文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断、予測したものであります。
1 経営方針
当社グループは、「日本とアジアをつなぐ投資会社として少子高齢化が進む社会に安心・安全で質と生産性の高い未来を創ります」を経営理念として掲げ、全てのステークホルダーへの利益還元を果たして参ります。
2 経営環境と対処すべき課題
(1)外部環境の認識
当社はこれまで、経営理念のもと、少子高齢化問題及び地球温暖化問題、特に原発問題を抱えた日本固有のエネルギー問題を重要なテーマとして位置付けて事業を行ってまいりました。これらの問題は、社会の在り方、個人生活、企業行動に変化を与え、技術革新をもたらしています。加えて、今般の新型コロナウィルス感染症の災禍により、これらの変化が加速しました。
そこで当社は、従前の課題に加えて新型コロナウィルス感染症が今後引き起こすであろう変化も踏まえ、投資分野別の外部環境を次のように認識し、これに対応した事業活動を行う計画です。
①再生可能エネルギー
脱炭素社会に向けて再生可能エネルギーによる発電が加速し、全世界で域内のCO2排出実質ゼロに向けた取り組みが進むと認識しています。
②スマートアグリ(植物工場)
温暖化による天候不順、自然災害の影響や農業人口の高齢化の影響から、露地野菜の供給の量・質・価格が不安定となり、工場野菜の市場規模は拡大していくと認識しています。
③ディストリビューションセンター(物流施設)
東京圏は、物流拠点の集約とEC市場の拡大により空室率が過去最低水準であり、賃料相場は2009年以来の高水準となっています。コロナ禍による巣ごもり需要も加わり、物流施設に対する需要は非常に高いと認識しています。
④ヘルスケア(障がい者グループホーム)
2013年に障碍者総合支援法が施行され、グループホームの利用者が増加しています。多様性を尊重し包摂的な社会を築く上で、今後さらに需要が高まると認識しています。
⑤ヘルスケア(高齢者施設)
国内総人口が減少する一方で高齢者人口は増加し、65歳以上の比率は2025年には30%に達する見込みであり、今後も高い需要が続くと認識しています。
⑥M&A仲介
後継者問題や企業の海外進出の活発化によりM&Aの件数は増加傾向にあり、特に中小の件数は大幅に増加しています。今後も高い需要が続くと認識しています。
(2)当社の投資事業の特徴
当社のプライベートエクイティ投資の特徴は、長年の投資活動を通じて蓄積されたノウハウに基づく上場支援に加え、広いネットワークを活用した海外展開支援や営業支援を行う点です。そのために、中国の政府系機関やアジア諸国のパートナー企業と業務提携などを行い、アジアのネットワークを構築しています。加えて、プライベートエクイティ投資とプロジェクト投資を組み合わせた「戦略投資」を行うことも特徴です。「戦略投資」を行った企業には、株主としての支援だけではなく、パートナーとして共にプロジェクト(事業)を運営し、その成長を支援します。
プロジェクト投資の特徴は、プロジェクト総額の多くを金融機関からの負債性資金で調達することでレバレッジを効かせ、少額の投資資金で高い採算性を追求している点です。加えて、多様な分野のプロジェクトに機動的に投資を行うことができるように、プロジェクトの企画や開発に精通したベンチャー企業とパートナーシップを組んでいる点も特徴です。
プロジェクトの開発や運営には、業界知識、ノウハウ、技術力、交渉力など高度なスキルが求められます。当社単独ではカバーできないこれらの経営資源をパートナーのベンチャー企業が提供し、当社は、主に投資資金の提供や金融機関からの資金調達を含めたファイナンススキームの構築を担います。
当社は、社内の経営資源のみならず外部の優れた経営資源も積極的に活用して、成長性が高く将来有望な投資分野を創出し投資を行うことで、社会に貢献して参ります。そのために、今後も継続的に外部とのネットワークを強化し、パートナー企業の発掘を行います。これにより、新たな投資分野の創出に常時取り組み、次の注力投資テーマとしていく方針です。
(3)当社の競争優位性
当社は、当社の競争優位性を、アジアでの歴史、最先端の業界情報収集力、ベンチャー企業とのネットワーク、ファイナンススキーム構築力の4つだと認識しています。より具体的には、投資分野別に次のように考えています。
①再生可能エネルギー
当社には「パートナー戦略による豊富なネットワークから得られる多様な案件へのアプローチ力」があります。その結果、メガソーラー、ソーラーシェアリング、風力、バイオマス、バイオガスへと投資対象を多様化しながら、電力の固定価格買取制度(FIT)の変容の中でも一定の収益性を確保できます。
②スマートアグリ(植物工場)
当社のパートナーである株式会社森久エンジニアリングには「品質に厳しい大手企業に評価される高品質野菜の生産を可能とする技術力」があります。具体的には、生菌数が極めて低く高品質かつ無農薬の野菜の量産を実現し、大手コンビニエンスストアのコンペティションで勝ち抜き、他社工場からの乗り換えにより取引を開始した実績があります。
③ディストリビューションセンター(物流施設)
当社のパートナーであるKICホールディングス株式会社には「大手デベロッパーが敬遠する土地を安く買い、安く作って、安く貸す開発力」があります。道路付けの悪い土地、市街化調整区域など、そのままでは開発が困難な土地を安く仕入れ、手間を掛けて事業化することで大手との競争を回避しています。
④ヘルスケア(障がい者グループホーム)
当社のパートナーであるソーシャルインクルー株式会社は「大手が未だ参入していないマーケットで先行する地位」にあります。市場が拡大している中でも競争環境は未だ平穏であり、既に国内最大級の運営棟数を有し、業界をリードする立ち位置を確立しています。
⑤ヘルスケア(高齢者施設)
当社のパートナーであるAIPヘルスケアジャパン合同会社は、「日本初のヘルスケア特化型上場REITの運営に関与し、介護業界に広いネットワーク」を有しています。日本ヘルスケア投資法人の設立や運営アドバイザーを手掛け、業界の先駆者としての知名度があります。
⑥M&A仲介業務
当社は「国内外での投資活動、ファンド運営を通じてニーズを発掘する機会」を有しています。取引候補先となる300社以上のIPO実績を有し、また、長くアジアで投資活動を行ってきた知名度があります。
(4)中期経営計画(2019年3月期から2020年3月期)の振り返りと残る課題
①計画の概要
当社は、2019年3月期から2021年3月期までの中期経営計画において、①収益構造の安定化、②財務健全性の向上、③充分な投資資金の確保、の3つの課題を解決するため、資産の入れ替えを進める方針でした。具体的には、既存のプライベートエクイティ投資資産の大半を3年間で売却し、売却によって得た資金で、より流動性の高い再生可能エネルギー等のプロジェクト投資や、「企業への投資」と「プロジェクト(事業)への投資」を組み合わせる「戦略投資」を行い、その投資残高を積上げて将来の安定収益を拡大する計画でした。その際、当社の強みや外部環境を考慮した結果、再生可能エネルギー、スマートアグリ(植物工場等)、ヘルスケア(介護・医療)の3つを事業テーマに選定しました。
②計画の達成状況
プライベートエクイティ投資では、戦略投資以外の投資(以下「フィナンシャル投資」)の資産の売却は、投資先企業の新規上場(IPO)や売却交渉が計画どおりに進まず大幅な未達となり、その残高を計画どおりに圧縮できませんでした。戦略投資については、投資対象の発掘が計画以上に順調に進み、6社に合計で11億円を投資しました。
プロジェクト投資では、再生可能エネルギープロジェクトの投資実行は順調に進みましたが、プライベートエクイティ投資の売却下振れを補うためにメガソーラープロジェクトを売却しました。その結果、黒字化を実現した一方で、プロジェクト投資資産の残高は計画未達となりました。スマートアグリプロジェクトでは、植物工場の第1号案件が2019年3月に操業を開始し、黒字化への道筋がついたため第2号案件に投資をしました。ヘルスケアプロジェクトでは、高齢者向け施設2件へ投資を行ったほか、新たに、障がい者グループホームへの融資を開始しました。加えて、新規事業として、ディストリビューションセンター(物流施設)プロジェクトへの投資を開始しました。
数値計画は、2021年3月期の従来連結基準(注)による親会社株主に帰属する当期純利益を7億円、ROEを9%と計画していましたが、実績はそれぞれ1.4億円、2.0%となり計画に達しませんでした。また、主要な業績評価指標(KPI)の達成状況は次のとおりです。プロジェクト資産の残高は、目標の90億円に対し実績は53億円となり目標に達しませんでした。現預金とプロジェクト投資資産の合計額と借入金のバランスは、56億円超過の目標に対し実績は21億円超過に留まりました。プライベートエクイティ投資のうちフィナンシャル投資資産の引当後残高は、10億円まで圧縮するという目標に対し実績は30億円に留まりました。新しい投資方針に基づく新規ファンドの設立や戦略投資の実行によるプライベートエクイティ投資資産の残高を10億円まで増加させる目標に対しては、目標を上回り12億円まで増加させることができました。
③残る課題と新中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の策定
当社は、現時点で残る対処すべき課題は、フィナンシャル投資から戦略投資・プロジェクト投資への、資産の入替が遅れている点だと考えています。フィナンシャル投資資産の流動化・収益化が遅れたため、メガソーラープロジェクトを売却したことにより、その投資資産の残高は減少しています。また、再生可能エネルギー以外のプロジェクト投資の資産残高は、未だ十分に増加していません。その結果、総資産の残高が減少し、安定収益も十分に増加していません。この課題を解決するために、2020年12月に、2022年3月期から2024年3月期までの3年間の新中期経営計画を策定しました。この計画では、旧投資方針により積み上げた資産を一掃して、新たな投資方針に基づく資産への入替を進めます。
新たな投資方針とは、プロジェクト投資においては、短期(投資後2~3年)での売却を前提としたプロジェクトへの投資実行を拡大し、その残高や売却益を増加させることです。プロジェクト投資の売却益はプライベートエクイティ投資の売却益に比べると確実性が高いため、安定的な収益源となります。また、プライベートエクイティ投資においては、プロジェクト投資を組み合わせた戦略投資を厳選集中して行うことです。投資先企業に対しては、当社の保有するネットワークや経営リソースを全て活用して、全面的な支援を行います。また、投資の回収を行う際は、新規上場のみに依存せず、M&Aによる売却など多様な売却機会を追求します。その結果、投資資産の滞留(リビングデッド化)を回避し、期間損益をコントロール可能な状態にすることを目指します。これにより、ベンチャー企業と共同して負債性資金が調達可能(bankable)なプロジェクト投資を推進し、持続可能性(サステナビリティ)のある収益構造の構築への道筋を付けます。
また、国内とアジアでパートナー戦略を強化し、投資先企業の支援体制を構築します。当社のアジアでのネットワークを活用して、当社の投資実行能力と投資回収能力を高めます。近年、海外に事業拡大機会を求める日本企業が増える中で、国内の地域金融機関等では、顧客である地域企業のニーズに応えるため、アジアでのネットワークやM&Aなどの投資のノウハウへの関心が高まっています。そこで当社は、当社の経営資源をプラットフォームとして国内の地域金融機関等に提供し、国内の地域金融機関等と連携して、その顧客企業に対する新たな事業機会と当社の収益機会を創出することができると考えています。
(5)新中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の事業方針
①総括
a)経営理念
現行を堅持します。「少子高齢化が進む社会で安心安全で質と生産性の高い社会実現の為に貢献する」投資会社を標榜し、投資活動及びその関連ビジネスを行います。
b)基本的な投資戦略
経営理念に基づく戦略投資とプロジェクト投資により、棄損したバランスシートの早期修復と安定した収益基盤の構築を目指します。同時に、ベンチャー投資により高い収益性の確保を目指します。コアとすべき有望な投資先企業及びプロジェクトを開拓し、投資機会を深掘りします。また、プロジェクト投資において投資対象を多様化し、投資機会を追求すると同時に、投資資産のリスク分散を図ります。
c)具体的な投資活動の目標
プライベートエクイティ投資では、投資先企業に対する当社の持株比率を、これまでよりも高めます。同時に、当社のリソースを全て投入したハンズオンの支援を通して、投資先企業の企業価値の向上や当社の回収力の強化を図ります。この投資手法を徹底する事で、投資会社としての知見と総合力を高めます。
d)SDGsへの取り組み
当社の投資活動のコアバリューを「ベンチャー投資と特色有るアジアのネットワークを活用した日本とアジアの未来に貢献するSDGs投資」と位置づけます。今後、少子高齢化とポストコロナの日本の未来社会で、安心安全で質と生産性の高い社会実現へのソリューション提供に貢献するベンチャー企業を発掘し、投資を通じて応援します。これにより、SDGs関連事業の育成に貢献するとともに、当社の収益力の向上を目指します。
e)アジアへの取り組み
当社のベンチャー投資のスキル、アジアでのネットワーク、及び国内の地域金融機関との連携を活用して、投資と投資関連ビジネスを展開します。これによって、アジアの成長に貢献すると同時にアジアの成長を日本に取り込み、少子高齢化等の要因で足踏みする日本経済や衰退する地方の成長維持に、投資関連事業で貢献します。
②パートナー戦略
当社の強みは、プロジェクト投資を行う際に、当社独自で投資をするのではなく、その分野で競争優位性の高いベンチャー企業をパートナーとしている点です。今後もパートナーとなる新たなベンチャー企業を発掘し、その企業が行う事業に投資を行い育成し、当社の事業ポートフォリオを拡大します。
③プライベートエクイティ投資の事業戦略
フィナンシャル投資では、戦略投資以外の既存資産を流動化し、資産の入替を完了します。他方で、新たな投資方針に基づく3本のファンドを組成します。戦略投資では、既存の投資先を成長させ売却益を得るとともに、新規分野でのパートナー企業に戦略投資を行います。
④プロジェクト投資の事業戦略
ディストリビューションセンタープロジェクトは、重点分野として投資残高を増やします。また、プロジェクトの初期段階に投資し、その後にミドル・リスク、ミドル・リターン志向のレイターステージの投資家を呼び込むことで、当社の採算性を向上させます。
ヘルスケアプロジェクトのうち高齢者施設への投資は、立地環境と採算性を重視し、案件を厳選して行います。
再生可能エネルギープロジェクトでは、ベトナムの屋根置きソーラーと、国内のバイオガスプロジェクトへの投資を拡大します。国内のメガソーラープロジェクトは、順次売却して利益を計上する計画です。
スマートアグリプロジェクトでは、大手コンビニエンスストアを軸に販売先を開拓し、先ずは第4号工場まで事業規模を拡大します。
ヘルスケアプロジェクトのうち障がい者グループホームでは、銀行やリース会社とファンドを組成し、50棟に投資を実行します。
⑤コンサルティングビジネスの事業戦略
投資活動の過程で得られる情報を基に、国内外のパートナーと連携し、M&Aの仲介を含むコンサルティング業務を行い、安定収益を拡大します。
⑥主要な業績評価指標(KPI)
コンサルティング業務や短期売却を前提としたプロジェクトへの投資を拡大することで、プライベートエクイティ投資に比べて比較的確実性の高いフィー収益やプロジェクトの収益を拡大し、サステイナブルな収益構造を目指します。計画期間中は未だプライベートエクイティ投資の収益が中心となるものの、計画期間最終年度となる2024年3月期には、フィー収益とプロジェクトの収益の営業総利益で管理コストを賄い、変動の大きなプライベートエクイティ投資の収益は超過利益とすることを目指します。具体的には、従来連結基準(注)による親会社株主に帰属する当期純利益を、2022年3月期は340百万円、2023年3月期は550百万円、2024年3月期は850百万円とすることを計画しています
(注)従来連結基準
当社グループでは、2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 2006年9月8日 実務対応報告第20号)を適用し、当社グループで運営している投資事業組合等の一部を連結の範囲に加えて連結財務諸表等を作成しております。しかしながら、投資家及び株主の皆さまに、当社グループの経営成績及び財務状況を正しくご認識いただくためには、従来からの会計基準による財務諸表等の開示も必要と考えております。
以上のことから、従来の会計基準に従って、投資事業組合については、資産、負債及び収益、費用を外部出資者の持分を含まない当社及び関係会社の出資持分に応じて計上し、また、会社型ファンドについては連結の範囲から除いた連結財務諸表等を「従来連結基準」として、決算短信等において継続的に開示しております。
当社グループの事業等のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると思われる主要な事項を記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
Ⅰ 事業環境に関するリスク
(1)株式市場に係るリスク
当社グループは、日本・アジアを中心とした未上場株式等への投資を行い、投資先企業の株式上場による株式市場での売却や第三者等への売却により収益を得るプライベートエクイティ投資を行っております。このため、投資資金を回収する局面において、株式市場の変動の影響を受ける可能性があります。当社グループでは、投資時に投資候補となる未上場企業の将来性を十分に検討し、当該企業が上場時に株式市場から得られるであろう評価額を想定し、これに基づいて投資株価の妥当性を検証しています。
しかしながら、株式の売却時に株式市場が活況でなく新規株式上場市場も低調である場合には、投資先企業が新規上場したとしても想定したとおりの株価が付かず、又は、新規上場が実現せず、それによって当社グループが得る営業収益が減少し当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、投資先企業の株式上場等により、市場性のある株式を保有しております。また、新規上場銘柄のうち一部の銘柄につきましては、各証券取引所の関連規則又は投資先企業との契約によって上場後一定期間売却が制限されることがあります。そのため、保有期間中に株式市場において株価が下落した場合、株式売却によって得られる営業収益の減少や保有有価証券の評価損の発生に伴う営業原価の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(2)為替リスク
当社グループは、海外での投資を行っているため、保有する外貨建資産につきましては、外国為替の変動の影響を受けます。なお、プライベートエクイティ投資の特性上、投資資金の回収期間が長期となり、また、回収金額及び回収時期の特定ができず将来のキャッシュ・フロー予測が困難であるため、為替予約などによる為替リスクヘッジ取引等は行っておりません。
(3)カントリーリスク
当社グループは、アジア諸国などでも事業活動を行っているため、事業活動を行う国における経済情勢の変化、政治的要因の変化、法制度の変更、テロや伝染病の発生などの社会的混乱等により投資先企業や当社グループ会社の事業活動に悪影響を及ぼすリスクが内在します。当社グループでは、現地の政府関係機関やパートナー企業とのネットワークを強化し、及び共同で投資活動を行い、事業活動を行う国の情報収集や適切な対応に努めています。
(4)法的規制によるリスク
当社グループの事業活動は以下の法的規制を受けます。当社グループでは、管理グループがこれらの法的規制について常時情報を収集し適切な対応に努めていますが、当社グループ各社の行う業務においてこれらの規制に抵触した場合、当該業務の遂行に支障をきたす可能性があります。その場合には、規制に対応するために、ファンドの設計を変更することに伴う費用が増加する可能性があります。また、当社グループの社会的信用力が低下することで、事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
①オフショア地域における法的規制
当社グループは、本邦、アジア諸国及びケイマン諸島などのオフショアと呼ばれる地域他各国において、ファンドの管理運営業務及び投資事業等を行っているため、これらの地域における法的規制(会社法・金融商品取引法・独占禁止法・租税法・投資事業有限責任組合契約に関する法律・外国為替管理法・財務会計関連法規等)の適用による影響を受けます。
②適格機関投資家等特例業務関連
当社グループ内には当社をはじめとして、本邦における金融商品取引法第63条に基づく適格機関投資家等特例業務としてファンドの管理運営業務を営むに当たり、管轄財務局に届出を行っている会社があります。この届出により当社グループが管理運営するファンドは、適格機関投資家等を主とする投資家に出資者を限定するなど一定の要件を満たす必要があります。
(5)競合・参入の状況に係るリスク
当社グループが属する投資業界においては、金融機関、事業会社、外資系企業等による参入があります。当社グループでは、経営理念に基づき特徴のある投資活動を行うことや、競争力のあるベンチャー企業とパートナーシップを組んで投資を行うことで、競争優位性を維持するよう努めています。しかしながら、競合他社による大規模なファンドの組成、積極的な投資活動の拡大、優れたポートフォリオの構築、高い投資リターンの実現、低価格サービスの提供等により、当社グループの競争力が相対的に低下することで、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
Ⅱ 営業活動に関するリスク
(1)プライベートエクイティ投資に係るリスク
当社グループは、日本・アジアを中心とした未上場株式等への投資を行い、投資先企業の株式上場による株式市場での売却や第三者等への売却により収益を得る、プライベートエクイティ投資を行っております。当社グループでは、投資時に投資候補となる未上場企業の将来性を十分に検討し、投資回収時に当該企業が新規上場した場合の株式市場からの評価や未上場の段階で売却する場合に買手から得られるであろう評価を想定し、当社グループの投資する際の投資候補先の企業価値の妥当性を検証しています。また、当社グループでは、プライベートエクイティ投資(企業に対する投資)とプロジェクト投資(事業に対する投資)を組み合わせた「戦略投資」に注力しています。投資後は、投資先企業に対するモニタリングを綿密に行い投資先企業の状況を的確に把握することに努めています。また、投資先企業の事業の進捗や経営状況の改善を図るために、投資先企業に対する成長支援を行っています。特に「戦略投資」の投資対象の未上場企業に対しては、株主としての支援だけでなく事業上のパートナーとして共にプロジェクトを運営することでも支援を行っています。しかしながら、その投資活動については以下のようなリスクがあります。
当社グループが投資対象とする未上場企業は、成長過程にある企業であるため、収益基盤や財務基盤が不安定であったり、経営資源も限られるといったリスク要因を内包しております。そのため、投資先企業の業績の不振や倒産が生じた場合や、実際の投資先企業の事業進捗や業況が当社の見込みどおりに推移しない場合には、営業投資有価証券評価損や営業投資有価証券引当金繰入額が発生して営業原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループによる未上場株式等への投資から株式上場もしくは第三者等への売却に至るまでには通常長期間を要するため、途中で業績悪化等により当該投資先の企業価値が当初の見込みと異なって変動する可能性があります。また、経済環境や株式市場動向等外部要因の影響を受けて投資採算が当初の見込みと大幅に異なる可能性があります。それらの結果、投資回収時に営業収益が減少し、又は、投資回収に至る前に営業投資有価証券評価損や投資損失引当金繰入額が発生して営業原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが投資対象とする未上場株式等は、上場企業の株式等に比較して流動性が著しく低いため、投資回収時にその取引参加者の意向により取引条件が大きく変動します。そのため、当社グループの希望する価額・タイミングで売却できる保証はなく、営業収益が減少したり、長期間売却できず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは未上場株式等への投資を行うに当たり、他社の運営するファンドに出資を行う場合があります。ファンドに出資する目的は、当該ファンドからの持分利益を期待するとともに、他社の運営するファンドに出資を行うことを契機にファンドの運営者である他社との関係を深化し、業界情報の取得や共同投資の機会等を得ることです。当社グループは、他社の運営するファンドに出資を行う場合には、運営会社の投資能力やファンドの企画内容などを慎重に検討しています。しかしながら、ファンドの運営は他社が行っているため、ファンドの運営成績は当該運営者に依存しており、当社の期待に反してファンドの運営成績が低下した場合には、当該ファンドから期待したとおりの持分利益が得られない可能性や、持分損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)プロジェクト投資に係るリスク
当社グループは、再生可能エネルギーを始めとする多様なプロジェクトを投資対象としています。当社グループは、投資判断を行う上で一定の前提条件のもとに、発電所やその他プロジェクトの投資対象となる施設等の建設費用等の総事業コストや完成後の長期間にわたる発電量やその他の変数を見積もり、慎重に採算性の検証を行っております。しかしながら、これらの前提条件が想定以上に変動したり、自然災害や固定価格買取制度、その他各種取引条件の大幅な変更や改正等想定外の事象が発生した場合には、その内容によっては、プロジェクトの投資採算性が見込みと大幅に異なり、プロジェクトから得られる収入の減少、もしくは、プロジェクトで建設した有形固定資産の減損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、プロジェクトの投資対象となる施設等の自然災害による被害に関しては、例えば、太陽光パネルに長期のメーカー保証を付けているほか、施設等に対する動産総合保険等によりこれらの被害を最小限に収める対策をしております。
(3)貸付金に対する貸倒リスク
当社グループは営業貸付金及び破産更生債権等の残高を有しており、貸金業法及び「出資の受入れ、預かり金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という)の適用を受けております。
当社グループは、貸出先の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体に関する前提を慎重に検証し、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を計上しております。しかしながら、個別貸出先の状況の変動や経済環境の変化等外部要因等により、実際の貸倒れが当該前提及び見積りを上回り、貸倒引当金が不十分となり貸倒引当金繰入額の発生に伴い販売費及び一般管理費が増加し、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)役員派遣に係るリスク
当社グループの役職員を投資先企業の非常勤役員として派遣することがありますが、投資先企業に対して派遣した当社役職員が損害賠償請求等をされた場合、当社グループに使用者責任及び当該賠償金額を負担する義務が発生する可能性があります。
原則として投資先企業と派遣者との間で責任限定契約を締結するとともに、当社加入の役員賠償責任保険において派遣されている役職員も補償対象に加えておりますが、当社グループの業績及び財政状態への悪影響を完全には回避できない可能性があります。
(5)ファンド(投資事業組合等)に係るリスク
①ファンド募集について
ファンド(投資事業組合等)は、当社グループにとって投資原資であるだけでなく、管理報酬や成功報酬等の収益源、また様々な企業と提携してシナジー効果を生み出す上で有効なビークルでもあります。当社グループは、ファンドの規模を追うことなく当社のリソースを生かした特徴あるファンドを設立していく方針です。具体的には、2021年3月期は、当社のアジアでのネットワークを特徴とした地域企業の海外進出を支援するファンドを、地域金融機関を出資者に迎えて設立しました。しかしながら、ファンドの募集活動において、出資者から十分な資金を集められない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、営業収益のうち管理報酬が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
②ファンド運営に係る訴訟の可能性等について
当社グループは複数のファンドを設立しており、無限責任組合員又はゼネラルパートナーとして、その出資額を超える損失を負担する可能性があります。また、ファンドの業務執行組合員としての善管注意義務違反を理由とする訴訟や、ファンド間、当社グループとファンド又は出資者、もしくは出資者間の利益相反等を理由とする訴訟等を提起される可能性があります。当社グループでは、ファンドの受託者責任を全うすべく、ファンド毎にファンドマネージャーやファンド担当役員を設け、加えて、管理グループにおいて利益相反等の観点からファンドの運用体制をモニタリングしています。しかしながら、当社グループに対する訴訟等により損害賠償義務を負った場合には、損害賠償そのもののみならず、社会的信用の低下から当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
Ⅲ 会社運営に関するリスク
(1)業績変動リスク
当社グループは、プライベートエクイティ投資において、投資先企業の株式上場による株式市場での売却や第三者等への株式等の売却によるキャピタルゲインを主たる収益の1つとしております。売却の時期や売却価額は、株式市況や個々の投資先企業の特性、その他様々な要因の影響を受けて想定外に変動する可能性があります。当社グループでは、業績の安定化を目的としてプロジェクト投資を拡大し、プロジェクトからの安定収益の増加や流動性の高いプロジェクト投資資産の売却により、株式売却の変動を緩和しています。しかしながら、株式の売却が想定以上に変動した場合には、会計年度によって得られる収益の金額が大きく変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)資金調達リスク
①投資業務は、投資してから資金の回収までに長期間を有するため、投資資金の回収を含む資金調達額と投資実行額がアンバランスになり、財政状態及びキャッシュ・フローの状況が短期的に大きく変動したり、あるいは悪影響を被る恐れがあります。
②当社は、上記①のような事業の性質上、業務に必要な資金を長期的かつ安定的に調達する必要がありますが、2021年3月期末時点において6,950百万円を負債性資金により調達しております。
負債性資金については、当社グループは、2009年3月以降複数回にわたり、全取引金融機関から返済条件の変更等を主としたリスケジュールに同意を頂いており、現在の返済計画は、2020年8月1日から2021年7月31日までとなっています。
今後、2021年7月31日に期限が到来するに当たり当該対象債務の残債務については、再び新たな弁済計画について全取引金融機関から同意を頂くべく協議中です。当社グループは、日頃より取引金融機関と連絡を密に取り当社グループの状況を丁寧に説明し、弁済計画へのご理解を得るよう努めています。
しかしながら、協議が纏まらない場合には、期限の利益を喪失するなど、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、この新たな返済計画は、これまでと同様に融資期間が1年間であり、返済期限を2022年7月31日としています。今後、2022年7月31日の返済期限が到来する際に、当該対象債務の残債務について再び新たな弁済計画について協議を行う必要があり、協議が纏まらない場合には、期限の利益を喪失するなど、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)人材流出及び労務管理のリスク
当社の行う投資事業における成功には、有能なキャピタリストやファンドマネージャーの存在とその育成が不可欠であり、当社グループの重要な競争力の源泉であります。人事評価における成果主義の導入と、優秀な人材を確保するため、人件費が増加する可能性があります。また、このような制度を導入したにもかかわらず優秀な人材の流出した場合には、当社グループの将来の成長、事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす場合があります。
また、当社グループは労働環境の充実や改善、適正な労働時間の管理や時間外労働の抑制等に継続的に取り組んでおりますが、万一、過重労働や不適切な労務管理によって当社の信用に著しい低下がみられた場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)情報システム及び情報管理に係るリスク
当社グループでは適切なシステム管理体制の構築と運用に継続的に取り組んでおりますが、システム運用上のトラブルの発生により、業務運営に支障をきたす可能性があります。
また、当社グループではコンピューターウィルス対策の整備や、当社グループが保有する取引先の重要な情報並びに個人情報の管理について、各種社内規程等の制定、役職員への周知徹底、情報システムのセキュリティ強化等、情報管理体制の整備を進めておりますが、今後、予測不能のウィルスの侵入や情報への不正アクセスなどの不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合は、業務運営に支障をきたす場合や、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)コンプライアンス違反行為等によるリスク
当社グループでは、「私たちの行動規範」を制定し法令遵守の徹底を図っておりますが、当社グループの役職員等による法令違反が発生した場合には、それに伴い社会的信用を失墜し、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)事務リスク
当社グループでは、社内規程や業務マニュアルを整備するなど正確な業務運営の徹底を図っておりますが、当社グループの役職員等による事務ミスが発生した場合には、業務遂行に支障が生じるだけでなく、それに伴い社会的信用を失墜し、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、上記のリスクの中でも次のものを、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しています。
Ⅰ 事業環境に関するリスク(1)株式市場に係るリスク
Ⅱ 営業活動に関するリスク(1)プライベートエクイティ投資に係るリスク
Ⅲ 会社運営に関するリスク(1)業績変動リスク
当社グループは、2021年3月期から3年間の中期経営計画において、既存のプライベートエクイティ投資資産を回収し、一方でプロジェクト投資資産や戦略投資資産に積極的に投資することで、資産の入替を行う計画です。そのため、プライベートエクイティ投資資産の回収を進める局面で発生する可能性がある上記のリスクは顕在化する可能性が高く、発生時期は毎事業年度となる可能性があります。
文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において判断、予測したものであります。
Ⅰ 経営成績の状況の分析
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の当社グループの経営成績の状況は、営業収益3,709百万円(前連結会計年度比6.1%減)、営業総利益1,192百万円(同40.2%減)、営業損失163百万円(前連結会計年度 営業利益716百万円)、経常損失399百万円(前連結会計年度 経常利益441百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益33百万円(前連結会計年度比90.3%減)となりました。その内訳は次のとおりです。
(a) 営業収益・営業原価内訳 (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 自 2019年4月 1日~ 至 2020年3月31日 |
当連結会計年度 自 2020年4月 1日~ 至 2021年3月31日 |
|
営業収益合計 |
3,950 |
3,709 |
|
うち 管理運営報酬等 |
134 |
122 |
|
うち 営業投資有価証券売却高 |
2,768 |
2,112 |
|
うち 組合持分利益・インカムゲイン等 |
1,028 |
1,450 |
|
うち その他営業収益 |
19 |
24 |
|
|
|
|
|
営業原価合計 |
1,956 |
2,516 |
|
うち 営業投資有価証券売却原価 |
1,051 |
1,199 |
|
うち 営業投資有価証券評価損・投資損失引当金繰入額 合計 |
283 |
199 |
|
うち 組合持分損失等 |
617 |
1,109 |
|
うち その他営業原価 |
5 |
7 |
|
|
|
|
|
営業総利益 |
1,993 |
1,192 |
(管理運営報酬等)
管理運営報酬等には、投資事業組合等の管理報酬と事務受託報酬が含まれます。管理運営報酬等の総額は、前連結会計年度に比べ減少し122百万円(同8.3%減)となりました。管理報酬は、ファンドの報酬体系の変更に伴い減少しました。事務受託報酬は、ファンドの純資産額の減少や報酬料率の低下に伴い減少しました。
(投資損益)
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 自 2019年4月 1日~ 至 2020年3月31日 |
当連結会計年度 自 2020年4月 1日~ 至 2021年3月31日 |
||||
|
プロジェクト 投資資産 |
プライベートエクイティ 投資資産 |
合計 |
プロジェクト 投資資産 |
プライベートエクイティ 投資資産 |
合計 |
|
|
営業投資有価証券売却高 (A) |
1,542 |
1,226 |
2,768 |
689 |
1,422 |
2,112 |
|
営業投資有価証券売却原価(B) |
489 |
561 |
1,051 |
501 |
697 |
1,199 |
|
実現キャピタルゲイン (A)-(B) |
1,052 |
664 |
1,717 |
188 |
725 |
913 |
|
営業投資有価証券評価損・ 投資損失引当金繰入額 合計(C) |
― |
283 |
283 |
― |
199 |
199 |
|
投資損益 (A)-(B)-(C) |
1,052 |
381 |
1,434 |
188 |
525 |
713 |
営業投資有価証券売却高は、前連結会計年度から減少して2,112百万円(同23.7%減)となりました。これに伴い、売却高から売却原価を差し引いた実現キャピタルゲインも前連結会計年度から減少して913百万円(同46.8%減)となりました。
プライベートエクイティ投資では、前連結会計年度に比べて投資倍率の高い上場株式の売却が減少した一方で、投資金額が多額な未上場株式の売却が利益を伴って進捗したことにより、営業投資有価証券売却高及び実現キャピタルゲインは前連結会計年度から増加しました。プロジェクト投資では、プロジェクトの売却件数は前連結会計年度と同じく7件でしたが、当連結会計年度の売却では7件のうち3件が営業投資有価証券売却高として計上され、他の4件は固定資産売却益や資本剰余金の増加として別科目に計上されました。その結果、営業投資有価証券売却高及び実現キャピタルゲインが前連結会計年度から減少しました。
営業投資有価証券評価損及び投資損失引当金繰入額の合計は、前連結会計年度に比べて業況の悪化した投資先が減少したため、前連結会計年度から減少し199百万円(同29.4%減)となりました。
以上の結果、実現キャピタルゲインから営業投資有価証券評価損及び投資損失引当金繰入額の合計を控除した投資損益は、前連結会計年度から減少して713百万円の利益(同50.3%減)となりました。
(組合持分利益・インカムゲイン等)
営業収益のうち組合持分利益・インカムゲイン等には、当社グループが運営するプロジェクトの売電収益及び野菜の販売額等、他社が運営するプロジェクトの持分利益(売電収益を源泉としたプロジェクトの純利益や、プロジェクトの売却益)、他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分利益、利息・配当収入、及びその他の収益が含まれています。
当連結会計年度の組合持分利益・インカムゲイン等の合計額は、前連結会計年度から増加し1,450百万円(同41.0%増)となりました。このうち、当社グループが運営するプロジェクトの売電収益や野菜の販売額等が1,313百万円(同43.7%増)を占めます。前連結会計年度に比べて、新規に稼働したメガソーラープロジェクトからの収益が増加しました。
(組合持分損失等)
営業原価のうち組合持分損失等には、当社グループが運営するプロジェクトの売電原価及び野菜の製造原価等、他社が運営するプロジェクトの持分損失(建設中のプロジェクトのコスト等)、及び他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分損失等が含まれています。
当連結会計年度の組合持分損失等の合計額は、前連結会計年度から増加し1,109百万円(同79.8%増)となりました。このうち、当社グループが運営するプロジェクトの売電原価及び野菜の製造原価等が880百万円(同50.8%増)を占めます。前連結会計年度に比べて、新規に稼働したメガソーラープロジェクトの原価が増加しました。また、他社が運営するプライベートエクイティファンドにおいて投資先企業の回収見込額が低下したため、持分損失が前連結会計年度から増加し229百万円(同589.8%増)となりました。
以上の結果、営業収益は3,709百万円(同6.1%減)、営業原価は2,516百万円(同28.6%増)、営業総利益は1,192百万円(同40.2%減)となりました。
(b) 販売費及び一般管理費、営業損益
販売費及び一般管理費の合計額は、前連結会計年度に比べて増加し1,355百万円(同6.2%増)となりました。主な増加要因は、本社の移転に伴う費用が発生したことや、新規に稼働したメガソーラープロジェクトの費用が増加したことです。
これらの結果、営業損失163百万円(前連結会計年度 営業利益716百万円)となりました。
(c)営業外損益及び経常損益
営業外収益は、前連結会計年度から増加し91百万円(前連結会計年度比184.6%増)となりました。主な要因は、投資事業組合運用益の増加です。
営業外費用は、前連結会計年度から増加し328百万円(同6.7%増)となりました。主な要因はプロジェクトの支払利息の増加です。当社単体では、借入金を圧縮し支払利息は減少しています。一方で、当社グループの運営するプロジェクトではプロジェクトファイナンスや社債による新規の資金調達を実施しているため、支払利息が増加しました。
これらの結果、経常損失399百万円(前連結会計年度 経常利益441百万円)となりました。
(d)特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益
(特別損益)
特別利益は、前連結会計年度は、投資有価証券売却益173百万円が発生したこと等により、合計で189百万円でした。一方、当連結会計年度は、3件のメガソーラープロジェクトの売却に伴い固定資産売却益622百万円が発生したこと等により、合計で637百万円(前連結会計年度比237.0%増)となりました。
特別損失は、前連結会計年度は、投資有価証券償還損が発生したのみとなり、合計で2百万円でした。一方、当連結会計年度は、投資有価証券評価損25百万円が発生し合計で29百万円(同1,286.5%増)となりました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は208百万円(同66.8%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
法人税等合計については、主に子会社において16百万円(同29.2%減)発生しました。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、税効果会計については適切に見積もった結果、繰延税金資産を計上しておりません。
非支配株主に帰属する当期純損益については、当社グループが運営するファンドやプロジェクトの損益のうち、当社グループ以外の出資者に帰属する部分が計上されています。当連結会計年度においては、これらのファンドやプロジェクトで利益が発生したため、158百万円の利益(同39.4%減)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は33百万円(同90.3%減)となりました。
Ⅱ キャッシュ・フローの状況の分析
|
|
前連結会計年度 自 2019年4月 1日~ 至 2020年3月31日 |
当連結会計年度 自 2020年4月 1日~ 至 2021年3月31日 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
124 |
1,728 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
147 |
61 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△1,617 |
△1,216 |
|
現金及び現金同等物期末残高 |
2,723 |
3,301 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
投資の回収が進捗し営業投資有価証券が173百万円の減少(前連結会計年度1,446百万円の増加)となったこと等から、収入額は前連結会計年度よりも増加し1,728百万円の収入(同124百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
収入額が前連結会計年度から減少し、61百万円の収入(同147百万円の収入)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入が46百万円(同215百万円)に減少したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済により、1,216百万円の支出(同1,617百万円の支出)となりました。返済額を減額したため、前連結会計年度に比べて支出額が減少しました。
これに現金及び現金同等物に係る換算差額3百万円を加算した結果、当連結会計年度末において現金及び現金同等物の残高は577百万円増加して3,301百万円となりました。
Ⅲ 財政状態の分析
(資産)
|
期末残高 |
前連結会計年度末 (2020年3月31日現在) |
当連結会計年度末 (2021年3月31日現在) |
||
|
金額(百万円) |
引当率(%) (b)/(a) |
金額(百万円) |
引当率(%) (b)/(a) |
|
|
資産合計 |
28,548 |
- |
25,165 |
- |
|
うち 現金及び預金 |
4,520 |
- |
6,486 |
- |
|
うち 有形固定資産 |
12,119 |
- |
7,852 |
- |
|
うち 営業投資有価証券(a) |
9,848 |
- |
9,379 |
- |
|
うち 投資損失引当金(b) |
△1,574 |
16.0 |
△1,349 |
14.4 |
資産合計は、前連結会計年度末から減少し25,165百万円(前連結会計年度末28,548百万円)となりました。
このうち現金及び預金は、前連結会計年度末から増加し6,486百万円(同 4,520百万円)となりました。主な増加要因は、当社グループの運営するプロジェクトにおいて、固定資産の売却やプロジェクトファイナンスによる資金調達を行ったためです。なお、当該金額には、当社グループの運営するファンドに帰属する預金が含まれています。これらは各ファンドの組合契約に従い運用しなければならない資金であり、当社グループに帰属する資金と明確に分別して管理しています。当社グループに帰属する資金は、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の期末残高の3,301百万円(同 2,723百万円)となります。加えて、当社グループが展開するプライベートエクイティ投資はその事業特性上株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、加えて昨今の変動の激しい環境下においては合理的な業績予想が困難な事業です。そのため、プライベートエクイティ投資からの資金回収額が大きく下振れすることも想定されます。そのような状況の中、経費や利息の支払い及び借入金の返済だけでなく、将来の成長に向けた投資を確実に行うために、当社グループは常に一定の現預金残高を保有する必要があります。
有形固定資産は、主に、当社グループが運営するプロジェクトの再生可能エネルギー発電所設備が計上されています。プロジェクトの売却や回収に伴い、前連結会計年度末から減少して7,852百万円(同 12,119百万円)となりました。
営業投資有価証券には、プライベートエクイティ投資資産に加え、主に他社が運営するプロジェクト資産が計上されています。他社が運営するプロジェクトへの投資資産については、新規のヘルスケアプロジェクトの投資等により増加しました。一方でプライベートエクイティ投資のうちフィナンシャル投資の回収が進捗したため、営業投資有価証券全体では前連結会計年度から減少し9,379百万円(同 9,848百万円)となりました。投資損失引当金は、引当済みの投資資産の売却や評価損の計上に伴う取り崩しが生じたことから、前連結会計年度末から減少し1,349百万円(同 1,574百万円)となりました。
その結果、当連結会計年度末における引当率(営業投資有価証券の期末残高に対する投資損失引当金の期末残高の割合)は、前連結会計年度末から1.6ポイント低下して14.4%となりました。
(負債)
負債合計は前連結会計年度末から減少して16,059百万円(前連結会計年度末 19,832百万円)となりました。
このうち借入金と社債の残高は、合計で14,990百万円(同 17,334百万円)となりました。このうち、当社単体の金融機関からの借入額は6,950百万円(同 8,166百万円)です。残額は、当社グループが運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンスと社債の残高8,039百万円(同 9,167百万円)です。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度末 (2020年3月31日現在) |
当連結会計年度末 (2021年3月31日現在) |
|
借入金・社債残高合計 |
17,334 |
14,990 |
|
うち 当社単体借入額 |
8,166 |
6,950 |
|
うち プロジェクト投資におけるプロジェクトファイナンス・社債 |
9,167 |
8,039 |
当社グループが運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンス・社債では、新規調達を行ったプロジェクトの残高が増加した一方で、売却したプロジェクトの残高が減少し、前連結会計年度末から合計で1,127百万円残高が減少しました。
当社単体の借入金については、当連結会計年度中に1,216百万円を返済したため、前連結会計年度末から減少しました。また、2021年4月には、追加で507百万円を返済し、その残高を6,442百万円に圧縮しています。今後も当社単体の借入額は引き続き圧縮して参ります。他方、当社グループの運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンスは、プロジェクトの資産や収益のみを返済原資としているため、当社グループの財務健全性には影響を与えません。そのため、当社は、今後も当社グループの運営する再生可能エネルギー等の多様なプロジェクトにおいて、プロジェクトファイナンスによる資金調達を組み合わせてレバレッジを効かせた投資を行い、財務健全性を損ねることなく収益性を高めていく方針です。
(純資産)
純資産のうち自己資本は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことに加え、子会社に該当するメガソーラープロジェクトを一部売却したことに伴い売却益相当分が資本剰余金に計上されたことにより、前連結会計年度末から増加し7,328百万円(同 7,219百万円)となりました。一方、総資産は前連結会計年度末から減少したため、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末から3.8ポイント上昇し29.1%(同 25.3%)となりました。また、純資産全体も前連結会計年度末から増加し、9,106百万円(同 8,716百万円)となりました。
なお、当社単体の自己資本比率は48.9%(同 44.6%)であり、前事業年度末から4.3ポイント上昇しています。これは、借入金の圧縮に伴い財務健全性が向上しているためです。
Ⅳ営業活動の状況
(a)投資及び融資の状況
当社グループによる自己勘定並びに当社グループが運営の任にある、又は運営の為に必要な情報の提供を行っているファンド、並びに当社グループが運営に関わらない当社以外の第三者が運営するファンドのうち投資対象が特定されているもの等による投資及び融資実行額、並びに、投資及び融資残高の内訳は以下のとおりであります。
①投資及び融資実行額内訳(自己勘定分及びファンド勘定分)
|
|
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
||
|
社数又は件数(社・件) |
金額(百万円) |
社数又は件数(社・件) |
金額(百万円) |
|
|
1)地域別 |
|
|
|
|
|
プロジェクト投資(全て日本) |
11 |
2,240 |
14 |
1,445 |
|
プライベートエクイティ投資 小計 |
12 |
1,224 |
5 |
322 |
|
うち 日本 |
12 |
1,224 |
5 |
322 |
|
うち 中華圏(中国、香港、台湾)他 |
- |
- |
- |
- |
|
2)種類別 |
|
|
|
|
|
プロジェクト投資 小計 |
11 |
2,240 |
14 |
1,445 |
|
うち 再生可能エネルギー |
5 |
1,017 |
4 |
246 |
|
うち ヘルスケア |
2 |
290 |
5 |
452 |
|
うち スマートアグリ |
1 |
260 |
1 |
530 |
|
うち ディストリビューションセンター |
2 |
373 |
4 |
217 |
|
うち その他 |
1 |
300 |
- |
- |
|
プライベートエクイティ投資 小計 |
12 |
1,224 |
5 |
322 |
|
うち 戦略投資 |
5 |
632 |
2 |
214 |
|
うち フィナンシャル投資 |
7 |
591 |
3 |
107 |
|
投資及び融資実行額 合計 |
23 |
3,464 |
19 |
1,767 |
注1 当社グループによるプロジェクトに対する融資実行が増加したため、当連結会計年度より、プロジェクトに対する融資(破産更生債権等を除く)を集計範囲に含める方法に変更しております。この変更に伴い、前連結会計年度の投資及び融資実行額は1件、90百万円増加しております。
注2 当連結会計年度より、2020年12月28日に開示した2022年3月期から2024年3月期までの中期経営計画に基づき、表示項目を変更しております。この変更に伴い、前連結会計年度の数値も組み替えて表示しております。
注3 戦略投資とは、当社グループが投融資を行うプロジェクトにおいてパートナーとなる企業に対する投資です。フィナンシャル投資とは戦略投資以外の企業に対する投資です。
②投資及び融資残高内訳(自己勘定分及びファンド勘定分)
|
|
前連結会計年度末 (2020年3月31日現在) |
当連結会計年度末 (2021年3月31日現在) |
||
|
社数又は件数(社・件) |
金額(百万円) |
社数又は件数(社・件) |
金額(百万円) |
|
|
1)地域別 |
|
|
|
|
|
プロジェクト投資(全て日本) |
33 |
6,786 |
33 |
6,088 |
|
プライベートエクイティ投資 |
98 |
8,405 |
88 |
6,767 |
|
うち 日本 |
52 |
3,815 |
48 |
3,652 |
|
うち 中華圏(中国、香港、台湾)他 |
46 |
4,589 |
40 |
3,115 |
|
2)種類別 |
|
|
|
|
|
プロジェクト投資 |
33 |
6,786 |
33 |
6,088 |
|
うち 再生可能エネルギー |
27 |
5,714 |
21 |
3,999 |
|
うち ヘルスケア |
2 |
289 |
6 |
738 |
|
うち スマートアグリ |
1 |
109 |
1 |
532 |
|
うち ディストリビューションセンター |
2 |
373 |
4 |
540 |
|
うち その他 |
1 |
300 |
1 |
277 |
|
プライベートエクイティ投資 |
98 |
8,405 |
88 |
6,767 |
|
うち 戦略投資 |
6 |
1,005 |
6 |
1,155 |
|
うち フィナンシャル投資 |
92 |
7,399 |
82 |
5,612 |
|
投資及び融資残高 合計 |
131 |
15,191 |
121 |
12,855 |
注1 当社グループによるプロジェクトに対する融資実行が増加したため、当連結会計年度より、プロジェクトに対する融資(破産更生債権等を除く)を集計範囲に含める方法に変更しております。この変更に伴い、前連結会計年度の投資及び融資残高は1件、89百万円増加しております。
注2 当連結会計年度より、2020年12月28日に開示した2022年3月期から2024年3月期までの中期経営計画に基づき、種類別の表示を変更しております。この変更に伴い、前連結会計年度の数値も組み替えて表示しております。
注3 戦略投資とは、当社グループが投融資を行うプロジェクトにおいてパートナーとなる企業に対する投資です。フィナンシャル投資とは戦略投資以外の企業に対する投資です。
投資及び融資実行額は、前連結会計年度から減少し19社、1,767百万円(前連結会計年度比49.0%減)となりました。投資及び融資残高は、当連結会計年度末において121社、12,855百万円(前連結会計年度末 131社、15,191百万円)となり、前連結会計年度末から減少しました。
プライベートエクイティ投資については、原則として、当社の自己資金を用いる場合は、経営理念に従った事業テーマに基づきプロジェクト投資のパートナー企業に対して選別的に戦略投資を行います。また、ファンドの資金を用いる場合は、ファンドの投資方針に基づいてフィナンシャル投資を行います。
当連結会計年度は、戦略投資では既存投資先への追加投資のみとなったことや、フィナンシャル投資で1社当たりの金額が大きな投資実行が無かったことから、投資及び融資実行額は前連結会計年度から減少し5社、322百万円(前連結会計年度比73.7%減)となりました。投資及び融資残高については、フィナンシャル投資において株式の売却を進めたことから、前連結会計年度末から減少し6,767百万円(前連結会計年度末8,405百万円)となりました。
プロジェクト投資については、投資及び融資実行額は、前連結会計年度から減少し14件、1,445百万円(前連結会計年度比 35.5%減)となりました。主な減少要因は、投資したメガソーラープロジェクトが前連結会計年度に比べて小型だったことです。再生可能エネルギープロジェクトでは、メガソーラープロジェクトの既存案件へ追加投資を行いました。ヘルスケアプロジェクトでは、高齢者施設に1件投資をしたことに加え、障がい者グループホームプロジェクトに関する融資実行件数が増加しました。スマートアグリプロジェクトでは、2号案件となる植物工場の建設に向けて、建設資金の一部を投資しました。
投資及び融資残高は、稼働済みのメガソーラープロジェクト7件、合計18.3MWを売却(一部売却を含む。)したことから、前連結会計年度末から減少し6,088百万円(前連結会計年度末6,786百万円)となりました。
なお、当連結会計年度末現在において投資を行っているメガソーラープロジェクトは、売却や回収した案件を除き、16件(18発電所)、合計70.5MWとなりました。このうち、当社が出資した持分に帰属する部分は26.7MWです。また、メガソーラー以外の再生可能エネルギープロジェクトに対する投資実績は、木質バイオマス発電プロジェクトが1件、2.0MW、バイオガス発電プロジェクトが2件、1.1MW、バイオガス発電所のオペレーターが1件、風力発電プロジェクトが1件、最大25.2MWです。
(b)IPO(新規上場)の状況
当社グループによる自己勘定並びに当社グループが運営の任にある、又は運営の為に必要な情報の提供を行っているファンドから投資を行った投資先企業の新規上場の状況は以下のとおりであります。
① 新規上場(IPO)の状況(自己勘定分及びファンド勘定分)
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前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
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IPO社数(国内・海外 合計) |
4社 |
2社 |
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初値換算投資倍率(国内・海外 平均) |
6.9倍 |
2.3倍 |
(注)初値換算投資倍率=初値換算による保有株式の時価/保有株式への投資額(IPO時簿価残高)。なお、初値換算投資倍率の計算には株式交換等による上場株式取得分は含めておりません。
② 新規上場した投資先企業の一覧
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
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社数 |
投資先企業名 |
上場年月日 |
上場市場 |
事業内容 |
本社 |
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国内:3社 海外:1社 |
株式会社ステムリム |
2019年8月9日 |
東京証券取引所マザーズ |
生体内に存在する幹細胞を活性化し、損傷組織の再生を誘導する医薬品・医療機器及び遺伝子治療等製品の研究、開発、製造、販売 |
大阪府 |
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株式会社ピー・ビーシステムズ |
2019年9月12日 |
福岡証券取引所 Q-Board |
企業の基幹システムをクラウド化する「セキュアクラウドシステム事業」、VRシアター4D王の製造販売を行う「エモーショナルシステム事業」 |
福岡県 |
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Fangdd Network Group Ltd. |
2019年11月1日 |
米国NASDAQ グローバル |
中国最大の不動産仲介サイト「房多多」の運営 |
中国 |
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株式会社リグア |
2020年3月13日 |
東京証券取引所マザーズ |
接骨院などの経営支援を行う接骨院ソリューション事業、保険代理店や金融商品仲介業を行う金融サービス事業 |
大阪府 |
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
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社数 |
投資先企業名 |
上場年月日 |
上場市場 |
事業内容 |
本社 |
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国内:2社 海外:-社 |
株式会社ファンペップ |
2020年12月25日 |
東京証券取引所マザーズ |
機能性ペプチドを用いた医薬品等の研究開発事業 |
東京都 |
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クリングルファーマ株式会社 |
2020年12月28日 |
東京証券取引所マザーズ |
HGF(肝細胞増殖因子)タンパク質を用いた難治性疾患の治療薬の研究開発 |
大阪府 |
(c)ファンドの状況
当連結会計年度末における当社グループが管理、運用又は投資情報の提供を行っているファンドの運用残高は、11ファンド、16,450百万円(前連結会計年度末11ファンド、17,390百万円)となりました。
当連結会計年度においては、1ファンド(ファンド総額151百万円)を新規設立したことに加え、為替の変動もファンド総額の増加要因となりました。一方で、満期延長中であった1ファンド(ファンド総額1,531百万円)の運営を他社に引き継ぎました。その結果、ファンド総額は前連結会計年度末から減少しました。
①運用残高
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前連結会計年度末 (2020年3月31日現在) |
当連結会計年度末 (2021年3月31日現在) |
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ファンド数 |
ファンド総額 (百万円) |
ファンドの 純資産額 (百万円) |
ファンド数 |
ファンド総額 (百万円) |
ファンドの 純資産額 (百万円) |
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運用期間中 |
5 |
8,236 |
3,874 |
4 |
6,510 |
2,720 |
|
満期延長中 |
6 |
9,153 |
3,989 |
4 |
6,913 |
2,279 |
|
清算期間中 |
― |
― |
― |
3 |
3,026 |
1,053 |
|
合計 (うち当社グループ出資額) |
11 |
17,390 (5,163) |
7,864 |
11 |
16,450 (5,434) |
6,053 |
(注)投資資産を保有した状態で清算期間に入るファンドが増加したため、当連結会計年度より清算期間中のファンドを含めて開示しております。
②運用期間中のファンド(当連結会計年度末(2021年3月31日現在))
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ファンド名 |
設立時期 |
ファンド満期 |
ファンド総額 (百万円) |
特徴 |
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JAIC企業育成投資事業有限責任組合 |
2016年2月 |
2026年2月 |
2,000 |
主に国内のベンチャー企業を対象として、他社の運営するファンドが保有する投資証券の買い取り等、広範な投資機会を追求するファンド |
|
サクセッション1号投資事業有限責任組合 |
2017年6月 |
2027年6月 |
3,000 |
当社と㈱あおぞら銀行で設立した合弁会社(持分法を適用していない関連会社)が運営するファンド 日本国内の事業承継問題を抱える中小企業を投資対象とする |
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JAICソーラー2号投資事業有限責任組合 |
2020年3月 |
2039年12月 |
1,359 |
稼働済みメガソーラープロジェクトを投資対象とするファンド |
|
北海道地域中小企業グローバル化支援投資事業有限責任組合 |
2020年4月 |
2026年12月 |
151 |
当社と㈱アジアンマーケット企画が共同で運営するファンド 北海道に所在もしくは展開している企業の海外展開支援や、インバウンド需要向け事業展開支援を行う |
(注) 1 外貨建によるファンドは、各連結会計年度末日現在の為替レートを乗じて計算した金額を記載しております。従って、運用資産の増減額には為替による影響額も含まれております。
2 ファンド総額につきましては、コミットメントベース(契約で定められた出資約束金額ベース)の金額を記載しております。
Ⅴ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(当社グループの資金状況)
「Ⅱ キャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
(借入金の状況)
「Ⅲ 財政状態の分析 (負債)」に記載のとおりであります。
(手許資金の状況)
「Ⅲ 財政状態の分析 (資産)」に記載のとおりであります。
(ファンドの状況)
「Ⅳ 営業活動の状況(c)ファンドの状況」に記載のとおりであります。
(投資活動の状況)
「Ⅳ 営業活動の状況(a)投資及び融資の状況」に記載のとおりであります。
(株主還元の状況)
「第4 提出会社の状況、3. 配当政策」に記載のとおりであります。
Ⅵ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
当社グループの財政状態や経営成績において大きな影響があり、かつ重要な経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針は、投資損失引当金に関する会計方針です。投資損失引当金は、投資先会社の実状を勘案して投資の損失に備える必要があると判断された場合、将来の損失見積額を計上しております。営業投資有価証券については、四半期毎に、個別投資先企業の資産内容、損益の状況、事業計画の進捗状況、資金繰りの状況について、実績と将来の見込みを検討します。加えて、投資実行からの経過期間や、ファンドから投資をしている企業についてはファンド満期に伴う回収期限を勘案し、資産評価の適正性を精査しております。当該見積りの不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第2事業の状況、2事業等のリスク Ⅱ営業活動に関するリスク (1)プライベートエクイティ投資に係るリスク」に記載しております。なお、新型コロナウィルス感染症の影響については、本感染症による影響が常態化すると仮定しており、その詳細は「第5経理の状況、1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
Ⅶ 上記ⅠからⅥの分析等に基づく対応及び、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社は、First Eastern (Holdings) Limited(以下「FE社」といいます。)との間で、資本業務提携契約を締結しております。その概要は下記のとおりであります。
当社は、2015年12月11日開催の取締役会において、FE社との間での資本業務提携契約の締結及びFirst Eastern Asia Holdings Limitedを割当予定先とした第三者割当(以下「本第三者割当」といいます。)の方法による取得条項付第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行を行うこと(以下「本資本業務提携」といいます。)を決議し、2015年12月29日付で本資本業務提携を開始致しました。
(1)業務提携の内容
当社及びFE社は、相互に協力して、以下の各項目を中心として、両社にとって有益な共同事業を検討して参ります。また、FE社から当社への取締役又は顧問及びその他の人材の派遣についても今後検討して参ります。
①日本での成長企業への投資におけるファンドの設立及び運営を中心とした協力
②日本におけるM&A及び不動産投資に関する助言業務
③中国及び東南アジアにおけるファンドの設立及び運営を中心とした協力
④インフラ及びエネルギーに関連する投資事業における、ファンドの設立及び運営を中心とした協力
(2)資本提携及び本第三者割当の概要
資本提携の具体的な方法は、First Eastern Asia Holdings Limitedが保有する当社に対する貸付金債権835百万円をデット・デット・スワップの方法により、取得条項付無担保転換社債型新株予約権付社債に交換するものです。なお、本新株予約権付社債は2016年2月26日付で当社普通株式に転換された後、2016年11月及び12月に一部売却されました。
その後、2020年3月には、First Eastern Asia Holdings Limitedによる追加取得に関する大量保有報告がなされました。
これらの結果、2021年3月末現在First Eastern Asia Holdings Limitedは、当社の議決権を8%以上保有する筆頭株主となっております。
該当事項はありません。