第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の基本方針・経営戦略等

当社グループは、総合的な金融サービスの提供を目指し、商品取引関連事業、有価証券関連事業及びくりっく関連事業を展開しております。これらのサービスを継続的に提供することで多様化する顧客ニーズに応えてまいります。
 また、当社グループのモットーは“誠実”です。法令遵守はもちろんのこと、コンプライアンス、お客様志向や高い倫理観など、“誠実”という行動原則に従って企業活動を行ってまいります。
 さらに、社会に貢献できる活動を行っていくことで、株主の皆様、お客様、従業員とその家族、社会貢献など、すべてのステークホルダーにとって存在価値のある企業集団を目指しております。

(2) 目標とする経営指標

当社は、限られた経営資源をグループ傘下の各企業へ効率的に投入することで、利益の最大化・株主価値の極大化を図ることを経営目標として掲げております。純資産額規制比率や自己資本規制比率の充実及び顧客の預り資産、口座数等の拡大に向けて取り組んでまいります。

① 預り資産の拡大

当社グループでは、マーケットの動向に左右されない経営基盤を確立するため、預り資産の拡大を最重要課題の一つと認識しております。商品取引関連事業、有価証券関連事業及びくりっく関連事業については、相場を対象としたものであるがゆえに、その動向次第では、収益基盤を揺るがす可能性があります。当社グループは、預り資産の拡大を進めることで、相場動向に左右されにくい経営基盤の構築を引き続き目指してまいります。

② 経営体質の向上

当社グループは、経営の効率化と機動性を発揮し、経営体質を強化するために持株会社体制を採用しております。当社はグループ傘下企業に対し、経営資源を効率的に投入することで、株主資本を有効的に活用し経営体質の向上を図ってまいります。

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の影響によりセミナーやイベントの延期が相次ぐなど厳しい事業環境の中においても、ビジネスモデルの最適化を図りながら安定的に収益基盤を確保し、黒字経営を継続するため、以下の方針で事業活動を行ってまいります。

これまで当社グループは商品取引関連事業を中核事業として事業活動を行ってまいりましたが、くりっく関連事業の口座数と預り資産が大きく増加したことから、商品取引関連事業に代わる中核事業となっております。

くりっく関連事業につきましては、NYダウや日経225などの株価指数が大きく変動したことなどを背景に口座数と預り資産が大きく増加しております。2020年10月には金ETF、原油ETFの上場が予定されており、安定的な収益の確保のため、さらなる口座数と預り資産の拡大に取り組んでまいります。

商品取引関連事業につきましては、東京商品取引所と日本取引所グループとの経営統合により、2020年7月には総合取引所が実現する予定となっております。総合取引所の実現により新たな顧客層の流入も期待されます。収益の維持のための基盤整備として、引き続き預り資産の維持・拡大に取り組んでまいります。

有価証券関連事業につきましては、既存の証券事業の収益拡大を図るとともに、引き続き新たな収益源を模索してまいります。

また、お客様に安心してお取引をいただくため、コンプライアンスの遵守とサイバーセキュリティ対策をより一層徹底し、誠実な業務運営を行い、万全の体制をもって会社の信頼向上に邁進してまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、時差出勤等の実施により従業員の安全確保と新型コロナウイルス感染症の拡大防止に配慮しつつ業務を継続しております。今後も引き続き、お客様の資産をお預かりし総合的な金融サービスの提供を行っていることを強く認識し、お客様に対して“誠実”に業務を継続する努力を行ってまいります。

 

2 【事業等のリスク】

  当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のとおりであります。これらは投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

  なお、当社グループはこれらのリスクの発生要因を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

  また、文中において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、全てのリスク要因を網羅したものではありません。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 

① 市場の変動

当社グループの事業は、国内に加え世界のあらゆる金融・商品市場の動向や経済情勢の影響を大きく受けています。取引の停滞や減少は、純粋な経済的要因だけではなく、戦争、テロ、自然災害などによっても引き起こされます。取引の停滞や減少が長引くと、経営予測を超えて収益に影響を及ぼす可能性があります。

② 自己売買業務

当社グループでは、自己売買業務を行っております。当該業務に関しては、ディーリング業務規程と日々のモニタリングによる十分なリスク管理体制をとっております。しかしながら、急激な相場変動等によっては、当初想定していないリスクが顕在化する可能性があり、そのような場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 法的規制及び改定等による新たな規制の導入に関して

商品先物取引業は商品先物取引法、証券業は金融商品取引法の適用を受けるほか、各取引所が定める受託契約準則、日本商品先物取引協会及び日本証券業協会の自主規制ルールなど様々な法令・諸規則の適用を受けております。

これらの適用法令等に抵触した場合には、許認可・登録の取消し、業務停止、過怠金の支払命令などの処分が行われることがあり、そのような場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ システムに関して

当社グループでは、インターネット取引をはじめ、業務上さまざまなコンピュータシステムを使用しております。当社グループでは、費用対効果を考慮し、新たなシステム投資を行っております。そのため、当初の見込みに反し、投資コストに対する効果が思わしくなかった場合、あるいは不具合、その他自然災害などにより障害を起こした場合、その規模によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 個人情報漏洩に関して

当社グループは顧客の電話番号、住所、銀行口座などの個人情報をコンピュータシステムなどによって管理しております。これらの個人情報につきましては、厳重に社内管理を行っておりますが、外部からの不正アクセスや内部管理体制の不備などにより、個人情報が漏洩した場合には、当社グループはその責任を問われると同時に社会的信用を失う恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 訴訟に関して

2020年3月31日現在、当社グループでは15件の訴訟が係争中であり、係争金額の合計は346百万円であります。これらは顧客が当社グループ企業へ委託した商品先物取引や証券取引の売買取引等において違法行為があったなどとして、当社グループ企業に対して損害賠償を求めるものであります。これに対して当社グループ企業は、全ての取引は法令を遵守して行われたことを主張して争っております。上記の訴訟はいずれも係争中であるため、現時点で結果を予想するのは困難ですが、これらの訴訟の状況によっては、当社グループの経営が影響を受ける可能性があります。

 

⑦ 新型コロナウイルス感染症の影響に関して

新型コロナウイルス感染症の拡大に対し、当社グループの役員・従業員の感染防止策として、時差出勤等を行い、感染防止に備えております。それにもかかわらず、当社グループの役員・従業員に新型コロナウイルス感染症の感染者が出た場合、事業所の閉鎖やそれに伴う事業停止等の対応を余儀なくされ、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

イ.経済環境

当連結会計年度のわが国経済は、前半は堅調な内需を下支えに企業業績は高水準の推移が続きましたが、10月以降は消費増税や大型台風の襲来により個人消費が減速し、2月以降は新型コロナウイルスの影響でインバウンド需要と個人消費が大きく落ち込みました。

米国経済は、FRBが景気の下振れを回避するため予防的な利下げを行ったことや米中通商交渉の第一段階の合意が成立したことから2月までは底堅く推移しました。しかし、年度末にかけては新型コロナウイルスの感染者が急増し経済活動が大幅に制限されたことから失業者が急増し、景気は大きく減速しました。

ユーロ圏経済は、米中貿易摩擦による世界的な景気減速や英国のEU離脱による混乱を背景に前半は景気減速局面が続きました。その後、ECBが金融緩和を行ったことから景気は緩やかに回復しつつありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により年度末にかけて減速しました。

アジア経済は、中国が米国との貿易摩擦を背景に景気は減速傾向となりましたが、政府の経済政策による下支えで12月までは大幅な成長鈍化は回避されました。しかし、1月以降は新型コロナウイルスの発生により景気は大きく落ち込みました。

 

ロ.業界環境

当連結会計年度の商品先物業界は、2019年10月に行われた東京商品取引所と日本取引所グループとの経営統合を受け、金融からコモディティまで幅広い商品の取引が可能な総合取引所が2020年7月を目途に実現することになりました。

商品市況は、金は米国の利下げや米中貿易摩擦の激化を背景に大きく上昇した後、9月以降は横ばいでの推移が続いていましたが、1月以降は新型コロナウイルスの発生により安全資産としての買いが入り急伸した後、現金化の動きにより急落するなど乱高下しました。原油は2月までは概ねレンジ内での推移が続いていましたが、3月に入りOPECプラスの協調減産協議が決裂したことや新型コロナウイルスによりエネルギー需要が減退するとの懸念から急落しました。これらの背景から、全国市場売買高は43,411千枚(前年同期比101.9%)となりました。

証券市況は、日経平均株価は米中の貿易摩擦を背景に8月に20,000円近くまで下落した後、米国の利下げにより米国株が上昇したことから12月に24,000円台まで上昇しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が世界規模で広がったことから景気後退懸念が強まり年度末にかけて急落しました。

為替市況は、円相場は米国の利下げや米中の貿易摩擦により8月下旬にかけて円高ドル安となった後、日米の株価が上昇しリスク選好が強まったことから2月にかけて円安ドル高となりましたが、3月に入ると新型コロナウイルスによるマーケットの混乱から大幅に円高ドル安になった直後に大きく円安ドル高に戻すという激しい値動きとなりました。

 

 

 

ハ.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて4,207百万円減少し、30,313百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べて4,015百万円減少し、27,019百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べて191百万円減少し、3,293百万円となりました。

 

ニ.経営成績

当連結会計年度における当社グループの受取手数料は2,474百万円(前年同期比118.8%)、売買損益は246百万円の利益(同54.1%)となり、営業収益は2,850百万円(同106.9%)となりました。

営業費用は3,073百万円(同115.9%)となりました。これらにより、営業損失は223百万円(前年同期は15百万円の営業利益)、経常損失は197百万円(前年同期は37百万円の経常利益)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は89百万円(前年同期比53.2%)となりました。

 

当社グループの当連結会計年度における営業収益の状況は次のとおりであります。

A.受取手数料

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

商品先物取引

 

 

 

国内市場

 

 

 

  現物先物取引

 

 

 

農産物・砂糖市場

7,838

139.1

 

貴金属市場

512,799

57.6

 

ゴム市場

29,875

68.7

 

エネルギー市場

2,974

15.5

 

中京石油市場

15

20.0

 

小計

553,502

57.7

 

  現金決済取引

 

 

 

貴金属市場

34,537

43.3

 

エネルギー市場

34,408

15.6

 

小計

68,945

23.0

 

国内市場計

622,448

49.5

 

海外市場計

591

38.4

 

商品先物取引計

623,040

49.5

商品先物取引仲介業

8,214

商品取引

631,255

50.1

証券取引

136,078

126.6

取引所株価指数証拠金取引

及び取引所為替証拠金取引

1,706,724

238.6

合計

2,474,057

118.8

 

(注)  上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

B.売買損益

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

商品先物取引損益

 

 

 

国内市場

 

 

 

  現物先物取引

 

 

 

農産物・砂糖市場

71

8.2

 

貴金属市場

△30,066

 

ゴム市場

37,436

49.7

 

小計

7,441

8.6

 

  現金決済取引

 

 

 

貴金属市場

△4,395

 

小計

△4,395

 

国内市場計

3,045

3.5

 

商品先物取引損益計

3,045

3.5

商品売買取引

208,204

147.2

商品取引

211,249

92.8

証券取引

35,580

15.5

合計

246,829

54.1

 

(注)  上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

C.その他

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

リース料

61,651

114.0

その他

67,604

92.4

合計

129,255

101.6

 

(注)  上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

(a) 商品取引関連事業

商品取引関連事業につきましては、受取手数料は631百万円(前年同期比50.1%)となりました。また、売買損益は211百万円の利益(同92.8%)となりました。この結果、営業収益は943百万円(同59.9%)となりました。

 

当社グループの当連結会計年度における商品取引関連事業の営業収益は次のとおりであります。

A.営業収益

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

受取手数料

631,255

50.1

売買損益

211,249

92.8

その他

101,353

114.0

合計

943,858

59.9

 

(注)  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

当社グループの商品先物取引の売買に関して当連結会計年度中の状況は次のとおりであります。

B.商品先物取引の売買高の状況

市場名

委託(枚)

前年同期比
(%)

自己(枚)

前年同期比
(%)

合計(枚)

前年同期比
(%)

国内市場

 

 

 

 

 

 

  現物先物取引

 

 

 

 

 

 

農産物・砂糖市場

3,590

26.4

174

17.6

3,764

25.8

貴金属市場

282,261

61.6

81,643

121.9

363,904

69.3

ゴム市場

72,691

43.0

41,062

51.5

113,753

45.7

エネルギー市場

2,734

12.8

2,734

12.8

中京石油市場

10

20.0

10

20.0

小計

361,286

54.6

122,879

83.2

484,165

59.8

  現金決済取引

 

 

 

 

 

 

貴金属市場

101,487

41.9

1,824

92.4

103,311

42.4

エネルギー市場

113,766

41.4

113,766

41.4

小計

215,253

41.6

1,824

92.4

217,077

41.8

国内市場計

576,539

48.9

124,703

83.3

701,242

52.8

海外市場計

277

23.9

277

23.9

合計

576,816

48.9

124,703

83.3

701,519

52.7

 

(注) 1  主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。

取引所名

銘柄名

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日

委託売買高(枚)

割合(%)

委託売買高(枚)

割合(%)

東京商品取引所

白金

149,459

12.7

169,644

29.4

東京商品取引所

原油

274,987

23.3

113,766

19.7

東京商品取引所

305,149

25.9

111,485

19.3

東京商品取引所

ゴム(RSS3号)

166,960

14.1

69,999

12.1

東京商品取引所

金(ゴールドスポット)

154,365

13.1

66,134

11.5

 

2  商品先物取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金1枚は1kg、とうもろこしは50トンというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。

 

当社グループの商品先物取引に関する売買高のうち、当連結会計年度末において反対売買等により決済されていない建玉の状況は次のとおりであります。

 

 

C.商品先物取引の未決済建玉の状況

市場名

委託(枚)

前年同期比
(%)

自己(枚)

前年同期比
(%)

合計(枚)

前年同期比
(%)

国内市場

 

 

 

 

 

 

  現物先物取引

 

 

 

 

 

 

農産物・砂糖市場

62

11.2

62

11.2

貴金属市場

16,330

95.0

72

153.2

16,402

95.2

ゴム市場

3,828

119.2

1,144

161.1

4,972

126.8

エネルギー市場

55

45.5

55

45.5

小計

20,275

96.2

1,216

160.6

21,491

98.5

  現金決済取引

 

 

 

 

 

 

貴金属市場

13,881

50.2

24

200.0

13,905

50.3

エネルギー市場

3,021

54.9

3,021

54.9

小計

16,902

51.0

24

200.0

16,926

51.1

国内市場計

37,177

68.6

1,240

161.2

38,417

69.9

海外市場計

2

5.4

2

5.4

合計

37,179

68.5

1,240

161.2

38,419

69.8

 

 

(b) 有価証券関連事業

有価証券関連事業につきましては、受取手数料は136百万円(前年同期比126.6%)となりました。また、売買損益は35百万円の利益(同15.5%)となりました。この結果、営業収益は199百万円(同53.2%)となりました。

 

(c) くりっく関連事業

くりっく関連事業につきましては、受取手数料は1,706百万円(前年同期比238.6%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動による資金の獲得331百万円があったものの、営業活動による資金の使用1,289百万円及び財務活動による資金の使用232百万円があり、期首残高に比べ1,190百万円減少しました。これにより当連結会計年度末における資金は1,750百万円(前年同期比59.5%)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果使用した資金は1,289百万円(前連結会計年度は722百万円の獲得)となりました。これは、税金等調整前当期純利益112百万円を計上したほか、受入保証金の増加1,051百万円、信用取引資産の減少509百万円等の資金増加要因があった一方で、差入保証金の増加1,374百万円、信用取引負債の減少544百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果獲得した資金は331百万円(前連結会計年度は198百万円の使用)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入573百万円等があった一方で、投資有価証券の取得による支出227百万円等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は232百万円(前連結会計年度は401百万円の獲得)となりました。これは、長期借入金の返済による支出337百万円、短期借入金の純増による収入136百万円等があったことによるものであります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態の分析

 (資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて4,207百万円減少し、30,313百万円となりました。これは、差入保証金1,374百万円、貸倒引当金の取崩及び洗替1,364百万円等の増加があったものの、貸付商品3,726百万円、破産更生債権等1,309百万円、現金及び預金1,215百万円等の減少があったこと等によるものであります。

セグメント別の総資産につきましては、商品取引関連事業においては前連結会計年度末に比べて4,375百万円減少し、24,558百万円となり、有価証券関連事業においては前連結会計年度末に比べて606百万円減少し、1,662百万円となり、くりっく関連事業においては前連結会計年度末に比べて1,150百万円増加し、3,166百万円となりました。

 (負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて4,015百万円減少し、27,019百万円となりました。これは、預り商品1,937百万円、受入保証金1,051百万円等の増加があったものの、借入商品5,485百万円、信用取引借入金550百万円等の減少があったこと等によるものであります。

セグメント別の負債合計につきましては、商品取引関連事業においては前連結会計年度末に比べて4,424百万円減少し、23,139百万円となり、有価証券関連事業においては前連結会計年度末に比べて495百万円減少し、525百万円となり、くりっく関連事業においては前連結会計年度末に比べて1,020百万円増加し、3,138百万円となりました。

 (純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて191百万円減少し、3,293百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益89百万円の計上、配当金の支払32百万円、その他有価証券評価差額金256百万円の減少等によるものであります。

 

ロ.経営成績の分析

 (営業収益)

当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度に比べて183百万円増加し、2,850百万円(前年同期比6.9%増)となりました。セグメント別の営業収益につきましては、商品取引関連事業においては商品先物取引市場の低迷が続く中で営業収益が943百万円(同40.1%減)となり、有価証券関連事業においては外国債券の販売が低迷したことにより営業収益が199百万円(同46.8%減)となりましたが、くりっく関連事業においては営業収益が1,706百万円(同138.6%増)となりました。

 (営業利益)

当連結会計年度における営業費用は、前連結会計年度に比べて422百万円増加し、3,073百万円(前年同期比15.9%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業損失は223百万円(前年同期は15百万円の営業利益)となりました。

 

 (経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度とほぼ同水準の62百万円(前年同期比0.3%増)となりました。

営業外費用は、前連結会計年度に比べて3百万円減少し、37百万円(同8.0%減)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常損失は197百万円(前年同期は37百万円の経常利益)となりました。

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益320百万円を計上したこと等により、347百万円(前年同期比53.9%増)となりました。

特別損失は、訴訟損失引当金繰入額36百万円を計上したことにより、37百万円(同36.0%減)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は89百万円(同46.8%減)となりました。

 

当社グループは、以上のように当連結会計年度はくりっく関連事業の拡大による増収及び投資有価証券売却益の計上により2期連続の黒字とはなったものの、より強固な経営基盤を築き上げるべく、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしましたそれぞれの課題を一つ一つ着実にクリアしてまいります。

また、当社グループの経営成績に重大な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。

なお、新型コロナウィルスの感染拡大が当社グループの経営成績へ与える影響を正確に把握することは困難な状況にありますが、新型コロナウイルス感染症につきましては、一定期間で感染拡大が抑制され収束に向かい、経済活動は正常化されると想定しております。

 

ハ.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金の残高は、短期借入金は870百万円であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,750百万円であります。

 

② 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づくとともに、当社グループの主たる事業である商品先物取引事業を営む会社に適用される「商品先物取引業統一経理基準」に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

また、当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

(貸倒引当金)

当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。従って、債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となる可能性があります。

 

固定資産の減損損失)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の認識及び測定に当たっては、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や経営環境等の前提条件の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。

減損損失の実績につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結損益計算書関係」をご参照下さい。

 

なお、新型コロナウィルス感染対策に伴う経済活動への深刻な影響等により、会計上の見積りが困難な状況ではありますが、当社グループが現時点で把握できる最善の方法により連結財務諸表の作成を行っております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社と日産証券株式会社(以下「日産証券」といいます。)は、2019年2月13日付で経営統合に向けての基本合意書を締結し、その具体的な検討・協議を進めてまいりましたが、2020年5月15日開催の各社の取締役会において、当社及び日産証券が商品先物取引事業及び金融商品取引事業に関する緊密な提携を行うことにより企業価値を最大化することを目的として、株式交換による経営統合を行うことをそれぞれ決議し、その旨の経営統合契約(以下「本経営統合契約」といいます。)を締結いたしました。

本経営統合契約に伴い、当社と日産証券は、2020年5月15日開催の各社の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、日産証券を株式交換完全子会社とし、 2020年10月1日を効力発生日として、株式交換を行うことを決議し、両社の間で株式交換契約を締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照下さい。

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。