百万円

△1,559百万円

 

資金繰り安定化ファンド

 

 

 

 

2024年度

前年度比

取扱金額(年間)

1,392百万円

△388百万円

 

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び(4)会社の対処すべき課題」に記載のとおり、当行は地域の中小企業・小規模事業者のお客さまのパートナーとして、これまで以上にお客さまに寄り添い、伴走し、お客さまの経営改善支援や再生支援に全力で取り組むことが当行の果たすべき最大の使命と考えており、お客さまの売上増強を含めた経営課題の改善や業務プロセスの改善をご支援する「Vサポート」及び「経営改善応援ファンド」「資金繰り安定化ファンド」を“経営改善支援の3本柱”として位置づけ、全行を挙げて取り組んでまいりました。今後はこれまでに蓄積してきたノウハウをより多くのお客さまの経営改善支援に活かしていきたいと考えております。

 

② 財政状態の分析

イ.貸出金残高

貸出金残高は個人ローンが減少(前年度末比33億17百万円の減少)したものの、中小企業のお客さまに対する円滑な資金提供に努めた結果、事業性貸出が増加(前年度末比102億58百万円の増加)したことで前年度末比67億97百万円増加し、4,293億3百万円となりました。

ロ.預金及び譲渡性預金残高

預金及び譲渡性預金残高は個人預金・法人預金ともに減少し、前年度末比189億72百万円減少5,600億61百万円となりました。

ハ.金融再生法開示債権

金融再生法開示債権は前年度末比9億63百万円増加235億97百万円、金融再生法開示債権比率(不良債権比率)は同0.14ポイント上昇5.45%となりました。

 

 

前事業年度

(百万円)

当事業年度

(百万円)

増減

(百万円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

1,311

1,653

342

危険債権

20,323

20,960

636

要管理債権

998

982

△16

小計 ①

22,633

23,597

963

正常債権

403,593

408,718

5,125

総与信 ②

426,227

432,315

6,088

金融再生法開示債権比率 ①/②

5.31%

5.45%

0.14P

 

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性の分析
イ.キャッシュ・フロー

当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

ロ.資金運用・資金調達について

銀行業である当行は資金の大部分を預金で調達し、調達した資金を貸出金や有価証券・預け金等で運用し、その調達費用と運用収益との運用差益が当行の重要な利益の源泉となっております。設備資金等に係る資金需要は貸出金等の運用額に比べ僅少であります。

今後とも、収益増強のため、特に貸出金の増加に注力するとともに、着実な預金の増加を目指してまいります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当行の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

(参考)

(1) 国内・国際業務部門別収支

(経営成績の説明)

資金運用収益は、貸出金利息及び有価証券利息配当金の増加等により、前年度比3億円増加しました。資金調達費用は、預金利息の増加等により、同3億円増加しました。この結果、資金運用収支は同0百万円減少しました。役務取引等収益は金融商品等の窓口販売手数料の増加等により、同1億55百万円増加しました。役務取引等費用は、同19百万円減少しました。この結果、役務取引等収支は同1億75百万円増加しました。その他業務収支は、国債等債券売却損の減少等により同3億5百万円増加しました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前事業年度

8,111

48

8,159

当事業年度

8,117

41

8,159

うち資金運用収益

前事業年度

8,156

49

1

8,204

当事業年度

8,462

45

3

8,504

うち資金調達費用

前事業年度

45

1

1

45

当事業年度

345

3

3

345

役務取引等収支

前事業年度

33

33

当事業年度

208

208

うち役務取引等収益

前事業年度

1,186

1,186

当事業年度

1,341

1,341

うち役務取引等費用

前事業年度

1,152

1,152

当事業年度

1,132

1,132

その他業務収支

前事業年度

△434

△434

当事業年度

△129

△129

うちその他業務収益

前事業年度

48

48

当事業年度

21

21

うちその他業務費用

前事業年度

482

482

当事業年度

150

150

 

(注) 1.「国内業務部門」は当行の円建取引、「国際業務部門」は当行の外貨建取引であります。

ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。

2.「うち資金運用収益」及び「うち資金調達費用」の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

 

 

(2) 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況

(経営成績の説明)

資金運用については、貸出金利回りが前年度比0.02ポイント上昇し、有価証券利回りが前年度比0.05ポイント上昇したことから、資金運用利回りは前年度比0.01ポイント上昇となりました。

資金調達については、預金利回りが前年度比0.05ポイント上昇したことから、資金調達利回りは前年度比0.05ポイント上昇となりました。

① 国内業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前事業年度

(7,237)

580,872

(1)

8,156

1.40

当事業年度

(5,730)

602,966

(3)

8,462

1.40

うち貸出金

前事業年度

419,616

7,543

1.79

当事業年度

424,928

7,724

1.81

うち商品有価証券

前事業年度

0

0

0.23

当事業年度

0

うち有価証券

前事業年度

111,484

505

0.45

当事業年度

113,067

564

0.49

うちコールローン

前事業年度

2,196

0

0.01

当事業年度

8,479

30

0.35

うち預け金

前事業年度

40,337

104

0.25

当事業年度

50,760

139

0.27

資金調達勘定

前事業年度

586,191

45

0.00

当事業年度

582,125

345

0.05

うち預金

前事業年度

570,028

44

0.00

当事業年度

566,185

338

0.05

うち譲渡性預金

前事業年度

12,328

0

0.00

当事業年度

15,051

6

0.04

うちコールマネー

前事業年度

13

0

0.00

当事業年度

5

0

0.52

うち借用金

前事業年度

3,638

0

0.00

当事業年度

577

0

0.00

 

(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。

2.「国内業務部門」は当行の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。

3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前事業年度24,568百万円、当事業年度494百万円)を控除して表示しております。

4.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(うち書き)であります。

 

 

② 国際業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前事業年度

7,260

49

0.67

当事業年度

5,740

45

0.78

うち有価証券

前事業年度

7,260

49

0.67

当事業年度

5,740

45

0.78

資金調達勘定

前事業年度

(7,237)

7,237

(1)

1

0.01

当事業年度

(5,730)

5,730

(3)

3

0.06

 

(注) 1.平均残高は、日々の残高の平均に基づいて算出しております。

2.「国際業務部門」とは、当行の外貨建取引であります。

ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。

3.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(うち書き)であります。

4.資金調達勘定の平均残高は全て円投入額であります。

 

③ 合計

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前事業年度

580,896

8,204

1.40

当事業年度

602,976

8,504

1.41

うち貸出金

前事業年度

419,616

7,543

1.79

当事業年度

424,928

7,724

1.81

うち商品有価証券

前事業年度

0

0

0.23

当事業年度

0

うち有価証券

前事業年度

118,745

555

0.46

当事業年度

118,807

609

0.51

うちコールローン

前事業年度

2,196

0

0.01

当事業年度

8,479

30

0.35

うち預け金

前事業年度

40,337

104

0.25

当事業年度

50,760

139

0.27

資金調達勘定

前事業年度

586,191

45

0.00

当事業年度

582,125

345

0.05

うち預金

前事業年度

570,028

44

0.00

当事業年度

566,185

338

0.05

うち譲渡性預金

前事業年度

12,328

0

0.00

当事業年度

15,051

6

0.04

うちコールマネー

前事業年度

13

0

0.00

当事業年度

5

0

0.52

うち借用金

前事業年度

3,638

0

0.00

当事業年度

577

0

0.00

 

(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前事業年度24,568百万円、当事業年度494百万円)を控除して表示しております。

2.国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。

 

 

(3) 国内・国際業務部門別役務取引の状況

(経営成績の説明)

役務取引等収益は、前年度比1億55百万円増加しました。役務取引等費用は、同19百万円減少しました。この結果、役務取引等収支は同1億75百万円増加しました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前事業年度

1,186

1,186

当事業年度

1,341

1,341

うち預金・貸出業務

前事業年度

428

428

当事業年度

528

528

うち為替業務

前事業年度

360

360

当事業年度

360

360

うち証券関連業務

前事業年度

4

4

当事業年度

4

4

うち代理業務

前事業年度

87

87

当事業年度

99

99

うち保護預り・
貸金庫業務

前事業年度

4

4

当事業年度

5

5

うち保証業務

前事業年度

9

9

当事業年度

8

8

うち保険窓販業務

前事業年度

134

134

当事業年度

132

132

うち投信窓販業務

前事業年度

156

156

当事業年度

203

203

役務取引等費用

前事業年度

1,152

1,152

当事業年度

1,132

1,132

うち為替業務

前事業年度

53

53

当事業年度

52

52

うち保証業務

前事業年度

974

974

当事業年度

948

948

 

(注)「国内業務部門」は当行の円建取引、「国際業務部門」は当行の外貨建取引であります。

 

 

(4) 国内・国際業務部門別預金残高の状況

○預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前事業年度

568,868

568,868

当事業年度

559,661

559,661

うち流動性預金

前事業年度

328,827

328,827

当事業年度

337,075

337,075

うち定期性預金

前事業年度

225,915

225,915

当事業年度

209,896

209,896

うちその他

前事業年度

14,125

14,125

当事業年度

12,688

12,688

譲渡性預金

前事業年度

10,164

10,164

当事業年度

400

400

総合計

前事業年度

579,033

579,033

当事業年度

560,061

560,061

 

(注) 1.「国内業務部門」は当行の円建取引、「国際業務部門」は当行の外貨建取引であります。

2.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

3.定期性預金=定期預金+定期積金

 

(5) 国内・海外別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前事業年度

当事業年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

422,506

100.00

429,303

100.00

製造業

16,874

3.99

18,207

4.24

農業、林業

1,099

0.26

1,240

0.29

漁業

207

0.06

181

0.06

鉱業、採石業、砂利採取業

904

0.21

895

0.21

建設業

41,133

9.74

42,549

9.91

電気・ガス・熱供給・水道業

13,760

3.26

12,206

2.84

情報通信業

1,356

0.32

1,213

0.28

運輸業、郵便業

9,737

2.30

9,028

2.10

卸売業、小売業

34,108

8.07

34,580

8.05

金融業、保険業

4,561

1.08

4,389

1.02

不動産業、物品賃貸業

105,008

24.85

114,793

26.74

各種サービス業

86,353

20.44

85,950

20.02

地方公共団体

28,785

6.81

28,641

6.67

その他

78,615

18.61

75,425

17.57

海外及び特別国際金融取引勘定分

政府等

金融機関

その他

合計

422,506

429,303

 

(注)「国内」とは、当行であります。

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

該当ありません。

 

 

(6) 国内・国際業務部門別有価証券の状況

○有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前事業年度

12,746

12,746

当事業年度

17,742

17,742

地方債

前事業年度

42,869

42,869

当事業年度

46,641

46,641

社債

前事業年度

36,379

36,379

当事業年度

32,428

32,428

株式

前事業年度

5,506

5,506

当事業年度

5,173

5,173

その他の証券

前事業年度

4,282

6,265

10,547

当事業年度

3,803

5,052

8,855

合計

前事業年度

101,784

6,265

108,049

当事業年度

105,790

5,052

110,842

 

(注) 1.「国内業務部門」は当行の円建取引、「国際業務部門」は当行の外貨建取引であります。

ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。

2.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(7) 自己資本比率の状況

自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、単体ベースについて算出しております。

なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

単体自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

2024年3月31日

2025年3月31日

1.自己資本比率(2/3)

9.63

10.67

2.単体における自己資本の額

353

354

3.リスク・アセットの額

3,672

3,320

4.単体総所要自己資本額

146

132

 

 

 

(8) 資産の査定

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

2.危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

3.要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

4.正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

資産の査定の額

債権の区分

2024年3月31日

2025年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

13

17

危険債権

203

210

要管理債権

10

10

正常債権

4,036

4,087

 

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。