文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、安定的に収益をあげるための収益基盤の拡大に努めるとともに、下記の(1)目標とする経営指標に記載しております経営ビジョン及び第五次中期経営計画の計数目標及び(2)中長期的な会社の経営戦略に記載しております定性目標の達成を目指し、経営ビジョンの実現に向けて取り組んでまいります。
当社は後述の中長期経営戦略「経営ビジョン」及び「第五次中期経営計画」において、以下の 経営指標及び計数目標を掲げております。
経営ビジョン及び第五次中期経営計画(計数指標)
※ストック収入による販管費カバー率:投資信託の代行手数料とファンドラップ手数料の合計を
販売費・一般管理費で除した比率であり、費用を安定収益でどれだけカバー出来ているかを示す
ものです。
なお、経営ビジョン及び第四次中期経営計画の計数目標の一つであったROEについては、証券業は市況により業績が大きく変動する業種であり、その中で常に一定のROEを求めることは「お客さま本位の業務運営を実現するための方針」に掲げる「お客さまの最善の利益の追求」に悪影響を及ぼすことも想定され、長期的に見て当社の株主価値を毀損しかねないと判断することから、第五次中期経営計画においては設定しないこととしました。また、ファンドラップ預り資産については経営ビジョン設定時の1,000億円から1,300億円へ修正しました。
<経営ビジョン>
当社は2015年3月に中長期経営戦略「経営ビジョン」(対象期間2015年4月~2022年3月)を策定しました。これは、2021年に到来する創業100周年に向けて当社のあるべき姿を明確化し、次の100年の礎とするために、経営理念を具体化したものであり、中期経営計画の指針となるものです。
当社はこのビジョンをお客さま、株主さま、社員、地域社会の皆さまなど多くのステークホルダーに示し、中長期的に自らの企業価値を高めていくことを通して、社会の中でかけがえのない存在となることを目指してまいります。
経営ビジョンの根幹となる4つのあるべき姿は以下のとおりです。
上記の経営ビジョンを達成するために、以下の7つの基本戦略を策定しました。
<7つの基本戦略>
・資産運用アドバイザーの実践
・ビジネス倫理・法令遵守の徹底
・全社員のスキルアップ
・多様な働き方に応じた人事・評価制度
・収益基盤の拡充および業務効率化・コストの見直し
・地域貢献への取組み
・戦略的な店舗展開
<第五次中期経営計画>
当社は第四次中期経営計画の課題の達成及び「経営ビジョン」の実現に向けて、第五次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)を策定しました。その具体策は上記7つの基本戦略に紐づいており、主要な施策の概要は以下のとおりです。
①お客さま本位の業務運営の徹底を趣旨とした「行動スタイルの変革」を引き続き推進する。
②ファンドラップもしくは安定性重視の投資信託をお客さまのポートフォリオの中心に据えるコア・サテライト戦略により、お客さまの資産形成に寄与する。
③営業員のマーケット対応力の強化によって、お客さまへのフォローの質や市況変動時のアドバイス力などを高め、お客さまの最善の利益を追求する。
④お客さまとの接触時間の増大のために営業サポート業務を新設し、更なる営業員の時間創出と業務の効率化を図る。
(3)経営環境
証券業界においては、オンライン証券会社を中心に手数料の無料化など取引コストの低下が進んでおります。また、流通業などの異業種やフィンテックベンチャーによる新規参入も相次いでおります。スマートフォンの普及により低コストで手軽に投資できる環境が整いつつある中、昨今の老後の資金不足不安に端を発した運用ニーズの高まりを背景に、若年層においても少額から投資可能な積立投資の認知度が高まり、投資家層の拡大に繋がっております。
そうした中、対面主体の当社においては、オンライン証券会社の顧客層とは異なる富裕層のお客さまを中心に、お客さま毎の最適なポートフォリオの提案や、市況に合わせた株式の銘柄提案、市況急変時におけるアドバイスを提供するなどして、顧客層の拡大、収益の拡大を図っております。また近年は、株式への依存度が高いビジネスモデルから安定収益基盤強化のビジネスモデルへの転換を推進しており、安定性重視の投資信託をお客さまのポートフォリオの中心に据えるコア・サテライト戦略を提案したり、リスク毎に当社が厳選した投資信託を推奨ファンドとしてお客さまに提供しております。また今後、資産形成層のお客さま取り込みのために、積立投資についても注力していきたいと考えております。
第五次中期経営計画の1年目である2019年度の実績は以下の通りです。
(計数目標)
※ストック収入による販管費カバー率:投資信託の代行手数料とファンドラップ手数料の合計を販売費・一般管理費で除した比率であり、費用を安定収益でどれだけカバー出来ているかを示すものです。
① 販管費カバー率については、ファンドラップの長期保有割引制度導入および投資信託の解約増加による影響で、ストック収入であるその他の受入手数料が減少したことから24.3%となりました。
② ファンドラップ預り資産については、着実な積み上げが奏功し、2019年11月に1,000億円を突破しました。しかしながら新型コロナウイルスの影響による市況の悪化を受け、2020年3月末の預り資産は912億円と前年度末預り資産(889億円)と比較して23億円の増加に留まりました。
(定性目標)
指針となる経営ビジョンとして掲げる4つのビジョンについての成果等
(その他の課題)
一方、投資信託の残高積み上げについては、基準価額の上昇による利益確定の解約が増加し、実績は純減※となりました。今後も引続き残高積み上げに重きを置くと同時に、長期運用に耐え得るポートフォリオの提案を行い、お客さまの資産形成に寄与してまいります。
また、証券会社が将来に向かって成長していくには、新規口座の獲得やお客さまの年齢層の若返りが重要な課題です。積立投信の利便性を向上させ、新たなお客さまの獲得を目指してまいります。
なお、2020年度も引き続き「お客さま本位の業務運営を実現するための方針」に則り、お客さまの最善の利益を追求するため、お客さまニーズに沿ったポートフォリオ等の提案、分かり易い手数料や投資情報の提供、営業員のマーケット対応力強化などに取り組んでまいります。
※純減:投資信託の買付金額から解約額を差し引いた金額がマイナス
(5)新型コロナウイルス感染症の経営方針・経営戦略等に与える影響について
新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言下において、当社は、営業店舗における接客業務を休止するとともに、隔日勤務を実施し、感染防止に努めながら、営業員は会社から貸与された携帯電話やタブレット端末を使用して在宅時においても営業活動を継続し、お客さまへのサービスの提供に努めました。また、本社社員についても隔日勤務や同一業務を行う人員を別々のフロアーに分散して配置するなどして、感染防止に努めながら、重要業務が滞らないよう業務を継続いたしました。
当社は証券業であり、製造業のようにサプライチェーンに属していないことから、取引先の操業停止による影響を受けにくいことや、金融システム機能維持のために、事業継続が求められる業種であることから、感染防止を目的とした外出自粛要請に伴う各種需要の減少による事業活動への悪影響を直接的には受けておりません。そのため、事業活動への悪影響は想定されるものの、現段階においては、営業収益が著しく減少する状況とはなっていないことから、現在取り組んでいる第五次中期経営計画の内容は変更しておりません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 収益変動リスク
当社の主要な収益源である受入手数料及びトレーディング損益は、株式市況や為替市況の変動に大きく影響を受けます。このため、企業業績や国内外の政治・経済情勢の悪化等により市場が低迷した場合、当社の業績は大幅に変動する可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は高いと考えております。対応策としては、お客さまへポートフォリオを考慮した商品提案を行うことで、保有商品の値下がりを軽減することや、ファンドラップ報酬や投資信託の信託報酬の増大による安定収益基盤の拡大を図っております。
(2) 事務リスク
当社では、社内規程やマニュアルに則り正確な事務処理を行うよう体制を整備しておりますが、役職員の故意、過失又は事故などにより正確な事務処理が執行されなかった場合、経済的損失の発生や社会的信用が失墜する可能性があります。特に誤発注に関しては、未然防止のため管理者及びシステムによるチェック体制を整備しておりますが、万一誤ったデータが取引所に送信された場合、損失を被る可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は、小規模のものを含めると高いと考えております。対応策としては、社内に「事務ミス検討会」を設置し、事務ミスの情報収集や、改善策の取りまとめを行っております。これらの内容については、コンプライアンス部、事務企画部、業務指導部が連携し、社内への周知徹底を図っております。
(3) 市場リスク
当社は、自己の計算において国内外の有価証券を保有しております。政治・経済情勢等の急変等により相場の急激な変動があった場合、損失を被る可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は高いと考えております。対応策として、市況の変動や財務の健全性を勘案して、リスク限度枠や損失限度額を設定し管理している他、トレーディング商品として保有する有価証券は、最小限に留めております。
(4) 資産価値の下落に係るリスク
当社は、事業運営のため土地建物等の有形固定資産、コンピュータソフトウェア等の無形固定資産、有価証券等の資産を保有しております。これらについて時価の下落、収益性の低下、陳腐化などが生じた場合、損失が発生する可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は比較的低いと考えております。
(5) 流動性リスク
当社の事業運営資金は、主に自己資金と金融機関からの借入によっておりますが、当社の財政状態について信用不安等が広がった場合、資金調達コストが著しく上昇し、あるいは資金調達が困難になり事業運営が制約される可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。当社は金融機関として、資金決済が滞ることのないよう非常時に備えた資金を保有するよう努めているほか、資金流動性のストレステストの実施、「資金流動性危機対応マニュアル」を整備しております。
(6) 取引先リスク
当社の保有する金銭債権や預金などの資産は、相手先が資金繰りの悪化などにより債務不履行に陥った場合、回収不能となり損失が発生する可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。お客さまからの買付け注文に係る金銭債権については、対応する有価証券が保護預りされており、また信用取引に係る金銭債権については、一定の担保を確保しております。また、預金については、当座預金、利息のつかない普通預金など決済用預金としており、預金保険機構によって保護されております。
(7) システムリスク
当社の業務上使用するコンピュータシステムに、品質不良、回線トラブル、外部からの不正アクセス、災害などにより障害が発生した場合、障害の規模・状況によっては取引の縮小や中断を余儀なくされる可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は、中程度と考えております。システム障害が発生した場合、緊急時の業務執行体制を整備しているほか、大規模災害等により基幹システムに障害が発生した場合、システム会社によってDRサイト(遠隔地のバックアップシステム)が用意されております。
(8) 情報セキュリティに係るリスク
当社は、お客さま情報の管理について万全を期しておりますが、不正な手段や過失等により、万一情報が外部に漏洩した場合、賠償金の発生や社会的信用が失墜する可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は、小規模のものを含めると中程度と考えております。お客さま情報に関しては、各部支店で毎月末を個人情報点検日とし、個人情報管理台帳にて管理を行っております。また、コンプライアンス部宛に点検結果を報告する体制としております。情報セキュリティならびにサイバーセキュリティに係るインシデントが発生した場合に関しては、組織内CSIRTを整備しているほか、SOCサービスにて24時間365日体制で監視を実施しております。
(9) 法令・諸規則等に係るリスク
当社は、金融商品取引業者として多くの法令・諸規則のもとに業務を遂行しておりますが、規制が強化又は緩和された場合、既存業務に対する制約や競争の激化により、収益が低下する可能性があります。また、「金融商品取引法」に基づき、自己資本規制比率を算出しておりますが、数値が定められた水準を下回った場合、業務停止等を命じられる可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は、低いと考えております。また自己資本規制比率については、現状高い水準を維持しております。
(10) 法務リスク
当社は、金融商品取引法、その他法令・諸規則等を遵守し業務を遂行しておりますが、役職員の故意又は過失により法令違反が発生した場合、行政処分等を受け社会的信用が失墜し、取引の減少を招く可能性があります。また、お客さまや取引先等との間で紛争が生じた場合、提訴される可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は比較的低いと考えております。法令の遵守に関しては、「コンプライアンス部」や「監査部」を設置し、監視や予防に努めているほか、コンプライアンスに係る研修を毎月実施しております。
現在、当社の業績に大きな影響を与える訴訟はありません。
(11) 災害等に関するリスク
当社は、大規模災害等の発生により当社営業基盤の地域に重大な影響が及んだ場合、事業運営が制約される可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。万一大規模災害等が発生した場合、緊急時の業務継続体制を整備しているほか、プランに基づく定期的な訓練を実施しております。
(12) 新型コロナウイルス感染症に関するリスク
2020年4月に発出された緊急事態宣言下において、当社は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ローテーション勤務・在宅勤務等を実施し、可能な限り少人数で業務を遂行してまいりました。また、全店舗の店頭業務を休止する一方、ローテーション勤務者や在宅勤務者によるお客さまサービスは継続してまいりました。
そのため、再度緊急事態宣言が発出され、これが長期化した場合、面談数の減少等により経営成績に影響が出る可能性があります。
なお、当リスクが顕在化する可能性は中程度と考えております。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度のわが国経済は、米中貿易摩擦などによる世界経済の成長鈍化懸念に加え2019年秋の消費税増税の影響もあり停滞しました。2月以降は世界的な新型コロナウイルス感染拡大がわが国にも及び、急激な落ち込みが懸念される状況となりました。実質国内総生産(GDP)は年率換算で、4-6月期は1.3%上昇、7-9月期は1.8%上昇しましたが、10-12月期には7.1%下落へ転じました。2020年になってからの経済統計は、法人企業景気予測調査の景況判断が4-6月見通しまで悪化し、景気ウォッチャー調査の現状判断・先行き判断ともに2月は1月から大幅な悪化となりました。
世界経済については、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国際通貨基金(IMF)は2020年の世界経済がマイナス成長に陥るとの見通しを示しました。また米国議会予算局は4-6月期の米GDPが年率換算で28%以上下落するとの見通しを示しました。米国や欧州などで景気の落ち込みに対して、3月以降金融緩和策が相次いで打ち出されましたが、今回の問題は金融面に起因するものではないため、緩和策は効果を発揮しにくいとの見方も強まりました。
当事業年度の国内株式市場は、2019年秋まで世界経済や米中貿易摩擦問題の先行きに関して楽観論と悲観論が交互に浮上し、方向感の乏しい展開を余儀なくされました。しかし2019年10月の米中閣僚級貿易協議で両国が部分合意したことで、マーケットのムードは好転し、主要国の継続的な利下げも手伝って投資家心理はリスクオンへ傾き、2020年1月まで堅調に推移しました。しかし、その後は、2020年の中国・春節休暇を前に新型コロナウイルスによる肺炎問題が発生し、中国国内での封じ込めはできず感染者が世界中に広がり、各国で外出自粛要請や外出禁止令、商業施設の休業、航空便の欠航・運休などが拡大しました。こうした状況を受けて、世界経済は大きく落ち込む可能性が高まり、2月から世界的に株価は下落に転じました。最終的に、当事業年度末の日経平均株価は2019年3月末と比べ10.8%下落し、18,917円01銭で取引を終えました。
このような状況の中、当事業年度の業績は、営業収益が119億46百万円(前期比 103.6%)と増加し、営業収益より金融費用69百万円(同 102.8%)を控除した純営業収益は、118億76百万円(同 103.6%)と増加しました。また、販売費・一般管理費は118億69百万円(同 98.3%)となり、その結果、営業利益は7百万円(前事業年度実績 営業損失6億8百万円)、経常利益は4億41百万円(同 経常損失1億42百万円)となりました。特別利益が6億94百万円(同 4億25百万円)、特別損失が1億80百万円(同 17百万円)、税金費用が1億64百万円(前期比 204.9%)となったことから、当期純利益は7億91百万円(同 428.2%)と増加しました。
主な概要は以下のとおりであります。
イ 受入手数料
当事業年度の「受入手数料」の合計は、94億89百万円(前期比 105.7%)となりました。
a 委託手数料
「委託手数料」は、43億30百万円(同 119.9%)となりました。これは、主に株券委託売買金額が7,487億円(同 102.8%)と増加したことにより、株式の委託手数料が42億57百万円(同 119.8%)となったことによるものです。なお、受益証券の委託手数料は73百万円(同 129.5%)となりました。
b 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、57百万円(同 23.2%)となりました。
c 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
主に投資信託の販売手数料で構成される「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、21億86百万円(同 112.5%)となりました。これは、米国株式や世界の資産へ分散投資する投資信託の販売が好調だったことによるものです。また、「その他の受入手数料」は、ファンドラップ手数料や投資信託の代行手数料の減少等により29億15百万円(同 91.9%)となりました。
ロ トレーディング損益
当事業年度の「トレーディング損益」は、株券等が自己取引の売買高の減少により14億46百万円(前期比 98.7%)、債券・為替等は7億84百万円(同 93.1%)となり、合計で22億31百万円(同 96.6%)となりました。
ハ 金融収支
当事業年度の「金融収益」は、信用取引収益の減少等により1億87百万円(前期比 88.3%)、「金融費用」は信用取引費用の増加等により69百万円(同 102.8%)で差引収支は1億18百万円(同 81.5%)の利益となりました。
ニ 販売費・一般管理費
当事業年度の「販売費・一般管理費」は、「減価償却費」が増加する一方、「取引関係費」や「事務費」などが減少したことから、118億69百万円(前期比 98.3%)となりました。
ホ 特別損益
当事業年度の「特別利益」は、「投資有価証券売却益」が6億94百万円(前事業年度実績4億25百万円)となりました。また、「特別損失」は、「投資有価証券評価損」1億38百万円(同 10百万円)、「減損損失」39百万円(同 6百万円)、「投資有価証券売却損」1百万円(同 -百万円)、「金融商品取引責任準備金繰入れ」0百万円(同 -百万円)となり、差引5億14百万円の利益(同 4億8百万円の利益)となりました。
イ 流動資産
当事業年度の「流動資産」は、前事業年度に比べ11億50百万円減少し、463億45百万円となりました。これは、「募集等払込金」が15億31百万円、「短期差入保証金」が4億65百万円増加する一方、「信用取引資産」が20億48百万円、「未収還付法人税等」が5億73百万円、「現金・預金」が4億34百万円減少したことなどによるものです。
ロ 固定資産
当事業年度の「固定資産」は、前事業年度に比べ12億53百万円減少し、145億95百万円となりました。これは、「投資有価証券」が12億84百万円減少したことなどによるものです。
ハ 流動負債
当事業年度の「流動負債」は、前事業年度に比べ83百万円減少し、198億14百万円となりました。これは、「預り金」が15億47百万円、「未払金」が4億95百万円、「賞与引当金」が2億21百万円、「未払法人税等」が1億61百万円、「受入保証金」が1億48百万円増加する一方、「有価証券担保借入金」が21億38百万円、「信用取引負債」が4億4百万円、「従業員株式給付引当金」が1億98百万円減少したことなどによるものです。
ニ 固定負債及び特別法上の準備金
当事業年度の「固定負債」及び「特別法上の準備金」は、前事業年度に比べ7億85百万円減少し、45億90百万円となりました。これは、「従業員株式給付引当金」が37百万円増加する一方、「繰延税金負債」が3億98百万円、「長期未払金」が3億43百万円、「退職給付引当金」が67百万円、「資産除去債務」が17百万円減少したことなどによるものです。
ホ 純資産
当事業年度の「純資産」は、前事業年度に比べ15億34百万円減少し、365億35百万円となりました。これは、「当期純利益」で7億91百万円、「自己株式の処分」で1億44百万円増加する一方、「自己株式の取得」で12億42百万円、「その他有価証券評価差額金」で8億20百万円、「剰余金の配当」で4億8百万円減少したことによるものです。
当事業年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度に比べ4億34百万円減少し、234億34百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は11億7百万円の増加となりました。これは「有価証券担保借入金の増減額」で21億38百万円、「募集等払込金の増減額」で15億31百万円、「投資有価証券売却及び評価損益」で5億54百万円、「受取利息及び受取配当金」で4億90百万円、「短期差入保証金の増減額」で4億38百万円、「従業員株式給付引当金の増減額」で1億60百万円減少する一方、「預り金及び受入保証金の増減額」で16億95百万円、「信用取引資産及び信用取引負債の増減額」で16億44百万円、「税引前当期純利益」で9億56百万円、「法人税等の還付額」で5億73百万円、「利息及び配当金の受取額」で5億1百万円、「減価償却費」で4億15百万円、「賞与引当金の増減額」で2億21百万円増加したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」45億56百万円の増加と比較すると34億48百万円の減少となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「投資活動によるキャッシュ・フロー」は1億26百万円の増加となりました。これは、「有形固定資産の取得による支出」で3億17百万円、「無形固定資産の取得による支出」で2億15百万円、「投資有価証券の取得による支出」で2億円減少する一方、「投資有価証券の売却による収入」で8億50百万円、「有形固定資産の売却による収入」で27百万円増加したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」1億57百万円の増加と比較すると30百万円の減少となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「財務活動によるキャッシュ・フロー」は16億57百万円の減少となりました。これは、「自己株式の取得による支出」で12億42百万円、「配当金の支払額」で4億9百万円減少したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」12億57百万円の減少と比較すると4億円の減少となっております。
当社は金融商品取引業を営んでいるため、「生産、受注及び販売の状況」については、「(1)経営成績等の状況の概要①~③」に含めて記載しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績の分析
当事業年度は第五次中期経営計画の初年度にあたり、第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)「目標とする経営指標」及び(2)「中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、数値目標の達成及び施策に取り組んでまいりました。
数値目標に対する当事業年度の実績は以下の通りです。
イ 販管費カバー率については、ファンドラップの長期保有割引制度導入および投資信託の解約増加による影響で、ストック収入であるその他の受入手数料が減少したことから24.3%となりました。
ロ ファンドラップ預り資産については、着実な積み上げが奏功し、2019年11月に1,000億円を突破しました。しかしながら新型コロナウイルスの影響による市況の悪化を受け、2020年3月末の預り資産は912億円と前年度末預り資産(889億円)と比較して23億円の増加に留まりました。
当社の主力商品であるファンドラップについては、コア・サテライト戦略のコア資産と位置づけたことで、2019年11月には預り資産が1,000億円を突破しました。また市況を考慮した上で仕組債を取扱うことで、新規資金獲得においても成果を上げることができました。
一方、投資信託預り残高については、基準価額の上昇による利益確定の解約の増加や、マーケット下落による残高の減少が課題となりました。
2020年度も引き続き「お客さま本位の業務運営を実現するための方針」に則り、お客さまの最善 の利益を追求するため、お客さまニーズに沿ったポートフォリオ等の提案、分かり易い手数料や投資情報の提供、営業員のマーケット対応力強化などに取り組んでまいります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因の分析
当社は対面及びインターネットの二つのチャネルを展開しており、対面ではフロー収益として、株式委託手数料、投資信託の販売手数料、外国株式・外国債券等のトレーディング収益、またストック収益として、投資信託の代行手数料、ファンドラップ報酬を主な収益源としております。株式委託手数料及び外国株式のトレーディング収益は、日本及び米国の株式市況に大きく影響を受けます。また、外国株式は為替の影響も受け、円安になると円ベースの価格が上昇いたします。投資信託は運用する資産や手法により様々な要因で基準価格が上下しますが、基準価格が上昇すると販売が伸びる傾向があるとともに、預り残高が増加することで代行手数料も増加いたします。また、ファンドラップは9種類の投資信託を組み合わせ、国際分散投資をしていることから、運用成績や為替の動向で、残高に対する報酬が増減いたしますが、販売は運用成績にあまり影響を受けず、残高は順調に伸びております。なお、インターネット取引については、開設口座数が少数であるため、収益全体に占める割合は少額であります。
費用面では、販売費・一般管理費は固定的な費用が大部分を占めておりますが、「人件費」に含まれる賞与は経営成績によって増減いたします。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度末の現金・預金残高は234億34百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、当社は日本銀行に当座預金を開設する金融機関として、万一の場合でも資金決済が滞ることのないよう、非常時に備えた資金を有しておくことが必要であると考えております。さらに、非常時に備え「資金流動性危機対応マニュアル」を策定している他、定期的に資金流動性のストレスチェックテストを実施し、経営会議に報告しております。
現在、信用取引借入金及び有価証券貸借取引受入金を除く借入金は27億50百万円あり、自己資金で返済することは可能ですが、安定的な資金調達を図るため銀行等との関係を重視し、借入を継続しております。また、現在借入実績のない銀行等に対しても借入枠を確保するよう努めております。
当社の現金・預金残高の主な変動要因は信用取引貸付金であります。市況が良い時には信用取引が増加するため、貸付金増加に対応するための資金を確保しておく必要があります。また、お客さまの利便性向上や業務の効率化等のためのシステム投資を行っており、こうした成長投資を継続して実施するための資金を必要としております。株主還元実施後も結果として内部留保が増加する場合においては、信用取引貸付金の原資や成長投資のための資金として有効に活用いたします。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
イ 繰延税金資産の回収可能性
当社の業績は株式市況等の動向により大きく変動する可能性があり、中期的に課税所得を見積もることは困難であるため、合理的な見積り可能期間の課税所得を見積り、これに基づいて繰延税金資産を計上しております。
将来の課税所得の見積りは、取締役会により承認された将来の経営計画を基礎としており、将来の株式市況の予測に基づく株式委託手数料の収入計画やファンドラップ残高・投資信託残高の純増額の見込み等の経営者による重要な判断が介在します。そのため、将来の株式市況等の変動により当該見積りの見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
ロ 減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローの見積りは、取締役会により承認された将来の経営計画を基礎としており、将来の株式市況の予測に基づく株式委託手数料の収入計画やファンドラップ残高・投資信託残高の純増額の見込み等の経営者による重要な判断が介在します。そのため、将来の株式市況等の変動により当該見積りの見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
当事業年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。
該当事項はありません。