第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している以下の主要なリスクが発生しております。

なお、文中の将来に関する事項は、主に当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(上場廃止リスク等について)

(1)特設注意市場銘柄指定及び上場契約違約金徴求の理由

 当社は、株式会社東京証券取引所から以下の指摘を受けております。

 第一商品株式会社(以下「同社」という。)は、2020年4月30日、同社における不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、同年5月1日に過年度の決算短信等の訂正を開示しました。

 これらにより、同社では、長年にわたり歴代の代表取締役らが主導して、回収不能となっていた貸付金の回収偽装及び証拠金残高が不足した委託者に対する未収入金債権の回収偽装による貸倒引当金戻入益の過大計上、並びにこれらの偽装に用いる資金を捻出するための広告宣伝費の架空計上等の不適切な会計処理が行われていたことが明らかになりました。

 その結果、同社は、2015年3月期から2020年3月期第3四半期までの決算短信等において上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、2018年3月期及び2019年3月期では訂正によって各段階利益が赤字から黒字へ逆転することなどが判明しました。

 こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。

・一連の不適切な会計処理は、取締役会長の意向を絶対視した代表取締役社長が主導して貸付金の回収偽装を開始し、これに続く歴代の代表取締役社長がそれを止めることなく引き継いだ上、架空の広告宣伝費を増額して未収入金債権の回収を偽装するまでに発展させるなど、経営トップのコンプライアンス意識が著しく欠知していたこと・多額の貸付金の資金使途や回収遅延の経緯といった重要な議案の中身を取締役会で質疑した形跡がないなど、取締役会による業務執行に対する牽制や監督が適切に機能していたとは認められないこと

・監査役は、取締役会に出席するも、重要な意思決定に際して取締役による職務執行を牽制するような質問や指摘等を行った形跡がなく、適正な監視機能を果たしていたとは認められないこと

・内部監査を軽視する取締役会長の姿勢を受け、内部監査部門の人員は慢性的に不足し、長期間にわたり支店監査を実施した形跡もなく、書類の押印漏れといった表層的な指摘のみにとどまるなど、実効的な内部監査が行われていたとは認められないこと

・一部の役職員は広告宣伝費の異常性を認識しながら指摘や内部通報等を行うこともなく、複数の部署の担当者は代表取締役社長からの明らかに異常な指示に盲目的に従っていたなど、全社的にもコンプライアンス意識が著しく希薄であったこと

 本件は、投資者の投資判断に相当な影響を与える開示が適切に行われていなかったものであり、同社の内部管理体制等については改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することとします。

 また、同社において、歴代の代表取締役社長が主導して長年にわたり不適切な会計処理が行われていたことを踏まえると、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を致損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることといたします。

(2)特設注意市場銘柄指定日

2020年7月11日(土)

(3)特設注意市場銘柄指定期間

 2020年7月11日から原則1年間とし、1年後に当社から内部管理体制確認書を提出、株式会社東京証券取引所が内部管理体制等の審査を行い、内部管理体制等に問題があると認められない場合には指定が解除になります。一方で、内部管理体制等に問題があると認められる場合には、原則として上場廃止となります。ただし、その後の改善が見込まれる場合には、特設注意市場銘柄の指定を継続し、6ヶ月間改善期間が延長されます。なお、特設注意市場銘柄指定中であっても内部管理体制等の改善見込みがなくなったと認められる場合には、上場廃止となります。

(4)上場契約違約金について

 当社は、株式会社東京証券取引所に対し、上場契約違約金2,000万円の支払いを行いました。

(5)今後の対応

 当社は2020年5月1日付で再発防止策の骨子を策定および公表し、2020年12月15日付で改善計画・状況報告書(原因の総括と再発防止策の進捗状況)を公表しております。内部管理体制等を早急に整え、指定の解除が受けられるよう役職員が一丸となり、信頼回復に向けて、誠心誠意、最大限の努力を尽くしてまいります。

 

(継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況について)

当社グループは、当社の事業譲渡による営業収益の90%以上を占める貴金属先物事業の喪失、早期退職種募集等による従業員数の85%減少、本社を除く全営業店(10店舗)の閉鎖などにより、従前の企業活動を継続することが困難な状況にあり、株式会社東京証券取引所による特設注意市場銘柄指定により上場継続にも懸念が出ており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

当社は、当該状況を解消すべく、情報サービス等の特色ある営業手法などの導入により子会社であるOKプレミア証券株式会社の業績向上及び新規事業の開発によって当社グループの業績回復を図ってまいります。また、2020年5月1日付で公表した再発防止策(改善措置)及び2020年12月15日付で公表した改善計画・状況報告書(原因の総括と再発防止策の進捗状況)にもあるように、内部管理体制等を早急に整えます。特にコンプライアンス意識を強化するため、コンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス研修を開催するなど恒常的な周知活動を開始しており、継続してまいります。特設注意市場銘柄指定による上場廃止を回避できるよう役職員が一丸となり、信頼回復に向けて、誠心誠意、最大限の努力を尽くしてまいります。

一方で、当社グループは当第3四半期連結会計期間末日に現金及び預金として23億円保有し、純資産も約56億円となっており、コスト削減の効果も第4四半期以降に表れることから、当面の事業の展開・継続を図るに足る十分な現金及び預金を有しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

(証券取引等監視委員会による開示検査について)

当社は、証券取引等監視委員会より、金融商品取引法に基づく開示検査を受けております。当社は、この事実を真摯に受け止め、開示検査に協力しておりますが、今後、開示検査の結果によっては、当社は課徴金納付等の行政処分を受けることとなり、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、主に当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

なお、第1四半期連結累計期間より四半期連結財務諸表を作成しておりますので、前年同四半期等との比較分析は一部行っておりません。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におきましては、全世界的な新型コロナウイルス感染症の拡がりによる今後の世界経済への不透明感はあるものの、各国の中央銀行が通貨供給量を増やしており、株式市場や金市場などにおいてボラティリティの高まりを見せました。国内においては、戦後最長と思われていた景気回復が幻のものとならざるを得なくなったばかりか、景気が一時的に後退しているものと思われます。

当社グループにおきましては、第2四半期に当社の商品先物取引事業の大部分を譲渡したことから、それ以降は金融商品取引及び貴金属地金の現物売買などに注力することとなり、当第3四半期連結累計期間における受取手数料は580百万円となりました。

 

この結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

資産合計は、9,377百万円となりました。これは主に事業譲渡により商品先物取引に係る当社の差入証拠金等が9,729百万円減少した一方、令和2年5月25日付で取得した連結子会社に係る証券業における短期差入証拠金等が3,284百万円、投資有価証券が1,406百万円となったことによるものであります。

負債合計は、3,694百万円となりました。これは主に事業譲渡により商品先物取引に係る当社の預り証拠金が9,623百万円減少した一方、子会社に係る証券業における受入保証金等が3,122百万円となったことによるものであります。

純資産合計は、5,682百万円となりました。これは主に増資で資本金2,979百万円、資本剰余金2,928百万円となりましたが、利益剰余金が97百万円となったことによるものであります。

b.経営成績

営業収益は740百万円となりました。経費抑制は継続して行ったものの収益減少分を補えず、営業損失は1,130百万円となりました。経常損失については1,141百万円となりました。また、事業整理損失引当金繰入額360百万円(早期退職費用分約313百万円、事業所廃止費用等約47百万円)、上場契約違約金20百万円が特別損失で計上され、事業譲渡益793百万円、退職給付に係る負債戻入額73百万円が特別利益で計上され、親会社株主に帰属する四半期純損失は630百万円となりました。

なお、当社は令和2年5月にOKプレミア証券株式会社を完全子会社化し、第1四半期より、同社を連結子会社とする連結決算に移行しましたが、みなし取得日を第1四半期連結会計期間末日としているため、被取得企業である同社の第1四半期の業績に関しては、第3四半期連結累計期間に係る四半期連結損益計算書には含まれておりません。

新型コロナウイルス感染症につきましては、当社グループの対面営業活動への影響が考えられますが、世界的な被害状況が市況に一定の影響を与える可能性もあり、今後の当社グループの業績への影響は合理的には見通せない状況となっております。

 

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、以下のように変更しております。

1.経営方針

当社は、令和2年10月に、企業理念を「人と社会に貢献し、価値を創造する。」と致しました。これは今までの商品先物取引を中心に掲げた企業理念からの脱却を意味します。令和2年4月の第三者委員会の調査報告書の中の再発防止策等の提言にもあるように、当社にはステークホルダー不在の内向きかつ閉鎖的企業風土が情勢されていました。今後はこれを改め、健全な組織風土を醸成してまいります。上場会社として正確な財務情報を開示し、単なる法令にとどまらず社会規範をも順守することで、人と社会に貢献してまいります。

同時に三つの指針も掲げております。①常に人の役に立つために考え、行動しよう ②広く社会の役に立つために視野を広げよう ③すべてのものごとに感謝の気持ちで取り組もう、の3つであります。こうした経営理念及び指針を社内イントラネットのTOPページに掲げ、会社組織内の価値観として共有し、組織風土の改善をより強固なものといたします。

2.経営戦略等

前述のとおり、当社は企業理念を「人と社会に貢献し、価値を創造する」と致しております。当社は、これまで築き上げた金ビジネスに新たな価値観を付加することで社会ニーズにお応えしていきます。情報発信力の強化や新商品の開発、グループ子会社を通じた投資チャネルの提供も強化してまいります。また、投資・金融サービス事業というカテゴリーにこだわることなく、人と社会に貢献することを念頭に新たな分野を開拓していくことも検討してまいります。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 内部管理体制とコンプライアンス意識の強化

当社は令和2年4月30日に、当社における不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、長年にわたり歴代の代表取締役らが主導して、回収不能となっていた貸付金の回収偽装及び証拠金残高が不足した委託者に対する未収入金債権の回収偽装による貸倒引当金戻入益の過大計上、並びにこれらの偽装に用いる資金を捻出するための広告宣伝費の架空計上等の不適切な会計処理が行われていたことが明らかになりました。

これらは、全社的なコンプライアンス意識の欠如、取締役会による業務執行に対する牽制や監督が適切に機能していなかったこと、監査役が適正な監視機能を果たしていたとは認められないこと、実効的な内部監査が行われていなかったことに起因しております。

当社は令和2年5月1日付で公表した再発防止策(改善措置) 及び令和2年12月15日付で公表した改善計画・状況報告書(原因の総括と再発防止策の進捗状況)を踏まえた内部管理体制等の構築・運営を進める必要があります。さらに、コンプライアンス意識を強化するため、コンプライアンス委員会による恒常的な周知活動を継続していく必要があります。

② 新たな営業手法の導入や新規事業の開発による業績向上

当社グループは、当社の事業譲渡による営業収益の90%以上を占める貴金属先物事業の喪失、早期退職種募集等による従業員数の85%減少、本社を除く全営業店(10店舗)の閉鎖などにより従前の企業活動を継続することが困難な状況にあります。当該状況を解消するには、情報サービス等の特色ある営業手法などの導入により子会社であるOKプレミア証券株式会社の業績向上及び新規事業の開発によって当社グループの業績回復を図る必要があります。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。

(5)従業員数

令和2年12月末現在の従業員数は、当社が36名、当社グループで73名です。当社の令和2年7月における早期退職募集、事業譲渡及び支店廃止に伴い、当社従業員数は減少しております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

(6)主要な設備

当社の店舗閉鎖につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

(7)経営成績に重要な影響を与える要因

金融商品取引法及び商品先物取引法により不招請勧誘禁止等の勧誘規制が定められており、当社グループにおいては、より高いレベルの管理体制が求められております。

(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社は健全な財務基盤の確保を重視しており、運転資金及び設備資金全般につきましては、主に内部資金から資金調達をしております。

 

 

 

3【経営上の重要な契約等】

(資本業務提携)

当社は、2020年11月30日開催の取締役会において、クラウドバンク株式会社(以下「クラウドバンク」といいます。)に関する資本業務提携(以下「本資本業務提携」といいます。)に関する資本事業提携契約書(以下「資本事業提携契約書」といいます。)の締結及びクラウドバンクの株主であるCB戦略1号投資事業有限責任組合(以下「CB1号ファンド」といいます。)を割当先とする第三者割当による新株式(以下「本新株式」といいます。)の発行(以下「本第三者割当」といいます。)について決議いたしました。

クラウドバンクとの本資本業務提携の概要は、以下の通りです。

(1)資本提携の内容

 当社は、本資本業務提携に基づき、クラウドバンクの発行済株式の11株を取得するとともに、クラウドバンクの6.75%の普通株式を所有するCB1号ファンドに対して第三者割当の方式により当社新株式3,850,000株を割り当てることを決定しました。なお本資本業務提携に係る資本事業提携契約書には以下の追加取得条項が付されております。追加取得を行う場合の相手先はCB1号ファンドとなる予定であり、現在CB1号ファンドは11株を保有するのみでありますが、金田氏が本件取引後も保有する22株が金田氏よりCB1号ファンド譲渡されたのちに、当社とCB1号ファンドとの追加取得がなされる予定です。

a.追加取得条項の内容

 資本事業提携契約書締結日から令和3年3月31日までの期間に、クラウドバンクのクラウドバンキング事業における2021年3月期のクラウドバンクの管理会計上の連結営業収入(クラウドバンクグループ間取引の連結消去前)が939,730,000円以上及びクラウドバンクの顧客数が36,000人以上となった場合には以下①の条件で、それ以外の場合は以下②の条件でCB1号ファンドからクラウドバンクの普通株式を譲り受けることとします。

条件①

譲受株式の数     22株(譲受け後の当社の保有比率(前項のCB1号ファンドの現物出資によって当社が取得するクラウドバンク株式と併せて):20%)

譲受株式の金額    1株につき61,349,693円

譲受価額の総額    1,349,693,246円

条件②

譲受株式の数     22株(譲受け後の当社の保有比率(前項のCB1号ファンドの現物出資によって当社が取得するクラウドバンク株式と併せて):20%)

譲受株式の金額    1株につき52,150,000円

譲受価額の総額    1,147,300,000円

(2)業務提携の内容

 両社は、今後、当社の「金の第一」ブランド及び金取引に対するノウハウ並びにクラウドバンクグループのインターネット主体の顧客を基盤として、両社の事業シナジーの創出及び新規事業の検討・開発・実施をいたします。

 また、当社子会社のOKプレミア証券に対して、クラウドバンクグループが有する融資型クラウドファンディング事業のノウハウの提供を実施いたします。具体的な事業提携に関しては、今後両社の協議により確定いたしますが、現状では、OKプレミア証券にクラウドバンクが展開する融資型クラウドファンディングのサービスを提供いただき、それをOKプレミア証券の顧客に販売することを考えております。

 また当社の金地金取引に関しましては、投資単位を細分化した金地金の商品を日本クラウド証券と共同して開発し、日本クラウド証券の顧客に販売することを考えております。

 これらの施策によりOKプレミア証券及びクラウドバンクグループの両社が強みを持つ顧客に対し、金地金取引及び融資型クラウドファンディング事業取引を提供する新規事業を展開していく予定です。

a.業務提携の内容

① 当社が、クラウドバンクの商品、サービス等について、当社及び当社のグループ会社の有するブランド、金取引に対するノウハウ及び対面営業主体の顧客という経営資源を生かし、クラウドバンクの収益向上に向け協力すること。

② クラウドバンクが、当社の商品、サービス等について、クラウドバンク及びクラウドバンクのグループ会社が有する融資型クラウドファンディング事業のノウハウ及びインターネット主体の顧客資源を生かし、当社の収益向上に向け協力すること。

③ その他、当社及びクラウドバンクの企業価値を最大化するために、当社及びクラウドバンクが相互に協力し、お互いの利益となるように務めること。

b.役員派遣の内容

資本業務提携を実現するため、当社の取締役として、資本事業提携契約書に記載する候補者のうち、1名ないし2名が取締役として選定されるように、株主総会の招集及び開催を行う予定であります。