第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断、予測したものであります。

1 経営方針

 当社グループは、「日本とアジアをつなぐ投資会社として少子高齢化が進む社会に安心・安全で質と生産性の高い未来を創ります」を経営理念として掲げ、全てのステークホルダーへの利益還元を果たして参ります。

 

2 経営環境と対処すべき課題

(1)外部環境の認識

 近年、当社を取り巻く日本とアジアのマクロ経済環境は、大きく変化しました。特に2000年以降は、アジア諸国で持続的な経済発展が続き、今や日本を超えるGDPを抱える巨大市場が形成されました。その結果、アジアから日本への直接投資は拡大傾向にあり、訪日観光客数に代表されるようにアジアからの人的資本の流入も急速に増加しています。

 同時に、技術革新や高齢化・地球温暖化などの社会問題に伴い、世界的なパラダイムシフトも生じています。エネルギー分野では、2015年のパリ協定締結以降、地球規模で低炭素社会を目指す動きが活発です。また、AIやIoT等の技術革新は、第四次産業革命と呼ばれ産業構造に大きな変化をもたらしています。加えて、日本だけでなくアジアにおいても少子高齢化の影響が顕著に表れ始めました。

 この様な中、当社の使命を、アジアへの取り組みを通じて日本企業のリソースをアジア諸国と共有してその発展を支援するとともに、アジア諸国の持つリソースを日本に呼び込み、新しい日本経済の成長の枠組みを創造することだと考えています。当社は、経営理念を通じて、全役職員が当社の将来の姿をより具体的に理解し、一丸となってさらなる成長を目指し社会に貢献して参ります。

 

(2)当社の競争優位性

 当社は、当社の競争優位性を次のように考えています。

①アジアでの歴史

 1981年経済同友会を母体として設立以来35年以上に亘り日本とアジアの経済交流に貢献し、アジアでの高い知名度を有しています。

②最先端の業界情報収集力

 投資候補となる企業やプロジェクトの発掘を通じて、専門性の高い、業界の最先端の動向を把握しています。

③ベンチャー企業とのネットワーク

 国内外で300社超の上場実績を有し、これまでの投資活動を通じて、多数のベンチャー企業と親密な関係を構築しています。そのネットワークを、投資先企業の支援や、当社が新規事業テーマを開拓する際のアライアンスに活用します。

④ファイナンススキーム構築力

 国内外で3,000億円を超える累計投資実績を有しています。また、プロジェクト投資では、当社からの投資資金だけでなく、プロジェクトファイナンスなどの負債性資金も交えた調達スキームを構築しています。

 

(3)当社の投資事業の特徴

 「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、当社グループが行う投資には2つの種類があります。1つは、日本を含むアジア地域におけるベンチャー企業や中堅・中小企業等を中心とした有望企業へ投資し、育成・支援を通じて投資先企業の企業価値を高め、当該投資資産の売却によるキャピタルゲインを得ることを目的としたプライベートエクイティ投資です。もう1つは、再生可能エネルギー、ヘルスケア(高齢者向け施設、障がい者向け施設)、スマートアグリ(植物工場)、ディストリビューションセンター(物流施設)等のプロジェクトで、主にベンチャー企業が推進しているプロジェクトへ投資し、プロジェクトからの安定収益やプロジェクトの売却益を得ることを目的とした投資です。

 当社のプライベートエクイティ投資の特徴は、長年の投資活動を通じて蓄積されたノウハウに基づく上場支援に加え、広いネットワークを活用した海外展開支援や営業支援を行う点です。そのために、中国の政府系機関やアジア諸国のパートナー企業と業務提携などを行い、アジアのネットワークを構築しています。加えて、プライベートエクイティ投資とプロジェクト投資を組み合わせた「戦略的投資」を行うことも特徴です。「戦略的投資」を行った企業には、株主としての支援だけではなく、パートナーとして共にプロジェクト(事業)を運営し、その成長を支援します。

 プロジェクト投資の特徴は、プロジェクト総額の多くを金融機関からの負債性資金で調達することでレバレッジを効かせ、少額の投資資金で高い採算性を追及している点です。加えて、多様な分野のプロジェクトに機動的に投資を行うことができるように、プロジェクトの企画や開発に精通したベンチャー企業とパートナーシップを組んでいる点も特徴です。

 

プロジェクトの開発や運営には、業界知識、ノウハウ、技術力、交渉力など高度なスキルが求められます。当社単独ではカバーできないこれらの経営資源をパートナーのベンチャー企業が提供し、当社は、主に投資資金の提供や金融機関からの資金調達交渉を担います。

 当社は、社内の経営資源のみならず外部の優れた経営資源も積極的に活用して、成長性が高く将来有望な投資分野を創出し投資を行うことで、社会に貢献して参ります。そのために、今後も継続的に外部とのネットワークを強化し、パートナー企業の発掘を行います。これにより、新たな投資分野の創出に常時取り組み、次の注力投資テーマとしていく方針です。

 

(4)中期経営計画(2019年3月期から2020年3月期)

①計画の背景となる課題

 当社は、次の3つの課題を改善するために、2019年3月期から2021年3月期までの3年間の中期経営計画を策定しました。1つ目の課題は、収益の大半をベンチャー投資のキャピタルゲインに依存しているため収益構造が不安定なこと、2つ目は、回収の不確実性が高いプライベートエクイティ投資資産の残高の一部を借入金で調達した資金で賄っているため財務健全性が低いこと、3つ目は、返済優先の財務対応により収益償還力を超えた返済を継続してきているため充分な投資資金が確保できないことです。

②計画の概要

 当中期経営計画では、これらの課題の解決策として資産の入れ替えを進める方針です。具体的には、既存のプライベートエクイティ投資資産の大半を3年間で売却し、売却によって得た資金で、再生可能エネルギー等のプロジェクト投資や、「企業への投資」と「プロジェクト(事業)への投資」を組み合わせる「戦略的投資」を行い、その投資残高を積上げる計画です。その結果、流動性の高い資産へと入れ替えが進むとともに、プロジェクト資産の含み益、つまりは将来の安定収益を積上げることができます。

 また、当社の強みや外部環境を考慮した結果、再生可能エネルギー、スマートアグリ(植物工場等)、ヘルスケア(介護・医療)の3つを事業テーマに選定しました。この他にも、金融機関からの負債性資金が調達可能な新規事業を創出する計画です。

③2020年3月期末(計画期間2年目)までの進捗状況

 プライベートエクイティ投資では、既存資産の売却は投資先企業の新規上場(IPO)や売却交渉が計画どおりに進まず、大幅な未達となりました。一方、想定よりも早期に、他社の運営するファンドの回収が利益貢献を伴って進みました。また、営業外の資産の流動化も前倒しで促進しその売却益を積上げました。戦略的投資については、投資対象の発掘が順調に進み5社に投資実行しました。ファンドの設立については、株式会社あおぞら銀行との合弁会社が運営する事業承継ファンドが計画どおり30億円にファンド総額を増額したほか、地域金融機関との協業により地域企業のアジア進出を支援するファンドの募集活動を行いました。

 プロジェクト投資では、再生可能エネルギープロジェクトの新規投資の実行は順調に進みましたが、プライベートエクイティ投資の売却下振れを補うためにメガソーラープロジェクトを売却したため、投資残高の増加は遅れています。また、スマートアグリプロジェクトでは、植物工場の第1号案件が2019年3月に操業を開始しました。2020年3月末までの黒字化を目指していましたが、想定していた水準まで売上を伸ばすことが出来ず、現在は2021年の3月末までの単月黒字化を目指しています。ヘルスケアプロジェクトについては、高齢者向け施設1件へ投資を行ったほか、新たに、障がい者向け施設への投資を開始し3件のプロジェクトを手掛けました。加えて、新規事業として、ディストリビューションセンター(物流施設)プロジェクトを立ち上げ、2件に投資を実行しました。

 その結果、2020年3月期の主要な業績評価指標(KPI)については、2021年3月末までの目標値に対する進捗が遅れています。「プロジェクト投資資産の残高」は、90億円まで増加させる目標に対し、実績は54億円となりました。「プロジェクト投資資産の含み益」は、200億円まで増加させる目標に対し、実績は58億円に留まります。また、財務健全性の指標としている「現預金とプロジェクト投資資産の合計額と借入金のバランス」は、超過額を56億円まで拡大する目標でしたが、実績は11億円となりました。いずれも、プライベートエクイティ投資の売却下振れを補うためにメガソーラープロジェクトを売却したため、新規のプロジェクト投資を進めているものの残高や含み益が増加していません。加えて、プライベートエクイティ投資においては、戦略投資等以外の資産を早期に流動化・収益化し引当後残高を10億円まで圧縮する計画でしたが、実績は42億円となりました。既存資産の売却が下振れしているため、残高は減少傾向にあるものの目標との乖離が大きい状況です。一方、戦略投資の残高については、投資実行が順調に進捗したため、目標であった10億円を既に2020年3月末時点で達成済みです。

 

(5)2021年3月期(計画期間最終年度)の事業方針

①プライベートエクイティ投資

 計画2年目までは株式の売却が大きく下振れしましたが、既存の投資資産の売却による資金や収益の獲得は引き続き重要な施策であり、2021年3月期も株式の売却益の獲得に鋭意注力します。しかしながら、株式の売却はその事業特性上株式市場や経済環境の動向に大きく左右されるため、その変動をコントロールすることは困難です。そのため、株式売却益が下振れした場合には、計画2年目までと同様に、プロジェクトの売却により一部を補完します。

 ファンドについては、地域金融機関との協業により地域企業のアジア進出を支援するファンドを、これまで募集活動を行ってきた成果として設立します。また、クロスボーダーのM&Aの仲介業務では、早期の成約を目指します。新規の投資については、引き続き、金融機関からの負債性資金が調達可能な新規事業を創出し、その事業のプロジェクトへの投資だけでなく、パートナー企業への投資も行います。また、既存の戦略的投資先の成長支援やIPOによる投資回収に向けて取り組みます。

②プロジェクト投資

 これまでプロジェクト投資は、投資後に長期保有しプロジェクトからの安定収益を将来に亘り確保する目的で行っていました。しかしながら、売却したメガソーラープロジェクトに替わる資産を積み上げそこからの収益をより早期に獲得するために、今後は投資後に短期間(2~3年)で売却益を得る目的の投資を増加させます。具体的には、再生可能エネルギープロジェクトのうち一部のメガソーラープロジェクトや、ヘルスケアプロジェクトのうち高齢者向け施設への投資、及びディストリビューションセンタープロジェクトは、発電所や施設が完成した後に売却することを前提とした投資を行います。資金を短期間で回転させることで、利益やキャッシュ・フローを獲得する方針です。一方で、スマートアグリプロジェクトやヘルスケアプロジェクトのうち障がい者向け施設への投資、また、再生可能エネルギープロジェクトのうちバイオマスやバイオガスプロジェクトについては、引き続き長期保有目的での投資を行います。収益機会を長期安定収益、短期的収益に区別し、最適な組み合わせを行うことでサステナビリティのある収益構造を構築する計画です。

 また、スマートアグリプロジェクトについては、第1号工場の黒字化に目途を付けた後に、第2号工場への投資を行う方針です。

③新型コロナウイルス感染症の影響と対応策

 現段階において想定される新型コロナウイルス感染症のリスクは以下のとおりです。なお、これらのリスクのうち、現在顕在化しているものは限定的であります。

イ.上場株式の売却における想定されるリスク

 株式市場の低迷による売却株価の低下や投資先のIPOの延期が生じるリスクがあります。

ロ.未上場株式の売却における想定されるリスク

 経済環境の悪化により買手の資金調達が困難となることや売却対象の投資先企業の業績が悪化することで、見込んでいる売却交渉が成立しなかったり遅延したりするリスクや、売却価格が下落するリスクがあります。

ハ.プロジェクトの売却における想定されるリスク

 経済環境の悪化により買手の資金調達が困難となり、見込んでいる売却交渉が成立しなかったり遅延したりするリスクや、売却価格が下落するリスクがあります。

ニ.既存投資先の評価における想定されるリスク

 投資先企業の経営状態の悪化による、評価損や引当金の発生リスクがあります。

ホ.プロジェクト投資における想定されるリスク

 建設中のプロジェクトにおいては、政府や自治体の休業要請に伴い建設工事が中断されるリスクがあります。売電中の再生可能エネルギープロジェクトにおいては、消費電力量の減少に伴う出力抑制の増加リスクがあります。また、スマートアグリプロジェクトでは、顧客の休業により外食産業向けの販売量が減少するリスクがあります。

ヘ.当社の営業活動における想定されるリスク

 当社の営業活動については、テレワークの導入により出社人数を約80%減少させており、社内感染リスクの低減に努めています。外部との面談も、現状、原則としてオンラインのみに制限しています。その結果、新規投資の開拓には支障が出ると予想されます。また、投資回収においても活動の効率が低下するリスクがあります。

 これらのリスクのうち、株式市場の低迷、経済環境の悪化、消費電力量の減少といったマクロ環境に関するものは、当社ではコントロールできません。株式市場の低迷により上場株式の売却が下振れする場合も踏まえて、期初には売却を計画していなかった未上場株式を追加で売却することや、メガソーラープロジェクトを売却すること等も想定しています。また、投資先企業の経営状態の悪化リスクについては、投資先の支援を強化することで対応します。投資先企業の借入資金調達の支援といった緊急避難的なものだけでなく、感染症が収束した後の社会における成長戦略について投資先各社と話し合い、必要な支援を行っていく方針です。また、建設中のプロジェクト投資のプロジェクトにおいては、3密を避けた安全な建設作業を行います。スマートアグリプロジェクトにおいては、総菜などの中食向け販売を強化します。当社の営業活動においては、直接面談できない中でも情報ツールを活用することなどにより、社員の健康を守りかつ効果的な営業活動ができるよう工夫を重ねて参ります。

 

④2021年3月期の業績見込値

 2021年3月期の従来連結基準(注)による業績見込値は、上記の新型コロナウイルス感染症のリスクが実際に業績に与える影響が限定的であるという前提で、投資資産の売却で収益を計上することにより、親会社株主に帰属する当期純利益1.8億円、ROE2.5%を確保することを掲げております。誠に遺憾ながら、中期経営計画で目標としていた親会社株主に帰属する当期純利益7億円、ROE9%を下回る見込みですが、上記に記載した事業方針を実施することで、業績見込の達成に向けて鋭意努力して参ります。

 2021年3月末の主要な業績評価指標(KPI)については、「プロジェクト投資資産の残高」は、90億円まで増加することを目標としていましたが61億円となる見込です。また、財務健全性の指標としている「現預金とプロジェクト投資資産の合計額と借入金のバランス」は、超過額を56億円まで拡大する目標でしたが超過額は26億円となる見込みです。加えて、戦略投資等以外の資産を早期に流動化・収益化し、その引当後残高を10億円まで圧縮する計画でしたが、引当後残高は25億円となる見込みです。一方、戦略投資の残高については、目標であった10億円を既に2020年3月末時点で達成済みです。従来連結基準(注)による業績見込値が未達となる見込みとなったことに伴い、KPIも下振れが避けられない見込みですが、少しでも計画に近づくよう鋭意努力して参ります。なお、KPIの1つとしていた「プロジェクト投資資産の含み益」は、短期売却目的のプロジェクトへの投資に軸足を移すこととしたため、2021年3月期より、KPIから除いています。

 

(注)従来連結基準

 当社グループでは、2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 2006年9月8日 実務対応報告第20号)を適用し、当社グループで運営している投資事業組合等の一部を連結の範囲に加えて連結財務諸表等を作成しております。しかしながら、投資家及び株主の皆さまに、当社グループの経営成績及び財務状況を正しくご認識いただくためには、従来からの会計基準による財務諸表等の開示も必要と考えております。

 以上のことから、従来の会計基準に従って、投資事業組合については、資産、負債及び収益、費用を外部出資者の持分を含まない当社及び関係会社の出資持分に応じて計上し、また、会社型ファンドについては連結の範囲から除いた連結財務諸表等を「従来連結基準」として、決算短信等において継続的に開示しております。

 

2【事業等のリスク】

 当社及び当社グループの事業等のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると思われる主要な事項を記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

Ⅰ 事業環境に関するリスク

(1)株式市場に係るリスク

 当社グループは、日本・アジアを中心とした未上場株式等への投資を行い、投資先企業の株式上場による株式市場での売却や第三者等への売却により収益を得るプライベートエクイティ投資を行っております。このため、投資資金を回収する局面において、株式市場の変動の影響を受ける可能性があります。当社グループでは、投資時に投資候補となる未上場企業の将来性を十分に検討し、当該企業が上場時に株式市場から得られるであろう評価額を想定し、これに基づいて投資株価の妥当性を検証しています。

しかしながら、株式の売却時に株式市場が活況でなく新規株式上場市場も低調である場合には、投資先企業が新規上場したとしても想定したとおりの株価が付かず、又は、新規上場が実現せず、それによって当社グループが得る営業収益が減少し当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、投資先企業の株式上場等により、市場性のある株式を保有しております。また、新規上場銘柄のうち一部の銘柄につきましては、各証券取引所の関連規則又は投資先企業との契約によって上場後一定期間売却が制限されることがあります。そのため、保有期間中に株式市場において株価が下落した場合、株式売却によって得られる営業収益の減少や保有有価証券の評価損の発生に伴う営業原価の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(2)為替リスク

 当社グループは、海外での投資を行っているため、保有する外貨建資産につきましては、外国為替の変動の影響を受けます。なお、プライベートエクイティ投資の特性上、投資資金の回収期間が長期となり、また、回収金額及び回収時期の特定ができず将来のキャッシュ・フロー予測が困難であるため、為替予約などによる為替リスクヘッジ取引等は行っておりません。

 

(3)カントリーリスク

 当社グループは、アジア諸国などでも事業活動を行っているため、事業活動を行う国における経済情勢の変化、政治的要因の変化、法制度の変更、テロや伝染病の発生などの社会的混乱等により投資先企業や当社グループ会社の事業活動に悪影響を及ぼすリスクが内在します。当社グループでは、現地の政府関係機関やパートナー企業とのネットワークを強化し、及び共同で投資活動を行い、事業活動を行う国の情報収集や適切な対応に努めています。

 

(4)法的規制によるリスク

 当社グループの事業活動は以下の法的規制を受けます。当社グループでは、管理グループがこれらの法的規制について常時情報を収集し適切な対応に努めていますが、当社グループ各社の行う業務においてこれらの規制に抵触した場合、当該業務の遂行に支障をきたす可能性があります。その場合には、規制に対応するために、ファンドの設計を変更することに伴う費用が増加する可能性があります。また、当社グループの社会的信用力が低下することで、事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

①オフショア地域における法的規制

 当社グループは、本邦、アジア諸国及びケイマン諸島などのオフショアと呼ばれる地域他各国において、ファンドの管理運営業務及び投資事業等を行っているため、これらの地域における法的規制(会社法・金融商品取引法・独占禁止法・租税法・投資事業有限責任組合契約に関する法律・外国為替管理法・財務会計関連法規等)の適用による影響を受けます。

②適格機関投資家等特例業務関連

 当社グループ内には当社をはじめとして、本邦における金融商品取引法第63条に基づく適格機関投資家等特例業務としてファンドの管理運営業務を営むに当たり、管轄財務局に届出を行っている会社があります。この届出により当社グループが管理運営するファンドは、適格機関投資家等を主とする投資家に出資者を限定するなど一定の要件を満たす必要があります。

 

(5)競合・参入の状況に係るリスク

 当社グループが属する投資業界においては、金融機関、事業会社、外資系企業等による参入があります。当社グループでは、経営理念に基づき特徴のある投資活動を行い競争優位性を維持するよう努めています。具体的には、2019年3月期から始まる3年間の中期経営計画では、再生可能エネルギー、スマートアグリ、ヘルスケアを重点テーマとして注力しています。しかしながら、競合他社による大規模なファンドの組成、積極的な投資活動の拡大、優れたポートフォリオの構築、高い投資リターンの実現、低価格サービスの提供等により、当社グループの競争力が相対的に低下することで、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ 営業活動に関するリスク

(1)プライベートエクイティ投資に係るリスク

 当社グループは、日本・アジアを中心とした未上場株式等への投資を行い、投資先企業の株式上場による株式市場での売却や第三者等への売却により収益を得る、プライベートエクイティ投資を行っております。当社グループでは、投資時に投資候補となる未上場企業の将来性を十分に検討し、投資回収時に当該企業が新規上場した場合の株式市場からの評価や未上場の段階で売却する場合に買手から得られるであろう評価を想定し、当社グループの投資する際の投資候補先の企業価値の妥当性を検証しています。また、当社グループでは、プライベートエクイティ投資(企業に対する投資)とプロジェクト投資(事業に対する投資)を組み合わせた「戦略的投資」に注力しています。投資後は、投資先企業に対するモニタリングを綿密に行い投資先企業の状況を的確に把握することに努めています。また、投資先企業の事業の進捗や経営状況の改善を図るために、投資先企業に対する成長支援を行っています。特に「戦略的投資」の投資対象の未上場企業に対しては、株主としての支援だけでなく事業上のパートナーとして共にプロジェクトを運営することでも支援を行っています。しかしながら、その投資活動については以下のようなリスクがあります。

 当社グループが投資対象とする未上場企業は、成長過程にある企業であるため、収益基盤や財務基盤が不安定であったり、経営資源も限られるといったリスク要因を内包しております。そのため、投資先企業の業績の不振や倒産が生じた場合や、実際の投資先企業の事業進捗や業況が当社の見込みどおりに推移しない場合には、営業投資有価証券評価損や営業投資有価証券引当金繰入額が発生して営業原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループによる未上場株式等への投資から株式上場もしくは第三者等への売却に至るまでには通常長期間を要するため、途中で業績悪化等により当該投資先の企業価値が当初の見込みと異なって変動する可能性があります。また、経済環境や株式市場動向等外部要因の影響を受けて投資採算が当初の見込みと大幅に異なる可能性があります。それらの結果、投資回収時に営業収益が減少し、又は、投資回収に至る前に営業投資有価証券評価損や投資損失引当金繰入額が発生して営業原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループが投資対象とする未上場株式等は、上場企業の株式等に比較して流動性が著しく低いため、投資回収時にその取引参加者の意向により取引条件が大きく変動します。そのため、当社グループの希望する価額・タイミングで売却できる保証はなく、営業収益が減少したり、長期間売却できず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは未上場株式等への投資を行うに当たり、他社の運営するファンドに出資を行う場合があります。ファンドに出資する目的は、当該ファンドからの持分利益を期待するとともに、他社の運営するファンドに出資を行うことを契機にファンドの運営者である他社との関係を深化し、業界情報の取得や共同投資の機会等を得ることです。当社グループは、他社の運営するファンドに出資を行う場合には、運営会社の投資能力やファンドの企画内容などを慎重に検討しています。しかしながら、ファンドの運営は他社が行っているため、ファンドの運営成績は当該運営者に依存しており、当社の期待に反してファンドの運営成績が低下した場合には、当該ファンドから期待したとおりの持分利益が得られない可能性や、持分損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)プロジェクト投資に係るリスク

 当社グループは、再生可能エネルギーを始めとする多様なプロジェクトを投資対象としています。当社グループは、投資判断を行う上で一定の前提条件のもとに、発電所やその他プロジェクトの投資対象となる施設等の建設費用等の総事業コストや完成後の長期間にわたる発電量やその他の変数を見積もり、慎重に採算性の検証を行っております。しかしながら、これらの前提条件が想定以上に変動したり、自然災害や固定価格買取制度、その他各種取引条件の大幅な変更や改正等想定外の事象が発生した場合には、その内容によっては、プロジェクトの投資採算性が見込みと大幅に異なり、プロジェクトから得られる収入の減少、もしくは、プロジェクトで建設した有形固定資産の減損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

  なお、プロジェクトの投資対象となる施設等の自然災害による被害に関しては、例えば、太陽光パネルに長期のメーカー保証を付けているほか、施設等に対する動産総合保険等によりこれらの被害を最小限に収める対策をしております。

 

(3)貸付金に対する貸倒リスク

 当社グループは営業貸付金及び破産更生債権等の残高を有しており、貸金業法及び「出資の受入れ、預かり金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という)の適用を受けております。

 当社グループは、貸出先の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体に関する前提を慎重に検証し、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を計上しております。しかしながら、個別貸出先の状況の変動や経済環境の変化等外部要因等により、実際の貸倒れが当該前提及び見積りを上回り、貸倒引当金が不十分となり貸倒引当金繰入額の発生に伴い販売費及び一般管理費が増加し、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)役員派遣に係るリスク

 当社グループの役職員を投資先企業の非常勤役員として派遣することがありますが、投資先企業に対して派遣した当社役職員が損害賠償請求等をされた場合、当社グループに使用者責任及び当該賠償金額を負担する義務が発生する可能性があります。

 原則として投資先企業と派遣者との間で責任限定契約を締結するとともに、当社加入の役員賠償責任保険において派遣されている役職員も補償対象に加えておりますが、当社グループの業績及び財政状態への悪影響を完全には回避できない可能性があります。

 

(5)ファンド(投資事業組合等)に係るリスク

①ファンド募集について

 ファンド(投資事業組合等)は、当社グループにとって投資原資であるだけでなく、管理報酬や成功報酬等の収益源、また様々な企業と提携してシナジー効果を生み出す上で有効なビークルでもあります。当社グループは、ファンドの規模を追うことなく当社のリソースを生かした特徴あるファンドを設立していく方針です。具体的には、2020年3月期は、当社のアジアでのネットワークを特徴とした、地域企業の海外進出を支援するファンドを地域金融機関向けに募集しています。しかしながら、ファンドの募集活動において、出資者から十分な資金を集められない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、営業収益のうち管理報酬が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

②ファンド運営に係る訴訟の可能性等について

 当社グループは複数のファンドを設立しており、無限責任組合員又はゼネラルパートナーとして、その出資額を超える損失を負担する可能性があります。また、ファンドの業務執行組合員としての善管注意義務違反を理由とする訴訟や、ファンド間、当社グループとファンド又は出資者、もしくは出資者間の利益相反等を理由とする訴訟等を提起される可能性があります。当社グループでは、ファンドの受託者責任を全うすべく、ファンド毎にファンドマネージャーやファンド担当役員を設け、加えて、管理グループにおいて利益相反等の観点からファンドの運用体制をモニタリングしています。しかしながら、当社グループに対する訴訟等により損害賠償義務を負った場合には、損害賠償そのもののみならず、社会的信用の低下から当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

Ⅲ 会社運営に関するリスク

(1)業績変動リスク

 当社グループは、プライベートエクイティ投資において、投資先企業の株式上場による株式市場での売却や第三者等への株式等の売却によるキャピタルゲインを主たる収益の1つとしております。売却の時期や売却価額は、株式市況や個々の投資先企業の特性、その他様々な要因の影響を受けて想定外に変動する可能性があります。当社グループでは、業績の安定化を目的としてプロジェクト投資を拡大し、プロジェクトからの安定収益の増加や流動性の高いプロジェクト投資資産の売却により、株式売却の変動を緩和しています。しかしながら、株式の売却が想定以上に変動した場合には、会計年度によって得られる収益の金額が大きく変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)資金調達リスク

①投資業務は、投資してから資金の回収までに長期間を有するため、投資資金の回収を含む資金調達額と投資実行額がアンバランスになり、財政状態及びキャッシュ・フローの状況が短期的に大きく変動したり、あるいは悪影響を被る恐れがあります。

②当社は、上記①のような事業の性質上、業務に必要な資金を長期的かつ安定的に調達する必要がありますが、現時点においてその過半を負債性資金により調達しております。

負債性資金については、当社グループは、2009年3月以降複数回にわたり、全取引金融機関から返済条件の変更等を主としたリスケジュールに同意を頂いており、現在の返済計画は、2019年8月1日から2020年7月31日までとなっています。

今後、2020年7月31日に期限が到来するに当たり当該対象債務の残債務については、再び新たな弁済計画について全取引金融機関から同意を頂くべく協議中です。当社グループは、日頃より取引金融機関と連絡を密に取り当社グループの状況を丁寧に説明し、弁済計画へのご理解を得るよう努めています。

しかしながら、協議が纏まらない場合には、期限の利益を喪失するなど、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、この新たな返済計画は、これまでと同様に融資期間が1年間であり、返済期限を2021年7月31日としています。今後、2021年7月31日の返済期限が到来する際に、当該対象債務の残債務について再び新たな弁済計画について協議を行う必要があり、協議が纏まらない場合には、期限の利益を喪失するなど、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)人材流出及び労務管理のリスク

 当社の行う投資事業における成功には、有能なキャピタリストやファンドマネージャーの存在とその育成が不可欠であり、当社グループの重要な競争力の源泉であります。人事評価における成果主義の導入と、優秀な人材を確保するため、人件費が増加する可能性があります。また、このような制度を導入したにもかかわらず優秀な人材の流出した場合には、当社グループの将来の成長、事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす場合があります。

 また、当社グループは労働環境の充実や改善、適正な労働時間の管理や時間外労働の抑制等に継続的に取り組んでおりますが、万一、過重労働や不適切な労務管理によって当社の信用に著しい低下がみられた場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)情報システム及び情報管理に係るリスク

 当社グループでは適切なシステム管理体制の構築と運用に継続的に取り組んでおりますが、システム運用上のトラブルの発生により、業務運営に支障をきたす可能性があります。

 また、当社グループではコンピューターウィルス対策の整備や、当社グループが保有する取引先の重要な情報並びに個人情報の管理について、各種社内規程等の制定、役職員への周知徹底、情報システムのセキュリティ強化等、情報管理体制の整備を進めておりますが、今後、予測不能のウィルスの侵入や情報への不正アクセスなどの不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合は、業務運営に支障をきたす場合や、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)コンプライアンス違反行為等によるリスク

 当社グループでは、「私たちの行動規範」を制定し法令遵守の徹底を図っておりますが、当社グループの役職員等による法令違反が発生した場合には、それに伴い社会的信用を失墜し、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)事務リスク

 当社グループでは、社内規定や業務マニュアルを整備するなど正確な業務運営の徹底を図っておりますが、当社グループの役職員等による事務ミスが発生した場合には、業務遂行に支障が生じるだけでなく、それに伴い社会的信用を失墜し、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅳ 新型コロナウイルス感染症に係るリスク

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

 

 当社グループは、上記のリスクの中でも次のものを、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しています。

Ⅰ 事業環境に関するリスク(1)株式市場に係るリスク

Ⅱ 営業活動に関するリスク(1)プライベートエクイティ投資に係るリスク

Ⅲ 会社運営に関するリスク(1)業績変動リスク

 当社グループは、2019年3月期から3年間の中期経営計画において、既存のプライベートエクイティ投資資産を回収し、一方でプロジェクト投資資産や戦略的投資資産に積極的に投資することで、資産の入替を行う計画です。そのため、プライベートエクイティ投資資産の回収を進める局面で発生する可能性がある上記のリスクは顕在化する可能性が高く、発生時期は毎事業年度となる可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において判断、予測したものであります。

Ⅰ 経営成績の状況の分析

 当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の当社グループの経営成績の状況は、営業収益3,950百万円(前連結会計年度比12.8%増)、営業総利益1,993百万円(同24.0%増)、営業利益716百万円(同143.6%増)、経常利益441百万円(同7,509.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益343百万円(同40.5%減)となりました。その内訳や背景となる営業活動の状況は、次のとおりです

 

(1)経営成績の内訳

(a) 営業収益・営業原価内訳                              (単位:百万円)

 

前連結会計年度

  2018年4月 1日~

2019年3月31日

当連結会計年度

  2019年4月 1日~

2020年3月31日

営業収益合計(A)

3,503

3,950

うち 管理運営報酬等

152

134

うち 営業投資有価証券売却高(B)

1,897

2,768

うち 組合持分利益等

1,419

1,028

うち その他営業収益

33

19

 

 

 

営業原価合計(C)

1,895

1,956

うち  営業投資有価証券売却原価(D)

616

1,051

うち 営業投資有価証券評価損・投資損失引当金繰入額 合計(E)

710

283

うち 組合持分損失等

562

617

うち その他営業原価

6

5

 

 

 

営業総利益(A)-(C)

1,608

1,993

 

 

 

実現キャピタルゲイン(B)-(D)

1,281

1,717

投資損益 (B)-(D)-(E)

570

1,434

 

(管理運営報酬等)

 投資事業組合等の管理運営報酬等は、前連結会計年度に比べ減少し、134百万円(同12.0%減)となりました。主な減少要因は、前連結会計年度中清算したファンドや報酬体系の変更に伴い報酬額が減少したファンドがあったことです。

 

(投資損益)

営業投資有価証券の売却高は、前連結会計年度から増加して2,768百万円(同45.9%増)となりました。これに伴い、売却高から売却原価を差し引いた実現キャピタルゲインも前連結会計年度から増加して1,717百万円(同34.1%増)となりました。

プライベートエクイティ投資では、前連結会計年度に比べて投資倍率の高い上場株式の売却が減少したことや、投資金額が多額な未上場株式について流動化を優先して売却を実行し売却損を計上したことにより、営業投資有価証券売却高は増加したものの、実現キャピタルゲインは前連結会計年度並みとなりました。一方、プロジェクト投資では、プロジェクトの売却件数が前連結会計年度の4件から当連結会計年度は7件へと増加したことにより、営業投資有価証券売却高及び実現キャピタルゲインが前連結会計年度から増加しました。

営業投資有価証券評価損及び投資損失引当金繰入額の合計は、前連結会計年度から減少し283百万円(同60.2%減)となりました。前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、投資資産のうち売却見込額が投資額を下回ることとなった銘柄に対して損失を計上しています前連結会計年度は、投資期間が長期に亘る海外の投資先企業で投資金額が多額な銘柄に対して損失を計上しました。一方、当連結会計年度は、国内外において投資金額がより少額な銘柄への計上となったため損失額が減少しました。

 

 以上の結果、実現キャピタルゲインから営業投資有価証券評価損及び投資損失引当金繰入額の合計を控除した投資損益は、前連結会計年度から増加して1,434百万円の利益(151.3%)となりました。

 

(組合持分利益等)

営業収益のうち組合持分利益等には、当社グループが運営するプロジェクトの売電収益及び野菜の販売額、他社が運営するプロジェクトの持分利益(売電収益を源泉としたプロジェクトの純利益や、プロジェクトの売却益)、他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分利益、利息・配当収入、及びその他の収益が含まれています。

連結会計年度組合持分利益等の合計額は、前連結会計年度から減少し1,028百万円(同27.5%減)となりました。このうち、当社グループが運営するプロジェクトの売電収益や野菜の販売額914百万円(同15.0%減)を占めます。売却したプロジェクトからの売電収益の減少を新規に稼働したプロジェクトで補うことができず、前連結会計年度から減少しました。加えて、他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分利益については、ファンドで発生した株式の売却益が減少したため、前連結会計年度から減少し59百万円(同81.2%減)となりました。

 

(組合持分損失等)

営業原価のうち組合持分損失等には、当社グループが運営するプロジェクトの売電原価及び野菜の製造原価、他社が運営するプロジェクトの持分損失(建設中のプロジェクトのコスト等)、及び他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分損失等が含まれています。

連結会計年度組合持分損失等の合計額は617百万円(同9.7%増)となり、前連結会計年度から増加しました。このうち、当社グループが運営するプロジェクトの売電原価及び野菜の製造原価が583百万円(同14.3%増)を占めます。前連結会計年度に比べて植物工場における野菜の製造原価が増加しました。

 

 以上の結果、営業収益は3,950百万円(同12.8%増)、営業原価は1,956百万円(同3.3%増)、営業総利益は1,993百万円(同24.0%増)となりました。

 

(b) 販売費及び一般管理費、営業損益

 販売費及び一般管理費の合計額は、前連結会計年度に比べ減少し1,277百万円(同2.8%減)となりました。主な減少要因は、人件費や事務委託費の削減を進めたことです

 これらの結果、営業利益は前連結会計年度から増加し716百万円(同143.6%増)となりました。

 

(c)営業外損益及び経常損益

 営業外収益は、前連結会計年度から減少し32百万円(同66.9%減)となりました。主な要因は、外貨建て投資資産の回収時に発生する為替差益の減少です。

 営業外費用は、前連結会計年度から減少し307百万円(同20.3%減)となりました。主な要因は支払利息の減少です。当社単体の借入金を圧縮していることに加え、売却したプロジェクト分が減少しました。

 これらの結果、経常利益は441百万円(同7,509.0%増)となりました。

 

(d)特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益

(特別損益)

 当社は、資産の入替を促進するという中期経営計画に基づき、営業投資資産以外の資産についても積極的に早期の流動化を進めています。

 そのような中、特別利益は、前連結会計年度は、投資有価証券の償還益425百万円や関係会社株式売却益226百万円が発生したこと等から、合計で723百万円でした。一方、当連結会計年度は、投資有価証券売却益173百万円が発生したこと等により、合計で189百万円(同73.9%減)となりました。

 特別損失は、前連結会計年度は、関係会社整理損失引当金63百万円を繰り入れたこと等から合計で171百万円でした。一方、当連結会計年度は、投資有価証券償還損が発生したのみとなり、合計で2百万円(同98.8%減)となりました。

 これらの結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度から増加し628百万円(同12.7%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 法人税等合計については、主に子会社において23百万円(同26.4%増)発生しました。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、税効果会計については保守的に見積もっており繰延税金資産を計上しておりません。

 

 また、非支配株主に帰属する当期純損益については、当社グループが運営するファンドやプロジェクトの損益のうち、当社グループ以外の出資者に帰属する部分が計上されています当連結会計年度においては、これらのファンドやプロジェクト利益が発生したため、261百万円の利益(前連結会計年度 38百万円の損失)となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は343百万円(前連結会計年度比40.5%減)となりました。

 

(2)営業活動の状況

(a)投資の状況

 当社グループによる自己勘定並びに当社グループが運営の任にある、又は運営の為に必要な情報の提供を行っているファンド、並びに当社グループが運営に関わらない当社以外の第三者が運営するファンドのうち投資対象が特定されているもの等による投資実行額及び投資残高の内訳は以下のとおりであります。

①投資実行額内訳(自己勘定分及びファンド勘定分)

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

社数又は件数(社・件)

金額(百万円)

社数又は件数(社・件)

金額(百万円)

1)地域別

 

 

日本

14

3,662

22

3,374

中華圏(中国、香港、台湾)他

2

86

-

-

2)業種別

 

 

プロジェクト投資

12

3,612

10

2,150

プライベートエクイティ投資 小計

4

136

12

1,224

うち QOL関連

1

86

2

152

うち IT・インターネット関連

1

0

2

112

うち 機械・精密機器

-

-

2

379

うち サービス関連

2

50

3

117

うち その他

-

-

3

461

投資実行額合計

16

3,749

22

3,374

 

②投資残高内訳(自己勘定分及びファンド勘定分)

 

前連結会計年度末

(2019年3月31日現在)

当連結会計年度末

(2020年3月31日現在)

社数又は件数(社・件)

金額(百万円)

社数又は件数(社・件)

金額(百万円)

1)地域別

 

 

日本

81

8,485

84

10,512

中華圏(中国、香港、台湾)他

53

5,465

46

4,589

2)業種別

 

 

プロジェクト投資

26

5,514

32

6,696

プライベートエクイティ投資 小計

108

8,437

98

8,405

うち QOL関連

29

3,540

24

3,123

うち IT・インターネット関連

48

2,119

40

1,854

うち 機械・精密機器

6

462

7

748

うち サービス関連

14

1,173

15

1,070

うち その他

11

1,141

12

1,608

投資残高合計

134

13,951

130

15,101

(注)1 QOL関連とは、生活の質「Quality of Life」を高める事業分野として、バイオ、医療機器、医薬品、環境、福祉・介護などを表しております。

 

   2. 当社の投資実績をより適切に示す目的で、当連結会計年度より集計方法を変更しました。従来は、当社グループが運営に関わらない当社以外の第三者が運営するファンドへの出資分は含めていませんでしたが、当連結会計年度より、当該ファンド出資分のうち投資対象が特定されているもの等を含めています。その結果、当連結会計年度のプロジェクト投資の投資実行額及び投資残高は、従来の方法で集計した場合に比べそれぞれ823百万円増加しています。なお、当該集計方法の変更が、前連結会計年度の集計結果に与える影響はありません。

 

 投資実行額は、前連結会計年度から減少し総計で22社、3,374百万円(前連結会計年度比10.0%減)となりました。一方、投資残高は、当連結会計年度末において130社、15,101百万円(前連結会計年度末 134社、13,951百万円)と前連結会計年度末から増加しました。

 

 プライベートエクイティ投資については、原則として、当社の自己資金を用いる場合は、経営理念に従った事業テーマに基づきプロジェクト投資のパートナー企業に対して選別的に戦略投資を行います。また、ファンドの資金を用いる場合は、ファンドの投資方針に基づいて投資を行います。

 当連結会計年度は、主に当社の自己資金を用いて国内で「戦略的投資」を積極的に行ったため、投資実行額は前連結会計年度から増加し12社、1,224百万円(前連結会計年度比795.3%増)となりました。投資残高については、株式の売却を進めた一方で投資実行額が増加したことから、前連結会計年度末と同程度の8,405百万円(前連結会計年度末8,437百万円)となりました

 プロジェクト投資投資実行額は、前連結会計年度から減少し10件、2,150百万円(前連結会計年度比 40.5%減)となりました。主な減少要因は、前連結会計年度に比べ投資したメガソーラープロジェクトが小型だったことです。

 再生可能エネルギープロジェクトのうち、メガソーラープロジェクトでは新規案件件、既存案件件へ投資を行いました。加えて、植物工場への追加投資や、バイオガス発電所の原料となる廃棄物の中間処理施設のオペレーターへの新規投資を実行したほか、高齢者向け施設のプロジェクトに新規投資を行いました。また、新たなプロジェクト投資の分野として、国内の物流施設の建設プロジェクトや商業ビルの運営プロジェクトにも投資を行いました。

 プロジェクトの売却については、前連結会計年度は未稼働のものを含め4件、合計8.2MWのプロジェクトを売却又は回収しました。また、当連結会計年度は、稼働済みのプロジェクト7件、合計16.5MWを売却しました。なお、当連結会計年度に売却したプロジェクトのうち6件、合計14.2MWは、当社グループが運営するJAICソーラー2号投資事業有限責任組合へ譲渡したものであるため、前述の投資残高の件数及び金額には引き続き含まれています。その結果、投資残高は前連結会計年度末から増加し6,696百万円(前連結会計年度末5,514百万円)となりました。

 なお、当連結会計年度末現在において投資を行っているメガソーラープロジェクト(JAICソーラー2号投資事業有限責任組合からの投資も含む)は、売却や回収した案件を除き、合計で25件、97.5MWとなりました。このうち、当社が出資した持分に帰属する部分は45.2MWです。また、メガソーラー以外の再生可能エネルギープロジェクトに対する投資実績は、木質バイオマス発電プロジェクトが1件、2.0MW、バイオガス発電プロジェクトが2件、1.6MW、風力発電プロジェクトが1件、最大25.2MWです。

 

(b)IPO(新規上場)の状況

 当社グループによる自己勘定並びに当社グループが運営の任にある、又は運営の為に必要な情報の提供を行っているファンドから投資を行った投資先企業の新規上場の状況は以下のとおりであります。

 

① 新規上場(IPO)の状況(自己勘定分及びファンド勘定分)

投資先企業の所在地

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 国内

2社

3社

 海外

-社

1社

 合計

2社

4社

 

 

② 初値倍率の状況(自己勘定分及びファンド勘定分)

投資先企業の所在地

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 国内

9.7倍

5.2倍

 海外

-倍

8.6倍

(注)初値倍率=初値時価総額の合計/取得額の合計。なお、初値倍率の計算には株式交換等による上場株式取得分は含めておりません。

③ 新規上場した投資先企業の一覧

前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

社数

投資先企業名

上場年月日

上場市場

事業内容

本社
所在地

国内:2社

海外:-社

VALUENEX株式会社

2018年10月30日

東京証券取引所マザーズ

特許・文書解析ツール「TechRadar」、「DocRadar」のASPライセンスサービス及びこれを用いたコンサルティングサービスの提供

東京都

株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

2019年3月19日

東京証券取引所マザーズ

AI、クラウドインプットによる情報生成技術を活用した金融情報メディア(「みんなの株式」等)の運営並びに金融機関向け情報系フィンテックソリューションの提供

東京都

 

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

 

社数

投資先企業名

上場年月日

上場市場

事業内容

本社
所在地

国内:3社

海外:1社

株式会社ステムリム

2019年8月9日

東京証券取引所マザーズ

生体内に存在する幹細胞を活性化し、損傷組織の再生を誘導する医薬品・医療機器及び遺伝子治療等製品の研究、開発、製造、販売

大阪府

株式会社ピー・ビーシステムズ

2019年9月12日

福岡証券取引所

Q-Board

企業の基幹システムをクラウド化する「セキュアクラウドシステム事業」、VRシアター4D王の製造販売を行う「エモーショナルシステム事業」

福岡県

Fangdd Network Group Ltd.

2019年11月1日

米国NASDAQ

グローバル

中国最大の不動産仲介サイト「房多多」の運営

中国

株式会社リグア

2020年3月13日

東京証券取引所マザーズ

接骨院などの経営支援を行う接骨院ソリューション事業、保険代理店や金融商品仲介業を行う金融サービス事業

大阪府

 

(c)ファンドの状況

 当連結会計年度末における当社グループが管理、運用又は投資情報の提供を行っているファンドの運用残高は、11ファンド、17,390百万円(前連結会計年度末10ファンド、16,494百万円)となりました。

 当連結会計年度においては、稼働済みメガソーラープロジェクトを投資対象とする「JAICソーラー2号投資事業有限責任組合」を設立しました。一方で、為替の変動による運用残高の減少が発生しました。

 

1)運用残高

 

前連結会計年度末

(2019年3月31日現在)

当連結会計年度末

(2020年3月31日現在)

ファンド総額(百万円)

16,494

17,390

うち当社グループ出資額

(百万円)

5,344

5,163

ファンド数

10

11

(注)満期を迎えた後に清算期間に入っているファンドは上記の数値に含めておりません。

 

2)新規設立又はファンド総額が増加したファンド

前連結会計年度(自2018年4月1日 至2019年3月31日)

新規設立

ファンド総額増加

ファンド総額(百万円)

ファンド総額の増加額(百万円)

2,000

ファンド数

ファンド数

1

 

当連結会計年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日)

新規設立

ファンド総額増加

ファンド総額(百万円)

1,359

ファンド総額の増加額(百万円)

ファンド数

1

ファンド数

 

3)新規設立又はファンド総額増加ファンド一覧

 前連結会計年度(自2018年4月1日 至2019年3月31日)

ファンド名

ファンド総額

増加時期

ファンド総額

増加額

(百万円)

特徴

サクセッション1号

投資事業有限責任組合

2018年6月、10月

2,000

日本国内の事業承継問題を抱える中小企業を投資対象とするファンド

 

 当連結会計年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日)

ファンド名

ファンド設立時期

ファンド総額

(百万円)

特徴

JAICソーラー2号

投資事業有限責任組合

2020年3月

1,359

稼働済みメガソーラープロジェクトを投資対象とするファンド

 

4)当連結会計年度末日以降3年以内において満期を迎えるファンド

 

2021年3月期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

2022年3月期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

  2023年3月期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

ファンド総額(百万円)

9,520

500

ファンド数

6

1

 (注)上記1)から4)の各表について

  1 外貨建によるファンドは、各連結会計年度末日現在の為替レートを乗じて計算した金額を記載しております。従って、運用資産の増減額には為替による影響額も含まれております。

  2 ファンド総額につきましては、コミットメントベース(契約で定められた出資約束金額ベース)の金額を記載しております。

 

Ⅱ キャッシュ・フローの状況の分析

 

前連結会計年度

  2018年 4月1日~

 2019年 3月31日

当連結会計年度

  2019年 4月1日~

 2020年 3月31日

営業活動によるキャッシュ・フロー

299

124

投資活動によるキャッシュ・フロー

1,224

147

財務活動によるキャッシュ・フロー

△2,173

△1,617

現金及び現金同等物期末残高

4,082

2,723

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の進捗に伴い投資事業組合への出資による支出が1,590百万円(前連結会計年度964百万円)となったこと等から、収入額は前連結会計年度よりも減少し124百万円の収入(同 299百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

収入額が前連結会計年度から減少し、147百万円の収入(同1,224百万円の収入)となりました。主な要因は、投資有価証券の償還による収入が62百万円(同702百万円)に減少したためです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

長期借入金の返済により、1,617百万円の支出(同2,173百万円の支出)となりました。返済優先の財務対応を改め返済額を減額したことから、前連結会計年度に比べて支出額が減少しました。

 

これから現金及び現金同等物に係る換算差額12百万円を控除した結果、当連結会計年度末において現金及び現金同等物の残高は1,358百万円減少して2,723百万円となりました。

 

新規の投資資金と経常的な支払いは投資の回収資金で賄えていますが、借入金の返済は手許のキャッシュ残高を減らして行っている状況です

Ⅲ 財政状態の分析

(資産)

期末残高

前連結会計年度末

(2019年3月31日現在)

当連結会計年度末

(2020年3月31日現在)

金額(百万円)

引当率(%)

(b)/(a)

金額(百万円)

引当率(%)

(b)/(a)

資産合計

28,845

28,548

うち 現金及び預金

7,108

4,520

うち 有形固定資産

10,656

12,119

うち 営業投資有価証券(a)

10,242

9,848

うち 投資損失引当金(b)

△1,538

15.0

△1,574

16.0

 

 資産合計は前連結会計年度末と同程度の28,548百万円(前連結会計年度末28,845百万円)となりました。当社グループが運営するプロジェクトを売却した一方で、建設が進んだプロジェクトの資産が増加しました。

 このうち現金及び預金は、前連結会計年度末から減少し4,520百万円(同 7,108百万円)となりました。主な減少要因は、借入金の返済、及び、期中に売却したプロジェクトの保有していた預金が除外されたためです。なお、当該金額には、当社グループの運営するファンドに帰属する預金が含まれています。これらは各ファンドの組合契約に従い運用しなければならない資金であり、当社グループに帰属する資金と明確に分別して管理しています。当社グループに帰属する資金は、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の期末残高の2,723百万円(同 4,082百万円)となります。加えて、当社グループが展開するプライベートエクイティ投資はその事業特性上株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、加えて昨今の変動の激しい環境下においては合理的な業績予想が困難な事業です。そのため、プライベートエクイティ投資からの資金回収額が大きく下振れすることも想定されます。そのような状況の中、経費や利息の支払い及び借入金の返済だけでなく、将来の成長に向けた投資を確実に行うために、当社グループは常に一定の現預金残高を保有する必要があります。

 

 有形固定資産は、主に、当社グループが運営するプロジェクトの再生可能エネルギー発電所設備が計上されています。プロジェクトの売却に伴う設備の減少額よりも建設が進んだプロジェクトの設備の増加額が上回ったため、前連結会計年度末から増加して12,119百万円(10,656百万円)となりました。

 

 営業投資有価証券は、投資の回収が進捗したため、前連結会計年度から減少し9,848百万円(同 10,242百万円)となりました。

 投資損失引当金は、引当済みの投資資産の売却に伴う取り崩しが生じた一方、投資資産の価値の毀損に伴う繰入を行ったことから、前連結会計年度末と同程度の1,574百万円(同 1,538百万円)となりました。

 その結果、当連結会計年度末における引当率(営業投資有価証券の期末残高に対する投資損失引当金の期末残高の割合)は16.0%となり、前連結会計年度末から1.0ポイント上昇しました。

 

(負債)

当社グループが運営するプロジェクトにおいてプロジェクトファイナンスによる新規調達を行った一方で、当社単体の借入金の返済による減少やプロジェクトの売却に伴いプロジェクトファイナンスの残高が減少したため、負債合計は前連結会計年度から減少して19,832百万円(前連結会計年度末 20,444百万円)となりました。

なお、当連結会計年度末の借入金と社債の残高は合計で17,334百万円(同 19,552百万円)となりました。このうち、当社単体の金融機関からの借入額は8,166百万円(同 9,784百万円)です。残額は、当社グループが運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンスと社債の残高9,167百万円(同 9,768百万円)です。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

(2019年3月31日現在)

当連結会計年度末

(2020年3月31日現在)

借入金・社債残高合計

19,552

17,334

うち 当社単体借入額

9,784

8,166

うち 匿名組合等によるプロジェクトファイナンス・社債

9,768

9,167

当社単体の借入金については、当連結会計年度中に1,617百万円を返済したため、前連結会計年度末から減少しました。また、2020年4月には、追加で513百万円を返済し、その残高を7,653百万円に圧縮しています。今後も当社単体の借入額は引き続き圧縮して参ります。他方、当社グループの運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンスは、プロジェクトの資産や収益のみを返済原資としているため、当社グループの財務健全性には影響を与えません。そのため、当社は、今後も当社グループの運営する再生可能エネルギー等の多様なプロジェクトにおいて、プロジェクトファイナンスによる資金調達を拡大することでレバレッジを効かせた投資を行い、財務健全性を損ねることなく収益性を高めていく方針です。

 

(純資産)

純資産のうち自己資本は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末から増加し7,219百万円(同 6,796百万円)となりました。一方、総資産は前連結会計年度末と同程度となったため、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末から1.7ポイント上昇し25.3%(同 23.6%)となりました。また、純資産全体も前連結会計年度末から増加し、8,716百万円(同 8,400百万円)となりました。

なお、当社単体の自己資本比率は44.6%(同 38.9%)であり、前連結会計年度から5.7ポイント上昇しています。これは、借入金の圧縮に伴い財務健全性が改善しているためです。

 

Ⅳ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(当社グループの資金状況)

「Ⅱ キャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。

借入金の状況)

「Ⅲ 財政状態の分析 (負債)」に記載のとおりであります。

(手許資金の状況)

「Ⅲ 財政状態の分析 (資産」に記載のとおりであります。

(ファンドの状況)

「Ⅰ 経営成績の状況の分析(2)営業活動の状況(c)ファンドの状況」に記載のとおりであります。

(投資活動の状況)

Ⅰ 経営成績の状況の分析(2)営業活動の状況(a)投資の状況」に記載のとおりであります。

(当社の資本政策の具体的な方針)

①株主資本の規模

黒字を定着させることで累積損失の解消を目指し、株主資本を増強する。

②総資産に占める株主資本の割合

金融機関からの借入金(プロジェクトファイナンスを除く)に依存した財務体質を改善すべく、投資回収資金によりこの借入金を返済してその削減を進め、将来的に、デットエクイティレシオ1倍未満を目指す。

③株主還元に関する方針

将来の収益源となる営業投資活動を積極的に行うべく内部留保の充実に努め、財務基盤の強化を図りながら、株主各位への安定的かつ継続的な株主還元を行う。

④支配権の変動や大規模な希釈化

当社は、支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策については、証券取引所の規則に従い、既存株主を不当に害することのないよう、所定の手続きを実施する。

 

Ⅴ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 当社グループの財政状態や経営成績において大きな影響があり、かつ重要な経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針は、投資損失引当金に関する会計方針です。投資損失引当金は、投資先会社の実情を勘案して投資の損失に備える必要があると判断された場合、将来の損失見積額を計上しております。営業投資有価証券については、四半期毎に社内基準に従って、個別投資先企業の資産内容、損益の状況、事業計画の進捗状況、資金繰りの状況について、実績と将来の見込みを検討します。加えて、投資実行からの経過期間や、ファンドから投資をしている企業についてはファンド満期に伴う回収期限を勘案し、資産評価の適正性を精査しております。当該見積りの不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第2事業の状況、2事業等のリスク Ⅱ営業活動に関するリスク (1)プライベートエクイティ投資に係るリスク」に記載しております。なお、新型コロナウィルス感染症の影響については「第5経理の状況、1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

Ⅵ 上記ⅠからⅤの分析等に基づく対応及び、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、First Eastern (Holdings) Limited(以下「FE社」といいます。)との間で、資本業務提携契約を締結しております。その概要は下記のとおりであります。

 

 当社は、2015年12月11日開催の取締役会において、FE社との間での資本業務提携契約の締結及びFirst Eastern Asia Holdings Limitedを割当予定先とした第三者割当(以下「本第三者割当」といいます。)の方法による取得条項付第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行を行うこと(以下「本資本業務提携」といいます。)を決議し、2015年12月29日付で本資本業務提携を開始致しました。

 

(1)業務提携の内容

当社及びFE社は、相互に協力して、以下の各項目を中心として、両社にとって有益な共同事業を検討して参ります。また、FE社から当社への取締役又は顧問及びその他の人材の派遣についても今後検討して参ります。

①日本での成長企業への投資におけるファンドの設立及び運営を中心とした協力

②日本におけるM&A及び不動産投資に関する助言業務

③中国及び東南アジアにおけるファンドの設立及び運営を中心とした協力

④インフラ及びエネルギーに関連する投資事業における、ファンドの設立及び運営を中心とした協力

 

(2)資本提携及び本第三者割当の概要

 資本提携の具体的な方法は、First Eastern Asia Holdings Limitedが保有する当社に対する貸付金債権835百万円をデット・デット・スワップの方法により、取得条項付無担保転換社債型新株予約権付社債に交換するものです。なお、本新株予約権付社債は2016年2月26日付で当社普通株式に転換された後、2016年11月及び12月に一部売却されました。

 その後、2020年3月には、First Eastern Asia Holdings Limitedによる追加取得に関する大量保有報告がなされました。

 これらの結果、2020年3月末現在First Eastern Asia Holdings Limitedは、当社の議決権を8%以上保有する筆頭株主となっております。

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。