文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、持株会社である当社と国内外の連結子会社により構成されるグループ経営を展開しており、証券ビジネス及びアセットマネジメントビジネスをコアとする資産運用サービスの提供を通じて持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社では、2023年4月の創業100周年を越えてお客さまから信頼され成長を続けられる体制を確立するため、ビジネスモデルの変革を加速しており、2020年4月にスタートした中期経営計画においては、お客さまニーズの多様化やビジネスチャンスの拡大に着実に対応するため、「お客さま本位のサービス提供」「シェアードバリューの創出」「デジタライゼーションへの取り組み」を基本方針に据え、リテールビジネスを中心に、法人ビジネス、アライアンスなど様々な領域から変革を進めております。
計画初年度なる当年度は、主にグループ中核企業の岡三証券株式会社において、お客さまとの接点拡充のための店舗戦略やチーム制営業、コンタクトセンター機能拡充のほか、スマホ・タブレットなどのデジタルツール活用、オンライントレードの刷新などの施策を実施し、お客さまの体験価値(カスタマー・エクスペリエンス=CX)向上に取り組みました。一方、アライアンスの強化等にも取り組み、当社において株式会社証券ジャパンの株式を追加取得して子会社化したほか、グループ各社において同業他社からの一部事業の譲受や口座の承継を実施いたしました。また、データ活用によるマーケティングやリモートワーク環境整備などのデジタライゼーションへの取り組みも推進いたしました。当社グループでは引き続き、中期経営計画に基づいたビジネスモデルの変革を進めてまいります。
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岡三証券グループ 中期経営計画 |
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(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、人々の価値観や行動様式は非連続的に大きく変容し、既存の秩序が根底から揺るがされています。特にデジタル化の流れは急速に進展しています。他方、近年は過度な短期利益の追求や格差拡大、環境問題等を背景に、従業員や顧客、社会等にも配慮した「ステークホルダー資本主義」が浸透し、中長期的な視点で価値創造を図る「サステナビリティ」の重要性が高まるなど潮流に変化を感じます。歴史的なパラダイムシフトの中で、格差や分断をより一層深刻化させた今回のコロナ禍は、まさに時代の変曲点の象徴であると捉えています。
わが国の証券ビジネスに目を転じると、個人金融資産は依然として現預金が過半を占め、「貯蓄から資産形成」への流れは緩やかです。しかしながら、老後資金不足問題や制度面の整備等を追い風に個人投資家のすそ野は拡大傾向にあり、特に若い世代では証券投資が新たなムーブメントとなりつつあります。将来的には新たな投資家、新たな資金が証券市場へ流入することが期待され、証券ビジネスは中長期的な時間軸では高い成長ポテンシャルを有していると考えています。手数料低下圧力や異業種からの新規参入等によりビジネスモデルの在り方が大きく変容する一方で、拡大成長の機会も広がっており、変化への対応力が求められています。
当社は現在遂行中の中期経営計画のもと、多様化するお客さまニーズに的確に応え、ビジネスチャンスを着実に捉えるため、様々な施策を進めています。今般、対面、非対面のそれぞれの分野で強みを持つ岡三証券株式会社と岡三オンライン証券株式会社を経営統合し、従来の概念を超えた新たなお客さまとの接点強化やサービスの拡充を図る方針です。また、本年3月に子会社化した株式会社証券ジャパンを核として成長拡大が見込まれるIFAビジネス等にも取り組んでまいります。
当社は、証券のプロフェッショナルとして、資産運用における「付加価値」をお客さまへお届けすることが社会的使命(ミッション)であり、社会のサステナビリティに貢献することが社会的存在価値(パーパス)であると考えています。2年後に迎える創業100周年を越えてお客さまから更に信頼され、成長を続けられる体制確立に向けた改革を加速し、企業価値の持続的な向上に努めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、いかなる環境下においても安定的な収益性を確保することが重要との考え方から、連結ROE 10%の安定的な達成を長期的な経営目標として掲げております。
証券業界を取り巻く環境は目まぐるしく変化していくなか、証券ビジネスを中核事業とする当社グループは環境の変化に対応するための戦略を実行する必要があります。そのため、リスク管理の果たす役割はますます重要となってきております。
このような環境下、当社グループではリスクアペタイトフレームワークの枠組みを構築し、当社グループが直面している経営環境及び経営方針に従った事業計画を実行する上で生じるリスクを識別、管理することが重要であると考えています。
そのため、グループの事業特性を考慮し、管理すべきリスクとしてリスクカテゴリを定めています。その上で、リスクカテゴリ内の各リスクを識別し、リスクを定量化した上で、事業計画達成のために進んで受け入れるべきリスクの種類と総量をリスクアペタイトとして表現し、定量化されたリスクがリスクアペタイトの範囲に収まるように管理を実施しております。なお、管理すべきリスクの種類及び管理方針は毎年見直しを行い、経営環境、事業戦略等の変化に応じて見直しを実施しています。
一方で、リスクのコントロールが困難であり、当社の業務遂行への影響度が大きいと思われる事案に対しては、別途、業務継続計画を定めて対応することとしております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであることから、実際の結果と異なる可能性があります。また、当該記載事項については、必ずしもリスク要因に該当しない場合もありますが、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性等を考慮し記載しております。
(1) 経営環境リスク
政治、経済環境、業界構造、競合企業、法規制、資本調達、株主構成、自然災害、テクノロジーの革新等の外部経営環境の変化によって当社グループが損失を被る可能性があります。
① 金融商品取引業の収益変動
当社グループの主要事業であります金融商品取引業は、日本国内のみならず世界各地の市況動向や経済動向により投資需要が変化し、顧客からの受入手数料、トレーディング損益等が大幅に変動しやすいという特性があり、これら国内外の金融商品市況の動向や金融商品取引所における取引の繁閑が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合企業
当社グループは対面営業を主力とする専業証券として、長年に亘り地域密着した営業活動により競争優位を築いてまいりましたが、近年の証券業界においては、同業他社に加えて銀行等の競合、異業種やフィンテック系スタートアップからの参入、及び業界再編などにより、今後も激しい競争環境が続くことが予想されます。このような状況下、当社グループの競争力の優位性が維持できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 法規制
当社グループは、その業務の種類に応じて、法令・諸規則の規制を受けております。岡三証券株式会社を始め国内で金融商品取引業を営む証券子会社等は、金融商品取引法の規制を受けるほか、各金融商品取引所、日本証券業協会等の自主規制機関による諸規則等の規制を受けます。また、海外の子会社については、現地法上の規制を受けます。
当社グループが受ける法令・諸規則の規制から引き起こされるリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」に基づく体制整備を行っております。
しかし、将来において、法的規制が強化されたり、現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があり、関連法令を遵守できなかった場合、規制、命令により業務改善や業務停止の処分を受けるなど、事業活動が制限され当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 経営戦略リスク
当社グループは、2020年3月に新中期経営計画を発表し、「お客さま大事の経営」の経営哲学の下、お客さまニーズに合わせた営業体制の再構築、 グループリソースを共用化できるプラットフォームの構築、テクノロジーの活用によるサービス革新・新たな価値の提供を企図して、各種の施策を推進しています。
将来これらの施策が計画通りに進行しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事務リスク
事務処理のプロセスが正常に機能しないこと、役職員の行動が不適切であること、又は災害・犯罪等の外部的事象の発生により、当社グループに対する損害賠償請求や信用力の低下等のリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」に基づく体制整備を行っています。
しかし全ての事象に対応することは不可能であるため当社の想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 資金流動性リスク
当社グループの主要な事業であります金融商品取引業においては、事業の特性上、業務執行に必要となる大量の資金を機動的かつ安定的に調達する必要があります。財政状態の悪化、資産の流動性悪化、信用格付低下等の要因により短期金融市場・資本市場等からの資金調達が困難となる、あるいは資金調達コストが上昇するなど流動性リスクの顕在化に迅速に対応するため、早期警戒制度に沿った市場変動調査を実施することで、相場急変時の影響をモニタリングしております。
しかし、予想を超えた量の資金流出や急激な信用格付低下といった当社の想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) システムリスク
当社グループの業務執行に際しては、コンピュータ・システムの利用は不可欠なものとなっております。そのため、インターネット取引や当社グループが業務上使用しているコンピュータ・システムや回線が品質不良、外部からの不正アクセス、災害や停電等の諸要因によって引き起こされるリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」に基づく体制整備を行っております。
当社グループの証券基幹システムについて、今後大規模なシステム投資を予定しております。当該基幹システムのリプレース計画に支障をきたす事象や状況が生じた場合、証券事業の停止やサービス品質の低下等を招き、当社グループの信頼を大きく損なう可能性もあります。
(6) 情報セキュリティリスク
コンピュータ・システムの不正利用等による顧客及び役職員の個人情報、経営情報等の機密情報の漏洩等、引き起こすリスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」に基づく体制整備を行っております。
顧客情報の流出や個人情報の漏洩等が生じた場合、損害賠償の請求や、監督官庁から行政処分を受ける可能性があるほか、当社グループの社会的信用が棄損され顧客の流出につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 風評リスク
当社グループに対する噂、悪評、信用不安情報や誤解、誤認、誇大解釈等が、マスコミ、その他社会一般等に広がることにより、当社の評価、評判が低下し、当社の業績に悪影響が生じる等の損失を被る可能性があります。
(8) 災害リスク
自然災害の発生や病原性感染症の拡大等に備えて、「業務継続計画(BCP)の策定」及び「危機対策本部の設置」によるリスク管理体制を構築しておりますが、当社の想定を超える不測の事態が発生する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 労務リスク
従業員の「就業規則」等の諸規則違反、職場の安全衛生環境の問題及び労務慣行の問題に起因して当社が損失を被る可能性並びに役職員の不法行為により使用者責任を問われ、当社が損失を被る可能性があります。
(10) 経営法務リスク
法令等や各種取引上の契約等において、法令遵守違反や契約違反その他これらに伴う罰則の適用や損害賠償等の発生により、当社が損失を被る可能性があります。これらの経営法務リスクについてはグループ各社が個別に管理しており、リスクを網羅的に把握するとともに、管理の適正性をモニタリングすることによって、リスクを適正に管理できるよう、「統合リスク管理規程」に基づく体制整備を行っております。
当連結会計年度末現在において当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 市場・取引先リスク、市場流動性リスク
当社グループでは、自己の計算において株式・債券・為替等及びそれらの派生商品などの金融資産を保有しておりますが、急激な市況変動・金利変動等によりこれらの金融資産の価値が変動した場合、取引先が決済を含む債務不履行に陥り保有する有価証券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合、加えて、市場の混乱等により市場において取引が出来なかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより当社グループが損失を被る場合等、元本の毀損や利払いの遅延等による損失に対応するため、リスク相当額の限度額を定め、日々モニタリングしています。
しかし、予想を超えた急激な市況変動・金利変動といった当社の想定を超える不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
わが国経済は、当初は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大きく落ち込みましたが、その後は金融・財政政策の効果もあって総じて持ち直しの動きとなりました。ただ、生産や輸出では、前年比のマイナス幅を縮小したものの世界的な半導体不足の影響などもあり力強さに欠ける状況となりました。また、個人消費も、スーパー販売額は在宅時間の増加を受けて好調となったものの、百貨店販売は不振が続くなど、回復の強弱はまちまちの様相となりました。
こうした環境のなか株式相場は、年度を通じて上昇基調となりました。新型コロナウイルス感染症拡大による先行き不透明感から4月上旬に18,000円前後で推移していた日経平均株価は、各国政府による財政出動や主要中央銀行による大規模な金融緩和策などに支えられ、4月末には2万円台を回復しました。その後、夏場を挟んで膠着状態が続いたものの、一部主要国における経済活動再開や菅新政権への期待、11月の米大統領選挙通過などを受けて一段高の展開となりました。また、年明けには米国で議会勢力が確定し、大規模な財政出動への期待が高まったことを受けて、世界各国の株式市場で高値更新が相次ぎました。日経平均株価も2月に約30年ぶりの高値となる30,714円52銭を記録し、29,178円80銭で当年度の取引を終えました。
一方、為替市場では、米国で強力な金融緩和政策が実施され、日米の金利差の縮小が進んだことで円高ドル安基調となり、年明けには一時1ドル=102円台をつけました。ただし、その後は米国におけるワクチン接種の進展や大規模なインフラ投資計画の発表を受けて景気の急回復期待が高まり、米長期金利の上昇により日米の金利差が拡大したため円安ドル高が一気に進み、1ドル=110円台で当年度の取引を終えました。
このような状況のもと当社グループ各社においては、新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなか、お客さまならびに社員の健康・安全を確保しつつ営業活動を行いました。
中核子会社の岡三証券株式会社では、2020年4月にスタートした新中期経営計画に基づき「お客さま本位のサービス提供」に努めました。お客さまとの接点拡充のための店舗戦略やチーム制営業、スマホ・タブレットなどのデジタルツール活用、オンライントレードの刷新、コンタクトセンター機能の拡充などの施策により、お客さまの体験価値(カスタマー・エクスペリエンス=CX)向上に取り組みました。一方、インターネット取引を主体とする岡三オンライン証券株式会社では、11月に日本株手数料を大幅に改定し、日本株の1日の約定代金合計200万円までを無料としたほか、取引所FX・CFDの営業基盤拡充に努めた結果、個人投資家の取引の活発化などを背景に、稼働口座数は過去最高を記録しました。なお、同社については、本年10月をめどに岡三証券株式会社との経営統合を行うことを決定いたしました。また、岡三アセットマネジメント株式会社においては、経済環境分析やリサーチ強化で運用パフォーマンス向上を図るとともに、販売会社を通じてお客さまへ分かりやすくタイムリーな情報提供を行い、運用資産の拡大に努めました。商品としては、新規設定した「PIMCOダイナミック・マルチアセット戦略ファンド(資産成長型)/(年2回決算型)(愛称:世界のマイスター)」や「ワールド・リート・セレクション(アジア)」などの公募投信において純資産残高が増加しました。
さらに、アライアンス拡大などにも注力いたしました。3月には株式会社証券ジャパンの株式を追加取得し、同社を子会社化いたしました。また、岡三にいがた証券株式会社において日産証券株式会社の新潟県内店舗に係る一部事業譲受を実施したほか、岡三オンライン証券株式会社においても同業他社からの取引所CFD口座の承継を実施いたしました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ3,429億86百万円増加し7,834億40百万円、負債合計は前連結会計年度末に比べ3,171億30百万円増加し5,931億36百万円、純資産合計は前連結会計年度末に比べ258億56百万円増加し1,903億4百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における当社グループの営業収益は672億59百万円(前年度比103.4%)、純営業収益は661億9百万円(同103.2%)となりました。販売費・一般管理費は610億2百万円(同98.4%)となり、経常利益は74億26百万円(同135.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は60億17百万円(同165.9%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
証券ビジネスの営業収益は607億72百万円(前年度比105.5%)、セグメント利益は43億27百万円(同564.5%)となりました。
アセットマネジメントビジネスの営業収益は91億12百万円(前年度比88.6%)、セグメント利益は4億73百万円(同57.8%)となりました。
サポートビジネスの営業収益は128億55百万円(前年度比101.9%)、セグメント利益は13億97百万円(同118.5%)となりました。
上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれており、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年度末に比べ12億49百万円減少し、625億17百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、409億41百万円となりました。これは主に、トレーディング商品の増減890億15百万円、預り金の増減169億31百万円による資金の獲得と、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減1,450億円による資金の使用の差し引きによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、37億17百万円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出20億88百万円、無形固定資産の取得による支出20億50百万円による資金の使用によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、426億4百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増減による449億69百万円の資金の獲得と、配当金の支払額19億75百万円による資金の使用の差し引きによるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,429億86百万円増加し7,834億40百万円となりました。これは主に、有価証券担保貸付金が1,911億39百万円、トレーディング商品が890億45百万円、信用取引資産が314億96百万円増加したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,171億30百万円増加し5,931億36百万円となりました。これは主に、トレーディング商品が902億51百万円、約定見返勘定が877億69百万円、有価証券担保借入金が468億21百万円、短期借入金が463億82百万円、預り金が274億14百万円増加したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ258億56百万円増加し1,903億4百万円となりました。これは主に、非支配株主持分が136億74百万円、その他有価証券評価差額金が67億47百万円、利益剰余金が40億40百万円増加したことによるものであります。
(トレーディング業務の概要)
当連結会計年度の年度末日時点のトレーディング商品の残高は以下のとおりであります。
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2020年3月31日現在 (百万円) |
2021年3月31日現在 (百万円) |
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資産の部のトレーディング商品 |
123,273 |
212,318 |
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|
商品有価証券等 |
123,057 |
212,312 |
|
|
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株式・ワラント |
694 |
3,343 |
|
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|
債券 |
99,381 |
208,969 |
|
|
|
CP及びCD |
22,981 |
- |
|
|
|
その他 |
- |
- |
|
|
デリバティブ取引 |
215 |
6 |
|
|
|
|
オプション取引 |
165 |
5 |
|
|
|
先物取引 |
49 |
0 |
|
負債の部のトレーディング商品 |
67,341 |
157,593 |
||
|
|
商品有価証券等 |
67,184 |
157,560 |
|
|
|
|
株式・ワラント |
848 |
1,417 |
|
|
|
債券 |
43,354 |
156,143 |
|
|
|
CP及びCD |
22,981 |
- |
|
|
|
その他 |
- |
- |
|
|
デリバティブ取引 |
157 |
32 |
|
|
|
|
オプション取引 |
154 |
5 |
|
|
|
先物取引 |
2 |
27 |
2)経営成績
当連結会計年度における当社グループの営業収益は672億59百万円(前年度比103.4%)、純営業収益は661億9百万円(同103.2%)となりました。販売費・一般管理費は610億2百万円(同98.4%)となり、経常利益は74億26百万円(同135.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は60億17百万円(同165.9%)となりました。
受入手数料
受入手数料の合計は438億50百万円(前年度比110.4%)となりました。主な内訳は次のとおりです。
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前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (百万円) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (百万円) |
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受 |
入手数料 |
39,732 |
43,850 |
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委託手数料 |
14,933 |
22,576 |
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引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 |
384 |
434 |
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募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料 |
9,738 |
6,937 |
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その他の受入手数料 |
14,676 |
13,902 |
委託手数料
当連結会計年度における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は18億97百万株(前年度比110.9%)、売買代金は3兆1,293億円(同112.4%)となりました。こうしたなか、中核子会社である岡三証券株式会社においては、国内株式、外国株式ともに委託売買代金が前年度比で増加しました。
これらの結果、株式委託手数料は218億94百万円(同152.7%)となりました。また、債券委託手数料は11百万円(同77.5倍)、その他の委託手数料は6億70百万円(同112.4%)となり、委託手数料の合計は225億76百万円(同151.2%)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
当連結会計年度における株式の引受けは、主幹事案件や大型案件の引受けにより前年度比で引受金額が増加しました。一方、債券の引受けは、個人投資家向け社債の大型案件の引受けが減少したことなどから、事業債の引受金額が減少しました。
これらの結果、株式の手数料は2億74百万円(前年度比181.1%)、債券の手数料は1億59百万円(同68.5%)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は4億34百万円(同112.9%)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。
当連結会計年度における公募投資信託の販売額は、年度後半は好調な市況を追い風に回復基調となったものの、前年度との比較では新型コロナウイルス感染症拡大による先行き不透明感などから減少となりました。Withコロナ下において成長期待が高まったテクノロジーやヘルスケアに投資するファンドや、リスクの抑制・分散が期待できるバランス型ファンドなどの販売額が増加した一方、高配当株式や外国債券など相対的に高いインカムが期待できる商品を投資対象とするファンドを中心に販売額が減少しました。
これらの結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は69億37百万円(前年度比71.2%)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により139億2百万円(同94.7%)となりました。
トレーディング損益
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前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (百万円) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (百万円) |
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ト |
レーディング損益 |
22,696 |
20,767 |
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株券等トレーディング損益 |
10,507 |
13,125 |
|
|
債券等トレーディング損益 |
12,006 |
7,882 |
|
|
その他のトレーディング損益 |
182 |
△240 |
株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。
当連結会計年度においては、外国株式は国内店頭取引の売買が前年度比で増加した一方、外国債券は個人向けESG債の販売が好調だった前年度と比較して販売額は減少しました。
これらの結果、株券等トレーディング損益は131億25百万円(前年度比124.9%)、債券等トレーディング損益は78億82百万円(同65.7%)となり、その他のトレーディング損益2億40百万円の損失(前年度は1億82百万円の利益)を含めたトレーディング損益の合計は207億67百万円(前年度比91.5%)となりました。
金融収支
金融収益は17億23百万円(前年度比101.2%)、金融費用は11億50百万円(同116.7%)となり、差引の金融収支は5億72百万円(同79.9%)となりました。
その他の営業収益
金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、9億18百万円(前年度比101.2%)となりました。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、取引関係費や人件費の減少等により、610億2百万円(前年度比98.4%)となりました。
営業外損益及び特別損益
営業外収益は受取配当金や持分法による投資利益の計上等により24億99百万円、営業外費用は1億78百万円となりました。また、特別利益は負ののれん発生益の計上等により72億20百万円、特別損失は段階取得に係る差損や減損損失の計上等により64億73百万円となりました。
3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループのコア事業であります証券ビジネスの営業収益は、株式、債券、金利、為替等の市況環境変動の影響を受けるため、当社グループの経営成績は連結会計年度毎に大きく変動する傾向にあります。
このため、当社といたしましては、グループ企業それぞれの事業の強みを全体で共有・活用し、多様化する資産運用ニーズに迅速かつ的確に対応できる体制の確立を目指すことにより、安定した成長を実現できる経営体質の構築に努めております。
4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、株主資本の効率的な活用が全てのステークホルダーの利益につながるものと考え、ROE(株主資本利益率)を、重要な指標と位置づけております。当連結会計年度におけるROEは、営業収益が増加したことに加え、販売費・一般管理費の減少や営業外収益、特別利益の計上等により親会社株主に帰属する当期純利益が前年度比で増加したことから、3.7%(前年度比1.3ポイント上昇)となりました。
当社グループでは、会社成長とともに、長期安定的な目標としてROE10%を目指し、取り組みを続けてまいります。
5)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
証券ビジネス
証券ビジネスにおいては、株式委託手数料や株券等トレーディング損益が増加した一方、主に外国債券に係るトレーディング損益や投資信託販売に係る収益が減少し、当年度における証券ビジネスの営業収益は607億72百万円(前年度比105.5%)、セグメント利益は43億27百万円(同564.5%)となりました。
アセットマネジメントビジネス
アセットマネジメントビジネスにおいては、運用資産の拡大に努めましたが、運用資産平均残高の減少により、当年度におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は91億12百万円(前年度比88.6%)、セグメント利益は4億73百万円(同57.8%)となりました。
サポートビジネス
当年度におけるサポートビジネスの営業収益は128億55百万円(前年度比101.9%)、セグメント利益は13億97百万円(同118.5%)となりました。
上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれており、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
なお、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載の消費税等の課税取引額については、消費税等を含んでおりません。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資本の流動性につきましては、次の通りです。
当社グループのコア事業であります証券ビジネスの資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付及びトレーディングのロングポジションであり、逆に資金調達の主なものは金融機関借入、コールマネー、信用取引売却代金の顧客からの借入及びトレーディングのショートポジションであります。これらは、市況環境の変動の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与えることとなります。なお、岡三証券株式会社では、安定的かつ機動的な財務運営のため、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとしたコミットメントラインを総額210億円として更新いたしました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。