本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)が判断したものであります。
当社は、公正な価格決定機能等を有する商品市場機構の一構成員として、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の経済的、社会的役割を認識し、それに基づいて市場参加者(投資者)の信頼と期待に応えるべく事業運営を推進したいと考えております。このような観点から、当社は「お客様第一主義」を企業理念に掲げており、今後もさらにこれを継続し、一層充実したものとして次のような営業活動を展開していく方針であります。
第一に、良質で鮮度のある情報を迅速かつ的確にお客様に提供することであります。大手商社や海外の関係会社等(マレーシア等)から入手した情報を分析し、お客様一人ひとりと顔を合わせ、膝と膝を突き合わせた対面営業を通じて提供しておりますが、さらに一層充実したものにいたします。
第二に、多様化する投資ニーズに応じた商品の提供であります。お客様の資産運用方法に従い商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」、取引所為替証拠金取引「Yutaka24」、及び株価指数先物取引並びに証券媒介取引として株式売買、投資信託及び債券の販売等のサービスを提供してまいります。
第三にお客様に総合的な企画や提案のできる社員をより多く育成し、さらに一層レベルアップしてまいります。
当社は、このように「お客様重視の営業」を経営方針としてこれからも継続してまいりたいと考えております。
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。ここ数年、業界を取り巻く状況は大きく変化しております。まさに激動する経営環境下において当社は、安定的な収益基盤の確保及び顧客層の拡大を図るべく、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」の預り資産を拡大するとともに、2022年1月17日より取扱いを開始した株価指数先物取引については本格的な証券取引業への参入を視野にいれ、経営環境の変化に柔軟に対応できる組織、人材の育成等経営基盤の強化に努め、企業価値を高めるべく、その最大化の実現に向けて努力する所存であります。
当社は、企業価値の拡大を通して株主の皆様へ安定した配当を継続、維持することを基本理念として掲げており、一層の利益還元に努めてまいります。また、自己資本規制比率や純資産額規制比率の充実及び顧客の預り資産、口座数等の拡大に向けて取り組んでおります。
なお、自己資本規制比率及び純資産額規制比率は「2「事業等のリスク」の(4)自己資本規制比率及び純資産額規制比率について」に記載しております。
(1)及び(3)に記載の経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業は、市場での売買高が減少傾向にあり、業界にとって厳しい事業環境にあります。また、商品デリバティブ取引は「不招請勧誘の禁止」が適用されるため、個人投資家からの招請による場合を除き、当社において一定の金融取引経験者であって、かつ適合性をクリアした個人投資家を対象とした対面営業となります。このような厳しい事業環境に対応すべく、当社は業界最大規模の営業スタッフと全国11本支店のネットワークで個人投資家のニーズに応えるとともに、業界最大規模の法人委託者(当業者)からの受託の拡大を図り顧客の預り資産を増大させていくよう努めてまいります。
当社の第二の主要な事業である金融商品取引業は、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」、取引所為替証拠金取引「Yutaka24」及び株価指数先物取引の3つのサービスを提供しております。当社では会場型の金融セミナーの運営を販売チャンネルの軸として、全国各地で金融セミナーを開催し口座数等の拡大及び個人投資家への啓発に努めております。前年同様、新型コロナウイルス感染拡大により会場型の金融セミナーの開催を中止せざるを得ない環境変化に柔軟に対応し、データとデジタル技術を活用した当社の動画コンテンツ「ゆたかTV」にて商品市場、証券市場及び為替市場等を主体としたバリエーション豊富な番組配信を積極的に行い、2021年1月の提供開始から約1年で登録者数2万人となっております。なお、新型コロナウイルス感染拡大が収束した際には、従来の会場型の金融セミナーを再開し、「ゆたかTV」の視聴者等の当社の商品に興味を持ち招請意思のあるお客様に参加していただき、新規口座数を拡大することが重要な課題と考えております。
このような施策により顧客の預り資産、口座数等の拡大による安定的な収益基盤を確保してまいります。
当社は、お客様に信頼頂ける企業集団となるべく、コンプライアンス態勢の強化及び維持に向けて一層注力してまいります。
また、情報ネットワーク社会において大切なお客様情報を守る為に、情報セキュリティ環境の向上及び維持に向けて最大限の努力を図ってまいります。
当社は、これらの課題に真摯に取り組み、実効性があるものにするとともに企業価値の向上に努める所存であります。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める所存であります。
本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。
当該市場には経済情勢、相場環境等に起因するさまざまな不確実性が存在しております。市場主義経済圏の拡大に伴い、商品(コモディティ)や金融商品は、グローバルに展開して行くなかで、取引形態の多様性と相まって価格変動と為替に晒されるリスクを内包しております。この価格変動と為替のリスクをヘッジする手法としての先物取引の重要性が経済的、社会的見地からますます高まってきております。
当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業では、㈱大阪取引所において国際的大型商品である金(ゴールド)及び白金(プラチナ)等の貴金属市場、並びに大豆及びとうもろこし等の農産物市場、並びにゴム市場が取引されております。㈱東京商品取引所においてはガソリン、原油及び電力等のエネルギー市場が取引され、両取引所ともに底堅く推移して行くものと期待されます。
2020年7月には総合取引所の本格稼働に伴い、商品デリバティブ取引の清算機構(アウトハウス型クリアリングハウス)である㈱日本商品清算機構が㈱日本証券クリアリング機構に統合され、信用リスク(取引先リスク)に対する安全性が国際水準程度に高まったことから、今まで信用リスクの観点から取引を見送っていた向きのある、国内はもとより海外の機関投資家の信用リスクに対する不安が一掃されると思われるため、その参加が大いに期待されます。
一方において市場の自由化及び国際化の進展に伴い、異業種、あるいは外資系企業からの参入が拡大する可能性があると予測されますので、既存の商品デリバティブ取引業者間との企業競争も含めて今後の動向次第では当社の経営環境に影響を及ぼす可能性があります。
当社は商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業として委託者から受託業務を行うとともに、自己の計算による自己売買業務(自己ディーリング)を行っております。
当社の商品デリバティブ取引業に係る委託者は、リスク・ヘッジを主とする商品保有者(将来保有を含む)である商社等の法人委託者と、一方でリスクをとって収益機会を得ようとするリスク・テーカーと称される一般委託者(一般法人を含むが、大半は個人委託者)で構成されております。また、金融商品取引業に係る委託者はほぼすべてが一般委託者となっております。
商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引、取引所為替証拠金取引及び株価指数先物取引は、実際の商品の総代金ではなく、定められた額の保証金等を担保として預託することにより取引が行われることから、投資運用効率が高いと考えられます。この投資運用効率の高さは、大きな利益を得る機会をもたらす半面、ときにより大きな損失をこうむる場合があるため、一般委託者を中心とする市場参加者の動向は受託取引の多寡に関係し、業績(受入手数料)に影響を与えることとなります。
また、受託取引に伴う「預り証拠金」及び「金融商品取引保証金」、並びに「委託者未収金」及び「委託者未払金」等の債権債務、並びに㈱日本証券クリアリング機構及び取引所への預託額、並びに法人委託者との継続取引に伴う取引保証等の「差入保証金」等の増減は財政状態とキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
一方、自己売買業務(自己ディーリング)は、受託業務に伴う市場流動性を確保するマーケット・メーカーとしての役割からリスクテイクする場合等がありますが、主として、収益機会を獲得するために当社独自の相場観により自己ディーリングを行っております。この自己ディーリングによる損益の状況は業績(トレーディング損益)に影響を及ぼすこととなります。当社は自己ディーリングを行うにあたり、専任部署と専任担当者を定め、社内規程に基づき、厳しい運用管理を行い、かつディーラーの育成強化に努めるなど収益の拡大に取組んでおります。
当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業等を遂行するため、内閣総理大臣より金融商品取引業の登録並びに、農林水産大臣及び経済産業大臣(以下、「主務大臣」といいます。)より商品先物取引業者として許可を受けております。また、金融商品取引所及び商品取引所の定める取引参加資格を取得しております。
事業を遂行する上で金融商品取引法及び同法の関連法令、並びに商品先物取引法及び同法の関連法令、並びに金融商品取引所及び商品取引所の定めた受託契約準則、並びに自主規制機関による自主規制規則等の適用を受けております。また、この他に消費者契約法、個人情報保護法の適用を受けております。
当社は、これらの諸法令規則等に抵触した場合には、許可及び登録の取消し、又は業務停止等の行政処分が行われることがあり、そのような場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
2022年3月末現在、特段に記載すべき重要な訴訟事件はありませんが、顧客との受託取引等に起因する重要な訴訟やその他重要な請求の対象とされる可能性があります。当社の従業員である外務員が顧客との受託業務活動において、会社が外務員の権限を内部的に制限している場合であっても、外務員の行った権限外の行為により第三者に損害が発生した場合には、所属会社が当該外務員の使用者として、当該第三者に対し損害賠償責任を負う可能性があります。このような損害賠償が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
自己資本規制比率は、金融商品取引法の規定に基づき内閣府令の定めにより算出することとしたものであります。当社の自己資本規制比率は、2022年3月末現在361.7%となっており、金融商品取引業者は、自己資本規制比率が120%を下回ることがないようにしなければならないと定められております。(同法第46条の6)
また、商品先物取引法及び同施行規則に基づき、純資産額規制比率による制限が設けられています。純資産額規制比率とは、純資産額の、商品デリバティブ取引につき生ずる相場の変動その他の理由により発生し得る危険に対応する額として主務省令で定めるところにより算出した額に対する比率であります。当社の純資産額規制比率は、2022年3月末現在680.7%ですが、120%を下回る事態が生じた場合には、主務大臣は商品先物取引業者に対し商品先物取引業の方法の変更を命じ、財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができます。また、100%を下回る場合には3ヶ月以内の期間を定めて業務の停止を命じることができ、業務停止命令後3ヶ月を経過後も100%を下回り、かつ、回復の見込みがないと認められるときは商品先物取引業者の許可を取り消すことができるとされております。(同法第235条)
当社は、自己資本規制比率及び純資産額規制比率が要求される水準を下回った場合には、自己資本規制比率に関しては内閣総理大臣から、純資産額規制比率に関しては主務大臣から業務の停止等を含む様々な命令等を受けることとなります。これらの結果によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客の個人情報を扱う企業であることから、その社会的責任を認識し、個人情報管理に積極的に取組み、当社における個人情報保護方針を制定し、2005年4月に施行された、いわゆる個人情報保護法に対応してきております。2006年2月には「プライバシーマーク」の認証を取得し、その後現在に至るまで2年ごとの更新審査を受け認証資格を維持しており、個人情報保護管理体制に適切に対処する旨努めております。また、「サイバーセキュリティ」を「情報セキュリティリスク」として明確化し、その対応に努めております。
しかしながら、顧客の個人情報や当社の機密情報が、不正なアクセスなど何らかの方法により外部に漏洩し、あるいは悪用された場合等には、損害賠償が発生する可能性があり、加えて当社の信頼を失うおそれがあり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
取引所の取引システムや当社の社内システムにおいて障害が発生した場合には、顧客等に与える影響は予測しがたいものがありますが、当社は、社内システムに関して安全性の確保を図る等、システム管理の徹底に努めております。
当連結会計年度における当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、本項目において「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大による影響が長期化する中において、3月の日銀短観にて発表された業況判断指数(DI)は、大企業製造業においては新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大により、生産調整を余儀なくされた自動車産業などで景況感が悪化しております。また、大企業非製造業においても情報サービスなどは堅調に推移したものの、まん延防止等重点措置の適用を受けた自粛ムードの再燃を背景に、宿泊・飲食サービスや個人向けサービスなど消費関連業種の景況感が下振れしております。先行きの経済は、まん延防止等重点措置の解除など経済活動の正常化によりサービス消費が再び増加に転じ、供給制約の緩和を受けた製造業の生産活動の回復も、輸出や設備投資を押し上げることで、回復に転じる見通しでありますが、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格の高止まりや、欧州経済が悪化した場合、大きく下振れるリスクも含んでおります。
一方、世界経済は、米国では労働需給のひっ迫が続く中において、3月の米国供給管理協会(ISM)景況感指数の製造業は高水準を維持し、非製造業においても企業マインドは改善傾向にあり、個人消費も新型コロナウイルスの感染状況の改善などにより対面型サービス業を中心に底堅く推移しております。中国では2021年の夏場にペースダウンしたものの秋から持ち直し、外需が好調を維持し個人消費も底堅く推移しておりましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大による活動制限が強化され個人消費が大きく下振れるなど景気低迷が持続しております。先行きは米国においてインフレの長期化が進んだ場合、個人消費が重石となり景気回復ペースが鈍化する見通しで、中国においてもインフラ投資などの政府関連投資が下支えとなるものの、輸出と個人消費が伸び悩むことで、景気低迷は続く見通しであります。
証券市場においては、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)は4月前半まで30,000円近辺で推移していましたが、世界的な新型コロナウイルス変異株の広がりを背景に徐々に下値を探る動きとなりました。5月に入ると、NYダウの新高値更新場面に支援され上昇しましたが、米長期金利の上昇を受けて調整場面となったNYダウの動きにも追随して下落、一時27,500円を割り込みました。その後は大規模接種が始まり、新型コロナウイルス収束への期待感から徐々に値を戻しましたが、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)において、2023年中にゼロ金利政策を解除する方針を示したことからNYダウが急落、国内市場も同様の動きとなりました。その後は修正場面から29,000円を超える場面もありました。7月に入ると新型コロナウイルスの感染拡大が下落圧力となり軟調に推移し、8月には一時27,000円を割り込みました。しかし9月に入り首相交代後の新政権下における景気浮揚策への期待から上昇局面となり、30,500円近辺まで上昇したものの、10月上旬にかけて原油高などのコスト負担増加による企業への圧迫懸念から28,000円を割り込むなど荒い動きとなりました。急落に対する自律反発場面から29,000円から30,000円近辺で推移した後、11月末から12月初旬にかけて新型コロナウイルスのオミクロン株の感染懸念が強まり、再度28,000円を割り込みました。その後年末にかけてはオミクロン株の感染拡大による経済停滞懸念の後退につれて買い戻され、29,000円近辺で年内の取引を終えました。1月に入り、米国の金融政策正常化へのペースが早まるとの見方からNYダウが急落し、国内市場にも波及しました。2月の後半にはロシアのウクライナ侵攻を受けてリスク回避の売りから下げ幅を拡大、一時25,000円を割り込みました。その後は円安ドル高に大きく振れたことから輸出関連株を中心に買いが集まり反発、28,000円台まで値を戻しました。
商品市場においては、原油は4月1日に開催されたOPECプラスの閣僚級会合において、それまでの協調減産幅を緩和、またサウジアラビアも自主減産を段階的に縮小することで合意したことや、イランへの経済制裁緩和に伴うイラン産原油供給拡大への警戒感から一時40,000円を割り込みました。しかしその後は欧米各国で新型コロナウイルスのワクチン接種率が高水準になるにつれ、経済活動の正常化が進み、自動車交通量や航空燃料需要の改善の兆しが見られたことから下値を切り上げ、7月上旬には50,000円台目前まで上昇しました。その後OPECプラスの会合を経て8月から12月の生産量を毎月日量40万バレルの増産合意を受け軟調に推移、8月には感染力が強い新型コロナウイルスのデルタ株の世界的な拡大を背景とした需要減退見通しから42,000円台まで下落しました。しかし9月に入ると、米国の石油生産施設が大型ハリケーンによる被害を受けたことから供給逼迫懸念が高まり、48,000円近辺まで上昇しました。10月半ばには天然ガス価格の高騰も支援要因となり53,000円近辺まで上昇した後、修正場面から51,000円前後での保ち合いが続きましたが、新型コロナウイルスのオミクロン株の急速な感染拡大を受けた経済活動停滞の懸念から急落し、12月上旬には45,000円を割り込みました。しかしオミクロン株の感染拡大による経済停滞懸念の後退につれて買い戻しが入り、50,000円台を回復して年内の取引を終えました。その後も堅調な地合いを維持して60,000円台に到達し、2月後半にロシアのウクライナ侵攻により急伸場面となり、3月には80,000円台まで上昇しました。その後、アラブ首長国連邦がOPEC加盟国に増産を呼びかけると表明したことから60,000円台まで急落、しかし追加増産に懐疑的な見方が広がり再び上昇に転ずるなど、高値圏で不安定な動きとなりました。
金は米国雇用統計が堅調な内容を示したことから米国長期金利が下落、NY金が上昇したことを受けて国内市場も堅調な推移となりました。5月に入り、一連の米国経済指標が予想外の悪化となったことから為替市場ではドル売りが加速、ドルと逆の相関性を持つ金に投資資金が集中したことから大幅上昇となり、一時6,742円と去年9月以来の高値となりました。しかし6月に入ると、FOMCにおいてゼロ金利政策を解除する時期に関して前倒し観測となったことからNY金が急落、国内市場も追随して6,200円台まで下落しました。その後、6,400円を中心とした小幅もみ合いで推移しましたが、8月に入り米国の雇用環境の改善を背景に、利上げが意識されたことから6,100円台まで急落しました。その後は米国の弱い経済指標を材料に徐々に下値を切り上げましたが、9月に入ると米国の長期金利が上昇したことから金に対する売り圧力が強まり再び6,100円台へ値を戻しました。10月に入り中国の大手不動産企業が経営危機に陥ったことや、米国連邦政府によるデフォルト(債務不履行)問題から安全資産である金に資金が回帰して上昇、11月には米消費者物価指数の大幅な上昇からインフレ懸念を背景とした金の買いにより6,886円の高値を付けました。その後はFOMCの議事要旨で利上げの前倒し観測が高まったほか、米国株式市場や原油市場の急落を受けて12月初旬に6,400円を割り込みました。12月のFOMCでは、テーパリング(量的緩和縮小)終了時期を前倒しする方針を決定したことからドルが堅調に推移、またインフレ懸念が強まったことから金に資金が流入し6,600円台まで回復しました。その後も世界的規模でのインフレ懸念が下値を支えている中、ロシアのウクライナ侵攻を受けてリスク回避から金が買われたことにより急伸し、円安ドル高も支援要因となり過去最高値を更新して7,700円台に到達しました。
トウモロコシは3月末に米国農務省が発表した作付意向面積が事前予想を大幅に下回ったことや、4月の米国需給報告において期末在庫が下方修正されたことから堅調なスタートとなりました。5月に入ると、ブラジルの生産量が過去最低になるとの思惑からシカゴ市場が上昇、国内市場も2008年以来の高値となる37,000円台に突入しました。しかしその後は米国主要産地が天候に恵まれ、豊作見通しを背景に32,000円台まで売られるなど、天候相場特有の乱高下となりました。7月に入ると、米国の作付面積が事前予想よりも大幅に減少したことからシカゴ市場が急騰、国内市場も追随して37,000円台目前まで上昇しました。その後は米国産地の天候が概ね順調な推移となったことから34,000円を中心としたもみ合いになりました。10月に入り、米国からの輸出遅延の影響から急伸し5月につけた高値を上回る42,640円となりました。その後は高値からの修正や材料難から38,000円近辺で推移していましたが、12月後半に南米産地での高温乾燥の天候による生産減少懸念から上昇し40,000円台を回復しました。その後、中国が米国産トウモロコシを大量に購入するとの見方から現物価格が大幅に上昇、先物市場も堅調な推移となりました。2月の後半にはロシアのウクライナ侵攻により、ロシア、ウクライナからの供給が途絶える懸念や、米国や欧州がロシア産の穀物の輸入を禁止したことなどの供給不安が市場を支配して穀物価格全体が大きく上昇し、国内市場も50,000円台に到達しました。
為替市場においては、110円台後半で取引の始まったドル円相場は、米国長期金利の上昇が一服していることから早期利上げ期待が後退、次第にドル売りが活発化して一方的に円買いの動きが強まり、4月後半には一時108円を割り込む動きとなりました。その後は米消費者物価指数が良好だったことからドルが買われて反発、6月に入ると、FOMCの見通しで事実上のゼロ金利政策を解除する時期に関して前倒し観測となったことから、下値を切り上げて7月上旬には111円の半ばまで円安ドル高が進みました。その後110円を挟んだ狭いレンジでの推移となりましたが、9月のFOMC後の声明で11月のテーパリング開始を示唆したことにより米国の長期金利が上昇したことからドル買いの動きが強まり、9月末には112円台まで円安ドル高が進行しました。10月に入ると世界的に物価上昇懸念が高まっている中で、米国長期金利の上昇を受けて114円台まで円安ドル高が進み、修正場面を経て11月末には115.52円まで上昇しましたが、新型コロナウイルスのオミクロン株が検出されたことによるリスクオフの動きから112円台まで円高ドル安が進むなど荒い動きとなりました。12月に入り、新型コロナウイルスのオミクロン株への警戒感が後退する中で徐々に下値を切り上げて115円台を回復し、またFOMCでテーパリング終了時期の前倒しが決定したことも円安ドル高を後押ししました。1月も概ね115円台を中心とした推移となりましたが、3月に入ると米国の金利上昇を受けて円安ドル高が進行し、日米間の金融政策姿勢の差がより鮮明になったことで金利差拡大が意識され、2015年以来となる125円台まで円安ドル高が進行しました。
このような環境のもとで、当社グループの当連結会計年度の商品デリバティブ取引の総売買高1,369千枚(前年同期比8.8%減)及び金融商品取引の総売買高4,314千枚(前年同期比92.8%増)となり、受入手数料6,238百万円(前年同期比7.4%増)、トレーディング損益457百万円の利益(前年同期比677.9%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は営業収益6,715百万円(前年同期比14.0%増)、純営業収益6,694百万円(前年同期比14.1%増)、経常利益1,463百万円(前年同期比109.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益975百万円(前年同期比81.8%増)となりました。
当社の経営成績の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の営業収益は6,715百万円(前年同期比14.0%増・824百万円増加)となりました。受入手数料は6,238百万円(前年同期比7.4%増・429百万円増加)、トレーディング損益は457百万円の利益(前年同期比677.9%増・398百万円増加)、その他の営業収益は20百万円(前年同期比15.9%減・3百万円減少)となりました。
当連結会計年度の金融費用は20百万円(前年同期比9.6%減・2百万円減少)となりました。
当連結会計年度の純営業収益は6,694百万円(前年同期比14.1%増・826百万円増加)となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は5,325百万円(前年同期比1.2%増・62百万円増加)となりました。この主な内訳は、取引関係費が747百万円(前年同期比3.9%増・28百万円増加)、人件費が3,260百万円(前年同期比0.9%増・29百万円増加)、減価償却費が355百万円(前年同期比4.0%増・13百万円増加)、その他(電算機費等)が574百万円(前年同期比2.2%減・12百万円減少)となっております。
前連結会計年度に比べて純営業収益は826百万円増加し、販売費及び一般管理費は62百万円増加した結果、当連結会計年度の営業利益は1,369百万円(前年同期比126.2%増・764百万円増加)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は96百万円(前年同期比0.8%増・0百万円増加)となりました。この主な内訳は、受取利息が7百万円(前年同期比6.4%増・0百万円増加)、受取配当金が33百万円(前年同期比19.2%増・5百万円増加)、受取奨励金が10百万円(前年同期比16.5%減・2百万円減少)、貸倒引当金戻入額が28百万円(前年同期比4.4%減・1百万円減少)、その他(雑収入等)が16百万円(前年同期比9.6%減・1百万円減少)となっております。
当連結会計年度の営業外費用は2百万円(前年同期比157.2%増・1百万円増加)となりました。この主な内訳は、投資事業組合運用損1百万円(前年同期比1百万円増加)、為替差損1百万円(前年同期比61.8%増・0百万円増加)となっております。
前連結会計年度に比べて営業外収益は0百万円増加し、営業外費用は1百万円増加した結果、当連結会計年度の経常利益は1,463百万円(前年同期比109.1%増・763百万円増加)となりました。
当連結会計年度の特別利益は43百万円(前年同期比74.0%減・123百万円減少)となりました。この主な内訳は固定資産売却益2百万円(前年同期比2百万円増加)、訴訟損失引当金戻入額9百万円(前年同期比76.0%減・28百万円減少)、保険解約返戻金31百万円(前年同期比201.9%増・21百万円増加)となっております。
当連結会計年度の特別損失は42百万円(前年同期比173.7%増・27百万円増加)となりました。この主な内訳は、固定資産除売却損が40百万円(前年同期比10,884.9%増・40百万円増加)、減損損失が0百万円(前年同期比96.3%減・12百万円減少)、金融商品取引責任準備金繰入額が1百万円(前年同期比20.6%減・0百万円減少)となっております。
前連結会計年度に比べて特別利益は123百万円減少し、特別損失は27百万円増加した結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は1,463百万円(前年同期比72.0%増・612百万円増加)となりました。
当連結会計年度の法人税等は488百万円(前年同期比55.4%増・174百万円増加)となりました。この主な内訳は、法人税、住民税及び事業税が510百万円(前年同期比73.9%増・217百万円増加)、法人税等調整額が△21百万円(前連結会計年度は20百万円)となっております。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は975百万円(前年同期比81.8%増・438百万円増加)となりました。営業収益合計に対する比率は14.5%(前連結会計年度は9.1%)となっております。自己資本利益率は10.0%(前連結会計年度は5.9%)となりました。また、1株当たり当期純利益は177.77円(前連結会計年度は98.02円)となりました。
以上の結果、当社の財政状態の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産総額は78,229百万円、負債総額は68,046百万円、純資産10,183百万円となっております。
当連結会計年度末の資産総額78,229百万円は、前連結会計年度末68,789百万円に比べて9,440百万円増加しております。この内訳は、流動資産が9,217百万円、及び固定資産が222百万円増加したものであり、主に「保管有価証券」が1,658百万円、及び流動資産の「その他」が160百万円減少した一方、「差入保証金」が7,169百万円、及び「委託者先物取引差金」が3,571百万円増加したことによるものであります。なお、流動資産の「その他」の主な内訳は受渡に係る委託者未収金138百万円の減少となっております。
当連結会計年度末の負債総額68,046百万円は、前連結会計年度末59,493百万円に比べて8,552百万円増加しております。この内訳は、流動負債が8,743百万円増加し、固定負債が191百万円減少したものであり、主に「預り証拠金代用有価証券」が1,658百万円減少した一方、「預り証拠金」が8,420百万円、及び「金融商品取引保証金」が868百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産10,183百万円は、前連結会計年度末9,296百万円に比べて887百万円増加しております。この内訳は、主に株主資本が772百万円、及びその他の包括利益累計額が114百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の自己資本比率は13.0%(前連結会計年度末は13.5%)となっております。
なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて327百万円の増加となり、5,025百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動による資金の取得は、491百万円(前年同期は1,127百万円の使用)となりました。これは、「差入保証金」及び「委託者先物取引差金」の増加による資金の使用があったものの、「預り証拠金」の増加、「税金等調整前当期純利益」による資金の取得等によるものであります。
当連結会計年度における投資活動による資金の使用は、294百万円(前年同期は47百万円の使用)となりました。これは、保険積立金の解約による収入等があったものの、有形固定資産及び無形固定資産等の取得による支出等によるものであります。
当連結会計年度における財務活動による資金の取得は、83百万円(前年同期は539百万円の使用)となりました。これは、短期借入金及び長期借入金の返済があったものの、短期借入による収入等によるものであります。
(単位:千円)
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(単位:千円)
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(単位:枚)
(注)1. 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
2. 商品デリバティブ取引の主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:枚)
3. 商品デリバティブ取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金(標準取引)1枚は1,000グラムというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
(単位:枚)
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
経営者の視点による当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。
当連結会計年度における当社の状況は、商品デリバティブ取引部門の委託売買高の状況は前年同期1,373千枚に対し当期1,207千枚と165千枚減少しております。これはロシアのウクライナ侵攻を受けて穀物市場及び原油市場が高値圏で不安定な値動きとなり、投資家から敬遠された結果、両市場の委託売買高はそれぞれ前年同期比52.1%減、及び前年同期比58.3%減となり、商品デリバティブ取引の委託売買高の減少の主因となっております。しかし、貴金属市場の主要銘柄である金市場ではウクライナ情勢が緊迫する中、有事の際に注目される金に投資資金が集中し、貴金属市場の委託売買高は前年同期比13.0%増となり、商品デリバティブ取引手数料収入の増加の主因となっております。
また、金融商品取引部門の委託売買高の状況は前年同期2,220千枚に対し当期4,221千枚と2,001千枚増加しております。主な要因は新型コロナウイルスの長期化による経済活動への影響が重石となっているものの、㈱東京金融取引所が2020年10月に取引所株価指数証拠金取引において、これまでの取引及び商品仕様を変更し、最長約15ヶ月間を保有期間とするリセット付きの商品を揃え、同時にNYダウの取引サイズを引き下げ、また当期はNASDAQの新規銘柄上場等、投資家の利便性を追求したことが影響し前連結会計年度に比べ金融商品取引手数料収入の増加に貢献しました。
このような結果、当連結会計年度の経営成績は、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業ともに受入手数料及び自己売買取引による利益が前連結会計年度に比べそれぞれ増加し、営業損益、経常損益ともに利益を計上、親会社株主に帰属する当期純利益は975百万円(前年同期は536百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)を計上しました。
当社の収益の柱は、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の2つに分けられます。収益比率では、前連結会計年度に引続き、金を中心とした商品デリバティブ取引業の手数料収入が収益の大きな割合を占めました。おおよその割合は商品デリバティブ取引業が75%、金融商品取引業が25%となっております。
当社の当連結会計年度末における連結ベースのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要の②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。また、株主還元につきましては、「第4「提出会社の状況」の3「配当政策」」に記載しております。
当社の資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、巨額の資金需要に対応する場合などは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保、財務の健全性及び安定性を維持するため、銀行等から借入を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向総合的に勘案しながら最適な調達を実施しております。
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。当該課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
訴訟損失引当金の認識は、商品取引事故及び金融商品取引事故等による損失に備えるため、損害賠償請求等に伴う損失の見込額のうち、商品取引責任準備金及び金融商品取引責任準備金の期末残高を勘案して訴訟損失引当金を計上しておりますが、当社に対する新たな訴訟の提起や判決等により見積りと異なった場合、訴訟損失引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、重要な会計上の見積りについての詳細は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(重要な会計上の見積り)」に記載されております。
また、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。