(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかな景気拡大の動きとなりました。世界経済の拡大基調を背景に輸出が堅調に推移し、生産も回復傾向となり企業の景況感は改善しました。また、家計調査が示す個人消費は鈍い状況であるものの、雇用情勢の改善が続くなか、自動車販売など一部の関連指標では持ち直しの動きが見られました。
為替市場では、米国経済指標の弱さや仏大統領選挙を巡る不透明感、中東地域の地政学リスクが意識され、ドル円相場は4月に一時1ドル=108円台まで円高ドル安が進みました。しかし、その後はFRB(米連邦準備制度理事会)の追加利上げ姿勢など、日米金融政策の方向性の違いが意識された結果、円安に振れ、1ドル=112円台で6月の取引を終えました。また、ユーロ円相場は、域内の景気回復や仏大統領選挙が無難な結果となったこと、ECB(欧州中央銀行)の金融緩和政策縮小への思惑などから円安ユーロ高が進行し、1ユーロ=128円台で6月の取引を終えました。
株式市場は、当初は米国経済の鈍化懸念や地政学リスクの高まりを背景とした円高ドル安基調が重しとなり、日経平均株価は4月14日に年初来安値を更新しました。ただ、その後は、国内企業の業績拡大期待や欧州政治情勢の不透明感後退を受け、6月2日に約1年半ぶりに2万円の大台を回復するなど戻りを試す展開となりました。以降、円安進行も相場の下支え材料となり日経平均株価は概ね2万円前後で推移し、20,033円43銭で6月の取引を終えました。
債券市場では、当初は安全資産としての国債需要が強まり、10年国債利回りは4月に一時ゼロ%まで低下しました。ただ、世界経済の回復期待が続くなかで高値警戒感は強く、また日銀の買入れ額減額により中期国債利回りが上昇したことから、その後の10年国債利回りはプラス水準での推移となり、0.075%で6月の取引を終えました。
このような状況のもと、中核子会社の岡三証券株式会社においては、新規出店や既存店舗の移転リニューアルを実施するなど営業機能を強化するとともに、市況に即した投資情報と多様な商品ラインアップを活用した地域密着型の営業活動を引き続き展開しました。一方、インターネット取引専業の岡三オンライン証券株式会社においては、日本株取引システムのリプレースや、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)情報をAIで解析し投資情報として提供するサービスの開始など、一層のサービス拡充を図りました。また、岡三アセットマネジメント株式会社においては、運用パフォーマンス向上のため、経済環境分析や企業調査等に注力したほか、投資先企業の企業価値向上に資するため投資先との対話(エンゲージメント)や議決権行使に取り組む一方、機関投資家向けに私募投信の提案を行い運用資産の拡大に努めました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は195億77百万円(前年同期比101.7%)、純営業収益は192億94百万円(同101.7%)となりました。販売費・一般管理費は170億40百万円(同104.8%)となり、経常利益は24億11百万円(同82.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13億31百万円(同46.3%)となりました。
① 損益の概況
受入手数料
受入手数料の合計は120億27百万円(前年同期比103.4%)となりました。主な内訳は次のとおりです。
|
|
前第1四半期連結累計期間 (自 平成28年4月1日 至 平成28年6月30日) (百万円) |
当第1四半期連結累計期間 (自 平成29年4月1日 至 平成29年6月30日) (百万円) |
|
委託手数料 |
4,468 |
4,386 |
|
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 |
48 |
80 |
|
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料 |
2,681 |
3,338 |
|
その他の受入手数料 |
4,432 |
4,221 |
|
合計 |
11,630 |
12,027 |
a.委託手数料
当第1四半期連結累計期間における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は24億55百万株(前年同期比92.6%)、売買代金は2兆9,517億円(同109.1%)となりました。こうしたなか、株式委託手数料は42億85百万円(同102.1%)となりました。また、債券委託手数料は0百万円(同28.9%)、その他の委託手数料は1億円(同37.5%)となり、委託手数料の合計は43億86百万円(同98.2%)となりました。
b.引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
当第1四半期連結累計期間における株式の引受けは、新規上場案件や公募・売出案件において主幹事を務めたことが寄与しました。また、債券の引受けは、地方債や事業債の主幹事を務めるなど実績を重ね、引受金額・引受件数ともに増加しました。
これらの結果、株式の手数料は48百万円(前年同期比193.1%)、債券の手数料は32百万円(同137.1%)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は80百万円(同166.0%)となりました。
c.募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。
当第1四半期連結累計期間においては、ハイイールド債券や高配当株式等で運用する、相対的に高い利回りが期待できるファンドや、先進国との比較で相対的に値上がりが期待できる新興国株式に投資するファンドの販売が堅調でした。また、今後の成長が期待できる市場として、米国の中小型株に投資するファンドや、ペット関連事業を行う国内外の企業の株式に投資をするファンドを導入し、品揃えの拡充を図りました。
これらの結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は33億38百万円(前年同期比124.5%)となりました。一方、その他の受入手数料については、投資信託の信託報酬等により42億21百万円(同95.2%)となりました。
トレーディング損益
|
|
前第1四半期連結累計期間 (自 平成28年4月1日 至 平成28年6月30日) (百万円) |
当第1四半期連結累計期間 (自 平成29年4月1日 至 平成29年6月30日) (百万円) |
|
株券等トレーディング損益 |
3,656 |
4,371 |
|
債券等トレーディング損益 |
3,123 |
2,645 |
|
その他のトレーディング損益 |
257 |
△97 |
|
合計 |
7,037 |
6,919 |
株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。
当第1四半期連結累計期間においては、米国株式市場は一時的な急変はあったものの概ね堅調に推移した一方、為替市場ではやや不安定な動きが見られました。
これらの結果、株券等トレーディング損益は43億71百万円(前年同期比119.6%)、債券等トレーディング損益は26億45百万円(同84.7%)となり、その他のトレーディング損益97百万円の損失(前年同期は2億57百万円の利益)を含めたトレーディング損益の合計は69億19百万円(前年同期比98.3%)となりました。
金融収支
金融収益は4億34百万円(前年同期比114.4%)、金融費用は2億83百万円(同106.0%)となり、差引の金融収支は1億51百万円(同134.3%)となりました。
その他の営業収益
金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、1億96百万円(前年同期比101.0%)となりました。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、人件費や事務費等の増加により、170億40百万円(前年同期比104.8%)となりました。
営業外損益及び特別損益
営業外収益は1億96百万円、営業外費用は39百万円となりました。また、特別利益は2億13百万円、特別損失は41百万円となりました。
② セグメント別の業績状況
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
証券ビジネス
証券ビジネスにおいては、投資信託販売にかかる手数料や外国株式取扱いに伴う株券等トレーディング損益の増加等が寄与し、当第1四半期連結累計期間における証券ビジネスの営業収益は172億85百万円(前年同期比102.7%)、セグメント利益は22億91百万円(同100.6%)となりました。
アセットマネジメントビジネス
アセットマネジメントビジネスにおいては、運用パフォーマンス向上のため、経済環境分析や企業調査等に注力したほか、投資先企業の企業価値向上に資するため、投資先との対話(エンゲージメント)や議決権行使に取り組みました。また、機関投資家向けに私募投信の提案を行い、運用資産の拡大に努めました。これらの結果、当第1四半期連結累計期間におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は31億17百万円(前年同期比95.2%)、セグメント利益は3億40百万円(同83.4%)となりました。
サポートビジネス
当第1四半期連結累計期間におけるサポートビジネスの営業収益は29億91百万円(前年同期比99.0%)、セグメント損失は3億8百万円(前年同期は1億円の利益)となりました。
なお、上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれております。
(2)財政状態に関する分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ383億38百万円減少し5,145億5百万円となりました。これは主に、投資有価証券が50億53百万円、預託金が27億49百万円、トレーディング商品が23億34百万円増加した一方で、有価証券担保貸付金が431億37百万円、約定見返勘定が70億36百万円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ388億55百万円減少し3,357億32百万円となりました。これは主に、約定見返勘定が402億62百万円、有価証券担保借入金が140億21百万円、預り金が114億38百万円増加した一方で、トレーディング商品が770億57百万円、短期借入金が266億52百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ5億16百万円増加し1,787億72百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が32億48百万円、非支配株主持分が8億91百万円増加した一方で、利益剰余金が35億78百万円減少したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
② 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
基本方針の内容の概要
当社は、上場企業である以上、本来、当社株券等の大規模買付行為は自由であり、誰が当社を支配するかは、最終的には当社株主の皆さまの判断に委ねられるべきもので、当社の経営方針とそれにより実現される企業価値をご理解いただいた上で、当社株主の皆さまに、適切に判断いただくべきものであると考えます。また、当社株券等に対する大規模な買付行為が行われた場合には、その大規模買付行為の内容、大規模買付行為が当社及び当社グループに与える影響、大規模買付者が考える当社及び当社グループの経営方針や事業計画の内容、お客さま、従業員等の当社及び当社グループを取り巻く多くの利害関係者に対する影響、そして、大規模買付行為以外の代替案の有無等について、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、かつ提供された情報を十分に検討するための期間と機会が確保されることが必要だと考えます。
そのためには、大規模買付行為に際して、a.大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならず、b.当社取締役会が当該情報を検討するために必要な一定の評価期間が経過した後にのみ、大規模買付者は大規模買付行為を開始することができるという「大規模買付ルール」を設けるとともに、当該ルールが有効に機能するために必要な方策を整え、明らかに当社の企業価値及び当社株主の皆さまの共同の利益を害するような濫用的買収に対して、会社として対抗策をとることができなければならないと考えております。
基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要
当社は、上記基本方針実現のための取組みとして、次に掲げる内容の「大規模買付行為への対応方針」を導入し、平成28年6月29日開催の当社第78期定時株主総会において承認決議されております。
a.大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合は、以下の「大規模買付ルール」に従わなければならないこと。
(ア)大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならないこと。
(イ)必要な情報提供を受けた後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下、「評価期間」といいます。)として、60日間又は90日間が与えられること。
(ウ)大規模買付行為は、評価期間経過後にのみ開始されるべきこと。
b.大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に対しては、新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。
c.大規模買付ルールが遵守されても、大規模買付者による会社の支配が会社に回復しがたい損害をもたらすとき等には、当社は新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。
d.当社取締役会は、対抗策の発動については社外取締役又は社外有識者等により構成される独立委員会の勧告に原則として従うこと。
具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
a.当該取組みが基本方針に沿うものであること
(ア)大規模買付ルールが遵守される限り、原則として対抗策はとらないこととなっており、誰が会社を支配するかは当社株主の皆さまにおいて決める仕組みとなっております。
(イ)大規模買付者に十分な情報の提供を求めるとともに、情報の提供をしない大規模買付者には対抗策を発動することを警告することによって、情報提供のインセンティブを与えております。
(ウ)濫用的買収に対しては、会社は対抗策をとりうる制度設計となっております。
b.当該取組みが株主共同の利益を損なうものではないこと
対抗策をとりうるのは、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないか、会社に回復しがたい損害をもたらすなどの濫用的買収の場合に限定されており、対抗策は基本的には情報提供のインセンティブを与えるものであります。
c.当該取組みが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
対抗策をとりうる場合が厳しく限定されており、しかも、当社取締役会は独立委員会の勧告に原則として従わなければならないため、当社取締役会の恣意的判断が排除される仕組みとなっております。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。