第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)における世界経済は、堅調に推移する米国や緩やかな景気改善の動きを見せる欧州など回復傾向が続いております。一方で、中国の成長鈍化やブラジルの景気後退長期化、一部地域での地政学的リスクの増加などから、先行きに不透明感も強まっております。国内においては、個人消費や物価の上昇に遅れが見られるものの、各種政策の効果を背景に好調な企業業績と堅調な設備投資に支えられ、緩やかな景気回復が続いております。

国内株式市場は、4月1日の日経平均株価終値19,034円84銭から、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめとする公的資金の流入、増配や自社株買いなど株主還元強化による企業価値向上への取り組みや期待感等により、上昇傾向をたどり6月24日には当連結会計年度最高値20,952円71銭をつけるなど堅調に推移しました。しかし、8月に中国人民元切り下げや新興国景気の不安が増幅したことをきっかけとする世界同時株安の影響により日経平均株価も下落しました。さらに、1月以降、原油価格の下落の継続やマイナス金利導入の影響による金融機関の収益悪化懸念等が重なり、2月12日に当連結会計年度最安値14,865円77銭をつけました。その後は、主要産油国の増産凍結期待による原油価格の上昇や欧州中央銀行(ECB)の追加緩和決定などを受けてリスク回避姿勢が弱まり、当連結会計年度の終値は16,758円67銭となりました。

投資信託は、一般社団法人投資信託協会のデータによると、公募証券投資信託の純資産額は当連結会計年度末に92兆4,285億円となり、前連結会計年度末から4兆5,991億円減少いたしました。設定から解約・償還を差し引いた資金流出入は8兆8,755億円の流入超過となり資金流入は続いておりますが、運用損が発生し純資産額が減少しております。純資産額の増減の内訳は、株式投信が1兆7,085億円の減少、公社債投信が2兆8,905億円の減少となっております。

このような状況のもと、当社グループはお客様志向に徹した地域密着型営業を基本とする営業戦略に加え、独自性の高いアジア戦略の展開、ソリューションビジネスの展開等、お客様へより良い投資環境と幅広いサービスを提供してまいりました。当連結会計年度における主な施策は次のとおりです。

 

・八幡証券株式会社との合併

・株式会社西京銀行との包括的業務提携

・ベトナム株式の曜日による注文制御の解除

・ブルーラップの新運用スタイル「グロース500」の開始

・アジア株式取扱い15周年記念キャンペーンの実施

・コンサルティング技術の向上を目的とした定期的な営業員研修

・個人投資家向けIRイベントへの積極参加

・NISA口座獲得に向けての各種キャンペーンの実施

 

以上のような諸施策を実行した結果、営業収益は123億73百万円(前年度比15.9%減)、営業利益は7億92百万円(同72.7%減)、経常利益は16億7百万円(同46.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は19億76百万円(同42.0%減)となりました。
 当連結会計年度における業績の内訳は次のとおりです。

 

①受入手数料

当連結会計年度の受入手数料は、88億98百万円(前年度比9.4%減)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。

(イ) 委託手数料

委託手数料は国内株式売買代金の減少により、65億44百万円(同5.2%減)となりました。

(ロ) 引受け・売出し・特定投資家向け売り付け勧誘等の手数料

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、大型案件が増加し83百万円(同329.2%増)となりました。

(ハ) 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売の減少等により12億68百万円(同33.9%減)となりました。

(ニ) その他の受入手数料

その他の受入手数料は、投資一任運用サービス「ブルーラップ」の契約増加等により、10億1百万円(同2.3%増)となりました。

 

②トレーディング損益

当連結会計年度のトレーディング損益は、26億47百万円(同30.5%減)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。

(イ) 株券

外国株国内店頭取引売買代金減少等により、14億97百万円(同41.2%減)となりました。

(ロ) 債券

外国債券の取扱いの減少等により、4億10百万円(同47.8%減)となりました。

(ハ) その他

外国為替取引から生じる損益の増加等により、7億38百万円(同55.3%増)となりました。

 

③ 金融収支

金融収益は7億12百万円(同1.9%増)、金融費用は信用取引借入金の減少等により1億26百万円(同5.8%減)となりました。これにより、金融収支は5億86百万円(同3.8%増)となりました。

 

④ 販売費・一般管理費

販売費・一般管理費は、取引関係費、人件費の減少等により、114億53百万円(同1.9%減)となりました。

 

⑤ 営業外損益

営業外収益は受取配当金4億33百万円、投資事業組合運用益2億54百万円等により8億39百万円となりました。営業外費用はシステム解約違約金20百万円等により24百万円となりました。これにより営業外損益は8億14百万円の利益となりました。

 

⑥ 特別損益

特別利益は投資有価証券売却益10億67百万円等により11億87百万円となりました。特別損失は八幡証券株式会社との合併関連費用2億74百万円等により3億42百万円となりました。これにより特別損益は8億45百万円の利益となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ24億77百万円増加し、143億22百万円となりました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は55億40百万円となりました。これは主に信用取引資産の減少、顧客分別金信託の減少、預り金の減少、信用取引負債の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は8億12百万円となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出、投資有価証券の売却による収入、投資事業組合からの分配による収入によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は38億10百万円となりました。これは主に短期借入金の減少、配当金の支払いによるものです。

 

(3) トレーディング業務の概要

トレーディング商品:当連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。

 

前連結会計年度
(平成27年3月31日)

当連結会計年度
(平成28年3月31日)

資産の部のトレーディング商品(百万円)

2,214

3,594

 

商品有価証券等(百万円)

2,206

3,594

 

 

株式・ワラント(百万円)

759

1,222

債券(百万円)

742

1,279

受益証券等(百万円)

703

1,093

為替予約取引(百万円)

5

先物取引(百万円)

オプション取引(百万円)

2

負債の部のトレーディング商品(百万円)

12

24

 

商品有価証券等(百万円)

4

 

 

株式・ワラント(百万円)

4

債券(百万円)

受益証券等(百万円)

為替予約取引(百万円)

3

24

先物取引(百万円)

0

オプション取引(百万円)

3

 

 

トレーディングのリスク管理:

トレーディング業務は、市況の変化に影響を受けやすく、取引商品の多様化並びにマーケットリスクが複雑化しておりますので、リスク管理は極めて重要と認識しております。当社のリスク管理の基本は、財務状況に合せたリスクを適切にコントロールすることであります。このため当社では「自己計算による売買取引の実施権限に関する規程」を定め、ポジション枠、ロスカットルール、与信枠等の設定をしております。また、リスク管理は、商品部門、営業部門から独立した営業管理部が掌握し、トレーディングポジションの状況は経営者に毎日報告されており、損益と合せて報告書が月例取締役会に提出され分析・検討が行われております。

また、自己売買に関するポジション管理を目的とした、リスク管理委員会において、多様な取引手法やポジション枠の増加につきリスクをより正確に把握、監視する体制としております。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであります。このため、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該事業の収益の状況等については、1[業績等の概要]に含めて記載しております。

 

3 【対処すべき課題】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「より多くの人に証券投資を通じ、より豊かな生活を提供する」を経営理念とし、お客様から信頼され、選ばれる存在であり続けるために、企業規模ではなく、お客様に提供する価値の大きさで評価される企業であり、お客様に希望を宅配する「超リテール証券」を目指しております。

その実現のために、「ゴールベース資産管理型営業」の実現を目指し、「営業力の強化(魂のこもった営業)」、「外国株(アジア株)」、「ソリューションサービス」といった従来の営業戦略に加え、「ラップ(投資一任運用サービス)の更なる強化」にも取り組んでまいります。また、「ゴールベース資産管理型営業」には預り資産の大幅な増大が必要であるため、預り資産の増大に全社をあげて取り組んでまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

中長期的な成長の実現のための積極的な取り組みと財務の健全性とのバランスを図るため、財務健全性の指標である自己資本規制比率に留意しております。

また、「ゴールベース資産管理型営業」の実現のためには預り資産の大幅な増大が必要です。そのため、預り資産を平成31年3月末までに1兆2,000億円に、平成37年3月末までに2兆円にすることを目標として定めております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、「超リテール証券」を目指しており、「ゴールベース資産管理型営業」の実現を目指します。その具体的な戦略として、以下に取り組んでまいります。

 

① 営業戦略の徹底

・営業力の強化(魂のこもった営業)

お客様のニーズの多様化に対応し、お客様によりよいサービスの提供を行うために営業力の強化に取り組んでおります。営業員がお客様から信頼され、付加価値の高いサービスを提供することで「お客様との共存共栄」を実践してまいります。

・外国株(アジア株式)

当社グループは平成12年8月に香港、韓国、台湾の3市場の取り扱いを開始して以来、成長著しいASEAN諸国などアジア12市場の株式を取り扱っております。また、アジア株式に限らず米国株式、欧州株式の取り扱いも行っております。特定の市場だけでなく、複数の市場に跨る外国株取引は、アジアを中心に多くの国や地域の株式を取り扱う当社ならではの特色であり、世界の市況動向に応じたタイムリーで柔軟な営業戦略の採択が可能なだけでなく、株価下落による資金流出を防ぎ、収益安定化を実現するための有効な手立てでもあります。今後もこうした当社ならではの強みを更に伸ばすべく、投資リサーチセンターによる情報収集力の強化と、中国をはじめとするアジア各国でのアライアンス拡大を図ってまいります。また、新たな取引市場の開拓についても、継続的に検討してまいります。

・ソリューションサービス

多くのお客様が抱えておられる「相続」や「事業承継」といったお悩みに対して、当社では外部専門家集団と連携し、富裕層に絞らず、すべてのお客様を対象に、個別相談などを通じて、これらのお悩みを総合的に解決し喜んでいただくサービスをご提供しております。さらに、当社は平成25年4月26日に関東財務局及び関東経済産業局より、「中小企業経営力強化支援法」に基づく「経営革新等支援機関」に、金融商品取引業者として初めて認定されました。これにより、事業主のお客様には、相続、事業承継に留まらず、資金調達、販路拡大、M&A、更には当社の特長であるアジアを中心とした海外進出支援も含め、あらゆる経営課題に対して、オーダーメイドソリューションをご提供するなど、個人・法人いずれの側面からも多様なサービスをご提供してまいります。

・ラップ(投資一任運用サービス)の更なる強化

当社グループは平成18年12月より投資一任運用サービス「ブルーラップ」の取り扱い業務を開始いたしました。ブルーラップの運用対象は国内の現物株式であり、この点が他社と異なる大きな特徴となっております。平成28年3月末現在において8つの運用スタイルをご用意しており、契約口座数は1,203口座、契約金額は91億67百万円と順調に残高を増やしておりますが、安定収益の増加のために更なる強化が必要です。そのため、お客様のニーズにあった商品開発や販売の強化によって契約残高の増加に取り組んでまいります。

 

② 中国営業本部の強化

当社は平成28年2月1日を合併効力発生日として当社を存続会社とする吸収合併方式で八幡証券株式会社と合併いたしました。これにより、広島県・山口県の各店舗は当社の中国営業本部として新たにスタートしております。今後、広島県・山口県での知名度を高め、インターネット取引チャネル等を活用し、預り資産の増大に取り組みます。

 

③ 地域金融機関との協働

当社は平成27年9月に株式会社西京銀行(本社:山口県)と包括的業務提携契約を締結いたしました。これにより、中小の事業主様の課題解決に向けた連携、個人のお客様に対する商品・サービスの高度化に向けた連携、人事交流等を行っております。当社は山口県の地方創生のため、株式会社西京銀行と共に様々な取り組みを協働してまいります。

また、地方銀行や信用金庫、信用組合などの地域金融機関にとって、お客様に提供する商品ラインナップの充実、様々なニーズへの対応やお客様へのサービスの向上という観点で証券会社との提携はWinWinの関係が構築できると考えられます。当社は証券会社で唯一経営革新等支援機関に認定されており、中小企業様、事業主様の支援、ビジネスマッチング、事業承継等で地域金融機関と協働できます。

今後も当社と価値観が共有できる地域金融機関との提携を検討し、推進してまいります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社グループでは、お客様から信頼され、選ばれる存在であり続けるため、当面の課題として以下の取り組みを行ってまいります。

 

  ① 預り資産の増大

「ゴールベース資産管理型営業」の実現のためには預り資産の大幅な増大が必要です。そのため、預り資産の純増を優先課題とし、平成31年3月末までに1兆2,000億円、平成37年3月末までに2兆円にすることを目標と定め、預り資産の増大に全社をあげて取り組みます。

 

  ② 人材の採用と育成

当社は個人向け営業(リテール営業)を主体とする証券会社であり、その営業の根幹となるのは人材です。当社は主に新卒採用者を営業員として育成しておりますが、営業員の年齢構成はベテランの比重が高く、若年層の営業員の採用と育成の強化が課題となります。現在、静岡大学、近畿大学、広島修道大学、徳山大学との産学連携やインターンなどで大学との関係強化を図っておりますが、更なる採用強化が必要であると認識しており、採用強化に努めております。

育成においては的確なお客様ニーズの把握、ならびにお客様が望む投資スタイルに合わせたコンサルティング技術の向上を目的として営業員に定期的な研修を行っております。特に入社5年未満の営業員に対しては、集合研修を定期的に行うことで高度な商品知識の習得とスキルの向上を図っております。また、「ゴールベース資産管理型営業」は従来の伝統的対面営業の延長線上にはありません。お客様の人生のゴールを特定し、ゴール実現に向けたシナリオの設定、投資の提案と実行、そして定期的なレビューによる資産管理が必要になります。これらの営業手法、投資管理技術の向上のために徹底した人材の育成を行います。

当社ではすべての営業員がお客様からの求めに応じ、常に的確なアドバイスが提供できる人材の育成に全社的に取り組んでまいります。

 

 ③ 安定収益の増加

当社は株式に強い証券会社でありますが、そのため株式市況の変動の影響を受けやすい経営状況にあります。この状況に対応するため、アジア12市場や欧米株式を取り扱うことで世界の市況動向に応じたタイムリーで柔軟な営業戦略の採択が可能なだけでなく、株価下落による資金流出を防ぎ、収益安定化を実現するための有効な手立てとしております。これに加えて投資信託の販売および残高の増加、ラップの販売強化により安定収益の増加を目指しております。

 

 

(5) 内部管理体制の整備・運用状況

① 内部牽制組織、組織上の業務部門及び管理部門の配置状況、社内規程の整備状況その他内部管理体制の強化のための牽制組織の状況

当社は、内部監査の独立性を高めるため、内部監査を所管する内部監査部をいずれの業務ラインにも属さない独立した部署として設置しております。

内部監査部は、「内部監査規程」に基づき、毎期初に策定する「内部監査計画書」に従って監査を実施し、監査結果報告会において監査対象部門と問題点の共有化を図ったうえで改善を指示し、改善状況の確認を行います。

また、当社の内部統制については、統制組織及び統制手段の両面から内部牽制が有効に機能する仕組みを構築しております。統制組織としては、日本証券業協会の「協会員の内部管理責任者等に関する規則」に基づき、内部管理を担当する取締役1名を「内部管理統括責任者」として定めるとともに、各営業単位毎に「営業責任者」及び「内部管理責任者」を設置しております。内部管理責任者は組織上、コンプライアンス本部の下部組織であります営業管理部に属しており、人事上の評価につきましては組織の上長並びに内部管理統括補助責任者が行うこととしており、営業部店におきましては営業部門からの独立性を保持するとともに営業部門と相互の内部牽制が働く仕組みとしております。営業管理部の主たる業務としましては株式等の売買管理業務をはじめとして、営業に関する考査業務の統括及び顧客管理に関する事項並びに法令諸規則に係る社員の指導等でありますが、下部組織としましてお客様相談課を設置し、お客様からの問合せ並びに業務に関する事項について対応し内部管理体制の充実に努めております。これら制度を通じ、金融商品取引法その他法令諸規則等の遵守、投資勧誘等の営業活動、顧客管理等が適正に行われるよう社内の監査部門が中心となり、内部管理体制の整備に努めております。

 

② 内部管理体制の充実に向けた取り組みの最近1年間における実施状況
(イ) 営業本部・コンプライアンス本部合同会議

金融商品取引法をはじめとした法令・諸規則遵守の強化を図るため、社内に「営業本部・コンプライアンス本部合同会議」を設置し、法令違反の未然防止策の立案、社内の問題点の洗い出しと改善策の検討・具体化を図っております。

(ロ) リスク管理委員会

内部統制上の会社のリスクを洗い出し、業務に活かすため「リスク管理委員会」を設け、月一回定期的に業務上のあらゆる問題を討議・検討しております。

(ハ) 内部統制構築プロジェクト

内部監査部内に内部統制専門の担当者を設け、内部統制の運用を行っております。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 事業関連について

① 主要な事業の前提に係るリスク

当社は、主要な事業活動である金融商品取引業務につき、金融商品取引法に基づく金融商品取引業の登録(登録番号関東財務局長(金商)第6号)を受けております。金融商品取引業者は、金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し、法令又は法令に基づく規定に違反した時は、登録又は認可の取消し、一定期間の業務停止又は何らかの改善命令を受ける可能性があります。現時点において当社はこれらの取消事由に該当する事実はないと認識しております。しかしながら、将来何らかの事由により登録等の取消を命じられた場合には、当社の主要な事業活動に支障をきたすとともに、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 市場の縮小に伴うリスク

株式・債券相場の下落又は低迷により、流通市場の市場参加者が減少し、売買高や売買代金が縮小する場合、あるいは発行市場において計画の延期や中止が行われた場合、当社の受入手数料が減少する可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

③ 相場の急激な変動に伴うリスク

当社は、自己勘定で市場リスクを内包するトレーディングを行っておりますので、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

④ 競合によるリスク

当社が属する金融商品取引業界においては、株式の売買委託手数料の自由化、規制緩和に伴う他業態からの新規参入等をはじめとした環境変化が進行しております。とりわけ、近年においては、オンライン取引に特化した金融商品取引業者の台頭、銀行の金融商品取引仲介業の解禁等もあり、当業界を取り巻く環境は年々厳しさを増す傾向にあります。そのため、このような事業環境の中で、当社が競争力を低下させた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 業務範囲の拡大に伴うリスク

当社グループは株式市況に過度に依存しない収益体質を構築するため、金融商品取引業務以外の金融関連業務を行うことを目的として、投資事業組合や匿名組合等への投資並びに新規業務を行っております。これらの投資及び新規業務への開始に際してはその採算性等について十分な検討を行っておりますが、投資先の事業及び新規業務が計画的に遂行できなかった場合等においては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2) 財務関連について

① 信用取引に伴うリスク

信用取引においては、顧客への信用供与が発生し、市況の変動によっては顧客の信用リスクが顕在化する可能性があります。株式相場の変動等により、担保となっている有価証券等の価値が低下した場合など、各顧客に追加で担保の差し入れを求める場合があります。顧客が追加担保の差し入れに応じない場合には、担保となっている代用有価証券を処分いたしますが、株式相場が急激に変動し、顧客への信用取引貸付金を十分に回収できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、取引所取引における先物取引及びオプション取引(売建て)につきましても類似のリスクがあります。

② 固定資産の減損に関するリスク

当社グループが保有する固定資産について、資産の収益性低下等により投資額の回収が見込めなくなる可能性があります。これに伴い「固定資産の減損に係る会計基準」に規定される減損損失を認識するに至った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

③ 年金債務に関するリスク

当社の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

 

(3) 資金調達について

当社グループは事業の特性上、日常業務の遂行に必要となる大量の資金を機動的かつ安定的に調達する必要があります。このため、長短期借入金といった安定的な資金調達に加えて、金融機関との間にコミットメントラインを設定する等、資金調達手段の多様化を図っております。また、調達による借換リスクを低減させるため、資金調達源の分散を図っております。ただし、経済情勢やその他の要因により、当社グループの経営成績及び財政状態が悪化した場合には、金融市場、資本市場等からの資金調達が困難となる、若しくは資金調達コストが上昇する可能性があります。

 

(4) 法的規制等について

当社は、金融商品取引法の他、各金融商品取引所、日本証券業協会等の自主規制機関による法令・諸規則等に従って業務を遂行しておりますが、将来的に当社業務に関係する法令・諸規則や実務慣行、解釈等の変更が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自己資本規制比率について

金融商品取引業者は、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、自己資本規制比率を120%以上に維持することが求められております。万一、定められた自己資本規制比率を維持できない場合は業務停止や金融商品取引業者の登録の取消しを命じられる可能性があります。そのため、当該比率が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法令遵守に関するリスクについて

当社グループは法令遵守(コンプライアンス)体制の整備を経営の最重要課題として位置付け、内部統制の整備を図り、より充実した内部管理体制の確立と役職員の教育・研修等を通じた意識徹底に努めております。こうした内部統制の整備やコンプライアンス研修は、役職員の違法行為を未然に防止するための有効な方策ではありますが、違法行為の全てを排除することを保証するものではありません。また、役職員による意図的な違法行為は、総じて周到に隠蔽行為がなされ、長期間にわたって発覚しないケースもあり、将来において当社グループの業績に影響を及ぼすような損害賠償を求められる可能性もあります。このほか、非公開情報の不適切な使用・漏洩・情報受領者と共謀等の不正行為の可能性もあります。これらの不正行為は、会社の使用者責任及び法的責任等を問われることもあり、場合によっては監督官庁より種々の処分・命令を受ける可能性があり、また、当社グループの社会的な信用が低下する可能性もあります。かかる事態の発生により、当社グループが損失(若しくは得べかりし利益の逸失)を被り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 訴訟等について

顧客に対する説明不足あるいは顧客との認識の不一致などによって、顧客に損失が生じた場合には、当社が訴訟の対象となる可能性があります。万一、訴訟等に発展し、当社の主張と異なる判断がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、現在係争中の訴訟案件につきましては当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性は低いと考えております。

 

(8) その他

① システムに関するリスク

当社が提供するインターネット取引システム及び当社が業務上使用するコンピューターシステムが、回線の不具合、外部からの不正アクセス、災害や停電時の諸要因によって障害を起こした場合、障害規模によっては当社業務に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 情報セキュリティに関するリスク

当社グループでは「リスク管理委員会」を組織し、「情報セキュリティポリシー」、「情報セキュリティ管理規則」及び「情報セキュリティマニュアル」を制定し、情報漏洩防止体制等管理体制の強化を図っておりますが、万一、顧客情報を含む社内重要事実が社外に不正流出した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループといたしましては、さらに技術的、人的安全管理措置等、顧客情報の管理を図って参ります。

③ 業務処理におけるリスク

有価証券の受発注に関しましては、入力項目の確認等を励行しているほか、システム上の画面表示も注意喚起する等事故防止策が図られております。さらに、約定代金及び売買単位が多量になる場合には、システム的に一定の権限を付与された者以外は入力できないシステムとなっております。しかし、万一入力項目を誤って入力し、約定が成立した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 人材の確保及び育成について

当社グループは常に質の高い投資情報サービスを提供し、お客様の満足度の向上を実現できる人材の確保並びに育成が重要な経営課題と捉えております。この観点から、新規採用及び中途採用の両面から積極的に人材を採用し、かつ社内研修の充実度を高めていく方針であります。しかしながら、当社グループが必要とする人材が確保できなかった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 業務の外部委託について

当社グループは、業務の効率化を図るため、業務の一部を他社へアウトソーシングしております。これらの業務委託先がシステムの故障、処理能力の限界又はその他の理由によりサービスの提供を中断又は停止し、適時に代替策を講じることができない場合には、当社グループの顧客へのサービスの提供が途絶し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 自然災害等について

当社グループの本社ビルや営業拠点は、東京近郊、東海及び関西に集中していますが、一般的に他の地域と比較して地震の頻度が多いため、それに伴う被害も受けやすい地域であるといえます。
 また、大規模な地震、津波、台風、噴火等の自然災害による直接的な影響のほか、これらに起因する社会的インフラへの影響、また、コンピューター・ウィルス、テロ攻撃といった事象などにより、同様の混乱状態に陥る可能性があります。
 これらの災害等により、金融商品取引に関するインフラ等への物理的な損害、従業員への人的被害並びにお客様への被害等があった場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 吸収合併契約

当社は、平成27年8月14日開催の取締役会において、当社の完全子会社である八幡証券株式会社を吸収合併することを決議するとともに、同日付で合併契約を締結し、平成28年2月1日付で同社を吸収合併いたしました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。

 

(2) 包括的業務提携契約

契約
会社名

相手先の
名称

相手先の
所在地

契約
年月日

契約期間

提携内容

提出会社

株式会社
西京銀行

山口県
周南市

平成27年
9月15日

平成27年9月15日から

平成28年9月14日まで

(以後1年毎の自動更新)

(1) 中小の事業主様の課題解決に向けた連携事業

① 創業支援事業

② クロスボーダー(域外)ビジネスマッチング事業

③ 海外ビジネス支援事業

(2) 個人のお客様に対する商品、サービスの高度化に向けた連携事業

① 西京銀行のお客様向け金融商品販売等の強化事業

② お客様向けセミナー共同企画事業

③ お客様に対する投資情報の提供機能、お客様からの相談窓口機能(コールセンター等)に関するノウハウ、仕組みの共有化の検討

(3) 人事交流

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損会計、税効果会計、貸倒引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び法人税等であり、継続して評価を行っております。

なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析

① 経営成績の分析

経営成績の分析につきましては、1 [業績等の概要] (1) 業績に記載しております。

② 財政状態の分析
(イ) 資産の状況

当連結会計年度末の資産合計は799億10百万円と、前連結会計年度末に比べ127億70百万円の減少となりました。主な要因は、現金・預金24億77百万円の増加、預託金58億60百万円の減少、信用取引資産63億7百万円の減少、投資有価証券21億68百万円の減少によるものです。

 

(ロ) 負債の状況

当連結会計年度末の負債合計は247億93百万円と、前連結会計年度末に比べ109億94百万円の減少となりました。主な要因は、信用取引負債20億17百万円の減少、預り金35億82百万円の減少、受入保証金19億3百万円の減少、短期借入金19億50百万円の減少によるものです。

 

(ハ) 純資産の状況

当連結会計年度末の純資産合計は551億16百万円と前連結会計年度末に比べ17億76百万円の減少となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金16億59百万円の減少によるものです。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

現在、当社グループは主に、株式・投資信託等の約定に伴う受入手数料及び自己勘定でのトレーディング収益に依存しておりますことから、株式・債券相場が下落又は低迷すると、流通市場の市場参加者が減少し、売買高が縮小することから当社グループの受入手数料が減少する可能性があります。また、自己勘定で市場リスクを内包するトレーディングを行っておりますので、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動によりトレーディング損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しにつきましては3 [対処すべき課題]に記載しております。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、1 [業績等の概要] (2) キャッシュ・フローの状況に記載しております。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては3 [対処すべき課題] に記載しております。