(1)中長期的な経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは証券関連事業及び不動産関連事業を主要事業としておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大は、証券関連事業の中核であるあかつき証券㈱においては証券取引市況の悪化に伴う投資マインドの低下などによる株式売買取扱高の減少、また不動産関連事業の中核である㈱マイプレイスにおいては外出自粛要請に伴う販売中物件の案内減少などによる販売戸数の減少などの影響を与えます。EWアセットマネジメント㈱の運営する高齢者住宅開発ファンドにおいては、現時点で特段の影響は認識しておりませんが、今後の不動産市況の動向によっては、売却価格に影響を与える可能性があります。このような事業環境のもと、当社グループの対処すべき課題は次のとおりであります。
あかつき証券㈱におきましては、「継続的なお客様の投資利益の追求」及び「中長期的な顧客資産の拡大」を最も重要な課題としており、投資情報部による投資情報の提供に加えAIやフィンテックを活用したアドバイス力の強化を図るなど付加価値の高い投資情報をタイムリーに提供する体制の充実や、地域金融機関との提携など営業チャネルの拡大を図っております。営業チャネルの拡大に関し、特に金融商品仲介業者(IFA)ビジネスを戦略的に強化しており、富裕層顧客を持つ仲介業者との契約を推進しております。また、あかつき証券㈱の100%子会社であるジャパンウェルスアドバイザーズ㈱もIFAとして事業を行っており、新たに独立する外務員の受け皿となることで預り資産拡大を図っております。これらの取り組みを実施するうえで、営業員の資質向上を目指した多岐に亘る研修等の実施を行うとともに、コンプライアンス態勢の強化及び徹底が欠かせないものであると認識しております。今後もお客様本位の業務運営を推進すべく、上記施策をより一層強力に推進し、安定した収益体質を確立するとともに、お客様のパフォーマンスやニーズを常に留意した営業体制を図ってまいります。
中古マンションのリノベーション事業を行う㈱マイプレイスにおいては、リノベーションマンションの認知度の向上を背景に中古マンションの需要が拡大していることから、空室のみならず、退去後にリノベーションを行うために賃貸中物件の取得も積極的に進めてまいります。当該事業の拡大に合わせて、資金調達が重要となることから、金融機関からの借入を中心としながらも、自己資本による調達も勘案し財務的なバランスを図ってまいりたいと考えております。
EWアセットマネジメント㈱においては、当社が出資するファンドスキームの形態をとり、高齢者向け施設の開発を行っております。介護事業者との長期のマスターリース契約によって安定的な賃料収入によるインカムゲインを得ながら、ヘルスケアリート等への売却によるキャピタルゲインも合わせて追求しております。同社が組成した第1号ファンドに関しては物件取得のステージが完了し、物件売却の検討も進めております。今後は第1号ファンドの実績を生かし、新たなファンドの組成にも着手することを検討しております。従来同様、好条件の不動産の取得と開発の進捗によって資産残高を増加させていくことともに、病院・メディカルモールなど医療機関への投資機会を模索し、日本のヘルスケア市場の規模拡大にも積極的に努めてまいります。
㈱マイトランクにおいては、引き続きトランクルームの新規出店、稼働率の向上に注力し、事業拡大に努めております。今まで以上に、新規出店のスピードを上げるため、物件発掘に関する社内体制の強化及び外部業者との情報チャネルの構築を進めてまいります。
当社は、資金調達と、グループ各社に対する適切な資産配分を行いながら、グループ全体としての成長を図ってまいります。また、新規事業の企画推進や、あるいは事業からの撤退や売却等、持株会社としての経営企画機能を担ってまいります。当社においては、これらの業務に必要となる高度な計数管理・企画能力を持った人材の育成と確保が、当社の今後の成長にとって必要不可欠であると考えております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等(目標とする経営指標等)
経営上の目標の達成状況を判断するための指標については、1株当たりの株主資本(配当金や自己株式取得などの株主還元を含む)の成長率が株主への還元を含めた当社グループの成長を示す指標として最適と考えております。当社は、その事業モデルに鑑み、当該指標を複数年単位で中長期的に拡大することを目指しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の回避に努め、また、発生した場合の的確な対応に努めます。
なお、本項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)持株会社固有のリスクについて
純粋持株会社である当社の収入は、原則として当社が直接保有している子会社からの受取配当金及び経営管理料に依存しております。当該子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が継続した場合には、当社における分配可能額が減少し、当社株主への配当の支払いが不可能となる可能性があります。
(2)証券関連事業固有のリスクについて
① 事業環境のリスクについて
顧客の高齢化の進行や、若年層のネット取引選好により、対面型の証券会社全般における顧客数が減少しており、あかつき証券㈱においても中長期的には大きな影響を受ける可能性があります。
② 取引注文の執行について
証券業務における受託業務及び自己売買業務に係る取引は、国内外の金融商品取引所において行われております。金融商品取引所がシステム障害等の理由により、証券市場及び外国為替市場における取引を中断または停止した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼすことがあります。
③ 事業に係る法的規制等について
あかつき証券㈱は証券業を営むにあたり、内閣総理大臣に登録を受けるとともに、自主規制機関である日本証券業協会に加入しております。このため、同社は、金融商品取引法その他の法令のほか、日本証券業協会規則の規制に服しており、その内容を遵守しているか否かについて定期的な検査等を受ける立場にあります。この検査等により、法令諸規則違反を指摘され、行政処分を受けるに至った場合、同社の信用力の低下により業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は同社の親会社として金融商品取引法に定める主要株主に該当するため一定の規制を受けており、当社自身に重要な法令違反があった場合には、当社が「主要株主でなくなるための措置」を受けるなど、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
④ 自己の計算による取引に係るリスクについて
投資収益を確保するため、また顧客のニーズに応えるため、自己の計算において国内外の株式・債券・為替及びそれらの派生商品などの金融資産を保有することがあります。これらの金融資産は金利や市場価格変動リスク等に晒されており、急激な変動により期待した投資収益を獲得できなかった場合や金融資産の価値が大きく変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 顧客に対する与信について
あかつき証券㈱が取り扱う信用取引及び先物・オプション取引では、顧客に対する信用供与が発生し、株式市況の変動によっては顧客に対する信用リスクが顕在化する可能性があります。
(3)不動産関連事業固有のリスクについて
① 業務のリスクについて
不動産関連事業につきましても、国内外の経済情勢、税制その他の法的規制、金利動向、相場動向等に大きく影響を受けており、これらの影響により不動産市場の低迷などが起こった場合、受託資産及び取引仲介業務の減少や購買者の購入意欲の減退により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 事業に係る法的規制等について
㈱マイプレイス、㈱バウテック及び㈱マイプランナー(以下「マイプレイスグループ」といいます。)は、中古不動産の再生・リノべーション事業を営むにあたり、宅地建物取引業法その他の関係法令により規制を受けており、これらの法律等の改廃または新たな法的規制が今後生じた場合には、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、事業活動の継続には宅地建物取引業者免許等の許認可が前提となりますが、将来何らかの理由により、監督官庁より業務停止や免許取消し等の処分を受けた場合、同社の信用力の低下により業績に影響を及ぼす可能性があります。
EWアセットマネジメント㈱は、アセットマネジメント業務を営むにあたり、内閣総理大臣に登録し規制を受けております。同社は、金融商品取引法その他の関係法令の他、加入協会の規制に服しており、その内容を遵守しているか否かにつき定期的な検査等を受ける立場にあります。この検査等により、法令諸規則違反を指摘され、行政処分を受けるに至った場合、同社の信用力の低下により業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合及び価格競争について
マイプレイスグループの主な営業エリアである首都圏においては競合他社との競争が激化していることから、仕入件数あるいは販売件数が減少した場合、物件の仕入価格の上昇あるいは販売価格の下落により採算が悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 在庫リスクについて
マイプレイスグループの中古マンション事業において、仕入れからリノベーションを施し売却するまでの期間が長期になる可能性があり、その間に不動産の市場価格が下落した場合には、棚卸資産の評価損や売却損が発生すること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 契約不適合責任について
不動産売買契約において、引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しない場合に、民法と宅地建物取引業法の規定により、売主である当社グループが買主に対して契約不適合責任を負うことがあります。その結果、買主より契約解除や修補の請求、損害賠償の請求、代金減額請求などが生じることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)優秀な人材の確保や育成について
当社グループの将来の成長と成功は、有能な人材に大きく依存するため、優れた人材の確保と育成は当社グループの発展には重要であり、優秀な人材の確保または育成ができなかった場合は、当社グループの将来の展望、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
一方、優秀な人材の積極的な確保は人件費の押し上げ要因にもなり、また、採用活動に関するコストも年々増加傾向にあることから、採用活動費も増加する可能性があります。これらのコストの増加は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼすことがあります。
(5)システム・リスクについて
当社グループの業務遂行において、障害や不慮の災害によりコンピューター・システムが停止した場合、或いは外部からの不正アクセスによるデータの改竄等により業務を正常に行えなくなった場合、損害賠償の請求や社会的信用の悪化等を通じて当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、コンピューター・システムの取得・構築にかかる多額の投資を行った場合、当該投資により発生する償却コスト及び維持・運営コストも業績に影響する要因となります。
(6)オペレーショナル・リスクについて
当社グループの業務遂行において、法令や当社グループの定款、業務規程その他の諸規則等に定められた業務処理プロセスが正常に機能しない場合や役職員等による業務遂行上の過誤等が発生した場合、損害賠償の請求や社会的信用の悪化等を通じて当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)法令遵守に関するリスクについて
当社グループは、法令遵守に係る問題につきグループ全体の内部統制の整備を図り、より充実した内部管理体制を目指して努力するとともに、役職員の教育・研修等の徹底を通じ、その啓蒙を図っております。しかしながら、当社グループの事業は、役職員の活動を通じて執行されており、そのプロセスに関与する役職員の故意または過失により法令に違反する行為がなされる可能性があります。内部統制の整備やコンプライアンス教育等は役職員の違法行為を未然に防止するための有効な方策ではありますが、違法行為のすべてを排除することを保証するものではありません。意図的な違法行為は総じて周到に隠蔽行為がなされ、長期間にわたって発覚しないケースもあり、将来において当社グループの業績に影響を与えるような損害賠償を求められる事案が生じる可能性があります。また、当社グループは大量の顧客情報を保有しており、その取扱いには万全のセキュリティ体制を敷いておりますが、不正行為等により、顧客情報が外部に流出する可能性もあり、当社グループの信用の失墜を招くおそれがあります。
法令遵守上の問題が発生し社会的信用が悪化すると、お客様との取引の減少や発注停止等に繋がり、グループ全体の業績に影響を及ぼす事態が生じる可能性があります。
(8)投資資産に係るリスクについて
投資収益を確保するため、当社グループでは有価証券及び不動産投資を行う場合があります。これら投資資産は市場価格変動リスクに晒されており、金融・不動産市場の変化や投資対象物件を取り巻く事業環境・社会状況の変化により、資産価格が下落した場合には、評価損や売却損が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)資金調達に係るリスクについて
当社グループは、金融機関からの借り入れや社債の発行などにより事業展開に必要な資金を調達しております。当社グループの業績や財務状況の悪化、信用力の低下や風説・風評の流布等が発生した場合、あるいは国内外の景気悪化や金融市場の混乱等により資金調達市場そのものが縮小した場合には、通常より高い金利による資金調達を余儀なくされる、あるいは必要な資金を確保できず資金繰りが困難になる可能性があります。その結果、資金調達コストが増加すること等により、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)訴訟について
当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟・紛争・その他の法律的手続きの対象となる場合があります。
2021年3月31日現在において、当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(11)災害等によるリスク
地震、火災等の災害により、当社グループの業務体制に支障が生じたり、役職員が被害を受けた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)投資活動について
当社グループでは、主要グループ会社の取り組みとして、あかつき証券㈱においては預り資産拡大と顧客サービスの高度化の継続、マイプレイスグループにおいては仕入体制及び財務の強化、EWアセットマネジメント㈱においては同社が運営するファンドが保有する資産の売却の検討や新たな成長戦略の策定を進めており、これらの取り組みの中で、資本提携、子会社の設立及びファンド等への出資など積極的に投資活動を行う予定であります。当該投資活動により当社グループが当初想定していた計画が達成されず、投資に見合うリターンが計上できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)新型コロナウイルス感染症に関するリスク
新型コロナウイルスの感染拡大により、当社の主要事業である証券関連事業及び不動産関連事業において、次のような影響が生じる可能性があります。証券関連事業においては証券取引市況の悪化に伴う投資マインドの低下などにより、株式売買取扱高が減少し株式売買委託手数料などが低迷する可能性があります。不動産関連事業においては、外出自粛による販売中マンションの案内減少などによる販売戸数の減少や、保有不動産のテナント様の業況悪化による賃料の未収や減免、販売可能額の低下などが生じる可能性があります。新型コロナウイルスの感染症の影響が長期化した場合には、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染拡大による当連結会計年度の財政状態及び経営成績への影響は軽微であると判断しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)において、当社グループは以下のような取り組みを行ってまいりました。
証券関連事業では、新型コロナウイルス感染症拡大による渡航制限や外出制限等により、経済活動が著しく停滞する一方、主要国政府の積極的な財政活動や金融緩和により株式市場に資金が流入することで、株価は大幅に上昇しました。こうした環境の下、あかつき証券㈱においては、コアビジネスである金融商品仲介ビジネス(以下、「IFAビジネス」と言います。)の拡大、及び金融機関とのアライアンスの推進、AI・フィンテックを活用したアドバイス力の強化に努めました。IFAビジネスではIFA事業者向けの専用サイトの全面的なリニューアルや、業界初となる債券プライシング自動応答システム(Flash Answer Pro)の導入を実施し、また、取引ツールやITインフラについてもより一層の充実を図るべく開発を進め、取引利便性の向上に努めております。加えて、強みとする対面サポート力のさらなる強化や、当社の認知度向上のためのブランディング戦略などに注力しており、結果として、2021年3月末の契約仲介業者数は95社(2020年3月末比+23社)、契約仲介業者外務員数は733名(同+234名)、グループ会社のジャパンウェルスアドバイザーズ㈱(金融商品仲介業者)の提携金融機関における管理資産残高を含めた預り資産残高は3,003億円(内、IFA部門1,451億円)と拡大しております。金融機関とのアライアンス強化については、2019年11月に業務提携を開始した浜松いわた信用金庫に加え、2021年4月に足立成和信用金庫、富士信用金庫など3社と業務提携契約を締結しました。また、AI・フィンテックを活用したアドバイス力の強化として、2021年2月にグループ会社の「トレード・サイエンス株式会社」を完全子会社化し、AIシグナル取引サービス(AI分析による個別株式売買シグナル提供サービス)の取引モデルの強化を進めております。
この結果、証券関連事業の業績は以下のとおりとなりました。
(証券関連事業の営業収益及びセグメント利益)
(単位:百万円)
|
|
2020年3月期 連結会計年度 |
2021年3月期 連結会計年度 |
増減率 |
|
営業収益 |
5,126 |
12,448 |
142.8% |
|
セグメント利益 |
356 |
1,555 |
336.1% |
不動産関連事業では、新型コロナウイルス感染の再拡大による不動産マーケットへの影響は不透明な状況が続いております。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、2020年4月から2021年3月までの首都圏中古マンションの成約件数は前年同期比2.3%減の37,049戸となりましたが、特に緊急事態宣言解除後の取引が活発化しており、当該期間の成約㎡単価も前年同期を上回って推移しています。㈱マイプレイスにおいても、期初の販売戸数の減少分を補うには至りませんが、足元は活発な需要のもと堅調に推移したことに加え、経営合理化の寄与により、単体業績は売上高25,372百万円(前年同期比1.4%増)、経常利益1,670百万円(同20.9%増)、当期純利益1,147百万円(同22.6%増)となりました。一方、仕入に関しては空室物件(後述「タイプA」)及び賃借人付物件(後述「タイプB」)ともに第3四半期以降に持ち直したものの、通期では前年を下回りました。当社としては引き続き慎重な仕入決済基準のもと在庫リスクマネジメントの強化に努めます。
また、EWアセットマネジメント㈱では、当連結会計年度において保有する有料老人ホームの売却実績はありません(前連結会計年度においては3施設を売却)が、新規案件として2020年11月に熊本市において開発用地を取得いたしました。本施設は163床の住宅型有料老人ホームとして2022年4月の竣工を予定しております。今後も安定的な案件組成に向け、グループ間の連携強化に努めます。
この結果、不動産関連事業の業績は以下のとおりとなりました。
(不動産関連事業の営業収益及びセグメント利益)
(単位:百万円)
|
|
2020年3月期 連結会計年度 |
2021年3月期 連結会計年度 |
増減率 |
|
営業収益 |
29,516 |
26,825 |
△9.1% |
|
セグメント利益 |
2,048 |
1,784 |
△12.9% |
これらの結果、当社グループの当連結会計期間の連結業績は以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
|
|
2020年3月期 連結会計年度 |
2021年3月期 連結会計年度 |
増減率 |
|
営業収益 |
34,423 |
39,090 |
13.6% |
|
営業利益 |
1,594 |
2,590 |
62.5% |
|
経常利益 |
1,094 |
2,218 |
102.7% |
|
税金等調整前当期純利益 |
1,962 |
2,215 |
12.9% |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,417 |
1,430 |
0.9% |
なお、あかつき証券㈱及び㈱マイプレイスの業績は、当社連結業績に特に重要な影響があるため、以下、補足情報として開示いたします。
(補足情報)
Ⅰ.あかつき証券㈱
あかつき証券㈱は、リテール営業に加え、戦略的に金融商品仲介ビジネス(以下「IFAビジネス」)の強化、地域金融機関との提携、AI・フィンテックを活用したアドバイス力の強化を進めております。中でも2014年から本格参入しているIFAビジネスは拡大傾向にあります。なお、以下はあかつき証券㈱に同社子会社であるジャパンウェルスアドバイザーズ㈱及びトレード・サイエンス㈱を連結した補足情報です。
(a)経営成績(四半期会計期間毎)
(単位:百万円)
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
||||||
|
1Q (4~6月) |
2Q (7~9月) |
3Q (10~12月) |
4Q (1~3月) |
1Q (4~6月) |
2Q (7~9月) |
3Q (10~12月) |
4Q (1~3月) |
|
|
営業収益 |
1,060 |
1,210 |
1,302 |
1,607 |
2,053 |
2,901 |
3,316 |
4,112 |
|
経常利益 |
94 |
127 |
134 |
133 |
211 |
408 |
455 |
484 |
|
当期純利益 |
57 |
83 |
85 |
73 |
145 |
274 |
299 |
327 |
(b)預り資産
(単位:百万円)
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
||||||
|
1Q (6月末) |
2Q (9月末) |
3Q (12月末) |
4Q (3月末) |
1Q (6月末) |
2Q (9月末) |
3Q (12月末) |
4Q (3月末) |
|
|
預り資産 |
195,435 |
202,689 |
217,885 |
191,082 |
216,819 |
238,122 |
263,536 |
300,357 |
|
(うちIFA) |
26,128 |
32,515 |
38,795 |
54,575 |
65,127 |
80,696 |
117,791 |
145,160 |
(注)あかつき証券㈱とジャパンウェルスアドバイザーズ㈱の提携金融機関における管理資産残高の合計となっております。
(c)IFA契約仲介業者数及び契約外務員数
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
||||||
|
1Q (6月末) |
2Q (9月末) |
3Q (12月末) |
4Q (3月末) |
1Q (6月末) |
2Q (9月末) |
3Q (12月末) |
4Q (3月末) |
|
|
契約仲介 業者数 (社数) |
55 |
60 |
70 |
72 |
80 |
84 |
90 |
95 |
|
契約 外務員数 (人数) |
290 |
327 |
407 |
499 |
536 |
557 |
667 |
733 |
Ⅱ.㈱マイプレイス
㈱マイプレイスは、東京都及び神奈川県を中心とした首都圏において、住宅一次取得者層向けの中古マンション事業を行っておりますが、①賃借人なしの空室中古マンションを購入後、直ちにリノベーションを施し売却するケース(以下「タイプA」といいます。)と、②賃借人付の中古マンションを購入後、一定期間賃料収入を得、賃借人の退去後にリノベーションを施し売却するケース(以下「タイプB」といいます。)があります。
(a)単体の経営成績(四半期会計期間毎)
(単位:百万円)
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
||||||
|
1Q (4~6月) |
2Q (7~9月) |
3Q (10~12月) |
4Q (1~3月) |
1Q (4~6月) |
2Q (7~9月) |
3Q (10~12月) |
4Q (1~3月) |
|
|
売上高 |
6,362 |
6,523 |
6,383 |
5,753 |
4,500 |
7,907 |
6,519 |
6,445 |
|
経常利益 |
310 |
421 |
355 |
294 |
214 |
489 |
479 |
486 |
|
当期純利益 |
207 |
290 |
233 |
204 |
147 |
335 |
328 |
335 |
(b)仕入の状況(四半期会計期間毎。カッコ内は前年同四半期会計期間との増減。)
(単位:戸)
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
||||||
|
1Q (4~6月) |
2Q (7~9月) |
3Q (10~12月) |
4Q (1~3月) |
1Q (4~6月) |
2Q (7~9月) |
3Q (10~12月) |
4Q (1~3月) |
|
|
タイプA |
125 (△34) |
167 (+20) |
111 (△28) |
120 (△10) |
106 (△19) |
88 (△79) |
111 (+0) |
150 (+30) |
|
タイプB |
62 (+16) |
75 (+25) |
25 (△29) |
53 (△37) |
5 (△57) |
6 (△69) |
23 (△2) |
33 (△20) |
|
合計 |
187 (△18) |
242 (+45) |
136 (△57) |
173 (△47) |
111 (△76) |
94 (△148) |
134 (△2) |
183 (+10) |
(c)販売の状況(四半期会計期間毎。カッコ内は前年同四半期会計期間との増減。)
(単位:戸)
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
||||||
|
1Q (4~6月) |
2Q (7~9月) |
3Q (10~12月) |
4Q (1~3月) |
1Q (4~6月) |
2Q (7~9月) |
3Q (10~12月) |
4Q (1~3月) |
|
|
販売戸数 |
189 (+27) |
172 (+2) |
176 (+0) |
157 (△59) |
136 (△53) |
232 (+60) |
194 (+18) |
192 (+35) |
(d)在庫の状況(四半期会計期間末)
(単位:戸)
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
||||||
|
1Q (6月末) |
2Q (9月末) |
3Q (12月末) |
4Q (3月末) |
1Q (6月末) |
2Q (9月末) |
3Q (12月末) |
4Q (3月末) |
|
|
タイプA |
292 |
322 |
277 |
266 |
289 |
222 |
187 |
209 |
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タイプB |
590 |
630 |
635 |
662 |
614 |
543 |
518 |
487 |
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合計 |
882 |
952 |
912 |
928 |
903 |
765 |
705 |
696 |
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は15,544百万円となり、前連結会計年度末に比べ29百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは6,852百万円の収入(前連結会計年度は4,077百万円の収入)となりました。主な資金獲得要因は、税金等調整前当期純利益を2,215百万円、立替金及び預り金の増減額を4,626百万円、販売用不動産の増減額を5,362百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減額を1,221百万円計上したことであります。また、主な資金支出要因は、預託金の増減額を△6,214百万円計上したことであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは1,436百万円の支出(前連結会計年度は1,534百万円の収入)となりました。主な資金支出要因は、投資有価証券の取得による支出を△1,320百万円計上したことであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは5,386百万円の支出(前連結会計年度は1,027百万円の支出)となりました。主な資金獲得要因は、長期借入れによる収入を2,780百万円、社債の発行による収入を2,996百万円計上したことであります。また、主な資金支出要因は、短期借入金の純増額による支出を△1,514百万円、長期借入金の返済による支出を△4,458百万円、社債の償還による支出を△4,000百万円計上したことであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
経営成績の分析につきましては(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載しております。
b.財政状態の分析
(イ)資産の状況
当連結会計年度末の資産合計は61,660百万円と、前連結会計年度末に比べ2,865百万円の増加となりました。主な増加項目及び金額は、預託金が6,214百万円、投資有価証券が1,294百万円であり、主な減少項目及び金額は販売用不動産が5,362百万円であります。
(ロ)負債の状況
当連結会計年度末の負債合計は47,868百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,547百万円の増加となりました。主な増加項目及び金額は、預り金が4,631百万円であり、主な減少項目及び金額は、短期借入金が1,514百万円であります。
(ハ)純資産の状況
当連結会計年度末の純資産合計は13,792百万円となり、前連結会計年度末に比べ318百万円の増加となりました。主な増加項目及び金額は、利益剰余金が773百万円であり、主な減少項目及び金額は、資本剰余金が174百万円、自己株式の取得による減少が221百万円であります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては2[事業等のリスク]に記載しております。
d.経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金調達に関する原則的な規律として、流動性の高い資産の取得に関しては負債性資金により調達し、流動性の低い資産の取得に関しては資本性資金により調達することとしております。
当社グループにおける必要な事業資金については、自己資金、金融機関からの借入、社債及び株式等の発行により調達しております。
具体的には、①証券関連事業における信用取引に関する顧客への貸付資金については、自己資金及び日本証券金融㈱から借入により、②不動産関連事業の中古マンションの仕入資金については、所有する物件の保有期間に応じて、金融機関からの短期借入、当座借越やコミットメントラインによる借入により、③高齢者向け施設のアセットマネジメント事業における不動産等の取得資金については、金融機関からのノンリコースローンによる借入に加え、社債や株式等の発行により資金調達を行っております。また、その他の企業やファンド等への出資については、案件ごとに検討し、調達方法を決定することとしております。
③ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]に記載しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための指標については、1株当たりの株主資本(配当金や自己株式取得などの株主還元を含む)の成長率が株主への還元を含めた当社グループの成長を示す指標として最適と考えております。当社は、その事業モデルに鑑み、当該指標を複数年単位で中長期的に拡大することを目指しております。2012年3月期以降における(株式の併合や分割、増資の影響、配当及び自己株式取得などの株主還元、を勘案した)1株当たり自己資本の平均成長率は約13.5%となっております。
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(算定根拠:2012年3月末に1,000株所有株主様に帰属する自己資本の推移) |
(金額単位:円) |
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2012年 3月期 |
2013年 3月期 |
2014年 3月期 |
2015年 3月期 |
2016年 3月期 |
2017年 3月期 |
2018年 3月期 |
2019年 3月期 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
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株式数 *1、2 |
1,000 |
100 |
200 |
200 |
200 |
200 |
300 |
450 |
450 |
450 |
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受取配当金額 |
- |
- |
1,500 |
4,500 |
4,500 |
2,300 |
3,800 |
7,500 |
7,650 |
8,775 |
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無償新株予約権の 行使 *2 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
30,100 |
30,000 |
- |
- |
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保有株式に対応する 自己資本金額 *3 |
59,810 |
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201,308 |
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成長率 *4 |
13.5% |
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*1 2013年1月に実施した株式併合、2014年3月に実施した株式分割による影響を考慮しております。 |
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*2 無償新株予約権の割当(2株に対し1株を割当。行使価格は2018年3月期 301円、2019年3月期 200円)に関しては、全て行使したものと仮定して算定しております。 |
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*3 1株当たり自己資本に保有株式数を乗じて算定しております。 |
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*4 IRR(内部収益率)モデルにて算定しております。 |
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*5 上記の1株当たり自己資本の成長率は、現在の経営体制となった2012年3月を起点に算定しております。 |
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⑤ 重要な会計方針及び見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、資産・負債及び収益・費用の状況に影響を与える見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。