文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、安定的に収益をあげるための収益基盤の拡大に努めるとともに、下記の(1)目標とする経営指標に記載しております第五次中期経営計画の計数目標及び(2)中長期的な会社の経営戦略に記載しております定性目標の達成を目指し、経営ビジョンの実現に向けて取り組んでまいります。
当社は後述の中長期経営戦略「経営ビジョン」及び「第五次中期経営計画」において、以下の 経営指標及び計数目標を掲げております。
経営ビジョン及び第五次中期経営計画(計数指標)
※ストック収入による販管費カバー率:投資信託の代行手数料とファンドラップ手数料の合計を
販売費・一般管理費で除した比率であり、費用を安定収益でどれだけカバー出来ているかを示す
ものです。
なお、第四次中期経営計画の計数目標の一つであったROEについては、証券業は市況により業績が大きく変動する業種であり、その中で常に一定のROEを求めることは「お客さま本位の業務運営を実現するための方針」に掲げる「お客さまの最善の利益の追求」に悪影響を及ぼすことも想定され、長期的に見て当社の株主価値を毀損しかねないと判断することから、第五次中期経営計画においては設定しないこととしました。また、ファンドラップ預り資産については経営ビジョン設定時の1,000億円から1,300億円へ修正しました。
<経営ビジョン>
当社は2015年3月に中長期経営戦略「経営ビジョン」(対象期間2015年4月~2022年3月)を策定しました。これは、2021年に到来する創業100周年に向けて当社のあるべき姿を明確化し、次の100年の礎とするために、経営理念を具体化したものであり、中期経営計画の指針となるものです。
当社はこのビジョンをお客さま、株主さま、社員、地域社会の皆さまなど多くのステークホルダーに示し、中長期的に自らの企業価値を高めていくことを通して、社会の中でかけがえのない存在となることを目指してまいります。
経営ビジョンの根幹となる4つのあるべき姿は以下のとおりです。
上記の経営ビジョンを達成するために、以下の7つの基本戦略を策定しました。
<7つの基本戦略>
・資産運用アドバイザーの実践
・ビジネス倫理・法令遵守の徹底
・全社員のスキルアップ
・多様な働き方に応じた人事・評価制度
・収益基盤の拡充および業務効率化・コストの見直し
・地域貢献への取組み
・戦略的な店舗展開
なお、7つの基本戦略の一つであった「収益基盤の拡充」については、本社各部署も営業員の時間創出や販管費の削減に寄与するよう「収益基盤の拡充および業務効率化・コストの見直し」へ修正しました。
<第五次中期経営計画>
当社は第四次中期経営計画の課題の達成及び「経営ビジョン」の実現に向けて、第五次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)を策定しました。その具体策は上記7つの基本戦略に紐づいており、主要な施策の概要は以下のとおりです。
①お客さま本位の業務運営の徹底を趣旨とした「行動スタイルの変革」を引き続き推進する。
②ファンドラップもしくは安定性重視の投資信託をお客さまのポートフォリオの中心に据えるコア・サテライト戦略により、お客さまの資産形成に寄与する。
③営業員のマーケット対応力の強化によって、お客さまへのフォローの質や市況変動時のアドバイス力などを高め、お客さまの最善の利益を追求する。
④お客さまとの接触時間の増大のために営業サポート業務を新設し、更なる営業員の時間創出と業務の効率化を図る。
当社の第四次中期経営計画(2016年4月~2019年3月)は当事業年度で終了しました。
第四次中期経営計画の3年目である2018年度の実績は以下の通りです。
(計数目標)
※ストック収入による販管費カバー率:投資信託の代行手数料とファンドラップ手数料の合計を販売費・一般管理費で除した比率であり、費用を安定収益でどれだけカバー出来ているかを示すものです。
① ROEについては、10月以降の国内外の市況悪化が影響し、株式委託手数料や米国株式を中心としたトレーディング収益、投資信託の募集・売出手数料が減少したことから0.5%となり、目標とする3年間平均の数値(8%)に届きませんでした。
② 販管費カバー率については、ストック収入であるその他の受入手数料がファンドラップの残高増加に応じて増加する一方で、賞与などの人件費の減少により販売費・一般管理費が減少したことから25.9%となり、2018年度の目標(25%以上)を達成しました。
③ ファンドラップ預り資産については、着実な積み上げが奏功し、2019年3月末の預り資産は889億円と前事業年度末預り資産(716億円)と比較して172億円(+24.1%)の増加となり、2018年度の目標(870億円)を達成しました。
(定性目標)
指針となる経営ビジョンとして掲げる4つのビジョンについての成果等
(その他の課題)
今後も当社は経営理念に掲げるお客さまにベストを尽くすことや、「お客さま本位の業務運営を 実現するための方針」の実践等により、経営ビジョンに掲げる「お客さまからの信頼度No.1の会社」を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項は以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 収益変動リスク
当社の主要な収益源である受入手数料及びトレーディング損益は、株式市況や為替市況の変動に大きく影響を受けます。このため、企業業績や国内外の政治・経済情勢の悪化等により市場が低迷した場合、当社の業績は大幅に変動する可能性があります。
(2) 事務リスク
当社では、社内規程やマニュアルに則り正確な事務処理を行うよう体制を整備しておりますが、役職員の故意、過失又は事故などにより正確な事務処理が執行されなかった場合、経済的損失の発生や社会的信用が失墜する可能性があります。特に誤発注に関しては、未然防止のため管理者及びシステムによるチェック体制を整備しておりますが、万一誤ったデータが取引所に送信された場合、損失を被る可能性があります。
(3) 市場リスク
当社は、自己の計算において国内外の有価証券を保有しております。リスク管理においては、市況の変動や財務の健全性を勘案してリスク限度枠や損失限度額を設定し、管理しておりますが、政治・経済情勢等の急変等により相場の急激な変動があった場合、損失を被る可能性があります。
(4) 資産価値の下落に係るリスク
当社は、事業運営のため土地建物等の有形固定資産、コンピュータソフトウェア等の無形固定資産、有価証券等の資産を保有しております。これらについて時価の下落、収益性の低下、陳腐化などが生じた場合、損失が発生する可能性があります。
(5) 流動性リスク
当社の事業運営資金は、主に自己資金と金融機関からの借入によっておりますが、当社の財政状態について信用不安等が広がった場合、資金調達コストが著しく上昇し、あるいは資金調達が困難になり事業運営が制約される可能性があります。
(6) 取引先リスク
当社の保有する金銭債権や預金などの資産は、相手先が資金繰りの悪化などにより債務不履行に陥った場合、回収不能となり損失が発生する可能性があります。
(7) システムリスク
当社の業務上使用するコンピュータシステムに、品質不良、回線トラブル、外部からの不正アクセス、災害などにより障害が発生した場合、緊急時の業務執行体制を整備しておりますが、障害の規模・状況によっては取引の縮小や中断を余儀なくされる可能性があります。
(8) 情報セキュリティに係るリスク
当社は、お客さま情報の管理について万全を期しておりますが、不正な手段や過失等により、万一情報が外部に漏洩した場合、賠償金の発生や社会的信用が失墜する可能性があります。
(9) 法令・諸規則等に係るリスク
当社は、金融商品取引業者として多くの法令・諸規則のもとに業務を遂行しておりますが、規制が強化又は緩和された場合、既存業務に対する制約や競争の激化により、収益が低下する可能性があります。また、「金融商品取引法」に基づき、自己資本規制比率を算出しておりますが、数値が定められた水準を下回った場合、業務停止等を命じられる可能性があります。
(10) 法務リスク
当社は、金融商品取引法、その他法令・諸規則等を遵守し業務を遂行しておりますが、役職員の故意又は過失により法令違反が発生した場合、行政処分等を受け社会的信用が失墜し、取引の減少を招く可能性があります。また、お客さまや取引先等との間で紛争が生じた場合、提訴される可能性があります。なお、現在、当社の業績に大きな影響を与える訴訟はありません。
(11) 災害等に関するリスク
当社は、緊急時の業務継続体制を整備しておりますが、大規模災害等の発生により当社営業基盤の地域に重大な影響が及んだ場合、事業運営が制約される可能性があります。
(1)業績等の概要
当事業年度のわが国経済は概ね堅調に推移したものの、豪雨や地震など相次ぐ天災による下押しに加え、米中貿易摩擦問題の長期化、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る迷走などが足を引っ張る状況となりました。わが国の実質国内総生産(GDP)は7-9月期の天災による下押し分を10-12月期にほぼ取り戻したものの、消費動向調査や景気動向指数等の経済指標は秋から下落傾向となりました。また日本銀行の生活意識に関するアンケート調査(12月調査)によると、景況感D.I.や現状の景気水準の判断は悪化しており、さらに内閣府も3月の月例経済報告で景気の基調判断に関する表現を一部弱めるなど、日本経済は先行き不透明感が強まる状況となりました。
世界経済については、欧州(ユーロ圏19カ国)の景況感悪化が続いており、中国や米国の経済指標も鈍化傾向となりました。秋以降、国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)をはじめ、欧州委員会(EC)、欧州中央銀行(ECB)、連邦準備制度理事会(FRB)などが、世界経済や自国(地域)経済の見通しを軒並み下方修正しました。また、景気鈍化を受け、連邦準備制度理事会(FRB)は3月の会合で2019年内の利上げを見送る姿勢を表明しました。
こうした中、当事業年度の国内株式市場は、秋口まで堅調に推移したものの、年末にかけて急落し、年明け以降は持ち直す動きとなりました。米中貿易摩擦問題で中国が対抗措置を打ち出すなど解決の糸口が掴めずリスク資産投資が抑制される中、日本企業の良好な業績期待を背景に日経平均株価は2018年10月2日に1991年11月以来の高値まで上昇しました。年末にかけて中国ハイテク企業に対する米国及び日本を含む同盟国からの締め出し方針や米中両国の経済指標悪化などが嫌気され、世界的な株価調整に巻き込まれたものの、年明け後は中国政府の景気対策や米中対立の緩和期待などで落ち着きを取り戻しました。その結果、当事業年度末の日経平均株価は2018年3月末と比べ1.2%安い21,205円81銭で取引を終えました。
このような状況の中、当事業年度の業績は、営業収益が115億33百万円(前期比 71.4%)と減少し、営業収益より金融費用67百万円(同 94.7%)を控除した純営業収益は、114億65百万円(同 71.3%)と減少しました。また、販売費・一般管理費は120億73百万円(同 92.0%)となり、その結果、営業損失は6億8百万円(前事業年度実績 営業利益29億55百万円)、経常損失は1億42百万円(同 経常利益33億47百万円)となりました。特別利益が4億25百万円(同 3億9百万円)、特別損失が17百万円(同 20百万円)、税金費用が80百万円(前期比 7.7%)となったことから、当期純利益は1億84百万円(同 7.2%)と減少しました。
主な概要は以下のとおりであります。
イ 受入手数料
当事業年度の「受入手数料」の合計は、89億74百万円(前期比 80.9%)となりました。
a 委託手数料
「委託手数料」は、36億10百万円(同 70.9%)となりました。これは、主に株券委託売買金額が7,286億円(同 76.5%)と減少したことにより、株式の委託手数料が35億54百万円(同 70.3%)となったことによるものです。なお、受益証券の委託手数料は56百万円(同 153.2%)となりました。
b 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、大型IPOの引受けなどにより2億46百万円(同 514.0%)となりました。
c 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
主に投資信託の販売手数料で構成される「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、19億43百万円(同 64.1%)となりました。これは、世界のAI関連企業や健康な高齢者や介護に関するビジネスを行う企業の株式、日本とアジアの優良企業へ投資する投資信託の販売に注力しましたが、投資環境が悪化し販売額が減少したことによるものです。また、「その他の受入手数料」は、ファンドラップ手数料や投資信託の代行手数料の増加等により31億74百万円(同 108.7%)となりました。
ロ トレーディング損益
当事業年度の「トレーディング損益」は、株券等が米国株式の売買高の減少により14億65百万円(前期比 39.7%)、債券・為替等は8億42百万円(同 76.1%)となり、合計で23億8百万円(同 48.1%)となりました。
ハ 金融収支
当事業年度の「金融収益」は、受取債券利子の減少等により2億12百万円(前期比 94.7%)、「金融費用」は信用取引費用の減少等により67百万円(同 94.7%)で差引収支は1億44百万円(同 94.7%)の利益となりました。
ニ 販売費・一般管理費
当事業年度の「販売費・一般管理費」は、「トレーディング損益」などが減少したことに伴い賞与などの「人件費」が減少したことから、120億73百万円(前期比 92.0%)となりました。
ホ 特別損益
当事業年度の「特別利益」は、「投資有価証券売却益」が4億25百万円(前事業年度実績3億9百万円)、「金融商品取引責任準備金戻入」が0百万円(同 -百万円)となりました。また、「特別損失」は、「投資有価証券評価損」10百万円(同 -百万円)、「減損損失」6百万円(同 -百万円)となり、差引4億8百万円の利益(同 2億89百万円の利益)となりました。
イ 流動資産
当事業年度の「流動資産」は、前事業年度に比べ29億5百万円減少し、474億95百万円となりました。これは、「現金・預金」が34億82百万円、「未収還付法人税等」が5億73百万円増加する一方、「信用取引資産」が53億34百万円、「預託金」が14億91百万円、「募集等払込金」が6億51百万円減少したことなどによるものです。
ロ 固定資産
当事業年度の「固定資産」は、前事業年度に比べ16億1百万円減少し、158億49百万円となりました。これは、「投資有価証券」が15億63百万円減少したことなどによるものです。
ハ 流動負債
当事業年度の「流動負債」は、前事業年度に比べ26億4百万円減少し、198億98百万円となりました。これは、「有価証券担保借入金」が26億21百万円、「信用取引負債」が3億53百万円、「従業員株式給付引当金」が1億98百万円増加する一方、「預り金」が31億29百万円、「未払法人税等」が8億41百万円、「短期借入金」が8億円、「賞与引当金」が4億70百万円減少したことなどによるものです。
ニ 固定負債及び特別法上の準備金
当事業年度の「固定負債」及び「特別法上の準備金」は、前事業年度に比べ4億22百万円増加し、53億76百万円となりました。これは、「繰延税金負債」が2億35百万円、「退職給付引当金」が94百万円、「従業員株式給付引当金」が流動負債への振替により77百万円減少する一方、「長期借入金」が8億円増加したことなどによるものです。
ホ 純資産
当事業年度の「純資産」は、前事業年度に比べ23億24百万円減少し、380億70百万円となりました。これは、「当期純利益」で1億84百万円増加する一方、「その他有価証券評価差額金」で12億62百万円、「剰余金の配当」で11億92百万円、「自己株式の取得」で56百万円減少したことなどによるものです。
当事業年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度に比べ34億82百万円増加し、238億69百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は45億56百万円の増加となりました。これは「預り金及び受入保証金の増減額」で33億72百万円、「法人税等の支払額」で13億89百万円、「受取利息及び受取配当金」で5億39百万円、「賞与引当金の増減額」で4億70百万円、「投資有価証券売却及び評価損益」で4億15百万円減少する一方、「信用取引資産及び信用取引負債の増減額」で56億87百万円、「有価証券担保借入金の増減額」で26億21百万円、「顧客分別金信託の増減額」で14億99百万円、「募集等払込金の増減額」で6億51百万円、「利息及び配当金の受取額」で5億46百万円増加したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」7億79百万円の増加と比較すると37億76百万円の増加となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「投資活動によるキャッシュ・フロー」は1億57百万円の増加となりました。これは、「有形固定資産の取得による支出」で2億46百万円、「無形固定資産の取得による支出」で32百万円減少する一方、「投資有価証券の売却による収入」で4億26百万円増加したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」5億60百万円の減少と比較すると7億18百万円の増加となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「財務活動によるキャッシュ・フロー」は12億57百万円の減少となりました。これは「長期借入れによる収入」で8億円増加する一方、「配当金の支払額」で11億93百万円、「短期借入金の純増減額」で8億円、「自己株式の取得による支出」で56百万円減少したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」10億82百万円の減少と比較すると1億75百万円の減少となっております。
当社は金融商品取引業を営んでいるため、「生産、受注及び販売の状況」については、「(1)業績等の概要①~③」に含めて記載しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績の分析
当事業年度は、日経平均株価が2018年10月2日に24,448円を記録し、1991年11月以来の高値となりました。また、NYダウ平均株価も2018年10月3日に史上最高値の26,951ドルを記録しました。しかし、米国の長期金利上昇や米中貿易問題などが嫌気され、日経平均は12月に18,948円まで下落し、NYダウ平均株価も同月21,712ドルまで下落しました。当事業年度末は、日経平均株価は2018年3月末と比べ1.2%低い21,205円、NYダウ平均株価は7.6%高い25,928ドルで取引を終えました。
このような環境下、当事業年度の「委託手数料」は前期比14億84百万円減少、また、米国株式等の売買に伴って計上される「トレーディング損益」も前期比24億88百万円減少いたしました。
安定収益基盤構築を目的に販売に注力した、投資信託及びファンドラップに係る手数料は、「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」が前期比10億86百万円減少、「その他の受入手数料」は前期比2億53百万円増加いたしました。
販売費・一般管理費は、収益の減少に伴い、主に賞与が減少し、「人件費」が前期比8億82百万円減少したことから、前期比10億51百万円減少いたしました。
第四次中期経営計画で掲げた計数目標の当事業年度の達成状況は以下の通りです。
イ ROEについては、10月以降の国内外の市況悪化が影響し、株式委託手数料や米国株式を中心としたトレーディング収益、投資信託の募集・売出手数料が減少したことなどから0.5%となり、目標とする3年間平均の数値(8%)に届きませんでした。
ロ 販管費カバー率については、ストック収入であるその他の受入手数料がファンドラップの残高増加に応じて増加する一方で、賞与などの人件費減少により販売費・一般管理費が減少したことなどから25.9%となり、2018年度の目標(25%以上)を達成しました。
ハ ファンドラップ預り資産については、着実な積み上げが奏功し、2019年3月末の預り資産は889億円と前事業年度末預り資産(716億円)と比較して172億円(+24.1%)の増加となり、2018年度の目標(870億円)を達成しました。
当社が主力商品として販売を強化しているファンドラップについては、長期・国際分散投資の啓蒙セミナーや販売後のアフターフォロー等によって、順調に残高を積み上げることができました。また市況を考慮した上で仕組債を取扱うことで、新規資金導入において一定の成果を上げることができました。
一方、投資信託預り残高については、市況悪化による解約の増加や、マーケット下落時による残高の減少が課題となりました。
これら第四次中期経営計画における課題を踏まえ、新たに策定した第五次中期経営計画ではお客さま本位の業務運営を趣旨とした「行動スタイルの変革」を継続いたします。お客さまの安定的な資産形成をサポートするためのコア・サテライト戦略によるポートフォリオの提案や、営業員のマーケット対応力を強化することでお客さまへのフォローの質や市況変動時のアドバイス力を高めることにより、お客さまの最善の利益を追求してまいります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因の分析
当社は対面及びインターネットの二つのチャネルを展開しており、対面ではフロー収益として、株式委託手数料、投資信託の販売手数料、外国株式・外国債券等のトレーディング収益、またストック収益として、投資信託の代行手数料、ファンドラップ報酬を主な収益源としております。株式委託手数料及び外国株式のトレーディング収益は、日本及び米国の株式市況に大きく影響を受けます。また、外国株式は為替の影響も受け、円安になると円ベースの価格が上昇いたします。投資信託は運用する資産や手法により様々な要因で基準価格が上下しますが、基準価格が上昇すると販売が伸びる傾向があるとともに、預り残高が増加することで代行手数料も増加いたします。また、ファンドラップは9種類の投資信託を組み合わせ、国際分散投資をしていることから、運用成績や為替の動向で、残高に対する報酬が増減いたしますが、販売は運用成績にあまり影響を受けず、残高は順調に伸びております。なお、インターネット取引については、開設口座数が少数であるため、収益全体に占める割合は僅かであります。
費用面では、販売費・一般管理費は固定的な費用が大部分を占めておりますが、「人件費」に含まれる賞与は経営成績によって増減いたします。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当事業年度末の現金・預金残高は238億69百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、当社は日本銀行に当座預金を開設する金融機関として、万一の場合でも資金決済が滞ることのないよう、非常時に備えた資金を有しておくことが必要であると考えております。さらに、非常時に備え「資金流動性危機対応マニュアル」を策定している他、定期的に資金流動性のストレスチェックテストを実施し、経営会議に報告しております。
現在、信用取引借入金及び有価証券貸借取引受入金を除く借入金は27億50百万円あり、自己資金で返済することは可能ですが、安定的な資金調達を図るため銀行等との関係を重視し、借入を継続しております。また、現在借入実績のない銀行等に対しても借入枠を確保するよう努めております。
なお、現在重要な資金の支出の予定はありません。
当事業年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。
該当事項はありません。