第2 【事業の状況】

 

本項における経営目標、予測、並びにその他の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、これらの目標や予測の達成及び将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。また今後、予告なしに変更されることがあります。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

日本においては少子高齢化の進展に加え平均寿命は男女ともに伸び続け「人生100年時代」が現実となる中、老後の備えに対する意識は益々高まり、老後資金のための資産形成及び運用が幅広い世代で重要となってきております。

また、日本の人口が減少する一方、世界の人口はアジア・アフリカを中心に増加しています。世界のGDPに対する日本のシェアも2018年の5.7%から今後低下することが予想され、世界における日本のポジションは、益々厳しくなっていくことが見込まれます。

そして、AIやビッグデータ等の技術革新の進展により、この数年でデジタル・トランスフォーメーションが本格化したことで、産業構造や就業構造が劇的に変化することも想定されます。金融業界においても、Fintech企業や、他業種からの参入等、競争環境の変化が大いに想定されるところであり、当社グループとしてもテクノロジーの進展を的確に捉え、常に変化に対応していく姿勢が重要であると考えております。

個人のお客様にとっては「人生100年時代」の到来により健康、介護、その為の資金と様々な不安が生じることが予想されます。いわゆる長生きリスク、そして、先行きが見通しにくい不確実性の時代だからこそ、安心して生活していけるライフプランが非常に大切になると考えております。

また、テクノロジーの進展により世の中が便利になる一方、雇用形態や情報の取得手段等、個人の生活レベルにあらゆる面で変化が生じることが予想されます。その中でお客様のニーズは、年代や性別、生活スタイルによって益々細分化され、これまでの画一的なサービスでは対応できなくなることが想定されます。

他方、企業においては、国内市場の縮小が見込まれる中、国内外の競争環境の激化が想定され、政府においても少子高齢化や地域格差の拡大により財政が逼迫する等、社会課題が山積みとなっており、産業構造変化への対応やグローバル競争力の強化、社会課題解決に資する産業の育成が必須となります。

 

その様な環境認識の中、個人・法人のお客様の課題解決に応えていくことが、お客様にとっての“より良い未来”を創っていくことに繋がり、且つ当社グループにとってもビジネスチャンスであると考えており、当社グループが目指す戦略の方向性と位置付けております。

当社グループにおいては、経営を取り巻く中長期的な環境の変化を想定し、2018年度を初年度とした3ヵ年の中期経営計画“Passion for the Best”2020を策定しており、劇的な環境変化が想定される中で、「クオリティNo.1」のコンサルティングによる付加価値の高いソリューションの提供と、「ハイブリッド型総合証券グループ」としての新たな価値の提供を基本方針とし、「未来を創る、金融・資本市場のパイオニア」を当社グループの目指す姿として掲げております。

なお、中期経営計画における主な数値目標としては、大和証券における預かり資産(2020年度において80兆円以上)、当社グループの連結総自己資本規制比率(18%以上)、連結自己資本利益率(ROE)(10%以上)及び連結経常利益(2020年度において2,000億円以上)等を定めております。

 

また、昨年度の状況及び今般の情勢に鑑み、2020年度の大和証券グループ経営方針を下記のとおり定めております。

 

2020年度 大和証券グループ経営方針

「令和」の新時代の幕開けとなった2019年度は、証券市場においては激動の1年となりました。米中貿易協議の第一段階合意やBrexitの不透明感が後退したこと等に伴い、株式市場も一時、バブル崩壊後の戻り高値に迫る回復を見せましたが、年明け以降は新型コロナウイルスの世界的な感染急拡大が、世界経済と国際金融市場を激しく揺さぶり、混乱の中で株式市場も大幅な調整を余儀なくされました。

世界がこれまで経験したことのないような危機に直面する中、多くのお客様は先行きへの不安を抱えています。この様な時こそ、117年もの長きに亘りマーケットと真摯に向き合ってきた当社グループが、これまで培ってきた経験とノウハウを最大限に活かす局面となっています。

資産運用や資金調達に係るお客様の不安に真正面から向き合い、まずはその対応に最善を尽くします。その上で危機の先を見据え、お客様の中長期的なライフプランの設計、企業の持続的成長の実現に向けて、徹底したコンサルティング提案に務めます。またハイブリッド戦略により、お客様に対して新たな価値を提供することで、グループ収益の多様化と安定化を図り、持続的な成長を目指してまいります。

今般の危機対応を契機として、世界的に働き方改革やデジタル化の進展が加速しており、産業構造のみならず社会全体が変貌を遂げようとしています。歴史的転換点に立つ今こそ、大和証券グループは「未来を創る、金融・資本市場のパイオニア」として、新たな価値を提供すると共に、SDGs達成に向けた共通価値創造を通じ、サステナブルで豊かな社会の実現に貢献してまいります。

 

2020年度の各事業部門アクションプランは以下のとおりであります。

 

(1) リテール部門

プリンシプルベースの営業体制の構築

お客様のあらゆるニーズに応える魅力的な商品・サービスの開発、ソリューション提案の高度化

外部チャネル・外部リソースを活用したビジネス展開

収益構造の転換、コスト構造の見直し

 

(2) ホールセール部門

企業の高付加価値化を促進

② お客様ニーズを捉えたプロダクト・サービスの提供

③ 事業構造や日本の産業構造転換を支援

④ アジアのリージョナル・ブローカーとしての汎アジアビジネスサポート

 

(3) アセット・マネジメント部門

既存ファンドのプロモーション強化、新ファンドの戦略的投入によるヒット商品の育成

販売会社拡大等を通じた資金純増の実現

戦略別運用チーム体制への移行、運用解析チームの新設等による運用力の強化

④ 不動産を中心としたオルタナティブ投資商品の拡大

 

(4) 投資部門

① 新規産業の発掘・育成によるファンド・エコシステムへの貢献

② アジアへの投資拡大

③ 社会的意義のある投資対象の開拓

   ④ 運用力の更なる進化による投資リターンの追求

 

(5) その他(大和総研グループ)

① ハイブリッド型総合証券グループのシンクタンクとして、グループ連携によるビジネス強化へ貢献

デジタル化により加速する社会の変化に対応した経済・金融における先見性の高い情報発信

お客様ビジネスの競争力強化へ貢献するソリューションの提供

先端技術の活用による「新たな価値」の創出を通じたビジネスの拡大

 

(6) その他(大和ネクスト銀行)

① 証銀連携によるお客様本位の商品・サービス展開

② グループ全体の将来的な収益基盤構築に向けた仕組み作り

③ 市場環境の変化に即応可能なポートフォリオ運営

④ 健全な利益の確保を通じた持続的成長

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項に関し、以下のようなリスクがあげられます。これらのリスクは必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では想定していないリスクや重要性が乏しいと考えられるリスクも、今後当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 日本及び世界の景気、経済情勢、金融市場の変動に関するリスク

日本では、2019年10月には消費税率10%への引上げが実施され個人消費への影響が見られ、さらに、2020年2月以降の新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、年度末に向けて企業業績の悪化や、個人消費の伸び悩みが顕在化して、景気の下押し圧力となりました。消費税率引上げや新型コロナウイルスの感染拡大により成長が鈍化した場合や、金融政策の効果が期待通り得られずデフレからの脱却が実現しない場合には、日本経済が再び低迷の危機に陥る可能性も否定できません。

米国では、トランプ政権の保護主義的通商政策による貿易停滞の影響や、米国の財政赤字拡大等に起因する金利上昇が金融市場の不安定性を高める可能性があります。欧州地域においては、低金利と雇用環境が改善される一方、地政学リスクの高まりや英国のEU離脱を巡る動向など下振れ懸念も存在します。中国、新興国においても、経済成長率の減速や地政学リスク等、予断を許さない状況が続いています。また、米中貿易摩擦問題や新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、世界経済の見通しの不透明感が強まっています。再び、財政状況や経済状況が悪化した場合には、世界的な金融危機や経済危機に発展する可能性も否定できません。

このように、日本における財政政策、金融政策の効果が期待通り得られない場合や、世界景気や経済情勢の停滞若しくは悪化など、日本を取り巻く経済環境に悪影響を及ぼす事象が発生した場合には、企業業績の悪化、株価の下落、為替・金利の変動等により様々なリスクが顕在化することが想定されます。このような事態は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 外的要因によるリスク

当社グループの主たる事業である有価証券関連業務は、マーケットに急激な変動を生じさせる予測不可能な出来事の発生により大きな影響を受ける傾向があります。例えば、2001年9月に発生した米国同時多発テロや、2011年3月に発生した東日本大震災がもたらした社会・経済・金融等の混乱や危機的状況は、いずれも当社グループの業績に重大な影響を及ぼしました。

新型コロナウイルス感染症に対しては、当社グループでは、お客様、取引先及び社員の安全を第一に考え、また、更なる感染拡大を防ぐために、感染防止策の徹底、テレワーク(在宅勤務)の推進等の対応を実施しております。CEOを本部長とする危機管理対策本部を設置し、事業影響の低減を図っておりますが、事態が長期化し世界又は国内経済が停滞又は悪化した場合、企業業績の悪化、株価の下落、為替・金利の変動等により様々なリスクが顕在化することが想定され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このように、戦争・テロ行為、地震・津波・洪水等の自然災害、各種感染症の大流行や情報・通信システム・電力供給といったインフラストラクチャーの障害等の外的要因は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 気候変動等に関するリスク

当社グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言にもとづき、気候変動に関するリスクのうち、低炭素経済への移行に関連して、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があるリスクとして主に以下を認識しております。

・低炭素経済への移行により事業に重大な影響を受ける企業等からのビジネスが減少するリスク

・環境負荷の高い事業に係る投資・引受業務に伴うレピュテーショナルリスク

・環境負荷の高い事業が含まれるファンドの保有資産の価値が低下することにより当社グループの運用資産残高

 が減少するリスク

・環境規制強化や災害リスクへの対応によりコストが増加するリスク

・当社グループが保有する資産の価値が低下、又は売却機会が減少するリスク

なお、今後、気候変動等に関する政策及び法規制等が予測を超えて厳格化された場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績への影響はさらに大きくなる可能性があります。

 

(4) 競争状況に伴うリスク

株式の売買委託手数料率の自由化をはじめ、ファイアーウォール規制の見直し等、一連の大幅な規制緩和を契機として、当社グループの主たる事業である有価証券関連業務における競争は、厳しいものとなっています。参入規制がほぼ撤廃されて、銀行その他の証券会社以外の国内外の金融グループは、幅広い金融商品・サービスの提供を行うことにより、顧客基盤及び店舗ネットワークを構築・強化しております。

当社グループは、これら国内外の金融グループに対して、競合する事業における価格やサービス面等の点で十分な競争力を発揮できるという保証はなく、これが発揮できない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) グループ戦略が奏功しないリスク

当社グループは、有価証券関連業務を中核とする投資・金融サービス業やハイブリッド戦略により不動産・ヘルスケアなど新たな事業領域となる業務を行うグループ会社群によって構成されており、これらグループ会社が連携することで付加価値の高い投資・金融サービスを提供する等、グループ全体の企業価値を最大化することを目指しております。しかしながら、①国内外の経済・金融情勢が悪化した場合、②競争環境の変化により、当社グループの期待する収益を得られない場合、③当社グループ内外との事業提携・合弁関係、業務委託関係が変動あるいは解消した場合、④当社グループ内の組織運営効率化のための施策が想定どおりに進まない場合、及び⑤法制度の大幅な変更があった場合をはじめとする様々な要因により、上記のグループ戦略に変更が生じる場合や、グループ会社間の業務、その他の連携が十分に機能しない場合には、グループ戦略が功を奏しない可能性や想定していた成果をもたらさない可能性があり、その場合、当社グループの事業、財政状態及び経営戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 業績の変動性に伴うリスク

当社グループの主たる事業である有価証券関連業務をはじめ、その他の主要業務であるアセット・マネジメント業務、投資業務は、お客様との取引から得られる手数料、トレーディング損益、営業投資有価証券関連損益等が大幅に変動するという特性を持っております。当社グループでは業績の安定性を向上させるべく、リテール部門における預り資産の拡大やホールセール部門の収益構造の多様化、アセット・マネジメント部門における契約資産残高の拡大、市場リスクや信用リスクをはじめとする各種リスクの管理強化、経費管理の徹底等の努力を行っておりますが、これらの施策は有価証券関連業務に伴う業績の変動性をカバーすることを保証するものではなく、とりわけ経済・金融情勢が著しく悪化した場合には、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループの過去3連結会計年度における連結業績の推移は次のとおりです。

 

           (単位:百万円)

回次

第81期

第82期

第83期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

営業収益

712,601

720,586

672,287

純営業収益

505,350

441,240

426,259

経常利益

155,676

83,159

70,283

親会社株主に帰属する
当期純利益

110,579

63,813

60,346

 

 

(7) リテール部門におけるビジネス・リスク

リテール部門では、市況の低迷でお客様の証券投資需要が低調となったり、証券市場のリスクを避ける投資行動が強まったり、リスク資産を保有することそのものに対して消極的な傾向が強まったりすると、収益が大きく低下する可能性があります。また、店舗、営業員、オンライン取引システム等を必要とするため、不動産関係費、人件費、システム投資等に係る減価償却費等の固定的経費を要する傾向があります。したがって、上記のような要因により収益が大きく低下したときは、経費抑制努力では対応しきれず、採算割れとなるリスクがあります。

 

 

 (8) ホールセール部門におけるビジネス・リスク

ホールセール部門は、グローバル・マーケッツとグローバル・インベストメント・バンキングの各ビジネスにより構成されております。

グローバル・マーケッツにおける現物取引やデリバティブ取引等のトレーディング業務には、市場動向や税制、会計制度の変更等の影響でお客様の取引需要が減少して収益が低下するリスクや、急激かつ大幅な市況変動でディーラーの保有ポジションの時価が不利な方向に変動して損失が発生するリスク、低流動性のポジションを保有していたため市況変動に対応して売却することができず損失が発生するリスク等があります。

これらのうち、主要なものは市場リスク(株式・金利・為替・コモディティ等の相場が変動することにより損失を被るリスク)と信用リスク(与信先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失し、あるいは債務が履行されないことにより損失を被るリスク)です。当社グループでは、各商品のトレーディングにかかるリスクを軽減するために、各商品の過去の市場価格の推移や各商品の価格変動の相関を参考に、必要に応じて様々なヘッジ取引を行っておりますが、予想を超える市場の変動や突発的に発生する個別の事象等により、ヘッジが有効に機能しない可能性もあります。さらに、トレーディング・ポジションの内容が特定の銘柄や業種等に偏ると、ポートフォリオ全体の分散効果が得られにくくなるほか、ポジションの円滑な処分も困難になるため、リスクが顕在化した場合の損失額が大きく膨らむ傾向があります。

グローバル・マーケッツにおけるブローカレッジ業務では、市況の低迷でお客様の証券投資需要が低調となったり、リスクを避ける投資行動が強まったり、リスク資産を保有することそのものに対して消極的な傾向が強まったりすると、収益が大きく低下する可能性があります。また、法人のお客様向けの大規模な取引システム等を必要とするため、システム投資等に係る減価償却費等の固定的経費を要する傾向があります。したがって、上記のような要因により収益が大きく低下したときは、経費抑制努力では対応しきれず、採算割れとなるリスクがあります。

また、グローバル・インベストメント・バンキングにおいては、法人のお客様の財務面でのニーズに対応して、債券、上場株式、新規公開株式、資産流動化証券等の引受け、募集・売出しを行うほか、仕組み証券やストラクチャード・ファイナンスの組成に関する業務、M&A、事業再編や新規公開に関するアドバイザリー業務も行います。これらの業務には、概して証券市況に影響されて取引規模及び取引量が急激に変動する特性があります。また、引受業務には、引受けた証券が市況の下落等で円滑に投資家に販売できない場合、引受けた証券を保有すること等により、市場価値の下落による損失を被るリスクがあります。引受業務におけるポジション・リスクは、単一の銘柄でかつ巨額なポジションとなり、適時に効果的なリスク回避の手段をとることができないため、通常のトレーディングにおけるポジション・リスクよりも重大なリスクとなり得ます。また、引受業務には、有価証券の募集・売出しにかかる発行開示が適切になされなかった場合には、金融商品取引法に基づき引受会社として投資家から損害賠償請求を受けるリスクがあります。

 

(9) アセット・マネジメント部門におけるビジネス・リスク

アセット・マネジメント部門の収益は、運用資産の残高に基づく一定料率又は実績連動の報酬です。市場の変動によって運用資産の評価額が下落した場合や、お客様の資産運用の動向が変化(預金等の安定運用志向の高まりを含む。)したり、あるいは当社グループの運用実績が競合他社に比べて低迷する等して、解約等が増加し、運用資産が減少した場合には、当社グループの収益は減少します。

他方、アセット・マネジメント部門の経費構造は、システム関連経費や人件費が中心であって、固定費的な要素が強いため、収益の低下が著しい場合には採算割れとなるリスクがあります。

 

(10) 投資部門におけるビジネス・リスク

投資部門では、将来、株式公開が見込まれると判断したベンチャー企業等の株式等を取得し、株式公開時に当該株式を売却し利益を得ることを主たる目的とするベンチャー・キャピタル業務や、自己の資金により企業の株式等を取得・保有し、経営改善等によって投資先企業の価値を高めた上で当該株式等を転売し利益を得ることを主たる目的とするプリンシパル・インベストメント業務、エネルギー及びインフラストラクチャー分野の国内外の投資資産を取得・保有し、保有期間中に得られるインカム収益や転売による利益を得ることを主たる目的とするエネルギー及びインフラストラクチャー投資業務等を行っています。

ベンチャー企業等は、一般的に、事業運営の歴史が浅く、多くの場合事業運営モデルが確立しておらず、資金調達手法や商品・サービスに対する長期的な需要の確保に不確実性が見られ、また、優秀な人材の継続的雇用も保証されていない等、経営全体の基盤が安定していない傾向が強いといえます。さらに、創業者等の特定の人物に対する依存度が著しく高い場合が多い等、多種多様なリスク要因を包含しています。したがって、投資後に投資先企業の企業価値が低下する場合や投資先企業が倒産する場合もあり、結果として損失を被る可能性があります。

また、一般的に、ベンチャー企業等が株式公開を目指してから実際の公開に至るまでには相当の期間を要することから、投資期間も長期にわたる傾向があります。さらに、投資先企業のすべてが株式公開を実現する保証はなく、投資先企業の株式公開が実現した場合においても、当該企業の株式等の取得原価を上回る価額で当該株式等を株式市場等で売却できるとは限らないため、期待された売却益が実現しない可能性や売却損又は評価損が発生する可能性もあります。

プリンシパル・インベストメント業務は、保有する有価証券やその他の資産のポジションの流動性が低いこと、投資先の分散によるリスク抑制が行い難いこと、保有期間が長いこと、投資開始時点で経営に何らかのリスク要因のある企業を投資対象とする場合が多いこと、売却時に国内外の規制上の障害があって処分が妨げられたり処分までに長期間を要することがありうること等から、成功した場合のリターンが大きい代わりにリスクも高いビジネスです。保有株式等を転売せずに保有継続する場合には評価損が発生する可能性があり、転売する場合において、取得原価を上回る価額で転売できるとは限らないため、期待された売却益が実現しない可能性や売却損が発生する可能性があります。

エネルギー及びインフラストラクチャー投資業務は、保有する投資資産の流動性が低いこと、投資先の分散によるリスク抑制が行い難いこと、保有期間が長いこと、投資資産の対象企業その他関係者の信用状態の変化、経済環境の変化、規制の強化、政情不安、自然災害、為替・金利動向、資源価格の動向、投資資産の所在国のカントリーリスク等による影響を受ける可能性があること等、多種多様なリスク要因を包含しており、投資時点で想定した結果をもたらさないリスクがあるビジネスです。保有期間中に期待していたインカム収益が得られない可能性や、資産等を保有継続する場合には評価損が発生する可能性があり、転売する場合において、取得原価を上回る価額で転売できるとは限らないため、期待された売却益が実現しない可能性や売却損が発生する可能性があります。

 

(11) 銀行業に伴うビジネス・リスク

当社グループでは、連結子会社である株式会社大和ネクスト銀行(以下、「大和ネクスト銀行」という。)が、同行の銀行代理店である大和証券株式会社(以下、「大和証券」という。)を通じて、お客様向けサービスを提供しております。

大和ネクスト銀行においては、大和証券やインターネット等を通じたお客様からの預金受入れ等により調達した資金を、貸出や債券その他有価証券投資等により運用しておりますが、銀行業は、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、システムリスク、コンプライアンスリスク、事務リスク、情報セキュリティリスク、外部委託にかかるリスク、イベントリスク、レピュテーショナルリスク、自己資本比率低下リスク等、様々なリスクへの対応が必要となります。このような広範に渡るリスクの管理態勢の整備、維持及び改善等の対応を進めておりますが、これらの対応が不十分であった場合、マイナス金利政策等による運用資産の利回り低迷や調達金利の上昇等により期待された利鞘が確保できない場合、競合する他の銀行との差別化戦略が期待どおりに進まず競争力が発揮できなかった場合等においては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 不動産投資法人に関するリスク

当社グループの連結子会社であるサムティ・レジデンシャル投資法人、持分法適用関連会社である大和証券オフィス投資法人及び大和証券リビング投資法人は、投資信託及び投資法人に関する法律に基づく投資法人であり、株式会社東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場し、投資口及び投資法人債の発行並びに金融機関等からの借入れ等により資金調達をし、サムティ・レジデンシャル投資法人は主として賃貸住宅、大和証券オフィス投資法人は主としてオフィスビル、及び大和証券リビング投資法人は主として賃貸住宅及びヘルスケア施設を中心とした不動産及び不動産を信託財産とする信託受益権等に対して投資し、不動産の賃貸や売却等により回収することを主たる事業としております。

サムティ・レジデンシャル投資法人、大和証券オフィス投資法人及び大和証券リビング投資法人の事業は、市場環境や経済情勢の変動、調達金利の変動、テナントの入退居、賃料の改定・不払い、テナント・信託の受託者その他関係者の倒産等、固定資産税その他諸費用の変動、不動産に係る欠陥・瑕疵の存在、災害等による建物の滅失・劣化・毀損、所有権その他不動産の権利関係、有害物質の存在、環境汚染、行政法規・税法(投資法人と投資主の二重課税を排除するための税法上の要件を含む。)その他法令等の制定・変更、取引所規則等の制定・変更等の様々な事情により影響を受ける可能性があります。これらにより、期待する水準又は時期による賃料や売却収入が得られなかったり、評価損が発生した等の結果、サムティ・レジデンシャル投資法人、大和証券オフィス投資法人及び大和証券リビング投資法人が純損失を計上した場合等には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 (13) 投資有価証券に関するリスク

当社グループは、提携・友好関係の維持や構築等を目的として、対象企業等の株式等を保有しております。このうち、市場性のある株式等については市場価格の下落により、それ以外の株式等については当該対象企業等の財政状態及び経営成績の悪化等に起因する減損損失あるいは評価損が発生することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、上記株式等について、保有意義の希薄化等を理由に売却を実行する際、市場環境若しくは対象企業等の財政状態及び経営成績等によっては、期待する価格又は時期に売却できない可能性があります。

 

(14) 海外事業に関するリスク

当社グループは、欧米等の先進国並びに新興国市場を含むアジアに広範な事業基盤を有しております。

海外の事業基盤は、国内の事業基盤と比較すると、お客様の取引ニーズの変動や市場環境、政治・金融・経済情勢の変動等の影響をより強く受ける場合があり、これらの変動の程度やリスク管理の状況によっては減収又は損失を被る可能性があります。また、海外事業については、投下した資本並びに収益が為替変動リスクに晒されていることや、事業を展開する国における法規制等の変更により、当社グループ又は当社グループが出資する合弁会社等の事業が制約を受ける可能性があることのほか、投下資本の価値が変動する可能性があります。

 

(15) 自己資本規制・流動性規制に関するリスク

当社グループは、当社が金融商品取引法上の最終指定親会社に該当するため、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成22年金融庁告示第130号)の適用を受け、同告示第2条に基づいて連結自己資本規制比率を所定の比率(連結普通株式等Tier1比率4.5%、連結Tier1比率6%、連結総自己資本規制比率8%。以下、「最低所要連結自己資本規制比率」と総称する。)以上に維持する必要があります。

当社グループは、上記の最低所要連結自己資本規制比率の充足に加え、2016年3月末以降は、資本保全バッファー比率2.5%とカウンター・シクリカル・バッファー比率、当社がD-SIBs(Domestic Systemically Important Banks: 国内のシステム上重要な銀行)に指定されたことによる上乗せ分0.5%を加えた最低資本バッファー比率の維持が必要となっています。

また、連結子会社のなかにも同様に類似の規制を受けている会社があります。大和証券及びリテラ・クレア証券株式会社は、金融商品取引法に定める自己資本規制比率を同法に基づいて120%以上に維持する必要があります。大和ネクスト銀行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定める自己資本比率(国内基準)を同告示に基づいて4%以上に維持する必要があります。海外の連結子会社についても同様の会社があります。

当社グループは、2015年3月末より「金融商品取引法第57条の17第1項の規定に基づき、最終指定親会社が当該最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性を判断するための基準として定める最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性のうち流動性に係る健全性の状況を表示する基準」(平成26年金融庁告示第61号)が適用され、同告示に基づいて連結流動性カバレッジ比率を所定の比率(100%)以上に維持する必要があります。

また、同時に「金融庁長官が定める場合において、最終指定親会社が経営の健全性の状況を記載した書面に記載すべき事項を定める件第3条第1項の規定に基づき、金融庁長官が別に定める連結レバレッジ比率」(平成27年金融庁告示第11号)が適用され、同告示に基づいて連結レバレッジ比率を算出・開示することが求められています。2019年3月末からは「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準」(平成31年金融庁告示第13号)が適用され、連結レバレッジ比率を3%以上に維持することが求められています。

当社グループの上記比率又は連結子会社の自己資本規制比率が著しく低下した場合には、レピュテーショナルリスクの波及や信用水準の低下により流動性懸念が生ずる可能性があります。さらに、上記の各規制により要請される最低基準を下回った場合に有効な対策(資本増強策等)を講じられない場合には、内外の監督当局から業務改善命令や業務の全部又は一部の停止等の措置を受ける可能性があります。

当社グループにおいて上記の自己資本規制・流動性規制を遵守するために、規制により要請される最低水準に適切なバッファーを上乗せした社内管理水準を会議体で決議して、自己資本規制比率・流動性規制比率のモニタリングを行い、遵守状況について経営に報告しております。

規制比率がこの社内管理水準を下回った場合には、CFOは、規制担当部署を通原因の発生したループ会社に対し、当該状況、要因及び事後の対応方針等を報告させます。さらにCOO、CRO、関連部署の担当執行役及び関連会社の担当執行役員等と協議し、CEOの承認も得たうえで社内管理水準を回復するよう対応策を実施します。

もっとも、これらの対応策にもかかわらず自己資本規制・流動性規制を遵守できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 当社グループが発行する有価証券に関するリスク

当社株式は、東京及び名古屋の各金融商品取引所に上場しており、その売買については金融商品取引法をはじめとする関連法令及び各金融商品取引所が定める諸規則等に基づいて行われております。これらの規則等により、当社に係る重要情報の周知を目的として売買停止の措置がなされ、あるいは当社株式について大量の注文執行により売買が一時的に停止される等、当社株式の売買ができなくなる状況が生じる可能性があります。

当社は、ストック・オプションの目的で新株予約権を発行しておりますが、将来において新株予約権の行使がなされた場合は、1株当たり利益が希薄化する可能性があります。また、当社株式を大量に保有する株主が当社株式を売却することに伴って、株価が下落する可能性があります。

 

(17) 流動性リスク

当社グループは、多くの資産及び負債を用いる有価証券関連業務や、投融資業務を行っております。このため、適切な流動性を確保し、財務の安定性を維持することが必要となります。しかし、市場環境の変化や当社グループ各社の財務内容の悪化などにより、資金繰りに支障をきたすこと、あるいは通常よりも著しく高いコストでの資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクがあります。

当社グループの資金調達が困難になった場合には、保有する資産を圧縮する等の対応が必要となります。しかし、市場環境の悪化により市場全体の流動性が低下すると、当社グループが売却しようとする資産のうち信用度の低い資産の流動性はより一層低下し、保有資産の処分ができなくなったり、取得原価を大幅に下回る価格であっても売却せざるを得なくなるリスクがあります。

こうした流動性リスクが顕在化した場合、当社グループの業務継続が困難になる可能性や、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) オペレーショナルリスク

当社グループは、多様な業務を行うことに伴うオペレーショナルリスクに晒されており、かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループが損失を被ること等により、当社グループの業績及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、オペレーショナルリスクを以下のように分類して管理しております。

・事務リスク
    役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより損失を被るリスク

・システムリスク
    コンピュータシステムのダウン又は誤作動、システムの不備等に伴い、損失を被るリスク、さらにコンピュー

  タが不正に使用されることにより損失を被るリスク

・情報セキュリティリスク

  情報資産に対する脅威の発現のために、情報セキュリティ(機密性、完全性、可用性の維持)が確保されない

  リスク

・コンプライアンスリスク

  役職員が企業倫理及び法令諸規則等に従わないことにより損失を被るリスク及びお客様等との法的紛争により

 損失を被るリスク

・リーガルリスク

  不適切な契約締結、契約違反により損失を被るリスク

・人的リスク
    労務管理や職場の安全環境上の問題が発生することにより損失を被るリスク、必要な人的資源が確保されない

  リスク

・有形資産リスク

  自然災害や外部要因又は役職員の過失などの結果、有形資産の毀損等により損失を被るリスク

当社グループでは、特に有価証券関連業務において、取引の執行や決済等を処理するコンピュータシステムのダウン又は誤作動、システムの不備、システムの新規開発・統合等に起因するシステム障害、サイバー攻撃等によるデータの改ざんやお客様の情報の流出等が発生した場合、業務が正常に行えなくなることによる機会損失や損害賠償責任の発生、社会的信用の低下等を通じて当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループが最近重要性を増していると認識しているオペレーショナルリスクとしては、以下が挙げられます。

・サイバーセキュリティリスク

 外部からのサイバー攻撃によるシステムサービスの停止、情報漏洩、データ改ざん等により損失を被るリスク

・マネー・ローンダリング及びテロ資金供与にかかわるリスク

  金融庁作成の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」をはじめ、各国の規制

 等に基づき態勢整備を実施するも有効に機能せず、当社グループがマネー・ローンダリング等に関与してしま

 うリスク

・外部委託先管理リスク

  業務委託先の不適切な選定、契約不備、倒産・買収等による業務撤退、不正行為、過失等により損失を被るリ

  スク

 

(19) 規制等に関するリスク

当社グループの各社は、その業務の種類に応じた法令や自主規制団体の規程等による規制を受けております。グループの主たる証券会社である大和証券をはじめ、大和アセットマネジメント株式会社、大和企業投資株式会社等が、金融商品取引業者として金融商品取引法等の規制を受けているほか、大和ネクスト銀行が銀行法等の規制を受けております。

また、大和証券は貸金業等の兼業業務に関して関係法令上の規制にも服しております。さらに、当社グループは金融商品取引法の定めにより、親法人等・子法人等が関与する行為の弊害防止のため、当該関係を利用した一定の取引の制限や、親法人等・子法人等間での情報授受や利用の制限等を受けており、お客様の利益が不当に害されることがないよう、適切な情報管理と内部管理体制の整備が求められております。また、当社は、一部のグループ各社の主要株主として、監督当局が公益又は投資家保護のために必要かつ適当であると認めるときは報告・資料提出命令を受ける等一定の規制を受ける可能性があります。一方、海外の子会社には現地の法制上、証券会社や金融機関としての規制を受けるものもあります。

なお、当社は、特別金融商品取引業者である大和証券の最終指定親会社として監督当局の連結規制・監督の対象となっております。また、当社グループは「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」における「指定親会社グループ」に該当し、連結自己資本の適切性を含む一定の事項について連結ベースでの監督を受けております。

加えて、G20(金融・世界経済に関する首脳会合)主導の下、各種金融規制・監督の強化が包括的に進む中、これらの国際的な金融規制や各国独自の金融規制が当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

上記のように、当社グループの事業の多くは行政及び自主規制団体による監督・規制やグローバルな金融規制のもとにあり、将来における法規・規程、政策、規制の変更が当社グループの事業活動や経営体制、さらには当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(20) LIBOR等の公表停止に伴うリスク

当社グループは、多数のお客様にロンドン銀行間取引金利(以下、「LIBOR」という。)等の金利指標を参照する債券・デリバティブ等の引受・販売を行っております。また、当社グループは、金利指標を参照する金融商品または金融負債を有しております。

2012年に顕在化したLIBOR不正操作問題を受けて、国内外で金利指標改革の検討がなされる中、英国金融行為監督機構(FCA)は、2021年12月末以降、LIBOR維持のために銀行にレート呈示を強制する権限を行使しない旨を表明し、LIBORの公表が2021年末以降は恒久的に停止する蓋然性が高まりました。

LIBOR等の代替となる金利指標への移行に向け、当社グループは、全社的な対応を行うため2019年1月にグローバル規制対応プロジェクト内に「IBOR改革ワーキンググループ」を設置し、2020年2月からは「LIBOR改革対応委員会」として独立した体制のもと、準備を進めております。しかしながら、金融指標の移行により、金利指標を参照する当社グループの金融資産及び金融負債の価格、市場流動性に影響が生じ、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、債券とデリバティブにおいて代替指標への移行タイミングに違いが出る等の市場動向の不確実性、契約更改に取引の相手方からの同意が得られないことによる訴訟リスク、システム開発やオペレーションの整備に伴う追加的な費用やリスクの発生等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(21) 法令遵守に関するリスク

当社グループは、グループ全体の内部統制機能を強化し、より充実した内部管理体制の構築に努めるとともに、役職員に対する教育・研修等を通じ、インサイダー取引規制を含め法令遵守の徹底に注力しております。しかしながら、事業を進めていく上で、その執行過程に関与する役職員の故意又は過失により法令違反行為が発生する可能性は排除し得ず、周到な隠蔽行為を伴った意図的な違法行為等については、長期間にわたって発覚しない可能性もあるため、当社グループの業績に悪影響を与えるような規模の損害賠償を取引先等から求められる可能性があります。

さらに、役職員の不正行為のみならず、法人としての当社又はグループ会社に法令違反その他の問題が認められた場合には、監督当局から課徴金の納付命令、業務の制限又は停止等の処分・命令を受ける可能性があります。また、当社グループは情報管理の徹底や「個人情報の保護に関する法律」への対応については万全の体制を敷いていると認識しておりますが、過失や不正行為等により当社グループの保有する顧客情報等各種の情報が外部に流出した場合、当社グループの信用が失墜し、クレームや損害賠償請求、監督当局からの処分等を受ける可能性があります。

当社グループの事業は、お客様からの信用に基づく部分が大きいため、法令遵守上の問題が発生し当社グループに対する社会的信用が低下した場合には、お客様との取引が減少し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす事態が生じる可能性があります。

 

(22) 財務報告に係る内部統制に関するリスク

当社は、金融商品取引法の財務報告に係る内部統制に関する規定及び関連する諸規則の施行に伴い、財務報告に係る内部統制に必要な体制整備・運営に努めております。まず業務プロセスの選定に際しては、連結ベースの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価をもとに、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性を考慮しております。業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、重要な事業拠点における重要な勘定科目を選定し、これに至る業務プロセスを主な評価対象としております。評価対象とした各プロセスならびに全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスについては、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点の整備及び運用状況を検証することによって、内部統制の有効性に関する評価を行っております。しかしながら、こうした取組みが有効に機能せず、監査法人による内部統制監査の結果、財務報告に係る内部統制に重要な不備が発見された場合等においては、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(23) 訴訟リスク

当社グループでは、経営方針等において、お客様本位の営業姿勢を掲げており、今後もより一層のサービスの拡充に努めていく所存ではありますが、お客様に対する説明不足やお客様との認識の不一致等によってお客様に損失が発生した場合には、当社グループが訴訟の対象となることがあります。その損失が当社グループの責任に起因する場合、当社グループは民法上、金融商品取引法上、又はその他の根拠に基づく損害賠償義務を負う可能性があります。このほか当社グループは、広範な事業を行い、複雑な規制に服していることから、多数の当事者を巻き込み、多額の請求金額に上るものを含め、様々な訴訟リスクに晒されており、訴訟に伴う損害賠償そのもののみならず訴訟内容に起因する社会的信用の低下が当社グループの事業活動や経営体制、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが事業に関して使用している商標やビジネスモデル等のなかには、現在出願中のため、権利が確定していないものもあります。当社グループの確認の不備等がなかった場合においても、結果として当社グループが第三者の知的財産権を侵害し、損害賠償請求又は差止請求を受ける可能性があります。

 

(24) レピュテーショナルリスク

当社グループの事業は、法人、個人のお客様や市場関係者からの信用に大きく依存しております。「2 事業等のリスク」に記載した事象が発生した場合、特に「(18)オペレーショナルリスク」、「(21)法令遵守に関するリスク」、「(22)財務報告に係る内部統制に関するリスク」及び「(23)訴訟リスク」に記載したように、当社グループや役職員の責任に起因する法令違反や訴訟等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、憶測に基づいたり、必ずしも正確な事実に基づいていない風説・風評の流布に晒された場合、その内容が正確でないにもかかわらず、当社グループの社会的信用が低下する可能性もあります。その結果、お客様による取引停止等が生じ、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(25) リスク管理及び手続の有効性に関するリスク

当社グループは、リスク管理方針を踏まえて手続の強化に努めておりますが、リスク管理の有効性は事業内容やグループ内各企業の特性により異なります。また、新しい分野への急速な業務展開に際しては、必ずしも有効に機能しない可能性があります。

なお、リスク管理方針については、「4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ④リスクアペタイト・フレームワーク及び⑤リスク管理体制の整備の状況」に記載しております。

リスク管理の前提としては、市場や投資先に関する情報の収集・分析・評価が重要となりますが、その情報自体が不正確、不完全、あるいは最新のものではないことにより、適切な評価が行えない場合があり、また、一部のリスク管理手法においては、過去の動向に基づく定量的判断を伴うものがあるため、予想を超えた変容や突発的事象に対しては、必ずしも有効でない可能性があります。リスク管理が有効に機能しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 

 

(26) 優秀な人材を確保できないリスク

当社グループでは、有価証券関連業務を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っております。いずれの分野でも高いパフォーマンスを発揮するには、優秀な人材の確保が前提となるため、業務特性に応じた人事制度、研修制度の充実及びその継続的な改善、採用活動の強化に努めております。しかしながら、金融業界内外において、優秀な人材確保への競争は激しく、優秀な人材の採用が困難な状態や外部、特に競合他社への大量流出等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(27) 会計基準や税制等の変更に関するリスク

日本の会計基準は国際財務報告基準(IFRS)とのコンバージェンスを進めているところであり、ここ数年の間に数多くの改正が行われ、今後もさらなる改正が予定されております。また、IFRS任意適用を促進する方策も打ち出されており、将来日本においてIFRSが強制適用される、あるいは当社がIFRSの任意適用を行う可能性もあります。これらの改正、強制適用あるいは任意適用が行われた場合、当社グループの事業運営や業績等の実体に変動がない場合であっても、例えば収益の認識、資産・負債の評価、連結範囲の見直し等に係る会計処理方法が変更されることに伴い、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、税制等が変更されることとなった場合においても、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(28) その他のリスク

当社グループでは、コンピュータシステムの取得・構築に係る投資により発生する償却コスト及び維持・運営コストの増大が業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、店舗・オフィス等の不動産やコンピュータシステム等について、資産の陳腐化や収益性若しくは稼働率の低下が生じた場合又はこれらの処分が行われた場合には、減損処理による損失計上や除売却損失の計上が必要となる可能性もあります。

このほか、当社グループは税効果会計に係る会計基準に基づいて、税務上の便益を将来の課税所得等に関する見積もりや仮定に基づき繰延税金資産として計上しております。実際の課税所得等は見積もりや仮定と異なる可能性があり、将来において繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合には繰延税金資産は減額され、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすことになります。

 

トップリスク

当社グループは、上記のような多様なリスクの中から、当社グループの事業の性質に鑑みて顕在化した場合の影響が極めて大きく特に注意すべき事象をトップリスクとして特定し、モニタリングしております。有価証券報告書提出日現在における主要なトップリスクは、「外貨流動性の枯渇」、「インサイダー取引」、「反社会的勢力との関与、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与」、「サイバー攻撃」、「顧客又は当社グループに重大な影響を与える情報漏えい」、「過重労働による労務問題」です。

 

リスクが顕在化する時期

上記のような多様なリスクについて、可能なものについては、リスクが顕在化する時期について短期、中長期等の想定を置き、発生の可能性、発生時の影響度等も勘案して、各種ストレステストに反映させる対応をしております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。また、当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針に基づいていくつかの重要な見積もりを行っており、これらの見積もりは一定の条件や仮定を前提としております。そのため、条件や仮定が変化した場合には、実際の結果が見積もりと異なることがあり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える場合があります。重要な会計方針のうち、特に重要と考える項目は、次の4項目です。

 

トレーディング商品の評価

当社グループでは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引は、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として連結損益計算書に計上しております。

時価測定に用いた評価技法及びインプットの詳細は以下のとおりであります。これらは、市場参加者が商品を評価するときに考慮するであろう当社グループによる仮定及び見積りを含んでおります。

(ⅰ) 商品有価証券等

主に同一又は類似の商品に関する市場価格を用いております。また、特定の負債性金融商品及び資産担保証券については、デリバティブ取引に準じた評価技法もしくは、ディスカウント・キャッシュ・フロー・モデルにより時価を測定しております。

 

(ⅱ) デリバティブ

上場デリバティブについては原則として市場価格を、店頭デリバティブについては、評価技法により理論価格を算定しております。

デリバティブ取引の理論価格には、信用リスク及び流動性リスクを考慮した調整が含まれており、時価測定においては、市場で一般に用いられるリスク中立測度の仮定のもとでの期待キャッシュ・フローの現在価値を、主に数値積分法、有限差分法及びモンテカルロ法による価格算定モデルにより算定しております。

価格算定モデルには、金利、為替レート、株価、ボラティリティ、相関係数などの様々なインプットがあります。また、市場で観察可能でないインプットとしては、相関係数、長期のボラティリティ、長期のクレジット・スプレッドなどがあります。

価格算定モデルの選択及びその価格算定モデルに投入するインプットの決定、信用リスク及び流動性リスクにかかる評価調整には見積り及び前提を含んでおり、特に、市場で観察可能でないインプットを使用する場合には、その見積り及び前提は、トレーディング商品の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

算定に用いたインプットを含め、価格算定モデルは社内における指針に基づいて承認され、価格算定モデルの開発部署から独立した部署が、モデル内の仮定及び技法、算定に用いたインプットについて検証を行っております。また、価格算定モデルを観察可能な市場情報や代替可能なモデルとの比較分析等により、市場動向に合わせて調整する体制を構築しております。

 

経営者は、時価測定に用いられた前提は合理的であると考えております。しかしながら、これらの見積りには不確実性が含まれているため、将来キャッシュ・フローや時価の下落を引き起こすような見積りの変化が、評価金額に不利に影響し、結果として、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 有価証券の評価

当社グループでは、投資有価証券、営業投資有価証券等のトレーディング商品に属さない有価証券を保有しております。

(ⅰ) 投資有価証券

時価のあるものについては、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。具体的には、当連結会計年度末における時価の下落率が取得原価の50%以上の場合は、著しい下落かつ回復する見込みがないものと判断して、減損処理を行っております。時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満の場合は、時価の推移及び発行会社の財政状態等を総合的に勘案して回復する見込みを検討し、回復する見込みがないと判断したものについては、減損処理を行っております。時価を把握することが極めて困難と認められるものについては、実質価額が著しく低下し、かつ、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、減損処理を行っております。

 

(ⅱ) 営業投資有価証券

営業投資有価証券は、投資部門における非上場株式、金銭債権、国内外の再生可能エネルギー、インフラストラクチャーへの投資等により構成されております。

営業投資有価証券の評価については、その評価額に基づき実質価額を見積もり、その実質価額が帳簿価額を下回り、損失発生の可能性が高い場合には投資損失引当金を計上しております。さらに、実質価額が帳簿価額に比して50%以上下落し、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、減損処理を行っております。実質価額の算定の前提となる当社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。

 

1) 非上場株式

株式の評価額は、投資先の事業計画等をもとにした将来キャッシュ・フロー、類似取引事例との比較などにより算定しております。

 

2) 金銭債権

主に担保不動産の評価に基づいて評価額を算定しております。簿価が一定額以上の債権については外部専門家による不動産鑑定評価をもとに評価額を算定しております。事業からの返済を中心とした簿価が一定額以上の債権については、財政状態等をもとに個別評価しております。

また、回収期間が一定年数を経過した債権については、過去の回収実績に基づき経過年数に応じて引当金を計上しております。

 

3)国内外の再生可能エネルギー、インフラストラクチャーへの投資等

評価額は、投資先の事業計画等をもとにした将来キャッシュ・フロー、財政状態などにより算定しております。

 

これらの評価額の測定には経営者が妥当と判断する見積り及び前提を使用しており、これらの見積り及び前提は、減損損失又は投資損失引当金の計上の要否の判断及び認識される損失金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

経営者は、実質価額の見積りに用いられた前提は合理的であると判断しております。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、将来の予測不能な前提条件の変化などにより、これらの評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来において当社及び連結子会社が減損処理又は投資損失引当金の計上を行う可能性があります。

 

③ 固定資産の減損

当社グループでは、各資産グループにおいて、収益性が著しく低下した資産については、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産のグルーピングは、継続使用資産のうち、証券店舗等の個別性の強い資産については個別物件単位で行い、その他の事業用資産については管理会計上の区分に従って行っております。

 

④ 繰延税金資産の状況

  (ⅰ)繰延税金資産の算入根拠

当社グループでは、会計基準に従い、税務上の繰越欠損金や企業会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異について税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しております。

 

 

  (ⅱ)過去5年間の課税所得(繰越欠損金使用前の各年度の実績値)

                                      (単位:百万円)

回次

第78期

第79期

第80期

第81期

第82期

決算年月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

連結納税グループの課税所得

△19,262

89,190

31,973

97,467

74,613

 

注) 提出会社を連結納税親会社とする連結納税グループの所得を記載しております。また、記載した課税所得は法人

   税確定申告書上の繰越欠損金控除前の数値であり、その後の変動は反映されておりません。

 

なお、当連結会計年度末に係る連結貸借対照表上の繰延税金資産171億円のうち、提出会社を親会社とする連結納税会社の計上額合計は151億円であります。

 

  (ⅲ)見積りの前提とした税引前当期純利益の見込額

提出会社を連結納税親会社とする連結納税グループの課税所得見積期間を3年とし、同期間の税引前当期純利益を1,708億円と見積もっております。

 

  (ⅳ)繰延税金資産・負債の主な発生原因

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 税効果会計関係 1」に記載のとおりであります。

 

  なお、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済情勢や相場環境の悪化及び外出自粛に伴う経済、企業活動の停滞・悪化は、現時点においてはこれらの見積りに重大な影響を及ぼしておりませんが、今後、入手可能となる情報等により新型コロナウイルス感染症の影響が顕在化し、会計上の見積りに用いられた前提条件に悪影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループにおきましては、投資事業における保有資産の評価に関する見積りの変化による減損又は評価損の計上、不動産アセットマネジメント事業における資産の稼働率低下による財務内容悪化懸念などの可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

<資産の部>

当連結会計年度末の総資産は前年度末比2兆6,953億円(12.8%)増加の23兆8,220億円となりました。内訳は流動資産が同2兆4,410億円(12.0%)増加の22兆8,466億円であり、このうち現金・預金が同1,887億円(4.5%)減少の3兆9,645億円、トレーディング商品が同1兆3,112億円(19.5%)増加の8兆272億円、営業貸付金が同2,036億円(13.0%)増加の1兆7,684億円、有価証券担保貸付金が同7,119億円(11.9%)増加の6兆6,857億円となっております。固定資産は同2,543億円(35.3%)増加の9,754億円となっております。

 

<負債の部・純資産の部>

負債合計は前年度末比2兆6,940億円(13.6%)増加の22兆5,643億円となりました。内訳は流動負債が同2兆8,367億円(16.6%)増加の19兆9,187億円であり、このうちトレーディング商品が同6,144億円(12.9%)増加の5兆3,622億円、約定見返勘定が同2,888億円(112.9%)増加の5,446億円、有価証券担保借入金が同1兆2,507億円(21.0%)増加の7兆1,987億円、銀行業における預金が同4,046億円(11.1%)増加の4兆372億円となっております。固定負債は同1,426億円(5.1%)減少の2兆6,416億円であり、このうち社債が同173億円(1.3%)増加の1兆3,792億円、長期借入金が同1,535億円(11.5%)減少の1兆1,832億円となっております。

 

純資産合計は同13億円(0.1%)増加の1兆2,577億円となりました。資本金及び資本剰余金の合計は4,782億円となりました。利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益を603億円計上したほか、配当金311億円の支払いを行ったこと等により、同286億円(3.6%)増加の8,344億円となっております。自己株式の控除額は同230億円(26.4%)増加の1,103億円、その他有価証券評価差額金は同208億円(43.7%)減少の268億円、為替換算調整勘定は同114億円減少の△55億円、非支配株主持分は12倍の388億円となっております。 

 

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 事業全体の状況

当連結会計年度の営業収益は前年度比6.7%減の6,722億円、純営業収益は同3.4%減の4,262億円となりました。

受入手数料は2,665億円と、同5.8%の減収となりました。委託手数料は、株式取引が減少したことにより、同3.1%減の565億円となりました。引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、複数の大型エクイティ引受案件等が貢献した前年度から減収となり、同28.7%減の298億円となりました。

トレーディング損益は、米州における債券収益が好調だったこと等から、同1.7%増の938億円となりました。

販売費・一般管理費は同0.5%減の3,719億円となりました。取引関係費は投信販売会社への支払手数料等の減少により同4.2%減の688億円、人件費は国内の賞与が減少したこと等により同0.8%減の1,840億円、減価償却費はシステムの更改や、海外子会社における新リース基準の適用により同21.6%増の308億円となっております。

以上より、経常利益は同15.5%減の702億円となりました。

また、大和住銀投信投資顧問株式会社の三井住友アセットマネジメント株式会社との合併に伴う持分変動利益や投資有価証券売却益等を計上したことにより特別利益が374億円(前年度143億円)、収支構造の改善に向けた構造改革関連費用や時価の下落による投資有価証券評価損等の計上により特別損失が229億円(前年度23億円)となり、法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比5.4%減の603億円となりました。

 

② セグメント情報に記載された区分ごとの状況

純営業収益及び経常利益をセグメント別に分析した状況は次のとおりであります。

                                           (単位:百万円)

 

純営業収益

経常利益又は経常損失(△)

2019年
3月期

2020年
3月期

対前年同期
増減率

構成比率

2019年
3月期

2020年
3月期

対前年同期
増減率

構成比率

リテール部門

185,865

166,430

△10.5%

39.0%

24,674

6,405

△74.0%

9.0%

ホールセール部門

158,903

172,289

8.4%

40.4%

25,400

38,034

49.7%

53.4%

 

グローバル・マーケッツ

107,232

121,301

13.1%

28.5%

17,179

28,191

64.1%

39.6%

グローバル・インベストメント

・バンキング

51,670

50,988

△1.3%

12.0%

7,287

9,330

28.0%

13.1%

アセット・マネジメント部門

48,232

48,091

△0.3%

11.3%

28,359

26,580

△6.3%

37.4%

投資部門

1,766

2,502

41.7%

0.6%

△1,093

△877

-

-

その他・調整等

46,473

36,943

-

8.7%

5,817

140

-

0.2%

連結 計

441,240

426,259

△3.4%

100.0%

83,159

70,283

△15.5%

100.0%

 

 

[リテール部門]

リテール部門の主な収益源は、国内の個人投資家及び未上場会社のお客様の資産管理・運用に関する商品・サービスの手数料であり、経営成績に重要な影響を与える要因には、お客様動向を左右する国内外の金融市場及び経済環境の状況に加え、お客様のニーズに合った商品の開発状況や引受け状況及び販売戦略が挙げられます。

当連結会計年度においては、以下の事業計画に沿って活動を行いました。

1. お客様満足に立脚した営業体制の構築

2. お客様のあらゆるニーズに応える、属性に応じた最適なサービス・ソリューションの提供

3. 収益基盤の持続的な拡大

4. 外部チャネル・外部リソースを活用したビジネス展開

各項目の実績は以下のとおりです。

1. 大和版NPS®(注)の定着に向けた本部・営業店のPDCAサイクルを確立し、お客様の理解を深めるためのオペレーションの整備、営業支援ツールの拡充を行いました。また営業体制において上席者のコーチング力・ソリューション提供力の強化を行いました。

2. 非対面チャネルでの問合せ・相談機能の提供を強化、営業員のサポート体制を強化するなどサービス品質の向上に努めるとともに、相続ビジネス拡大に向け家族信託を導入、富裕層向けアジアPBサービスの強化を行うなど、商品・ソリューションを拡充しました。

3. 多様なニーズに対応した各種ラップ口座サービスを活用した中長期目線での収益基盤の構築を進めました。ラップ口座サービスにおける資産純増は堅調に推移しました。

4. 外部提携先の獲得に向けた提案・外部提携先のサポート体制構築を進めました。

米中貿易問題への懸念や新型コロナウイルスの感染拡大等により株式相場の変動が大きかったことを背景に、収益環境としては、不透明感への懸念等から年間を通じての個人投資家のアクティビティが低調であり、株式の取引及び投資信託の販売が減少し、エクイティ収益・投信募集手数料が減少しました。新型コロナウイルス感染症の影響で3月に株式相場が急落した際には、一時的に新規口座の開設や資産導入の増加も見られましたが、当連結会計年度の業績への影響は限定的でした。

当連結会計年度のリテール部門における純営業収益は前年度比10.5%減の1,664億円、経常利益は同74.0%減の64億円となりました。リテール部門の当連結会計年度の純営業収益及び経常利益のグループ全体の連結純営業収益及び連結経常利益に占める割合は、それぞれ39.0%及び9.0%でした。

 

(注)NPS®:Net Promoter Scoreの略であり、お客様のロイヤルティを数値化する指標。なお、NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

 

[ホールセール部門]

ホールセール部門は、機関投資家等を対象に有価証券のセールス及びトレーディングを行うグローバル・マーケッツと、事業法人、金融法人等が発行する有価証券の引受けやM&Aのアドバイザリー業務を行うグローバル・インベストメント・バンキングによって構成されます。グローバル・マーケッツの主な収益源は、機関投資家に対する有価証券の売買に伴って得る顧客フロー収益及びトレーディング収益です。グローバル・インベストメント・バンキングの主な収益源は、引受業務やM&Aアドバイザリー業務によって得る引受け・売出し手数料とM&A手数料です。グローバル・マーケッツにおいては、地政学リスクや国際的な経済状況等で変化する市場の動向や、それに伴う顧客フローの変化が、経営成績に重要な影響を与える要因となります。グローバル・インベストメント・バンキングにおいては、顧客企業の資金調達手段の決定やM&Aの需要を左右する国内外の経済環境等に加え、当社が企業の需要を捉え、案件を獲得できるかどうかが経営成績に重要な影響を与える要因となります。

ホールセール部門として以下の事業計画を実行しました。

1. 企業の高付加価値化を促進

2. お客様ニーズを捉えたプロダクト・サービスの提供

3. 事業構造や日本の産業構造転換を支援

4. アジアのリージョナル・ブローカーとしての汎アジアビジネスサポート

各項目の実績は、以下のとおりです。

1~3. M&Aビジネスへの取組みとしてミッドキャップの海外クロスボーダー案件獲得に努めました。IPOビジネスへの取組みとしてはDaiwa Innovation Networkを開催するなどスタートアップ企業の発掘・育成を推進しました。その他、大型ファイナンス案件獲得に取り組みました。

4. 国内外のリサーチ力強化に注力した結果、日経ヴェリタスのアナリストランキング2020で会社別1位を2年連続で獲得したほか、Institutional Investorsの2020 Institutional Investor All-Japan Research Teamでも1位を獲得しました。またリテール部門のお客様に向けた外国株式の情報提供拡充の結果、外国株式の残高が増加、ミドル法人顧客開拓に向けたオーダーメイド型商品を拡充した結果、新規顧客の開拓に繋がりました。

グローバル・マーケッツのエクイティ収益は、世界経済の先行き不透明感が続き顧客フローが低下したことにより減収となりました。フィクスト・インカム収益は、特に米州で金融市場緩和政策の影響もあり主要プロダクトの顧客フローが増加し、増収となりました。その結果、当連結会計年度の純営業収益は前年度比13.1%増の1,213億円、経常利益は同64.1%増の281億円となりました。

グローバル・インベストメント・バンキングのエクイティ引受けでは、複数の大型エクイティ募集・売出し案件でJGC(ジョイント・グローバル・コーディネーター)や主幹事を務めた前年度比で、当連結会計年度の引受け・売出し手数料は、28.7%減の298億円となりました。M&Aビジネスにおいては、オランダに拠点を持つ再生可能エネルギー分野のアドバイザリーに強みを持つGreen Giraffeに出資し、グローバルネットワークのさらなる拡充を図り、また各海外拠点との連携をより強化しており、M&A関連手数料は前年度比26.8%増の289億円となりました。なお、第4四半期には新型コロナウイルスの感染拡大により進捗に影響のあった案件もありましたが、連結業績に対する影響は限定的でした。これらの結果、グローバル・インベストメント・バンキングの当連結会計年度の純営業収益は前年度比1.3%減の509億円となりましたが、経常利益は同28.0%増の93億円となりました。

当連結会計年度のホールセール部門における純営業収益は前年度比8.4%増の1,722億円、経常利益は同49.7%増の380億円となりました。ホールセール部門の当連結会計年度の純営業収益及び経常利益のグループ全体の連結純営業収益及び連結経常利益に占める割合は、それぞれ40.4%及び53.4%でした。

 

[アセット・マネジメント部門]

アセット・マネジメント部門の収益は、主に当社連結子会社の大和証券投資信託委託(現大和アセットマネジメント)における投資信託の組成と運用に関する報酬と、連結子会社の大和リアル・エステート・アセット・マネジメントの不動産運用収益によって構成されます。また、当社持分法適用関連会社である三井住友DSアセットマネジメントの投資信託の組成と運用及び投資顧問業務に関する報酬からの利益及び同じく持分法適用関連会社である大和証券オフィス投資法人の不動産運用収益からの利益は、それぞれ当社の持分割合に従って経常利益に計上されます。経営成績に重要な影響を与える要因としては、マーケット環境によって変動するお客様の投資信託及び投資顧問サービスへの需要と、マーケット環境に対するファンドの運用パフォーマンスや、お客様の関心を捉えたテーマ性のある商品開発等による商品自体の訴求性が挙げられます。大和リアル・エステート・アセット・マネジメント及び大和証券オフィス投資法人の経営成績は、国内の不動産市場・オフィス需要の動向の影響を受けます。

当連結会計年度において、アセット・マネジメント部門は以下の事業計画を実行しました。

1. 運用力の強化・向上によるお客様利益の追求

2. 幅広いお客様ニーズを捉えた商品開発力の強化

3. お客様の資産運用に資する商品拡充及び情報発信・サポート力の強化

4. 不動産を中心としたオルタナティブ投資商品の拡大

各項目の実績は以下のとおりです。

1. 大和証券投資信託委託では運用パフォーマンスの向上のために運用体制・手法・プロセスの改善に努めたほか、エンゲージメント活動の強化、人材育成・強化に取り組みました。

2. 大和証券投資信託委託では各販売会社のお客様ニーズに対応した戦略を策定し、市場中長期展望を見据えたファンド開発を行いました。

3. お客様向け情報コンテンツを充実したほか、お客様ニーズに応じたセミナー及び販売用資料の拡充を行いました。スマートフォン向けアプリやオウンドメディアも活用し、わかりやすい情報の提供に努めました。

4. サムティ・レジデンシャル投資法人を連結子会社化しました。大和リアル・エステート・アセット・マネジメントでは大和証券ホテル・プライベート投資法人の運用残高拡大及び大和証券ロジスティクス・プライベート投資法人の運用開始によって運用資産残高が増加しました。大和リアル・エステート・アセット・マネジメント及びサムティ・レジデンシャル投資法人の2社を合わせた運用資産残高は前年度末比682億円増の1兆693億円となりました。

大和証券投資信託委託における公募株式投信及び公募公社債投信の運用資産残高は前年度末比1.1兆円減の14.9兆円となり、委託者報酬が減少したこと等により、営業収益は前年度比8.6%減の701億円、経常利益は同7.9%減の156億円となりました。第4四半期には株式市況が下落したことで公募株式投信の運用資産残高が減少し、前年度比6億円の減収となりましたが、当連結会計年度を通しての新型コロナウイルス感染症の影響は限定的です。

その結果、当連結会計年度のアセット・マネジメント部門の純営業収益は前年度比0.3%減の480億円、経常利益は同6.3%減の265億円となりました。アセット・マネジメント部門の当連結会計年度の純営業収益及び経常利益のグループ全体の連結純営業収益及び連結経常利益に占める割合は、それぞれ11.3%及び37.4%でした。

 

[投資部門]

 投資部門は主に、連結子会社である大和企業投資、大和PIパートナーズ及び大和エナジー・インフラで構成されます。投資部門の主な収益源は、投資先の新規上場(IPO)・M&A等による売却益や、投資事業組合への出資を通じたキャピタルゲインのほか、契約に基づきファンドから受領する、管理運営に対する管理報酬や投資成果に応じた成功報酬です。

 投資部門では以下の事業計画を実行しました。

1. 新規産業の発掘・育成によるファンド・エコシステムへの貢献

2. アジアへの投資拡大

3. 社会的意義のある投資対象の開拓

4. 運用力の更なる進化による投資リターンの追求

各項目の実績は以下のとおりです。

1. 大和企業投資では、新規に投資を実行したほか、顧客紹介など大和証券グループ協働による投資先へのハンズオンの着実な遂行を行いました。

2. 大和企業投資では後継ファンド・新ファンド設立に向けた現地パートナーとの継続的な協議を実施しました。大和PIパートナーズでは東南アジア各国の企業への投資を実行しました。

3. 大和エナジー・インフラの投資残高は前年度末比500億円増加し、810億円となりました。

4. 大和企業投資では、M&A関連事業会社と連携し、エグジット準備体制を強化しました。大和エナジー・インフラでは投資案件のエグジットを行い、キャピタル・リサイクリングモデル構築を推進しました。

大和PIパートナーズにおける金銭債権投資による収益、大和エナジー・インフラにおける投資先の売却益等により前年度比で増収となる一方、投資先の再評価に伴う損失を計上しました。なお、新型コロナウイルス感染症を起因とする投資先の株価下落や業績悪化等、当連結会計年度の投資部門の業績に大きな影響を与えたものはありません。当連結会計年度における投資部門の純営業収益は前年度比41.7%増の25億円、経常損失は8億円となりました。投資部門の純営業収益のグループ全体の連結純営業収益に占める割合は0.6%でした。

 

[その他]

 その他の事業には、主に大和総研と大和総研ビジネス・イノベーションからなる大和総研グループによるリサーチ・コンサルティング業務及びシステム業務のほか、大和ネクスト銀行による銀行業務などが含まれます。

 当連結会計年度において大和総研グループは以下の事業計画を実行しました。

1. ハイブリッド型総合証券グループのシンクタンクとして、グループ連携によるビジネス強化へ貢献

2. デジタル化の加速による不透明な未来の道標となる経済・金融における先見性の高い情報発信

3. お客様のビジネスへ貢献する、競争力のあるソリューションをスピーディに提供

4. 先端技術の活用による「新たな価値」の創出を通じたビジネスの拡大

 各項目の当連結会計年度における実績は以下のとおりです。

1. 大和証券グループへの開発案件を実行し生産性向上やお客様の利便性向上に貢献するとともに、大和証券のお客様へソリューションを提供し、お客様とのリレーション構築に寄与しました。

2. 経済・社会の潮流を読んだタイムリーな問題提起や政策提言、2020年後の経済・社会・市場、地方創生、ESG、金融業の未来など持続可能な社会の実現をサポートする情報提供を実施しました。英国王立国際問題研究所(チャタムハウス)や中国社会科学院との連携や国際会議等の機会を活用した積極的な情報発信を行いました。

3. 外部企業との協業体制を強化するとともに、地域金融機関と連携した地方中堅企業の海外進出に向けた支援などを行いました。

4. データサイエンス・AI分野におけるサービス提供の拡大に向けて、データサイエンス組織を強化しました。

 当連結会計年度において大和ネクスト銀行は以下の事業計画を実行しました。

1. 証銀連携によるお客様本位の商品・サービス展開

2. グループ全体の将来的な収益基盤構築に向けた仕組み作り

3. 市場環境の変化に即応可能なポートフォリオ運営

4. 健全な利益の確保を通じた持続的成長

 各項目の当連結会計年度における実績は以下のとおりです。

1. 大和証券と連携し、各種キャンペーンを実施しました。

2. 銀行取引サイト上での為替取引(外貨預金預入)対応のお客様へのサービスを開始しました。

3. リスクヘッジに加え、金利上昇やクレジットスプレッドの拡大時に機動的に対応しました。

4. マネー・ローンダリング/テロ資金供与対策の強化に向けた態勢を整備し、リスク管理のさらなる改善を行いました。

 大和ネクスト銀行の当連結会計年度末の預金残高(譲渡性預金含む)は前年度比10.4%増の4.0兆円、銀行口座数は前年度比3.0%増の140万口座となりました。

 その結果、その他・調整等に係る純営業収益は369億円(前年度464億円)、経常利益は1億円(前年度58億円)となりました。

 

③ 目標とする経営指標の達成状況等

当社グループでは、2018年度から2020年度にかけての中期経営計画“Passion for the Best”2020において、お客様本位KPIとしてお客様満足度及び大和証券預り資産、業績KPIとして自己資本利益率(ROE)及び経常利益、財務KPIとして連結総自己資本規制比率を数値目標として掲げています。お客様満足度は「大和版NPS®(注)1」を中心とした指標を計測しており、お客様目線に立脚した営業体制の構築を進めています。

中期経営計画2年目である当連結会計年度においては、最終年度である2020年度に達成すべき目標に関して、業績KPIはROE10%以上目標に対し4.9%、連結経常利益2,000億円以上目標に対し702億円となりました。財務KPIの連結総自己資本規制比率は21.12%(注)2と、目標の18%以上を上回って推移しています。お客様本位KPIのうちお客様満足度については、昨年度全店導入した「大和版NPS®」が外部評価で対面証券部門No.1を獲得しております。大和証券預り資産は、厳しい相場環境で時価の減少があったものの、資産導入が堅調であり、2020年度80兆円以上とする目標に対し、59.8兆円となっています。

2019年度は、年度末において新型コロナウイルス感染症により市場が混乱する中においても、「お客様第一の業務運営」のクオリティを追求すると共に、新規ビジネス領域と伝統的な証券業との融合による「新たな価値」の創出及び拡大に向けた挑戦を続け、一定の成果を得た1年でありました。また、経営戦略の根底に取り入れたSDGsへの取組み推進においても、ESG格付けの格上げ等といった外部からの高評価を得る等、飛躍的な進捗を実現できたと評価しています。

 

(注)1 NPS®:Net Promoter Scoreの略であり、お客様のロイヤルティを数値化する指標。なお、NPS®は、ベイ

ン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

(注)2 連結総自己資本規制比率には有価証券報告書提出日における速報値を記載しており、確定値は算出完了

次第、当社ホームページにて公表する予定です。

 

④ 経営成績の前提となる2019年度のマクロ経済環境

<海外の状況>

2019年の世界経済は、米中貿易摩擦などから減速感が強まりつつも緩やかな拡大が続いていました。しかし、2020年に入って、新型コロナウイルスの感染が拡大したことにより、世界経済は急激に悪化することになりました。

 IMF(国際通貨基金)によれば、2019年の世界経済成長率は2.9%であり、米中間の貿易摩擦を主因とした国際貿易の停滞により、リーマン・ショックによってマイナス成長となった2009年以降で最も低い成長にとどまりました。また、2020年については、新型コロナウイルス感染症の影響により先進国、新興国ともにマイナス成長に転じ、世界経済成長率は△3.0%とリーマン・ショック時を上回る大幅なマイナスが見込まれています。

米国経済では、2019年4-6月期の実質GDP成長率が前期比年率2.0%、続く7-9月期、および10-12月期がいずれも前期比年率2.1%と、2019年内は安定的な成長が続きました。海外経済の減速や貿易摩擦懸念などから、企業の設備投資が3四半期連続で減少する一方で、雇用・所得環境の改善を背景とした個人消費の安定的な増加がGDPの増加を下支えしました。加えて、低金利を背景にそれまで軟調に推移していた住宅投資も、2019年後半には持ち直し基調を強めました。しかし、2020年に入ると、新型コロナウイルス感染症という新たなリスク要因が米国経済の下押し要因となりました。とりわけ、米国内での感染者数の増加を受け、トランプ大統領が緊急事態を宣言し、外出自粛を要請した3月半ば以降、外食や娯楽関連など不要不急のサービスを中心に個人消費は急激に減少し、2020年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率△5.0%と大きく落ち込みました。また、活動自粛を余儀なくされたサービス業を中心に、失業者はかつてないペースで増加しています。

こうした急激な景気悪化を受けて、トランプ政権および連邦議会は景気の底割れを回避するため、矢継ぎ早に対策を打ち出しています。3月27日に成立した総額2兆ドル超の過去最大規模の経済対策では、家計への現金給付や失業給付の拡充、企業への融資などが盛り込まれました。

また金融面では、FRB(連邦準備制度理事会)が景気悪化に対応して、積極的な金融緩和を行っています。新型コロナウイルスの感染が拡大する以前においても、景気減速懸念への対応のため、2019年7月、9月および10月のFOMC(連邦公開市場委員会)において、3度にわたる利下げが決定されました。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響によって急速に世界経済が減速する中、FRBは2020年3月にも2度の緊急利下げを実施し、2015年12月以来となる実質的なゼロ金利政策を復活させました。さらに、無制限の量的緩和の拡大も決定し、FRBのバランスシートは急速に拡大しました。

欧州経済(ユーロ圏経済)も、米国と同様に2019年内は減速しつつも緩やかな成長が続いていたものの、2020年に入って急速に悪化しています。2019年4-6月期の実質GDP成長率は、米中摩擦の激化や長引くイギリスのEU離脱問題などによる不透明感が外需の下押し要因となり、前期比年率0.6%の低成長となりました。7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率1.2%と幾分持ち直しましたが、10-12月期に入ると、外需の停滞に加えて、雇用者数の増加ペースが鈍化したことで、それまで成長を下支えしてきた個人消費も減速し、前期比年率0.4%の低成長にとどまりました。そして2020年1-3月期には、新型コロナウイルス感染症が広がる中、3月には特に感染者数が多いイタリアをはじめスペイン、フランス、ドイツなど広い地域で移動制限措置などが実施され、実質GDP成長率は前期比年率△14.2%と、1995年の統計開始以降で最大の落ち込みとなりました。

金融面では、ECB(欧州中央銀行)は、世界経済の不透明さが増し、ユーロ圏の景気減速が鮮明になる中でハト派傾向を強めました。ECBは2019年9月に3年半ぶりとなる利下げを実施したことに加えて、量的緩和政策の再開を決定しました。さらに、2020年3月には、新型コロナウイルスの感染拡大による急激な景気悪化を受けて、量的緩和策の拡大を決定しました。

新興市場国・発展途上国経済は、2019年の実質GDP成長率が3.7%と、2年連続で成長が鈍化し、2009年以来の低成長となりました。また、IMFによれば、2020年の実質GDP成長率は新型コロナウイルス感染症の影響によって、△1.0%とマイナス成長に落ち込むことが見込まれています。新興国のうち、世界第2位の経済規模を持つ中国は、新型コロナウイルス感染症による影響が顕在化する以前から、米国との貿易摩擦を主因に成長率が減速傾向にあり、四半期ごとの実質GDP成長率を見ると、2019年1-3月期が前年同期比6.4%、4-6月期が同6.2%、7-9月期は同6.0%と鈍化していました。こうした事態に対して、中国政府は景気減速失速に対処すべく財政・金融の両面から大規模な経済対策を打ち出したため、10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比6.0%と前期から横ばいとなり、下げ止まりの兆しが見られました。しかし、2020年1-3月期に入ると新型コロナウイルス感染症により、中国の一部で都市閉鎖などの措置が実施され、企業は経済活動の停止を余儀なくされたため、実質GDP成長率は前年同期比△6.8%と大幅に落ち込むことになりました。

中国以外の新興国についても総じて厳しい状況に置かれています。2019年は米中貿易摩擦に端を発した世界的な貿易停滞が新興国経済を下押ししました。また、2020年に入ってからは、先進国や中国と同様に、多くの新興国でも新型コロナウイルス感染防止のために経済活動を抑制せざるを得ない状況となりました。加えて、世界的な景気悪化を受けた新興国からの資金流出や、資源価格の急激な低下も、新興国経済を大きく下押しする要因となっています。

 

<日本の状況>

日本経済は2019年度前半までは回復基調が続いていましたが、年度後半に入って急速に悪化しました。2019年度前半は個人消費の堅調な増加を主因に、GDPの増加基調が続きました。しかし、2019年10月以降は増税前の駆け込み需要からの反動減が顕在化し、10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率△7.2%と大幅に落ち込むことになりました。さらに、2020年1-3月期の後半になると新型コロナウイルスの感染拡大に伴う活動自粛によって経済が一段と悪化し、2020年1-3月期の実質GDPは前期比年率△2.2%と、2四半期連続のマイナス成長となりました。この結果、2019年度の実質GDP成長率は前年度比0.0%の低成長となりました。

需要項目ごとに見ると、個人消費は年度前半まで好調でしたが、年度後半にかけて急激に減少しました。年度前半については、個人消費の裏付けとなる雇用・所得環境の着実な改善が続いたことに加え、ゴールデンウィークの10連休による特需や、10月の消費増税に向けた駆け込み需要が押し上げ要因となりました。一方、10-12月期に入ると、駆け込み需要からの反動減によって個人消費は大幅に減少しました。また、2020年1-3月期には、新型コロナウイルスの感染拡大によって自粛の動きが広がり、外食などをはじめとする不要不急のサービス消費の減少を主因に、個人消費は2四半期連続で減少しました。住宅投資についても同様に、消費増税前の駆け込み需要によって2019年7-9月期は増加しましたが、その後は2四半期連続で減少しています。

企業の設備投資は、高水準の企業収益や低金利、労働需給の逼迫などを背景として、2019年4-6月期および7-9月期は2四半期連続で増加しました。10-12月期には減少しましたが、2020年1-3月期は再び増加に転じ、総じて底堅く推移しました。日銀短観(2020年3月調査)によれば、2020年度の設備投資計画では、大企業を中心に設備投資の増加が見込まれています。もっとも、新型コロナウイルス感染症の影響によって世界的に景気が急速に悪化する中、日本企業の景況感も大幅に悪化しており、設備投資に対する態度にも慎重さが増しています。

金融面では、日本銀行による短期金利に加えて長期金利も操作対象とする金融緩和措置が継続しています。また、世界経済の減速懸念が強まる中、日本銀行は2019年4月の金融政策決定会合において、少なくとも2020年春頃まで金融緩和措置を続けることを表明しました。また、10月には政策金利のフォワード・ガイダンス(指針)を修正し、将来の利下げの可能性を明示しました。

長期金利は、2019年度前半は、FRBによる利下げへの期待の高まりと7月、9月の利下げ実施によって世界的に金利が低下する中、低下基調を強めました。さらに9月には、米国による対中追加関税の拡大を受け、世界的にリスク回避の動きが強まる中、安全資産とされる日本国債の需要が高まり、10年国債利回りは一時△0.29%前後と、2016年7月以来の水準まで低下しました。しかし、FRBによる2019年の3回の利下げによって米国経済および世界経済の見通しが改善する中で米国の長期金利は9月には下げ止まり、低下基調を強めていた日本の10年国債利回りは、9月を底に上昇基調に転じました。2020年に入ると、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の悪化懸念や米国の金利低下を受け、再び日本の長期金利は低下傾向に転じましたが、年度末にかけては現金需要の増加などから急激に上昇しました。

為替市場をみると、対ドルでは2019年年初から円安・ドル高傾向で推移し、4月には一時112円台まで円安が進みました。しかし、5月に入ると米国による対中関税率の追加引き上げをきっかけに米中貿易摩擦激化への警戒感が高まり、再びリスク回避の動きが強まりました。また、世界経済の減速感が強まる中、FRBによる金融緩和およびさらなる追加緩和への期待によって日米金利差が縮小したことも円高・ドル安要因となり、8月には一時105円台前半まで円高が進みました。リスク回避傾向が弱まった9月以降は再び円安傾向となりましたが、新型コロナウイルス感染症が広がる中、2020年3月には一時102円台まで進むなど、振れが大きい展開となりました。対ユーロでは、2019年年初から4月にかけて円安傾向で推移した後、4月半ばから9月初旬までは円高傾向となり、9月中旬以降は円安方向で推移しました。しかし、2020年に入ると再び円高方向へと転じています。

株式市場は、海外経済・市場の動向に大きく左右される展開となりました。2019年度前半は米中貿易摩擦の動向に影響を受ける形で、株価は上昇と下落を繰り返しました。10-12月期に入ると、FRB、ECBによる金融緩和策を受けて世界的に株価は上昇基調となり、米国の株価が史上最高値を更新し続ける中、日経平均も2020年1月には、一時24,000円台に回復しました。しかし、2020年1-3月期に入り、新型コロナウイルスの感染拡大によって世界経済が急速に悪化する中、株価は世界的に急落し、日経平均も2月以降は大きく下落することとなりました。

2020年3月末の日経平均株価は18,917円01銭(前年3月末比2,288円80銭安)、10年国債利回りは0.031%(同0.113ポイントの上昇)、為替は1ドル108円42銭(同2円33銭の円高)となりました。

 

(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

① 営業活動、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

2019年3月

2020年3月

営業活動によるキャッシュ・フロー

304,857

167,190

投資活動によるキャッシュ・フロー

108,243

△215,397

財務活動によるキャッシュ・フロー

55,741

△135,794

現金及び現金同等物に係る換算差額

4,425

△4,950

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

473,267

△188,952

現金及び現金同等物の期首残高

3,653,464

4,122,102

現金及び現金同等物の期末残高

4,122,102

3,933,149

 

 

当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、トレーディング商品の増減、営業貸付金の増減、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減、銀行業における預金の増減などにより、1,671億円(前年度は3,048億円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出、投資有価証券の取得による支出などにより、△2,153億円(同1,082億円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出などにより、△1,357億円(同557億円)となりました。これらに為替変動の影響等を加えた結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前年度末比1,889億円減少の3兆9,331億円となりました。

 

 ② 資本の財源及び流動性に係る情報

(ⅰ) 流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>

当社グループは、多くの資産及び負債を用いる有価証券関連業務や、投融資業務を行っており、これらのビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。

当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、預金受入等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。

財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めると同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。

当社は、平成26年金融庁告示第61号による連結流動性カバレッジ比率(以下、「LCR」という。)の最低基準の遵守が求められております。当社の当第4四半期日次平均のLCRは150.6%となっており、上記金融庁告示による要件を満たしております。また、当社は、上記金融庁告示による規制上のLCRのほかに、独自の流動性管理指標を用いた流動性管理態勢を構築しております。即ち、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、様々なストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを日次で確認しており、1年間無担保資金調達が行えない場合でも業務の継続が可能となるように取り組んでおります。

当第4四半期日次平均のLCRの状況は次のとおりです。

 

(単位:億円)

 

 

日次平均
(自 2020年1月
    至 2020年3月)

適格流動資産

(A)

23,510

資金流出額

(B)

34,336

資金流入額

(C)

18,748

連結流動性カバレッジ比率(LCR)

 

算入可能適格流動資産の合計額

(D)

23,510

純資金流出額

(E)

15,606

連結流動性カバレッジ比率

(D)/(E)

150.6%

 

 

 

<グループ全体の資金管理>

当社グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、当社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。当社は、当社グループ固有のストレス又は市場全体のストレスの発生により新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、短期の無担保調達資金について、当社グループの流動性ポートフォリオが十分に確保されているかをモニタリングしております。また、当社は、必要に応じて当社からグループ各社に対し、機動的な資金の配分・供給を行うと共に、グループ内で資金融通を可能とする態勢を整えることで、効率性に基づく一体的な資金調達及び資金管理を行っております。

 

 

<コンティンジェンシー・ファンディング・プラン>

当社グループは、流動性リスクへの対応の一環として、コンティンジェンシー・ファンディング・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社グループは機動的な対応により流動性を確保する態勢を整備しております。

当社グループのコンティンジェンシー・ファンディング・プランは、グループ全体のストレスを踏まえて策定しており、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。

また、金融市場の変動の影響が大きく、その流動性確保の重要性の高い大和証券株式会社、株式会社大和ネクスト銀行及び海外証券子会社においては、更に個別のコンティンジェンシー・ファンディング・プランも策定し、同様に定期的な見直しを行っております。

なお、当社は、子会社のコンティンジェンシー・ファンディング・プランの整備状況について定期的にモニタリングしており、必要に応じて想定すべき危機シナリオを考慮して子会社の資金調達プランやコンティンジェンシー・ファンディング・プランそのものの見直しを行い、更には流動性の積み増しを実行すると同時に資産圧縮を図るといった事前の対策を講じることとしております。

 

(ⅱ) 株主資本

当社グループが株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、プリンシパル・インベストメント、証券担保ローン等の有価証券関連業を中心とした幅広い金融サービスを展開し、ハイブリッド型総合証券グループとしての新たな価値の提供に資する投融資を行うためには、十分な資本を確保する必要があります。また、当社グループは、日本のみならず、海外においても有価証券関連業務を行っており、それぞれの地域において法規制上必要な資本を維持しなければなりません。

当連結会計年度末の株主資本は、前連結会計年度末比58億円増加し、1兆2,023億円となりました。また、資本金及び資本剰余金の合計は4,782億円となっております。利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益603億円を計上したほか、配当金311億円の支払いを行った結果、前連結会計年度末比286億円増加の8,344億円となりました。自己株式の控除額は同230億円増加し、1,103億円となっております。

 

③ 財務戦略

当社グループの財務戦略の基本は、成長投資、資本効率性、財務健全性及び株主還元の最適なバランスを図り、健全な利益の確保を通じた持続的成長を実現することです。

持続的な成長の実現に際しては、規制ならびに制度対応と適正な自己資本水準を維持することを重視しております。強固な財務基盤を堅持するため、財務KPIとして連結総自己資本規制比率を採用しております。同比率については、今後のバーゼル規制の最終化による影響と過去の金融危機時のストレス・シナリオにも耐えうる資本のバッファーを加味し、18%を最低水準と設定しております。2019年度には規制上その他Tier1資本に係る基礎項目として取り扱われる、当社として初めての無担保永久社債(債務免除特約および劣後特約付)を2本立てで計1,500億円発行し、財務基盤の拡充を図りました。

成長投資に関しましては、当連結会計年度も既存事業の競争力強化のための投資や事業ポートフォリオ多様化のための出資などを数多く実行いたしました。その結果、財務KPIとして設定している連結総自己資本規制比率は18%を上回っており、今後も継続的な成長投資を行うための十分な資本余力を有しております。このため、証券ビジネスの顧客基盤拡大に向けた投資やハイブリッド型総合証券グループとしてコアビジネスと親和性のある周辺領域への投資は今後も常に検討してまいります。

株主還元策については「第4提出会社の状況 3配当政策」に記載のとおりです。

当社の資金調達の方法については、「② 資本の財源及び流動性に係る情報」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。