当第3四半期連結累計期間開始日以降、当四半期報告書提出日までの間において、第79期有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 日本及び世界の景気、経済情勢、金融市場の変動に関するリスク
米国では、平成28年12月にFOMC(連邦公開市場委員会)の決定により利上げが実施され、今後の追加的な利上げの見通しも示されたことで、米国経済の改善が示唆されましたが、新政権の今後の政策動向次第では先行き不安が高まる可能性があります。欧州地域においては、ECB(欧州中央銀行)による支援策等により一時の危機的状況は脱したとみられるものの、地政学リスクやシステミックリスクの高まり等により、その先行きは依然として不透明な状況です。中国、新興国においても、依然として、経済成長率のさらなる減速懸念がくすぶっており、予断を許さない状況が続いています。再び、財政状況や経済状況が悪化した場合には、世界的な金融危機や経済危機に発展する可能性も否定できません。
このように、日本における財政政策、金融政策の効果が期待通り得られない場合や、世界景気や経済情勢の停滞若しくは悪化など、日本を取り巻く経済環境に悪影響を及ぼす事象が発生した場合には、企業業績の悪化、株価の下落、為替の変動、金利の変動等により様々なリスクが顕在化することが想定されます。このような事態は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間の当社グループの営業収益は4,501億円(前年同期比10.5%減)となりました。受入手数料は総額で1,968億円(同12.8%減)、トレーディング損益が997億円(同2.8%減)となりました。金融収支は355億円(同8.8%減)、純営業収益は3,511億円(同12.9%減)となっております。
販売費・一般管理費は、取引関係費508億円(同7.5%減)、人件費1,314億円(同5.8%減)などにより、合計で2,621億円(同5.1%減)となりました。
この結果、経常利益は1,012億円(同25.9%減)となりました。
これに特別損益、法人税等及び非支配株主に帰属する四半期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は817億円(同14.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
純営業収益 |
経常利益 |
||||
|
平成27年 |
平成28年 |
対前年 |
平成27年 |
平成28年 |
対前年 |
|
|
リテール部門 |
173,551 |
138,397 |
△20.3% |
55,752 |
20,675 |
△62.9% |
|
ホールセール部門 |
134,305 |
135,761 |
1.1% |
36,046 |
49,008 |
36.0% |
|
アセット・マネジメント部門 |
39,488 |
34,639 |
△12.3% |
23,998 |
19,944 |
△16.9% |
|
投資部門 |
18,573 |
13,252 |
△28.7% |
16,818 |
11,488 |
△31.7% |
|
その他・調整等 |
37,122 |
29,080 |
― |
3,904 |
112 |
― |
|
連結 計 |
403,042 |
351,131 |
△12.9% |
136,519 |
101,229 |
△25.9% |
|
[リテール部門] |
|
米国大統領選以降、株式取引や株式投信の販売額が増加したものの、活況な株式相場であった前年同期と比べると個人投資家による取引は減少しており、純営業収益は1,383億円(前年同期比20.3%減)、経常利益は206億円(同62.9%減)となりました。
|
|
[ホールセール部門] |
|
フィクスト・インカムにおいて日本国債等のトレーディングが堅調に推移したことや、大型PO案件・海外M&A案件の積み上げ等により、純営業収益は1,357億円(同1.1%増)、経常利益は490億円(同36.0%増)となりました。
|
|
[アセット・マネジメント部門] |
|
不動産アセット・マネジメントビジネスにおける運用資産残高は増加しているものの、公募株式投信や公募公社債投信の期間平均残高が減少したことなどから、純営業収益は346億円(同12.3%減)、経常利益は199億円(同16.9%減)となりました。
[投資部門] 投資案件の回収等が進んだものの、純営業収益は132億円(同28.7%減)、経常利益は114億円(同31.7%減)となり、大型投資案件の回収が寄与した前年同期比では減収減益となりました。 |
<資産の部>
当第3四半期連結会計期間末の総資産は20兆5,236億円(前連結会計年度末比1,028億円増)となりました。内訳は流動資産が19兆9,452億円(同937億円増)であり、このうち現金・預金が3兆6,655億円(同3,307億円増)、有価証券が1兆8,803億円(同2,107億円減)、トレーディング商品が6兆8,609億円(同6,402億円減)、有価証券担保貸付金が5兆5,709億円(同3,207億円増)となっております。固定資産は5,783億円(同91億円増)となっております。
<負債の部・純資産の部>
負債合計は19兆1,766億円(同687億円増)となりました。内訳は流動負債が16兆9,091億円(同812億円増)であり、このうちトレーディング商品が4兆7,483億円(同5,524億円減)、約定見返勘定が364億円(同3,907億円減)有価証券担保借入金が6兆6,841億円(同7,824億円増)、銀行業における預金が3兆814億円(同1,527億円増)となっております。固定負債は2兆2,635億円(同124億円減)であり、このうち社債が1兆2,377億円(同330億円増)、長期借入金が9,603億円(同446億円減)となっております。
純資産合計は1兆3,470億円(同340億円増)となりました。株主資本については、「(6)資本の財源及び流動性に係る情報 ②株主資本」に記載のとおりであります。その他有価証券評価差額金は714億円(同270億円減)、非支配株主持分は841億円となっております。また、繰延ヘッジ損益は△37億円(同292億円増)、為替換算調整勘定は132億円(同78億円減)となっております。
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更及び新たに生じた事項はありません。
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間のマクロ経済環境
<海外の状況>
世界経済は、これまでの減速基調が一服し、緩やかながら持ち直しの兆しを見せました。米国を中心とした先進国経済が引き続き底堅く推移する中、中国をはじめとした新興国経済の成長率については減速基調が一服しています。平成28年11月に行われた米国大統領選挙の結果を受け、日本の金融市場は一時的に混乱しましたが、次期大統領の掲げる拡張的な財政政策が米国経済の拡大につながるとの見方が広がり、グローバルな金融市場では概ね好意的に捉えられました。
米国経済は平成28年1-3月期に、設備投資、輸出、個人消費の伸びが鈍化し、実質GDP成長率が伸び悩みました。しかし、4-6月期に入ると、雇用環境が相対的に良好に推移するなか、個人消費が加速する動きが見られました。さらに、7-9月期には輸出が大幅に拡大し、実質GDP成長率は前期比年率3.5%増と、3年ぶりの高い成長率を記録しました。雇用情勢は引き続き安定しており、米国経済は個人消費をけん引役とした堅調な推移を維持しています。金融面では、米国国内の景気回復を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)が平成28年12月に、1年ぶりに政策金利の引き上げを実施しました。好調な米国経済やドナルド・トランプ氏による新政権成立への期待感から、米国株式市場では騰勢が続き、NYダウ平均株価は12月に過去最高値を更新しました。
欧州経済は、ECB(欧州中央銀行)によるマイナス金利政策や原油価格の低迷などを追い風に、個人消費を下支え役とした緩やかな回復基調が続いています。ユーロ圏の平成28年7-9月期の実質GDP成長率は、個人消費の拡大がプラスに寄与し、前期比0.3%増と14四半期連続のプラス成長となりました。足下でも雇用改善や金利低下など、個人消費に対する追い風が継続しており、欧州経済は底堅く推移しています。金融面では、ECBが12月の金融政策委員会で資産買入プログラムの9か月間の延長などの政策変更を決定しています。
新興国経済については、成長率の減速基調が一服しています。中国の実質GDP成長率は、平成28年1-3月期から3四半期連続で前年比6.7%増と、横ばいで推移しています。平成27年と平成28年1-11月の比較では、消費と固定資産投資がともに減速する中、乗用車や住宅といった産業が伸びを高めました。金融面では、人民元の急落と外貨準備の急減などを背景に、上海総合株価指数は平成28年1月に一時的に急落する場面がありましたが、その後の株式相場は徐々に落ち着きを取り戻す展開となりました。
<日本の状況>
日本経済は「踊り場」局面からの持ち直しの動きが出始めています。内需不振の影響はあるものの、旺盛な外需に牽引されるかたちで、鉱工業生産は夏場以降、上昇基調をたどっています。また、非製造業の活動を示す第三次産業活動指数についても、事業所向けサービスが底堅く推移し、全体として緩やかな拡大基調にあります。
GDPに占めるウエイトの大きい個人消費は緩やかに拡大しています。労働需給がタイトな状況にあるなか、非製造業を中心とした労働需要の高まりから雇用者数が継続的に増加しており、マクロ経済全体で見た賃金が上昇基調にあることなどが背景にあります。しかし、可処分所得の伸び悩みや将来不安などを要因として、家計は依然として慎重姿勢を維持したままの状況にあります。一方、住宅投資については、住宅ローン金利の低下や、相続税対策のための貸家の建設増などを背景に、平成28年7-9月期は前期比2.6%増となったものの、10-12月期はやや一服感が見られました。
一方、企業の設備投資は停滞しています。高水準の企業収益を背景とする更新・改修投資の動きが下支え役になる一方、円高や国内景気の停滞に伴う企業収益の先行き不透明感が強まる中で、製造業を中心に設備投資を先送りする動きが見られています。
外需に目を向けると、堅調な海外経済に対して、伸び悩む国内経済という構図が継続しています。地域別に輸出の動向をみると、米国、EU及びアジア向け輸出がいずれも底堅く推移しています。また、品目別に見ると、米国向け輸出では乗用車、アジア向け輸出ではIC等の輸出数量が堅調に推移しました。一方、輸入をみると、内需の弱含みを主因として輸入金額の減少が続いています。
金融面では、平成28年1月に日本銀行が「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を発表しました。日本銀行による大量の長期国債の購入によって債券需給が逼迫していたところに、マイナス金利導入の影響も加わり、長期金利は2月に史上初のマイナス金利となりました。さらに、日銀は平成28年9月に、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を発表し、物価目標の早期達成に向けて、短期金利のみならず長期金利にも直接コントロールを及ぼすことにより、金融政策の軸足を「量」から「金利」へと移行させる新たな金融政策の導入に踏み切りました。為替レートは平成28年に入ると、海外経済に対する警戒感が強まり、円高が進行しました。さらに、6月のイギリスの国民投票でEU離脱派が過半数を占めるなど、グローバルな金融市場の先行き不透明感が強まり、円は対ドルで急速な円高に見舞われることとなりました。しかし、11月の米国大統領選挙の結果を受け、将来の米国経済回復への期待感等からドルが買われ、為替レートは円安・ドル高基調に転じました。
平成28年12月末の日経平均株価は19,114円37銭(同年9月末比2,664円53銭高)、10年国債利回りは0.041%(同0.135ポイントの上昇)、為替は1ドル116円96銭(同15円61銭の円安)となりました。
① 流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>
当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。
当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、預金受入等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、事業の継続に支障をきたすことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めております。特に近年においては、世界的金融危機及び信用危機による不測の事態に備え、市場からの資金調達、金融機関からの借入等により、手元流動性の更なる積み増しを行っております。同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。
当社は、平成26年金融庁告示第61号による連結流動性カバレッジ比率(以下、「LCR」)の最低基準(平成27年3月末から段階的に導入)の遵守が求められております。当社の当第3四半期月末平均のLCRは155.8%となっており、上記金融庁告示による要件を満たしております。また、当社は、上記金融庁告示による規制上のLCRのほかに、独自の流動性管理指標を用いた流動性管理体制を構築しております。即ち、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、様々なストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを日次で確認しております。その他、1年以上の長期間に亘りストレス環境が継続することを想定した場合に、保有資産を維持するための長期性資金調達状況の十分性を計測及びモニタリングしており、1年間無担保資金調達が行えない場合でも業務の継続が可能となるように取り組んでおります。
当第3四半期月末平均のLCRの状況は次のとおりです。
(単位:億円)
|
|
|
月末平均 |
|
|
適格流動資産 |
(A) |
23,176 |
|
|
資金流出額 |
(B) |
32,572 |
|
|
資金流入額 |
(C) |
17,700 |
|
|
連結流動性カバレッジ比率(LCR) |
|||
|
|
算入可能適格流動資産の合計額 |
(D) |
23,176 |
|
純資金流出額 |
(B)-(C) |
14,871 |
|
|
連結流動性カバレッジ比率 |
(D)/((B)-(C)) |
155.8% |
|
<グループ全体の資金管理>
当社グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、当社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。当社は、当社固有のストレス又は市場全体のストレスの発生により新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、短期の無担保調達資金について、当社グループの流動性ポートフォリオが十分に確保されているかをモニタリングしております。また、当社は、必要に応じて当社からグループ各社に対し、機動的な資金の配分・供給を行うと共に、グループ内で資金融通を可能とする体制を整えることで、効率性に基づく一体的な資金調達及び資金管理を行っております。
<コンティンジェンシー・ファンディング・プラン>
当社グループは、流動性リスクへの対応の一環として、コンティンジェンシー・ファンディング・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社グループは機動的な対応により流動性を確保する体制を整備しております。
当社グループのコンティンジェンシー・ファンディング・プランは、グループ全体のストレスを踏まえて策定しており、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。
また、金融市場の変動の影響が大きくその流動性確保の重要性の高い大和証券株式会社、株式会社大和ネクスト銀行及び海外証券子会社においては、更に個別のコンティンジェンシー・ファンディング・プランも策定し、同様に定期的な見直しを行っております。
なお、当社は、子会社のコンティンジェンシー・ファンディング・プランの整備状況について定期的にモニタリングしており、必要に応じて想定すべき危機シナリオを考慮して子会社の資金調達プランやコンティンジェンシー・ファンディング・プランそのものの見直しを行い、更には流動性の積み増しを実行すると同時に資産圧縮を図るといった事前の対策を講じることとしております。
② 株主資本
当社グループが株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、プリンシパル・インベストメント、証券担保ローン等の有価証券関連業を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。また、当社グループは、日本のみならず、海外においても有価証券関連業務を行っており、それぞれの地域において法規制上必要な資本を維持しなければなりません。
当第3四半期連結会計期間末の株主資本は、前連結会計年度末比405億円増加し、1兆1,737億円となりました。資本金及び資本剰余金の合計は4,791億円となりました。利益剰余金は、配当金支払いにより423億円減少したほか、親会社株主に帰属する四半期純利益を817億円計上した結果、前連結会計年度末比396億円増の7,236億円となりました。自己株式の控除額は、前連結会計年度末に比べ9億円減少し、289億円となっております。