本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)が判断したものであります。
当社は、公正な価格決定機能等を有する商品市場機構の一構成員として、商品先物取引業及び金融商品取引業の経済的、社会的役割を認識し、それに基づいて市場参加者(投資者)の信頼と期待に応えるべく事業運営を推進したいと考えております。このような観点から、当社は「お客様に信頼される営業活動」を基本方針に掲げており、今後もさらにこれを継続し、一層充実したものとして次のような営業活動を展開していく方針であります。
第一に、良質で鮮度のある情報を迅速かつ的確に顧客に提供することであります。大手商社や海外の関係会社等(マレーシア等)から入手した情報と他のルートからの情報とを一元的に収集・分析し、インターネットを通じてお客様に提供しておりますが、さらに一層充実したものにいたします。
第二に、お客様のニーズに応じた商品の提供であります。お客様の資産運用方法に従い商品先物取引、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」、また証券媒介取引として株式売買、投資信託及び債券の販売等のサービスを提供してまいります。
第三にお客様に総合的企画提案のできる社員をより多く育成し、さらに一層レベルアップしてまいります。
当社は、このように「お客様重視の営業」を経営方針としてこれからも継続してまいりたいと考えております。
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品先物取引業及び金融商品取引業を展開しており、また当該市場には経済情勢、相場環境等に起因するさまざまな不確実性が存在しております。ここ数年、商品先物業界を取り巻く状況は、大きく変化しており、まさに激動する経営環境下において、当社は、安定的な収益基盤の確保及び顧客層の拡大を図るべく、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」の預り資産を拡大するとともに、本格的な証券取引業への参入を視野にいれ、経営環境の変化に柔軟に対応できる組織、人材の育成等経営基盤の強化に努め、企業価値を高めるべく、その最大化の実現に向けて努力する所存であります。
当社は、企業価値の拡大を通して株主の皆様へ安定した配当を継続、維持することを基本理念として掲げており、業績の状況により一層の利益還元に努めてまいりたいと考えております。また、純資産額規制比率や自己資本規制比率の充実及び顧客の預り資産、口座数等の拡大に向けて取り組んでおります。
なお、純資産額規制比率や自己資本規制比率は「2「事業等のリスク」「(4)純資産額規制比率や自己資本規制比率について」」に記載しております。
(1)及び(3)に記載の、経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
当社の主要な事業である商品先物取引業は、市場での売買高が減少傾向にあり、業界にとって厳しい事業環境にあります。また、「不招請勧誘の禁止」の適用を受けており、個人投資家からの招請による場合を除き当社における一定の金融取引経験者であって適合性をクリアした層を対象とした対面営業となります。このような厳しい事業環境に対応すべく、当社は業界最大規模の営業スタッフと全国12本支店のネットワークで個人投資家のニーズに応えるとともに、業界最大規模の法人委託者(当業者)からの受託を拡大させていくことを検討しております。
当社の第二の主要な事業である金融商品取引業は、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」の2つのサービスを提供しており、当社の収益基盤の柱として急成長の途にあります。当社では会場型セミナーの運営を販売チャンネルの軸として、毎年全国で金融セミナーを開催しサービスの集客と啓蒙に努めております。更に、TVやラジオと連動したプロモーションも長年継続しており、引き続き大きく成長させることが重要な課題と考えております。
また、証券取引の媒介については、本格的な証券取引業への参入の為の将来の布石として位置付けております。
このような施策により顧客の預り資産、口座数等の拡大による安定的な収益基盤を確保してまいります。
当社は、お客様に信頼頂ける企業集団となるべく、コンプライアンス態勢の確立及び維持に向けて一層注力してまいります。
また、情報ネットワーク社会において大切なお客様情報を守る為に、情報セキュリティ環境の向上及び維持に向けて最大限の努力を図ってまいります。
当社は、これらの課題に真摯に取り組み、実効あるものにしてまいりますとともに企業価値の向上に努める所存であります。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
市場主義経済圏の拡大に伴い、商品(コモディティ)や金融商品は、グローバルに展開して行くなかで、取引形態の多様性と相俟って価格変動と為替に晒されるリスクを内包することから、この価格変動と為替のリスクをヘッジする手法としての先物取引の重要性が経済的、社会的見地からますます高まってきております。我が国の商品先物取引市場は、国内を代表する㈱東京商品取引所において、国際的大型商品である金(ゴールド)及び白金(プラチナ)等の貴金属、大豆及びとうもろこし等の農産物、ガソリン及び原油等の石油、ゴム等が取引され、底堅く推移して行くものと期待されます。(2020年7月27日より貴金属、農産物及びゴム市場の商品が㈱大阪証券取引所に移管されます。)
先般の改正法令の施行に伴い、勧誘行為等の受託業務活動の規制強化と併せて、委託者資産保全の充実化が図られております。清算機構(アウトハウス型クリアリングハウス)である㈱日本商品清算機構の設立により、取引の安全性が国際水準程度に高まったことから今まで信用リスク(取引先リスク)の観点から取引を見送っていた向きのある、国内はもとより海外の機関投資家にとって信用リスクの不安が一掃されると思われるため、その参加が大いに期待されますが、一方において市場の自由化及び国際化の進展に伴い、異業種、あるいは外資系企業からの参入が拡大する可能性があると予測されますので、既存の商品先物取引業者間との企業競争も含めて今後の動向次第では当社の経営環境に影響を及ぼす可能性があります。(2020年7月27日より㈱日本商品清算機構は、㈱日本証券クリアリング機構に統合されます。)
当社は商品先物取引業及び金融商品取引業として委託者から受託業務を行うとともに、自己の計算による自己売買業務(自己ディーリング)を行っております。
当社の商品先物取引業に係る委託者は、リスク・ヘッジを主とする商品保有者(将来保有を含む)である商社等の法人委託者と、一方でリスクをとって収益機会を得ようとするリスク・テーカーと称される一般委託者(一般法人を含むが、大半は個人委託者)で構成され、受託取引の比率は概ね4分の1が前者で、4分の3が後者となっております。また、金融商品取引業に係る委託者はほぼ全てが一般委託者となっております。
商品先物取引、取引所株価指数証拠金取引及び取引所為替証拠金取引は、実際の商品の総代金ではなく、定められた額の証拠金を担保として預託することにより取引が行われることから、投資運用効率が高いと考えられます。この投資運用効率は、大きな利益を得る機会をもたらす半面、ときにより損失をこうむる場合があるため、一般委託者を中心とする市場参加者の動向は受託取引の多寡に関係し、業績(受取手数料)に影響を与えることとなります。
また、受託取引に伴う「預り証拠金」(取引所株価指数証拠金取引及び取引所為替証拠金取引の場合は「金融商品取引保証金」)、「委託者未収金」や「委託者未払金」等の債権債務、㈱日本商品清算機構や取引所への預託額及び法人委託者との継続取引に伴う取引保証等の「差入保証金」等の増減は財政状態とキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。(2020年7月27日より㈱日本商品清算機構は、㈱日本証券クリアリング機構に統合されます。)
一方、自己売買業務(自己ディーリング)は、受託業務に伴う市場流動性を確保するマーケット・メーカーとしての役割からリスクテイクする場合等がありますが、主として、収益機会を獲得するために当社独自の相場観により自己ディーリングを行っております。当社は自己ディーリングを行うにあたり、専任部署と専任担当者を定めて社内規程に基づき、厳しい運用管理を行っておりますが、売買損益の状況は業績に影響を及ぼすこととなります。当社は、自己売買業務(自己ディーリング)に対し、ディーラーの育成強化に努めるなど収益の拡大に取組んでおります。
当社の主要な事業である商品先物取引業は、商品先物取引法の規定に基づき、商品先物取引業者として主務大臣より許可を受けるとともに、商品先物取引法、同法施行令、同法施行規則等の関連法令、各商品取引所が定めた受託契約準則、自主規制機関の日本商品先物取引協会が定めた自主規制ルール等の適用を受けております。
取引所株価指数証拠金取引及び取引所為替証拠金取引等の金融商品取引業については、金融商品取引法の規定に基づき、金融商品取引業の登録を受けるとともに、金融商品取引法、同法施行令、金融商品販売法等の関連法令、㈱東京金融取引所が定めた受託契約準則、自主規制機関の(一社)金融先物取引業協会、日本証券業協会及び(一社)第二種金融商品取引業協会が定めた自主規制ルール等の適用を受けております。
また、この他に消費者契約法、個人情報保護法の適用を受けております。
当社は、これらの諸法令規則等に抵触した場合には、許認可及び登録の取消し、業務停止などの行政処分等が行われることがあり、そのような場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
2020年3月末現在、特段に記載すべき重要な訴訟事件はありませんが、顧客との受託取引等に起因する重要な訴訟やその他重要な請求の対象とされる可能性があります。当社の従業員である外務員が顧客との受託業務活動において、会社が外務員の権限を内部的に制限している場合であっても、外務員の行った権限外の行為により第三者に損害が発生した場合には、所属会社が当該外務員の使用者として、当該第三者に対し損害賠償責任を負う可能性があります。このような損害賠償が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、商品先物取引法及び同施行規則に基づき、純資産額規制比率による制限が設けられています。純資産額規制比率とは、純資産額の、商品デリバティブ取引につき生ずる相場の変動その他の理由により発生し得る危険に対応する額として主務省令で定めるところにより算出した額に対する比率であります。
当社の純資産額規制比率は、2020年3月末現在539.6%ですが、120%を下回る事態が生じた場合には、主務大臣は商品先物取引業者に対し商品先物取引業の方法の変更等を、また、100%を下回る場合には3ヶ月以内の期間の業務の停止を命じることができ、業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ、回復の見込みがないときは商品先物取引業者の許可を取り消すことができるとされています。(同法第235条)
また、自己資本規制比率は、金融商品取引法の規定に基づき内閣府令の定めにより算出することとしたものであります。当社の自己資本規制比率は、2020年3月末現在293.4%となっており、金融商品取引業者は、自己資本規制比率が120%を下回ることがないようにしなければならないと定められております。(同法第46条の6)
当社は、純資産額規制比率及び自己資本規制比率が要求される水準を下回った場合には、純資産額規制比率に関しては農林水産大臣及び経済産業大臣から、自己資本規制比率に関しては内閣総理大臣から業務の停止等を含む様々な命令等を受けることとなります。これらの結果によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客の個人情報を扱う企業であることから、その社会的責任を認識し、個人情報管理に積極的に取組み、当社における個人情報保護方針を制定し、2005年4月に施行された、いわゆる個人情報保護法に対応してきており、2006年2月に「プライバシーマーク」の認証を取得し、その後現在に至るまで2年ごとの更新審査を受け認証資格を維持しており、個人情報保護管理体制に適切に対処する旨努めております。また、当社は2020年3月に、情報セキュリティ管理規程を改訂しサイバーセキュリティを情報セキュリティリスクとして明確化しております。
しかしながら、顧客の個人情報や当社の機密情報が、不正なアクセスなど何らかの方法により外部に漏洩し、あるいは悪用された場合等には、損害賠償が発生する可能性があり、加えて当社の信頼を失うおそれがあり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
取引所の取引システムや当社の社内システムにおいて障害が発生した場合には、顧客等に与える影響は予測しがたいものがありますが、当社は、社内システムに関して安全性の確保を図る等、システム管理の徹底に努めております。
当連結会計年度における当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、本項目において「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、中国を中心にアジア向けの輸出の伸び悩みにより生産活動の停滞が懸念される中で、日本銀行による金融緩和政策の継続を背景に国内需要において設備投資の増加傾向が続いているほか、個人消費も所得環境の改善を背景に緩やかに増加するなど底堅さを見せておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、3月の日銀短観にて発表された業況判断指数(DI)は、大企業及び製造業において5四半期連続で低下するなど製造業の生産活動は低迷し、特に中国向けの輸出が大幅に減少する他、非製造業においてもインバウンド消費が急減するなど内外需ともに大きく下振れしております。先行きの経済は、新型コロナウイルスの流行が収束後、回復基調に向かう見通しでありますが、流行が長期化すれば深刻な雇用調整が生じるリスクも含んでおります。
一方、世界経済は、米国では個人消費が堅調に推移する一方で企業設備投資と輸出が弱含む中、米中閣僚級通商協議における交渉の進展により通商政策の不透明感が低下したものの、新型コロナウイルスの感染拡大により内外需要が大幅に減速しており、3月の米国供給管理協会(ISM)製造業景況感指数は49.1と低水準となり、3月の消費者マインドも低下していることから企業部門及び家計部門の景況感はともに悪化しております。中国では米国との関税を巡る応酬が一服した後、新型コロナウイルスの感染拡大による政府の封じ込め政策で、工場の操業を停止したことにより輸出は大幅に減少し、市民の移動制限や店舗の営業抑制により個人消費も大幅に減少していることから景気は大きく下振れしております。米国においては新型コロナウイルスの流行が収束後、回復基調に向かうものの流行前の水準に戻るには時間を要すると予想され、中国においては既に経済活動を再開しており個人消費は底入れの兆しを見せておりますが、新型コロナウイルスの世界的感染拡大による世界経済全体の大幅な下振れリスクにより輸出が重石となり、急激な回復は見込めない見通しであります。
証券市場においては、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)の主要銘柄である日経225は、米国の良好な経済指標を背景としてNYダウが上昇したことが支援要因となり、年初来高値を更新して始まりました。5月に入ると円高・ドル安が圧迫要因となり下落し、同月末には米国がメキシコに対し追加関税の措置を発表したことからリスク回避の動きが強まり下げ幅を拡大しましたが、後に追加関税延期を表明したことによりNYダウが急伸し、国内市場も追随する動きとなりました。その後は21,000円から21,900円のレンジで推移していましたが、8月に入り米国が新たな対中制裁関税の発動を表明したことを受けて、米中貿易摩擦の激化による世界的な景気後退懸念が強まり、20,000円の大台を探る動きとなりました。しかしその後は米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定されたことからNYダウが上昇し、国内市場も追随する動きとなり、22,000円台まで回復しました。10月に入ると、米中閣僚級通商協議で第一段階の合意に向けて進展が見られたことにより上昇、その後も好調な米経済指標を背景にNYダウが堅調に推移、国内市場も歩調を合わせて12月には、1年2か月ぶりとなる24,000円台を示現しました。1月に入っても高値圏での推移となりましたが、2月に入ると新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、NYダウをはじめとした各国の株価急落を背景に、一時16,000円台前半まで下落しました。その後は急落に対する修正から19,000円手前まで反発するなど、乱高下する展開となりました。
商品市場においては、原油は米国による経済制裁でイラン産とベネズエラ産の原油供給が一段と減少するとの見通しや、リビアの情勢不安などを背景とした供給懸念から堅調なスタートとなりました。しかし、5月に入ると欧米経済指標の鈍化を受けて世界的な景気後退懸念が強まり、エネルギー需要の先行きに悪影響をもたらすとの思惑から急落、各国の株式市場が下落したことも圧迫要因となりました。その後はホルムズ海峡近くのオマーン湾で日本の船舶を含む2隻の石油タンカーが攻撃を受けたことや、米国の無人偵察機が撃墜されるなど、地政学的リスクの高まりから反発場面となりました。その後は中東を中心とした産油国の情勢と、米中貿易摩擦を背景とした需要減少見通しの強弱材料の綱引きの後、米国原油在庫の増加が圧迫要因となり、下値を切り下げる動きとなりました。9月に入ると、サウジアラビアの石油施設が無人機による攻撃を受けたことによる供給逼迫懸念を背景に急騰しましたが、復旧作業が順調に進んだことや、米中両国の経済指標の悪化による世界的な景気後退懸念から37,500円を中心とした8月のレンジに価格が戻りました。10月以降は中東の地政学的リスクや、堅調なNYダウに追随して上昇、12月には石油輸出国機構(OPEC)総会とロシアなど非加盟国を含めたOPECプラス会合において、減産幅を拡大したことから上値を追う展開となりました。1月には米国とイランの関係悪化を受けた軍事的緊張の高まりから続伸しましたが、双方が軍事行動に慎重な姿勢を示したことによる地政学的リスクの緩和や、米国石油製品在庫の大幅な増加が圧迫要因となり反落し、その後も新型コロナウイルスの世界的感染拡大による世界経済停滞懸念を背景に続落となりました。3月のOPECプラスの会合では、協調減産強化に向けた協議が決裂し、サウジアラビアやロシアが増産する方針を示したことから、NY原油は一時20ドルを割込み、国内市場も急落場面となりました。
金は米国や中国の良好な経済指標を背景に、世界経済の先行き見通しに対して悲観的な見方が後退したことや、5月のFOMCで金利の据置きが決定し、利下げ観測が後退したことから軟調な推移となりました。しかし、6月に入ると米中貿易摩擦長期化懸念や米国の雇用統計が市場予想の下限を下回るなど、鈍化傾向を見せたことから急伸場面となりました。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内の利下げを視野に入れる方針を示唆したことから続伸場面となり、8月には5,000円の大台を突破し、また新興国を中心に複数の中央銀行が利下げを発表したことや、米国の利下げ継続見通しが支援要因となり、9月には5,300円台となりました。その後は米国の良好な経済指標により上値を抑えられ5,000円前半から5,200円後半のレンジで推移しましたが、FRBが12月のFOMCで今後の金融政策について利上げに消極的な姿勢を示したことから5,300円台を回復しました。その後も中東の地政学的リスクを背景に続伸し5,500円台で推移し、2月に入り新型コロナウイルスの世界的感染拡大に歯止めがかからず、リスク回避の動きから5,913円の上場来高値を更新しましたが、3月には世界同時株安を受けて手元の資金を調達する動きから金市場でも売りが殺到し、一時5,000円割れまで下落した後に、FRBによる緊急利下げが市場流動性を提供したことから、5,700円台まで回復するなど乱高下する展開となりました。
トウモロコシは3月末に米国農務省が発表した作付意向面積が、事前予想を大幅に上回る内容であったことから急落して始まりました。その後24,000円を中心としたもみ合いの後、作付けの進展を背景にシカゴ市場が下落、国内市場も追随し急落場面となりました。しかし、5月に入ると米国産地において長雨による洪水の影響により作付けが大幅に遅れたことから急反発場面になるなど天候相場特有の動きとなり、6月半ばには26,500円の年初来高値を更新しました。その後、受粉期は天候に恵まれて軟調に推移し、8月の米国農務省需給報告では、作付遅延による面積減少見通しが予想されていましたが、減少幅が限定的だったことからシカゴ市場はストップ安を伴う急落場面となりましたが、9月に入ると需要が喚起されたことや円安を背景に反発し、24,000円半ばまで回復しました。その後は中国におけるアフリカ豚コレラ問題を背景に、飼料需要低下見通しが圧迫要因となり、急落場面となりましたが、12月には米中閣僚級通商協議において、第一段階の合意で妥結したとの報道が支援要因となり反発し、25,000円台まで上昇しました。その後は新型コロナウイルスの世界的感染拡大や原油市場の急落による飼料やエタノールの需要の鈍化が圧迫要因となり22,000円台まで反落しました。
為替市場においては、ドル円相場は110円から112円のレンジで推移していましたが、5月に入ると米国が中国に対して制裁関税を引き上げることを表明したことから、リスク回避の動きが強まり、急落場面となりました。その後メキシコに対しても追加関税を賦課することを発表して下落に拍車をかけました。108円台の保ち合いの後、FRBが年内の利下げを視野に入れる方針を示唆したことから再度急落し、6月後半には106.75円まで円安・ドル高が進行しました。8月に入ると、米国が新たな対中制裁関税の発動を表明したことを受けて、米中貿易摩擦の激化による世界的な景気後退懸念が強まり、レンジを大きく切り下げて、一時104.40円を示現しました。その後は米中閣僚級通商協議を10月に開催することで合意したことを受け、貿易協議の進展期待に支えられ、9月末には108円台を回復しました。その後は108円前半から109円後半と狭いレンジで推移しましたが、12月に米国がイラクとシリアで、イスラム教シーア派組織の拠点を5か所空爆したと発表したことから下落し、109円台を割り込みました。1月に入り108円後半から110円前半で推移した後、2月にレンジの上限を抜けて瞬間的に112円台まで上昇しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大懸念が強まり、世界的な株安とともにリスク回避の動きが強まったことから円が急伸し、3月には101.16円を示現しました。しかし、市場で信用不安が高まる中、ドル資金に対する需要の高まりからドル買いが進み、107円台で年度内の取引を終えました。
このような環境のもとで、当社の当連結会計年度の商品先物取引の総売買高1,837千枚(前年同期比4.8%減)及び金融商品取引の総売買高1,376千枚(前年同期比10.7%減)となり、受取手数料6,644百万円(前年同期比15.9%増)、売買損益393百万円の利益(前年同期比125.5%増)となりました。
当連結会計年度の業績は営業収益7,041百万円(前年同期比19.1%増)、経常利益1,488百万円(前年同期比94.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益815百万円(前年同期比40.8%増)となりました。
当社の経営成績の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の営業収益は7,041百万円(前年同期比19.1%増・1,129百万円増加)となりました。受取手数料は6,644百万円(前年同期比15.9%増・910百万円増加)、売買損益は393百万円の利益(前年同期比125.5%増・218百万円増加)となりました。
その他の営業収益は3百万円(前年同期比2.0%増・0百万円増加)となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は5,542百万円(前年同期比7.4%増・382百万円増加)となりました。この主な内訳は、人件費が3,290百万円(前年同期比9.9%増・295百万円増加)、地代家賃が291百万円(前年同期比0.8%増・2百万円増加)、減価償却費が356百万円(前年同期比1.9%減・6百万円減少)、その他(電算機費等)が964百万円(前年同期比4.1%増・37百万円増加)となっております。
前連結会計年度に比べて営業収益は1,129百万円増加し、販売費及び一般管理費は382百万円増加した結果、当連結会計年度の営業利益は1,498百万円の利益(前年同期比99.5%増・747百万円増加)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は67百万円(前年同期比8.8%増・5百万円増加)となりました。この主な内訳は、受取利息が10百万円(前年同期比1,760.5%増・10百万円増加)、受取配当金が26百万円(前年同期比2.4%増・0百万円増加)、受取奨励金が4百万円(前年同期比45.4%増・1百万円増加)、貸倒引当金戻入額が1百万円(前年同期比6,036.0%増・1百万円増加)、その他(雑収入等)が24百万円(前年同期比31.7%増・5百万円増加)となっております。
当連結会計年度の営業外費用は77百万円(前年同期比67.2%増・30百万円増加)となりました。この主な内訳は、支払利息が27百万円(前年同期比14.0%減・4百万円減少)、自己株式取得費用48百万円(前年同期比48百万円増)となっております。
前連結会計年度に比べて営業外収益は5百万円増加し、営業外費用は30百万円増加した結果、当連結会計年度の経常利益は1,488百万円の利益(前年同期比94.2%増・721百万円増加)となりました。
当連結会計年度の特別利益は126百万円(前年同期比126百万円増)となりました。この主な内訳は投資有価証券売却益74百万円(前年同期比74百万円増)、保険解約返戻金52百万円(前年同期比52百万円増)となっております。
当連結会計年度の特別損失は355百万円(前年同期比690.2%増・310百万円増加)となりました。この主な内訳は、固定資産売却損が3百万円(前年同期比120.9%増・1百万円増加)、投資有価証券評価損が56百万円(前年同期比56百万円増)、訴訟関連損失が1百万円(前年同期比52.2%増・0百万円増加)、訴訟損失引当金繰入額が237百万円(前年同期比489.1%増・197百万円増加)、商品取引責任準備金繰入額が55百万円(前年同期比55百万円増)、となっております。
前連結会計年度に比べて特別利益は126百万円増加し、特別損失は310百万円増加した結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は1,259百万円の利益(前年同期比74.6%増・538百万円増加)となりました
当連結会計年度の法人税等は444百万円(前年同期比211.7%増・301百万円増加)となりました。この主な内訳は、法人税、住民税及び事業税が402百万円(前年同期比144.1%増・237百万円増加))、法人税等調整額が41百万円(前年同期は△22百万円)となっております。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は815百万円の利益(前年同期比40.8%増・236百万円増加)となりました。営業収益に対する比率は11.6%(前連結会計年度は9.8%)となっております。自己資本利益率は8.8%(前連結会計年度は6.1%)となりました。また、1株当たり当期純損益は107.3円の利益(前連結会計年度は72.2円の利益)となりました。
以上の結果、当社の財政状態の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産総額は55,030百万円、負債総額は46,173百万円、純資産は8,856百万円となっております。
当連結会計年度末の資産総額55,030百万円は、前連結会計年度末51,124百万円に比べて3,906百万円増加しております。この内訳は、流動資産が4,888百万円増加し、固定資産が982百万円減少したものであり、主に「保管有価証券」が3,407百万円、及び投資その他の資産の「その他」が688百万円減少した一方、「差入保証金」が7,050百万円、及び「現金及び預金」が1,042百万円増加したことによるものであります。なお、投資その他の資産の「その他」の減少の主な内訳は長期未収債権172百万円、及び保険料積立金515百万円となっております。
当連結会計年度末の負債総額46,173百万円は、前連結会計年度末41,455百万円に比べて4,717百万円増加しております。この内訳は、流動負債が4,753百万円増加し、固定負債が91百万円減少したものであり、主に「預り証拠金代用有価証券」が3,407百万円、及び「金融商品取引保証金」が1,378百万円減少した一方、「預り証拠金」が9,292百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産8,856百万円は、前連結会計年度末9,668百万円に比べて811百万円減少しております。この内訳は、主に株主資本が750百万円、及びその他の包括利益累計額が61百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の自己資本比率は16.1%(前連結会計年度末は18.9%)となっております。
なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品先物取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品先物取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1,042百万円の増加となり、6,392百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動による資金の取得は、2,250百万円(前年同期は972百万円の取得)となりました。これは、「差入保証金」の増加及び「金融商品取引保証金」の減少による資金の支出等があったものの、「預り証拠金」及び「税金等調整前当期純利益」が増加したことによる資金の収入等によるものであります。
当連結会計年度における投資活動による資金の取得は、838百万円(前年同期は554百万円の使用)となりました。これは、投資有価証券の取得による支出等があったものの、投資有価証券の売却及び保険積立金の解約による収入等によるものであります。
当連結会計年度における財務活動による資金の使用は、2,024百万円(前年同期は12百万円の取得)となりました。これは、長期借入金の返済及び自己株式の取得による支出等によるものであります。
(単位:千円)
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(単位:千円)
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(単位:枚)
(注)1. 商品先物取引の主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:枚)
2. 商品先物取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金限日1枚は100グラム、金(標準取引)1枚は1,000グラムというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
(単位:枚)
経営者の視点による当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品先物取引業及び金融商品取引業を展開しており、また当該市場には経済情勢、相場環境等に起因するさまざまな不確実性が存在しております。
当連結会計年度における当社の状況は、商品先物取引部門の主力商品である金が米連邦準備制度理事会(FRB)が年内の利下げを視野に入れる方針を示唆したことから続伸場面となり、また新興国を中心に複数の中央銀行が利下げを発表したことや、米国の利下げ継続見通しが支援要因となり、9月には5,300円台となりました。2月に入り新型コロナウイルスの世界的感染拡大に歯止めがかからず、リスク回避の動きから5,913円の上場来高値を更新したことにより収益の増加に大きく貢献しました。
一方、証券市場は、米中閣僚級通商協議で第一段階の合意に向けて進展が見られたことや好調な米経済指標を背景にNYダウが堅調に推移、国内市場も1年2か月ぶりとなる24,000円台を示現しました。2月に入ると新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、NYダウをはじめとした各国の株価急落を背景に、一時16,000円台前半まで下落し、その後は急落に対する修正から19,000円手前まで反発するなど、乱高下する展開となったものの、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)の手数料収入が前年同期比12.0%減少したことにより、収益の増加に貢献することができませんでした。
当社の収益の柱は、主要な事業である商品先物取引業及び金融商品取引業の2つに分けられます。前年同期の収益比率では、商品先物取引業が金を中心とした商品市場の変動により手数料収入が増加しましたが、金融取引業は株価が乱高下した値動きとなり前年同期比で実績を下回りました。結果として手数料収益ベースで、商品先物取引業が73%、金融取引業が27%となりました。
また、当社の海外部門においては、マレーシア・クアラルンプールにパームオイル・ブローカーとして設立した現地法人豊商事マレーシアに海外部門を集約し、現地マレーシア市場及び東京市場並びにシンガポール市場での商品を扱える準備が整い、営業を開始したばかりではありますが海外部門において収益を計上できるよう営業活動に努めてまいります。
当社の当連結会計年度末における連結ベースのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。また、株主還元につきましては、「第2「事業の状況」3「配当政策」」に記載しております。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、㈱東京商品取引所から㈱大阪取引所への上場商品移管及び㈱東京金融商品取引所における新規上場商品に関連するシステム構築費用を、今後の資金需要として想定しており資金の流動性に対する影響は軽微であります。その資金の調達源として営業活動におけるキャッシュフロー及び手元資金を財源とします。新たな銀行借入や株式の新規発行等の資本取引の予定はありません。
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
当社は、訴訟損失引当金について、商品取引事故及び金融商品取引事故等による損失に備えるため、損害賠償請求等に伴う損失の見込額のうち、商品取引責任準備金及び金融商品取引責任準備金の期末残高を勘案して訴訟損失引当金を計上しておりますが、当社に対する新たな訴訟の提起や判決等により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、訴訟損失引当金が増額され訴訟損失引当金繰入額が計上される可能性があります。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減産一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積もりの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。