当第3四半期連結累計期間開始日以降、当四半期報告書提出日までの間において、第78期有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
米国では、雇用や住宅販売といった主要景気指標に改善の兆しがあるものの、政府による金融量的緩和策の縮小の進行、利上げによる景気の停滞リスクを孕んでいます。また、欧州地域においては、ECBによる支援策等により一時の危機的状況は脱したとみられるものの、その先行きは依然として不透明な状況です。再び、信用不安や財政問題が発生した場合には、世界的な金融危機や経済危機に発展する可能性も否定できません。
一方、日本経済は平成24年11月を底に回復局面に入り、長年の懸念とされてきた社会保障の充実安定化と財政健全化の同時達成による日本経済再生を目指し、平成26年4月に17年ぶりの消費税率の引上げが行われました。しかしながら、今後、消費税増税に伴う経済対策の効果が見られず財政問題が再び深刻化したような場合や、このところ回復基調にある欧米諸国経済の低迷、中国や新興国における経済成長の鈍化が顕在化する場合には、日本経済が再び低迷の危機に陥る可能性も否定できません。
このように、日本を取り巻く経済環境に悪影響を及ぼす事象が発生した場合、又は世界の景気や経済情勢が停滞若しくは悪化した場合には、企業業績の悪化、株価の下落、為替の変動、金利の変動(日本銀行のマイナス金利政策によるものを含む。)等により様々なリスクが顕在化することが想定されます。このような事態は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、連結子会社である株式会社大和ネクスト銀行(以下、「大和ネクスト銀行」という。)が銀行営業免許を取得し、同行を所属銀行とする銀行代理業許可を取得した大和証券株式会社(以下、「大和証券」という。)と共に、平成23年5月よりお客様向けサービスを提供しております。
大和ネクスト銀行においては、銀行代理店である大和証券やインターネット等を通じたお客様からの預金受入れ等により調達した資金を、貸出や債券その他有価証券投資等により運用しておりますが、銀行業は、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、システムリスク、コンプライアンスリスク、事務リスク、情報セキュリティリスク、外部委託にかかるリスク、イベントリスク、レピュテーショナルリスク、自己資本比率低下リスク等、様々なリスクへの対応が必要となります。このような広範に渡るリスクの管理態勢の整備・改善等の対応を進めておりますが、これらの対応が不十分であった場合、マイナス金利政策等による運用資産の利回り低迷や調達金利の上昇等により期待された利鞘が確保できない場合、競合する他の銀行との差別化戦略が期待どおりに進まず競争力が発揮できなかった場合等においては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) 海外事業に関するリスク
当社グループは現在、アジアを中心とする新興国市場を含め、海外における事業基盤の構築に取り組んでおります。
海外の事業基盤は、国内の事業基盤と比較すると、お客様の取引ニーズの変動や市場環境、政治・金融・経済情勢の変動の影響をより強く受け易く、これらの変動の程度やリスク管理の状況によっては減収又は損失を被る可能性があります。また、海外事業については、投下した資本並びに収益が為替リスクに晒されていることや、現地における法規制等の変更により、当社グループ又は当社グループが出資する合弁会社等の事業が制約を受ける可能性があるほか、投下資本の価値が変動する可能性があります。
(14) 自己資本規制・流動性規制に関するリスク
当社グループは、当社が金融商品取引法上の最終指定親会社に該当するため、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成22年金融庁告示第130号)の適用を受け、同告示第2条に基づいて連結自己資本規制比率を所定の比率(連結普通株式等Tier1比率4.5%、連結Tier1比率6%、連結総自己資本規制比率8%。以下、「最低所要連結自己資本規制比率」と総称する。)以上に維持する必要があります。
また、連結子会社のなかにも同様に類似の規制を受けている会社があります。大和証券、日の出証券株式会社及びリテラ・クレア証券株式会社は、金融商品取引法に定める自己資本規制比率を同法に基づいて120%以上に維持する必要があります。大和ネクスト銀行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定める自己資本比率(国内基準)を同告示に基づいて4%以上に維持する必要があります。海外の連結子会社についても同様の会社があります。
当社グループは、平成27年3月末より「金融商品取引法第57条の17第1項の規定に基づき、最終指定親会社が当該最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性を判断するための基準として定める最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性のうち流動性に係る健全性の状況を表示する基準」(平成26年金融庁告示第61号)が適用され、同告示に基づいて連結流動性カバレッジ比率を所定の比率(平成27年は60%、以降毎年10%上昇し平成31年以降は100%)以上に維持する必要があります。
また、同時に「金融庁長官が定める場合において、最終指定親会社が経営の健全性の状況を記載した書面に記載すべき事項を定める件第3条第1項の規定に基づき、金融庁長官が別に定める連結レバレッジ比率」(平成27年金融庁告示第11号)が適用され、同告示に基づいて連結レバレッジ比率を算出・開示することが必要になります。
また当社グループは、当社が金融商品取引法上の最終指定親会社に該当するため、上記の最低所要連結自己資本規制比率の充足に加え、平成28年3月末から、一定の最低連結資本バッファー比率を充足することも必要となります。さらに、当社は平成27年12月に、国際間の合意に沿って金融庁より国内のシステム上重要な銀行(D-SIBs:Domestic Systemically Important Banks)の一つに指定されたため、最終指定親会社に関する告示(平成27年金融庁告示第81号)に基づき、追加的に0.5%を上乗せした最低連結資本バッファー比率を維持する必要があります。なお、この基準は平成28年3月末から3年を経過する日までの間は段階的に適用されることになっています。
当社グループの上記比率又は連結子会社の自己資本規制比率が著しく低下した場合には、レピュテーショナルリスクの波及や信用水準の低下により流動性懸念が生ずる可能性があります。さらに、上記の各規制により要請される最低基準を下回った場合に有効な対策(資本増強策等)を講じられない場合には、内外の監督当局から業務改善命令や業務の全部又は一部の停止等の措置を受ける可能性があります。
(16) 流動性リスク
当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っております。このため、適切な流動性を確保し、財務の安定性を維持することが必要となります。しかし、市場環境の変化や当社グループ各社の財務内容の悪化などにより、資金繰りに支障をきたすこと、あるいは通常よりも著しく高いコストでの資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクがあります。
当社グループの資金調達が困難になった場合には、保有する資産を圧縮する等の対応が必要となります。しかし、市場環境の悪化により市場全体の流動性が低下すると、当社グループが売却しようとする資産のうち信用度の低い資産の流動性はより一層低下し、保有資産の処分ができなくなったり、取得原価を大幅に下回る価格であっても売却せざるを得なくなるリスクがあります。
こうした流動性リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に制約を受ける可能性や、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間の当社グループの営業収益は5,031億円(前年同期比4.0%増)となりました。受入手数料は総額で2,257億円(同4.7%増)、トレーディング損益が1,026億円(同11.1%減)となりました。金融収支は389億円(同24.0%増)、純営業収益は4,030億円(同2.6%増)となっております。
販売費・一般管理費は、取引関係費549億円(同0.4%減)、人件費1,396億円(同4.3%増)などにより、合計で2,761億円(同2.9%増)となりました。
この結果、経常利益は1,365億円(同1.1%増)となりました。
これに特別損益、法人税等及び非支配株主に帰属する四半期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は955億円(同13.1%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 純営業収益 | 経常利益 | ||||
平成26年 | 平成27年 | 対前年 | 平成26年 | 平成27年 | 対前年 | |
リテール部門 | 171,549 | 173,551 | 1.2% | 56,861 | 55,752 | △2.0% |
ホールセール部門 | 129,870 | 134,305 | 3.4% | 35,085 | 36,046 | 2.7% |
アセット・マネジメント部門 | 40,788 | 39,488 | △3.2% | 24,125 | 23,998 | △0.5% |
投資部門 | 7,562 | 18,573 | 145.6% | 6,217 | 16,818 | 170.5% |
その他・調整等 | 43,131 | 37,122 | ― | 12,711 | 3,904 | ― |
連結 計 | 392,903 | 403,042 | 2.6% | 135,000 | 136,519 | 1.1% |
[リテール部門] |
ファンドラップ関連の収益や保険販売が増加し、純営業収益は1,735億円(前年同期比1.2%増)となりましたが、人件費等が増加したことから、経常利益は557億円(同2.0%減)となりました。
|
[ホールセール部門] |
顧客フローおよびポジションマネジメントがともに回復したことなどから、純営業収益は1,343億円(同3.4%増)、経常利益は360億円(同2.7%増)となりました。
|
[アセット・マネジメント部門] |
大和証券オフィス投資法人が連結子会社から持分法適用関連会社となった影響などから、純営業収益は394億円(同3.2%減)、経常利益は239億円(同0.5%減)となりました。
[投資部門] 大型の既存投資案件の回収が寄与したことから、純営業収益は185億円(同145.6%増)、経常利益は168億円(同170.5%増)となりました。 |
<資産の部>
当第3四半期連結会計期間末の総資産は23兆267億円(前連結会計年度末比251億円増)となりました。内訳は流動資産が22兆4,371億円(同2,464億円増)であり、このうち現金・預金が3兆4,274億円(同4,416億円増)、有価証券が2兆2,596億円(同3,701億円減)、トレーディング商品が8兆2,439億円(同604億円減)、有価証券担保貸付金が6兆8,685億円(同1,403億円増)となっております。固定資産は5,895億円(同2,213億円減)となっております。
<負債の部・純資産の部>
負債合計は21兆6,721億円(同1,052億円増)となりました。内訳は流動負債が19兆4,658億円(同1,119億円増)であり、このうちトレーディング商品が5兆1,859億円(同8,283億円減)、約定見返勘定が5,715億円(同2,832億円増)有価証券担保借入金が7兆8,454億円(同2,922億円増)、銀行業における預金が3兆1,691億円(同4,234億円増)となっております。固定負債は2兆2,023億円(同67億円減)であり、このうち社債が1兆1,857億円(同66億円増)、長期借入金が9,433億円(同30億円減)となっております。
純資産合計は1兆3,545億円(同800億円減)となりました。株主資本については、「(6)資本の財源及び流動性に係る情報 ②株主資本」に記載のとおりであります。その他有価証券評価差額金は1,118億円(同238億円減)、非支配株主持分は842億円(同1,035億円減)となっております。また、繰延ヘッジ損益は△226億円(同41億円増)、為替換算調整勘定は423億円(同7億円減)となっております。
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更及び新たに生じた事項はありません。
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間のマクロ経済環境
<海外の状況>
世界経済は、増勢に陰りが見られました。先進国経済は底堅い推移を示したものの、新興国経済の減速が足かせとなりました。平成27年4-6月期にはギリシャの債務返済が延滞となり、中国では株価が急落するなど、金融市場での混乱が相次ぎました。7-9月期には、中国人民銀行が人民元の基準値を引き下げたことを契機に、世界同時株安に見舞われるなど、金融市場では不安定な動きが見られました。こうした状況は10-12月期に入り幾分緩和し、日本株は上昇に転じました。
米国経済は平成27年1-3月期には、輸出の減少を主因に成長ペースが急速に鈍化したものの、4-6月期に入り堅調な推移を示しました。個人消費が加速したことに加え、住宅販売が堅調な推移を示すなど、家計部門が強さを取り戻しました。7-9月期の実質GDP成長率は、4-6月期からは減速したものの、原油安・ドル高に支えられる形で個人消費が底堅い推移を続けました。企業部門では、堅調な個人消費に支えられる形で非製造業を中心に業況感の改善が見られるものの、製造業は10-12月期においても低迷が続きました。金融面では、雇用環境を中心とした米国国内の景気回復を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)は平成27年12月に利上げを決定しました。ただし、大規模に膨らんだFRBのバランスシートの水準は維持されており、依然として緩和的な金融環境となっています。
欧州経済は、緩やかな回復が続きました。原油価格下落と金利の低下に加えて、就業者数の増加や賃金の伸び率の加速も個人消費を下支えしました。総固定資本形成が減少に転じたことや在庫がマイナスに寄与したことで、平成27年4-6月期のユーロ圏の実質GDP成長率は1-3月期比+0.4%に留まりました。7-9月期に入ると、輸出の伸び悩みが実質GDP成長率の減速に寄与したものの、個人消費は底堅い推移を続けています。10-12月期に入ってもユーロ圏の景気は底堅い動きとなっています。物価面では、消費者物価指数に見るインフレ率は前年同月比ゼロ%近辺での推移が続いており、ECB(欧州中央銀行)の目標とする水準には遠く及んでいません。こうした状況の中、ECBは平成27年12月に追加緩和を決定しました。政治面では、ギリシャ問題が再発したことは市場に大きな影響を与えました。6月30日に予定されていたギリシャのIMFへの資金返済が延滞となり、ギリシャは銀行窓口の封鎖や資本規制を実施するなどした結果、同国の実体経済・金融市場は大きな打撃を受けました。7月に実施されたギリシャの国民投票では、緊縮反対派が多数を占める結果となりましたが、最終的にはギリシャ政府が債権団の提案を受け入れ、事態は一旦収束に向かうこととなりました。加えて、中東情勢の混乱を受けて急増した難民への対処がユーロ圏の大きな課題として浮き彫りになっています。さらに、11月にはパリで同時多発テロが発生し、金融市場ではリスクを回避する動きが加速しました。
新興国では減速傾向が強まっています。中国経済の不振が各国に伝播したことが、新興国全体の景気の足取りが鈍くなっている最大の要因です。平成27年前半、中国人民銀行が相次いで預金準備率の引き下げを行ったことが景気を下支えしましたが、6月以降、中国の代表的な株価指標である上海総合指数は急速に下落しました。このような株価の急落を受けて中国政府はIPOを抑制する方針を固め、中国の大手証券会社がETFへ投資するように指導するなど、総力を挙げて株価の下支えを行いました。さらに、8月に入り、中国人民銀行による人民元の基準値の引き下げや追加の金融緩和の決定など、金融面を中心とした景気対策が相次いで発表されました。中国景気の減速懸念が急速に意識された結果、世界的に株価が下落しましたが、その後、中国人民銀行によって人民元相場を安定させる方針が示されたことで、中国経済に対する懸念は幾分緩和されました。しかし、7-9月期の実質GDP成長率が政府目標である前年比+7.0%を下回る、同+6.9%となるなど、中国経済に対する不透明感は依然として払拭されず、中国人民銀行は10月に預金の基準金利を引き下げる追加緩和を発表し、景気のテコ入れを図りました。
<日本の状況>
日本経済はこれまでの緩やかな回復が一巡し、景気後退へ陥るリスクが高まっています。鉱工業生産は一進一退の動きとなっています。一方、非製造業の活動を示す第三次産業活動指数は非常に緩やかながらも持ち直しの動きが続いています。
GDPに占めるウエイトの大きい個人消費は力強さに欠ける動きとなっています。労働需給のタイト化に伴う賃金上昇圧力に加えて、企業収益の改善に伴うベースアップや賞与の増加など、所得環境は良好である一方、平成27年4-6月期の後半以降は天候不順が個人消費の下押し要因として働きました。このような下押し要因は7-9月期には一旦解消されたものの、食料品価格の値上げなどを背景とした消費者マインドの悪化や、10-12月期には暖冬に伴う季節商材の動きの鈍さが下押し要因として働いたことなどから、個人消費は依然足取りが重い状態となっています。住宅投資に関しては、平均して見ると持ち直しの動きが続いています。所得環境が良好であることに加えて、住宅ローン金利が低水準で推移していることが住宅投資の増加を支援する材料となっています。
企業の設備投資は平成27年1-3月期に急増した反動もあり、4-6月期には減少しましたが、7-9月期には回復に転じ、足下では横ばい圏で推移しています。日銀短観12月調査を見ると、製造業では設備の過剰感の解消、非製造業では不足感の強まりが顕著になっています。特に非製造業が強気の設備投資計画を示しており、設備投資意欲の高まりがみられます。公共投資についてはこれまでの増加傾向が一巡し、緩やかな減少局面を迎えています。ただし、これまでの経済対策の影響が残存しているため、水準でみると高い位置を保っています。
外需に目を向けると、輸出数量の減少を主因に輸出金額は減少傾向となっています。地域別に輸出数量の動向をみると、米国向け輸出の減少が目立ちます。さらに、6月以降はアジア向け輸出も減少に転じており、中国経済減速の影響を確認することができます。他方、ユーロ圏向けに関しては、同地域での個人消費の回復にけん引される形で、消費財を中心に輸出は持ち直しの動きに転じました。また、輸入金額は7月をピークに減少へ転じています。
金融面では、日本銀行による「量的・質的金融緩和」の下で、強力な金融緩和が続いています。日本銀行による大量の長期国債の購入によって債券需給がひっ迫しているため、長期金利は水準としては低位で推移しています。為替レートの動きをみると、米ドル対円では5月後半から米国経済の改善が明確化してきたことなどを背景にドル高円安が進行しましたが、その後ユーロ圏や中国における金融市場での混乱に伴うリスク回避の動きにより、一旦円高へ戻されました。このような円高への動きは一時的に収まったものの、8月に入ると中国株の急落を契機とした世界的なリスク回避の動きが再び進行したことで、再び円高が進みました。12月には「量的・質的金融緩和」を補完するための諸措置の導入が決定され、購入対象となる長期国債の平均残存期間がさらに長期化されました。
平成27年12月末の日経平均株価は19,033円71銭(同年3月末比173円28銭安)、10年国債利回りは0.270%(同0.130ポイントの低下)、為替は1ドル120円43銭(同0円21銭の円安)となりました。
① 流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>
当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。
当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、預金受入等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、事業の継続に支障をきたすことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めております。特に近年においては、世界的金融危機及び信用危機による不測の事態に備え、市場からの資金調達、金融機関からの借入等により、手元流動性の更なる積み増しを行っております。同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。
当社は、当社グループに適用される規制上の連結流動性カバレッジ比率の遵守が求められています。また、当社は、独自の流動性管理指標を用いた流動性管理体制を構築しております。即ち、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、複数のストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを毎日確認しております。これにより、当社グループでは、今後1年間無担保資金調達が行えない場合でも、業務の継続が可能となるよう体制を構築しております。
なお 、当第3四半期連結会計期間末における当社グループの短期無担保調達資金及び流動性ポートフォリオ等の状況は次のとおりです。
(単位:億円)
| 銀行等からの短期借入金 | 1,758 | |
その他の短期借入金 | 3,835 | ||
コマーシャル・ペーパー | 2,796 | ||
1年内償還予定の社債 | 2,448 | ||
短期無担保調達資金合計 |
| 10,839 | |
|
| 現金・預金 | 16,896 |
| 国債・政府保証債等 | 3,080 | |
| 流動性ポートフォリオ | 19,977 | |
|
| その他の債券 | 5,590 |
| 上場株式等 | 4,746 | |
| 補完的流動性ポートフォリオ | 10,337 | |
流動性ポートフォリオ等合計 |
| 30,314 | |
(注) 上記には銀行業にかかる資産及び負債は含めておりません。
当第3四半期連結会計期間末における当社グループの流動性ポートフォリオの合計額は1兆9,977億円であります。また、補完的流動性ポートフォリオを含めた合計額は3兆314億円であり、この金額は同期間末の短期無担保調達資金の合計額の279.7%に相当します。
<グループ全体の資金管理>
当社グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、当社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。当社は、当社固有のストレス又は市場全体のストレスの発生により新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、短期の無担保調達資金について、当社グループの流動性ポートフォリオが十分に確保されているかをモニタリングしております。また、当社は、必要に応じて当社からグループ各社に対し、機動的な資金の配分・供給を行うと共に、グループ内で資金融通を可能とする体制を整えることで、効率性に基づく一体的な資金調達及び資金管理を行っております。
<コンティンジェンシー・ファンディング・プラン>
当社グループは、流動性リスクへの対応の一環として、コンティンジェンシー・ファンディング・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社グループは機動的な対応により流動性を確保する体制を整備しております。
当社グループのコンティンジェンシー・ファンディング・プランは、グループ全体のストレスを踏まえて策定しており、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。
また、金融市場の変動の影響が大きくその流動性確保の重要性の高い大和証券株式会社、株式会社大和ネクスト銀行及び海外証券子会社においては、更に個別のコンティンジェンシー・ファンディング・プランも策定し、同様に定期的な見直しを行っております。
なお、当社は、子会社のコンティンジェンシー・ファンディング・プランの整備状況について定期的にモニタリングしており、必要に応じて想定すべき危機シナリオを考慮して子会社の資金調達プランやコンティンジェンシー・ファンディング・プランそのものの見直しを行い、更には流動性の積み増しを実行すると同時に資産圧縮を図るといった事前の対策を講じることとしております。
② 株主資本
当社グループが株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、プリンシパル・インベストメント、証券担保ローン等の有価証券関連業を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。また、当社グループは、日本のみならず、海外においても有価証券関連業務を行っており、それぞれの地域において法規制上必要な資本を維持しなければなりません。
当第3四半期連結会計期間末の株主資本は、前連結会計年度末比436億円増加し、1兆1,303億円となりました。資本金及び資本剰余金の合計は4,792億円となりました。利益剰余金は、配当金支払いにより566億円減少したほか、親会社株主に帰属する四半期純利益を955億円計上した結果、前連結会計年度末比388億円増の6,626億円となりました。自己株式の控除額は、前連結会計年度末に比べ42億円減少し、115億円となっております。