本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)が判断したものであります。
当社は、公正な価格決定機能等を有する商品市場機構の一構成員として、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の経済的、社会的役割を認識し、それに基づいて市場参加者(投資者)の信頼と期待に応えるべく事業運営を推進したいと考えております。このような観点から、当社は「お客様に信頼される営業活動」を基本方針に掲げており、今後もさらにこれを継続し、一層充実したものとして次のような営業活動を展開していく方針であります。
第一に、良質で鮮度のある情報を迅速かつ的確に顧客に提供することであります。大手商社や海外の関係会社等(マレーシア等)から入手した情報と他のルートからの情報とを一元的に収集・分析し、インターネットを通じてお客様に提供しておりますが、さらに一層充実したものにいたします。
第二に、お客様のニーズに応じた商品の提供であります。お客様の資産運用方法に従い商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」、また証券媒介取引として株式売買、投資信託及び債券の販売等のサービスを提供してまいります。
第三にお客様に総合的企画提案のできる社員をより多く育成し、さらに一層レベルアップしてまいります。
当社は、このように「お客様重視の営業」を経営方針としてこれからも継続してまいりたいと考えております。
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しており、また当該市場には経済情勢、相場環境等に起因するさまざまな不確実性が存在しております。ここ数年、業界を取り巻く状況は、大きく変化しており、まさに激動する経営環境下において、当社は、安定的な収益基盤の確保及び顧客層の拡大を図るべく、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」の預り資産を拡大するとともに、証券株価指数先物取引の取引資格を取得し本格的な証券取引業への参入を視野にいれ、経営環境の変化に柔軟に対応できる組織、人材の育成等経営基盤の強化に努め、企業価値を高めるべく、その最大化の実現に向けて努力する所存であります。
当社は、企業価値の拡大を通して株主の皆様へ安定した配当を継続、維持することを基本理念として掲げており、業績の状況により一層の利益還元に努めてまいりたいと考えております。また、純資産額規制比率や自己資本規制比率の充実及び顧客の預り資産、口座数等の拡大に向けて取り組んでおります。
なお、自己資本規制比率及び純資産額規制比率は「2「事業等のリスク」「(4)自己資本規制比率及び純資産額規制比率について」」に記載しております。
(1)及び(3)に記載の、経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業は、市場での売買高が減少傾向にあり、業界にとって厳しい事業環境にあります。また、「不招請勧誘の禁止」の適用を受けており、個人投資家からの招請による場合を除き当社における一定の金融取引経験者であって適合性をクリアした層を対象とした対面営業となります。このような厳しい事業環境に対応すべく、当社は業界最大規模の営業スタッフと全国12本支店のネットワークで個人投資家のニーズに応えるとともに、業界最大規模の法人委託者(当業者)からの受託を拡大させ顧客の預り資産を増大させていくことを検討しております。
当社の第二の主要な事業である金融商品取引業は、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」の2つのサービスを提供しており、当社では会場型の金融セミナーの運営を販売チャンネルの軸として、全国各地で金融セミナーを開催し口座数等の拡大及び個人投資家への啓発に努めております。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大により会場型の金融セミナーの開催を中止せざるを得ない厳しい環境変化に柔軟に対応し、データとデジタル技術を活用した当社の動画コンテンツ「ゆたかTV」にてオンライン型の金融セミナーを展開し、月8回以上のペースで開催しております。顧客や社会のニーズを基にサービスの提供を変革したことによりオンライン型の金融セミナーは、毎回数千人規模の視聴を得ております。当該視聴応募者へのアンケート等を実施し、当社の商品に興味を持ち招請意思のある見込み客を新規に獲得し口座数等の拡大を実現できるように努めております。更に、ラジオ等と連動したプロモーションも長年継続しており、新規口座数等の拡大することが重要な課題と考えております。
また、証券株価指数先物取引の取引資格を取得すべく、現在㈱大阪取引所に申請しており、本格的な証券取引業への参入を視野にいれており、その為の将来の布石として位置付けております。
このような施策により顧客の預り資産、口座数等の拡大による安定的な収益基盤を確保してまいります。
当社は、お客様に信頼頂ける企業集団となるべく、コンプライアンス態勢の確立及び維持に向けて一層注力してまいります。
また、情報ネットワーク社会において大切なお客様情報を守る為に、情報セキュリティ環境の向上及び維持に向けて最大限の努力を図ってまいります。
当社は、これらの課題に真摯に取り組み、実効性あるものにしてまいりますとともに企業価値の向上に努める所存であります。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しており、また当該市場には経済情勢、相場環境等に起因するさまざまな不確実性が存在しております。
市場主義経済圏の拡大に伴い、商品(コモディティ)や金融商品は、グローバルに展開して行くなかで、取引形態の多様性と相俟って価格変動と為替に晒されるリスクを内包することから、この価格変動と為替のリスクをヘッジする手法としての先物取引の重要性が経済的、社会的見地からますます高まってきております。
当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業では、㈱大阪取引所において国際的大型商品である金(ゴールド)及び白金(プラチナ)等の貴金属市場、大豆及びとうもろこし等の農産物市場、ゴム市場が取引されており、㈱東京商品取引所においてガソリン、原油及び電力等のエネルギー市場が取引され、両取引所ともに底堅く推移して行くものと期待されます。
2020年7月には総合取引所の本格稼働に伴い、清算機構(アウトハウス型クリアリングハウス)である㈱日本商品清算機構が㈱日本証券クリアリング機構に統合され取引の安全性が国際水準程度に高まったことから、今まで信用リスク(取引先リスク)の観点から取引を見送っていた向きのある、国内はもとより海外の機関投資家にとって信用リスクの不安が一掃されると思われるため、その参加が大いに期待されます。
一方において市場の自由化及び国際化の進展に伴い、異業種、あるいは外資系企業からの参入が拡大する可能性があると予測されますので、既存の商品デリバティブ取引業者間との企業競争も含めて今後の動向次第では当社の経営環境に影響を及ぼす可能性があります。
当社は商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業として委託者から受託業務を行うとともに、自己の計算による自己売買業務(自己ディーリング)を行っております。
当社の商品デリバティブ取引業に係る委託者は、リスク・ヘッジを主とする商品保有者(将来保有を含む)である商社等の法人委託者と、一方でリスクをとって収益機会を得ようとするリスク・テーカーと称される一般委託者(一般法人を含むが、大半は個人委託者)で構成され、受託取引の比率は概ね4分の1が前者で、4分の3が後者となっております。また、金融商品取引業に係る委託者はほぼ全てが一般委託者となっております。
商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引及び取引所為替証拠金取引は、実際の商品の総代金ではなく、定められた額の保証金等を担保として預託することにより取引が行われることから、投資運用効率が高いと考えられます。この投資運用効率は、大きな利益を得る機会をもたらす半面、ときにより損失をこうむる場合があるため、一般委託者を中心とする市場参加者の動向は受託取引の多寡に関係し、業績(受入手数料)に影響を与えることとなります。
また、受託取引に伴う「預り証拠金」(取引所株価指数証拠金取引及び取引所為替証拠金取引の場合は「金融商品取引保証金」)、「委託者未収金」や「委託者未払金」等の債権債務、㈱日本証券クリアリング機構や取引所への預託額及び法人委託者との継続取引に伴う取引保証等の「差入保証金」等の増減は財政状態とキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
一方、自己売買業務(自己ディーリング)は、受託業務に伴う市場流動性を確保するマーケット・メーカーとしての役割からリスクテイクする場合等がありますが、主として、収益機会を獲得するために当社独自の相場観により自己ディーリングを行っております。当社は自己ディーリングを行うにあたり、専任部署と専任担当者を定めて社内規程に基づき、厳しい運用管理を行っておりますが、トレーディング損益の状況は業績に影響を及ぼすこととなります。当社は、自己売買業務(自己ディーリング)に対し、ディーラーの育成強化に努めるなど収益の拡大に取組んでおります。
当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業等を遂行するため、内閣総理大臣より金融商品取引業の登録を受けるとともに、主務大臣より商品先物取引業者として許可を受けております。また、金融商品取引所及び商品取引所の定める取引参加資格を取得しております。
事業を遂行する上で金融商品取引法及び同法の関連法令、商品先物取引法及び同法の関連法令、金融商品取引所及び商品取引所の定めた受託契約準則、自主規制機関による自主規制規則等の適用を受けております。また、この他に消費者契約法、個人情報保護法の適用を受けております。
当社は、これらの諸法令規則等に抵触した場合には、許認可及び登録の取消し、業務停止等の行政処分が行われることがあり、そのような場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
2021年3月末現在、特段に記載すべき重要な訴訟事件はありませんが、顧客との受託取引等に起因する重要な訴訟やその他重要な請求の対象とされる可能性があります。当社の従業員である外務員が顧客との受託業務活動において、会社が外務員の権限を内部的に制限している場合であっても、外務員の行った権限外の行為により第三者に損害が発生した場合には、所属会社が当該外務員の使用者として、当該第三者に対し損害賠償責任を負う可能性があります。このような損害賠償が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
自己資本規制比率は、金融商品取引法の規定に基づき内閣府令の定めにより算出することとしたものであります。当社の自己資本規制比率は、2021年3月末現在280.9%となっており、金融商品取引業者は、自己資本規制比率が120%を下回ることがないようにしなければならないと定められております。(同法第46条の6)
また、商品先物取引法及び同施行規則に基づき、純資産額規制比率による制限が設けられています。純資産額規制比率とは、純資産額の、商品デリバティブ取引につき生ずる相場の変動その他の理由により発生し得る危険に対応する額として主務省令で定めるところにより算出した額に対する比率であります。当社の純資産額規制比率は、2021年3月末現在569.2%ですが、120%を下回る事態が生じた場合には、主務大臣は商品デリバティブ取引業者に対し商品デリバティブ取引業の方法の変更等を、また、100%を下回る場合には3ヶ月以内の期間の業務の停止を命じることができ、業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ、回復の見込みがないときは商品デリバティブ取引業者の許可を取り消すことができるとされています。(同法第235条)
当社は、自己資本規制比率及び純資産額規制比率が要求される水準を下回った場合には、自己資本規制比率に関しては内閣総理大臣から、純資産額規制比率に関しては農林水産大臣及び経済産業大臣から業務の停止等を含む様々な命令等を受けることとなります。これらの結果によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客の個人情報を扱う企業であることから、その社会的責任を認識し、個人情報管理に積極的に取組み、当社における個人情報保護方針を制定し、2005年4月に施行された、いわゆる個人情報保護法に対応してきており、2006年2月に「プライバシーマーク」の認証を取得し、その後現在に至るまで2年ごとの更新審査を受け認証資格を維持しており、個人情報保護管理体制に適切に対処する旨努めております。また、情報セキュリティ管理規程を改訂し「サイバーセキュリティ」を「情報セキュリティリスク」として明確化しております。
しかしながら、顧客の個人情報や当社の機密情報が、不正なアクセスなど何らかの方法により外部に漏洩し、あるいは悪用された場合等には、損害賠償が発生する可能性があり、加えて当社の信頼を失うおそれがあり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
取引所の取引システムや当社の社内システムにおいて障害が発生した場合には、顧客等に与える影響は予測しがたいものがありますが、当社は、社内システムに関して安全性の確保を図る等、システム管理の徹底に努めております。
当連結会計年度における当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、本項目において「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大により内外需ともに大きく下振れておりましたが、経済活動の再開により3月の日銀短観にて発表された業況判断指数(DI)は、大企業・製造業においては6四半期ぶりのプラス圏となり、輸出の増加に加え、円安の進行に伴う収益の改善が景況感の押し上げに作用している一方、内需においては、新型コロナウイルスの感染再拡大による緊急事態宣言の再発令を受け個人消費関連の業種で景況感が再び悪化しております。先行きの経済は、外需については中国向けの資本財や電子部品の需要がけん引し回復基調が続くものの、内需については新型コロナウイルスの感染再拡大による活動制約が重石となり、大きく伸び悩む見通しであります。
一方、世界経済は、米国では新型コロナウイルス感染拡大後の経済活動の再開後、ワクチンの普及やバイデン新政権による追加経済対策により、3月の米国供給管理協会(ISM)製造業景況感指数は64.7と1983年以来となる水準まで上昇し、企業マインドは改善傾向を維持し、個人消費においても3月の消費者マインド指標が上昇し、回復基調をみせております。中国では世界に先駆けて経済活動を再開し、輸出においては新型コロナウイルスの感染前の水準を大きく上回り、個人消費も春節時期の活動制限の強化により足踏みがみられたものの回復傾向が持続しております。先行きは米国においては経済活動規制や外出自粛ムードの緩和に加え、巨額の経済対策や緩和的な金融環境に支えられ回復を続けると予想され、中国においては世界的な資産価格の調整や新型コロナウイルスの感染再拡大などの下振れリスクを含んでおりますが、消費と投資のバランスを考慮した政策誘導により回復の動きが続く見通しであります。
証券市場においては、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)は、新型コロナウイルス感染者拡大に伴う緊急経済対策が好感され、底堅い動きとなり徐々に下値を切り上げました。5月に入ると、海外で経済活動を再開する動きが相次ぎNYダウが上昇、国内市場も追随して6月には約3か月ぶりに23,000円台を回復しましたが、その後中国での新型コロナウイルスの感染者増加の報道が再び相場を圧迫し、22,000円台での推移となり、もみ合いを経てNYダウの上昇を背景に堅調な動きとなりました。9月に入りNYダウは下落したものの、首相交代後の新政権下においても経済・金融政策が引き継がれるとの見方が相場を支えました。11月に入り、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展や米国大統領選挙を巡る不透明感が後退したことから26,000円台まで上昇、12月にはNYダウが最高値を更新したことを受け30年ぶりとなる27,000円台まで上昇しました。1月に入り米国ではバイデン新政権が発足し、大規模な経済対策を示したことから米国株が概ね堅調に推移、国内市場も上値追いの展開となり2月には30,000円台まで上昇しました。3月に入ると日銀が金融政策決定会合で、上場投資信託(ETF)の買い入れ対象から日経平均連動型を外すと決定したことから、レンジの下限である28,000円前半を探る動きとなりました。
商品相場においては、原油は3月の急落の後、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国を含めたOPECプラスでの協調減産合意への期待から値を戻していましたが、米国の原油在庫の積み増しを背景にNY原油が下落、4月には期近物が一時マイナス40ドルまで暴落したことから国内市場も急落場面となりました。その後は新型コロナウイルス感染拡大で急減していた原油需要が持ち直すとの期待感や、米国の原油在庫減少報道から上昇し、6月には一時30,000円台まで上昇しましたが、米国の原油在庫の高止まりが意識され27,000円を中心としたもみ合いに終始しました。8月には好調な米国経済指標や円安を背景に30,000円台を回復しましたが、9月に入り欧米の株価が急落したことによるリスク回避の動きや、エネルギー需要に対する懸念からNY原油が軟化、国内市場も再度27,000円を中心とした推移となりました。11月には新型コロナウイルスのワクチン開発の進展による経済活動の復帰期待からエネルギー需要減少の懸念が後退したことにより30,000円台を回復し、12月にはOPECプラス会合で減産規模の縮小が小幅に留まったことから上値を追う展開となりました。1月には35,000円近辺でのもみ合いの後、米国の大型追加経済対策による需要回復期待からNY原油が上伸、国内市場も追随して2月には40,000円台を回復しました。3月も続伸場面となり45,000円目前まで上昇しましたが、後半に入ると欧州での新型コロナウイルス感染拡大を受けて原油需要に不透明感が高まり、一時40,000円を割り込みましたが、新型コロナウイルスのワクチンの接種拡大などによる世界経済の回復期待を背景に下値は堅く、月末にかけては42,000円台を回復しました。
金は新型コロナウイルス感染拡大を背景とした経済の停滞に対するリスク回避の動きから堅調な動きとなりました。その後も米国企業が先行き見通しを下方修正したことや、トランプ米国大統領が新型コロナウイルス感染拡大の責任は中国にあるとの認識を示し、対中強硬姿勢を強めたことから金への資金流入が続きNY金が上昇、主要通貨に対してドル安が進んだこともリスク回避の金買いを誘い、国内市場も7,032円の上場来高値を更新しました。しかしその後は新型コロナウイルスに対するワクチン開発への期待感や、トランプ政権による経済対策を支えに米国株式が堅調であったことから利益確定の売りに6,500円付近まで下落し、その後も換金売りが誘われ6,300円台での推移となりました。10月には米国の追加経済対策の協議や大統領選挙を巡る不透明感からNY金が上昇、国内市場は6,400円台での上値の重い推移となりましたが、11月中旬に入り、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展や米国大統領選挙を巡る不透明感が後退したことから5,900円まで下落しました。12月には新型コロナウイルスの感染再拡大や米国の追加経済対策への期待から再び金が買われ、6,300円近辺での推移となりました。1月に入り6,488円まで値を戻した後、米国の長期金利上昇を背景にドルが堅調に推移したことからNY金が下落、3月には国内市場も5,800円を割り込みましたが、その後はインフレに対する警戒感が下支えとなり6,000円台まで回復しました。
トウモロコシは3月末に米国農務省が発表した作付意向面積が、前年を大幅に上回る内容であったことや、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から軟調に推移、主要産地である米国の作付けが順調に進んだことも圧迫要因となりました。5月に入ると天候相場特有の動きから反発場面となり水準を切り上げましたが、6月後半には新型コロナウイルスの感染者が増加したことで第二波への懸念が強まり、需要後退見通しから上値の重い展開となりました。その後は米国農務省から発表された作付意向面積が大幅に下方修正されたことから上昇しましたが、豊作予想が上値を抑えるなど天候相場特有の動きとなりました。8月後半からは中国が穀物を大量に買い始めたことで現物市場が上昇したことにより先物市場も追随して24,000円台を試す動きとなりました。10月の後半には米国の輸出成約の増加や南米の乾燥天候による作付遅れなどから25,000円付近まで上昇したものの11月初旬に新型コロナウイルスの感染再拡大や米国大統領選挙を巡る不透明感から上値の重い展開となりました。12月後半にはアルゼンチンの乾燥気候と同国の輸出禁輸措置、中国からの旺盛な需要により上昇し、25,710円の年初来最高値で年内の取引を終えました。1月には中国による大量買付が報じられシカゴ市場が上昇、南米での天候悪化も強材料となり2月には30,000円を示現しました。3月に入ると米国農務省による作付意向面積の発表を月末に控えて30,000円手前での小動きに終始しました。
為替市場においては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、市場が大きく揺らぐ中、欧米で感染拡大ペースがやや鈍化したことを受けて、投資家心理が改善したことからドル円相場は4月には109円台前半まで円安ドル高が進みました。しかし5月に入ると、新型コロナウイルスを巡って、米中両国の対立懸念が強まり、リスク回避の動きから105.96円まで円高ドル安が進むなど荒い動きとなりました。107円半ばでもみ合いとなった後、5月の米国雇用統計が市場予想を上回る内容だったことから、米国景気の早期回復への期待感からドル買いが進行し109.85円まで上昇しましたが、その後は修正場面から再び107円台での推移となりました。7月後半以降は米国の追加経済対策の協議の進展が見られないことから円高ドル安傾向となり、106円を中心に推移し、9月に入ると米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で事実上のゼロ金利政策が、2023年末まで維持されるとの見通しが示されたことを受け、一時103.94円まで下落しました。10月にはトランプ大統領の退院報道や米国追加経済対策への期待感から106.12円まで上昇しましたが、欧米での新型コロナウイルスの感染再拡大を受け円買いドル売りが優勢となりました。11月中旬以降は、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展報道が相次いだ一方、米国経済指標の下振れや米国内での新型コロナウイルスの新規感染者の増加を受け104円台前後で推移しました。12月は104円台前半を中心に方向感を欠く展開でしたが、米国経済指標が市場予想を下回る結果となったほか、FOMCでの追加緩和観測を受けて一時102.87円まで下落しました。その後、米国でバイデン新政権が発足し、大型景気対策により米国債が増発されるとの思惑から米国長期金利が上昇して104円台で推移、大統領就任後も大型経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及などで早期の米景気回復期待が高まったことから円安ドル高の流れとなり、110.70円で年度内の取引を終えました。
このような環境のもとで、当社グループの当連結会計年度の商品デリバティブ取引の総売買高1,501千枚(前年同期比18.3%減)及び金融商品取引の総売買高2,238千枚(前年同期比62.6%増)となり、受入手数料5,808百万円(前年同期比12.3%減)、トレーディング損益58百万円の利益(前年同期比85.1%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は営業収益5,891百万円(前年同期比16.3%減)、純営業収益5,868百万円(前年同期比16.3%減)、経常利益699百万円(前年同期比53.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益536百万円(前年同期比34.2%減)となり
当社の経営成績の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の営業収益は5,891百万円(前年同期比16.3%減・1,149百万円減少)となりました。受入手数料は5,808百万円(前年同期比12.3%減・812百万円減少)、トレーディング損益は58百万円の利益(前年同期比85.1%減・334百万円減少)となりました。
その他の営業収益は24百万円(前年同期比10.4%減・2百万円減少)となりました。
当連結会計年度の金融費用は23百万円(前年同期比16.8%減・4百万円減少)となりました。
当連結会計年度の純営業収益は5,868百万円(前年同期比16.3%減・1,144百万円減少)となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は5,263百万円(前年同期比5.0%減・279百万円減少)となりました。この主な内訳は、取引関係費が719百万円(前年同期比7.3%減・56百万円減少)、人件費が3,230百万円(前年同期比3.2%減・106百万円減少)、減価償却費が341百万円(前年同期比4.1%減・14百万円減少)、その他(電算機費等)が587百万円(前年同期比3.3%減・20百万円減少)となっております。
前連結会計年度に比べて純営業収益は1,144百万円減少し、販売費及び一般管理費は279百万円減少した結果、当連結会計年度の営業利益は605百万円の利益(前年同期比58.8%減・865百万円減少)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は95百万円(前年同期比42.1%増・28百万円増加)となりました。この主な内訳は、受取利息が6百万円(前年同期比39.3%減・4百万円減少)、受取配当金が28百万円(前年同期比8.6%増・2百万円増加)、受取奨励金が12百万円(前年同期比177.4%増・7百万円増加)、貸倒引当金戻入額が29百万円(前年同期比2,693.5%増・28百万円増加)、その他(雑収入等)が18百万円(前年同期比25.8%減・6百万円減少)となっております。
当連結会計年度の営業外費用は0百万円(前年同期比98.1%減・48百万円減少)となりました。この主な内訳は、為替差損0百万円(前年同期比1,675.7%増・0百万円増加)となっております。
前連結会計年度に比べて営業外収益は28百万円増加し、営業外費用は48百万円減少した結果、当連結会計年度の経常利益は699百万円の利益(前年同期比53.0%減・788百万円減少)となりました。
当連結会計年度の特別利益は166百万円(前年同期比31.5%増・39百万円増加)となりました。この主な内訳は投資有価証券売却益70百万円(前年同期比4.5%減・3百万円減少)、事業譲渡益28百万円(前年同期比28百万円増加)、保険解約返戻金10百万円(前年同期比80.0%減・42百万円減少)、為替換算調整勘定取崩益18百万円(前年同期比18百万円増加)、訴訟損失引当金戻入額38百万円(前年同期比38百万円増加)となっております。
当連結会計年度の特別損失は15百万円(前年同期比95.6%減・339百万円減少)となりました。この主な内訳は、固定資産売却損が0百万円(前年同期比89.8%減・3百万円減少)、減損損失が12百万円(前年同期比12百万円増加)、金融商品取引責任準備金繰入額が2百万円(前年同期比2百万円増加)となっております。
前連結会計年度に比べて特別利益は39百万円増加し、特別損失は339百万円減少した結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は851百万円の利益(前年同期比32.4%減・408百万円減少)となりました。
当連結会計年度の法人税等は314百万円(前年同期比29.2%減・129百万円減少)となりました。この主な内訳は、法人税、住民税及び事業税が293百万円(前年同期比27.1%減・109百万円減少)、法人税等調整額が20百万円(前年同期比49.7%減・20百万円減少)となっております。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は536百万円の利益(前年同期比34.2%減・278百万円減少)となりました。営業収益合計に対する比率は9.1%(前連結会計年度は11.6%)となっております。自己資本利益率は5.9%(前連結会計年度は8.8%)となりました。また、1株当たり当期純損益は98.0円の利益(前連結会計年度は107.3円の利益)となりました。
以上の結果、当社の財政状態の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産総額は68,789百万円、負債総額は59,493百万円、純資産は9,296百万円となっております。
当連結会計年度末の資産総額68,789百万円は、前連結会計年度末55,030百万円に比べて13,759百万円増加しております。この内訳は、流動資産が13,469百万円、及び固定資産が290百万円増加したものであり、主に「現金及び預金」が1,638百万円、及び「差入保証金」が1,056百万円減少した一方、「保管有価証券」が15,371百万円、及び流動資産の「その他」が1,325百万円増加したことによるものであります。なお、流動資産の「その他」の主な内訳は委託者保護基金預託金600百万円の増加となっております。
当連結会計年度末の負債総額59,493百万円は、前連結会計年度末46,173百万円に比べて13,319百万円増加しております。この内訳は、流動負債が13,593百万円増加し、固定負債が276百万円減少したものであり、主に「金融商品取引保証金」が5,200百万円減少した一方、「預り証拠金」が4,251百万円、及び「預り証拠金代用有価証券」が15,371百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産9,296百万円は、前連結会計年度末8,856百万円に比べて439百万円増加しております。この内訳は、主に株主資本が277百万円、及びその他の包括利益累計額が162百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の自己資本比率は13.5%(前連結会計年度末は16.1%)となっております。
なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1,694百万円の減少となり、4,697百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動による資金の使用は、1,127百万円(前年同期は2,250百万円の取得)となりました。これは、「差入保証金」の減少及び「預り証拠金」の増加による資金の収入等があったものの、「金融商品取引保証金」の減少及び「その他」による資金の使用によるものであります。なお、「その他」の主な内訳は委託者保護基金預託金及び取引所預託金の増加となっております。
当連結会計年度における投資活動による資金の使用は、47百万円(前年同期は838百万円の取得)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入等があったものの、投資有価証券等の取得による支出及び出資金の払込による支出等によるものであります。
当連結会計年度における財務活動による資金の使用は、539百万円(前年同期は2,024百万円の使用)となりました。これは、長期借入金の返済及び配当金の支払等によるものであります。
(単位:千円)
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(単位:千円)
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(単位:枚)
(注)1. 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
2. 商品デリバティブ取引の主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:枚)
3. 商品デリバティブ取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金(標準取引)1枚は1,000グラムというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
(単位:枚)
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
経営者の視点による当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しており、また当該市場には経済情勢、相場環境等に起因するさまざまな不確実性が存在しております。
当連結会計年度における当社の状況は、商品デリバティブ取引部門の主力商品である金が新型コロナウイルス感染拡大を背景とした経済の停滞に対するリスク回避の動きから堅調な動きとなりましたが、米国企業が先行き見通しを下方修正したことや、トランプ前米国大統領が新型コロナウイルス感染拡大の責任は中国にあるとの認識を示し、対中強硬姿勢を強めたことから国内市場も7,032円の上場来高値を更新しました。米国の長期金利上昇を背景にドルが堅調に推移したことからNY金が下落、3月には国内市場も5,900円を割り込みましたが、その後はインフレに対する警戒感が下支えとなり6,000円台まで回復しましたことにより、収益に大きく貢献したものの前連結会計年度にはおよびませんでした。
また、証券市場は、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展や米国大統領選挙を巡る不透明感が後退したことから、12月にはNYダウが最高値を更新したことを受け30年ぶりとなる27,000円台まで上昇し、米国ではバイデン新政権が発足し、大規模な経済対策を示したことから米国株が概ね堅調に推移、国内市場も上値追いの展開となり2月には30,000円台まで上昇したことにより、前連結会計年度に比べ収益の増加に貢献しました。
このような結果、当連結会計年度の経営成績は、商品デリバティブ取引業による手数料収入及び自己売買取引による利益が前連結会計年度に比べそれぞれ減少したものの、営業損益、経常損益ともに利益を計上、親会社株主に帰属する当期純利益は536百万円の利益(前年同期は815百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)を計上しました。
当社の収益の柱は、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の2つに分けられます。収益比率では、前連結会計年度に引続き、商品デリバティブ取引業における金を中心とした商品市場の変動よる手数料収入が収益の大きな割合を占めました。結果として手数料収益ベースで商品デリバティブ取引業が77%、金融商品取引業が23%となりました。
当社の当連結会計年度末における連結ベースのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。また、株主還元につきましては、「第4「提出会社の状況」3「配当政策」」に記載しております。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、㈱大阪取引所における先物取引等取引資格及び指数先物等清算業務資格を得て「日経225先物取引」など証券デリバティブ市場への進出のため、当該商品に関連するシステム構築費用を、今後の資金需要として想定しており資金の流動性に対する影響は軽微であります。その資金の調達源として営業活動におけるキャッシュフロー及び手許資金を財源とします。新たな銀行借入や株式の新規発行等の資本取引の予定はありません。
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。当該課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
訴訟損失引当金の認識は、商品取引事故及び金融商品取引事故等による損失に備えるため、損害賠償請求等に伴う損失の見込額のうち、商品取引責任準備金及び金融商品取引責任準備金の期末残高を勘案して訴訟損失引当金を計上しておりますが、当社に対する新たな訴訟の提起や判決等により見積りと異なった場合、訴訟損失引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、重要な会計上の見積りについての詳細は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(重要な会計上の見積り)」に記載されております。
また、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。