第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりであります。

また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

リスク項目

リスクが顕在化した場合の

経営成績等の状況に与える影響等

当該リスクへの対応等

経営方針、

経営戦略との

関連性

経営

方針

経営

戦略

(1)法的規制等に関するリスクについて

①銀行業務に関連する業務規制について

当社グループは、韓国の貯蓄銀行業務において、「貯蓄銀行法」及び関連法令に基づく各種規制を受けております。また、インドネシア及びカンボジアの銀行業務において、「銀行法」及び関連法令に基づく各種規制を受けております。万が一、法令に抵触する行為が発生し、業務の全部又は一部停止等の行政処分を受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、韓国において、「貸付業などの登録および金融利用者保護に関する法律」の改正法律が2021年7月7日に施行され、これを受け施行日より法定最高金利の水準が年24.0%から年20.0%に引き下げられ、既存顧客に対しても遡及適用されております。今後、更なる規制の強化が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

法令及び各種規則を遵守し、コンプライアンス体制の整備に努め、業務を行ってまいります。また、韓国法定最高金利の引き下げ幅については、想定の範囲内であり十分な対策を行ってまいりましたが、今後も法令等の改正内容に迅速及び適切に対応してまいります。

①④

②③

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、長期化する米中の対立問題や世界的な景気減速懸念等に加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大に伴う経済活動の停滞の影響が長引き、極めて厳しい状況にあります。これまで世界各国で感染拡大防止に向けて様々な対策が講じられてきており、欧米先進国では、ワクチン普及による重症化率の抑制等により、ようやく収束の兆しが見え経済が回復しつつある一方で、一部の国や地域では変異ウイルスの影響やワクチン普及の遅れ等のリスクが残存するなど、経済回復への道のりは未だ先行き不透明な状況で推移しております。

こうした中にあって、わが国経済においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2021年1月以降、主要な都道府県並びに都市を中心に再び緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出されていましたが、経済活動への制限は段階的に縮小しております。また、今後、変異ウイルスの影響等のリスクが懸念されるものの、ワクチン接種率が増加するにつれ経済活動の再開が進んでいくものと期待されております。

当社グループは、当第3四半期連結累計期間においては、このような新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により世界各国で経済環境が急変し、産業構造が大きく変動している中にあって、事業ポートフォリオについて、抜本的な見直しが求められているとの認識の下、コロナ後をも見据えて、積極的に事業基盤の強化や持続的な成長の実現に向けた取り組みを行ってまいりました。

 

a.日本での事業展開について

当社は2021年3月に当社が保有するNexus Bank株式会社(東証JASDAQ上場、証券コード:4764、以下、「Nexus Bank」という。)の新株予約権の一部を株式会社オータス(本社:東京都渋谷区、代表取締役:竹谷治郎)に譲渡いたしました。また、2021年8月にファクタリング業を営む株式会社Frontier Capitalを設立いたしました。

株式会社日本保証(以下、「日本保証」という。)は、保証商品の多角化の一環として海外不動産担保ローンやクラウドファンディングを通じた保証を強化しております。海外不動産担保ローンでは、2021年4月に三井不動産リアルティ株式会社と新たに海外不動産担保ローンに対する保証を開始いたしました。また、融資型のクラウドファンディングサイトや不動産投資型クラウドファンディングサイトを通じて日本保証の債務保証を組み込んだ商品の募集を行っており、保証残高も順調に増加しております。当第3四半期連結累計期間においても、株式会社ZUUグループの株式会社COOL及び株式会社COOL SERVICESが運営する融資型クラウドファンディングサービス「cool」を通じた募集を開始したほか、株式会社ミライノベート(旧 株式会社プロスペクト)グループの株式会社グローベルス(旧 キーノート株式会社)が運営する「大家.com」や株式会社イーダブルジーが運営する「TOMOTAQU」、ONE DROP INVESTMENT株式会社が運営する「FUNDROP」などの不動産投資型クラウドファンディングサイトを通じて募集を開始しております。

 

b.海外での事業展開について

当社の連結子会社であるJTRUST ASIA PTE.LTD.(以下、「Jトラストアジア」という。)が、提起しておりました訴訟において、2020年10月6日、シンガポールの控訴裁判所はGroup Lease PCLの完全子会社であるGroup Lease Holdings Pte.Ltd.(以下、「GLH」という。)、此下益司氏(以下、「此下氏」という。)ほか5社に対し、Jトラストアジアへ損害賠償として、70,006,122.49米ドル及び131,817.80シンガポールドルの合計額とシンガポールにおける訴訟費用を支払うよう命じる判決を言い渡しております。これによりJトラストアジアは、GLH及び此下氏より、当該判決の履行として2021年1月11日に37,000千米ドル、GLHより同年4月7日に17,000千米ドル、同年4月29日に7,200千米ドル、同年5月14日に1,250千米ドル及び同年7月19日に9,967千米ドル、さらに同年7月9日に訴訟費用として1,159千米ドルを受領し、当該判決につきましては、これまでの回収金を含め全額を回収いたしました。さらに、同年8月3日には、2020年10月の判決に含まれていなかった投資金額約124百万米ドルに係る損害の回復を求める訴訟を提起しております。

また、当社は、2021年8月に当社連結子会社である韓国のJTキャピタル株式会社(以下、「JTキャピタル」という。)の全株式をVI金融投資株式会社(以下、「VI金融投資」という。)の系列会社が設立する特別目的会社(SPC)への譲渡を完了いたしました。また、一度中止したJT貯蓄銀行株式会社(以下、「JT貯蓄銀行」という。)につきましても、2021年4月に新たなスキームで、VI金融投資もしくは同社の基本合意書(了解覚書)上の地位及び権利・義務の譲渡及び移転について当社が同意した譲受人に全株式を譲渡することを決議いたしました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における営業収益は、コロナ禍にもかかわらず底堅い日本金融事業や韓国金融事業に支えられ、30,624百万円(前年同期比5.5%増)となりました。営業利益は、上述のとおりGroup Lease PCL関連の勝訴判決に係る受領額7,847百万円をその他の収益に計上したほか、韓国や東南アジアの銀行業において貸出金の増加に伴い利息収益が増加したことや、PT Bank JTrust Indonesia Tbk.(以下、「Jトラスト銀行インドネシア」という。)において訴訟損失引当金577百万円を取り崩したこと等により、7,827百万円(前年同期は1,301百万円の営業損失)となりました。また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、投資有価証券に対する売却損益や評価損益及びそれぞれに対応する税効果並びに売却を予定しているJT貯蓄銀行に対する税効果に加えて、非継続事業からの損益としてJTキャピタルの株式売却損を計上した結果、2,405百万円(前年同期比0.3%減)となりました。

主な内訳につきましては以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

金融損益

投資有価証券評価益

Nexus Bank 普通株式評価益

165

澤田ホールディングス株式会社 普通株式評価益

747

投資有価証券売却益

Nexus Bank 普通株式売却益

263

Nexus Bank 新株予約権売却益

189

投資有価証券評価損

Nexus Bank A種優先株式評価損

△998

持分法による投資損益

△7

法人所得税費用

法人税等調整額

Nexus Bank 株式(A種優先株式)評価損に対する税効果

277

Nexus Bank 株式(普通株式)評価益に対する税効果

14

 

 

 

 

澤田ホールディングス株式会社 普通株式評価益に対する税効果

△250

JT貯蓄銀行株式譲渡変更による税効果計上額の見直し

△627

JT貯蓄銀行株式の留保利益に対する税効果

△912

JTキャピタル株式の留保利益に対する税効果

154

非継続事業

関係会社株式売却損益

JTキャピタル株式譲渡に係る株式売却損

△2,542

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

なお、文中の営業債権の残高につきましては、貸倒引当金控除前の残高で記載しております。

(日本金融事業)

日本国内において、主に、日本保証が信用保証業務、債権回収業務及びその他の金融業務を、パルティール債権回収株式会社が債権回収業務を行っております。

営業債権の残高は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

2020/9

2021/9

増減額

増減率

主な増減要因

債務保証残高

210,705

204,666

△6,039

△2.9%

 

 

有担保

197,399

195,248

△2,151

△1.1%

海外不動産担保を含む不動産担保ローンに対する保証が増加するも、アパートローンに対する保証が減少

 

無担保

13,305

9,417

△3,888

△29.2%

個品割賦に対する保証について取扱いが減少

買取債権残高

16,025

16,978

952

5.9%

積極的な債権買取等による増加

商業手形残高

648

1,678

1,029

158.7%

大口商手割引の実行による増加

営業貸付金残高

2,027

1,290

△737

△36.4%

回収等による減少

 

営業収益は債務保証残高の減少に伴い保証料収益が若干減少したものの、債権買取を積極的に行ったことに加えて回収も好調に推移し利息収益が増加したことから6,854百万円(前年同期比0.4%減)と前期並みで推移しております。また、セグメント利益は日本保証において、買取債権の将来キャッシュ・フローの見直しに伴い貸倒引当金繰入額が減少したこと等により3,629百万円(前年同期比5.9%増)となりました。

 

(韓国及びモンゴル金融事業)

韓国において、JT貯蓄銀行が貯蓄銀行業務を、TA資産管理貸付株式会社がNPL債権(Non-Performing Loan:不良債権)の買取及び回収業務を行っております。また、モンゴルにおいて、J Trust Credit NBFIが金融業務を行っております。なお、当第3四半期連結会計期間において、割賦業務及びリース業務を行っていたJTキャピタルを株式譲渡したことにより、同社の経営成績並びに譲渡に伴う損益を非継続事業に分類するとともに連結の範囲から除外しております。

営業債権の残高は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

2020/9

2021/9

増減額

増減率

主な増減要因

銀行業における貸出金残高

116,505

140,321

23,815

20.4%

貸付新規取り扱いによる増加

営業貸付金残高

42,812

1,762

△41,049

△95.9%

当第3四半期連結会計期間にJTキャピタルを株式譲渡により連結の範囲から除外

買取債権残高

1,269

1,583

314

24.7%

定期的な債権買取による増加

 

営業収益は銀行業における貸出金残高や有価証券投資の増加に伴い貯蓄銀行業務における利息収益や有価証券評価益が増加したことから11,051百万円(前年同期比18.0%増)、セグメント利益は2,804百万円(前年同期比41.7%増)となりました。

(東南アジア金融事業)

インドネシアにおいて、主にJトラスト銀行インドネシアが銀行業務を、PT JTRUST INVESTMENTS INDONESIA及びPT TURNAROUND ASSET INDONESIAが債権回収業務を、PT JTRUST OLYMPINDO MULTI FINANCEが農機具ローン等のファイナンス業務を行っております。また、カンボジアにおいて、J Trust Royal Bank Plc.が銀行業務を行っております。

営業債権の残高は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

2020/9

2021/9

増減額

増減率

主な増減要因

銀行業における貸出金残高

105,943

161,388

55,444

52.3%

新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、順調に残高は増加

 

インドネシア

47,923

66,253

18,330

38.2%

積極的にローン残高増強策を推進

 

カンボジア

58,019

95,134

37,114

64.0%

預金獲得の順調な増加に伴い、貸出残高も増加

営業貸付金残高

2,330

1,588

△742

△31.8%

新規貸付の抑制及び債権売却による減少

買取債権残高

25,419

26,103

684

2.7%

他社債権の買取を推進

 

営業収益は買取債権の回収益がやや低調に推移したことに加え、前期における営業貸付金の新規貸付抑制や保有有価証券の売却の影響から未だ十分に脱しきれていないものの、銀行業における貸出金の増加に伴い利息収益が増加したこと等により、12,074百万円(前年同期比0.5%増)となりました。また、セグメント損失は、流動性の確保のために、銀行業預金残高の増加を図ったことにより銀行業預金利息費用が増加した一方で、前期、保有有価証券の売却に伴い有価証券売却損を計上したことに対し、当期、費用負担が発生しなかったことや、現地にて提起されている訴訟における進展を踏まえて訴訟損失引当金を取り崩したこと等費用が減少したことにより、2,981百万円(前年同期は4,322百万円のセグメント損失)となりました。赤字幅が縮小し改善基調で推移しております。

 

(投資事業)

投資事業につきましては、主にJトラストアジアが投資事業及び投資先の経営支援を行っております。

営業収益は568百万円(前年同期比22.2%減)、セグメント利益は、シンガポールにおいて、Jトラストアジアが提起していた訴訟に係る勝訴判決の履行を受けたこと等により6,028百万円(前年同期は1,223百万円のセグメント損失)となりました。

 

(その他の事業)

その他の事業につきましては、主にJトラストシステム株式会社及びRobotシステム株式会社が当社グループのシステム開発、コンピュータの運用及び管理業務を、日本ファンディング株式会社が不動産業務を行っております。

営業収益は496百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント損失は22百万円(前年同期は164百万円のセグメント損失)となりました。

 

(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当第3四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べ39,032百万円増加し569,495百万円となりました。これは主に、JT貯蓄銀行の株式譲渡を延期し継続事業に分類したことにより、売却目的で保有する資産が155,646百万円減少した一方で、銀行業における貸出金が175,210百万円、銀行業における有価証券が14,186百万円増加したこと等により増加したものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ33,774百万円増加し461,778百万円となりました。これは主に、JT貯蓄銀行の株式譲渡を延期し継続事業に分類したことにより、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が141,109百万円減少したことや社債及び借入金が41,601百万円減少した一方で、銀行業における預金が215,265百万円増加したこと等により増加したものであります。

資本につきましては、前連結会計年度末に比べ5,258百万円増加し107,716百万円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する四半期利益を2,405百万円計上したことに加え、海外子会社等の換算差額の増加等によりその他の資本の構成要素が1,894百万円増加したこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ34,423百万円増加し、95,017百万円となりました。

 

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は、27,536百万円(前年同期比182.1%増)となりました。これは主に、非継続事業からの税引前四半期損失を2,675百万円計上したうえに、銀行業における貸出金の増加額が40,222百万円と資金が減少した一方で、税引前四半期利益を8,360百万円計上したうえに、銀行業における預金の増加額が62,535百万円と資金が増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は、862百万円(前年同期は637百万円の資金の増加)となりました。これは主に、銀行業における有価証券の取得による支出16,392百万円が、銀行業における有価証券の売却による収入12,810百万円及び償還による収入1,922百万円を上回ったこと等により資金が減少したものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は、6,647百万円(前年同期は6,548百万円の資金の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出29,791百万円が、長期借入れによる収入21,341百万円を上回ったこと等により資金が減少したものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。