第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

当社グループの主たる事業である投資・金融サービス業においては、2004年の法改正(2005年5月施行)以降、低迷が続いている国内商品取引所の総売買高(先物オプション取引を含む。)が、市場が活況であった2004年3月期と比較すると2023年3月期は89.8%も少ない水準にあり、引き続き厳しい経営環境に直面しております。当社グループにおいても、当第2四半期連結累計期間は、営業利益187百万円(前年同四半期比206.8%増)、経常利益218百万円(前年同四半期比137.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は172百万円(前年同四半期比130.7%増)となりましたが、依然将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。

 当社グループにおける継続的な営業利益の拡大及び確保のための対策は、次のとおりであります。

 当社グループの営業総利益のうち、投資・金融サービス業による営業収益への依存度が最も高くなっていることから、当該事業の拡大が最優先課題となっております。同部門においては、金融商品取引業者としての社会的認知度向上のため、既存事業に加え新たな収益チャネルの模索とウェブコンテンツの充実による啓蒙活動に注力するとともに、営業社員の増員による営業組織の拡大や個々の金融リテラシーの向上を図りながら、顧客ニーズの把握やサービス改善案の模索により顧客からの信頼と満足度のアップに繋げてまいります。また、東京・大阪地区に分けたイベントの出展や、ウェブサイト・各種SNSを活用した営業手法により、新規口座開設の増加や既存顧客へのアフターサービスを通じた取引の推進を目指してまいります。

 投資・金融サービス業以外において、生活・環境事業のうち保険募集業務では、変化する顧客ニーズに対応した提案力の向上と適切な付帯サービスの提供ができる対応力の強化に注力するとともに、既契約に対する保全活動の品質向上に努め、顧客基盤の安定化と拡大を図ってまいります。また、広告用電設資材卸売業においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済活動の停滞が続いたため、野外広告及び集客施設の設備投資の需要が減少しておりましたが、昨年後半から感染症の流行が少しずつ収束に向かっていることから設備投資意欲の回復が見られております。しかしながら依然として終息には至っておらず警戒感があることから引き続き業績への影響が予想されます。今後も顧客ニーズに合った商品をツールにした提案型営業を推進し、新たな需要拡大に注力してまいります。LED照明機器を中心とした販売事業においても、同じくコロナ禍による設備投資の減少に加えて半導体不足による機器不足の影響を受けておりますが、LED照明の快適性への評価は高く、加えて昨今の電力料金の高騰により電力経費の削減及び脱炭素社会に向けたCO₂の削減効果を目的としたLED照明機器への導入ニーズはより一層の高まりが期待できます。今後も導入が期待できる大規模工場・倉庫・病院・商業施設に向けた営業力をさらに強化し、売上及び収益の拡大に注力してまいります。

 スポーツ施設提供業において、ゴルフ場事業では、適正な価格設定に特化しながら、より質の高いサービスと快適なプレー環境を提供することで、近隣ゴルフ場との差別化を図り、新規来場者数の獲得とリピーターの増加に繋げてまいります。

 不動産業において、既設の賃貸物件については、安定的な収益を確保するため、ニーズに応じた設備投資や修繕を行うことで、入居率の向上に繋がるよう努めてまいります。また、短期で効率的な資金回転を目指す販売事業と中長期で安定的な賃料収入を確保する運用事業の双方を重視しながら、堅固な事業基盤を確立させ、持続的かつ安定した収益確保を目指してまいります。

 インターネット広告業においては、市場環境の変化や広範な顧客ニーズに対応しながら、新たな収益チャネルを増やすことにより、顧客基盤の拡大と収益の向上に繋げてまいります。

 これらの既存事業以外にも、継続的に安定した収益が期待できる事業分野に関しましては新規参入を含めて検討してまいります。

これらのことを確実に実行し、営業利益の拡大へと繋げてまいります。

なお、当社グループの財政状態は、純資産が9,170百万円、現金及び預金残高が3,109百万円となっており資金面に支障はないと判断しております。このことから、継続企業の前提に関して重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナのもと社会・経済活動との両立が進むなか、雇用・所得環境が改善されるなど、景気は緩やかな回復傾向にあります。一方で、世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れや、中国や欧州経済の先行き懸念などが、わが国の景気を下押しするリスクとして依然残っており、先行きは不透明な環境が続くと見込まれます。

 当社グループの主たる事業である投資・金融サービス業において、国内の商品市場のうち金は、前半は3月に起きた米国中堅銀行2行の経営破綻やスイス金融大手の経営不安などからリスクオフによる安全資産としての人気が依然根強く、また対ドル円相場が円安基調となったため、金価格は期初から過去最高値を再三更新する値動きとなりました。後半に入るとさらに円安が進行したため、8月1日には一度9,000円を突破しました。その後は調整安などで値を下げる場面もありましたが、資源高も追い風となり上昇基調となったため、9月21日に9,233円(期先)を付け、大幅に過去最高値を更新しました。しかし、世界的な金融引き締めによる各国の金利上昇が金価格の上値の重しになるなど、期末にかけては9,000円を割り込む展開となりました。

 国内の株式市場において、前半は、良好な経済指標などを背景に世界の株式市場が上昇基調となったことに加え、日本株に対し海外投資家による継続的な買いが入ったことや円安進行の恩恵を受けたことにより、日経平均株価も上昇基調となったため、6月19日には1990年3月以来の高値となる33,772円89銭まで上昇しました。後半は、日米実質金利差の拡大の影響で円安が進行しましたが、米国の金融引き締めの長期化懸念から欧米を中心に利上げ観測が強まると、世界の株式市場は下落基調となりました。日本においても日銀による金融政策修正観測の高まりを受け、日経平均株価は上値が重い値動きとなったため、31,000円台から33,000円台のレンジ相場となりました。

 このような環境のもと、多様な営業手法の活用やイベントへの出展など新規営業の強化に注力したため、預り資産や口座件数の増加に繋がり、引き続き好調な業績を維持することができました。その結果、当社グループの委託売買高は、金融商品取引においては、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)は824千枚(前年同四半期比13.1%減)、取引所為替証拠金取引(くりっく365)は252千枚(前年同四半期比27.5%増)となったため、全体では1,076千枚(前年同四半期比6.1%減)となりました。一方、商品先物取引においては、主力の貴金属市場が60千枚(前年同四半期比2.5%増)となったため、全体は62千枚(前年同四半期比0.4%減)となりました。

 生活・環境事業において、保険事業のうち生保は、引き続き保障と資産運用を目的とした法人提案に注力しながら、順調に業績を伸ばすことができました。一方損保については、既存顧客の更改率の維持と新設法人を中心とした新規顧客の拡大に注力しましたが、頻繁な料率改定等の影響を受けたため、計画に遅れが生じました。また、LED照明等の販売事業では、昨今の電気代の高騰が省エネ意識をより高め、照明等のLED化の追い風となりましたが、原材料の高止まりや資材不足などが長引いており、工事や受注等が先延ばしになる要因となりました。

 スポーツ施設提供業において、当社グループが所有するゴルフ場(ゴールデンクロスカントリークラブ)では、4年ぶりに行動制限が解除された夏場には、さまざまな娯楽が順調に回復するなかゴルフ以外の選択肢が増えたことで、集客に苦戦を強いられました。特に8月は、記録的猛暑にも見舞われ、ゴルフが敬遠されるなか、台風等の悪天候も重なり、来場者数、売上ともに前年同月を大幅に下回りました。

 不動産業において、不動産賃貸では、当社グループが所有する賃貸用マンションは、物件の設備更新や維持管理に注力し、継続的な入居率と安定収入の確保に努めました。また、ビジネスホテルにおいては、水際対策が解除になると、コロナ禍の反動もあってインバウンド需要は急速に回復したため、稼働率や宿泊単価も急上昇しました。また、不動産売買では、販売用不動産の売却は順調に進んでおり、計画を大幅に上回りました。仕入れにつきましては、リフォーム費用を含めた価格高騰等により厳しい環境となりましたが、仕入ルートの拡大を図りながら、慎重に物件を選別して購入を進めてまいりました。

 インターネット広告業においては、好調な企業業績を受け広告費へ資金を積極的に投資する企業が増加したことなどにより、事業環境は好環境となったため、業績は順調に推移しました。

 この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、営業収益2,405百万円(前年同四半期比23.3%増)、営業総利益1,579百万円(前年同四半期比17.9%増)、営業利益187百万円(前年同四半期比206.8%増)、経常利益218百万円(前年同四半期比137.9%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益172百万円(前年同四半期比130.7%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

① 投資・金融サービス業

 当第2四半期連結累計期間の投資・金融サービス業の営業収益は1,023百万円(前年同四半期比17.6%増)、セグメント利益は174百万円(前年同四半期比40.6%増)となりました。

 当第2四半期連結累計期間における投資・金融サービス業の営業収益は、次のとおりであります。

イ.受取手数料

区分

金額(千円)

前年同四半期比(%)

金融商品取引

 

 

 

取引所株価指数証拠金取引

533,978

7.2

 

取引所為替証拠金取引

224,572

50.9

金融商品取引計

758,551

17.2

商品先物取引

 

 

 

現物先物取引

 

 

 

 

貴金属市場

 

223,273

23.7

 

 

農産物市場

 

633

△48.4

 

 

ゴム市場

 

109

△70.6

 

小計

224,016

23.0

 

現金決済取引

 

 

 

 

貴金属市場

 

14,158

△14.7

 

 

エネルギー市場

 

1,524

△8.1

 

小計

15,683

△14.1

商品先物取引計

239,699

19.6

合計

998,251

17.8

ロ.その他

区分

金額(千円)

前年同四半期比(%)

その他

25,544

8.9

合計

25,544

8.9

 

 当社グループの金融商品取引及び商品先物取引の売買高に関して当第2四半期連結累計期間中の状況は次のとおりであります。

ハ.金融商品取引の売買高の状況

区分

委託(枚)

前年同四半期比(%)

取引所株価指数証拠金取引

824,279

△13.1

取引所為替証拠金取引

252,258

27.5

合計

1,076,537

△6.1

ニ.商品先物取引の売買高の状況

市場名

委託(枚)

前年同四半期比(%)

現物先物取引

 

 

貴金属市場

38,786

16.8

農産物市場

558

△62.5

ゴム市場

183

△76.4

小計

39,527

11.4

現金決済取引

 

 

貴金属市場

21,747

△15.9

エネルギー市場

817

△15.3

小計

22,564

△15.9

合計

62,091

△0.4

(注)商品先物取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金は1枚1kg、白金は1枚500gというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。

 当社グループの金融商品取引及び商品先物取引に関する売買高のうち当第2四半期連結会計期間末において反対売買により決済されていない建玉の状況は次のとおりであります。

ホ.金融商品取引の未決済建玉の状況

区分

委託(枚)

前年同四半期比(%)

取引所株価指数証拠金取引

68,596

3.0

取引所為替証拠金取引

48,610

49.9

合計

117,206

18.4

ヘ.商品先物取引の未決済建玉の状況

市場名

委託(枚)

前年同四半期比(%)

現物先物取引

 

 

貴金属市場

2,292

62.2

農産物市場

153

△58.3

ゴム市場

11

△31.3

小計

2,456

36.7

現金決済取引

 

 

貴金属市場

3,499

4.8

エネルギー市場

112

15.5

小計

3,611

5.1

合計

6,067

16.0

 

② 生活・環境事業

 当第2四半期連結累計期間の生活・環境事業の営業収益は439百万円(前年同四半期比4.0%増)、セグメント利益は19百万円(前年同四半期はセグメント損失28百万円)となりました。

当第2四半期連結累計期間における生活・環境事業の営業収益は、次のとおりであります。

区分

金額(千円)

前年同四半期比(%)

広告用電設資材卸売業

193,894

△0.9

生命保険・損害保険の募集

140,898

12.7

LED照明等の販売事業

105,172

2.9

合計

439,965

4.0

③ スポーツ施設提供業

 当第2四半期連結累計期間のスポーツ施設提供業の営業収益は237百万円(前年同四半期比1.9%増)、セグメント利益は26百万円(前年同四半期比6.9%減)となりました。

④ 不動産業

 当第2四半期連結累計期間の不動産業の営業収益は533百万円(前年同四半期比102.2%増)、セグメント利益は144百万円(前年同四半期比13.6%増)となりました。

区分

金額(千円)

前年同四半期比(%)

不動産賃貸料収入

127,182

2.6

不動産販売収入

406,449

190.4

合計

533,631

102.2

⑤ インターネット広告業

 当第2四半期連結累計期間のインターネット広告業の営業収益は170百万円(前年同四半期比6.6%増)、セグメント利益は25百万円(前年同四半期比402.1%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に対して151百万円増加し、1,916百万円となりました。

 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得た資金は、266百万円(前年同期は155百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益220百万円の計上によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、61百万円(前年同期は63百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出82百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、53百万円(前年同期は61百万円の支出)となりました。これは配当金の支払額43百万円及び長期借入金の返済による支出10百万円によるものであります。

(3)経営方針・経営戦略等

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。

(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前期末と比べ1,545百万円増加し、18,506百万円となりました。これは主に差入保証金の増加1,206百万円によるものであります。

 負債は、前期末と比べ1,247百万円増加し、9,336百万円となりました。これは主に受入保証金の増加1,172百万円及び預り証拠金の増加77百万円によるものであります。

 純資産額は、親会社株主に帰属する四半期純利益172百万円の計上、その他有価証券評価差額金の増加170百万円及び配当金の支払43百万円により、9,170百万円となりました。

 なお、当社グループの当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は49.6%であり、当面、財務面に不安は無い状態であると考えております。

3【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。