(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は足踏み状態が続きました。世界経済の鈍化を受けた輸出の減速や熊本地震の影響などから、生産は弱含みとなりました。また、失業率が3%台前半で推移し、有効求人倍率は約25年ぶりの高水準となるなど雇用情勢の改善は続いた一方、賃金改善の動きは強まらず、個人消費は弱い動きが続きました。
為替市場では、ドル円相場は当初、米国の追加利上げ時期に対する思惑から1ドル=110円前後で不安定な動きが続きましたが、5月の米雇用統計が悪化したことを受けて早期利上げ観測が後退し、円高ドル安の動きが強まりました。6月24日には英国民投票でEU離脱派が勝利したことを受けて一時1ドル=99円台まで円高が進み、6月末は1ドル=103円台で取引を終えました。また、ユーロ円相場では、欧州中央銀行の金融緩和政策や、英国民投票を巡る混乱などから円高ユーロ安が進み、6月末は1ユーロ=114円台で取引を終えました。
株式市場は、円高の進行や国内企業の業績悪化を嫌気した海外投資家が株式売却を進めた一方、国内投資家の買いが下値を支える形となりました。日経平均株価は概ね15,500円~17,500円のレンジ内で推移しましたが、6月24日に英国民投票の結果が伝わるとリスク回避の売りが膨らみ、一時15,000円の大台を下回る展開となりました。その後は買い戻しの動きも見られましたが、日経平均株価は15,575円92銭で6月の取引を終えました。
債券市場は、根強い金融緩和期待や日銀の国債購入に支えられ、利回りの低下基調が続きました。年度初めには利益確定売りが目立ち、マイナス利回りの定着した長期国債を積極的に買い進む動きは限られましたが、利回りの相対的に高い超長期国債への投資家の需要は根強く、金利低下を主導しました。6月には英国民投票の結果を受け、追加金融緩和への期待感や安全資産として日本国債の需要が一段と強まり、国債利回りは各年限で過去最低を更新しました。
このような状況のもと、中核子会社の岡三証券株式会社においては、地域旗艦店舗の移転リニューアルを進めるなど営業機能を強化するとともに、市況に即した投資情報と多様な商品ラインアップを活用した地域密着型の営業活動を引き続き展開しました。一方、インターネット取引専業の岡三オンライン証券株式会社においては、シンプルな操作性を追求した新たな発注ツールの提供や投資信託積立サービスの導入、株価指数証拠金取引の新商品「NYダウ証拠金取引」の取扱い開始など、サービスの一層の拡充を図りました。また、岡三アセットマネジメント株式会社においては、パフォーマンスの向上やタイムリーな情報発信に努めるとともに、市場環境の変化に対応すべく、毎月決算型投信の分配金見直しや公社債投信の繰上償還等を行う一方、機関投資家向けに私募投信の提案を積極的に行いました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は192億42百万円(前年同期比78.5%)、純営業収益は189億75百万円(同78.6%)となりました。販売費・一般管理費は162億57百万円(同94.8%)となり、経常利益は29億30百万円(同37.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は28億77百万円(同62.0%)となりました。
① 損益の概況
受入手数料
受入手数料の合計は116億30百万円(前年同期比67.9%)となりました。主な内訳は次のとおりです。
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前第1四半期連結累計期間 (自 平成27年4月1日 至 平成27年6月30日) (百万円) |
当第1四半期連結累計期間 (自 平成28年4月1日 至 平成28年6月30日) (百万円) |
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委託手数料 |
6,325 |
4,468 |
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引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 |
51 |
48 |
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募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料 |
5,235 |
2,681 |
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その他の受入手数料 |
5,511 |
4,432 |
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合計 |
17,122 |
11,630 |
a.委託手数料
当第1四半期連結累計期間における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は26億51百万株(前年同期比89.0%)、売買代金は2兆7,053億円(同85.9%)となりました。こうしたなか、株式委託手数料は41億98百万円(同68.7%)となりました。また、債券委託手数料は1百万円(同85.6%)、その他の委託手数料は2億68百万円(同127.3%)となり、委託手数料の合計は44億68百万円(同70.7%)となりました。
b.引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
当第1四半期連結累計期間における株式の引受けは、不安定な市場環境の影響により件数・金額がともに減少しました。また、債券の引受けは、利回りが相対的に高い超長期債において地方債の主幹事や財投機関債の事務幹事を務めるなど実績を重ねました。
これらの結果、株式の手数料は25百万円(前年同期比80.2%)、債券の手数料は23百万円(同119.0%)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は48百万円(同95.2%)となりました。
c.募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。
当第1四半期連結累計期間においては、ハイイールド債券や高配当株式など比較的高い利回りが期待できる資産に投資するファンドや、低金利を追い風に比較的堅調な動きとなった日米REITファンドなどの販売が比較的順調でした。しかしながら、前年同期比で販売金額が減少したことから、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は26億81百万円(前年同期比51.2%)となりました。また、その他の受入手数料についても、投資信託の信託報酬減少などにより44億32百万円(同80.4%)となりました。
トレーディング損益
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前第1四半期連結累計期間 (自 平成27年4月1日 至 平成27年6月30日) (百万円) |
当第1四半期連結累計期間 (自 平成28年4月1日 至 平成28年6月30日) (百万円) |
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株券等トレーディング損益 |
3,388 |
3,656 |
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債券等トレーディング損益 |
3,250 |
3,123 |
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その他のトレーディング損益 |
△92 |
257 |
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合計 |
6,546 |
7,037 |
株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。
当第1四半期連結累計期間においては、国内株式市場や為替市場が不安定な動きとなった一方、米国株式市場は一時的な急変はあったものの概ね堅調に推移しました。
これらの結果、株券等トレーディング損益は36億56百万円(前年同期比107.9%)、債券等トレーディング損益は31億23百万円(同96.1%)となり、その他のトレーディング損益の2億57百万円(前年同期は92百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は70億37百万円(前年同期比107.5%)となりました。
金融収支
金融収益は3億79百万円(前年同期比61.0%)、金融費用は2億67百万円(同70.8%)となり、差引の金融収支は1億12百万円(同45.9%)となりました。
その他の営業収益
金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、1億94百万円(前年同期比84.6%)となりました。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、人件費や取引関係費の減少等により162億57百万円(前年同期比94.8%)となりました。
営業外損益及び特別損益
営業外収益は2億76百万円、営業外費用は64百万円となりました。また、特別利益は金融商品取引責任準備金戻入の計上等により16億9百万円、特別損失は55百万円となりました。
② セグメント別の業績状況
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
証券ビジネス
証券ビジネスにおいては、投資信託の販売にかかる手数料や株式委託手数料の減少等が影響し、当第1四半期連結累計期間における証券ビジネスの営業収益は168億29百万円(前年同期比79.0%)、セグメント利益は22億78百万円(同38.8%)となりました。
アセットマネジメントビジネス
アセットマネジメントビジネスにおいては、パフォーマンスの向上やタイムリーな情報発信に努めるとともに、市場環境の変化に対応すべく、毎月決算型投信の分配金見直しや公社債投信の繰上償還等を行う一方、機関投資家向けに私募投信の提案を積極的に行いました。これらの結果、当第1四半期連結累計期間におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は32億72百万円(前年同期比73.0%)、セグメント利益は4億8百万円(同48.5%)となりました。
サポートビジネス
当第1四半期連結累計期間におけるサポートビジネスの営業収益は30億23百万円(前年同期比97.7%)、セグメント利益は1億円(同29.1%)となりました。
なお、上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれております。
(2)財政状態に関する分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ58億94百万円増加し5,216億37百万円となりました。これは主に、有価証券担保貸付金が302億32百万円、短期差入保証金が26億88百万円増加した一方で、トレーディング商品が172億30百万円、投資有価証券が63億21百万円、信用取引資産が34億39百万円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ123億47百万円増加し3,559億92百万円となりました。これは主に、トレーディング商品が331億59百万円、有価証券担保借入金が256億78百万円、預り金が74億13百万円、約定見返勘定が72億6百万円増加した一方で、短期借入金が529億45百万円、信用取引負債が30億49百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ64億52百万円減少し1,656億45百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が40億73百万円、利益剰余金が19億94百万円減少したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
② 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
基本方針の内容の概要
当社は、上場企業である以上、本来、当社株券等の大規模買付行為は自由であり、誰が当社を支配するかは、最終的には当社株主の皆さまの判断に委ねられるべきもので、当社の経営方針とそれにより実現される企業価値をご理解いただいた上で、当社株主の皆さまに、適切に判断いただくべきものであると考えます。また、当社株券等に対する大規模な買付行為が行われた場合には、その大規模買付行為の内容、大規模買付行為が当社及び当社グループに与える影響、大規模買付者が考える当社及び当社グループの経営方針や事業計画の内容、お客さま、従業員等の当社及び当社グループを取り巻く多くの利害関係者に対する影響、そして、大規模買付行為以外の代替案の有無等について、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、かつ提供された情報を十分に検討するための期間と機会が確保されることが必要だと考えます。
そのためには、大規模買付行為に際して、a.大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならず、b.当社取締役会が当該情報を検討するために必要な一定の評価期間が経過した後にのみ、大規模買付者は大規模買付行為を開始することができるという「大規模買付ルール」を設けるとともに、当該ルールが有効に機能するために必要な方策を整え、明らかに当社の企業価値及び当社株主の皆さまの共同の利益を害するような濫用的買収に対して、会社として対抗策をとることができなければならないと考えております。
基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要
当社は、上記基本方針実現のための取組みとして、次に掲げる内容の「大規模買付行為への対応方針」を導入し、平成28年6月29日開催の当社第78期定時株主総会において承認決議されております。
a.大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合は、以下の「大規模買付ルール」に従わなければならないこと。
(ア)大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならないこと。
(イ)必要な情報提供を受けた後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下、「評価期間」といいます。)として、60日間又は90日間が与えられること。
(ウ)大規模買付行為は、評価期間経過後にのみ開始されるべきこと。
b.大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に対しては、新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。
c.大規模買付ルールが遵守されても、大規模買付者による会社の支配が会社に回復しがたい損害をもたらすとき等には、当社は新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。
d.当社取締役会は、対抗策の発動については社外取締役又は社外有識者等により構成される独立委員会の勧告に原則として従うこと。
具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
a.当該取組みが基本方針に沿うものであること
(ア)大規模買付ルールが遵守される限り、原則として対抗策はとらないこととなっており、誰が会社を支配するかは当社株主の皆さまにおいて決める仕組みとなっております。
(イ)大規模買付者に十分な情報の提供を求めるとともに、情報の提供をしない大規模買付者には対抗策を発動することを警告することによって、情報提供のインセンティブを与えております。
(ウ)濫用的買収に対しては、会社は対抗策をとりうる制度設計となっております。
b.当該取組みが株主共同の利益を損なうものではないこと
対抗策をとりうるのは、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないか、会社に回復しがたい損害をもたらすなどの濫用的買収の場合に限定されており、対抗策は基本的には情報提供のインセンティブを与えるものであります。
c.当該取組みが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
対抗策をとりうる場合が厳しく限定されており、しかも、当社取締役会は独立委員会の勧告に原則として従わなければならないため、当社取締役会の恣意的判断が排除される仕組みとなっております。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。