第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、持株会社である当社と国内外の連結子会社により構成されるグループ経営を展開しており、証券ビジネス及びアセットマネジメントビジネスをコアとする資産運用サービスの提供を通じて持続的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)経営戦略等

当社では平成35年(2023年)4月に創業100周年を迎えることに鑑み、創業100周年を越えてもお客さまから信頼され、成長を続けられる体制の確立に向けたグランド・デザインを構築しております。この実現に向け、平成29年(2017年)4月から平成32年(2020年)3月までの当初3年間を中期経営計画「BEYOND 2020」として、グループ力強化のための投資期間と位置付けております。

計画初年度にあたる当年度は、岡三証券株式会社など各子会社において確定拠出年金や取引所CFDなどの商品について他社との業務連携や取次ぎを開始するなど、グループ外企業との連携を強化いたしました。また、お客さまへの商品提案や投資情報提供において、AIやロボアドバイザーを活用したサービスの提供を開始するなど、FinTech対応を推進いたしました。当社グループでは引き続き、グループ力強化を通じた企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

岡三証券グループ 中期経営計画「BEYOND 2020」

 

1.対象期間

2017年(平成29年)4月から2020年(平成32年)3月末までの3年間

 

2.経営哲学

お客さま大事

 

3.社会的使命

<ステークホルダーへの宣言>

(1)お客さま

我々は、お客さまの利益に資するため、投資アドバイスのプロフェッショナル集団となります

(2)社員

我々は、社員の働きがいに資するため、より一層「誇り」を持てる会社となります

(3)株主

我々は、株主の期待に資するため、企業価値を高めます

 

4.経営目標

<定性目標>

(1)お客さま大事の経営

(2)グループ内連携

(3)グループ外連携

(4)ブランド戦略

(5)人材、働きがい

(6)FinTech対応

<定量目標>

会社成長とともに、長期安定的な目標としてROE 10%

 

5.創業100周年に向けて

創業100周年までの早期にグループ全体で「100万口座」、預り資産「10兆円」

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、いかなる環境下においても安定的な収益性を確保することが重要との考え方から、連結ROE 10%の安定的な達成を長期的な経営目標として掲げております。

 

(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

我々は今、「旧秩序」から「新秩序」へ向かう大きな構造転換の渦中にいるのではないかと感じています。長きに亘る米国覇権、グローバリゼーション、金融緩和を基盤とする時代は終わりを告げ、翻って中国覇権、保護主義、金利上昇が基盤となる時代の兆しが見え始めました。更に第四次産業革命の実現は、社会・経済の変化をもたらしつつあります。

冷戦終結以降続いたグローバル化の流れは、トランプ大統領により保護主義へ回帰し始めています。また、日米欧による金融緩和政策からの出口戦略は、過去30年に亘る金利の下降トレンドを変えようとしています。ネットワーク社会が更に進化し、今後はAI(人工知能)の活用が加速度的に進み、より一層豊かな社会が期待されています。一方で、仮想通貨流出事件で改めてクローズアップされたダークウェブなど、テクノロジーの負の側面、様々な問題点も浮き彫りになってきました。新旧秩序の衝突、それに伴う混乱等により、暫く不安定な時代が避けられず、ビジネスの世界でも新たな覇者が台頭すると同時に、旧来型の淘汰が加速すると考えています。

当社を取り巻く業界環境においても、規制改革とフィンテック革命という2つの大きな変革によって、証券ビジネスの在り方そのものが大きく変わろうとしています。加えて、物価、金利が上昇局面へ転換する兆しが見られ、そして人生100年時代が意識される長寿社会を迎え、改めてわが国においても、欧米で先行した貯蓄から投資への潮流が起こりつつあるように感じています。

このような時代にあって、当社では「投資アドバイスのプロフェッショナル」として、お客さまの資産形成、資産運用、そして資産管理に至る様々なニーズに応えることが、当社グループの社会的役割を果たしていくことになるのだと考えています。創業以来、95年を超えて守り続けてきた「お客さま大事」の経営哲学、つまり当社流の「顧客本位」を更に極めてまいりたいと存じます。人材育成、営業の質的強化を推進し、主軸である証券ビジネスの経営基盤を一層強固なものにすると共に、グループ内、グループ外での連携等を更に強化し、独自の証券ネットワークの拡大を図ることで、グループ全体の企業価値の持続的な向上に努めてまいります。

 

 

(5)株式会社の支配に関する基本方針について

① 基本方針の内容の概要

 当社は、上場企業である以上、本来、当社株券等の大規模買付行為は自由であり、誰が当社を支配するかは、最終的には当社株主の皆さまの判断に委ねられるべきもので、当社の経営方針とそれにより実現される企業価値をご理解いただいた上で、当社株主の皆さまに、適切に判断いただくべきものであると考えます。また、当社株券等に対する大規模な買付行為が行われた場合には、その大規模買付行為の内容、大規模買付行為が当社及び当社グループに与える影響、大規模買付者が考える当社及び当社グループの経営方針や事業計画の内容、お客さま、従業員等の当社及び当社グループを取り巻く多くの利害関係者に対する影響、そして、大規模買付行為以外の代替案の有無等について、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、かつ提供された情報を十分に検討するための期間と機会が確保されることが必要だと考えます。

 そのためには、大規模買付行為に際して、a.大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならず、b.当社取締役会が当該情報を検討するために必要な一定の評価期間が経過した後にのみ、大規模買付者は大規模買付行為を開始することができるという「大規模買付ルール」を設けるとともに、当該ルールが有効に機能するために必要な方策を整え、明らかに当社の企業価値及び当社株主の皆さまの共同の利益を害するような濫用的買収に対して、会社として対抗策をとることができなければならないと考えております。

 

② 基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要

 当社は、上記基本方針実現のための取組みとして、次に掲げる内容の「大規模買付行為への対応方針」を導入し、平成28年6月29日開催の当社第78期定時株主総会において承認決議されております。

a.大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合は、以下の「大規模買付ルール」に従わなければならないこと。

(ア)大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならないこと。

(イ)必要な情報提供を受けた後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下、「評価期間」といいます。)として、60日間又は90日間が与えられること。

(ウ)大規模買付行為は、評価期間経過後にのみ開始されるべきこと。

b.大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に対しては、新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。

c.大規模買付ルールが遵守されても、大規模買付者による会社の支配が会社に回復しがたい損害をもたらすとき等には、当社は新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。

d.当社取締役会は、対抗策の発動については社外取締役及び社外有識者等により構成される独立委員会の勧告に原則として従うこと。

 

③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

a.当該取組みが基本方針に沿うものであること

(ア)大規模買付ルールが遵守される限り、原則として対抗策はとらないこととなっており、誰が会社を支配するかは当社株主の皆さまにおいて決める仕組みとなっております。

(イ)大規模買付者に十分な情報の提供を求めるとともに、情報の提供をしない大規模買付者には対抗策を発動することを警告することによって、情報提供のインセンティブを与えております。

(ウ)濫用的買収に対しては、会社は対抗策をとりうる制度設計となっております。

b.当該取組みが株主共同の利益を損なうものではないこと

 対抗策をとりうるのは、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないか、会社に回復しがたい損害をもたらすなどの濫用的買収の場合に限定されており、対抗策は基本的には情報提供のインセンティブを与えるものであります。

c.当該取組みが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

 対抗策をとりうる場合が厳しく限定されており、しかも、当社取締役会は独立委員会の勧告に原則として従わなければならないため、当社取締役会の恣意的判断が排除される仕組みとなっております。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの事業その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりであります。当該記載事項については、必ずしもリスク要因に該当しない場合もありますが、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性等を考慮し記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業活動に係るリスクについて

① 金融商品取引業の収益変動リスク

 当社グループの主要事業であります金融商品取引業は、日本国内のみならず世界各地の市況動向や経済動向により投資需要が変化し、顧客からの受入手数料、トレーディング損益等が大幅に変動しやすいという特性があり、これら国内外の金融商品市況の動向や金融商品取引所における取引の繁閑が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 市場リスク

 当社グループでは、自己の計算において株式・債券・為替及びそれらの派生商品などの金融資産を保有しておりますが、急激な市況変動・金利変動等により、これら金融資産の価値が変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 取引先又は発行体の信用力悪化に伴うリスク

 当社グループの取引先が決済を含む債務不履行に陥った場合、また、当社グループが保有する有価証券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合には、元本の毀損や利払いの遅延等により損失を被り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ オペレーショナル・リスク

 業務処理のプロセスが正常に機能しないこと、役職員の行動が不適切であること、又は災害・犯罪等の外部的事象の発生により、当社グループに対する賠償請求や信用力の低下等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 災害等に関するリスク

 自然災害の発生や病原性感染症の拡大等により、当社グループの事業の縮小を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ システムに関するリスク

 当社グループの業務遂行に際しては、コンピュータ・システムの利用は不可欠なものとなっております。インターネット取引や当社グループが業務上使用するコンピュータ・システムや回線が、品質不良、外部からの不正アクセス、災害や停電等の諸要因によって障害を起こした場合、障害規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 情報セキュリティに関するリスク

 コンピュータ・システムの不正利用等による顧客及び役職員の個人情報、経営情報等機密情報の漏洩が生じた場合、当社グループに対する賠償請求や信用力の低下等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 流動性リスク

 当社グループの主要な事業であります金融商品取引業においては、事業の特性上、業務遂行に必要となる大量の資金を機動的かつ安定的に調達する必要があります。財政状態の悪化、資産の流動性悪化、信用格付低下等の要因により短期金融市場・資本市場等からの資金調達が困難となる、あるいは資金調達コストが上昇するなどにより流動性リスクが顕在化した場合、事業遂行に制約を受ける可能性があります。

(2)法的規制について

 当社グループは、その業務の種類に応じて法令・諸規則の規制を受けております。岡三証券株式会社をはじめ国内で金融商品取引業を営む証券子会社等は、金融商品取引法の規制を受けるほか、各金融商品取引所、日本証券業協会等の自主規制機関による諸規則等の規制を受けます。また、海外の子会社については、現地法上の規制を受けます。さらに、将来において法的規制が強化されたり、現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があります。

 当社グループの主たる業務である金融商品取引業を営む国内の証券子会社は、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき自己資本規制比率を120%以上に維持することが求められております。万一、定められた自己資本規制比率を維持できない場合、業務停止等を命じられる可能性があります。また、経営環境の悪化による損失計上等により自己資本規制比率が著しく低下した場合には、比率を維持する観点から、積極的にリスクをとり収益を追求することが困難となり、収益機会を逸する可能性があります。その結果、当社グループの営業活動に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの事業は、これら関連法令・諸規則の定めに従って行われなければなりませんが、自己資本規制比率以外にも、関連法令等を遵守できなかった場合、規制、命令により業務改善や業務停止の処分を受けるなど、事業活動が制限される可能性があります。

 

(3)重要な訴訟等について

 当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟・紛争・その他の法律的手続きの対象となる場合があります。これら法的なリスクについては、グループ各社が個別に管理しており、必要に応じて当社取締役会等に報告する管理体制となっております。当連結会計年度末日現在において当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(4)競合について

 証券業界においては、同業他社に加えて銀行等との競合、異業種からの参入及び業界再編等により、今後も激しい競争環境が続くことが予想されます。このような状況下、当社グループの競争力の優位性が維持できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)インターネット専業証券会社について

 当社は、平成18年1月にインターネットチャネル専業の証券会社である岡三オンライン証券株式会社を設立いたしました。同社は平成18年12月に営業を開始し、業容拡大に努めておりますが、将来その事業が計画どおりに進行しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな景気拡大の動きが続きました。世界経済の拡大基調から輸出は増加基調となり、設備投資も堅調に推移しました。一方、個人消費は比較的鈍い状況が続きましたが、雇用情勢の改善が続き人手不足が深刻になるなかで、物価は緩やかに上昇を続け、2018年2月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率は約3年ぶりに前年同月比でプラス1%台に乗せました。

 為替市場では、ドル円相場は2017年中は1ドル=107~115円程度での動きが続きましたが、日米の政治リスクなどから年明け以降は円高ドル安が進み、翌3月には一時1ドル=104円台をつけました。その後も米国を中心とした貿易摩擦への懸念は残り、106円台で当年度の取引を終えました。他方、ユーロ円相場は域内の景気回復や欧州中央銀行(ECB)による金融緩和縮小の動きなどから、2月には一時1ユーロ=137円台をつけました。ただし、その後は円高ユーロ安の動きが優勢となり、1ユーロ=131円近辺で当年度の取引を終えました。

 株式市場は、夏場にかけて北朝鮮リスク等の高まりや円高ドル安が意識され、日経平均株価は2万円付近で冴えない動きとなりましたが、秋口以降は衆院選与党勝利による政治基盤の安定を好感し、過去最長となる16連騰を記録するなど堅調に推移しました。企業の好業績等も投資家心理の支えとなり、11月にはバブル崩壊後の戻り高値を更新し、翌1月には約26年ぶりに一時24,000円台をつけました。しかし、2月以降は米国発の世界同時株安に見舞われたことから日経平均株価も大幅に下落し、21,454円30銭で当年度の取引を終えました。

 債券市場では、10年国債利回りをゼロ%程度に推移させるという日銀の金利操作方針のもと、7月や翌2月の金利上昇局面では、0.10%近辺で日銀が指値での国債買入オペを実施し、利回り上昇を抑えました。一方、9月に10年国債利回りが一時マイナス利回りをつけた局面においても、日銀は国債買入額の減額で対応し、マイナス圏への利回り低下は一時的にとどまりました。10年国債利回りは年度を通じて概ね日銀の操作目標近辺での横ばい推移となり、0.045%で当年度の取引を終えました。

 このような状況のもと、中核子会社の岡三証券株式会社においては、新規出店など営業機能の強化や市況に即した投資情報の提供に努め、引き続き地域密着型の営業活動を展開するとともに、グループ内外の証券会社等との連携による確定拠出型年金サービスの提供先拡大や、金融情報分析AI開発企業との業務資本提携など新たな取り組みを推進しました。一方、インターネット取引専業の岡三オンライン証券株式会社においては、新規口座開設の即時化対応や一般信用取引の取扱い開始、AIを活用した投資情報サービスの提供開始など、お客さま向けサービスの向上を通じた営業基盤の拡大に努めました。また、岡三アセットマネジメント株式会社においては、運用パフォーマンス向上のため、経済環境分析や企業調査等に注力したほか、投資先企業の企業価値向上に資するため投資先との対話(エンゲージメント)や議決権行使に取り組む一方、「ニッポン創業経営者ファンド」などの公募投信の開発や機関投資家向けに私募投信の提案を行い運用資産の拡大に努めました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ750億84百万円減少し4,777億60百万円、負債合計は前連結会計年度末に比べ768億77百万円減少し2,977億11百万円、純資産合計は前連結会計年度末に比べ17億92百万円増加し1,800億48百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度における当社グループの営業収益は819億21百万円(前年度比101.6%)、純営業収益は807億58百万円(同101.6%)となりました。販売費・一般管理費は690億37百万円(同105.7%)となり、経常利益は127億71百万円(同82.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は58億52百万円(同55.8%)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 証券ビジネスの営業収益は730億9百万円(前年度比102.4%)、セグメント利益は120億44百万円(同96.3%)となりました。

 アセットマネジメントビジネスの営業収益は123億79百万円(前年度比97.7%)、セグメント利益は13億97百万円(同101.9%)となりました。

 サポートビジネスの営業収益は122億94百万円(前年度比102.9%)、セグメント損失は8億46百万円(前年度は4億27百万円の利益)となりました。

 

 

上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれており、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年度末に比べ29億49百万円増加し、541億40百万円となりました。

 営業活動の結果使用した資金は128億76百万円、投資活動の結果獲得した資金は6億60百万円、財務活動の結果獲得した資金は154億18百万円となりました。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日における資産・負債及び連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積り及び仮定設定を行う必要があり、過去の実績やそれぞれの状況に応じて合理的と考えられる仮定設定に基づいて、継続して判断・評価及び見積りを行っております。

 なお、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。特に以下の重要な会計方針については、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な見積りに大きな影響を及ぼすことがあります。

a.未収配当金

 当社グループは、市場価格のある株式に係る株式配当金については、各銘柄の配当落ち日(配当権利付き最終売買日の翌日)をもって、前回の配当実績又は公表されている一株当たり予想配当額に基づいて未収配当金を見積り計上しております。従って、見積り計上額と実際配当額とに差異が生じた場合、配当金を受入した期の収益に影響を与えることとなります。

b.貸倒引当金

 当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。従って、債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となることがあります。

c.投資有価証券(その他有価証券)の減損

 当社グループは、その他有価証券で時価のある株式については、連結決算日の時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、原則として減損処理を行い、30%以上50%未満下落した場合には、回復可能性があると認められるものを除き、減損処理を行っております。従って、将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、当連結会計年度末現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

d.退職給付債務

 退職給付債務及び退職給付費用の計算に用いる、割引率、退職率、死亡率、昇給率、長期期待運用収益率などは合理的に見積ることとされているため、見積数値と実績には差異が生じることとなります。この数理計算上の差異については、当社グループでは5年の定額法により処理することとしているため、翌期以降の業績に影響を与えることとなります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ750億84百万円減少し4,777億60百万円となりました。これは主に、信用取引資産が112億18百万円増加した一方で、有価証券担保貸付金が539億73百万円、トレーディング商品が373億43百万円減少したことによるものであります。

(負債合計)

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ768億77百万円減少し、2,977億11百万円となりました。これは主に、短期借入金が205億76百万円、預り金が32億41百万円増加した一方で、トレーディング商品が752億95百万円、有価証券担保借入金が272億86百万円、未払法人税等が12億76百万円減少したことによるものであります。

(純資産合計)

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億92百万円増加し1,800億48百万円となりました。これは主に、非支配株主持分が17億65百万円、利益剰余金が9億42百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が7億54百万円減少したことによるものであります。

 

(トレーディング業務の概要)

当連結会計年度の年度末日時点のトレーディング商品の残高は以下のとおりであります。

 

平成29年3月31日現在

(百万円)

平成30年3月31日現在

(百万円)

資産の部のトレーディング商品

149,481

112,137

 

商品有価証券等

149,438

112,117

 

 

株式・ワラント

2,411

3,210

 

 

債券

147,026

105,856

 

 

CP及びCD

1,999

 

 

その他

1,051

 

デリバティブ取引

43

20

 

 

オプション取引

34

8

 

 

先物取引

8

12

負債の部のトレーディング商品

138,307

63,011

 

商品有価証券等

138,255

62,961

 

 

株式・ワラント

1,170

866

 

 

債券

137,085

60,094

 

 

CP及びCD

1,999

 

 

その他

 

デリバティブ取引

51

50

 

 

オプション取引

9

6

 

 

先物取引

41

43

 

 

2)経営成績

 当連結会計年度における当社グループの営業収益は819億21百万円(前年度比101.6%)、純営業収益は807億58百万円(同101.6%)となりました。販売費・一般管理費は690億37百万円(同105.7%)となり、経常利益は127億71百万円(同82.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は58億52百万円(同55.8%)となりました。

 

 受入手数料

 受入手数料の合計は527億76百万円(前年度比112.1%)となりました。主な内訳は次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(百万円)

入手数料

47,073

52,776

 

委託手数料

16,129

20,163

 

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

400

629

 

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

13,381

14,671

 

その他の受入手数料

17,161

17,312

委託手数料

当連結会計年度における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は23億9百万株(前年度比90.9%)、売買代金は3兆2,117億円(同117.2%)となりました。こうしたなか、株式委託手数料は197億53百万円(同127.6%)となりました。また、債券委託手数料は2百万円(同18.7%)、その他の委託手数料は4億7百万円(同63.9%)となり、委託手数料の合計は201億63百万円(同125.0%)となりました。

 

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

当連結会計年度における株式の引受けは、大型案件の引受けや主幹事の獲得などにより、引受金額が大幅に増加しました。一方、債券の引受けは、地方債や事業債の主幹事を務めるなど実績を重ねましたが、手数料は前年同期比で減少しました。

これらの結果、株式の手数料は5億12百万円(前年度比213.6%)、債券の手数料は1億16百万円(同72.8%)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は6億29百万円(同157.1%)となりました。

 

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。

当連結会計年度においては、相対的に高い利回りが期待できる、ハイイールド債券や高配当株式等で運用するファンドの販売が堅調だったほか、堅調な世界経済を背景に、特に成長著しいアジアの株式に投資するファンドの販売が堅調でした。また、今後の成長が期待できるテーマとして強いリーダーシップを発揮する創業経営者に着目した日本株ファンドや、テクノロジー分野で注目される中国企業の株式に投資するファンドを導入するなど、品揃えの拡充を図りました。

これらの結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は146億71百万円(前年度比109.6%)となりました。また、その他の受入手数料については、投資信託の信託報酬等により173億12百万円(同100.9%)となりました。

 

 トレーディング損益

 

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(百万円)

レーディング損益

31,272

26,541

 

株券等トレーディング損益

19,686

18,529

 

債券等トレーディング損益

11,872

8,078

 

その他のトレーディング損益

△285

△66

 

株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。

当連結会計年度においては、年度半ばには一時的にリスク回避の動きが強まったものの、良好な米国経済及び米国税制改革への期待から米国株式市場は堅調に推移しました。しかし、2018年2月以降は米中貿易摩擦への警戒感が意識され、株式・為替ともに調整色を強めました。

これらの結果、株券等トレーディング損益は185億29百万円(前年度比94.1%)、債券等トレーディング損益は80億78百万円(同68.0%)となり、その他のトレーディング損益66百万円の損失(前年度は2億85百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は265億41百万円(前年度比84.9%)となりました。

 

金融収支

金融収益は17億45百万円(前年度比116.9%)、金融費用は11億62百万円(同98.6%)となり、差引の金融収支は5億82百万円(同185.4%)となりました。

 

その他の営業収益

金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、8億56百万円(前年度比106.8%)となりました。

 

販売費・一般管理費

販売費・一般管理費は、人件費、不動産関係費及び事務費等の増加により、690億37百万円(前年度比105.7%)となりました。

 

営業外損益及び特別損益

営業外収益は14億9百万円、営業外費用は3億58百万円となりました。また、特別利益は投資有価証券売却益の計上等により50億65百万円、特別損失は減損損失や固定資産除売却損の計上等により71億64百万円となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年度末に比べ29億49百万円増加し、541億40百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は、128億76百万円となりました。これは主に、トレーディング商品の増減406億4百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減113億27百万円による資金の使用と、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減266億87百万円による資金の獲得の差引によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は、6億60百万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入59億80百万円による資金の獲得と、無形固定資産の取得による支出26億5百万円、有価証券の取得による支出15億円、有形固定資産の取得による支出5億84百万円による資金の使用との差引によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は、154億18百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増減205億6百万円、長期借入れによる収入10億円による資金の獲得と、配当金の支払額49億9百万円、長期借入金の返済による支出6億92百万円による資金の使用との差引によるものであります。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループのコア事業であります証券ビジネスの営業収益は、株式、債券、金利、為替等の市況環境変動の影響を受けるため、当社グループの経営成績は連結会計年度毎に大きく変動する傾向にあります。

 このため、当社といたしましては、グループ企業それぞれの事業の強みを全体で共有・活用し、多様化する資産運用ニーズに迅速かつ的確に対応できる体制の確立を目指すことにより、安定した成長を実現できる経営体質の構築に努めております。

 

c.資金の財源及び資金の流動性

 当社グループのコア事業であります証券ビジネスの資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付及びトレーディングのロングポジションであり、逆に資金調達の主なものは信用取引売却代金の顧客からの借入及びトレーディングのショートポジションであります。これらは、市況環境の変動の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与えることとなります。なお、岡三証券株式会社では、安定的かつ機動的な財務運営のため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとしたコミットメントラインを総額210億円として更新いたしました。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、株主資本の効率的な活用が全てのステークホルダーの利益につながるものと考え、ROE(株主資本利益率)を、重要な指標と位置づけております。当連結会計年度におけるROEは、特別損失の計上等により親会社株主に帰属する当期純利益が前年度比で減少したことから、3.7%(前年度比3.2ポイント低下)となりました。

 当社グループでは、会社成長とともに、長期安定的な目標としてROE 10%を目指し、取り組みを続けてまいります。

 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

 証券ビジネス

証券ビジネスにおいては、株式委託手数料や投資信託の販売にかかる手数料が増加した一方、トレーディング損益は減少し、当連結会計年度における証券ビジネスの営業収益は730億9百万円(前年度比102.4%)、セグメント利益は120億44百万円(同96.3%)となりました。

 

アセットマネジメントビジネス

アセットマネジメントビジネスにおいては、運用パフォーマンス向上のため、経済環境分析や企業調査等に注力したほか、投資先企業の企業価値向上に資するため、投資先との対話(エンゲージメント)や議決権行使に取り組みました。また、ニッポン創業経営者ファンドなどの公募投信の開発や機関投資家向けに私募投信の提案を行い、運用資産の拡大に努めました。これらの結果、当連結会計年度におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は123億79百万円(前年度比97.7%)、セグメント利益は13億97百万円(同101.9%)となりました。

 

サポートビジネス

当連結会計年度におけるサポートビジネスの営業収益は122億94百万円(前年度比102.9%)、セグメント損失は8億46百万円(前年度は4億27百万円の利益)となりました。

 

上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれており、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

 なお、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載の消費税等の課税取引額については、消費税等を含んでおりません。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。