文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、当社グループは、当第1四半期連結累計期間より国際財務報告基準(以下、「IFRS」という。)を適用しており、前第1四半期連結累計期間及び前連結会計年度の数値もIFRSに組替えて比較分析を行っております。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、堅調な米国、中国経済に牽引されて収益拡大が継続するなど、緩やかながらも回復基調で推移しておりますが、英国のEU離脱問題をめぐる欧州情勢や、米国の政策運営及び朝鮮半島情勢の問題など懸念材料も多く、先行き不透明な状況が続いております。わが国経済においては、政府による経済再生に向けた各種政策の効果により企業収益が改善され、雇用・所得環境も改善傾向が見られるなど、緩やかな回復基調にあります。また、アジア地域においては、韓国では、2017年5月に新大統領が選出され、新政権において雇用創出に関する政策を最優先的に実行することが予想されるものの、具体的な政策方針は示されておらず、今後の韓国経済に及ぼす影響については不透明な状況にあります。一方、インドネシアでは、財政支出や金融緩和の強化により個人消費や民間投資が堅調に伸びていることや、所得の上昇により消費者の購買力向上が見込まれることから、今後も安定した経済成長が続くものと見込まれております。
このような環境のなか、当社グループでは、今後の世界経済やわが国経済の変化を先取りして、事業の転換を図っていくことが不可欠であるとの認識の下、特に大きな経済成長が今後も期待できるアジア地域において事業を拡大するとともに、そのネットワーク化によるシナジー効果が最大限に発揮できる事業展開を図るなど、更なる経営基盤強化と持続的な成長の実現に向けた取り組みを行っております。当第1四半期連結累計期間では、銀行業を中心とした持続的な利益拡大を目指して、日本国内外において、積極的に企業価値の向上や事業基盤の強化等に取り組んでまいりました。
(ⅰ) 東南アジアでの事業展開について
当社グループはASEAN市場でGroup Lease PCL(タイ:タイ証券取引所一部上場、以下、「GL」、また同社グループを「GLグループ」という。)を戦略的パートナーとしており、GLがインドネシアにおいてDigital Finance Platformを利用したリース業及びコンシューマーファイナンス事業の成長を推し進めていくために設立したマルチファイナンス会社PT Group Lease Finance Indonesia(以下、「GLFI」という。)に共同で出資しております。当該事業は、インドネシアの農機具やオートバイの購入者、さらにはマイクロファイナンスの資金需要者に対し、GLFIが顧客獲得、審査、回収などを行い、当社子会社のPT Bank JTrust Indonesia Tbk.(以下、「Jトラスト銀行インドネシア」という。)が融資を行うスキームとなっており、同行のGLFI向け融資残高も2017年6月末現在、1,273億ルピアと順調に積み上がっております。さらに、GLの事業展開を積極的に支援するため、JTRUST ASIA PTE.LTD.(以下、「Jトラストアジア」という。)は、市場でGLの普通株式の買い増しを進め、2017年7月6日現在の保有株式数は119,596,500株(持株比率7.84%)、その他に転換社債、新株予約権(ワラント)を保有しております。
(ⅱ) 韓国での事業展開について
貯蓄銀行業務においては、金融当局の家計貸付残高規制により、新規貸付件数及び残高の伸びが鈍化し、銀行業における貸出金残高も減少しております。それに伴う収益への影響を最大限カバーすべく、審査基準の見直しによる優良顧客の取り込みや企業向け貸付の強化など、貸付債権のポートフォリオの入れ替えを行っているほか、貸付金利息以外の収益源の確保に向けた検討や導入を行っております。
また、債権回収業務においては、韓国の貯蓄銀行並びにキャピタル会社の貸倒引当基準が強化されたことにより、利益確保のためNPL債権(Non-Performing Loan:不良債権)の売却案件の増加が予想されることから、今後も、債権買取りを通じて、業容の拡大を見込んでおります。
(ⅲ) 国内での事業展開について
信用保証業務においては、2017年5月に、株式会社日本保証(以下、「日本保証」という。)と株式会社大正銀行が新たに保証業務提携契約を締結したことにより、保証提携先金融機関は7行と増加しております。
また、総合エンターテインメント事業及び不動産事業等を行う会社を傘下に持つアドアーズ株式会社(以下、「アドアーズ」という。)においては、今後、積極的なM&Aの実施による機動的な事業再編やグループ全体の経営資源の最適配分を図っていくことが必要であると判断し、2017年4月に持株会社体制への移行を公表しております。
(ⅳ) その他
当社グループは、グループ内の会計処理の統一による経営の迅速化や財務情報の国際的な比較可能性の向上などにより経営の透明性を高め、さらには、ステークホルダーの皆様の利便性を高めること等を目的として、当第1四半期連結累計期間よりIFRSを任意適用することといたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は20,352百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益は2,574百万円(前年同期比186.0%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,779百万円(前年同期は968百万円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、文中の営業債権の残高につきましては、貸倒引当金控除前の残高で記載しております。
① 国内金融事業
(信用保証業務)
信用保証業務につきましては、日本保証が行っております。不動産関連の保証事業に注力することを重点施策としており、大手ハウスメーカー、フラット35代理店等と提携したフラット35との協調融資型の賃貸住宅ローン保証業務に注力するとともに、リバースモーゲージ型不動産担保カードローンの保証といった新たな保証スキームも加え順調に保証残高を伸ばしております。また、保証提携先金融機関も増加しており、2017年6月末現在、地域金融機関7行と保証業務提携や保証提携商品の拡大を図っております。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における債務保証残高は、無担保貸付に対する保証では15,831百万円(前年同期比2.6%増)、有担保貸付に対する保証では賃貸住宅ローン保証が増加したことにより82,752百万円(前年同期比99.0%増)となり、債務保証残高の合計では98,583百万円(前年同期比72.9%増)となりました。
(債権回収業務)
国内の債権回収業務につきましては、主に日本保証、パルティール債権回収株式会社が行っており、高い回収力を背景に、国内サービサー数が減少する中、他サービサーのM&Aを通じた残存者利益を追求し、法人債権回収事業の強化や企業再生業務へも事業拡大を図ってまいります。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における買取債権残高はNPL債権の買取りが順調に進んだことにより11,282百万円(前年同期比21.1%増)となりました。
(クレジット・信販業務)
クレジット・信販業務につきましては、主にJトラストカード株式会社が行っております。カードキャッシングサービス以外の無担保ローンの新規取扱いを停止して、消費者ローン事業から事実上撤退しております。ショッピングクレジット、カードショッピング等の割賦購入あっせん部門を中心に実績を重ね、割賦立替金残高も増加し、収益確保に努めております。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における割賦立替金残高は2,841百万円(前年同期比9.4%増)となりました。
(その他の金融業務)
その他の金融業務につきましては、主に日本保証が行っておりますが、軸足を不動産関連の保証事業に移したことにより、貸出金残高は一貫して減少しております。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における貸出金残高につきましては、商業手形が913百万円(前年同期比10.7%減)、営業貸付金が3,160百万円(前年同期比29.4%減)となりました。
以上の結果、国内金融事業における営業収益は2,314百万円(前年同期比5.4%増)、セグメント利益は1,121百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
② 韓国金融事業
(貯蓄銀行・キャピタル業務)
JT親愛貯蓄銀行株式会社及びJT貯蓄銀行株式会社が貯蓄銀行業務を、JTキャピタル株式会社(以下、「JTキャピタル」という。)が割賦業務及びリース業務を行っております。総合金融グループとしての事業基盤は既に確立されており、今後は、各事業体を有機的に連携させ、最大限のシナジー効果が得られるような事業展開を図ってまいります。また、優良な消費者向けローンの増大により収益性を向上させるとともに、大企業向けローン、有担保ローン、政府保証付きローンなどについても注力し貸出ポートフォリオの安定化を図ってまいります。銀行業における貸出金につきましては、効果的な営業戦略及びマーケティングにより新規貸付件数及び残高を順調に伸ばしたこと等により増加しております。また、営業貸付金につきましては、JTキャピタルにおいて2016年9月に改正施行された与信専門金融業法の個人信用貸付比率の規定を遵守するため、個人信用貸付債権の譲渡を行ったこと等により減少したものの、効果的なマーケティング戦略等により消費者向けローンが増加したことにより増加しております。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における貸出金残高は順調に増加し、貯蓄銀行業務では銀行業における貸出金は232,291百万円(前年同期比53.8%増)となりました。また、キャピタル業務では営業貸付金が49,303百万円(前年同期比18.9%増)となりました。
(債権回収業務)
TA資産管理貸付株式会社がNPL債権の買取及び回収業務を行っており、高い回収力を背景に債権残高の積み増しを図っております。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における買取債権残高は、1,804百万円(前年同期比24.9%増)となりました。
以上の結果、韓国金融事業における営業収益は8,820百万円(前年同期比28.1%増)、セグメント利益は1,647百万円(前年同期比344.2%増)となりました。
③ 東南アジア金融事業
(銀行業務)
インドネシアにおいて、Jトラスト銀行インドネシアが銀行業務を行っております。当社グループでは、前連結会計年度までに、長らくインドネシア預金保険機構の管理下にあった同行の再生に向けて、事業構造改革に取り組み、財務健全性を高めるため、貸付債権の見直しによる貸倒引当金の大幅な積み増しを行い、さらに人員削減、重複店舗の整理統合も完了したことから、ようやく事業基盤の整備が図れたものと考えております。今後は、預金について平均預金金利を低下させCASA比率(普通・当座預金比率)を高めるとともに、貸出金について10億円規模の低金利でロットの大きいコーポレート向け貸付を圧縮し、1~5億円規模のミディアムローンを増やすなど貸出ポートフォリオの入れ替えを行い純金利収入の増加を図るなど、収益基盤の強化等に注力してまいります。また、GLFIの顧客に対するファイナンスが順調であり、優良な貸付資産の増加が見込まれていることから、今後もGLグループを戦略的パートナーとして、同様のスキームにより東南アジアの新興国などにおける成長機会を取り込むことで事業拡大を目指してまいります。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における銀行業における貸出金は順調に残高を伸ばしており、85,223百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
(債権回収業務)
インドネシアにおいて、PT JTRUST INVESTMENTS INDONESIAが債権回収業務を行っております。2015年10月にJトラスト銀行インドネシアから譲受けた買取債権残高は、当第1四半期連結会計期間末において2,657百万円(前年同期比20.3%減)となり、今後も担保不動産の早期の売却や事業再生等の様々な手法を活用した回収の増加による収益拡大を目指してまいります。
以上の結果、東南アジア金融事業における営業収益は3,592百万円(前年同期比8.2%増)、セグメント利益は、貸倒引当金繰入額が減少したこと等により154百万円(前年同期は1,171百万円のセグメント損失)となりました。
④ 総合エンターテインメント事業
総合エンターテインメント事業につきましては、主にアドアーズにおいて総合エンターテインメント施設運営等を、ハイライツ・エンタテインメント株式会社が遊技機並びに遊技機の周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売業務を行っております。アドアーズにおいては、VRエンターテインメント施設「VR PARK TOKYO」における新アトラクションの導入や異業種とのコラボ企画による期間限定のVR機器の導入、イベントへのVR機器のレンタル開始の他、コラボカフェやカラオケ等のコンテンツ部門で引き続きコラボ企画を多数実施するなど、新規顧客層の獲得を軸とした売上強化に努めました。しかしながら、一部店舗の閉店やメダル及びクレーンゲームでの稼働が伸び悩み、全体としては売上・利益面とも軟調に推移しました。また、ハイライツ・エンタテインメント株式会社においても、次期遊技機の納入開始を7月以降に予定していることから、当第1四半期連結累計期間では、売上・利益面とも軟調に推移しました。
以上の結果、総合エンターテインメント事業における営業収益は、前連結会計年度末にアミューズメント機器用景品の製造・販売を行っていた株式会社ブレイク及びBREAK ASIA LIMITEDの株式を譲渡し連結子会社から除外したことにより減少したうえ、メダル及びクレーンゲームでの稼働が伸び悩んだことが影響し3,068百万円(前年同期比17.2%減)、セグメント損失は164百万円(前年同期は72百万円のセグメント利益)となりました。
⑤ 不動産事業
キーノート株式会社(以下、「キーノート」という。)が行っている戸建分譲につきましては、営業拠点の拡大に伴い取扱い件数が増加したことに加え、得意とする既存エリアを中心に販売が伸び、好調に推移しております。また、アドアーズが行っている不動産アセットにつきましても、保有不動産の安定した賃料収入により堅調に推移しております。
以上の結果、不動産事業における営業収益は1,635百万円(前年同期比26.1%増)、セグメント利益は97百万円(前年同期比272.5%増)となりました。
⑥ 投資事業
投資事業につきましては、主にJトラストアジアが投資事業及び投資先の経営支援を行っております。Jトラストアジアは、7.84%の株式を保有するGLを戦略的パートナーとして、成長著しい東南アジア地域で事業を拡大するとともに、そのネットワーク化によるシナジー効果が最大限に発揮できるような事業展開を企図しております。
以上の結果、投資事業における営業収益は、Jトラストアジアにおいて前第1四半期連結累計期間にPT Bank Mayapada International Tbk.の株式売却益をその他の営業収益に計上したことに比べ減少し676百万円(前年同期比53.3%減)、セグメント利益は295百万円(前年同期比77.5%減)となりました。
⑦ その他の事業
その他の事業につきましては、主にJトラストシステム株式会社が当社グループのシステム開発、コンピュータの運用及び管理業務を、キーノートが商業施設建築事業を行っております。また、アドアーズが訪日外国人に人気の観光地に立地する既存アミューズメント店舗の一角を活用したインバウンド需要の取り込みに向けた集客施策の一環として、外貨両替所「ADORES EXCHANGE Akihabara」を開設し外貨両替所事業を行っております。
以上の結果、その他の事業における営業収益は、前連結会計年度にキーノートの商業施設建築事業において大型施工案件の売上を計上したことに比べ減少し450百万円(前年同期比52.9%減)、セグメント利益は10百万円(前年同期比247.2%増)となりました。
(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べ183百万円増加し620,049百万円となりました。これは主に、銀行業における貸出金が8,919百万円減少したものの、現金及び現金同等物が7,316百万円、営業債権及びその他の債権が1,654百万円増加したこと等により増加したものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ507百万円減少し463,445百万円となりました。これは主に、社債及び借入金が2,802百万円増加した一方で、銀行業における預金が1,788百万円、未払法人所得税等が882百万円、その他の負債が286百万円減少したこと等により減少したものであります。
資本につきましては、前連結会計年度末に比べ690百万円増加し156,603百万円となりました。これは主に、剰余金の配当を617百万円実施した一方で、親会社の所有者に帰属する四半期利益を1,779百万円計上したこと等により利益剰余金が1,176百万円増加したこと等により増加したものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7,316百万円増加し、87,983百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は、7,342百万円(前年同期は8,583百万円の資金の減少)となりました。これは主に、税引前四半期利益2,252百万円を計上したことに加え、銀行業における預金の増加額が3,983百万円、銀行業における貸出金の減少額が2,998百万円とそれぞれ資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における投資活動による資金の増加は、1,315百万円(前年同期比88.4%減)となりました。これは主に、銀行業における有価証券の売却による収入19,913百万円が、銀行業における有価証券の取得による支出18,558百万円を上回ったことにより資金が増加したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は、506百万円(前年同期は4,507百万円の資金の増加)となりました。これは主に、社債の発行による収入が3,249百万円と資金が増加した一方で、短期借入金の純減額が1,261百万円、社債の償還による支出が1,515百万円、配当金の支払額が617百万円とそれぞれ資金が減少したことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
総合エンターテインメント事業において、遊技機並びに遊技機の周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売業務を行っており、当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、43百万円であります。