当連結会計年度における我が国経済は、デフレからの脱却と、持続的な社会保障制度の確立を政策課題とし、日本銀行による大胆な金融政策の導入、社会保障と税の一体改革の関連法案の成立など、具体的な施策の取組が進み、景気は緩やかな回復基調ではじまりましたが、後半では世界的な原油価格の下落から物価の下振れは避けられなくなり、新たに持久可能な金融政策の枠組みとして1月末に日本銀行によるマイナス金利が導入され、デフレ脱却はさらに長期化する状況となりました。一方、世界経済は、米国FRB(米連邦準備制度理事会)が9年半ぶりに政策金利を引上げ、7年に及ぶゼロ金利政策を解除し、米国主導の景気回復が期待されているものの、中国経済の先行き不透明感や中東における地政学的リスクの影響による原油安等の問題点が顕在化し、失速が懸念される状況となっております。
証券市場においては、日経平均株価指数に代表される取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)は円安・ドル高による輸出関連企業の好調な業績を背景に堅調に推移し、6月には20,967円を示現し、平成8年12月以来およそ18年半ぶりの高値となりました。しかし8月に突然の人民元切り下げに端を発した、中国経済の減速懸念が世界的な株式市場の急落を誘発し、日経平均株価も大きくレンジを切り下げ、9月末には17,000円割れとなりました。その後は円安・ドル高を背景に反発場面となり、12月には再度20,000円台まで反発しましたが、世界同時株安の影響や、米国の追加利上げペースの鈍化見通しから円高・ドル安が進み、2月には15,000円を割り込みました。その後は反発場面となり、17,000円台まで水準を戻しました。
商品相場においては、原油はサウジアラビアがイエメンへの軍事介入を開始したことから、中東での地政学的リスクが高まりNY原油が急伸、国内市場も追随する動きとなり50,000円台まで上昇しました。しかしその後は、世界同時株安を背景としたリスク資産からの資金流出により軟調に推移、12月にはOPEC(石油輸出国機構)の総会での減産見送りを受けた失望売りが相場を一段と押し下げる展開となり、1月には一時20,000円を割り込みました。しかしその後は、ロシアやサウジアラビアなどの産油国が、増産凍結協議に入るとの見通しから反発場面となり、25,000円台まで回復しました。
金は4,600円前後で推移していましたが、5月に入るとNY金の上昇や、円安・ドル高を背景に国内金市場は堅調に推移、4,800円直前まで上昇しました。7月に入ると米国の年内利上げ観測が強まり軟調な推移となりましたが、世界同時株安から、リスク回避の流れが強まり、金に資金が集まりました。その後は米国の利上げ予想時期に振り回され4,200円から4,500円のレンジで推移しておりましたが、米国FRB(米連邦準備制度理事会)が12月16日に9年半ぶりの利上げを発表し、原油価格の急落も弱材料となり、1月には4,100円を割り込んだものの、依然として継続する世界同時株安から、安全資産としての金に資金が集まり、4,400円台まで回復しました。
穀物は主要産地である米国での前年度の豊作による需給緩和を背景に、今年度のトウモロコシ及び大豆の作付が順調に推移したことから相場は下落基調となりました。しかし6月に入ると、米国穀倉地帯で大雨が続いたことから、作付面積の減少や作柄悪化懸念が台頭し、大きく値を戻しましたが、その後は天候に恵まれ豊作が確定、3年連続の豊作による潤沢な在庫が圧迫要因となり、軟調な展開となりました。
為替市場においては、ドル円相場は120円を中心とした狭いレンジで推移していましたが、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、年内の利上げを示唆する発言を行ったことからドル買いが進み、6月には平成14年6月以来およそ13年ぶりの円安・ドル高となる125.87円まで上昇しました。修正場面の後、8月に入ると中国人民銀行による突然の人民元切り下げ発表を受けて、ドル円相場は再度125円台まで上昇しました。しかし、中国経済の減速懸念がリスク回避の動きとなり8月末には116.05円まで急落しました。その後は米国FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが改めて意識され、123円後半まで上昇しましたが、世界的な株安が重荷となり、利上げ決定後もリスク回避の動きが強まり115.96円まで下落しました。その後、日本銀行がマイナス金利を導入する金融緩和策を打ち出したことから、瞬間的に円安への動きを強めましたが、2月に入ると世界同時株安の影響や、米国の追加利上げペースの鈍化見通しから円高・ドル安が進行し、110.98円まで下落しました。その後は良好な米経済指標をきっかけに持ち直し、113円を中心としたボックス圏での動きとなりました。
このような環境のもとで、当社グループの当連結会計年度の商品先物取引の総売買高は1,998千枚(前年同期比74.4%増)及び金融商品取引等の総売買高は3,366千枚(前年同期比39.6%増)となり、受取手数料は4,326百万円(前年同期比0.1%増)、売買損益は119百万円の利益(前年同期比70.5%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は営業収益4,456百万円(前年同期比6.6%減)、経常利益114百万円(前年同期比78.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益447百万円(前年同期比131.6%増)となりました。
今後の安定的な収益拡大に向け、商品先物取引、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」を3本柱とし、特に取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」や証券媒介取引の預り資産の増大に注力してまいります。
なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品先物取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品先物取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
(単位:千円)
区分 | 金額 | 前年同期増減比(%) | |
| 取引名及び市場名 | ||
商品先物取引 |
|
| |
| 現物先物取引 |
|
|
| 農産物市場 | 116,927 | 10.0 |
| 砂糖市場 | 59 | 1,397.5 |
| 貴金属市場 | 608,577 | △66.8 |
| ゴム市場 | 182,468 | 2.4 |
| 石油市場 | 24,673 | △39.3 |
| 中京石油市場 | 656 | △35.5 |
| 小計 | 933,364 | △56.8 |
| 現金決済先物取引 |
|
|
| 貴金属市場 | 774,256 | 478.7 |
| 石油市場 | 39,245 | 67.6 |
| 小計 | 813,502 | 417.4 |
| 商品先物取引計 | 1,746,866 | △24.7 |
金融商品取引等 |
|
| |
| 取引所株価指数証拠金取引 | 1,677,073 | 12.3 |
| 取引所為替証拠金取引 | 889,383 | 79.0 |
| 証券取引 | 13,144 | 3.2 |
| 金融商品取引等計 | 2,579,601 | 28.8 |
合計 | 4,326,468 | 0.1 | |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(単位:千円)
区分 | 金額 | 前年同期増減比(%) | |
| 取引名及び市場名 | ||
商品先物取引 |
|
| |
| 現物先物取引 |
|
|
| 農産物市場 | 38,802 | 914.0 |
| 貴金属市場 | 153,590 | 3,564.5 |
| ゴム市場 | 6,804 | △63.2 |
| 石油市場 | △73,547 | ― |
| 中京石油市場 | △3 | ― |
| 小計 | 125,646 | 527.0 |
| 現金決済先物取引 |
|
|
| 貴金属市場 | △76,898 | ― |
| 石油市場 | 131,674 | 87.4 |
| 小計 | 54,776 | △22.0 |
| 商品先物取引計 | 180,422 | 99.8 |
金融商品取引等 |
|
| |
| CFD取引 |
|
|
| 取引所株価指数証拠金取引 | △76,066 | ― |
| 小計 | △76,066 | ― |
| FX取引 |
|
|
| 取引所為替証拠金取引 | △12,815 | ― |
| 市場外為替証拠金取引 | 23,256 | △77.9 |
| 小計 | 10,441 | △91.5 |
| 金融商品取引等計 | △65,624 | ― |
商品売買損益 |
|
| |
| 現物売買取引 | 4,960 | 15.7 |
| 商品売買損益計 | 4,960 | 15.7 |
合計 | 119,758 | △70.5 | |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(単位:千円)
区分 | 金額 | 前年同期増減比(%) |
不動産管理業 | 6,078 | △84.9 |
その他 | 4,212 | △14.5 |
合計 | 10,290 | △77.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(単位:枚)
区分 | 委託 | 自己 | 合計 | ||||
| 取引名及び市場名 |
| 前年同期 (%) |
| 前年同期 (%) |
| 前年同期 (%) |
商品先物取引 |
|
|
|
|
|
| |
| 現物先物取引 |
|
|
|
|
|
|
農産物市場 | 101,740 | △18.8 | 74,682 | 82.9 | 176,422 | 6.2 | |
砂糖市場 | ― | △100.0 | ― | ― | ― | △100.0 | |
貴金属市場 | 114,708 | △60.7 | 105,740 | △7.8 | 220,448 | △45.8 | |
ゴム市場 | 304,585 | 23.4 | 15,206 | △16.3 | 319,791 | 20.7 | |
石油市場 | 52,516 | △32.1 | 7,425 | △62.5 | 59,941 | △38.3 | |
中京石油市場 | 1,794 | △27.8 | 2 | ― | 1,796 | △27.8 | |
小計 | 575,343 | △22.7 | 203,055 | 4.9 | 778,398 | △17.0 | |
現金決済先物取引 |
|
|
|
|
|
| |
貴金属市場 | 771,592 | 505.2 | 307,366 | 106,624.3 | 1,078,958 | 744.4 | |
石油市場 | 125,114 | 75.6 | 15,601 | 66.6 | 140,715 | 74.5 | |
小計 | 896,706 | 351.2 | 322,967 | 3,246.1 | 1,219,673 | 485.2 | |
商品先物取引計 | 1,472,049 | 56.2 | 526,022 | 158.9 | 1,998,071 | 74.4 | |
金融商品取引等 |
|
|
|
|
|
| |
| 取引所株価指数証拠金取引 | 2,229,429 | 28.4 | 5,625 | △83.7 | 2,235,054 | 26.2 |
取引所為替証拠金取引等 | 1,125,800 | 76.5 | 5,858 | 52.6 | 1,131,658 | 76.4 | |
金融商品取引等計 | 3,355,229 | 41.4 | 11,483 | △70.1 | 3,366,712 | 39.6 | |
合計 | 4,827,278 | 45.6 | 537,505 | 122.5 | 5,364,783 | 50.8 | |
(注)1. 商品先物取引の主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:枚)
取引所名 銘柄名 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | 取引所名 銘柄名 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | ||
委託売買高 | 割合(%) | 委託売買高 | 割合(%) | ||
東京商品取引所 ゴム | 246,878 | 26.2 | 東京商品取引所 金限日 | 753,343 | 51.2 |
東京商品取引所 白金(標準取引) | 194,259 | 20.6 | 東京商品取引所 ゴム | 304,585 | 20.7 |
東京商品取引所 金(ミニ取引) | 125,613 | 13.3 | 東京商品取引所 東京原油 | 125,114 | 8.5 |
東京商品取引所 金(標準取引) | 94,153 | 10.0 | 東京商品取引所 白金(標準取引) | 82,423 | 5.6 |
2. 商品先物取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金(ミニ取引)1枚は100グラム、金(標準取引)1枚は1,000グラムというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
(単位:枚)
区分 | 委託 | 自己 | 合計 | ||||
| 取引名及び市場名 |
| 前年同期 (%) |
| 前年同期 (%) |
| 前年同期 (%) |
商品先物取引 |
|
|
|
|
|
| |
| 現物先物取引 |
|
|
|
|
|
|
農産物市場 | 16,873 | 60.3 | 2,370 | 97.5 | 19,243 | 64.1 | |
貴金属市場 | 4,184 | △60.6 | 745 | 263.4 | 4,929 | △54.5 | |
ゴム市場 | 1,786 | △33.4 | ― | ― | 1,786 | △33.4 | |
石油市場 | 1,271 | △52.2 | ― | △100.0 | 1,271 | △52.6 | |
中京石油市場 | 200 | 277.4 | ― | ― | 200 | 277.4 | |
小計 | 24,314 | △8.4 | 3,115 | 117.8 | 27,429 | △2.0 | |
現金決済先物取引 |
|
|
|
|
|
| |
貴金属市場 | 47,012 | 1,128.8 | 7,000 | ― | 54,012 | 1,311.7 | |
石油市場 | 5,461 | △43.0 | 5 | ― | 5,466 | △43.0 | |
小計 | 52,473 | 291.3 | 7,005 | ― | 59,478 | 343.5 | |
商品先物取引計 | 76,787 | 92.2 | 10,120 | 607.7 | 86,907 | 110.0 | |
金融商品取引等 |
|
|
|
|
|
| |
| 取引所株価指数証拠金取引 | 168,485 | △7.6 | 725 | 20.8 | 169,210 | △7.5 |
取引所為替証拠金取引等 | 61,774 | 58.7 | 130 | ― | 61,904 | 59.1 | |
金融商品取引等計 | 230,259 | 4.1 | 855 | 42.5 | 231,114 | 4.2 | |
合計 | 307,046 | 17.6 | 10,975 | 440.6 | 318,021 | 20.8 | |
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて184百万円の増加となり、5,105百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動による資金の取得は、138百万円(前年同期は71百万円の使用)となりました。これは、「差入保証金」の増加による資金の支出等が増加したものの、「預り証拠金」及び「金融商品取引保証金」の増加による資金の収入等が増加したものであります。
当連結会計年度における投資活動による資金の取得は、499百万円(前年同期は44百万円の取得)となりました。これは、「定期預金」の預入による支出及び「投資有価証券」の取得による支出等があったものの、「有形固定資産」の売却による収入等によるものであります。
当連結会計年度における財務活動による資金の使用は、396百万円(前年同期は159百万円の使用)となりました。これは、「短期借入」による収入等があったものの、「短期借入金」の返済及び「配当金」の支払による支出等によるものであります。
なお、当企業集団のキャッシュ・フロー指標のトレンドは、下記のとおりであります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 平成24年3月期 | 平成25年3月期 | 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 |
自己資本比率(%) | 26.9 | 25.3 | 24.2 | 22.5 | 22.2 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 5.6 | 6.8 | 6.8 | 10.3 | 8.9 |
キャッシュ・フロー対有利子 | 42,478.3 | 341.2 | ― | ― | 452.6 |
インタレスト・カバレッジ・ | 0.1 | 13.2 | ― | ― | 8.4 |
(注)1. 各指標の算定方法は次のとおりです。
・自己資本比率 | : | 自己資本÷総資産 |
・時価ベースの自己資本比率 | : | 株式時価総額÷総資産 |
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | : | 有利子負債÷営業キャッシュ・フロー |
・インタレスト・カバレッジ・レシオ | : | 営業キャッシュ・フロー÷利払い |
2. 各指標は連結ベースの財務数値に基づいて算出しております。
3. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(連結上の自己株式控除後)により計算しております。
4. 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
5. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子の支払いを要する全ての負債を対象としております。
6. 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
7. 平成26年3月期及び平成27年3月期において、営業キャッシュ・フローがマイナスとなっておりますので、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の主要な事業である商品先物取引業は、市場での売買高が減少傾向にあり、業界にとって厳しい事業環境にあります。
取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」等の金融商品取引業は当社グループの収益基盤の柱として急成長の途にあり、引き続き大きく成長させることが重要な課題と考えております。
また、証券取引の媒介については、本格的な証券取引業への参入の為の将来の布石として位置付けております。このような施策により安定的な収益基盤を確保し、顧客層の拡大を図ってまいります。
当社は、お客様に信頼頂ける企業集団となるべく、コンプライアンス態勢の確立及び維持に向けて一層注力してまいります。
また、情報ネットワーク社会において大切なお客様情報を守る為に、情報セキュリティ環境の向上及び維持に向けて最大限の努力を図ってまいります。
当社は、これらの課題に真摯に取り組み、実効あるものにしてまいりますとともに企業価値の向上に努める所存であります。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において判断したものであります。
市場主義経済圏の拡大に伴い、商品(コモディティ)や金融商品は、グローバルに展開して行くなかで、取引形態の多様性と相俟って価格変動と為替に晒されるリスクを内包することから、この価格変動と為替のリスクをヘッジする手法としての先物取引の重要性が経済的、社会的見地からますます高まってきております。我が国の商品先物取引市場は、国内を代表する㈱東京商品取引所において、国際的大型商品である金(ゴールド)及び白金(プラチナ)等の貴金属、大豆及びとうもろこし等の農産物、ガソリン及び原油等の石油、ゴム等が取引され、底堅く推移して行くものと期待されます。
先般の改正法令の施行に伴い、勧誘行為等の受託業務活動の規制強化と併せて、委託者資産保全の充実化が図られております。清算機構(アウトハウス型クリアリングハウス)である㈱日本商品清算機構の設立により、取引の安全性が国際水準程度に高まったことから今まで信用リスク(取引先リスク)の観点から取引を見送っていた向きのある、国内はもとより海外の機関投資家にとって信用リスクの不安が一掃されると思われるため、その参加が大いに期待されますが、一方において市場の自由化及び国際化の進展に伴い、異業種、あるいは外資系企業からの参入が拡大する可能性があると予測されますので、既存の商品先物取引業者間との企業競争も含めて今後の動向次第では当社の経営環境に影響を及ぼす可能性があります。
当社は商品先物取引業及び金融商品取引業として委託者から受託業務を行うとともに、自己の計算による自己売買業務(自己ディーリング)を行っております。
当社の商品先物取引業に係る委託者は、リスク・ヘッジを主とする商品保有者(将来保有を含む)である商社等の法人委託者と、一方でリスクをとって収益機会を得ようとするリスク・テーカーと称される一般委託者(一般法人を含むが、大半は個人委託者)で構成され、受託取引の比率は概ね4分の1が前者で、4分の3が後者となっております。また、金融商品取引業に係る委託者はほぼ全てが一般委託者となっております。
商品先物取引、取引所株価指数証拠金取引及び取引所為替証拠金取引は、実際の商品の総代金ではなく、定められた額の証拠金を担保として預託することにより取引が行われることから、投資運用効率が高いと考えられます。この投資運用効率は、大きな利益を得る機会をもたらす半面、ときにより損失をこうむる場合があるため、一般委託者を中心とする市場参加者の動向は受託取引の多寡に関係し、業績(受取手数料)に影響を与えることとなります。
また、受託取引に伴う「預り証拠金」(取引所株価指数証拠金取引及び取引所為替証拠金取引の場合は「金融商品取引保証金」)、「委託者未収金」や「委託者未払金」等の債権債務、㈱日本商品清算機構や取引所への預託額及び法人委託者との継続取引に伴う取引保証等の「差入保証金」等の増減は財政状態とキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
一方、自己売買業務(自己ディーリング)は、受託業務に伴う市場流動性を確保するマーケット・メーカーとしての役割からリスクテイクする場合等がありますが、主として、収益機会を獲得するために当社独自の相場観により自己ディーリングを行っております。当社は自己ディーリングを行うにあたり、専任部署と専任担当者を定めて社内規程に基づき、厳しい運用管理を行っておりますが、売買損益の状況は業績に影響を及ぼすこととなります。当社は、自己売買業務(自己ディーリング)に対し、ディーラーの育成強化に努めるなど収益の拡大に取組んでおります。
その他有価証券(「有価証券」及び「投資有価証券」)の保有に関しては、株価の変動という証券市場のリスクを伴っております。その他有価証券の評価については、時価のあるものについて時価法で、時価のないものについては移動平均法による原価法でそれぞれ評価し、時価又は実質価額が取得原価より著しく下落し、かつ回復可能性がないと判断したものについては、当社の減損処理基準に従い時価又は実質価額まで減損処理を行うこととしております。
当社の主要な事業である商品先物取引業は、商品先物取引法の規定に基づき、商品先物取引業者として主務大臣より許可を受けるとともに、商品先物取引法、同法施行令、同法施行規則等の関連法令、各商品取引所が定めた受託契約準則、自主規制機関の日本商品先物取引協会が定めた自主規制ルール等の適用を受けております。
取引所株価指数証拠金取引及び取引所為替証拠金取引等の金融商品取引業については、金融商品取引法の規定に基づき、金融商品取引業の登録を受けるとともに、金融商品取引法、同法施行令、金融商品販売法等の関連法令、㈱東京金融取引所が定めた受託契約準則、自主規制機関の(一社)金融先物取引業協会、日本証券業協会及び(一社)第二種金融商品取引業協会が定めた自主規制ルール等の適用を受けております。
また、この他に消費者契約法、個人情報保護法の適用を受けております。
当社は、これらの諸法令規則等に抵触した場合には、許認可及び登録の取消し、業務停止などの行政処分等が行われることがあり、そのような場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
平成28年3月末現在、特段に記載すべき重要な訴訟事件はありませんが、顧客との受託取引等に起因する重要な訴訟やその他重要な請求の対象とされる可能性があります。当社の従業員である外務員が顧客との受託業務活動において、会社が外務員の権限を内部的に制限している場合であっても、外務員の行った権限外の行為により第三者に損害が発生した場合には、所属会社が当該外務員の使用者として、当該第三者に対し損害賠償責任を負う可能性があります。このような損害賠償が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、商品先物取引法及び同施行規則に基づき、純資産額規制比率による制限が設けられています。純資産額規制比率とは、純資産額の、商品デリバティブ取引につき生ずる相場の変動その他の理由により発生し得る危険に対応する額として主務省令で定めるところにより算出した額に対する比率であります。
当社の純資産額規制比率は、平成28年3月末現在660.4%ですが、120%を下回る事態が生じた場合には、主務大臣は商品先物取引業者に対し商品先物取引業の方法の変更等を、また、100%を下回る場合には3ヶ月以内の期間の業務の停止を命じることができ、業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ、回復の見込みがないときは商品先物取引業者の許可を取り消すことができるとされています。(同法第235条)
また、自己資本規制比率は、金融商品取引法の規定に基づき内閣府令の定めにより算出することとしたものであります。当社の自己資本規制比率は、平成28年3月末現在279.7%となっており、金融商品取引業者は、自己資本規制比率が120%を下回ることがないようにしなければならないと定められております。(同法第46条の6)
当社は、純資産額規制比率及び自己資本規制比率が要求される水準を下回った場合には、純資産額規制比率に関しては農林水産大臣及び経済産業大臣から、自己資本規制比率に関しては内閣総理大臣から業務の停止等を含む様々な命令等を受けることとなります。これらの結果によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客の個人情報を扱う企業であることから、その社会的責任を認識し、個人情報管理に積極的に取組み、当社における個人情報保護方針を制定し、平成17年4月に施行された、いわゆる個人情報保護法に対応してきており、平成18年2月に「プライバシーマーク」を取得するなど、個人情報保護管理体制に適切に対処する旨努めております。
しかしながら、顧客の個人情報や当社の機密情報が、不正なアクセスなど何らかの方法により外部に漏洩し、あるいは悪用された場合等には、損害賠償が発生する可能性があり、加えて当社の信頼を失うおそれがあり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
取引所の取引システムや当社の社内システムにおいて障害が発生した場合には、顧客等に与える影響は予測しがたいものがありますが、当社は、社内システムに関して安全性の確保を図る等、システム管理の徹底に努めております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)が判断したものであります。
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当連結会計年度の経営成績は、自己売買取引による利益が減少したものの、取引所株価指数証拠金取引及び取引所為替証拠金取引による手数料が伸びたため、営業損益、経常損益ともに利益を計上し、固定資産の売却等により特別利益を673百万円、訴訟関連損失等により特別損失を130百万円、繰延税金資産の取り崩しにより法人税等調整額を155百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は447百万円の利益(前年同期比131.6%増・254百万円増加)を計上しました。
当連結会計年度の営業収益は4,456百万円(前年同期比6.6%減・315百万円減少)となりました。受取手数料は4,326百万円(前年同期比0.1%増・4百万円増加)、売買損益は119百万円の利益(前年同期比70.5%減・285百万円減少)となりました。
その他の営業収益は賃貸用不動産売却による収入家賃の減少により10百万円(前年同期比77.2%減・34百万円減少)となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,373百万円(前年同期比2.1%増・89百万円増加)となりました。この主な内訳は、取引所関係費が299百万円(前年同期比23.9%増・57百万円増加)、人件費が2,513百万円(前年同期比1.2%増・30百万円増加)、地代家賃が252百万円(前年同期比3.7%増・9百万円増加)、広告宣伝費が86百万円(前年同期比10.8%増・8百万円の増加)、減価償却費が149百万円(前年同期比19.8%減・36百万円減少)、その他(電算機費等)が854百万円(前年同期比2.4%増・20百万円増加)となっております。
前連結会計年度に比べて営業収益は315百万円減少し、販売費及び一般管理費は89百万円増加した結果、当連結会計年度の営業損益は83百万円の利益(前年同期比82.9%減・405百万円減少)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は49百万円(前年同期比11.8%減・6百万円減少)となりました。この主な内訳は、貸倒引当金戻入額が1百万円(前年同期比92.6%減・13百万円減少)、その他(雑収入等)が28百万円(前年同期比15.3%増・3百万円増加)となっております。
当連結会計年度の営業外費用は18百万円(前年同期比27.9%減・7百万円減少)となりました。この主な内訳は、支払利息が17百万円(前年同期比15.7%減・3百万円減少)となっております。
前連結会計年度に比べて営業外収益は6百万円減少し、営業外費用は7百万円減少した結果、当連結会計年度の経常損益は114百万円の利益(前年同期比78.0%減・404百万円減少)となりました。
当連結会計年度の特別利益は673百万円(前年同期は、0百万円)となりました。この主な内訳は、固定資産売却益560百万円(前年同期は、0百万円)、厚生年金基金解散損失戻入益107百万円となっております。
当連結会計年度の特別損失は130百万円(前年同期比189.1%増・85百万円増加)となりました。この主な内訳は、訴訟関連損失が109百万円となっております。
前連結会計年度に比べて特別利益は673百万円、特別損失は85百万円それぞれ増加した結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損益は657百万円の利益(前年同期比38.7%増・183百万円増加)となりました。
当連結会計年度の法人税等は210百万円(前年同期比25.2%減・70百万円減少)となりました。この主な内訳は、法人税、住民税及び事業税が55百万円(前年同期比20.3%減・14百万円減少)、法人税等調整額が155百万円(前年同期比26.8%減、56百万円減少)となっております。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は447百万円の利益(前年同期比131.6%増・254百万円増加)となりました。営業収益に対する比率は10.0%(前連結会計年度は4.0%)となっております。自己資本利益率は4.7%(前連結会計年度は2.1%)となりました。また、1株当たり当期純利益は54.51円の利益(前連結会計年度は23.49円の利益)となりました。
当社の当連結会計年度末の資産総額は42,928百万円、負債総額は33,393百万円、純資産は9,534百万円となっております。
当連結会計年度末の資産総額42,928百万円は、前連結会計年度末41,553百万円に比べて1,375百万円増加しております。この内訳は、流動資産が1,623百万円増加し、固定資産が248百万円減少したものであり、主に「保管有価証券」が739百万円、「有形固定資産」が510百万円それぞれ減少した一方、「差入保証金」が2,134百万円、「現金及び預金」が387百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債総額33,393百万円は、前連結会計年度末32,204百万円に比べて1,188百万円増加しております。この内訳は、流動負債が1,215百万円増加し、固定負債が28百万円減少したものであり、主に「預り証拠金代用有価証券」が739百万円減少した一方、「金融商品取引保証金」が2,062百万円、「預り証拠金」が351百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産9,534百万円は、前連結会計年度末9,348百万円に比べて186百万円増加しております。この内訳は、主に「その他の包括利益累計額」が97百万円減少したもの、「株主資本」が283百万円増加したことによるものであります。
なお、当連結会計年度末の自己資本比率は22.2%(前連結会計年度末は22.5%)となっております。
当社の当連結会計年度末における連結ベースのキャッシュ・フローの状況につきましては、前記「第2「事業の状況」1「業績等の概要」の(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。