当第3四半期連結累計期間開始日以降、当四半期報告書提出日までの間において、第80期有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項はありません。
本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間の当社グループの営業収益は5,271億円(前年同期比17.1%増)となりました。受入手数料は2,340億円(同18.9%増)、トレーディング損益は775億円(同22.2%減)となりました。金融収支は353億円(同0.5%減)、純営業収益は3,744億円(同6.6%増)となっております。
販売費・一般管理費は、取引関係費537億円(同5.7%増)、人件費1,362億円(同3.7%増)などにより、合計で2,727億円(同4.0%増)となりました。
この結果、経常利益は1,121億円(同10.8%増)となりました。
これに特別利益51億円、訴訟損失引当金繰入額等の計上による特別損失98億円、法人税等及び非支配株主に帰属する四半期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は739億円(同9.4%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
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純営業収益 |
経常利益 |
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平成28年 |
平成29年 |
対前年同期 |
平成28年 |
平成29年 |
対前年同期 |
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リテール部門 |
138,397 |
159,673 |
15.4% |
20,675 |
39,019 |
88.7% |
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ホールセール部門 |
135,761 |
124,057 |
△8.6% |
49,008 |
32,120 |
△34.5% |
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アセット・マネジメント部門 |
34,639 |
36,802 |
6.2% |
19,944 |
21,827 |
9.4% |
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投資部門 |
13,252 |
22,042 |
66.3% |
11,488 |
20,121 |
75.1% |
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その他・調整等 |
29,080 |
31,887 |
― |
112 |
△890 |
― |
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連結 計 |
351,131 |
374,464 |
6.6% |
101,229 |
112,199 |
10.8% |
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[リテール部門] |
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好調な市場環境による国内外の株式取引の増加や、株式投資信託の販売額が高水準で推移したことなどにより、純営業収益は1,596億円(前年同期比15.4%増)、経常利益は390億円(同88.7%増)となりました。
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[ホールセール部門] |
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投資銀行部門において株式引受けの大型案件や国内外のM&A案件を積み上げたものの、金融市場における低ボラティリティが継続し顧客フローが減少したことなどにより、純営業収益は1,240億円(同8.6%減)、経常利益は321億円(同34.5%減)となりました。
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[アセット・マネジメント部門] |
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マーケットが堅調に推移したことに加え、資金フローにおいても純増を確保したことから運用資産残高が拡大し、純営業収益は368億円(同6.2%増)、経常利益は218億円(同9.4%増)となりました。
[投資部門] 投資案件の回収により、純営業収益は220億円(同66.3%増)、経常利益は201億円(同75.1%増)となりました。 |
<資産の部>
当第3四半期連結会計期間末の総資産は21兆9,258億円(前連結会計年度末比2兆985億円増)となりました。内訳は流動資産が21兆2,831億円(同2兆242億円増)であり、このうち現金・預金が4兆6,693億円(同8,407億円増)、有価証券が1兆300億円(同7,121億円減)、トレーディング商品が7兆346億円(同4,884億円増)、有価証券担保貸付金が6兆5,784億円(同1兆2,729億円増)となっております。固定資産は6,427億円(同743億円増)となっております。
<負債の部・純資産の部>
負債合計は20兆5,502億円(同2兆663億円増)となりました。内訳は流動負債が17兆8,473億円(同1兆8,394億円増)であり、このうちトレーディング商品が4兆9,350億円(同2,765億円増)、有価証券担保借入金が6兆3,763億円(同3,575億円増)、銀行業における預金が3兆5,550億円(同5,693億円増)となっております。固定負債は2兆6,989億円(同2,269億円増)であり、このうち社債が1兆2,676億円(同482億円増)、長期借入金が1兆3,356億円(同1,564億円増)となっております。
純資産合計は1兆3,756億円(同321億円増)となりました。株主資本については、「(6)資本の財源及び流動性に係る情報 ②株主資本」に記載のとおりであります。その他有価証券評価差額金は827億円(同228億円増)、非支配株主持分は886億円(同48億円増)となっております。また、繰延ヘッジ損益は△65億円(同69億円減)、為替換算調整勘定は152億円(同83億円増)となっております。
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更及び新たに生じた事項はありません。
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間のマクロ経済環境
<海外の状況>
世界経済は緩やかに拡大しており、IMF(国際通貨基金)などの国際機関の推計によれば、平成29年の世界経済成長率は前年を上回る伸びとなったとみられます。米国経済は、引き続き政治的な混乱に対する懸念を払拭できないものの、政策に依存せずとも堅調に推移しています。また、ユーロ圏の景気は加速しており、デフレ懸念が後退しました。ユーロ圏は、他の地域に比べて景気循環面での成熟化が進んでいない分、今後の成長の伸びしろがあると期待されています。さらに、先進国だけでなく、新興国経済も回復基調にあり、中国が底堅く推移している他、ブラジルやロシアはプラス成長に転じるとみられます。
米国経済は、平成29年1-3月期こそ個人消費の伸びが抑制され、実質GDP成長率は低成長に留まりましたが、平成29年4-6月期以降は前期比年率3%前後の高成長となっています。雇用・所得環境が安定しているなかで、個人消費が回復していることや、好調な企業業績や企業マインドの改善を背景に、設備投資が活発であることなどが要因として挙げられます。さらに、12月には、トランプ大統領が公約に掲げてきた、約30年ぶりとなる税制の抜本改革が実現することになり、今後の景気浮揚効果が期待されています。金融面では、底堅い景気拡大を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)は平成29年一年間に3月、6月及び12月の3回にわたり政策金利を引き上げました。また、10月からは、FRBが保有する資産の規模の縮小を開始しています。一方、米国株式市場では、一時、税制改革への不透明感から上値の重い展開が見られたものの、底堅い米国経済や税制改革進展への期待から騰勢に転じ、NYダウ平均株価は過去最高値を更新しました。
欧州経済は、緩やかながら安定した成長が続いており、平成29年のユーロ圏の実質GDP成長率は2.5%と10年ぶりの高成長になりました。平成29年10-12月期は前期比0.6%増、前年比では2.7%増となり、平成28年10-12月期以降高成長が続いています。堅調な個人消費に加え、足下では輸出や投資も活発になり、内需を中心に、よりバランスの取れた形で成長しています。一方、イギリスの離脱に関するEU(欧州連合)との交渉の行方は依然として不透明さが残り、イギリス経済の重しになっています。また、金融面では、デフレ懸念の後退を受けて、ECB(欧州中央銀行)は、非伝統的な金融緩和の軌道修正を進めています。平成29年4月から量的緩和の規模を縮小させたのに続いて、平成29年10月には、平成30年1月以降、資産買取額を毎月300億ユーロに半減させつつ、少なくとも同年9月末までは買取を継続する方針を決定しました。もっとも、デフレ懸念が後退したとはいえ、ユーロ圏のインフレ率は、ECBが目指すインフレ目標に届いていないことから、ECBは慎重に金融緩和策の修正を進めていくとみられます。
新興国経済は、平成28年をボトムにして経済成長率が加速しています。中国経済は、実質GDP成長率が平成29年1-3月期、4-6月期の前年比6.9%増から、7-9月期、10-12月期は6.8%増と僅かに減速したものの、安定成長を続けています。平成22年の10.6%をピークに6年連続で経済成長率は鈍化してきましたが、平成29年は6.9%と7年ぶりに前年から加速し、中国政府の成長率目標である6.5%前後を上回りました。また、デフレ脱却によって平成29年の名目GDP成長率は急回復しており、企業業績の改善は雇用者報酬の増加を通じて、堅調な消費を下支えしました。このように、個人消費が景気を牽引する一方、固定資産投資の伸びは減速しています。不動産開発投資では住宅販売の不振、製造業投資に関しては、過剰生産能力削減を目的とした新規投資の抑制などが要因として挙げられます。特に、住宅販売は平成29年秋以降大きく鈍化しており、耐久財など関連消費への影響が懸念されます。
<日本の状況>
日本経済は「踊り場」局面から脱し、平成28年半ば以降、緩やかな回復を続けています。平成24年11月を谷とする今回の景気拡大は5年を超えて、事実上、戦後2番目の長さになっています。平成29年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率2.5%増となり、4-6月期の同2.9%増からは減速したものの、高い成長を維持しているといえます。設備投資が堅調に拡大する一方、個人消費や住宅投資がマイナスに転じたことから、内需の寄与度は前期から縮小しましたが、4-6月期に一旦落ち込んだ輸出が再び景気の牽引役となっています。
GDPに占めるウエイトの大きい個人消費は、平成29年7-9月期に5四半期ぶりに減少しましたが、これは天候不順が重なったためで、一時的な調整とみられます。雇用・所得環境の改善を背景に、消費者マインドは高い水準にあり、消費の基調は堅調に拡大しています。失業率が2%台後半まで低下する一方、有効求人倍率は高度経済成長期以来の高水準が続いています。賃金の伸び悩みが大きな課題でしたが、足下では非正規比率の上昇は頭打ちとなっており、正規雇用も増加し始めています。さらに、非製造業や中小企業を中心に人手不足感は依然として強く、人手確保のために、今後もマクロ経済全体で見た賃金は緩やかに増加していくとみられます。一方で、生鮮食品の高騰だけでなく、原油価格が平成29年6月を底に上昇に転じ、年末までに約3割上昇しています。企業活動だけでなく、消費者の生活にも影響を及ぼしていくとみられます。
一方、住宅投資については、低い住宅ローン金利という支援材料のほか、相続税対策などの特殊要因が押し上げてきましたが、貸家の着工に頭打ち感が見られるなど、概ね横ばいで推移しています。
企業の設備投資は、平成29年7-9月期に前期比+1.1%と4四半期連続で増加しており、好調な輸出や人手不足の深刻化に対応するための効率化・省力化投資の増加が背景にあるとみられます。日銀短観(12月調査)によると、平成29年度の設備投資計画は大企業を中心に増加が見込まれ、研究開発投資も底堅く、設備投資に広がりが見られます。日本企業の収益が過去最高水準にあることも寄与していると考えられますが、利益の伸びに比べると、設備投資の伸び率は低いままです。設備投資の水準は依然としてキャッシュ・フローを大きく下回っており、企業の投資態度は慎重さを崩していません。
外需に関しては、海外経済が底堅く拡大していることを背景に、輸出は増加基調にあります。地域別に輸出の動向を見ると、米国向けやアジア向けが堅調に伸びている一方、EU向けは平成29年春以降減少が目立ちます。自動車や半導体等製造装置の輸出が好調ですが、引き続き、海外経済の動向には留意が必要です。一方、平成29年7-9月期の輸入は国内需要の減少に伴って5四半期ぶりに減少に転じました。10月以降は、円安や原油高が前年比で輸入価格を押し上げており、直近の輸入数量が5ヶ月ぶりに増加するなど、輸入金額は持ち直しの動きが見られます。
金融面では、日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の下で、強力な金融緩和が続いています。その一環としてイールドカーブ・コントロールを導入し、短期金利と長期金利の両方を事実上管理するという、より直接的な政策を実行しています。その結果、長期金利(10年国債利回り)は、平成29年に入ってから概ね0.0%~0.1%という狭いレンジで推移しており、平成29年10-12月期の平均値は0.05%となりました。また、為替レートは平成29年に入ると、米国の新政権に対する不透明感などが意識されるに伴い、4月半ばにかけて円高が進行しました。その後、円は狭いレンジのなかでアップダウンを繰り返した後、地政学的リスクの高まりを受けてリスク回避の動きが強まり、7月から9月上旬にかけては円高が進み、平成29年で最も高値を付けました。10-12月期に限ると、円は対ドルでは、米国の長期金利の動向に左右される展開が続くなか、トランプ大統領の政策運営に対する不安感が高まると、円高・ドル安に振れる場面が見られました。ただ、総じて111円~114円という狭いレンジ内の変動にとどまりました。また、対ユーロでも概ね横ばいで推移しましたが、年末にかけては、欧州債金利の上昇を受けて、円安・ユーロ高が進みました。
平成29年12月末の日経平均株価は22,764円94銭(同年9月末比2,408円66銭高)、10年国債利回りは0.047%(同0.015ポイントの低下)、為替は1ドル112円65銭(同19銭の円安)となりました。
① 流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>
当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。
当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、預金受入等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めております。特に近年においては、世界的金融危機及び信用危機による不測の事態に備え、市場からの資金調達、金融機関からの借入等により、手元流動性の更なる積み増しを行っております。同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。
当社は、平成26年金融庁告示第61号による連結流動性カバレッジ比率(以下、「LCR」)の最低基準(平成27年3月末から段階的に導入)の遵守が求められております。当社の当第3四半期日次平均のLCRは148.9%となっており、上記金融庁告示による要件を満たしております。また、当社は、上記金融庁告示による規制上のLCRのほかに、独自の流動性管理指標を用いた流動性管理体制を構築しております。即ち、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、様々なストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを日次で確認しております。その他、1年以上の長期間に亘りストレス環境が継続することを想定した場合に、保有資産を維持するための長期性資金調達状況の十分性を計測及びモニタリングしており、1年間無担保資金調達が行えない場合でも業務の継続が可能となるように取り組んでおります。
当第3四半期日次平均のLCRの状況は次のとおりです。
(単位:億円)
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日次平均 |
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適格流動資産 |
(A) |
25,328 |
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資金流出額 |
(B) |
35,527 |
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資金流入額 |
(C) |
18,526 |
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連結流動性カバレッジ比率(LCR) |
|||
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算入可能適格流動資産の合計額 |
(D) |
25,328 |
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純資金流出額 |
(B)-(C) |
17,000 |
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連結流動性カバレッジ比率 |
(D)/((B)-(C)) |
148.9% |
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<グループ全体の資金管理>
当社グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、当社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。当社は、当社固有のストレス又は市場全体のストレスの発生により新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、短期の無担保調達資金について、当社グループの流動性ポートフォリオが十分に確保されているかをモニタリングしております。また、当社は、必要に応じて当社からグループ各社に対し、機動的な資金の配分・供給を行うと共に、グループ内で資金融通を可能とする体制を整えることで、効率性に基づく一体的な資金調達及び資金管理を行っております。
<コンティンジェンシー・ファンディング・プラン>
当社グループは、流動性リスクへの対応の一環として、コンティンジェンシー・ファンディング・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社グループは機動的な対応により流動性を確保する体制を整備しております。
当社グループのコンティンジェンシー・ファンディング・プランは、グループ全体のストレスを踏まえて策定しており、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。
また、金融市場の変動の影響が大きく、その流動性確保の重要性の高い大和証券株式会社、株式会社大和ネクスト銀行及び海外証券子会社においては、更に個別のコンティンジェンシー・ファンディング・プランも策定し、同様に定期的な見直しを行っております。
なお、当社は、子会社のコンティンジェンシー・ファンディング・プランの整備状況について定期的にモニタリングしており、必要に応じて想定すべき危機シナリオを考慮して子会社の資金調達プランやコンティンジェンシー・ファンディング・プランそのものの見直しを行い、更には流動性の積み増しを実行すると同時に資産圧縮を図るといった事前の対策を講じることとしております。
② 株主資本
当社グループが株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、プリンシパル・インベストメント、証券担保ローン等の有価証券関連業を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。また、当社グループは、日本のみならず、海外においても有価証券関連業務を行っており、それぞれの地域において法規制上必要な資本を維持しなければなりません。
当第3四半期連結会計期間末の株主資本は、前連結会計年度末比35億円増加し、1兆1,871億円となりました。資本金及び資本剰余金の合計は4,781億円となりました。利益剰余金は、配当金支払いにより434億円減少したほか、親会社株主に帰属する四半期純利益を739億円計上した結果、前連結会計年度末比310億円増の7,492億円となりました。自己株式の控除額は、前連結会計年度末に比べ274億円増加し、402億円となっております。