第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)が判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は、公正な価格決定機能等を有する商品市場機構の一構成員として、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の経済的、社会的役割を認識し、それに基づいて市場参加者(投資者)の信頼と期待に応えるべく事業運営を推進したいと考えております。このような観点から、当社は「お客様第一主義」を企業理念に掲げており、今後もさらにこれを継続し、一層充実したものとして次のような営業活動を展開していく方針であります。

第一に、良質で鮮度のある情報を迅速かつ的確にお客様に提供することであります。動画コンテンツを活用した当社オフィシャルチャンネルでの個人投資家に向けたタイムリーなマーケット情報配信に取り組み、新規顧客獲得及び顧客育成機会として一定の効果を得ていた会場型セミナーを開催しております。また、大手商社や海外の関係会社等(マレーシア等)から入手した情報を分析し、お客様一人ひとりと顔を合わせ、膝と膝を突き合わせた対面営業を通じて提供しておりますが、さらに一層充実したものにいたします。

第二に、多様化する投資ニーズに応じた商品の提供であります。お客様の資産運用方法に従い商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」、取引所為替証拠金取引「Yutaka24」、及び株価指数先物取引並びに証券媒介取引として株式売買、投資信託及び債券の販売等のサービスを提供してまいります。

第三に、お客様に総合的な企画や提案のできる社員をより多く育成し、さらに一層レベルアップしてまいります。

当社は、このように「お客様重視の営業」を経営方針としてこれからも継続してまいりたいと考えております。

(2) 経営戦略等

当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。ここ数年、業界を取り巻く状況は大きく変化しております。まさに激動する経営環境下において当社は、安定的な収益基盤の確保及び顧客層の拡大を図るべく、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」の預り資産を拡大するとともに、中期経営計画に基づき、早期に㈱東京証券取引所の総合取引参加者資格取得を目指し、経営環境の変化に柔軟に対応できる組織、人材の育成等経営基盤の強化に努め、企業価値を高めるべく、その最大化の実現に向けて努力する所存であります。

当期の経営戦略「安定的な収益基盤の確保及び顧客層の拡大」についての評価及び結果については、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」の預り資産は5,258百万円(前年同期4,850百万円)及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」の預り資産は4,987百万円(前年同期4,019百万円)とほぼ目標を達成しております。

また、証券株価指数先物等取引の取引は2022年1月17日より取扱いを開始し新規顧客層の拡大を図るべく努めてまいります。

(3) 目標とする経営指標

当社は、企業価値の拡大を通して株主の皆様へ安定した配当を継続、維持することを基本理念として掲げており、一層の利益還元に努めてまいります。また、自己資本規制比率や純資産額規制比率の充実及び顧客の預り資産、口座数等の拡大に向けて取り組んでおります。

なお、自己資本規制比率及び純資産額規制比率は「3「事業等のリスク」の(4)自己資本規制比率及び純資産額規制比率について」に記載しております。

(4) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)及び(2)に記載の経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
顧客の預り資産、口座数等の拡大

当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業は、市場での売買高が減少傾向にあり、業界にとって厳しい事業環境にあります。また、商品デリバティブ取引は「不招請勧誘の禁止」が適用されるため、個人投資家からの招請による場合を除き、当社において一定の金融取引経験者であって、かつ適合性をクリアした個人投資家を対象とした対面営業となります。このような厳しい事業環境に対応すべく、当社は業界最大規模の営業スタッフと全国11本支店のネットワークで、特に㈱大阪取引所の貴金属市場及び東京商品取引所のエネルギー市場においては、今後も十分かつ適切な教育の継続により個人投資家のニーズに応えるとともに、業界最大規模の法人委託者(当業者)からの受託の拡大を図り顧客の預り資産を増大させていくよう努めてまいります。

当社の第二の主要な事業である金融商品取引業は、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」、取引所為替証拠金取引「Yutaka24」及び株価指数先物取引の3つのサービスを提供しております。当社では会場型の金融セミナーの運営を販売チャンネルの軸として、全国各地で金融セミナーを開催し口座数等の拡大及び個人投資家への啓発に努めております。データとデジタル技術を活用した当社の動画コンテンツ「ゆたかTV」にて商品市場、証券市場及び為替市場等を主体としたバリエーション豊富な番組配信を積極的に行い、2021年1月の提供開始から約2年で登録者数3万人となっております。今年度も、ウィズコロナの生活様式が定着する中において、会場型セミナーの主たる集客メディアとして動画コンテンツ「ゆたかTV」の動画配信を主体として集客に努め、会場型セミナーの開催を26回予定し、当社の商品に興味を持つ招請意思のあるお客様に参加していただき、新規口座数を拡大することが重要な課題と考えております。

このような施策により顧客の預り資産、口座数等の拡大による安定的な収益基盤を確保してまいります。

(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

当社は、お客様に信頼頂ける企業集団となるべく、コンプライアンス部による従業員に対するコンプライアンス研修及び外部のオンライン研修等を実施することで、コンプライアンス態勢の強化及び維持に向けて一層注力してまいります。

また、情報ネットワーク社会において大切なお客様情報を守る為に、情報セキュリティ環境の向上及び維持に向けて最大限の努力を図ってまいります。

当社は、これらの課題に真摯に取り組み、実効性があるものにするとともに企業価値の向上に努める所存であります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)のサステナビリティに係る中期的な経営戦略を中期経営計画において示しております。具体的には持続的成長に係る3つの重要事項、持続可能性に係る5つの重要事項を両立させるSDGs経営を目指してまいります。

 ※ 中期経営計画

 http://www.yutaka-trusty.co.jp/src/img/chuuki_keiei_keikaku.pdf

サステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1) ガバナンス

当社は、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティに配慮した経営を目指しており、代表取締役社長安成政文がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。

代表取締役社長の諮問機関として経営リスク管理委員会を設置しております。委員会は適宜、サステナビリティに係る当社の在り方を提言することを目的として協議等を行い、代表取締役社長へ報告します。代表取締役社長又は委員会は当該協議等の内容を取締役会へ報告しております。

取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。経営リスク管理委員会で協議等された内容の報告を受け、当社のサステナビリティのリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての審議・監督及び決定を行っております。

また、代表取締役社長が議長を務める役付取締役で構成される常務会を設置しており、取締役会で決定された対応方針及び実行計画等の執行状況等に対する審議を行うために適宜開催しております。

 

(2) 戦略

  当社における、人材の育成及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。

 人材育成基本方針

  当社は中期経営計画に基づき、これまでに培った「デリバティブ市場」での経験に加え、現物株式や投資信託と 

 いったさまざまな金融商品の販売等を通じ、お客様の資産形成にさらなる貢献をしていく所存であります。そのた

 めには、「デリバティブ市場」に関するスキルを今まで以上に磨き上げると同時に、新たに取り扱う金融商品の知

 識取得や勧誘等に向け、社員を教育したり、経験豊富な人材を採用したりする必要があります。もちろん、コンプ

 ライアンス部門の重要性が格段に増すことから、コンプライアンス体制を強化しなければなりません。

  社内での人事や教育、研修を一元に管理し、司令塔の役割を担う「人事部」を強化し、入社から退職まで一貫し

 て従業員に寄り添うことで、従業員一人ひとりが知識や実践力を深め、切磋琢磨しながら自らの能力を最大限に発

 揮して、お客様や社会の信頼に応えてまいります。

 社内環境整備方針

   中長期的な企業価値の向上と当社の企業理念の「お客様第一主義」を遂行するためには、多様化するお客様のニ

 ーズに合わせた金融サービスを提供する人材の育成を進めつつ、専門性や経験、感性、価値観といった、知と経験

 のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要になると考えております。
  性別や年齢、国籍などに関係なく様々な人が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍

 する活力のある組織の構築を推進していくとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加

 え、即戦力として期待できる専門知識を有する人材の中途採用も積極的に行っております。具体的には次の環境を

 整備しております。

 ① 教育・研修
  入社時や昇格時、担務・役職に応じた教育・研修を積極的に実施し、自らがステップアップするとともに、お客

 様や会社、地域社会等への貢献に対する意欲を高めます。同僚や上司だけでなく、外部から講師を招く講演会を開

 催するほか、経済団体等が主催する各種セミナーを少なくとも1年に1回は受講する機会を設けております。
 ② 資格取得等を支援
  営業職は今後の各種金融商品の販売・資産形成プランニングを提供するために、ファイナンシャルプランナーや

 各種アナリスト資格、内勤職は営業との一体的な人事管理を実施するために証券外務員資格一種及び内部管理責任

 者資格、専門性向上のために行政書士や社会保険労務士等の士業資格、英検・TOEIC・TOEFL、簿記や秘書検定など

 の資格取得の支援を行っております。また、取得した資格が会社にとって有益であると認められる場合には、当該

  資格に対して手当の支給を行っております。
 ③ キャリアの採用
  イノベーションの創出に向けて、女性活躍を促すことに加え、多様な知識・経験を持ったキャリアの採用を行

 い、その際登用すべき地位・役職のレベルについても、その能力が最も発揮されるように検討を行っております。

  また、従業員の定着率を向上させるため、ワークライフバランスを整えながら、従業員一人ひとりが働きがいを

 持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい環境の整備に努めて

 まいります。具体的には、次の環境を整備しております。
 ① モチベーション向上
  従業員のモチベーション向上に向けた取り組みを強化してまいります。具体的には、次のとおりであります。
  ・ 初任給引き上げに伴う給与水準の見直し
  ・ 人事考課制度・内容の見直しによる多角的な評価
  ・ 福利厚生の充実  
 ② ワークライフバランス
  2023年4月より当社従業員の残業時間削減に取り組み、従業員の約7割を占める営業部所属従業員1人1か月

 当たりの平均残業時間は次のように削減できました。引き続き、残業時間削減を継続してまいります。

2022年度

2023年4月

約25時間

約6時間20分

 

 ③ 副業・兼業の多様な働き方
  従業員が企業・社会に貢献しようとする主体的な意思を尊重し、社外の副業・兼業を行えるように環境を整備し

 ております。

 ④ 女性活躍に向けた取組
  女性従業員が働きやすい環境を整備しております。具体的には、次のとおりです。
  ・ 育児休業を子が3歳に達するまで取得可能
    育児休業取得後の職場復帰は2021年度、2022年度、2年連続で100%を達成
  ・ 子の看護休暇について、子1人につき6日の有給休暇を付与
  ・ 育児短時間勤務は子が3歳に達した以降、従業員の諸事情を考慮して延長可能
  ・ 生理休暇を必要日数有給休暇で付与
  ・ 業務職(主に事務系の女性従業員)の基幹職への職種変更制度(職能給10号相当昇給)     

 

(3) リスク管理

当社において、全社的なリスク管理は経営リスク管理委員会が行っております。

 第4章「提出会社の状況」/4「コーポレート・ガバナンスの状況等」/(1)「コーポレート・ガバナンスの概要」/②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由/c.委員会(37頁)参照

 

(4) 指標及び目標

当社では、上記「(2)戦略」において記載した、人材の育成及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2025年までに10%

5.4%

男性労働者の育児休業取得率

2025年までに50%

33.3%

労働者の男女の賃金差異

2025年までに85%

73.6%

 

  ※ 人材育成基本方針

  http://www.yutaka-trusty.co.jp/src/img/jinzai_ikusei_kihon_housin.pdf

 

3 【事業等のリスク】

本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める所存であります。

本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社が判断したものであります。

(1) 当社の事業内容

① 商品デリバティブ取引業等の動向

当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。

当該市場には経済情勢、相場環境等に起因するさまざまな不確実性が存在しております。市場主義経済圏の拡大に伴い、商品(コモディティ)や金融商品は、グローバルに展開して行くなかで、取引形態の多様性と相まって価格変動と為替に晒されるリスクを内包しております。この価格変動と為替のリスクをヘッジする手法としての先物取引の重要性が経済的、社会的見地からますます高まってきております。

当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業では、㈱大阪取引所において国際的大型商品である金(ゴールド)及び白金(プラチナ)等の貴金属市場、並びに大豆及びとうもろこし等の農産物市場、並びにゴム市場が取引されております。㈱東京商品取引所においてはガソリン、原油及び電力等のエネルギー市場が取引され、両取引所ともに底堅く推移して行くものと期待されます。

2020年7月には総合取引所の本格稼働に伴い、商品デリバティブ取引の清算機構(アウトハウス型クリアリングハウス)である㈱日本商品清算機構が㈱日本証券クリアリング機構に統合され、信用リスク(取引先リスク)に対する安全性が国際水準程度に高まったことから、今まで信用リスクの観点から取引を見送っていた向きのある、国内はもとより海外の機関投資家の信用リスクに対する不安が一掃されると思われるため、その参加が大いに期待されます。

一方において市場の自由化及び国際化の進展に伴い、異業種、あるいは外資系企業からの参入が拡大する可能性があると予測されますので、既存の商品デリバティブ取引業者間との企業競争も含めて今後の動向次第では当社の経営環境に影響を及ぼす可能性があります。

② 受託業務と自己売買業務(自己ディーリング)

当社は商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業として委託者から受託業務を行うとともに、自己の計算による自己売買業務(自己ディーリング)を行っております。

a. 受託業務

当社の商品デリバティブ取引業に係る委託者は、リスク・ヘッジを主とする商品保有者(将来保有を含む)である商社等の法人委託者と、一方でリスクをとって収益機会を得ようとするリスク・テーカーと称される一般委託者(一般法人を含むが、大半は個人委託者)で構成されております。また、金融商品取引業に係る委託者はほぼすべてが一般委託者となっております。

商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引、取引所為替証拠金取引及び株価指数先物取引は、実際の商品の総代金ではなく、定められた額の保証金等を担保として預託することにより取引が行われることから、投資運用効率が高いと考えられます。この投資運用効率の高さは、大きな利益を得る機会をもたらす半面、ときにより大きな損失をこうむる場合があるため、一般委託者を中心とする市場参加者の動向は受託取引の多寡に関係し、業績(受入手数料)に影響を与えることとなります。

また、受託取引に伴う「預り証拠金」及び「金融商品取引保証金」、並びに「委託者未収金」及び「委託者未払金」等の債権債務、並びに㈱日本証券クリアリング機構及び取引所への預託額、並びに法人委託者との継続取引に伴う取引保証等の「差入保証金」等の増減は財政状態とキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

b. 自己売買業務(自己ディーリング)

一方、自己売買業務(自己ディーリング)は、受託業務に伴う市場流動性を確保するマーケット・メーカーとしての役割からリスクテイクする場合等がありますが、主として、収益機会を獲得するために当社独自の相場観により自己ディーリングを行っております。この自己ディーリングによる損益の状況は業績(トレーディング損益)に影響を及ぼすこととなります。当社は自己ディーリングを行うにあたり、専任部署と専任担当者を定め、社内規程に基づき、厳しい運用管理を行い、かつディーラーの育成強化に努めるなど収益の拡大に取り組んでおります。

(2) 当社の事業における法的規制

当社の主要な事業である商品デリバティブ取引業等を遂行するため、内閣総理大臣より金融商品取引業の登録並びに、農林水産大臣及び経済産業大臣(以下、「主務大臣」といいます。)より商品先物取引業者として許可を受けております。また、金融商品取引所及び商品取引所の定める取引参加資格を取得しております。

事業を遂行する上で金融商品取引法及び同法の関連法令、並びに商品先物取引法及び同法の関連法令、並びに金融商品取引所及び商品取引所の定めた受託契約準則、並びに自主規制機関による自主規制規則等の適用を受けております。また、この他に消費者契約法、個人情報保護法の適用を受けております。

 当社は、これらの諸法令規則等に抵触した場合には、許可及び登録の取消し、又は業務停止等の行政処分が行われることがあり、そのような場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 訴訟について

2023年3月末現在、特段に記載すべき重要な訴訟事件はありませんが、顧客との受託取引等に起因する重要な   訴訟やその他重要な請求の対象とされる可能性があります。当社の従業員である外務員が顧客との受託業務活動に おいて、会社が外務員の権限を内部的に制限している場合であっても、外務員の行った権限外の行為により第三者に損害が発生した場合には、所属会社が当該外務員の使用者として、当該第三者に対し損害賠償責任を負う可能性があります。このような損害賠償が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 自己資本規制比率及び純資産額規制比率について

自己資本規制比率は、金融商品取引法の規定に基づき内閣府令の定めにより算出することとしたものであります。当社の自己資本規制比率は、2023年3月末現在349.1%となっており、金融商品取引業者は、自己資本規制比率が120%を下回ることがないようにしなければならないと定められております。(同法第46条の6)

また、商品先物取引法及び同施行規則に基づき、純資産額規制比率による制限が設けられています。純資産額規制比率とは、純資産額の、商品デリバティブ取引につき生ずる相場の変動その他の理由により発生し得る危険に対応する額として主務省令で定めるところにより算出した額に対する比率であります。当社の純資産額規制比率は、2023年3月末現在725.0%ですが、120%を下回る事態が生じた場合には、主務大臣は商品先物取引業者に対し商品先物取引業の方法の変更を命じ、財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができます。また、100%を下回る場合には3ヶ月以内の期間を定めて業務の停止を命じることができ、業務停止命令後3ヶ月を経過後も100%を下回り、かつ、回復の見込みがないと認められるときは商品先物取引業者の許可を取り消すことができるとされております。(同法第235条)

当社は、自己資本規制比率及び純資産額規制比率が要求される水準を下回った場合には、自己資本規制比率に関しては内閣総理大臣から、純資産額規制比率に関しては主務大臣から業務の停止等を含む様々な命令等を受けることとなります。これらの結果によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 個人情報保護に関して

当社は、顧客の個人情報を扱う企業であることから、その社会的責任を認識し、個人情報管理に積極的に取り組み、当社における個人情報保護方針を制定し、2005年4月に施行された、いわゆる個人情報保護法に対応してきております。2006年2月には「プライバシーマーク」の認証を取得し、その後現在に至るまで2年ごとの更新審査を受け認証資格を維持しており、個人情報保護管理体制に適切に対処する旨努めております。また、「サイバーセキュリティ」を「情報セキュリティリスク」として明確化し、その対応に努めております。

しかしながら、顧客の個人情報や当社の機密情報が、不正なアクセスなど何らかの方法により外部に漏洩し、あるいは悪用された場合等には、損害賠償が発生する可能性があり、加えて当社の信頼を失うおそれがあり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) システム障害について

取引所の取引システムや当社の社内システムにおいて障害が発生した場合には、顧客等に与える影響は予測しがたいものがありますが、当社は、社内システムに関して安全性の確保を図る等、システム管理の徹底に努めております。

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、本項目において「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、ウィズコロナの生活様式が定着する中において、3月の日銀短観にて発表された業況判断指数(DI)は、大企業製造業においては原材料高を背景に素材業種の景況感が低迷したほか、世界的な半導体需要の落ち込みから関連業種も下振れしている一方、大企業非製造業においては個人消費やインバウンド需要の回復を背景に、消費関連業種の景況感が改善を見せております。先行きは、経済活動の正常化が一段と進むことにより、インバウンド需要が引き続き増加し、個人消費もサービス関連のリバウンド需要により、景気は回復する見通しではありますが、欧米を中心とした海外経済の減速が景気回復の重石となるリスクも含んでおります。

一方、世界経済は、米国では良好な雇用情勢の中において3月の米国供給管理協会(ISM)景況感指数は、製造業において巣ごもり消費の一巡や金融引き締め等を受けた財需要の減速を反映し、企業マインドは低迷する一方、非製造業は飲食、宿泊業などを中心に底堅さを維持しております。中国においてはゼロコロナ政策解除を機に移動規制措置の撤廃による人出の回復を反映して個人消費が急速に回復し、内需主導で景気の持ち直しの動きを見せております。先行きは米国においては良好な雇用環境や積みあがった貯蓄の取り崩しによる個人消費の下支えがあるものの、高インフレや政策金利の引き上げによる金融環境の引き締めが下押しとなり景気が減速すると予測され、中国においてはコロナ禍で積みあがった貯蓄を支えに個人消費の増勢が続き、当面は高めの成長となる見通しです。

証券市場においては、取引所株価指数取引(くりっく株365)は28,000円台でスタートしましたが、NYダウの下落や資源高による日本の経常赤字に対する懸念から下値を追う展開となり、5月に入ると26,000円を割り込みました。その後は米国でインフレ懸念の後退によるNYダウの反発を受けて国内市場も上昇、6月に入り28,000円台を回復しましたが、米連邦準備制度理事会(FRB)が米国連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の大幅利上げを発表、欧州中央銀行(ECB)も7月の量的緩和終了と利上げ方針を示すなどインフレ抑制による世界規模の景気減速懸念が株価の圧迫要因となり、国内市場も急落場面となりました。7月に入ると主要企業の好業績を受けて上昇、堅調なNYダウも支援要因となり8月には29,000円台まで上昇しました。しかしその後はFRBがインフレ抑制最優先のスタンスを明確にしたことや、9月に発表された米国の消費者物価指数(CPI)が予想を上回る上昇率となったことから、金融引き締めによる世界的景気減速懸念が強まり急落、9月末には26,000円を割り込みました。10月に入り、米国での利上げ減速観測からNYダウが上昇して国内市場にも波及し堅調な動きとなり、11月には28,000円台を回復しました。しかし12月に入ると、日銀の金融政策修正を受けて急落、26,000円を割り込んで年内の取引を終えました。1月の日銀政策決定会合では、予想されていた長期金利の変動許容幅の拡大がなされず現状維持であったことから上昇、27,000円台に至りました。その後も堅調に推移し3月には28,000円台後半まで値を伸ばしましたが、米中堅銀行の経営破綻を発端に、世界の金融市場に対する不透明感が広がり27,000円を割り込むなど荒い値動きとなりました。その後は米欧金融当局の素早い対策が功を奏して、市場は冷静さを取り戻し28,000円台を回復して年度内の取引を終えました。

商品市場においては、原油は石油輸出国機構(OPEC)の月報で、OPEC加盟国の産油量が微増にとどまり増産姿勢が消極的であることから、需給逼迫への警戒感から堅調なスタートとなりました。5月のOPECプラスの会合で大幅増産が見送られたことから需給逼迫懸念が強まりましたが、ロシアからの原油供給不安と米国の金融引き締めによる景気後退懸念との綱引きから保ち合い相場となりました。6月に入ると、欧州連合(EU)がロシア産石油輸入の原則禁止で合意したことを受けて90,000円台まで上昇しました。その後は世界の中央銀行による金融引き締めに伴う景気後退懸念が拡がる中、NY原油が100ドルを割り込んだことから国内市場も80,000円を下回りました。70,000円から75,000円程度での保ち合いの後、9月後半にはNY原油が76.25ドルまで下落したことから70,000円を割り込みましたが、10月のOPECプラスの会合にて、日量200万バレル減産で合意したことがサプライズとなり上昇、80,000円手前まで水準を戻しました。しかしその後は中国で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることや、世界景気の後退懸念が圧迫要因となり下落、年末は60,000円から65,000円での保ち合いに終始しました。その後、ゼロコロナ政策を止めた中国の経済正常化に伴い、エネルギー需要回復に対する期待から、67,000円まで上昇しましたが、2月に入りOPECプラスの合同閣僚監視委員会(JMMC)にて、現行の協調減産を維持する方針を確認したことから追加減産に対する警戒が後退し、下落場面となりました。その後、ロシアが原油生産量を日量50万バレル減らすと表明したことや、中国の強気な経済指標を受けて68,000円台まで値を戻しましたが、米中堅銀行の経営破綻をきっかけにスイス金融大手銀行にも経営不安が広がり、欧米の金融市場の動揺によるリスク回避の動きからNY原油が急落、国内市場も追随して一時55,000円を割り込みました。その後は過度なリスク警戒感が後退、61,000円台まで値を回復しました。

金は国内市場において円安ドル高が急激に進行した影響で価格が上昇し、上場来最高値を更新して8,160円を付けました。その後は修正局面から7,000円台中盤まで値を下げましたが、6月に入ると日銀による異次元金融緩和政策継続から日米金融政策の違いが強く意識され、円安ドル高が加速したことから再び8,000円台を回復しました。その後、6月のCPIが約40年ぶりの高い伸び率となったことを受けて、大幅利上げ観測を背景に7,400円台に下落しましたが、8月に入り米国下院議長の台湾訪問に中国が反発するなどの地政学的リスクの高まりから7,700円台まで値を戻しました。9月に入ると、円安ドル高を受けて7,900円台まで上昇、しかし日銀による1998年6月以来の円買い・ドル売りの為替介入により円高ドル安が進み、一時7,500円を割り込みました。その後、ロシアがウクライナ東・南部4州併合を宣言したことから地政学的リスクが再認識され急伸場面となりましたが、インフレを背景とした米国の利上げ継続見通しが上値を抑える形となり、10月から11月は7,700円から8,000円の保ち合いで推移しました。12月に入ると、日銀が金融政策方針の転換を示したことから円が急伸、一時7,605円まで下落しましたが、年末にかけては中国での新型コロナウイルス感染急拡大が世界的なリセッションに繋がるとの思惑から安全資産である金が買われ反発場面となりました。その後、8,000円台まで値を戻しましたが、2月に入り米国の好調な経済指標から利上げの長期化が意識され、7,800円台前半まで下落しました。しかし3月に入ると、米国での銀行破綻に端を発した金融不安を背景にリスクオフの買いが集まり上昇、8,463円と約1年ぶりに過去最高値を更新しました。

トウモロコシはロシア産とウクライナ産の穀物の出荷が滞るとの見方が市場を支配したことや、米国での作付遅延による供給量減少懸念からシカゴ市場は1ブッシェル当たり8ドルを突破、国内市場は為替の円安も支援要因となり5月早々に59,600円を付け、史上最高値を更新しました。その後、6月に入ると米国主要産地に降雨があり、天候に対する懸念が和らいだことから下落し、7月後半には43,000円台まで値を下げましたが、8月に入り、大豆価格の上昇や中国の旺盛な買い付けから反発場面となり、9月から10月にかけて50,000円台での推移となりました。11月に入ると、中国での新型コロナウイルス感染者急増を背景とした需要の鈍化懸念が圧迫要因となり下落、その後も金利上昇による世界的な景気後退が嫌気され、12月には一時43,000円台を割り込みました。その後は南米の主要産地での乾燥による生育懸念から年末にかけて値を戻す展開となりました。1月から2月にかけては、44,000円を挟んだ狭い値動きに終始しましたが、3月に入りアルゼンチンの生産量が大幅に減少するとの見方からシカゴ市場が上昇する一方で、円高ドル安の進行によりシカゴ市場の上昇が打ち消され、一時42,000円を割り込みました。

為替市場においては、FRBの高官が5月のFOMCにおいて0.5%の大幅利上げを示唆したことや、日銀が金融政策の現状維持を発表したことから130円台まで円安ドル高が進行しました。5月に入りFRBは市場予想どおりに0.5%の利上げを行いましたが、米国の景気後退への懸念から126円台まで円高ドル安が進行しました。6月に入ると、FOMCにおいて0.75%の大幅利上げを決めたことや、日銀が大規模金融緩和維持を決定したことから、円安ドル高の流れとなり7月には139円台まで円安ドル高が進行しました。しかし、米国の景気減速観測から米国長期金利が低下したことにより、8月上旬には一転して130円台まで円高ドル安が進行しました。その後、9月のFOMCで大幅利上げを決めた一方、日銀が大規模な金融緩和維持の継続を決定したことを受けて日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いの動きが優勢となり10月には32年ぶりに151円台まで円安ドル高が進行しました。11月に入ると、FOMCが利上げペースを下方修正したことから140円を割り込むなど円買い・ドル売りの動きが強まり、12月には日銀の金融政策修正を受けて130円台まで円高ドル安が進行しました。その後は更なる政策修正観測の高まりから127円台へ下落しましたが、金融政策が据え置かれたことや米国の好調な経済指標を受けて反発、3月には137円台まで上昇しました。その後は米中堅銀行の経営破綻を背景とした金融システム不安の高まりから一時130円を割り込みました。

このような環境のもとで、当社グループの当連結会計年度の商品デリバティブ取引の総売買高1,243千枚(前年同期比9.2%減)及び金融商品取引の総売買高3,936千枚(前年同期比8.8%減)となり、受入手数料6,972百万円(前年同期比11.8%増)、トレーディング損益153百万円の損失(前年同期は457百万円の利益)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は営業収益6,874百万円(前年同期比2.4%増)、純営業収益6,856百万円(前年同期比2.4%増)、経常利益1,605百万円(前年同期比9.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益888百万円(前年同期比8.9%減)となりました。

当社の経営成績の概要は次のとおりであります。

a. 営業収益

当連結会計年度の営業収益は6,874百万円(前年同期比2.4%増158百万円増加)となりました。受入手数料は6,972百万円(前年同期比11.8%増734百万円増加)、トレーディング損益は153百万円の損失(前年同期は457百万円の利益)、その他の営業収益は55百万円(前年同期比173.1%増35百万円増加)となりました。

b. 金融費用

当連結会計年度の金融費用は18百万円(前年同期比13.3%減2百万円減少)となりました。

c. 純営業収益

当連結会計年度の純営業収益は6,856百万円(前年同期比2.4%増161百万円増加)となりました。

d. 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は5,326百万円(前年同期比0.0%増1百万円増加)となりました。この主な内訳は、取引関係費が776百万円(前年同期比4.0%増・29百万円増加)、人件費が3,297百万円(前年同期比1.1%増・37百万円増加)、減価償却費が281百万円(前年同期比20.8%減・73百万円減少)となっております。

e. 営業利益

前連結会計年度に比べて純営業収益は161百万円増加し、販売費及び一般管理費は1百万円増加した結果、当連結会計年度の営業利益は1,529百万円(前年同期比11.7%増160百万円増加)となりました。

f. 営業外収益

当連結会計年度の営業外収益は84百万円(前年同期比12.1%減11百万円減少)となりました。この主な内訳は、受取利息が18百万円(前年同期比165.9%増・11百万円増加)、受取配当金が39百万円(前年同期比17.9%増・6百万円増加)、受取奨励金が2百万円(前年同期比73.0%減・7百万円減少)、貸倒引当金戻入額が6百万円(前年同期比78.7%減・22百万円減少)、為替差益が2百万円(前年同期比2百万円増加)、その他(雑収入等)が14百万円(前年同期比9.5%減・1百万円減少)となっております。

g. 営業外費用

当連結会計年度の営業外費用は8百万円(前年同期比263.3%増6百万円増加)となりました。この主な内訳は、投資事業組合運用損3百万円(前年同期比232.4%増・2百万円増加)、和解金5百万円(前年同期比5百万円増加)となっております。

h. 経常利益

前連結会計年度に比べて営業外収益は11百万円減少し、営業外費用は6百万円増加したものの、営業利益が160百万円増加したため、当連結会計年度の経常利益は1,605百万円(前年同期比9.7%増142百万円増加)となりました。

i. 特別利益

当連結会計年度の特別利益は7百万円(前年同期比81.7%減35百万円減少)となりました。この主な内訳は会員権売却益1百万円(前年同期比1百万円増加)、保険解約返戻金6百万円(前年同期比79.3%減・25百万円減少)となっております。

j. 特別損失

当連結会計年度の特別損失は149百万円(前年同期比248.6%増106百万円増加)となりました。この主な内訳は、固定資産除売却損が3百万円(前年同期比92.3%減・37百万円減少)、訴訟損失引当金繰入額が138百万円(前年同期比138百万円増加)となっております。

k. 税金等調整前当期純利益

前連結会計年度に比べて特別利益は35百万円減少し、特別損失は106百万円増加したものの、経常利益が142百万円増加したため、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は1,464百万円(前年同期比0.0%増0百万円増加)となりました。

l. 法人税等

当連結会計年度の法人税等は575百万円(前年同期比17.8%増86百万円増加)となりました。この主な内訳は、法人税、住民税及び事業税が567百万円(前年同期比11.1%増・56百万円増加)、法人税等調整額が8百万円(前連結会計年度は△21百万円)となっております。

 

m. 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は888百万円(前年同期比8.9%減86百万円減少)となりました。営業収益合計に対する比率は12.9%(前連結会計年度は14.5%)となっております。自己資本利益率は8.4%(前連結会計年度は10.0%)となりました。また、1株当たり当期純利益は161.83円(前連結会計年度は177.77円)となりました。

以上の結果、当社の財政状態の概要は次のとおりであります。

当連結会計年度末の資産総額は70,773百万円、負債総額は59,916百万円、純資産10,857百万円となっております。

当連結会計年度末の資産総額70,773百万円は、前連結会計年度末78,229百万円に比べて7,456百万円減少しております。この内訳は、固定資産が174百万円増加したものの、流動資産が7,630百万円減少したものであり、主に「保管有価証券」が4,113百万円、「差入保証金」が1,456百万円、「委託者先物取引差金」が2,200百万円それぞれ減少したものであります。

当連結会計年度末の負債総額59,916百万円は、前連結会計年度末68,046百万円に比べて8,129百万円減少しております。この内訳は、固定負債が158百万円増加したものの、流動負債が8,295百万円減少したものであり、主に「金融商品取引保証金」が1,349百万円増加した一方、「預り証拠金」が5,407百万円、「預り証拠金代用有価証券」が4,113百万円それぞれ減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産10,857百万円は、前連結会計年度末10,183百万円に比べて673百万円増加しております。この内訳は、主に株主資本が578百万円、及びその他の包括利益累計額が95百万円それぞれ増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の自己資本比率は15.3%(前連結会計年度末は13.0%)となっております。

なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて940百万円の増加となり、5,965百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の取得は、2,054百万円(前年同期は491百万円の取得)となりました。これは「預り証拠金」の減少、及び「法人税等の支払額」による資金の使用があったものの、「差入保証金」、「委託者先物取引差金」の減少、及び「金融商品取引保証金」、「その他」の増加や「税金等調整前当期純利益」による資金の取得等によるものであります。「その他」の内訳は、委託者保護基金預託金及び未払委託者差金であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の使用は、127百万円(前年同期は294百万円の使用)となりました。これは、敷金の回収及び保険積立金の解約による収入等があったものの、有形固定資産、無形固定資産及び投資有価証券の取得による支出等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の使用は、1,012百万円(前年同期は83百万円の取得)となりました。これは、短期借入による収入があったものの、短期借入金、長期借入金の返済及び配当金の支払によるものであります。

 

 

③ 商品デリバティブ取引業等
a. 当連結会計年度における商品デリバティブ取引業等の営業収益は次のとおりであります。
(受入手数料)

 (単位:千円)

区分

金額

前年同期増減比(%)

 

取引名及び市場名

商品デリバティブ取引

 

 

 

現物先物取引

 

 

 

農産物市場

12,475

△33.2

 

貴金属市場

5,199,389

17.3

 

ゴム市場

9,778

△58.2

 

エネルギー市場

192

△95.1

 

中京石油市場

301

△53.1

 

小計

5,222,136

16.5

 

現金決済先物取引

 

 

 

貴金属市場

61,267

△25.3

 

エネルギー市場

59,784

0.1

 

商品指数市場

85

△98.8

 

小計

121,137

△18.5

 

国内市場計

5,343,274

15.4

 

海外市場計

30,878

68.1

 

商品デリバティブ取引計

5,374,152

15.6

金融商品取引

 

 

 

取引所株価指数証拠金取引

1,294,613

△13.3

 

取引所為替証拠金取引

232,706

195.3

 

株価指数先物取引

68,023

367.0

 

証券媒介取引

796

2.8

 

国内市場計

1,596,139

0.5

 

海外市場計

2,495

7.1

 

金融商品取引計

1,598,635

0.5

合計

6,972,787

11.8

 

 

(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。

 

 

(トレーディング損益)

 (単位:千円)

区分

金額

前年同期増減比(%)

 

取引名及び市場名

商品デリバティブ取引

 

 

 

現物先物取引

 

 

 

農産物市場

△100.0

 

貴金属市場

△198,691

 

ゴム市場

764

△56.9

 

小計

△197,927

 

現金決済先物取引

 

 

 

貴金属市場

 

エネルギー市場

9,631

△68.1

 

商品指数市場

 

小計

9,631

△67.8

 

国内市場計

△188,295

 

海外市場計

 

商品デリバティブ取引計

△188,295

金融商品取引

 

 

 

取引所株価指数証拠金取引

13,123

 

取引所為替証拠金取引

9,116

65.2

 

株価指数先物取引

△100.0

 

国内市場計

22,239

252.0

 

海外市場計

 

金融商品取引計

22,239

252.0

商品売買損益

 

 

 

貴金属等現物売買取引

12,069

△25.8

 

商品売買損益計

12,069

△25.8

合計

△153,986

 

 

(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。

 

 

b. 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引等の売買高に関して当連結会計年度中の状況は次のとおりであります。
(売買高の状況)

(単位:枚)

区分

委託

自己

合計

 

取引名及び市場名

 

前年同期
増減比

(%)

 

前年同期
増減比

(%)

 

前年同期
増減比

(%)

商品デリバティブ取引

 

 

 

 

 

 

 

現物先物取引

 

 

 

 

 

 

農産物市場

12,906

△91.8

△100.0

12,906

△93.8

貴金属市場

745,405

16.4

78,926

△23.4

824,331

10.9

ゴム市場

12,797

△41.8

282

△89.2

13,079

△46.8

エネルギー市場

90

△98.3

90

△98.3

中京石油市場

645

△58.0

645

△58.0

小計

771,843

△6.7

79,208

△49.0

851,051

△13.4

現金決済先物取引

 

 

 

 

 

 

貴金属市場

48,002

△25.1

24

△20.0

48,026

△25.1

エネルギー市場

245,153

4.0

3,010

△51.2

248,163

2.6

商品指数市場

17

△98.8

△100.0

17

△99.0

小計

293,172

△2.7

3,034

△52.9

296,206

△3.7

国内市場計

1,065,015

△5.6

82,242

△49.1

1,147,257

△11.1

海外市場計

96,258

20.9

96,258

20.9

商品デリバティブ取引計

1,161,273

△3.9

82,242

△49.1

1,243,515

△9.2

金融商品取引

 

 

 

 

 

 

 

取引所株価指数証拠金取引

3,380,060

△17.5

21,669

△63.1

3,401,729

△18.2

取引所為替証拠金取引等

404,220

282.0

97,654

182.9

501,874

257.7

株価指数先物取引

15,092

520.8

290

0.0

15,382

465.3

国内市場計

3,799,372

△9.7

119,613

27.9

3,918,985

△8.9

海外市場計

17,293

22.4

17,293

22.4

金融商品取引計

3,816,665

△9.6

119,613

27.9

3,936,278

△8.8

合計

4,977,938

△8.3

201,855

△20.9

5,179,793

△8.9

 

 

(注)1. 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。

2. 商品デリバティブ取引の主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。

(単位:枚)

取引所名

銘柄名

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

2022年3月31日)

取引所名

銘柄名

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

2023年3月31日)

委託売買高

割合(%)

委託売買高

割合(%)

大阪取引所

金(標準取引)

344,831

28.6

大阪取引所

金(標準取引)

511,643

44.1

東京商品取引所

東京原油

233,434

19.4

東京商品取引所

東京原油

243,166

20.9

大阪取引所

白金(標準取引)

286,216

23.7

大阪取引所

白金(標準取引)

228,625

19.7

 

 

3. 商品デリバティブ取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金(標準取引)1枚は1,000グラムというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。

 

c. 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引業等に関する売買高のうち当連結会計年度末において反対売買等により決済されていない建玉の状況は次のとおりであります。
(未決済建玉の状況)

(単位:枚)

区分

委託

自己

合計

 

取引名及び市場名

 

前年同期
増減比

(%)

 

前年同期
増減比

(%)

 

前年同期
増減比

(%)

商品デリバティブ取引

 

 

 

 

 

 

 

現物先物取引

 

 

 

 

 

 

農産物市場

969

△50.4

969

△50.4

貴金属市場

24,588

△7.7

24,588

△7.7

ゴム市場

361

△39.6

361

△39.6

エネルギー市場

△100.0

△100.0

中京石油市場

小計

25,918

△11.8

25,918

△11.8

現金決済先物取引

 

 

 

 

 

 

貴金属市場

10,659

△13.4

10,659

△13.4

エネルギー市場

11,629

△33.4

11,629

△33.4

商品指数市場

2

△84.6

2

△84.6

小計

22,290

△25.2

22,290

△25.2

国内市場計

48,208

△18.5

48,208

△18.5

海外市場計

1,915

231.9

1,915

231.9

商品デリバティブ取引計

50,123

△16.1

50,123

△16.1

金融商品取引

 

 

 

 

 

 

 

取引所株価指数証拠金取引

44,883

△39.6

1

44,884

△39.6

取引所為替証拠金取引等

29,972

31.1

29,972

31.1

株価指数先物取引

958

264.3

958

264.3

国内市場計

75,813

△22.2

1

75,814

△22.1

海外市場計

139

6,850.0

139

6,850.0

金融商品取引計

75,952

△22.0

1

75,953

△22.0

合計

126,075

△19.8

1

126,076

△19.8

 

 

(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社が判断したものであります。

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。

当連結会計年度における当社の状況は、商品デリバティブ取引部門の委託売買高の状況は前年同期1,207千枚に対し当期1,161千枚46千枚減少しております。これはコメ先物取引の上場廃止による農産物市場における委託売買高の減少によるものであり、同市場の委託売買高は前年同期比91.8%減少となっており、商品デリバティブ取引部門の委託売買高の減少の主因となっております。しかし、貴金属市場の主要銘柄である金市場では国内市場における円安ドル高の影響や3月の米中堅銀行の経営破綻に端を発した金融不安を背景にしたリスクオフの買いが集まり価格が上昇し、8,463円の過去最高値を更新した反面、6月に米国消費者物価指数(CPI)の約40年ぶりの高い伸び率を受けた米国連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅利上げを背景にして7,400円台に下落する場面も発生するなどの大きな値動きがあったことから取引が集中しました。貴金属市場の委託売買高は前年同期比16.4%増加となり、商品デリバティブ取引手数料収入が前年同期比15.6%増加したことの主因となっております。

また、金融商品取引部門の委託売買高の状況は前年同期4,221千枚に対し当期3,816千枚404千枚減少しております。これは取引所株価指数証拠金取引におけるNYダウリセット付証拠金取引の委託売買高の大幅な減少によるものであり、主力商品である日経225リセット付証拠金取引も、28,000円台でスタートし、5月には26,000円を割り込み、9月には29,000円台まで上昇する場面もありましたが、資源高による日本の経常赤字に対する懸念、NYダウの動向、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ、12月の日銀金融政策の修正、及び3月の米中堅銀行の経営破綻による世界の金融市場に対する不透明感等の影響を受けたものの、28,000円台で年度内の取引を終えたことにより昨年度よりも値動きが少なかったことから委託売買高は減少しました。取引所株価指数証拠金取引の委託売買高は、前年同期比17.5%減少となっております。しかし、取引所為替証拠金取引等における主力商品である米ドル円の証拠金取引は、FRBの利上げ、日銀の大規模な金融緩和の維持とその後の金融政策修正、及び3月の米中堅銀行の経営破綻による金融不安の高まり等の影響を受け、121円台から150円台の間で大きく相場が動いたことから大幅に委託売買高が増加しました。取引所為替証拠金取引の委託売買高は、前年同期比282.0%増加となっており、金融商品取引部門の取引手数料収入が小幅ながら前年同期比0.5%増加したことの主因となっております。

このような結果、当連結会計年度の経営成績は、トレーディング損益が153百万円の損失(前年度は457百万円の利益)だったものの、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業ともに受入手数料が前連結会計年度に比べそれぞれ増加し、営業損益、経常損益ともに利益を計上、親会社株主に帰属する当期純利益は888百万円(前年同期は975百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)を計上しました。

当社の収益の柱は、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の2つに分けられます。収益比率では、前連結会計年度に引続き、金を中心とした商品デリバティブ取引業の手数料収入が収益の大きな割合を占めました。おおよその割合は商品デリバティブ取引業が77%、金融商品取引業が23%となっております。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当連結会計年度末における連結ベースのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要の②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。また、株主還元につきましては、「第4「提出会社の状況」の3「配当政策」」に記載しております。

当社の資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、巨額の資金需要に対応する場合などは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保、財務の健全性及び安定性を維持するため、銀行等から借入を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向総合的に勘案しながら最適な調達を実施しております。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

(繰延税金資産)

繰延税金資産は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。当該課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

(訴訟損失引当金)

訴訟損失引当金の認識は、商品取引事故及び金融商品取引事故等による損失に備えるため、損害賠償請求等に伴う損失の見込額のうち、商品取引責任準備金及び金融商品取引責任準備金の期末残高を勘案して訴訟損失引当金を計上しておりますが、当社に対する新たな訴訟の提起や判決等により見積りと異なった場合、訴訟損失引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。

なお、重要な会計上の見積りについての詳細は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(重要な会計上の見積り)」に記載されております。

また、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。