第2 【事業の状況】

 本文における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)のわが国経済は、緩やかに回復した後、夏場以降、中国や新興国経済の減速、株安、円高等により、次第に弱い動きとなりました。個人消費は、雇用環境の改善や大企業のベースアップを背景に緩やかに回復傾向を示したものの、非正規雇用の増加や中小企業のベースアップが低調なことから、回復の実感に乏しいものとなりました。また、企業の設備投資も新興国経済の減速や円高等の影響を受け慎重姿勢が強まる展開となりました。こうした実体経済の弱さに加え、円高と原油安から物価の上昇傾向が弱まったことを受け、日本銀行は本年2月にマイナス金利政策を導入しました。

海外経済は、全体として緩やかに回復したものの、中国や新興国については減速感が強まりました。米国経済については、個人消費が総じて好調だったにもかかわらず、ドル高と原油安が足かせとなり米企業の業績は小幅ながらも減益に転じました。欧州経済は、金融緩和の継続が景気を下支えする一方、銀行部門の弱さ、難民問題やテロ事件等の影響を強く受け低調な動きとなりました。中国経済は、過剰な資本ストックの構造調整圧力から減速傾向が続きました。

株式市場では、日経平均株価が4月に19,100円台で始まった後、6月に一時21,000円に迫りましたが、8月以降、中国の人民元切り下げをきっかけとして、新興国経済の減速、原油安、円高を嫌気する展開となり急反落しました。12月にはFRB(米連邦準備制度理事会)が9年半ぶりに利上げに踏み切ったことから投資家のリスク回避の動きが加速、本年2月に一時15,000円を割り込んだ後、3月末は16,758円で取引を終えました。東証1部の1日当たりの平均売買代金は年度を通して2兆8,834億円となり、前年同期の2兆4,071億円を上回りました。

債券市場では、長期金利の指標である10年物国債利回りが4月に0.4%台で始まった後、FRBの利上げ観測から米国の長期金利が上昇したことを受け、6月に一時0.545%まで上昇しました。しかし、その後は株安と原油安により低下基調に転じ、本年2月に日銀がマイナス金利政策を導入すると、ついにマイナス圏に突入、3月には一時マイナス0.135%まで低下した後、3月末はマイナス0.05%で取引を終えました。

為替市場では、日銀の量的緩和やFRBの利上げ観測から6月にかけてドル高円安が進み、一時は1ドル=125円台をつけましたが、その後は、米国の利上げや日本のマイナス金利政策導入などのドル高円安要因があったにもかかわらず、株安と原油安を受けたリスク回避の円買い圧力が優勢な展開が続き、本年3月に一時110円台をつけた後、3月末は112円台で取引を終えました。

 

当社グループは、経営計画「Ambitious 5(アンビシャス ファイブ)」を平成24年4月にスタートさせ、平成26年度以降を同計画のセカンドステージとして位置づけ、より進化した施策を推進しております。

同ステージでは、基本理念は堅持しつつ、お客様の利便性を高める新たな機能の取り込みやグローバルネットワークの拡充等を図り、独自性ある総合金融グループとして、「Leading Player in ASIA(リーディング プレイヤー イン アジア)」となることを目指しております。

 

当社グループの中核である東海東京証券株式会社では、個人営業部門において、「顧客セグメント別マーケティング戦略」をベースに、「安定収益重視型営業」、「顧客採算を重視した営業」を推進しております。

富裕層のお客様向けには、新ブランド「Orque d'or(オルクドール)」及び新メンバーシップ制度「オルクドールメンバー」を創設いたしました。家族ぐるみの真のパートナーとして、資産に関するあらゆるサービスの提供により、世代を超えた「ゆたかさの継承」を支援いたします。

成熟層を中心としたお客様向けには、本年1月に西三河地域でのプレゼンス拡大と職域サービスの充実を図るため、トヨタFS営業部「プレミアサロン豊田営業所」を設置いたしました。また、保有資産の財産評価を行う「財産診断サービス」を活用し、それぞれのお客様に適した商品・サービスを提供するソリューション営業を推進しております。

 

資産形成層を中心としたお客様向けには、「かんたんダイレクトサービス」におけるネット機能の拡充やコールセンター業務のサービス向上に努めてまいりました。

一方、マーケット部門は、相場が不安定に推移するなか、特に、金利の低下局面を捉えた債券トレーディングによる収益を中心に業績に寄与しました。また、海外提携先等を積極活用した情報力の強化により、提携合弁証券会社やプラットフォーム先(外国株式・債券などで必要なインフラ・機能を提供している証券会社)の外国株式の取引高は、市況の悪化から前年対比で減少したものの比較的堅調に推移いたしました。

企業金融部門では、債券引受業務において引き続き大手5社に次ぐステータスを確立するとともに、日本郵政グループ3社株式の売出しに係る国内特定主幹事等、株式引受業務に係る主幹事を7件獲得するなど着実に成果を上げております。

法人営業部門では、引き続き事業法人や機関投資家等を中心とした顧客層の裾野拡大により収益基盤の強化を図っております。

 

国内のアライアンス戦略では、有力地方銀行との提携合弁事業を更に拡大・発展させるべく、新たに株式会社ほくほくフィナンシャルグループと共同出資による証券会社の設立について基本合意し、開業に向け準備を開始いたしました。既存の提携合弁証券会社4社(ワイエム証券株式会社、浜銀TT証券株式会社、西日本シティTT証券株式会社及び池田泉州TT証券株式会社)については、拠点数が合計で51拠点となるなど順調に業容を拡大しております。

また、東海東京証券株式会社の南九州3支店(熊本支店、宮崎支店及び鹿児島支店)については、より地域に密着したサービスをお客様に提供するため、金融商品取引業を会社分割の方法により西日本シティTT証券株式会社に承継することといたしました。

一方、海外におけるアライアンス戦略については、サービス拡充に必要な情報収集力の強化、商品提供力の拡大等を目的として、4月にマレーシアにおける独立系最大手の投資銀行、K&Nケナンガ・ホールディングスと業務提携し、5月に資本出資いたしました。

 

また、相続、事業承継等、お客様の課題解決につながる提案力強化のため、当社グループ内に分散する相続や税務等に係る情報提供機能を東海東京ウェルス・コンサルティング株式会社に集約し、多様化かつ高度化するお客様のご要望に応える体制を整えました。

 

社会貢献・地域貢献に関する取組みとして、国内においては、本年3月に、大名古屋ビルヂングの最上階(33階)に、オルクドールメンバーの交流や財界・学会等の活動の場、オープンイノベーションの拠点として「オルクドール・サロン」を開設いたしました。

また、地方銀行への運用プラットフォームの提供を目的として、8月にオールニッポン・アセットマネジメント準備株式会社を設立いたしました。12月に、商号をオールニッポン・アセットマネジメント株式会社に変更し、本年3月には複数の地方銀行及び株式会社日本政策投資銀行からも出資いただいております。今後は、地方銀行が自己資金の運用力を向上させることで、各行の健全な発展や地方経済の振興に寄与するため、共通の運用プラットフォームとして幅広く活用されることを期待しております。

一方、中部地区に拠点を置き「地域のスポーツ振興」や「地域の活性化」に取組んでいるJ1リーグの「名古屋グランパスエイト」とオフィシャルパートナー契約を締結いたしました。また、10月に、中部地区を中心とした地域貢献活動を積極的に推進するため、東海東京証券株式会社に「CSR推進部」を設置いたしました。アジア地域においては、6月にフィリピン・レイテ島の小学校に、新校舎を寄贈しております。

なお、当社グループは、平成27年10月に「東海東京フィナンシャル・グループ誕生15周年」を迎えました。これを機に、地域貢献や金融サービスに関連する支援を通じた社会貢献を目的として、「一般財団法人東海東京財団」を設立することとしております。

 

女性の活躍推進においては、育児等と就業の「両立支援」と女性の「成長支援」の両輪で施策を展開するとともに、女性管理職比率向上に向け、数値目標や行動計画を策定し、積極的に取り組んでおります。こうした取組み等は、名古屋市等から表彰を受けるなど、一定の評価を得ております。

 

 

当社グループの経営成績の状況は、以下のとおりであります。

 

(受入手数料)

 

連結会計年度

区分

株券
(百万円)

債券
(百万円)

受益証券
(百万円)

その他
(百万円)

合計
(百万円)

前連結会計年度
自 平成26年4月1日
至 平成27年3月31日

委託手数料

18,318

20

676

1

19,016

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

433

346

779

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

2

54

18,049

18,105

その他の受入手数料

146

18

4,656

1,358

6,180

合計

18,900

440

23,381

1,359

44,082

当連結会計年度
自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日

委託手数料

15,149

28

1,357

2

16,538

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

550

333

883

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

1

42

10,437

10,481

その他の受入手数料

82

14

4,520

1,746

6,363

合計

15,784

419

16,315

1,748

34,267

 

 

当連結会計年度の受入手数料の合計は22.3%減少(前年同期増減率、以下(1)において同じ。)し342億67百万円を計上いたしました。

① 委託手数料

当社子会社である東海東京証券株式会社の株式委託売買高は7.1%減少し45億49百万株、株式委託売買金額は0.2%増加し3兆8,206億円となりましたが、個人投資家の売買が減少したため、当社グループの株式委託手数料は17.3%減少し151億49百万円の計上となり、委託手数料全体では13.0%減少し165億38百万円を計上いたしました。

② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

株式は新規公開に係る主幹事の増加により27.0%増加し5億50百万円を計上いたしました。また、債券は3.8%減少し3億33百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では13.3%増加し8億83百万円を計上いたしました。

③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

受益証券は投資信託の販売額の減少により42.2%減少し104億37百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では42.1%減少し104億81百万円を計上いたしました。

④ その他の受入手数料

投資信託の代行手数料は2.9%減少し45億20百万円の計上となりましたが、ファンドラップの販売額が堅調に推移したことから、その他の受入手数料全体では3.0%増加し63億63百万円を計上いたしました。

 

(トレーディング損益)

 

区分

前連結会計年度
自 平成26年4月1日
至 平成27年3月31日

当連結会計年度
自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日

株券等トレーディング損益         (百万円)

16,732

11,691

債券・為替等トレーディング損益   (百万円)

18,695

18,638

合計

35,427

30,329

 

 

 

当連結会計年度の株券等トレーディング損益は、米国株式を中心とした外国株式の売買の減少により30.1%減少し116億91百万円の利益の計上となりました。一方、外貨建債券や仕組債の売買を中心とした債券・為替等トレーディング損益は0.3%減少し186億38百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は14.4%減少し303億29百万円の利益を計上いたしました。

 

(金融収支)

当連結会計年度の金融収益は6.3%減少し29億87百万円となり、金融費用は1.4%減少し13億6百万円となりました。差引の金融収支は9.9%減少し16億81百万円の利益の計上となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、取引関係費が提携合弁証券からの外債販売の取次ぎ量の減少に伴い支払手数料が減少したこと等から3.3%減少し117億93百万円となりました。人件費は業績連動による賞与の減少等から11.1%減少し248億88百万円となり、減価償却費は0.5%減少し18億49百万円となりました。一方、事務費は勘定系システムの事務委託費の増加等から9.8%増加し66億81百万円となり、不動産関係費は新店舗の開設等により1.4%増加し60億39百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費は4.7%減少し536億34百万円となりました。

 

(営業外損益)

当連結会計年度の営業外収益は、投資事業組合運用益が42.5%増加し2億99百万円となりました。一方、持分法による投資利益は43.2%減少し9億48百万円となり、受取配当金は3.2%減少し7億36百万円となりました。この結果、営業外収益の合計は21.5%減少し27億65百万円を計上いたしました。また、営業外費用の合計は59.8%増加し1億11百万円となりました。

 

(特別損益)

当連結会計年度の主な特別損益は、投資有価証券売却益26億2百万円を特別利益に計上いたしました。

 

以上の結果、当連結会計年度の営業収益は18.3%減少し675億84百万円、純営業収益は18.6%減少し662億77百万円となり、営業利益は49.6%減少し126億43百万円、経常利益は46.4%減少し152億97百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は32.8%減少し124億23百万円を計上いたしました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは123億2百万円の収入(前連結会計年度は377億46百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が179億25百万円の黒字となり、有価証券担保借入金が637億32百万円増加し、トレーディング商品(負債)が669億86百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、有価証券担保貸付金が545億74百万円増加し、トレーディング商品(資産)が611億81百万円増加し、それぞれ支出となったこと等によります。

投資活動によるキャッシュ・フローは7億75百万円の支出(前連結会計年度は22億14百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入39億71百万円、固定資産の取得による支出25億61百万円、投資有価証券の取得による支出12億4百万円等によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは218億29百万円の支出(前連結会計年度は189億37百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純額の減少による171億76百万円の支出、社債の純額の減少による59億98百万円の支出等によるものです。

以上の結果、現金及び現金同等物は103億77百万円減少し、当連結会計年度末の残高は446億15百万円となりました。

なお、当社グループは金融機関との間に、総額390億円(平成28年3月31日現在)のコミットメントライン契約を締結しております。

 

 

(3) トレーディング業務の概要

① トレーディング商品

トレーディング商品の残高は次のとおりです。

 

区分

前連結会計年度
(平成27年3月31日)

当連結会計年度
(平成28年3月31日)

資産の部の
トレーディ
ング商品

商品有価証券等

(百万円)

195,803

255,620

 株券

(百万円)

41,707

17,797

 債券

(百万円)

124,274

208,886

 受益証券

(百万円)

29,821

28,936

デリバティブ取引

(百万円)

2,250

3,613

合計

(百万円)

198,053

259,234

負債の部の
トレーディ
ング商品

商品有価証券等

(百万円)

63,271

129,790

 株券

(百万円)

4,961

17,708

 債券

(百万円)

58,190

112,061

 受益証券

(百万円)

119

19

デリバティブ取引

(百万円)

6,854

7,321

合計

(百万円)

70,125

137,111

 

 

② トレーディング業務のリスク管理

トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。

 

  なお、「第2 事業の状況」に記載の消費税等の課税取引については、消費税等を含んでおりません。

 

 

2 【対処すべき課題】

当社を取り巻く事業環境は、競争の激化、少子高齢化の進展等、刻々と変化しております。

当社グループでは、これらに対処すべく、平成24年4月より経営計画「Ambitious 5」をスタートさせ、平成26年4月以降を同計画のセカンドステージとして、その基本理念は堅持しつつ、お客様の利便性を高める新たな機能の取り込みやグローバルネットワークの拡充等に取組んでおります。

 

ⅰ Community & the Middle

(戦略的地域・顧客への特化)

: 各地域の特性にあった営業戦略を立案し、基盤拡大につなげるとともに、ホームマーケットである中部地区での圧倒的な存在感・ブランドの確立を目指します。また、富裕層、成熟層、資産形成層それぞれに対応したセグメント戦略を推進いたします。
お客様の利便性の向上や新たなお客様の開拓・拡大のためには、インターネット銀行等の先端的な機能を取り込む必要があると認識しています。

ⅱ Alliance & Platform

(事業基盤の積極拡大)

: アライアンス戦略では、既存4社に加え、5社目となる株式会社ほくほくフィナンシャルグループとの共同出資による証券会社の設立に留まらず、引き続き、地方銀行と提携合弁証券会社を設立することにより基盤拡大を目指します。また、提携合弁証券会社やプラットフォーム先に対して様々な新しい機能・商品を提供することにより、独自性ある総合金融グループとして、グループ全体の基盤と収益の拡大を図ります。
成長著しいアジアを中心に更なる海外ネットワーク構築や資本業務提携により資産運用機能やプライベートバンキング機能の充実を図る必要があると認識しております。

ⅲ Expertise

(専門的ノウハウ)

: 相続、事業承継等、お客様の課題解決につながる提案力の強化や、営業員のスキルアップを図ります。強みである債券引受・販売ビジネスをより強化するとともに、グローバルネットワークの一層の拡充により情報・サービスの質・量を高めるほか、海外投資家の開拓にも注力いたします。
自前の運用機能を持つことによる商品競争力の一層の強化が必要と認識しております。また、インターネット機能の充実によるお客様の利便性向上を図る必要があると認識しております。

ⅳ Humanity

(人間味溢れる企業)

: チームワークを重視した新たな人事制度を導入したほか、ダイバーシティ(女性の登用、多様なバックグラウンドを持つ人材の活用)を推進することにより、多様な価値観、ライフスタイルを尊重する人間味溢れる企業風土を醸成いたします。更に、業容の多様化に伴い、それぞれの分野で専門性の高い人材を育成・登用するとともに、社員個人が自立して個性を磨き、伸ばすための環境整備・研修支援等を強力にバックアップし、個々の成長した能力を最大限活かしてまいります。

ⅴ Risk Management

(危機対応力の強化)

: リスク管理、危機管理、コンプライアンス体制、ガバナンス、財務基盤を更に強化することで、様々なリスクに対応できる体制を整備いたします。また地震等の自然災害に対しても十分な危機対応体制を整備いたします。
更に、金融商品取引業を中心に事業を展開するグループ会社として、フィデューシャリーデューティーの実践に取組んでまいります。

 

 

平成28年度は経営計画「Ambitious 5」の最終年度となります。「Ambitious 5」に掲げた目標の達成に向け、グループ一丸となって取組み、一層の企業価値向上に努めてまいります。

 

(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)

(1) 基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益(以下、「当社グループの企業価値等」という。)を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。

当社取締役会は、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社グループの企業価値等に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。しかしながら、株券等の大量買付行為((3)において定義する。以下同じ。)の中には、その目的等から見て、対象会社の企業価値等に資さないものも少なくありません。当社グループが構築してきたコーポレートブランド・企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させていくためには、下記(2)の企業価値の源泉を維持するとともに、前述の経営計画を実行していくことが必要不可欠であり、これらが当社の株券等の大量買付行為を行う者により中長期的に確保され、向上させられるのでなければ、当社グループの企業価値等は損なわれることになります。

(2) 当社の企業価値の源泉及び基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

当社グループにおける企業価値の源泉は、金融商品取引業及びその関連業務において永年にわたり蓄積してきた商品やサービス、金融・資本市場等についての高度な専門知識と豊富な経験及び当社グループをとりまく国内外のあらゆるステークホルダーの皆様との長期的信頼関係であると考えております。当社は、上記(1)のような当社グループの企業価値等を著しく損なう大量買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を講ずることにより、当社グループの企業価値等を確保する必要があると考えております。

また、当社は、基本方針の実現に資するための取組みとして、前述の経営計画「Ambitious 5」に基づき具体的施策を実行していくことで、当社グループの企業価値等の向上が図れるものと考えております。更に、基本方針の実現に資する取組みとして、当社はコーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題一つとして位置づけていることからコーポレート・ガバナンスに関する基本方針を定め、継続的に企業価値の向上を図ることを目的として、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に努めております。

なお、詳細につきましては、「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成28年6月29日開催の第104期定時株主総会の終結の時をもって有効期間が満了する「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」の更新を同総会に上程し、株主の皆様にご承認いただきました(更新後の「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」を、以下「本プラン」という。)。

本プランは、当社が発行者である株券等について、(a)大量買付行為を行おうとする者(以下、「大量買付者」という。)の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付け、(b)大量買付者の株券等所有割合とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる当該株券等の買付け、(c)当社の他の株主が、大量買付者の共同保有者に該当し、その結果、当該大量買付者の株券等保有割合が20%以上となるような行為((a)から(c)を総称して、以下、「大量買付行為」という。)を対象といたします。

本プランは、当社グループの企業価値等を確保・向上させることを目的として、当社の株券等の大量買付行為が行われる場合等に、(a)大量買付者に対し、必要かつ十分な情報の事前提供を要請し、(b)当社経営陣が情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、(c)株主の皆様に対し、当社経営陣の計画や代替案等の提示や、大量買付者との交渉を行っていくための手続きを定めております。大量買付者が本プランにおいて定められた手続に従わない等、当社グループの企業価値等を著しく損なうと判断される場合には、当社は、対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てます。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下、「本新株予約権」という。)には、(a)大量買付者及びその関係者による行使を制限する行使条件、(b)当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されておりますが、大量買付者からその他の財産の交付と引換えに新株予約権を取得することができる旨の条項は、採用しておりません。

 

本新株予約権の無償割当が実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。

本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、また当社グループの企業価値等の確保又は向上のために必要かつ相当な対抗措置を発動するか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行います。その判断の客観性、合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置しております。

独立委員会は、3名以上の委員により構成され、委員は、社外取締役、実績ある会社経営者、投資銀行業務に精通する者、当社の事業に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは会社法等を主たる研究対象とする研究者またはこれらに準ずる者等の社外者の中から当社取締役会が選任するものとしております。独立委員会は、大量買付者、当社の取締役、従業員等に必要に応じて独立委員会への出席及び説明を要求することができ、当社取締役会からの諮問事項について審議・決議して、当社取締役会に対し勧告を行います。この勧告は公表されるものとし、当社取締役会はかかる勧告を最大限尊重して対抗措置の発動または不発動につき速やかに決議を行うものとします。

本プランは、対抗措置の発動または不発動を判断する当社取締役会の決議に際して、独立委員会による勧告手続を経なければならず、かつ当社取締役会は、同勧告を最大限尊重しなければならないものとすることにより、当社取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性が確保できるよう設計されております。

更に、大量買付者が本プランに定められた手続を遵守した場合で、当社取締役会が大量買付行為に対する対抗措置を発動するか否かの判断を行うにあたり、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、当該大量買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様の意思を確認するための株主総会を開催することもできるものとされております。

当社取締役会は、株主総会が開催された場合、対抗措置の発動に関して、当該株主総会における株主の皆様のご判断に従うものとします。

(4) 本プランの合理性(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由)

本プランは、以下の理由により、上記(1)の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。

① 会社の支配に関する基本方針に沿うものであること

本プランは、大量買付者に大量買付に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、情報判断のための一定の評価期間が経過した後にのみ大量買付行為を開始することを求め、当社所定のルールを遵守しない大量買付者には対抗措置を講じることとしております。

また、ルールが遵守された場合でも、大量買付行為により当社グループの企業価値等が損なわれると判断される場合は、大量買付者に対し対抗措置を講じることとしていることから、本プランは会社支配に関する基本方針に沿うものであると考えております。

② 買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」、「事前開示・株主意思の原則」、「必要性・相当性確保の原則」)を完全に充足しており、また、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨に合致したものです。なお、本プランは、平成20年6月30日に公表された、経済産業省に設置された企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も勘案しております。

③ 株主共同の利益を損なうものではないこと

本プランは、株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会を確保して、適切な投資判断を行うことを可能とするものであることから、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものと考えております。

 

④ 株主意思を重視し、また、対抗措置の発動について合理的な客観的要件を設定するものであること

本プランについて株主の皆様の意思を適切に反映させる機会を確保するため、第104期定時株主総会において本プランを承認する議案をお諮りし、株主の皆様にご承認いただきました。また、本プランの有効期間の満了前であっても、当社株主総会において、本プランの廃止が決定された場合には、本プランはその時点で廃止されることとなり、その意味で、本プランの更新だけでなく存続についても、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。

また、本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動または不発動の判断を株主の皆様が当社取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものです。加えて、当社取締役会は、本プランに従った対抗措置の発動に関する決議に際して、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、株主総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することができることとしております。

したがって、当該発動条件に従った対抗措置の発動は、株主の皆様のご意向が反映されたものとなります。

⑤ 会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと(独立性の高い社外者の判断を重視していること)

本プランは、対抗措置の発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることを要し、当社取締役会は同委員会の勧告を最大限尊重するものであること等、当社取締役会による判断の公正性・客観性が担保される工夫がなされており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

⑥ デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、当社取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお発動を阻止できない、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではありません。

また本プランは、当社取締役会の構成員の交代を一度に行うことがないために、その発動を阻止するのに時間がかかる、いわゆるスローハンド型買収防衛策でもありません。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態の異常な変動等、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主な事業等のリスクは、以下のとおりであります。なお、現時点では確認できていないリスクや現在は重要でないと考えられるリスクも当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える可能性があります。

(1) 経済情勢及び市場変動に伴うリスクについて

当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、株価、金利及び為替市況等の変動並びに景気後退などの国内外の経済情勢の影響を受けやすく、投資需要の減少等による手数料収入の減少やトレーディング損益の変動等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、お客様の多様なニーズに応えるために大量の有価証券を保有しておりますが、市場の混乱等による急激な市況変動や金利変動等により金融資産の価値が変動した場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされる場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 法的規制に伴うリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、その業務の種類に応じて法令・諸規則の規制を受けております。国内の金融商品取引業者は、金融商品取引法及び関連する政省令等により登録規制、顧客勧誘規制、顧客取引規制及び自己売買規制その他の金融商品取引業者としての行為について規制されており、万が一、抵触した場合には業務停止等の行政処分を受ける可能性があります。

また、東海東京証券株式会社を含む第一種金融商品取引業者は、これらの法令により所定の自己資本規制比率を維持することが求められており、万が一、定められた自己資本規制比率を下回った場合には業務停止等を命じられる可能性により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 競争状況に伴うリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、近年の大幅な規制の緩和等により、競争が激化する一方で、取扱商品の多様化が進んできております。このような状況のなかで、将来、より強力な競合先の出現等で従来と変わらぬ競争力を維持できない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 取引先又は発行体の信用力悪化に伴うリスクについて

当社グループは、自己の計算において金融資産を保有しているほか、取引先との提携・友好関係の維持・構築を目的とした株式等の保有やお客様の多様なニーズに応えるために大量の有価証券を保有しておりますが、取引先が決済を含む債務不履行に陥った場合、また、保有する有価証券の発行体が信用状況を著しく悪化させた場合には、元本の毀損による損失や利払いの遅延等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 資金調達環境の悪化に伴うリスクについて

当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、大量の有価証券を保有するために多額の資金を必要とすることから、適切な流動性を確保し、財務の安全性を維持することが必要となります。しかしながら、市場環境の激変、クレジット・クランチ、銀行の貸出余力の低下、格付会社による当社及び東海東京証券株式会社の信用格付の低下、当社グループの業績に対する不透明感等が生じた場合は、必要資金の確保に際し、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされること等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) システムリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業にはコンピュータシステムは必要不可欠の設備であるため、業務上使用するコンピュータシステムや回線において、プログラム障害、外部からの不正アクセス、災害や停電等が原因となる障害が発生した場合、その規模によっては当社グループの業務に支障が生じるだけでなく、社会的信用の低下による取引の減少等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) オペレーショナルリスクについて

当社グループは、多様な業務を行うことに伴い、日々膨大な事務処理が発生しており、役職員が正確な事務処理を怠ること、及び事務管理上又は事務処理上のミス、事故又は不正等による損失の発生により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、法令違反があった場合は、監督官庁から業務停止等の行政処分を課される可能性もあり、社会的信用が低下するなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8) 情報セキュリティーに係るリスクについて

当社グループは、多くのお客様等の個人情報、取引先等の重要な営業情報及び当社グループ自身の重要情報を保有しており、不正な手段や過失等によりお客様等の個人情報及び当社グループの営業情報等が流出した場合は、当社グループの業務に支障が生じるだけでなく、損害賠償の請求や社会的信用の低下により取引が減少するなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 災害等に関するリスクについて

当社グループの主たる子会社である東海東京証券株式会社の営業店舗網及び営業基盤は、東海地区及び関東地区を主力としており、これら地区の市民生活やインフラに重大な影響を及ぼす災害等が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の各地の活動拠点には多くの役職員が業務に従事しており、地震・台風等の大規模な自然災害の発生、これらの事象に伴う停電その他の障害の発生、又は病原性感染症の感染拡大等の場合は、当社グループの事業の縮小を余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 訴訟に関するリスクについて

当社グループでは、国内外で日々様々な取引が成立しており、法令、商慣習、契約及び約款等に基づく相互の認識の違い等が生じた場合、取引先との間に損害賠償請求訴訟等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 人材確保に係るリスクについて

当社グループは、金融商品取引業を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っており、有能な人材の確保に努めております。しかしながら、優秀な人材確保への競争は激しく、必要な人材の確保が困難な場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12) 海外事業に関するリスクについて

当社グループは、現地子会社の設置、海外の有力証券会社グループ等との提携等積極的に海外展開を図っております。展開にあたっては、弁護士等現地の専門家の助言を受けて進めておりますが、現地の法令、商慣習等に抵触した場合には、事業展開の中止、中断、縮小若しくは遅延又は社会的信用の低下等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13) 風評に関するリスクについて

当社グループは、お客様、取引先からの信用に大きく依存しております。そのため、憶測や必ずしも正確な事実に基づいていない風説・風評の流布に晒された場合は、その内容が正確でないにもかかわらず、当社グループの社会的信用が低下する風評被害の発生により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(14) リスク管理方針や態勢に関するリスクについて

当社グループは、リスクカテゴリーごとに責任部署を定め、当社及び子会社全体のリスクを統合的に管理しておりますが、想定外の市場の変動、リスク管理用データの過誤・陳腐化、事業内容の変貌又は法令の改正等により、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない可能性があり、それにより損失・損害等が生じる場合は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

6 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 金融商品の評価

当社グループは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引等については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。時価は、取引所等の市場価格のある有価証券及びデリバティブ取引等については市場価格により算定しております。市場価格のない有価証券及びデリバティブ取引等については主に金利、配当利回り、原証券価格、スワップレート、ボラティリティー、契約期間等を基に算出した現在価値の見積価格により算定しており、異なる前提条件等によった場合には当該時価が変動する可能性があります。

② 投資有価証券の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。これらの株式には価格変動性の高い市場価格のある株式と、価格の決定が困難である市場価格のない株式が含まれております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合に減損処理を行います。

将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

③ 退職給付費用及び債務

従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。

④ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。評価性引当金の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当金が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。

 

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 概要

当連結会計年度の営業収益は、前年度比18.3%減少し675億84百万円、金融費用を差し引いた純営業収益は前年度比18.6%減少し662億77百万円となりました。純営業収益から販売費及び一般管理費を差し引いた営業利益は前年度比49.6%減少し126億43百万円に、経常利益は前年度比46.4%減少し152億97百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比32.8%減少し124億23百万円となりました。また、1株当たり当期純利益は46円92銭(前年同期は69円51銭)、自己資本利益率は8.1%(前年同期は12.6%)となりました。

② 営業収益

受入手数料は、前年度比22.3%減少し342億67百万円となり、商品別の受入手数料は株券が前年度比16.5%減少し157億84百万円、債券が前年度比4.8%減少し4億19百万円、受益証券が前年度比30.2%減少し163億15百万円、その他が前年度比28.6%増加し17億48百万円となりました。株券では、東証1部の1日当たり平均売買代金が前年度比19.8%増加し2兆8,834億円となり、東海東京証券株式会社の株式委託売買代金は前年度比0.2%増加し3兆8,206億円となりましたが、個人投資家の売買が減少したため株式委託手数料は前年度比17.3%減少し151億49百万円となりました。受益証券では、投資信託の販売額が大きく減少したため、受益証券の募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は前年度比42.2%減少し104億37百万円となりました。

トレーディング損益は、前年度比14.4%減少し303億29百万円の利益を計上いたしました。株券等トレーディング損益は、米国株式を中心とした外国株式の売買が減少したため、前年度比30.1%減少し116億91百万円の利益を計上いたしました。外貨建債券や仕組債の売買を中心とした債券・為替等のトレーディング損益は、前年度比0.3%減少し186億38百万円の利益を計上いたしました。

③ 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、前年度比4.7%減少し536億34百万円となりました。これは主に、取引関係費が提携合弁証券からの外債販売の取次ぎ量の減少に伴い支払手数料が減少したこと等により前年度比3.3%減少し117億93百万円となり、人件費が業績連動による賞与の減少等により前年度比11.1%減少し248億88百万円となったことによるものです。

④ その他

営業外収益では、提携合弁証券の業績が低調だったため、持分法による投資利益は前年度比43.2%減少し9億48百万円となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益26億2百万円を計上しております。 

 

(3) 財政状態

資産の部では、流動資産のうちトレーディング商品が前年度末比611億81百万円増加し2,592億34百万円に、信用取引資産が前年度末比26億16百万円増加し413億75百万円に、有価証券担保貸付金が前年度末比545億74百万円増加し1,340億42百万円に、短期差入保証金が前年度末比20億20百万円増加し116億96百万円となる一方、現金及び預金が前年度末比113億24百万円減少し452億4百万円となりました。また、固定資産のうち投資有価証券が前年度末比17億15百万円減少し250億71百万円となりました。

負債の部では、流動負債のうちトレーディング商品が前年度末比669億86百万円増加し1,371億11百万円に、約定見返勘定が前年度末比43億60百万円増加し152億61百万円に、有価証券担保借入金が前年度末比637億32百万円増加し685億38百万円に、受入保証金が前年度末比33億75百万円増加し106億5百万円となる一方、信用取引負債が前年度末比49億66百万円減少し57億8百万円に、預り金が前年度末比56億16百万円減少し188億52百万円に、短期借入金が前年度末比171億76百万円減少し810億52百万円に、1年内償還予定の社債が前年度末比18億45百万円減少し358億55百万円となりました。また、固定負債のうち長期借入金が前年度末比119億円増加し197億円となる一方、社債が前年度末比41億53百万円減少し19億50百万円となりました。

純資産の部では、利益剰余金が前年度末比33億96百万円増加し855億37百万円となる一方で、取締役会決議による自己株式取得を行ったことなどにより自己株式が前年度末比27億50百万円増加(純資産は減少)し△63億90百万円に、その他有価証券評価差額金が前年度末比19億52百万円減少し20億26百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度末の総資産は前年度末比1,104億41百万円増加し5,685億48百万円に、負債合計は前年度末比1,125億89百万円増加し4,133億44百万円となり、純資産合計は前年度末比21億47百万円減少し1,552億4百万円となりました。また、当連結会計年度末の自己資本比率は26.9%(前年度末は33.8%) となり、1株当たり純資産額は580円16銭(前年度末は579円91銭)となりました。

 

 

(4) 流動性及び資金の源泉

① キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の377億46百万円のキャッシュの収入に対して123億2百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益、トレーディング商品(負債)、有価証券担保借入金、受入保証金がそれぞれ収入となる一方で、トレーディング商品(資産)、信用取引資産、信用取引負債、有価証券担保貸付金、預り金がそれぞれ支出となったことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の22億14百万円のキャッシュの支出に対して7億75百万円の支出となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入がある一方で、投資有価証券の新規取得、店舗設備等の新規取得に伴う有形固定資産の取得及びソフトウェア投資による無形固定資産の取得による支出があったことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が189億37百万円のキャッシュの支出に対して218億29百万円の支出となりました。これは主に、社債の発行残高の減少、短期借入金残高の減少、配当金の支払及び自己株式の取得により支出となった一方で、長期借入金残高が増加し収入となったことによるものです。

以上の結果、現金及び現金同等物は103億77百万円減少し、当連結会計年度末の残高は446億15百万円となりました。

② 資金需要

当社グループの資金需要は主に運転資金であり、株式及び債券を自己の計算により売買を行うために要する資金、顧客が行う信用取引に対し資金を貸し付ける業務及び人件費・不動産関係費など販売費及び一般管理費に係るものであります。

なお、当社グループは金融機関との間に、総額390億円(平成28年3月31日現在)のコミットメントライン契約を締結しております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」の「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況」の「2 対処すべき課題」に記載しております。