第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、持株会社である当社と国内外の連結子会社により構成されるグループ経営を展開しており、証券ビジネス及びアセットマネジメントビジネスをコアとする資産運用サービスの提供を通じて持続的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)経営戦略等

当社では2023年4月に創業100周年を迎えることに鑑み、創業100周年を越えてもお客さまから信頼され、成長を続けられる体制の確立に向けたグランド・デザインを構築しております。この実現に向け、2017年4月から2020年3月までの当初3年間を中期経営計画「BEYOND 2020」として、グループ力強化のための投資期間と位置付けております。

計画2年目にあたる当年度は、岡三キャピタルパートナーズを設立し、ベンチャー企業への投資を開始したほか、各証券子会社においては、取引所証拠金取引の取次ぎ先拡大や、海外のマーケット・企業情報などの投資情報について海外証券会社とのアライアンス拡大など、グループ外企業との連携を強化いたしました。また、お客さまへの商品サービス提供において、AIを活用した投資情報やお客さまご案内サービスの提供を開始するなど、FinTech対応を推進いたしました。当社グループでは引き続き、グループ力強化を通じた企業価値の向上に努めてまいります

 

 

岡三証券グループ 中期経営計画「BEYOND 2020」

 

1.対象期間

2017年4月から2020年3月末までの3年間

 

2.経営哲学

お客さま大事

 

3.社会的使命

<ステークホルダーへの宣言>

(1)お客さま

我々は、お客さまの利益に資するため、投資アドバイスのプロフェッショナル集団となります

(2)社員

我々は、社員の働きがいに資するため、より一層「誇り」を持てる会社となります

(3)株主

我々は、株主の期待に資するため、企業価値を高めます

 

4.経営目標

<定性目標>

(1)お客さま大事の経営

(2)グループ内連携

(3)グループ外連携

(4)ブランド戦略

(5)人材、働きがい

(6)FinTech対応

<定量目標>

会社成長とともに、長期安定的な目標としてROE 10%

 

5.創業100周年に向けて

創業100周年までの早期にグループ全体で「100万口座」、預り資産「10兆円」

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、いかなる環境下においても安定的な収益性を確保することが重要との考え方から、連結ROE 10%の安定的な達成を長期的な経営目標として掲げております。

 

(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

我々を取り巻く環境を大きく見渡すと、技術の覇権争いが注目される米中の新冷戦や、AIの進化による第四次産業革命など、様々な分野で従来の枠組みが大きく変わりつつあると感じています。これまで時代を牽引してきたGAFAですら、ビジネスモデルが改めて問い直されています。

わが国の個人金融資産に目を転じると、投資への流れは緩やかで、依然として個人金融資産のうち現預金が過半を占めています。日米のシニア層における一世帯当たりの平均保有金融資産額には3倍から4倍の開きがあります。米国では個人金融資産に占める株式や投資信託の割合も高く、資産形成における彼我の差は大きいと言わざるを得ません。しかし、長らく続いたこの構図にも、変化が生まれつつあります。「人生100年時代」が現実化するなかで資産寿命を伸ばす重要性が意識され始め、NISAやiDeCoなど制度面での整備も進みつつあります。リスク資産への投資の拡大、金融資産の増加、投資家の裾野拡大も期待されます。わが国の証券ビジネスの成長ポテンシャルは非常に高く、我々の果たすべき役割は大きいと考えています。こうした成長過程では商品や技術などのイノベーションが加速するでしょう。従来の延長線上には無いビジネスモデルを構築していくことが必要であると思います。

このような状況下、当社では「既存ビジネスの強化」に「新たなビジネスの創造」を加えることにより、付加価値を高めるための取組みを進めております。当年度においては、グループ全体の持続的成長を目的とした様々なプロジェクトを設置し、各施策を推進する体制を整備いたしました。当社の成長には「グループ内連携の強化」と「グループ外連携の拡大」が重要であると考えており、当社グループが有する商品、情報、人材、ITなど様々なリソースを活用することにより、グループシナジーを最大限に発揮することを目指しております。

当社では「投資アドバイスのプロフェッショナル」として、お客さまの資産形成、資産運用、そして資産管理に至る様々なニーズに応え、創業以来培ってきた「お客さま大事」の経営哲学を更に極めてまいりたいと存じます。2023年の創業100周年を越えてお客さまから信頼され、成長を続けられるよう努めてまいります。

 

(5)株式会社の支配に関する基本方針について

① 基本方針の内容の概要

 当社は、上場企業である以上、本来、当社株券等の大規模買付行為は自由であり、誰が当社を支配するかは、最終的には当社株主の皆さまの判断に委ねられるべきもので、当社の経営方針とそれにより実現される企業価値をご理解いただいた上で、当社株主の皆さまに、適切に判断いただくべきものであると考えます。また、当社株券等に対する大規模な買付行為が行われた場合には、その大規模買付行為の内容、大規模買付行為が当社及び当社グループに与える影響、大規模買付者が考える当社及び当社グループの経営方針や事業計画の内容、お客さま、従業員等の当社及び当社グループを取り巻く多くの利害関係者に対する影響、そして、大規模買付行為以外の代替案の有無等について、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、かつ提供された情報を十分に検討するための期間と機会が確保されることが必要だと考えます。

 そのためには、大規模買付行為に際して、①大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならず、②当社取締役会が当該情報を検討するために必要な一定の評価期間が経過した後にのみ、大規模買付者は大規模買付行為を開始することができるという「大規模買付ルール」を設けるとともに、当該ルールが有効に機能するために必要な方策を整え、明らかに当社の企業価値及び当社株主の皆さまの共同の利益を害するような濫用的買収に対して、会社として対抗策をとることができなければならないと考えております。

 

基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要

当社は、上記基本方針実現のための取組みとして、次に掲げる内容の「大規模買付行為への対応方針」を導入し、2019年6月27日開催の当社第81期定時株主総会において承認決議されております。

a.大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合は、以下の「大規模買付ルール」に従わなければならないこと

(ア)大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならないこと

(イ)必要な情報提供を受けた後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下、「評価期間」といいます。)として、60日間又は90日間が与えられること

(ウ)大規模買付行為は、評価期間経過後にのみ開始されるべきこと

b.大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に対しては、新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること

c.大規模買付ルールが遵守されても、大規模買付者による会社の支配が会社に回復しがたい損害をもたらすとき等には、当社は新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること

d.当社取締役会は、対抗策の発動については社外取締役及び社外有識者等により構成される独立委員会の勧告に原則として従うこと

 

③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

a.当該取組みが基本方針に沿うものであること

(ア)大規模買付ルールが遵守される限り、原則として対抗策はとらないこととなっており、誰が会社を支配するかは当社株主の皆さまにおいて決める仕組みとなっております

(イ)大規模買付者に十分な情報の提供を求めるとともに、情報の提供をしない大規模買付者には対抗策を発動することを警告することによって、情報提供のインセンティブを与えております。

(ウ)濫用的買収に対しては、会社は対抗策をとりうる制度設計となっております。

b.当該取組みが株主共同の利益を損なうものではないこと

 対抗策をとりうるのは、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないか、会社に回復しがたい損害をもたらすなどの濫用的買収の場合に限定されており、対抗策は基本的には情報提供のインセンティブを与えるものであります。

c.当該取組みが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

 対抗策をとりうる場合が厳しく限定されており、しかも、当社取締役会は独立委員会の勧告に原則として従わなければならないため、当社取締役会の恣意的判断が排除される仕組みとなっております。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの事業その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりであります。当該記載事項については、必ずしもリスク要因に該当しない場合もありますが、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性等を考慮し記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業活動に係るリスクについて

① 金融商品取引業の収益変動リスク

 当社グループの主要事業であります金融商品取引業は、日本国内のみならず世界各地の市況動向や経済動向により投資需要が変化し、顧客からの受入手数料、トレーディング損益等が大幅に変動しやすいという特性があり、これら国内外の金融商品市況の動向や金融商品取引所における取引の繁閑が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 市場リスク

 当社グループでは、自己の計算において株式・債券・為替及びそれらの派生商品などの金融資産を保有しておりますが、急激な市況変動・金利変動等により、これら金融資産の価値が変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 取引先又は発行体の信用力悪化に伴うリスク

 当社グループの取引先が決済を含む債務不履行に陥った場合、また、当社グループが保有する有価証券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合には、元本の毀損や利払いの遅延等により損失を被り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ オペレーショナル・リスク

 業務処理のプロセスが正常に機能しないこと、役職員の行動が不適切であること、又は災害・犯罪等の外部的事象の発生により、当社グループに対する賠償請求や信用力の低下等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 災害等に関するリスク

 自然災害の発生や病原性感染症の拡大等により、当社グループの事業の縮小を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ システムに関するリスク

 当社グループの業務遂行に際しては、コンピュータ・システムの利用は不可欠なものとなっております。インターネット取引や当社グループが業務上使用するコンピュータ・システムや回線が、品質不良、外部からの不正アクセス、災害や停電等の諸要因によって障害を起こした場合、障害規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 情報セキュリティに関するリスク

 コンピュータ・システムの不正利用等による顧客及び役職員の個人情報、経営情報等機密情報の漏洩が生じた場合、当社グループに対する賠償請求や信用力の低下等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 流動性リスク

 当社グループの主要な事業であります金融商品取引業においては、事業の特性上、業務遂行に必要となる大量の資金を機動的かつ安定的に調達する必要があります。財政状態の悪化、資産の流動性悪化、信用格付低下等の要因により短期金融市場・資本市場等からの資金調達が困難となる、あるいは資金調達コストが上昇するなどにより流動性リスクが顕在化した場合、事業遂行に制約を受ける可能性があります。

 

(2)法的規制について

 当社グループは、その業務の種類に応じて法令・諸規則の規制を受けております。岡三証券株式会社をはじめ国内で金融商品取引業を営む証券子会社等は、金融商品取引法の規制を受けるほか、各金融商品取引所、日本証券業協会等の自主規制機関による諸規則等の規制を受けます。また、海外の子会社については、現地法上の規制を受けます。さらに、将来において法的規制が強化されたり、現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があります。

 当社グループの主たる業務である金融商品取引業を営む国内の証券子会社は、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき自己資本規制比率を120%以上に維持することが求められております。万一、定められた自己資本規制比率を維持できない場合、業務停止等を命じられる可能性があります。また、経営環境の悪化による損失計上等により自己資本規制比率が著しく低下した場合には、比率を維持する観点から、積極的にリスクをとり収益を追求することが困難となり、収益機会を逸する可能性があります。その結果、当社グループの営業活動に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの事業は、これら関連法令・諸規則の定めに従って行われなければなりませんが、自己資本規制比率以外にも、関連法令等を遵守できなかった場合、規制、命令により業務改善や業務停止の処分を受けるなど、事業活動が制限される可能性があります。

 

(3)重要な訴訟等について

 当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟・紛争・その他の法律的手続きの対象となる場合があります。これら法的なリスクについては、グループ各社が個別に管理しており、必要に応じて当社取締役会等に報告する管理体制となっております。当連結会計年度末日現在において当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)競合について

 証券業界においては、同業他社に加えて銀行等との競合、異業種からの参入及び業界再編等により、今後も激しい競争環境が続くことが予想されます。このような状況下、当社グループの競争力の優位性が維持できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)インターネット専業証券会社について

 当社は、2006年1月にインターネットチャネル専業の証券会社である岡三オンライン証券株式会社を設立いたしました。同社は2006年12月に営業を開始し、業容拡大に努めておりますが、将来その事業が計画どおりに進行しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、景気拡大基調を維持したものの、年度後半にかけては減速の動きがみられました。労働市場では改善が続きましたが、世界経済の減速懸念や相次ぐ自然災害が消費者マインドの重しとなり、個人消費は鈍い動きに終始し、消費者物価の上昇率も前年同月比1%前後での推移が続きました。また、米中貿易摩擦や中国経済減速の影響は、わが国の輸出や生産活動にも影響を及ぼしました。他方、訪日外国人の増加によるホテル建設需要等で全国基準地価が27年ぶりに上昇するなど、明るい動きもみられました

 国内の景気指標が斑模様となり、力強さに欠ける状況が続いたことから、日本銀行は金融緩和姿勢を維持しました。日本銀行が7月の金融政策決定会合で10年国債利回りの変動幅拡大を容認したことから、10年国債利回りは一時0.155%まで上昇する場面もありましたが、年度末にかけては再びマイナス圏へと沈み、年度を通しては概ね日本銀行が操作目標とするゼロ%近辺での横ばい推移となりました。

 このような環境のなか、日経平均株価は、年度当初は22,000~23,000円を中心としたレンジ相場が続きましたが、夏場以降は良好な米国経済を背景にドル円相場が1ドル=114円台まで円安ドル高が進行したことや、自民党総裁選を控えた政策期待などを受けて、10月初旬には24,448円と約27年ぶりの高値を付けました。しかし秋口以降、米中貿易摩擦の長期化などによる世界景気の減速懸念が意識されるなかで米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ継続姿勢を示したことが発端となり、米国市場が先導する形で主要国の株式市場は大きく下落し、日経平均株価も年末には一時19,000円を割り込む場面までありました。また、こうした株式市場の波乱を受けて、為替市場でもリスク回避の動きが強まり、年始の取引では一時1ドル=104円台、1ユーロ=118円台をつけるなど急激な円高進行に見舞われました。その後は年度末にかけて、3月末の交渉期限を控え混迷を深める英国のEU離脱問題への懸念がくすぶる反面、米国の利上げ停止観測や米中貿易交渉の進展期待などを受けて、主要国の株式市場は徐々に落ち着きを取り戻し、値を戻す展開となりました。日経平均株価も早々に2万円台を回復し、21,205円81銭まで上昇して年度末の取引を終えました。また為替市場でも、過度な円高水準を修正する動きとなり、年度末は1ドル=110円台後半、1ユーロ=124円台半ばで取引を終えました。

 こうした事業環境において、中核子会社の岡三証券株式会社では、店舗の移転リニューアルなど営業機能の強化による地域密着型の営業活動を展開したほか、ウェブサイトで投資セミナーの動画配信を開始するなど市況に即した投資情報の迅速な提供に努めました。一方、インターネット取引専業の岡三オンライン証券株式会社においては、AI技術を用いたご案内サービスや、取引データを基にしたお客さまごとのおすすめ銘柄情報の配信を開始するなど、お客さま向けサービスの向上を通じた営業基盤の拡大に努めました。また、岡三アセットマネジメント株式会社においては、運用パフォーマンス向上のため、経済環境分析や企業調査等に注力したほか、投資先企業の企業価値向上に資するため投資先との対話(エンゲージメント)や議決権行使に取り組む一方、業界初となるボンドコネクトを利用した「中国人民元ソブリンオープン」を設定するなど、お客さまの資産形成に資する商品の強化を図るとともに、機関投資家向けに私募投資信託、投資一任契約の提案を行い、運用資産の拡大に努めました

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ494億63百万円減少し4,257億円、負債合計は前連結会計年度末に比べ445億97百万円減少し2,505億16百万円、純資産合計は前連結会計年度末に比べ48億65百万円減少し1,751億83百万円となりました。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

b.経営成績

当連結会計年度における当社グループの営業収益は678億75百万円(前年度比82.9%)、純営業収益は668億4百万円(同82.7%)となりました。販売費・一般管理費は649億63百万円(同94.1%)となり、経常利益は29億1百万円(同22.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億53百万円(同14.6%)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 証券ビジネスの営業収益は598億72百万円(前年度比82.0%)、セグメント利益は7億46百万円(同6.2%)となりました。

 アセットマネジメントビジネスの営業収益は110億79百万円(前年度比89.5%)、セグメント利益は9億47百万円(同67.8%)となりました。

 サポートビジネスの営業収益は123億60百万円(前年度比100.5%)、セグメント利益は9億75百万円(前年度は8億46百万円の損失)となりました。

 上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれており、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年度末に比べ100億43百万円増加し、641億83百万円となりました。

 営業活動の結果獲得した資金は398億69百万円投資活動の結果使用した資金は51億41百万円、財務活動の結果使用した資金は248億80百万円となりました。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日における資産・負債及び連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積り及び仮定設定を行う必要があり、過去の実績やそれぞれの状況に応じて合理的と考えられる仮定設定に基づいて、継続して判断・評価及び見積りを行っております。

 なお、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。特に以下の重要な会計方針については、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な見積りに大きな影響を及ぼすことがあります。

a.貸倒引当金

 当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。従って、債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となることがあります。

b.投資有価証券(その他有価証券)の減損

 当社グループは、その他有価証券で時価のある株式については、連結決算日の時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、原則として減損処理を行い、30%以上50%未満下落した場合には、回復可能性があると認められるものを除き、減損処理を行っております。従って、将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、当連結会計年度末現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

c.退職給付債務

 退職給付債務及び退職給付費用の計算に用いる、割引率、退職率、死亡率、昇給率、長期期待運用収益率などは合理的に見積ることとされているため、見積数値と実績には差異が生じることとなります。この数理計算上の差異については、当社グループでは5年の定額法により処理することとしているため、翌期以降の業績に影響を与えることとなります。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ494億63百万円減少し4,257億円となりました。これは主に、現金・預金が113億79百万円増加した一方で、有価証券担保貸付金が249億7百万円、信用取引資産が190億48百万円、トレーディング商品が185億23百万円減少したことによるものであります。

(負債合計)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ445億97百万円減少し2,505億16百万円となりました。これは主に、預り金が19億79百万円増加した一方で、有価証券担保借入金が192億81百万円、短期借入金が163億1百万円、受入保証金が64億28百万円減少したことによるものであります。

(純資産合計)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ48億65百万円減少し1,751億83百万円となりました。これは主に、非支配株主持分が8億円増加した一方で、利益剰余金が40億58百万円、その他有価証券評価差額金が17億94百万円減少したことによるものです。

(トレーディング業務の概要)

当連結会計年度の年度末日時点のトレーディング商品の残高は以下のとおりであります。

 

2018年3月31日現在

(百万円)

2019年3月31日現在

(百万円)

資産の部のトレーディング商品

112,137

93,614

 

商品有価証券等

112,117

93,598

 

 

株式・ワラント

3,210

1,587

 

 

債券

105,856

88,011

 

 

CP及びCD

1,999

4,000

 

 

その他

1,051

 

デリバティブ取引

20

16

 

 

オプション取引

8

15

 

 

先物取引

12

0

負債の部のトレーディング商品

63,011

64,668

 

商品有価証券等

62,961

64.661

 

 

株式・ワラント

866

922

 

 

債券

60,094

59,730

 

 

CP及びCD

1,999

4,000

 

 

その他

8

 

デリバティブ取引

50

6

 

 

オプション取引

6

4

 

 

先物取引

43

2

 

 

2)経営成績

当連結会計年度における当社グループの営業収益は678億75百万円(前年度比82.9%)、純営業収益は668億4百万円(同82.7%)となりました。販売費・一般管理費は649億63百万円(同94.1%)となり、経常利益は29億1百万円(同22.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億53百万円(同14.6%)となりました。

 

受入手数料

受入手数料の合計は429億95百万円(前年度比81.5%)となりました。主な内訳は次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

(百万円)

入手数料

52,776

42,995

 

委託手数料

20,163

14,314

 

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

629

677

 

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

14,671

11,776

 

その他の受入手数料

17,312

16,227

 

委託手数料

当連結会計年度における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は18億49百万株(前年度比80.1%)、売買代金は3兆512億円(同95.0%)となりました。こうしたなか、株式委託手数料は139億4百万円(同70.4%)となりました。また、債券委託手数料は2百万円(同80.7%)、その他の委託手数料は4億8百万円(同100.3%)となり、委託手数料の合計は143億14百万円(同71.0%)となりました。

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

当連結会計年度における株式の引受けは、主幹事案件や大型の新規上場案件が手数料の増加に寄与しました。一方、債券の引受けは、事業債や地方債の主幹事を務めたほか、個人投資家向けの事業債などの引受けを積極的に行なったことにより、引受金額は増加しましたが手数料は減少しました。

これらの結果、株式の手数料は5億68百万円(前年度比110.9%)、債券の手数料は1億9百万円(同93.3%)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は6億77百万円(同107.7%)となりました。

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています

当連結会計年度における公募投資信託の販売は、年度後半にかけて市場に不透明感が広がるなか、配当や金利等のインカムを意識したファンドや、相対的に成長期待が強い中小型株式ファンドなど、不安定な相場への耐性がある商品の販売が増加しました。しかし全体では市況の影響は避けられず、販売額は前年度比で減少となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は117億76百万円(前年度比80.3%)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により162億27百万円(同93.7%)となりました。

 

トレーディング損益

 

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

(百万円)

レーディング損益

26,541

22,305

 

株券等トレーディング損益

18,529

12,880

 

債券等トレーディング損益

8,078

9,478

 

その他のトレーディング損益

△66

△53

 

株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。

当連結会計年度における外国株式は、秋口以降の不安定な市況環境を受け、国内店頭取引の売買が前年度比で減少した一方、外国債券は社会貢献債の取扱いなどが寄与し、販売額は増加しました

これらの結果、株券等トレーディング損益は128億80百万円(前年度比69.5%)、債券等トレーディング損益は94億78百万円(同117.3%)となり、その他のトレーディング損益53百万円の損失(前年度は66百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は223億5百万円(前年度比84.0%)となりました。

 

金融収支

金融収益は16億96百万円(前年度比97.2%)、金融費用は10億71百万円(同92.2%)となり、差引の金融収支は6億24百万円(同107.1%)となりました。

その他の営業収益

金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、8億78百万円(前年度比102.5%)となりました。

販売費・一般管理費

販売費・一般管理費は、人件費や取引関係費等の減少により、649億63百万円(前年度比94.1%)となりました。

営業外損益及び特別損益

営業外収益は12億34百万円、営業外費用は1億73百万円となりました。また、特別利益は1億42百万円、特別損失は1億38百万円となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年度末に比べ100億43百万円増加し、641億83百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、398億69百万円となりました。これは主に、トレーディング商品の増減215億22百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減198億60百万円による資金の獲得と、受入保証金の増減64億28百万円による資金の使用の差し引きによるものであります

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、51億41百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出24億2百万円、有価証券の取得による支出10億円、投資有価証券の取得による支出8億8百万円による資金の使用と投資有価証券の売却による収入6億22百万円による資金の獲得の差し引きによるものであります

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、248億80百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増減175億22百万円、配当金の支払額49億11百万円、長期借入金の返済による支出22億60百万円による資金の使用によるものであります

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループのコア事業であります証券ビジネスの営業収益は、株式、債券、金利、為替等の市況環境変動の影響を受けるため、当社グループの経営成績は連結会計年度毎に大きく変動する傾向にあります

 このため、当社といたしましては、グループ企業それぞれの事業の強みを全体で共有・活用し、多様化する資産運用ニーズに迅速かつ的確に対応できる体制の確立を目指すことにより、安定した成長を実現できる経営体質の構築に努めております

 

c.資金の財源及び資金の流動性

 当社グループのコア事業であります証券ビジネスの資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付及びトレーディングのロングポジションであり、逆に資金調達の主なものは信用取引売却代金の顧客からの借入及びトレーディングのショートポジションであります。これらは、市況環境の変動の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与えることとなります。なお、岡三証券株式会社では、安定的かつ機動的な財務運営のため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとしたコミットメントラインを総額210億円として更新いたしました

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、株主資本の効率的な活用が全てのステークホルダーの利益につながるものと考え、ROE(株主資本利益率)を、重要な指標と位置づけております。当連結会計年度におけるROEは、営業収益の減少により親会社株主に帰属する当期純利益が前年度比で減少したことから、0.6%(前年度比3.1ポイント低下)となりました。

 当社グループでは、会社成長とともに、長期安定的な目標としてROE 10%を目指し、取り組みを続けてまいります

 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

証券ビジネス

証券ビジネスにおいては、株式委託手数料や株券等トレーディング損益が減少し、当連結会計年度における証券ビジネスの営業収益は598億72百万円(前年度比82.0%)、セグメント利益は7億46百万円(同6.2%)となりました。

アセットマネジメントビジネス

アセットマネジメントビジネスにおいては、運用資産の拡大に努めましたが、公募株式投資信託の運用資産平均残高の減少により、当連結会計年度におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は110億79百万円(前年度比89.5%)、セグメント利益は9億47百万円(同67.8%)となりました

サポートビジネス

当連結会計年度におけるサポートビジネスの営業収益は123億60百万円(前年度比100.5%)、セグメント利益は9億75百万円(前年度は8億46百万円の損失)となりました。

 

上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれており、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

なお、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載の消費税等の課税取引額については、消費税等を含んでおりません。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。