当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
<市場環境等>
当中間連結会計期間におけるわが国経済はやや弱めで推移しました。企業収益は、相互関税が一部の業種を下押ししたものの、高水準を維持しました。設備投資は、省人化・省力化投資などを継続するため、概ね過去平均並みの計画が維持されました。一方、コメ価格の上昇などを背景に、全国消費者物価指数(生鮮食品除く総合指数、コアCPI)は日銀の目標である2%を大幅に上回って推移し、実質賃金がマイナスとなるなかで、個人消費は弱めの状況が続きました。
こうした環境のなか、日経平均株価は、米政権の相互関税政策発表を受け、4月に一時31,000円を下回る水準まで急落しましたが、関税措置の90日間停止が発表されると、値を戻す展開となりました。その後は、国内主要企業の軟調な期初ガイダンスや中東情勢の緊迫化が重石となる場面がありましたが、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測の高まりなどから堅調に推移しました。7月以降は、日米関税合意や米国のハイテク株高、石破首相の辞意表明を受けた次期政権への政策期待から史上最高値を更新する場面も見られ、日経平均株価は44,932円63銭で9月の取引を終えました。
債券市場では、10年物国債利回りは4月初旬に1.5%程度から1.1%台まで急低下したものの、その後は米中の関税引き下げ合意や低調な入札などから再び1.5%台まで上昇する場面がありました。7月は日米の関税合意を受けた利上げ観測や財政悪化懸念が浮上しましたが、8月には米雇用統計の下振れを受けて日米ともに一時的に金利は低下しました。その後は、米財務長官による発言や日銀のタカ派的姿勢から早期利上げ観測が高まり、10年物国債利回りは1.645%で9月の取引を終えました。
為替市場では、4月に一時1ドル=139円台まで円高ドル安が進行しましたが、その後は、米英の貿易協定締結 や米中の関税引き下げ合意などを背景に一時148円台まで円安ドル高が進みました。7月末には、追加関税を受けた米国における物価上昇懸念により、一時150円台をつける場面がありましたが、8月初旬に米雇用統計が下方修正され、円相場は対ドルで146円台まで上昇しました。9月は良好な米経済指標の発表が相次いだ一方、日銀による年内利上げ観測の高まりや米政府閉鎖懸念から一進一退の展開となり、1ドル=147円台後半で取引を終えました。
このような状況のもと当社グループでは、中期経営計画に掲げる成長戦略に基づき、持続的な成長を実現するための経営基盤の確立に取り組みました。証券会社の金融商品仲介業者転換を支援する証券プラットフォーム事業の取り組みとして、当社子会社の三縁証券株式会社において国内最大規模となる転換を実施したほか、プラットフォームの高度化に向け、情報処理サービス業を行う子会社と事務代行業を行う子会社が経営統合し、岡三ビジネス&テクノロジー株式会社として始動しました。また、岡三BANKや岡三UBSファンドラップをはじめとする各種ソリューションを活用した資産管理型ビジネスの推進により、ストック型収益の拡大に努めたほか、中核子会社の岡三証券株式会社において、機構改革を実施し、富裕層ビジネス及び地域密着型営業体制のさらなる強化を図りました。株式会社証券ジャパンにおいては、山形證券株式会社を子会社化し、グループとして東北地方での地域展開を拡大しました。
当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ917億94百万円増加し1兆4,715億33百万円となりました。これは主に、現金・預金が489億45百万円、有価証券担保貸付金が422億35百万円、約定見返勘定が416億76百万円、預託金が373億86百万円増加した一方で、トレーディング商品が861億53百万円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ889億23百万円増加し1兆2,604億28百万円となりました。これは主に、預り金が751億82百万円、トレーディング商品が470億47百万円増加した一方で、短期借入金が539億89百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ28億71百万円増加し2,111億4百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が41億44百万円増加した一方で、自己株式が11億円減少したことによるものであります。
当中間連結会計期間における当社グループの営業収益は430億57百万円(前年同期比3.8%増)、純営業収益は413億1百万円(同1.7%増)となりました。販売費・一般管理費は349億68百万円(同4.7%増)となり、経常利益は79億28百万円(同9.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は62億円(同7.2%減)となりました。
受入手数料
受入手数料の合計は274億82百万円(前年同期比7.1%増)となりました。主な内訳は次のとおりです。
委託手数料
当中間連結会計期間における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は31億2百万株(前年同期比17.7%増)、売買代金は5兆9,491億円(同11.3%増)となりました。こうしたなか、中核子会社である岡三証券株式会社においては、国内株式、外国株式ともに委託売買代金が前年同期比で増加しました。
これらの結果、株式委託手数料は122億70百万円(同7.0%増)となり、委託手数料の合計は125億54百万円(同6.6%増)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
当中間連結会計期間においては、前年同期に2件の新規上場案件で主幹事を務めた反動により、新規公開株式の引受金額は減少しました。一方、地方債の主幹事案件数の大幅な増加により、債券の引受金額は増加しました。
これらの結果、株式の手数料は1億92百万円(前年同期比12.8%減)、債券の手数料は5億99百万円(同14.3%増)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は7億92百万円(同6.3%増)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。
当中間連結会計期間における公募投資信託の販売額は、前年同期比で増加しました。AI関連企業や電力関連企業に投資するファンドが販売を牽引したほか、高配当株式に投資するファンドへの資金流入も販売額を押し上げました。
これらの結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は72億81百万円(前年同期比1.5%増)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により68億55百万円(同14.9%増)となりました。
トレーディング損益
株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引等によるものであり、また債券等トレーディング損益は国内外債券の顧客向け取扱いやポジション管理等に伴うものであります。
当中間連結会計期間においては、外国株式に係るトレーディング損益は前年同期比で微減となった一方、国内株式に係るトレーディング損益は増加しました。また、国内金利上昇等の影響を受け、国内債券に係るトレーディング損益は損失を計上しました。
これらの結果、株券等トレーディング損益は102億13百万円(前年同期比0.2%増)、債券等トレーディング損益は1億37百万円の損失(前年同期は21億96百万円の利益)となり、その他のトレーディング損益3億15百万円(前年同期比40.3%減)を含めたトレーディング損益の合計は103億91百万円(同19.5%減)となりました。
金融収支
国内金利上昇等の要因により、金融収益は42億87百万円(前年同期比105.2%増)、金融費用は17億55百万円(同97.8%増)となり、差引の金融収支は25億31百万円(同110.7%増)となりました。
その他の営業収益
金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、8億95百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、人件費や取引関係費の増加等により、349億68百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
営業外損益及び特別損益
営業外収益は18億24百万円、営業外費用は2億28百万円となりました。また、特別利益は投資有価証券売却益の計上等により10億72百万円、特別損失は関係会社株式売却損の計上等により10億77百万円となりました。
なお、当社グループは、「投資・金融サービス業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
当中間連結会計期間の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ487億30百万円増加し、当中間連結会計間末には934億75百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、1,101億59百万円(前年同期は158億56百万円の資金の獲得)となりました。
これは主に、預り金の増減751億91百万円、トレーディング商品の増減680億77百万円、受入保証金の増減102億28百万円による資金の獲得と、顧客分別金信託の増減373億80百万円、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減188億56百万円の資金の使用との差し引きによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、20億22百万円(前年同期は22億15百万円の資金の獲得)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入13億44百万円による資金の獲得と、有価証券の取得による支出25億円、有形固定資産の取得による支出8億20百万円による資金の使用との差し引きによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、599億34百万円(前年同期は308億8百万円の資金の使用)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入30億円による資金の獲得と、短期借入金の純増減542億17百万円、配当金の支払額60億15百万円、自己株式の取得による支出15億円による資金の使用との差し引きによるものであります。
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、重要な契約等の決定又は締結等はありません。