第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2021年4月1日から12月31日まで)において、これまで世界経済の不安材料であった新型コロナ問題の沈静化、経済活動正常化の兆しがみられました。その一方で、世界的にインフレの兆しが出てきていることが、企業収益の回復にとって重しとなっています。
 日本では、2021年は夏場にかけて急増したコロナ感染者、8月の東京2020オリンピック・パラリンピック、11月の首相の辞任、交代など、事象やイベントが多く、経済、株式市場の不確定要素となりました。経済状況は、まだ不安定ながら徐々に企業経済活動の正常化が進みつつあり、産業によっては、回復基調が鮮明になっています。株式市場では、当該期間の日経平均の騰落率は-1.3%でしたが、9月には30,670円と、1990年8月以来約31年ぶりの高値をつけるという場面もありました。
 米国経済は、コロナ問題に振り回されるという点で2020年とほぼ同じ状況ですが、ワクチン接種の進展などによって大規模なロックダウンは導入されておらず、マイナス成長は回避できています。そのような中、11月に実施されたFOMCで、今後のテーパリング加速、早期の利上げなどの方針が示されました。米国はこれまで自国や他の国に資金を提供してきたため、今後の世界への影響が懸念されます。
 アジア新興国は、中国が欧米に先んじて景気正常化を果たしたものの、政府当局によるITや不動産、教育関連企業への規制強化、「ゼロコロナ」政策に伴う局地的なロックダウン、その他自然災害などを背景に経済指標の減速が目立っています。株式市場ではIT企業に対する相次ぐ規制強化や不動産大手である中国恒大集団のデフォルト問題が悪材料視され、香港ハンセン指数の当該期間騰落率は-17.6%と大幅に下落しました。2022年は、2月の北京冬季オリンピック、秋の共産党大会など重要イベントに向けて経済の安定を最重視する方針が示されたことから、中国景気が上向く展開を想定しています。一方、ASEAN各国は7~9月にデルタ株の感染が急拡大し、消費を中心に景気の低迷が目立ちましたが、10月以降は概ね回復基調となっています。その中で、ベトナムは金融緩和や輸出の拡大を追い風に経済成長が続いているほか、ベトナムVN指数の当該期間騰落率も+25.8%と大幅に上昇し、史上最高値を更新しました。また、インドネシアとタイ、フィリピンの当該期間騰落率はそれぞれ+10.0%、+4.4%、+10.5%と上昇しました。

国内においては、全国に出されていた緊急事態宣言、及びまん延防止等重点措置等、行動制限措置が解除された10月以降、飲食・旅行等のサービス消費が持ち直すのもつかの間、11月終わりから世界各国より新型コロナウイルスの新たな変異ウイルスの感染例が報告されています。世界的なまん延により、国内では行動制限措置が繰り返され、第6波に突入しています。

 

このような状況のもと、当社グループは「より多くの人に証券投資を通じより豊かな生活を提供する」という経営理念の下、資産形成を通じて、資産形成層の方々を生活の不安から解放し、希望にあふれるこの国の未来を彼らが創造するための後押しをすることをミッションとしています。

当社グループにおきましては、2021年10月より親会社の商号を「アイザワ証券グループ株式会社」に変更し、証券事業にとどまらず、従来よりグループ子会社として営んでいた投資事業や運用事業に金融商品仲介事業を新たに加えた4事業を柱にした持株会社体制をスタートさせました。証券事業は、アイザワ証券株式会社(2021年10月の旧藍澤證券株式会社の持株会社化に伴い、同社の証券事業を承継するため設立)が中核となり当社グループを牽引してまいります。金融商品仲介事業は2021年4月に設立したライフデザインパートナーズ株式会社、運用事業は2021年に当社グループ会社入りしたあいざわアセットマネジメント株式会社がそれぞれ担い、投資事業は、従来の旧藍澤證券株式会社の投資業務を引き継いだアイザワ・インベストメンツ株式会社に集約しました。これら4つの事業がそれぞれ補完しあい、更なる収益構造の多角化と安定化を図ることで、総合金融グループとしての確立を目指してまいります。

 

なお、当社は、2021年7月9日付で株式会社東京証券取引所より、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果を受領し、新市場区分において「プライム市場」の上場維持基準に適合していることを確認いたしました。この結果を踏まえ、本年4月4日に予定されている東京証券取引所の新市場区分への移行において、当社は「プライム市場」を選択し、東京証券取引所へ申請を行う予定です。今後は、株式会社東京証券取引所の定めるスケジュールに基づき、新市場区分の選択申請に係る所定の手続きを進めてまいります。

 

アイザワ証券株式会社を主軸とした、当社グループの中核となる証券事業では、お客様より根強い支持をいただいております「アイザワラップサービス」において、証券会社として初めて、認知症を発症したお客様の資産を贈与することができる「認知症時一括交付特約サービス」の提供を10月より開始しました。また、証券会社が社会的な使命として果たすべく金融リテラシーの向上の一環として、これから投資をはじめる方や投資初心者に対して、オウンドメディア『ゼロから学べるアイザワ投資大学』を開設しました。TwitterやLINE、YouTubeといった当社公式SNSからのアクセスが容易になっており、同メディアサイトを通じて、資産形成をはじめ投資基礎情報の解説やベトナムなどアジア新興国の情報等をオリジナルキャラクターが平易な表現で提供しております。

他方、IPOを目指す企業団体向けサービスの強化のため、東京証券取引所の運営するプロ投資家向け株式市場TOKYO PRO Marketに係るJ-Adviser資格を取得しました。これにより上場前の上場適格性の調査確認等の審査業務を実施し、上場後においては、担当会社の適時開示の助言・指導や上場維持要件の適合状況の調査、開示体制等についてサポートしてまいります。

今後、幅広い金融サービスの提供を進め、総合金融グループとして邁進してまいります。

当第3四半期連結累計期間における業績の内訳は次のとおりです。

 

 ①経営成績の状況

(受入手数料)

 投資信託の取扱いの増加等により、受入手数料は79億94百万円(前年同期比6.3%増)となりました。

 (トレーディング損益)

 外国株式国内店頭取引の減少等により、トレーディング損益は40億42百万円(同6.3%減)となりました。

 (金融収支)

 金融収益は3億16百万円(同2.7%増)、金融費用は63百万円(同9.7%減)となり、差引金融収支は2億53百万円(同6.4%増)となりました。

 (販売費・一般管理費)

 不動産関係費及び事務費の増加等により、販売費・一般管理費は125億89百万円(同11.4%増)となりました。

 (営業外損益)

 営業外収益は受取配当金14億71百万円、収益分配金1億9百万円等により16億37百万円、営業外費用は投資事業組合運用損69百万円等により87百万円となりました。これにより営業外損益は15億49百万円(同102.5%増)の利益となりました。

 (特別損益)

 特別利益は投資有価証券売却益30億91百万円等により30億92百万円、特別損失は固定資産売却損69百万円、投資有価証券売却損43百万円等により1億14百万円となりました。これにより特別損益は29億78百万円の利益となりました。

 

 以上により、当第3四半期連結累計期間の営業収益は125億15百万円(同2.7%増)、営業損失は2億4百万円、経常利益は13億45百万円(同14.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は32億24百万円(同23.5%減)となりました。

 

②セグメントごとの経営成績の状況

(証券事業)

当第3四半期連結累計期間における証券事業の営業収益は119億26百万円、セグメント利益は44百万円となりました。

(運用事業)

当第3四半期連結累計期間における運用事業の営業収益は4億66百万円、セグメント損失は37百万円となりました。

(投資事業)

当第3四半期連結累計期間における投資事業の営業収益は1億80百万円、セグメント損失は74百万円となりました。

 

なお、上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれております。

 

 ③財政状態の状況

(資産の状況)

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は1,074億67百万円と、前連結会計年度末に比べ3億39百万円の増加となりました。主な要因は、現金・預金41億88百万円の増加、預託金36億52百万円の減少によるものです。

(負債の状況)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は479億90百万円と、前連結会計年度末に比べ7億91百万円の減少となりました。主な要因は、信用取引負債33億43百万円の増加、預り金38億76百万円の減少によるものです。

(純資産の状況)

 当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は594億76百万円と前連結会計年度末に比べ11億30百万円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金18億56百万円の増加によるものです。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けます。このため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。