第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間開始日以降、当四半期報告書提出日までの間において、第80期有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、該当事項はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間の当社グループの営業収益は1,596億円(前年同四半期比5.1%増)となりました。受入手数料は総額で697億円(同13.1%増)、トレーディング損益が240億円(同27.9%減)となりました。金融収支は42億円(同53.1%減)、純営業収益は1,085億円(同4.8%減)となっております。

販売費・一般管理費は、取引関係費166億円(同1.5%増)、人件費432億円(同0.1%減)などにより、合計で871億円(同1.3%増)となりました。

この結果、経常利益は251億円(同22.7%減)となりました。

これに特別損益、法人税等及び非支配株主に帰属する四半期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は193億円(同21.1%減)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

純営業収益

経常利益

平成28年
6月期

平成29年
6月期

対前年
増減率

平成28年
6月期

平成29年
6月期

対前年
増減率

リテール部門

45,013

48,833

8.5%

6,566

10,391

58.2%

ホールセール部門

43,427

35,280

△18.8%

14,899

6,438

△56.8%

アセット・マネジメント部門

11,623

12,011

3.3%

6,748

7,200

6.7%

投資部門

4,956

1,801

△63.7%

4,624

1,417

△69.4%

その他・調整等

9,028

10,618

△301

△294

連結 計

114,049

108,543

△4.8%

32,537

25,153

△22.7%

 

 

[リテール部門]

外国株式の取引が拡大したことや、株式投資信託の販売額が増加したことなどにより、純営業収益は488億円(前年同四半期比8.5%増)、経常利益は103億円(同58.2%増)となりました。

 

[ホールセール部門]

投資銀行部門において国内外のM&A案件を積み上げたものの、債券トレーディング収益が減少したことなどにより、純営業収益は352億円(同18.8%減)、経常利益は64億円(同56.8%減)となりました。

 

[アセット・マネジメント部門] 

株高基調や堅調な資金流入により公募株式投資信託等の運用資産残高が増加したことに加え、不動産アセットマネジメントビジネスにおいても運用資産残高を拡大したことなどから、純営業収益は120億円(同3.3%増)、経常利益は72億円(同6.7%増)となりました。

 

[投資部門]

投資案件の回収等が進んだものの、純営業収益は18億円(同63.7%減)、経常利益は14億円(同69.4%減)となり、大型投資案件の回収が寄与した前年同四半期比では減収減益となりました。

 

(2) 財政状態の分析

<資産の部>

当第1四半期連結会計期間末の総資産は19兆8,158億円(前連結会計年度末比114億円減)となりました。内訳は流動資産が19兆2,371億円(同217億円減)であり、このうち現金・預金が4兆1,488億円(同3,202億円増)、有価証券が1兆6,541億円(同879億円減)、トレーディング商品が6兆5,281億円(同181億円減)、有価証券担保貸付金が5兆20億円(同3,034億円減)となっております。固定資産は5,786億円(同103億円増)となっております。

 

<負債の部・純資産の部>

負債合計は18兆4,757億円(同81億円減)となりました。内訳は流動負債が15兆8,726億円(同1,352億円減)であり、このうちトレーディング商品が4兆2,136億円(同4,449億円減)、有価証券担保借入金が6兆520億円(同331億円増)、銀行業における預金が3兆1,765億円(同1,908億円増)、短期借入金が1兆193億円(同1,004億円増)となっております。固定負債は2兆5,991億円(同1,270億円増)であり、このうち社債が1兆2,966億円(同772億円増)、長期借入金が1兆2,222億円(同429億円増)となっております。

純資産合計は1兆3,401億円(同33億円減)となりました。株主資本については、「(6)資本の財源及び流動性に係る情報 ②株主資本」に記載のとおりであります。その他有価証券評価差額金は633億円(同34億円増)、非支配株主持分は837億円(同28百万円減)となっております。また、繰延ヘッジ損益は△2億円(同6億円減)、為替換算調整勘定は92億円(同24億円増)となっております。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更及び新たに生じた事項はありません。  

 

(4) 研究開発活動

   該当事項はありません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

当第1四半期連結累計期間のマクロ経済環境

<海外の状況>

世界経済は安定感を増しつつあります。米国では、トランプ政権の政権運営能力に対する懸念が払拭されないものの、米国は政策に依存しない景気拡大局面にあるように見えます。また、欧州では、ユーロ圏の景気拡大がより確実性を増しており、足下でEUの政治安定化が進展したことも、世界経済にとってプラスの材料になっています。現在の世界経済の好調さは、米国・ユーロ圏・中国の三極に支えられていますが、ユーロ圏は、米国と比べ景気循環面で成熟化が進んでいるとは言えず、また中国と比べ経済政策への依存度は低いと言えます。

米国経済は平成29年1-3月期に、これまで米国経済を牽引してきた個人消費の伸びが鈍化し、実質GDP成長率は前期比年率1.2%増と低成長に留まりました。しかし、雇用・所得環境は引き続き安定しており、4-6月期の成長率は個人消費を中心に再び加速し、1-3月期の落ち込みは一時的なものであったと見られます。金融面では、米国国内の景気回復を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)は平成28年12月に続いて、平成29年3月と6月にも政策金利を引き上げました。さらに、平成29年内にはFRBが保有する資産の規模縮小を開始することを明言し、具体的な縮小ペースを示しました。一方、米国株式市場では、4月にかけて調整する局面が見られたものの、底堅い米国経済を材料に騰勢が続き、NYダウ平均株価は6月半ばに過去最高値を更新しました。

欧州経済は、ECB(欧州中央銀行)によるマイナス金利政策などを背景に、緩やかながら安定した成長が続いています。平成29年1-3月期のユーロ圏の実質GDP成長率は、前期比0.6%増と16四半期連続のプラス成長となりました。個人消費は低金利や低インフレ、雇用環境の改善の追い風を受けて景気拡大の主役になる一方、消費に比べて回復が遅れていた固定資本形成の伸びが足下では高まるなど、内需中心にバランスの取れた形で成長しています。また、フランスでは大統領選挙に続いて6月の議会選挙においても、マクロン大統領が勝利したことで、政治リスクへの懸念が後退しました。他方、イギリスの総選挙では、メイ首相率いる保守党が予想外の過半数割れとなり、6月に始まったイギリスとEU(欧州連合)との離脱交渉の行方は混沌としています。金融面では、ECBが平成29年4月から量的緩和の規模を縮小させる一方、資産買取を少なくとも同年12月末まで継続する方針を確認しています。

新興国経済についても、平成28年をボトムにして経済成長率が加速しています。中国の実質GDP成長率は、平成28年は前年比6.7%増でしたが、平成29年1-3月期及び4-6月期は各々6.9%増と平成29年に入って徐々に加速しました。政府が実施する政策効果によって、景気は安定した成長を続けています。足下では、サービス消費を中心に堅調な個人消費が景気を下支えする一方、固定資産投資の伸びはやや減速しています。4月以降の金利上昇や大型国有企業への優先的な貸出によって、民間部門、特に中小企業の資金調達が難しくなっています。具体的には、インフラ投資や不動産開発投資の上昇ペースが鈍化しています。また、アジアを中心とした新興国の貿易量(特に輸入サイド)が、平成29年1-3月期にかけて大きく加速しており、新興国の景気は持ち直しの動きが見られます。

 

<日本の状況>

日本経済は「踊り場」局面から脱し、緩やかに回復を続けています。堅調な外需に加えて個人消費の底入れ等に押し上げられて、鉱工業生産は平成28年度の夏場以降、持ち直しています。一方、非製造業の活動を示す第三次産業活動指数は、足下で対個人サービスや対事業所サービスに改善の兆しは見られますが、平成28年度後半以降、概ね横ばいで推移しています。

GDPに占めるウエイトの大きい個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、緩やかに拡大しています。失業率が3%前後まで低下する一方、求人倍率が歴史的高水準で推移するなど労働需給は一段とタイトになっており、非製造業を中心に人手不足感は依然として強く、今後もタイトな状況は続く見通しです。マクロ経済全体で見た賃金は緩やかに増加し、消費者マインドは持ち直しているものの、可処分所得の伸び悩みや将来不安などを背景に、家計は引き続き支出に対する慎重姿勢を崩していません。また、住宅投資については、低い住宅ローン金利や、相続税対策などの特殊要因を受けて、高水準を維持しつつも、平成28年度後半以降は横ばいで推移しています。

一方、企業の設備投資は、平成29年1-3月期に前期比+0.6%と2四半期連続で増加するなど持ち直しています。企業収益が過去最高水準を維持しているなか、人手不足に対応した合理化・省力化投資や、更新投資に積極的な動きが見られます。また、日銀短観(6月調査)によると、平成29年度の設備投資計画は、大企業製造業を中心に増加が見込まれる一方、中小企業は、引き続き設備投資に対する慎重な姿勢を示しています。

外需に目を向けると、海外経済が緩やかに拡大していることを背景に、輸出は増加基調にあります。地域別に輸出の動向を見ると、米国向けが横ばいで推移しているほか、EU向けは堅調に持ち直している一方、アジア向けは、足下で弱い動きとなっています。米国の自動車販売に弱さが見られることのほか、アジアにおいては、世界的なITサイクルによる電子部品や半導体製造装置、中国向けの建機等が堅調に推移してきたものの、足下で一服感が見られることが懸念されます。一方、輸入金額に関しては、好調な内需を背景に輸入数量が拡大していること、円安と原油高が前年比で見た輸入価格を押し上げていることから、平成28年度後半から持ち直しの動きが見られます。ただ、足下では横ばいで推移しています。

金融面では、日本銀行が、平成28年9月に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を発表し、短期金利に加えて長期金利にも直接コントロールを及ぼすことにより、金融政策の軸足を「量」から「金利」へと移行させる新たな金融政策の導入に踏み切りました。この結果、長期金利(10年国債利回り)はマイナス圏から脱し、0.0%台で安定的に推移しました。平成29年4月半ばから長期金利は上昇基調にあるものの、0.0%~0.1%という狭いレンジに留まっており、日本銀行の積極的な関与の下で推移しています。為替レートは、平成29年に入ると、米国の新政権に対する不透明感などが意識されるに伴い、4月半ばにかけて緩やかに円高が進行しました。その後、円は対ドルで円安・ドル高基調に転じる場面も見られたものの、4-6月期でみれば、108円台~114円台という範囲で推移しました。また、対ユーロでは、懸念されていた欧州の政治リスクが後退したことから、対ドルを上回るペースで円安が進行しました。

平成29年6月末の日経平均株価は20,033円43銭(同年3月末比1,124円17銭高)、10年国債利回りは0.086%(同0.019ポイントの上昇)、為替は1ドル112円06銭(同26銭の円安)となりました。

 

 

(6)資本の財源及び流動性に係る情報

① 流動性の管理

<財務の効率性と安定性の両立>

当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。

当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、預金受入等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。

財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めております。特に近年においては、世界的金融危機及び信用危機による不測の事態に備え、市場からの資金調達、金融機関からの借入等により、手元流動性の更なる積み増しを行っております。同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。

当社は、平成26年金融庁告示第61号による連結流動性カバレッジ比率(以下、「LCR」)の最低基準(平成27年3月末から段階的に導入)の遵守が求められております。当社の当第1四半期日次平均のLCRは145.8%となっており、上記金融庁告示による要件を満たしております。また、当社は、上記金融庁告示による規制上のLCRのほかに、独自の流動性管理指標を用いた流動性管理体制を構築しております。即ち、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、様々なストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを日次で確認しております。その他、1年以上の長期間に亘りストレス環境が継続することを想定した場合に、保有資産を維持するための長期性資金調達状況の十分性を計測及びモニタリングしており、1年間無担保資金調達が行えない場合でも業務の継続が可能となるように取り組んでおります。

当第1四半期日次平均のLCRの状況は次のとおりです。

(単位:億円)

 

 

日次平均
(自 平成29年4月
    至 平成29年6月)

適格流動資産

(A)

24,995

資金流出額

(B)

33,696

資金流入額

(C)

16,553

連結流動性カバレッジ比率(LCR)

 

 

 

算入可能適格流動資産の合計額

(D)

24,995

 

純資金流出額

(B)-(C)

17,142

 

連結流動性カバレッジ比率

(D)/((B)-(C))

145.8%

 

 

 

<グループ全体の資金管理>

当社グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、当社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。当社は、当社固有のストレス又は市場全体のストレスの発生により新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、短期の無担保調達資金について、当社グループの流動性ポートフォリオが十分に確保されているかをモニタリングしております。また、当社は、必要に応じて当社からグループ各社に対し、機動的な資金の配分・供給を行うと共に、グループ内で資金融通を可能とする体制を整えることで、効率性に基づく一体的な資金調達及び資金管理を行っております。

 

<コンティンジェンシー・ファンディング・プラン>

当社グループは、流動性リスクへの対応の一環として、コンティンジェンシー・ファンディング・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社グループは機動的な対応により流動性を確保する体制を整備しております。

当社グループのコンティンジェンシー・ファンディング・プランは、グループ全体のストレスを踏まえて策定しており、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。

また、金融市場の変動の影響が大きくその流動性確保の重要性の高い大和証券株式会社、株式会社大和ネクスト銀行及び海外証券子会社においては、更に個別のコンティンジェンシー・ファンディング・プランも策定し、同様に定期的な見直しを行っております。

なお、当社は、子会社のコンティンジェンシー・ファンディング・プランの整備状況について定期的にモニタリングしており、必要に応じて想定すべき危機シナリオを考慮して子会社の資金調達プランやコンティンジェンシー・ファンディング・プランそのものの見直しを行い、更には流動性の積み増しを実行すると同時に資産圧縮を図るといった事前の対策を講じることとしております。

 

② 株主資本

当社グループが株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、プリンシパル・インベストメント、証券担保ローン等の有価証券関連業を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。また、当社グループは、日本のみならず、海外においても有価証券関連業務を行っており、それぞれの地域において法規制上必要な資本を維持しなければなりません。

当第1四半期連結会計期間末の株主資本は、前連結会計年度末比77億円減少し、1兆1,758億円となりました。資本金及び資本剰余金の合計は4,780億円となりました。利益剰余金は親会社株主に帰属する四半期純利益を193億円計上したほか、配当金支払いにより218億円減少したことなどにより、前連結会計年度末比19億円減の7,163億円となりました。自己株式の控除額は、前連結会計年度末に比べ57億円増加し、185億円となっております。