(1)業績の概況
当連結会計年度におけるわが国経済は、当初は足踏み状態が続きましたが、徐々に底入れの動きが出てきました。雇用情勢の改善が続くなか、個人消費関連の指標においても、年度後半にかけて小売業販売統計や新車販売台数などで底入れの兆しがみられました。また輸出も米国経済の拡大基調を受けて概ね堅調に推移し、生産も回復基調となりました。
為替市場では、英国民投票でのEU離脱派勝利などからドル円相場は6月に1ドル=99円台をつけましたが、11月の米大統領選挙を受けて米経済政策への期待が高まり、一時1ドル=118円台まで円安ドル高が進みました。しかし、その後FRB(米連邦準備制度理事会)が2度にわたる利上げを実施したものの、利上げペースが加速するとの思惑は強まらず、結局1ドル=111円台で当年度の取引を終えました。他方、ユーロ円相場は欧州の政治リスクを巡る混乱などから波乱となる場面はあったものの、ECB(欧州中央銀行)の政策などを受けて年度後半は強含み、1ユーロ=118円台後半で当年度の取引を終えました。
株式市場は、海外株式市場や為替市場の影響を大きく受け、乱高下しました。円高による国内企業の業績悪化懸念に加え、6月の英国民投票の結果も重しとなり、上期の日経平均株価は一時15,000円を下回るなど冴えない動きとなりました。一方、11月の米大統領選挙後は、トランプ政権に対する期待や急速な円安ドル高を追い風に、日経平均株価は戻りを試す展開となりました。年明け以降は様子見姿勢が強まったものの、日経平均株価は一時19,700円近くまで上昇するなど堅調に推移し、当年度末は18,909円26銭で取引を終了しました。
債券市場は日銀のマイナス金利政策に支えられて堅調に推移し、10年国債利回りは7月に一時マイナス0.30%まで低下しました。しかし、9月には日銀が10年国債利回りをゼロ%程度で推移するよう操作する方針を示したことに加え、11月の米大統領選挙の結果を受けて世界的に長期国債金利が上昇したことから、10年国債利回りはプラスに転じました。ただ、日銀の緩和的な金融政策により、欧米主要国に比べて利回りの上昇は小幅にとどまり、10年国債利回りは0.065%で当年度の取引を終えました。
このような状況のもと、中核子会社の岡三証券株式会社においては、新店舗の出店や地域旗艦店舗の移転リニューアルを実施するなど営業機能を強化するとともに、市況に即した投資情報と多様な商品ラインアップを活用した地域密着型の営業活動を引き続き展開しました。一方、インターネット取引専業の岡三オンライン証券株式会社においては、操作性や機能性を追求した新たな発注ツールの提供や、新商品の取扱い開始、投資信託購入時手数料の実質無料化など、サービスの一層の拡充を図りました。また、岡三アセットマネジメント株式会社においては、パフォーマンスの向上やタイムリーな情報発信に努めるとともに、市場環境の変化に対応すべく、毎月決算型投信の分配金見直しや公社債投信の繰上償還等を行う一方、機関投資家向けに私募投信の提案を積極的に行いました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの営業収益は806億40百万円(前年度比97.2%)、純営業収益は794億62百万円(同97.4%)となりました。販売費・一般管理費は653億6百万円(同96.8%)となり、経常利益は154億25百万円(同88.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は104億86百万円(同94.7%)となりました。
① 損益の概況
受入手数料
受入手数料の合計は470億73百万円(前年度比81.6%)となりました。主な内訳は次のとおりです。
|
|
|
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) (百万円) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) |
|
受 |
入手数料 |
57,665 |
47,073 |
|
|
委託手数料 |
20,804 |
16,129 |
|
|
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 |
545 |
400 |
|
|
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料 |
15,747 |
13,381 |
|
|
その他の受入手数料 |
20,568 |
17,161 |
a.委託手数料
当連結会計年度における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は25億40百万株(前年度比86.0%)、売買代金は2兆7,399億円(同88.9%)となりました。こうしたなか、株式委託手数料は154億78百万円(同80.5%)となりました。また、債券委託手数料は13百万円(同271.9%)、その他の委託手数料は6億37百万円(同40.8%)となり、委託手数料の合計は161億29百万円(同77.5%)となりました。
b.引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
当連結会計年度における株式の引受けは、新規上場案件の主幹事などを務めたものの、前年度に大型民営化案件があった反動から、引受金額は大幅に減少しました。一方、債券の引受けは、地方債や事業債の主幹事、財投機関債の事務幹事を務めたほか、大型案件を積極的に引受けるなど実績を重ねました。
これらの結果、株式の手数料は2億39百万円(前年度比59.7%)、債券の手数料は1億60百万円(同111.7%)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は4億円(同73.4%)となりました。
c.募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。
当連結会計年度においては、ハイイールド債券や高配当株式等で運用する、相対的に高い利回りが期待できるファンドの販売が比較的順調でした。また、米国株式やコモディティ価格の回復が見られた年度後半にかけては、ロシア株に投資するファンドやAI関連企業に投資するファンド等の販売も比較的堅調でした。しかしながら、前年度比で販売金額が減少したことから、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は133億81百万円(前年度比85.0%)となりました。また、その他の受入手数料についても、投資信託の信託報酬減少などにより171億61百万円(同83.4%)となりました。
トレーディング損益
|
|
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) (百万円) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) |
|
|
ト |
レーディング損益 |
22,233 |
31,272 |
|
|
株券等トレーディング損益 |
9,875 |
19,686 |
|
|
債券等トレーディング損益 |
12,122 |
11,872 |
|
|
その他のトレーディング損益 |
235 |
△285 |
株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。
当連結会計年度においては、年度前半はリスク回避の動きが見られましたが、米大統領選挙以降は米国の政策期待や堅調な経済指標を受けて円安、株高が進みました。これらの結果、株券等トレーディング損益は196億86百万円(前年度比199.3%)、債券等トレーディング損益は118億72百万円(同97.9%)となり、その他のトレーディング損益2億85百万円の損失(前年度は2億35百万円の利益)を含めたトレーディング損益の合計は312億72百万円(前年度比140.7%)となりました。
金融収支
金融収益は14億93百万円(前年度比66.7%)、金融費用は11億78百万円(同90.0%)となり、差引の金融収支は3億14百万円(同33.9%)となりました。
その他の営業収益
金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、8億2百万円(前年度比101.5%)となりました。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、取引関係費や人件費の減少等により、653億6百万円(前年度比96.8%)となりました。
営業外損益及び特別損益
営業外収益は14億34百万円、営業外費用は1億64百万円となりました。また、特別利益は金融商品取引責任準備金戻入や投資有価証券売却益の計上等により24億7百万円、特別損失は6億26百万円となりました。
② セグメント別の業績状況
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
証券ビジネス
証券ビジネスにおいては、株式委託手数料や投資信託の販売にかかる手数料が減少した一方、外国株式の取扱い拡大等によりトレーディング損益が増加し、当連結会計年度における証券ビジネスの営業収益は713億22百万円(前年度比100.4%)、セグメント利益は125億4百万円(同112.2%)となりました。
アセットマネジメントビジネス
アセットマネジメントビジネスにおいては、パフォーマンスの向上やタイムリーな情報発信に努めるとともに、市場環境の変化に対応すべく、毎月決算型投信の分配金見直しや公社債投信の繰上償還等を行う一方、機関投資家向けに私募投信の提案を積極的に行いました。これらの結果、当連結会計年度におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は126億72百万円(前年度比77.2%)、セグメント利益は13億71百万円(同51.3%)となりました。
サポートビジネス
当連結会計年度におけるサポートビジネスの営業収益は119億46百万円(前年度比100.5%)、セグメント利益は4億27百万円(同36.1%)となりました。
上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれており、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年度末に比べ20億58百万円減少し、511億90百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、522億16百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加172億6百万円、トレーディング商品の増減592億88百万円による資金の獲得と、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減241億39百万円による資金の使用との差し引きによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、40億94百万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入30億69百万円、有価証券の売却による収入30億1百万円による資金の獲得と、無形固定資産の取得による支出53億13百万円、投資有価証券の取得による支出15億15百万円、有価証券の取得による支出10億11百万円、有形固定資産の取得による支出8億99百万円による資金の使用との差し引きによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、501億53百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増減424億97百万円、配当金の支払額48億72百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出23億93百万円による資金の使用によるものであります。
(3)トレーディング業務の概要
当連結会計年度の年度末日時点のトレーディング商品の残高は以下のとおりであります。
|
|
平成28年3月31日現在 (百万円) |
平成29年3月31日現在 (百万円) |
||
|
資産の部のトレーディング商品 |
170,851 |
149,481 |
||
|
|
商品有価証券等 |
170,823 |
149,438 |
|
|
|
|
株式・ワラント |
3,915 |
2,411 |
|
|
|
債券 |
165,561 |
147,026 |
|
|
|
CP及びCD |
999 |
- |
|
|
|
その他 |
346 |
- |
|
|
デリバティブ取引 |
28 |
43 |
|
|
|
|
オプション取引 |
15 |
34 |
|
|
|
先物取引 |
12 |
8 |
|
負債の部のトレーディング商品 |
77,206 |
138,307 |
||
|
|
商品有価証券等 |
77,194 |
138,255 |
|
|
|
|
株式・ワラント |
1,592 |
1,170 |
|
|
|
債券 |
74,602 |
137,085 |
|
|
|
CP及びCD |
999 |
- |
|
|
|
その他 |
- |
- |
|
|
デリバティブ取引 |
11 |
51 |
|
|
|
|
オプション取引 |
3 |
9 |
|
|
|
先物取引 |
8 |
41 |
なお、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載の消費税等の課税取引額については、消費税等を含んでおりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、持株会社である当社と国内外の連結子会社により構成されるグループ経営を展開しており、証券ビジネス及びアセットマネジメントビジネスをコアとする資産運用サービスの提供を通じて持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社は、平成26年4月から平成29年3月までを対象期間とする中期経営計画を策定し、「お客さま大事」の経営哲学のもと、投資アドバイスのプロフェッショナル集団として企業価値を高め、いかなる環境下においても安定的な成長を実現できるよう経営体質の強化に取り組んでまいりました。計画最終年度となった当年度においては、持株会社としてのグループ経営機能を一層強化するため、「経営会議」に「執行役員会議」を統合いたしました。また、主な子会社においては、岡三証券株式会社における店舗機能強化やプロフェッショナル人材育成のための取り組み、岡三アセットマネジメント株式会社のグループ内外における販路を活かした岡三ブランド拡大などを推進し、グループ全体で企業価値の向上を図ってまいりました。
当社では平成35年(2023年)4月に創業100周年を迎えることに鑑み、創業100周年を越えてもお客さまから信頼され成長を続けられる体制の確立に向けたグランド・デザインを構築しております。この実現に向け、平成32年(2020年)までの当初3年間を中期経営計画「BEYOND 2020」として、グループ力強化のための投資期間と位置付けます。
|
|
|
岡三証券グループ 中期経営計画「BEYOND 2020」 |
|
|
|
1.対象期間 2017年(平成29年)4月から2020年(平成32年)3月末までの3年間 |
|
|
|
2.経営哲学 お客さま大事 |
|
|
|
3.社会的使命 <ステークホルダーへの宣言> (1)お客さま 我々は、お客さまの利益に資するため、投資アドバイスのプロフェッショナル集団となります (2)社員 我々は、社員の働きがいに資するため、より一層「誇り」を持てる会社となります (3)株主 我々は、株主の期待に資するため、企業価値を高めます |
|
|
|
4.経営目標 <定性目標> (1)お客さま大事の経営 (2)グループ内連携 (3)グループ外連携 (4)ブランド戦略 (5)人材、働きがい (6)FinTech対応 |
|
<定量目標> 会社成長とともに、長期安定的な目標としてROE 10% |
|
|
|
5.創業100周年に向けて 創業100周年までの早期にグループ全体で「100万口座」、預り資産「10兆円」 |
|
|
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、いかなる環境下においても安定的な収益性を確保することが重要との考え方から、連結ROE 10%の安定的な達成を長期的な経営目標として掲げております。
(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
我々を取り巻くグローバルの環境を鳥瞰すると、英国がEU離脱を決定し、米国でトランプ大統領が登場する等、不確実、不安定な時代であると感じています。格差拡大等、過去30年以上にわたって世界の成長を牽引してきたグローバリゼーションの負の側面がクローズアップされ、いわゆる反グローバリゼーションへ振り子がゆり戻る動きであると捉えています。一方、デジタルイノベーションによる革新的な成長が期待されており、AI、IoTの急速な普及、更には「シェアリングエコノミー」や、人工知能が人間の能力を超える特異点「シンギュラリティ」等が注目されています。
金融業界でもFinTech革命と同時に、約20年前の日本版金融ビックバンに匹敵する変革の兆候が見られます。既に米国の年金に絡む証券口座の規制強化、欧州のMiFIDⅡ等、世界的に証券業界のビジネスモデルそのものが問い直され、構造改革を迫られつつあります。今後、対応次第で企業の優勝劣敗が一層鮮明となっていく可能性があります。
このような状況のもと当社では、お客さまのニーズに応じた最適な投資アドバイスと金融商品を提供する当社グループの果たすべき社会的な役割が益々、高まっていると捉えています。今後一層、幅広いお客さまにご支持をいただくためには、創業来94年以上にわたって培ってきた証券会社としての独自ブランドを一層深化していくことが大切であると考えます。そのために平成29年4月から始まる新中期経営計画に沿って、様々な施策を打ち出していく所存です。
特に、「投資アドバイスのプロフェッショナル集団」の実現を目指し、主軸である対面ビジネスの基盤を一層強固にするため、人材育成、営業の質的強化を推進しています。また、グループ内外での連携等も強化しており、例えばアセットマネジメントビジネスでは幅広い販路での商品提供による岡三ブランドの浸透、アライアンスでは業務資本提携による独自の証券会社ネットワークの拡大、そしてオンラインビジネスでは新しい層のお客さまへのアプローチに取り組んでいます。こうした様々な施策を通じて、当社グループの企業価値の持続的な向上に努めてまいりたいと思います。
(5)株式会社の支配に関する基本方針について
① 基本方針の内容の概要
当社は、上場企業である以上、本来、当社株券等の大規模買付行為は自由であり、誰が当社を支配するかは、最終的には当社株主の皆さまの判断に委ねられるべきもので、当社の経営方針とそれにより実現される企業価値をご理解いただいた上で、当社株主の皆さまに、適切に判断いただくべきものであると考えます。また、当社株券等に対する大規模な買付行為が行われた場合には、その大規模買付行為の内容、大規模買付行為が当社及び当社グループに与える影響、大規模買付者が考える当社及び当社グループの経営方針や事業計画の内容、お客さま、従業員等の当社及び当社グループを取り巻く多くの利害関係者に対する影響、そして、大規模買付行為以外の代替案の有無等について、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、かつ提供された情報を十分に検討するための期間と機会が確保されることが必要だと考えます。
そのためには、大規模買付行為に際して、a.大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならず、b.当社取締役会が当該情報を検討するために必要な一定の評価期間が経過した後にのみ、大規模買付者は大規模買付行為を開始することができるという「大規模買付ルール」を設けるとともに、当該ルールが有効に機能するために必要な方策を整え、明らかに当社の企業価値及び当社株主の皆さまの共同の利益を害するような濫用的買収に対して、会社として対抗策をとることができなければならないと考えております。
② 基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要
当社は、上記基本方針実現のための取組みとして、次に掲げる内容の「大規模買付行為への対応方針」を導入し、平成28年6月29日開催の当社第78期定時株主総会において承認決議されております。
a.大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合は、以下の「大規模買付ルール」に従わなければならないこと。
(ア)大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならないこと。
(イ)必要な情報提供を受けた後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下、「評価期間」といいます。)として、60日間又は90日間が与えられること。
(ウ)大規模買付行為は、評価期間経過後にのみ開始されるべきこと。
b.大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に対しては、新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。
c.大規模買付ルールが遵守されても、大規模買付者による会社の支配が会社に回復しがたい損害をもたらすとき等には、当社は新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。
d.当社取締役会は、対抗策の発動については社外取締役及び社外有識者等により構成される独立委員会の勧告に原則として従うこと。
③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
a.当該取組みが基本方針に沿うものであること
(ア)大規模買付ルールが遵守される限り、原則として対抗策はとらないこととなっており、誰が会社を支配するかは当社株主の皆さまにおいて決める仕組みとなっております。
(イ)大規模買付者に十分な情報の提供を求めるとともに、情報の提供をしない大規模買付者には対抗策を発動することを警告することによって、情報提供のインセンティブを与えております。
(ウ)濫用的買収に対しては、会社は対抗策をとりうる制度設計となっております。
b.当該取組みが株主共同の利益を損なうものではないこと
対抗策をとりうるのは、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないか、会社に回復しがたい損害をもたらすなどの濫用的買収の場合に限定されており、対抗策は基本的には情報提供のインセンティブを与えるものであります。
c.当該取組みが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
対抗策をとりうる場合が厳しく限定されており、しかも、当社取締役会は独立委員会の勧告に原則として従わなければならないため、当社取締役会の恣意的判断が排除される仕組みとなっております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの事業その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりであります。当該記載事項については、必ずしもリスク要因に該当しない場合もありますが、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性等を考慮し記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業活動に係るリスクについて
① 金融商品取引業の収益変動リスク
当社グループの主要事業であります金融商品取引業は、日本国内のみならず世界各地の市況動向や経済動向により投資需要が変化し、顧客からの受入手数料、トレーディング損益等が大幅に変動しやすいという特性があり、これら国内外の金融商品市況の動向や金融商品取引所における取引の繁閑が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 市場リスク
当社グループでは、自己の計算において株式・債券・為替及びそれらの派生商品などの金融資産を保有しておりますが、急激な市況変動・金利変動等により、これら金融資産の価値が変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 取引先又は発行体の信用力悪化に伴うリスク
当社グループの取引先が決済を含む債務不履行に陥った場合、また、当社グループが保有する有価証券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合には、元本の毀損や利払いの遅延等により損失を被り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ オペレーショナル・リスク
業務処理のプロセスが正常に機能しないこと、役職員の行動が不適切であること、又は災害・犯罪等の外部的事象の発生により、当社グループに対する賠償請求や信用力の低下等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 災害等に関するリスク
自然災害の発生や病原性感染症の拡大等により、当社グループの事業の縮小を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ システムに関するリスク
当社グループの業務遂行に際しては、コンピュータ・システムの利用は不可欠なものとなっております。インターネット取引や当社グループが業務上使用するコンピュータ・システムや回線が、品質不良、外部からの不正アクセス、災害や停電等の諸要因によって障害を起こした場合、障害規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 情報セキュリティに関するリスク
コンピュータ・システムの不正利用等による顧客及び役職員の個人情報、経営情報等機密情報の漏洩が生じた場合、当社グループに対する賠償請求や信用力の低下等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 流動性リスク
当社グループの主要な事業であります金融商品取引業においては、事業の特性上、業務遂行に必要となる大量の資金を機動的かつ安定的に調達する必要があります。財政状態の悪化、資産の流動性悪化、信用格付低下等の要因により短期金融市場・資本市場等からの資金調達が困難となる、あるいは資金調達コストが上昇するなどにより流動性リスクが顕在化した場合、事業遂行に制約を受ける可能性があります。
(2)法的規制について
当社グループは、その業務の種類に応じて法令・諸規則の規制を受けております。岡三証券株式会社をはじめ国内で金融商品取引業を営む証券子会社等は、金融商品取引法の規制を受けるほか、各金融商品取引所、日本証券業協会等の自主規制機関による諸規則等の規制を受けます。また、海外の子会社については、現地法上の規制を受けます。さらに、将来において法的規制が強化されたり、現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があります。
当社グループの主たる業務である金融商品取引業を営む国内の証券子会社は、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき自己資本規制比率を120%以上に維持することが求められております。万一、定められた自己資本規制比率を維持できない場合、業務停止等を命じられる可能性があります。また、経営環境の悪化による損失計上等により自己資本規制比率が著しく低下した場合には、比率を維持する観点から、積極的にリスクをとり収益を追求することが困難となり、収益機会を逸する可能性があります。その結果、当社グループの営業活動に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業は、これら関連法令・諸規則の定めに従って行われなければなりませんが、自己資本規制比率以外にも、関連法令等を遵守できなかった場合、規制、命令により業務改善や業務停止の処分を受けるなど、事業活動が制限される可能性があります。
(3)重要な訴訟等について
当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟・紛争・その他の法律的手続きの対象となる場合があります。これら法的なリスクについては、グループ各社が個別に管理しており、必要に応じて当社取締役会等に報告する管理体制となっております。当連結会計年度末日現在において当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)競合について
証券業界においては、同業他社に加えて銀行等との競合、異業種からの参入及び業界再編等により、今後も激しい競争環境が続くことが予想されます。このような状況下、当社グループの競争力の優位性が維持できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)インターネット専業証券会社について
当社は、平成18年1月にインターネットチャネル専業の証券会社である岡三オンライン証券株式会社を設立いたしました。同社は平成18年12月に営業を開始し、業容拡大に努めておりますが、将来その事業が計画どおりに進行しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日における資産・負債及び連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積り及び仮定設定を行う必要があり、過去の実績やそれぞれの状況に応じて合理的と考えられる仮定設定に基づいて、継続して判断・評価及び見積りを行っております。
なお、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。特に以下の重要な会計方針については、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な見積りに大きな影響を及ぼすことがあります。
① 未収配当金
当社グループは、市場価格のある株式に係る株式配当金については、各銘柄の配当落ち日(配当権利付き最終売買日の翌日)をもって、前回の配当実績又は公表されている一株当たり予想配当額に基づいて未収配当金を見積り計上しております。従って、見積り計上額と実際配当額とに差異が生じた場合、配当金を受入した期の収益に影響を与えることとなります。
② 貸倒引当金
当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。従って、債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となることがあります。
③ 投資有価証券(その他有価証券)の減損
当社グループは、その他有価証券で時価のある株式については、連結決算日の時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、原則として減損処理を行い、30%以上50%未満下落した場合には、回復可能性があると認められるものを除き、減損処理を行っております。従って、将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、当連結会計年度末現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
④ 退職給付債務
退職給付債務及び退職給付費用の計算に用いる、割引率、退職率、死亡率、昇給率、長期期待運用収益率などは合理的に見積ることとされているため、見積数値と実績には差異が生じることとなります。この数理計算上の差異については、当社グループでは5年の定額法により処理することとしているため、翌期以降の業績に影響を与えることとなります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績の概況」に記載のとおりであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループのコア事業であります証券ビジネスの営業収益は、株式、債券、金利、為替等の市況環境変動の影響を受けるため、当社グループの経営成績は連結会計年度毎に大きく変動する傾向にあります。
このため、当社といたしましては、グループ企業それぞれの事業の強みを活かし、多様化する資産運用ニーズに迅速かつ的確に対応できる体制の確立を目指すことにより、安定した成長を実現できる経営体質の構築に努めております。
(4)資本の財源及び資金の流動性について
① 資金需要及び資金の流動性
当社グループのコア事業であります証券ビジネスの資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付及びトレーディングのロングポジションであり、逆に資金調達の主なものは信用取引売却代金の顧客からの借入及びトレーディングのショートポジションであります。これらは、市況環境の変動の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与えることとなります。なお、岡三証券株式会社では、安定的かつ機動的な財務運営のため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとしたコミットメントラインを総額210億円として更新いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。