(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、年明け以降は株価の乱高下や円高の進行が見られる等、金融市場がやや不安定となりましたが、全体としては政府による成長戦略や日銀の金融緩和により、企業収益の改善や設備投資の増加が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
一方で、中国を中心とした新興国経済の失速に加えて、中東情勢をめぐる地政学的リスクの高まり等国内景気を下押しするリスクも見られ、先行きは不透明な状況にあります。
不動産金融市場におきましては、回復基調が定着した国内景気や金融緩和により、資金調達環境が引き続き良好であることを背景に、商業地を中心とした不動産の流動性は堅調に推移しておりますが、都市部を中心として地価の上昇が見られ、不動産投資市場では過熱感が懸念される等先行きについては留意する必要があります。
このような環境の下、当社におきましては、首都圏の不動産の流動性を背景に積極的な顧客開拓を行いつつも、過熱する不動産投資市場への警戒感から、従来通り「債権の健全性」を重視して債権内容の維持に努めてまいりました。
その結果、当事業年度末における営業貸付金残高は、前事業年度末の63,166,811千円から3,499,478千円(5.5%)増加の66,666,289千円となりました。
当事業年度における経営成績は以下の通りであります。
① 営業収益
営業貸付金利息は、期中平均貸付金残高が前事業年度比7.1%の増加となったこと等により、前事業年度比339,870千円(7.4%)の増加となりました。その他の営業収益は、期中貸付額が前事業年度比5.5%の増加となったことに伴い、手数料収入が前事業年度比45,910千円(6.7%)の増加、期中回収額が前事業年度比30.9%の増加となったことに伴い、解約違約金が前事業年度比121,947千円(51.4%)の増加、保証事業による収入が増加したことに伴い、その他が前事業年度比65,666千円(129.9%)の増加となったこと等により、前事業年度比231,324千円(23.6%)の増加となりました。
以上の結果、当事業年度における営業収益は前事業年度比571,195千円(10.3%)増加の6,120,552千円となりました。
② 営業費用
金融費用の支払利息は、期中平均有利子負債残高が前事業年度比5.4%の増加となったものの、平均調達金利が低下したこと等により、前事業年度比42,307千円(6.0%)の減少となりました。また、金融費用のその他は、資金調達に係る手数料の減少等により前事業年度比11,726千円(20.5%)の減少となりました。
その他の営業費用は、貸倒引当金繰入額が前事業年度においては△114,247千円であったものの、当事業年度においては3,800千円となり、118,047千円の増加要因となったこと等により、前事業年度比156,282千円(13.5%)の増加となりました。
以上の結果、当事業年度における営業費用は前事業年度比100,548千円(5.2%)増加の2,022,093千円となりました。
③ 営業利益
前述のとおり、当事業年度における営業収益は、前事業年度比571,195千円(10.3%)の増加となり、営業費用は前事業年度比100,548千円(5.2%)の増加となったことから、営業利益は前事業年度の3,627,811千円に比べて470,647千円(13.0%)増加の4,098,459千円となりました。
④ 経常利益
営業外収益、営業外費用ともに経常利益に大きな影響を与えるものはなく、経常利益は前事業年度の3,627,402千円に比べて471,920千円(13.0%)増加の4,099,323千円となりました。
⑤ 特別利益、特別損失
特別利益は、固定資産売却益の計上により1,504千円となり、特別損失は、前事業年度においては関係会社清算損の計上があったものの当事業年度は計上がなく、前事業年度比58,913千円の減少となりました。
⑥ 当期純利益
法人税、住民税及び事業税は前事業年度比159,492千円(11.6%)の増加、法人税等調整額は前事業年度比78,270千円(103.0%)の減少となり、法人税等合計が前事業年度比81,222千円(5.6%)の増加となりました。
以上により、当事業年度における当期純利益は、前事業年度の2,114,105千円に比べて451,116千円(21.3%)増加の2,565,222千円となりました。
なお、当社は不動産担保ローン事業の単一セグメントであるため、セグメントに関連付けた記載は行っておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べて644,599千円増加し、1,933,364千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは791,927千円の支出となりました。
これは主として、税引前当期純利益4,100,827千円を計上したものの、営業貸付金の増加による支出3,499,478千円、法人税等の支払額1,361,857千円による支出があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは421,934千円の収入となりました。
これは主として、子会社の清算による収入441,086千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,014,592千円の収入となりました。
これは、有利子負債の純増加額1,451,517千円による収入と、配当金の支払436,924千円による支出によるものであります。
(3)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく営業貸付金の状況は次のとおりであります。
① 貸付金種別残高内訳
|
貸付種別 |
当事業年度末 (平成28年3月31日) |
||||
|
件数 |
残高(千円) |
平均約 定利率 (%) |
|||
|
|
構成割合 (%) |
|
構成割合 (%) |
||
|
消費者向 |
|
|
|
|
|
|
無担保(住宅向を除く) |
- |
- |
- |
- |
- |
|
有担保(住宅向を除く) |
2,074 |
35.4 |
13,844,974 |
20.8 |
7.96 |
|
住宅向 |
74 |
1.2 |
759,774 |
1.1 |
7.93 |
|
計 |
2,148 |
36.6 |
14,604,748 |
21.9 |
7.96 |
|
事業者向 |
|
|
|
|
|
|
計 |
3,715 |
63.4 |
52,061,540 |
78.1 |
7.28 |
|
合計 |
5,863 |
100.0 |
66,666,289 |
100.0 |
7.43 |
(注)件数は同一顧客の場合でも契約が異なる場合は1件として計算しておりますので、顧客数での表示とは相違があります。
② 調達別内訳
|
借入先等 |
当事業年度 (平成28年3月31日) |
||
|
残高(千円) |
平均調達金利 (%) |
||
|
金融機関等からの借入 |
39,145,045 |
1.61 |
|
|
その他 |
- |
- |
|
|
|
社債・CP |
- |
- |
|
合計 |
39,145,045 |
1.61 |
|
|
自己資本 |
29,531,661 |
- |
|
|
|
資本金・出資額 |
2,307,848 |
- |
(注)「自己資本」は、資産の合計額より負債の合計額を控除し、引当金(特別法上の引当金を含む。)の合計額を加えた額であります。
③ 業種別貸付金残高内訳
|
業種別 |
当事業年度 (平成28年3月31日) |
|||
|
先数 |
残高(千円) |
|||
|
|
構成割合 (%) |
|
構成割合 (%) |
|
|
製造業 |
76 |
2.2 |
2,737,800 |
4.1 |
|
建設業 |
156 |
4.5 |
2,404,470 |
3.6 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
- |
- |
- |
- |
|
運輸・通信業 |
105 |
3.1 |
1,952,543 |
2.9 |
|
卸売・小売業、飲食店 |
339 |
9.9 |
7,787,126 |
11.7 |
|
金融・保険業 |
21 |
0.6 |
390,903 |
0.6 |
|
不動産業 |
489 |
14.3 |
21,380,880 |
32.1 |
|
サービス業 |
432 |
12.6 |
8,574,206 |
12.9 |
|
個人 |
1,465 |
42.7 |
14,604,748 |
21.9 |
|
その他 |
348 |
10.1 |
6,833,608 |
10.2 |
|
合計 |
3,431 |
100.0 |
66,666,289 |
100.0 |
(注)先数は顧客数で表示いたしております。
④ 担保別貸付金残高内訳
|
受入担保の種類 |
当事業年度 (平成28年3月31日) |
||
|
残高(千円) |
構成割合(%) |
||
|
有価証券 |
- |
- |
|
|
|
うち株式 |
- |
- |
|
債権 |
- |
- |
|
|
|
うち預金 |
- |
- |
|
商品 |
- |
- |
|
|
不動産 |
66,666,289 |
100.0 |
|
|
財団 |
- |
- |
|
|
その他 |
- |
- |
|
|
計 |
66,666,289 |
100.0 |
|
|
保証 |
- |
- |
|
|
無担保 |
- |
- |
|
|
合計 |
66,666,289 |
100.0 |
|
⑤ 期間別貸付金残高内訳
|
期間別 |
当事業年度 (平成28年3月31日) |
|||
|
件数 |
残高(千円) |
|||
|
|
構成割合 (%) |
|
構成割合 (%) |
|
|
1年以下 |
151 |
2.6 |
4,512,122 |
6.8 |
|
1年超 5年以下 |
2,567 |
43.8 |
30,884,817 |
46.3 |
|
5年超 10年以下 |
2,292 |
39.1 |
23,345,646 |
35.0 |
|
10年超 15年以下 |
755 |
12.9 |
7,274,268 |
10.9 |
|
15年超 20年以下 |
85 |
1.4 |
552,691 |
0.8 |
|
20年超 25年以下 |
12 |
0.2 |
94,982 |
0.2 |
|
25年超 |
1 |
0.0 |
1,760 |
0.0 |
|
合計 |
5,863 |
100.0 |
66,666,289 |
100.0 |
|
1件当たり平均期間 |
5.1年 |
|||
(注)1.件数は同一顧客の場合でも契約が異なる場合は1件として計算しておりますので、顧客数での表示とは相違があります。
2.期間は約定期間によっております。
(1)営業収益の状況
当事業年度の営業収益をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
不動産担保ローン事業 |
(千円) |
6,120,552 |
10.3 |
|
報告セグメント計 |
(千円) |
6,120,552 |
10.3 |
|
合計 |
(千円) |
6,120,552 |
10.3 |
(注)消費税等につきましては、税込方式で表示しております。
(2)営業貸付金増減額及び残高
|
区分 |
前事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|
金額(千円) |
金額(千円) |
|
|
期首残高 |
54,931,100 |
63,166,811 |
|
期中貸付額 |
28,263,605 |
29,803,972 |
|
期中回収額 |
20,026,642 |
26,304,494 |
|
破産更生債権等振替額 |
- |
- |
|
貸倒償却額 |
1,252 |
- |
|
期末残高 |
63,166,811 |
66,666,289 |
|
平均貸付金残高 |
58,602,220 |
62,745,547 |
(3)営業貸付金残高の内訳
利率別貸付金残高内訳
|
利率別 |
前事業年度 (平成27年3月31日) |
当事業年度 (平成28年3月31日) |
||||||
|
件数 |
残高(千円) |
件数 |
残高(千円) |
|||||
|
|
構成割合 (%) |
|
構成割合 (%) |
|
構成割合 (%) |
|
構成割合 (%) |
|
|
0.0%超 7.0%以下 |
516 |
9.8 |
18,739,944 |
29.7 |
581 |
9.9 |
19,847,996 |
29.8 |
|
7.0%超 8.0%以下 |
2,099 |
39.7 |
28,220,857 |
44.7 |
2,834 |
48.4 |
33,598,962 |
50.4 |
|
8.0%超 9.0%以下 |
2,128 |
40.3 |
14,200,243 |
22.5 |
2,148 |
36.6 |
12,217,497 |
18.3 |
|
9.0%超 10.0%以下 |
523 |
9.9 |
1,971,115 |
3.1 |
292 |
5.0 |
996,304 |
1.5 |
|
10.0%超 11.0%以下 |
18 |
0.3 |
30,351 |
0.0 |
5 |
0.1 |
3,656 |
0.0 |
|
11.0%超 12.0%以下 |
2 |
0.0 |
3,421 |
0.0 |
1 |
0.0 |
1,640 |
0.0 |
|
12.0%超 13.0%以下 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
13.0%超 14.0%以下 |
2 |
0.0 |
877 |
0.0 |
2 |
0.0 |
230 |
0.0 |
|
14.0%超 15.0%以下 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
5,288 |
100.0 |
63,166,811 |
100.0 |
5,863 |
100.0 |
66,666,289 |
100.0 |
(注)件数は同一顧客の場合でも契約が異なる場合は1件として計算しておりますので、顧客数での表示とは相違があります。
(4)調達実績
借入先別内訳
|
借入先別 |
前事業年度 (平成27年3月31日) |
当事業年度 (平成28年3月31日) |
||||
|
調達額 (千円) |
返済額 (千円) |
期末残高 (千円) |
調達額 (千円) |
返済額 (千円) |
期末残高 (千円) |
|
|
都市銀行 |
3,620,000 |
1,654,835 |
3,874,099 |
2,030,000 |
1,970,195 |
3,933,904 |
|
地方銀行 |
8,100,000 |
8,309,719 |
13,682,535 |
13,200,000 |
10,353,465 |
16,529,069 |
|
信託銀行 |
280,000 |
749,000 |
504,333 |
1,400,000 |
510,133 |
1,394,200 |
|
その他銀行 |
2,700,000 |
2,989,500 |
4,678,000 |
3,200,000 |
3,052,500 |
4,825,500 |
|
事業会社 |
5,934,500 |
3,628,945 |
7,454,560 |
1,582,500 |
3,242,688 |
5,794,371 |
|
証券化借入金 |
2,500,000 |
- |
7,500,000 |
- |
832,000 |
6,668,000 |
|
合計 |
23,134,500 |
17,332,000 |
37,693,528 |
21,412,500 |
19,960,982 |
39,145,045 |
当社が行っている不動産担保ローン事業は、不動産市況の影響を受けることが多く、担保価値の下落による貸倒リスクをいかに抑えていくかが重要となってまいります。また、地価の上昇局面においては、ビジネスチャンスは広がりますが、反落した場合のリスクを常に意識した経営が必要であります。
そのため、当社では好況時、不況時にかかわらず「財務の健全性」を重視し、貸倒れを抑えたローコスト経営を堅持することで、着実な成長を続けていけることを基本方針としております。
今後、中長期に亘って当社が成長を続けていくためには、財務の健全性に加え、積極的な営業展開も必要不可欠であります。不動産担保ローン事業が今後も当社の収益の中核ではありますが、中長期的な成長戦略として、不動産担保ローン事業で培ったノウハウを活用できる隣接事業の構築を図ってまいりたいと考えております。
その一環といたしまして、不動産担保ローンの保証事業を行っております。今後も、金融機関等との業務提携により保証事業を拡大し、収益基盤の強化を目指してまいります。
(1)知名度向上による企業ブランド力の強化
当社はインターネット広告及び交通広告を中心にプロモーション活動を展開し、企業認知度及びブランド力の向上を図っておりますが、対象顧客が不動産所有者に限定されてしまう制約上、費用対効果の面で、大々的なプロモーション活動が難しいのが現状であります。当社といたしましては、地道な活動を通じ、ブランド力の浸透を図っていく所存であります。
(2)企業体質の強化
当社はお客様の企業採算に乗る金利での資金供給を経営の基本方針にしております。この方針に基づき、お客様への貸付金利の引き下げを図りつつ、優良な顧客の開拓を積極的に行い、信用コストを抑えた良質な営業貸付金残高の積み上げを行ってまいります。
資金調達面におきましても金融機関からの借入コストの軽減を図ることに加えて、直接市場からの低利での資金調達にも注力し、財務内容の健全性を高め、企業体質の強化を図ってまいります。
(3)人材の育成
当社の財産は社員であり、当社が健全に成長していくためには、会社の経営理念をよく理解し、ロイヤルティが高い優秀な社員の育成が必須と認識しております。そのため、当社では社員のキャリアに応じた階層別の研修体制を構築し、知識や技術の習得のみならず、企業理念の涵養やコンプライアンスの徹底も図り、人材の育成に努めております。
このような方針に基づき、当社は新規卒業者のみを採用し3年掛けて一人前の「アサックスマン」となるよう育成を行っております。
以下に記載いたしました「事業等のリスク」は、当社が把握している情報に基づく想定及び見解を基に当社の事業展開上リスクとなる可能性があると考えられる主要な事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資家への積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)市場環境の変化に関するリスク
① 不動産市場の変化に伴うリスク
当社の行う不動産担保ローンのビジネスモデルは不動産市場の影響を受けるため、今後不動産市場が悪化した場合、担保不動産の価格下落を受け新規の貸付が減少するリスクが高まることにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 貸付債権の悪化に伴うリスク
不動産市場が悪化して地価が下落した場合には、担保不動産の価値の目減りによって、債権の与信が悪化する可能性があります。当社は、貸付における与信厳格化及び途上与信管理における債権メンテナンス(担保不動産の再評価)に注力し、健全な債権内容の維持に努めております。
しかしながら、今後市場環境が悪化した場合、担保不動産の価格下落による担保不足の貸付債権の増加リスク及び顧客の返済能力の低下による支払遅延リスクが高まることにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 貸倒リスクについて
当社の不動産担保ローンは、概ね1年から5年の期間でお客様に融資いたしております。担保物件の多くは居住用不動産ですが、景気動向、金利動向、地価動向等によって価額の影響を受けます。
また、担保の一部には収益不動産がありますが、同様に金利動向、賃貸の需給バランスによる賃料相場等により価額の影響を受けます。
当社は、商業不動産、大型不動産、特殊な用途の不動産等需要が限定的な不動産は原則として担保とせず、一顧客当りの平均貸付額は19,000千円程度(平成28年3月期)と小口分散を図っておりますが、不動産価額の変動によっては貸倒れが増加し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の最近5事業年度における営業債権に係る貸倒引当金及び貸倒損失は以下のとおりであります。
|
|
第43期 (平成24年3月期) |
第44期 (平成25年3月期) |
第45期 (平成26年3月期) |
第46期 (平成27年3月期) |
第47期 (平成28年3月期) |
|
貸倒引当金 (千円) (貸倒引当率) |
157,000 (0.32%) |
205,100 (0.38%) |
185,200 (0.34%) |
69,700 (0.11%) |
73,500 (0.11%) |
|
貸倒償却額 (千円) (貸倒償却率) |
162,156 (0.33%) |
1,783 (0.00%) |
- (-) |
1,252 (0.00%) |
- (-) |
|
営業債権 期末残高 (千円) |
48,457,876 |
53,588,929 |
54,992,083 |
63,166,811 |
66,666,289 |
(注)1.貸倒引当率=営業債権に係る貸倒引当金/営業債権期末残高
2.貸倒償却額=営業債権に係る貸倒引当金目的取崩額+貸倒損失額
3.貸倒償却率=貸倒償却額/営業債権期末残高
④ 競争の変化に伴うリスク
当社の主要事業である不動産担保ローン事業には、対象とする不動産の価値判断や顧客リスク判断等のノウハウが必要であり、他業種からの参入、或いは同業種からの当市場への参入は少なからず困難が伴うものと考えております。
しかしながら、今後、他業種、或いは金融機関を含む同業種からの当市場への参入により顧客獲得競争が激化し、優良顧客の獲得が十分にできなかった場合又は優良顧客を奪われた場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 業界全般及び当社に対するネガティブな報道に伴うリスク
当社及びローン業界に対するネガティブな報道や悪質な風評等により、それが事実であるか否かに拘らず、契約解消の増加や顧客の減少などにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制について
当社の不動産担保ローン事業は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という)の適用を受けております。
当社は、コンプライアンスを経営の最重要課題の一つとして、社内規程の整備や役員及び従業員への啓蒙活動を通じて、その強化に取り組んでおります。しかしながら、当社の役員及び従業員の故意又は過失により法令違反が発生した場合は、お客様との信頼関係を損なう可能性があります。また、法人として法令違反があった場合は、監督当局から業務の制限や停止等の命令並びにお客様からの当社に対する訴訟の提起及び損害賠償支払いの発生等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
① 貸金業法の業務規制に伴うリスク
当社は「貸金業法」第3条に基づき、昭和58年12月20日付で関東財務局の貸金業登録を受け、3年ごとに更新登録を行っております(登録番号 関東財務局長(11)第00035号)。この貸金業登録により各種の業務規制と、これらの規制に違反した場合の行政処分(業務の全部又は一部の停止並びに貸金業登録の取り消し等)並びに罰則等の措置が設けられております。
更に、「貸金業法」の施行に当たって、監督官庁である金融庁が定める「貸金業者向けの総合的な監督指針」及び日本貸金業協会が定める「貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則」の適用も受けており、貸金業法における行動指針が定められております。
当社は「貸金業法」、「貸金業者向けの総合的な監督指針」及び「貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則」の遵守を徹底しており、現時点において法令に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により当社並びに当社の役員及び従業員が法令に抵触した場合、業務の全部若しくは一部の停止が命ぜられ、又は登録が取消され、当社の事業活動に支障を来たすとともに、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の法律改正等による業務規制の変更等で業務が制限された場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 貸付金利の規制に伴うリスク
「出資法」は段階的に上限金利の引き下げが行われ、当事業年度末現在における上限金利は出資法は年20%、利息制限法は年15%(貸付元本額により年20%~15%。当社の場合は貸付元本額が1百万円を超過しますので、利息制限法で規定されている年15%以下の金利が上限として適用されます。)となっております。
当社は既に上限金利以下で貸付を行っており、当社の業績に特段の影響は生じないものと考えておりますが、今後更なる上限金利の引き下げが行われた場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 利息返還損失の発生に伴うリスク
当社の過去の貸付契約の中には、当社の貸付上限金利が「利息制限法」に基づく上限金利を越えて適用していたものがあり、顧客の請求により当該超過利息の返還が発生する場合があります。
当社への超過利息の返還を求める請求は、平成28年3月期末においても僅少な状態でありますが、今後、利息返還損失の発生が拡大した場合には当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)顧客情報の管理に関するリスク
当社の不動産担保ローン事業は、「個人情報の保護に関する法律」及び「個人情報の保護に関する法律施行令」、更に金融庁告示による「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」及び「金融分野における個人情報保護に関するガイドラインの安全管理措置等についての実務指針」の適用を受けており、当社は同法等における個人情報取扱事業者に該当し、個人情報の適正な利用・管理が義務付けられております。
当社は「個人情報保護および安全管理に関する取扱規程」及び「個人情報保護および安全管理に関する運用細則」を制定し、社内管理体制を整備するとともに、システム面においても、データの管理、アクセス権の制限等、セキュリティの強化を図ってまいりました。同時に、コンプライアンス体制を強化し社員一人一人の意識を高める啓蒙活動を通じて個人情報や機密情報の管理の周知徹底を図っております。当社は上記法令等の遵守を徹底しており、現時点において法令に抵触する事実はないものと認識しております。
しかしながら、万一、何らかの理由により個人情報の漏洩又は同法に違反した場合には、同法による制裁を受けるだけではなく、社会的信用を失墜することになり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)資金調達について
① 資金調達状況
当社は、営業貸付金を中心とした事業運営全般に対して必要となる資金については、銀行をはじめとした金融機関からの借入により資金調達を行っております。
当社は近年、資金の調達方法を徐々に多様化してまいりましたが、当社の主要な借入先である金融機関が金融環境等の事情により当社への貸出方針を変更しないという保証はありません。
当社は現状では資金の調達が著しく困難ではないものと考えておりますが、今後金融市場の不安定化が生じた場合には、資金調達費用の増加や、必要資金の調達が困難となるおそれがあり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 金利上昇によるリスク
調達金利は市場環境等により変動いたしますが、当社では金利の動向を見据えて調達金利の固定化、金利キャップ、或いは金利スワップ等を活用することにより金利上昇リスクの軽減を図っていく方針でおります。
今後、金利の上昇によって資金調達コストが上昇した場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 資金調達に係る財務制限条項について
当社の借入の一部には、財務制限条項が付されているものがあります。現状ではこれに抵触する可能性は低いものと認識しておりますが、今後何らかの事由により事業環境が激変し、財務制限条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し、当該借入を一括返済することとなり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)システムリスク及びオペレーショナルリスク
当社は、「情報セキュリティ基本方針」及び「業務処理パソコンおよび情報システム管理規程」等によるシステムリスク管理の基本方針に基づき、システム障害やコンピューターの不正使用等に関するセキュリティの強化に努めております。しかしながら、外部からの不正アクセスや火災、回線故障等の障害を受けた場合、コンピューターシステムの損害規模によっては当社の業務に支障を来たし、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社ではコンプライアンス体制の整備、強化に努めておりますが、当社の役員及び従業員が正確な事務処理を怠ることや、事故・不正等を起こすことによる損失の発生等により業務遂行に支障を来たす恐れがあり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)イベントリスク
当社は当事業年度末現在、本店及び8支店で事業活動を行っており、テロや災害等が発生した場合、事業活動の全部又は一部を休止せざるを得なくなる恐れがあります。その結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材の確保育成
当社の人材採用は原則として新卒採用のみであり、入社後3年かけて金融と不動産の専門知識を身につけた一人前の営業社員として戦力化を図っております。そのため、離職者が出た場合においても中途採用で人員補充を図ることはしないため、採用した人材の離職率が高かったり、十分な戦力となり得ない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)自然災害について
当社の営業店舗は東京都を中心とする関東圏に集中しております。したがって、この地域で大規模な地震や台風等による風水害が発生した場合、また、他地域において発生した大規模な地震や台風等においても、その直接的、間接的影響により正常な営業活動を行うことができなくなる可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当事業年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。したがいまして、将来に関する事項には、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
(1)当事業年度の財政状態の分析
① 資産の部
流動資産
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末の64,740,753千円から4,216,416千円(6.5%)増加の68,957,169千円となりました。これは主として、現金及び預金が644,599千円(50.0%)の増加、営業貸付金が3,499,478千円(5.5%)の増加となったこと等によるものであります。
固定資産
当事業年度末における有形固定資産は、前事業年度末の128,455千円から3,772千円(2.9%)減少の124,682千円となりました。これは主として、車両運搬具の取得が9,811千円、社内ネットワークのサーバーの入替えに伴う工具、器具及び備品の取得による5,979千円の増加があった一方で、減価償却による減少があったこと等によるものであります。
無形固定資産は、前事業年度末の27,683千円から3,870千円(14.0%)減少の23,812千円となりました。これは主として、減価償却による減少があったこと等によるものであります。
投資その他の資産は、前事業年度末の1,021,670千円から465,421千円(45.6%)減少の556,248千円となりました。これは主として、子会社の清算に伴う減少等により関係会社株式が431,086千円(97.7%)の減少となったこと等によるものであります。
② 負債の部
流動負債
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末の16,098,166千円から81,344千円(0.5%)減少の16,016,821千円となりました。これは主として、未払法人税等が192,750千円(26.6%)の増加となったものの、1年以内返済予定の長期借入金が255,540千円(1.7%)の減少となったこと等によるものであります。
固定負債
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末の23,550,435千円から1,699,154千円(7.2%)増加の25,249,589千円となりました。これは主として、長期借入金が1,707,057千円(7.6%)の増加となったこと等によるものであります。
③ 純資産の部
当期純利益計上に伴う繰越利益剰余金が2,769,401千円となったことと、利益準備金及び別途積立金の積立てにより、利益剰余金が前事業年度末の23,963,362千円から2,125,542千円(8.9%)増加の26,088,904千円となり、当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末の26,269,960千円から2,125,542千円(8.1%)増加の28,395,502千円となりました。なお、自己資本比率は40.8%(前事業年度末は39.9%)となりました。
(2)当事業年度の経営成績の分析
当事業年度の経営成績の分析につきましては、第2「事業の状況」1「業績等の概要」(1)業績をご参照ください。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、第2「事業の状況」1「業績等の概要」(2)キャッシュ・フローをご参照ください。