第2 【事業の状況】

 本文における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)のわが国経済は、英国がEU(欧州連合)離脱を決めた6月までリスク回避の円高が進行し、全般に停滞して始まりました。これに対し、政府は平成29年4月に実施予定だった消費増税の再延期と事業規模28兆円の経済対策を発表、日銀も長短金利操作付き量的・質的金融緩和を発表して景気を下支えしました。11月には米国の大統領選挙においてドナルド・トランプ氏が当選。減税、インフラ投資、規制緩和等、トランプ大統領が公約していた経済政策への期待から株高と円安が進行し日本の景気回復に寄与しました。企業収益については、前年度より円高水準となりましたが、企業の円高抵抗力がついて増益を維持しました。

海外経済についても上半期は停滞しましたが、下半期は好転しました。米国経済については、12月と本年3月に利上げが実施されましたが、トランプ大統領の経済政策への期待が上回り、好調を維持しました。中国経済については、地球規模の経済圏構想である「一帯一路」等への期待から減速は緩やかなものに留まったほか、新興国経済も全般に底打ちの動きが見られました。欧州経済については、英国のEU離脱決定等の撹乱要因はありましたが、実体経済に動揺は広がらず安定成長を維持しました。

株式市場では、日経平均株価が4月に16,700円台で始まった後、米国の利上げ見送りや英国のEU離脱決定による円高を嫌気して6月に一時14,800円台まで下落しましたが、経済対策や日銀のETF(上場投資信託)買い入れ倍増を好感して持ち直しました。11月にはトランプ氏の当選を受けて大幅に続伸、本年1月には一時19,600円台まで上昇した後、トランプ大統領の円安けん制発言をきっかけに外国人買いが止まり、もみ合いに転じたことから、3月末は18,900円台で取引を終えました。なお、本年度の東証1部の1日当たりの平均売買代金は2兆5,424億円となり、前年同期の2兆8,834億円を下回りました。

債券市場では、長期金利の指標である10年物国債利回りが4月にマイナス0.04%で始まった後、円高、株安、米国債利回り低下を受けて7月に一時マイナス0.30%まで低下しました。しかし、9月に日銀がマイナス金利の深掘りを見送ったことや10年債利回りの誘導目標をゼロ%程度としたことでやや上昇しました。11月以降はトランプ氏の当選で米国債利回りが急騰したことや日銀が0.1%程度までの金利上昇を容認しているとの見方が広がり、年明け2月に一時0.15%をつけました。その後は米国債利回りの低下と日銀の国債買い入れによってやや低下し、3月末は0.065%で取引を終えました。

為替市場では、4月に1ドル=112円台で始まった後、米国の利上げ見送りや英国のEU離脱決定等からドル安円高が進行し、6月に一時99円台をつけました。その後はトランプ氏当選によって米国債利回りが急上昇、一方で日本の10年債利回りはゼロ%程度に固定されたことから急速なドル高円安が進行し、12月には一時118円台をつけました。しかし、年明けにトランプ新大統領が円安けん制発言を行ったことや12月と本年3月の利上げにもかかわらず米国債利回りが低下したことから再びドル安円高に転じ、3月末は111円台で取引を終えました。

 

当社グループは、平成24年4月にスタートさせた経営計画「Ambitious 5(アンビシャス ファイブ)」の最終年度として計画達成に向けて、今年度は、以下の施策に取組んでまいりました。

当社グループの中核である東海東京証券株式会社では、個人営業部門において、「顧客セグメント別マーケティング戦略」をベースに、「安定収益重視型営業」、「顧客の投資リターンを重視した営業」を推進してまいりました。

また、本年3月に次世代層のお客様向けの新ブランド「MONEQUE(マニーク)」を創設し、本年4月に本ブランドを掲げた新コンセプト店舗「マニーク東海店」を開設いたしました。

 

 

国内のアライアンス戦略として、これまで開業準備を進めてきました「ほくほくTT証券株式会社」(出資比率:株式会社ほくほくフィナンシャルグループ60%、当社40%)は、東海東京証券株式会社の富山支店、金沢支店及び札幌支店並びに札幌法人課及び北陸地域の法人顧客における金融商品取引業を会社分割の方法により承継し、本年1月に営業を開始いたしました。

 この他、株式会社栃木銀行との間で、当社の子会社である「宇都宮証券株式会社」の合弁会社化の準備を進めてまいりましたが、本年4月に株式会社栃木銀行に「宇都宮証券株式会社」の株式を一部譲渡し、合弁会社としての業務を開始いたしました(出資比率:株式会社栃木銀行60%、当社40%)。

また、9月に「エース証券株式会社」を関連会社とし、本年3月には保険代理店を全国展開する「株式会社ETERNAL」を子会社としております。さらに、本年4月に「髙木証券株式会社」の株券等を公開買付けの方法により子会社とするなど、更なる業容の拡大を図っております。

一方、海外においては、5月にファンド投資及び調査業務を行う「東海東京グローバル・インベストメンツ・プライベート・リミテッド」をシンガポールに設立いたしました。

従来より、当社は女性管理職比率の向上や、育児等と就業の「両立支援」と女性の「成長支援」の両輪で施策を展開する等、女性の活躍推進に積極的に取り組んでおりますが、本年3月には経済産業省「平成28年度 新・ダイバーシティ経営企業100選」に選出されました。

 

当社グループの経営成績の状況は、以下のとおりであります。

 

(受入手数料)

 

連結会計年度

区分

株券
(百万円)

債券
(百万円)

受益証券
(百万円)

その他
(百万円)

合計
(百万円)

前連結会計年度
自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日

委託手数料

15,149

28

1,357

2

16,538

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

550

333

883

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

1

42

10,437

10,481

その他の受入手数料

82

14

4,520

1,746

6,363

合計

15,784

419

16,315

1,748

34,267

当連結会計年度
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日

委託手数料

12,194

26

708

0

12,930

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

360

378

738

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

4

107

6,804

6,916

その他の受入手数料

77

17

3,812

2,441

6,349

合計

12,635

529

11,326

2,442

26,934

 

 

当連結会計年度の受入手数料の合計は21.4%減少(前年同期増減率、以下(1)において同じ。)し269億34百万円を計上いたしました。

① 委託手数料

当社子会社である東海東京証券株式会社の株式委託売買高は11.2%増加し50億61百万株、株式委託売買金額は4.6%増加し3兆9,956億円となりましたが、個人投資家の対面取引による売買が減少したため、当社グループの株式委託手数料は19.5%減少し121億94百万円の計上となり、委託手数料全体では21.8%減少し129億30百万円を計上いたしました。

② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

株式は新規公開に係る引受高の減少により34.5%減少し3億60百万円を計上いたしました。また、債券は13.4%増加し3億78百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では16.4%減少し7億38百万円を計上いたしました。

 

③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

受益証券は投資信託の販売額の減少により34.8%減少し68億4百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では34.0%減少し69億16百万円を計上いたしました。

④ その他の受入手数料

投資信託の代行手数料は15.6%減少し38億12百万円の計上となりましたが、ファンドラップの口座取扱い手数料の増加等から、その他の受入手数料全体では0.2%減少の63億49百万円を計上いたしました。

 

(トレーディング損益)

 

区分

前連結会計年度
自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日

当連結会計年度
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日

株券等トレーディング損益         (百万円)

11,691

13,779

債券・為替等トレーディング損益   (百万円)

18,638

21,957

合計

30,329

35,737

 

 

当連結会計年度の株券等トレーディング損益は、米国株式を中心とした外国株式の売買の増加により17.9%増加し137億79百万円の利益の計上となりました。また、債券・為替等トレーディング損益は、仕組債を中心とした外国債券の売買や、国債を中心とした国内債券の売買等が好調に推移し17.8%増加し219億57百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は17.8%増加し357億37百万円の利益を計上いたしました。

 

(金融収支)

当連結会計年度の金融収益は8.3%減少し27億41百万円となり、金融費用は28.9%増加し16億84百万円となりました。差引の金融収支は37.2%減少し10億56百万円の利益の計上となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、取引関係費が提携合弁証券からの外債販売の取次ぎ量の減少に伴い支払手数料が減少したこと等から5.1%減少し111億87百万円となり、減価償却費は4.2%減少し17億70百万円となりました。一方、事務費は勘定系システムの一時的な事務委託費の増加等から8.0%増加し72億15百万円となり、人件費は1.8%増加し253億36百万円となり、不動産関係費は0.5%増加し60億71百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費は1.1%増加し542億30百万円となりました。

 

(営業外損益)

当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益は116.9%増加し20億58百万円となり、受取配当金は13.2%増加し8億33百万円となりました。この結果、営業外収益の合計は42.3%増加し39億35百万円を計上いたしました。また、営業外費用の合計は46.5%増加し1億63百万円となりました。

 

(特別損益)

当連結会計年度の主な特別損益は、投資有価証券売却益11億89百万円、持分変動利益8億51百万円及び事業譲渡益8億50百万円を特別利益に計上いたしました。

 

以上の結果、当連結会計年度の営業収益は3.2%減少し654億12百万円、純営業収益は3.8%減少し637億28百万円となり、営業利益は24.9%減少し94億97百万円、経常利益は13.3%減少し132億69百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は3.5%減少し119億90百万円を計上いたしました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは29億44百万円の収入(前連結会計年度は123億2百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益が161億95百万円の黒字となり、有価証券担保借入金が626億25百万円増加し、トレーディング商品(負債)が553億42百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、有価証券担保貸付金が809億49百万円増加し、トレーディング商品(資産)が332億60百万円増加し、それぞれ支出となったことなどによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは85億7百万円の支出(前連結会計年度は7億75百万円の支出)となりました。これは投資有価証券の売却による収入45億36百万円、固定資産の取得による支出13億54百万円、投資有価証券の取得による支出37億10百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出31億18百万円、関係会社株式の取得による支出49億47百万円などによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは358億64百万円の収入(前連結会計年度は218億29百万円の支出)となりました。これは長期借入れによる収入429億円、配当金の支払による支出68億34百万円などによるものです。

以上の結果、現金及び現金同等物は299億3百万円増加し、当連結会計年度末の残高は720億43百万円となりました。

なお、当社グループは金融機関との間に、総額410億円(平成29年3月31日現在)のコミットメントライン契約を締結しております。

 

(3) トレーディング業務の概要

① トレーディング商品

トレーディング商品の残高は次のとおりです。

 

区分

前連結会計年度
(平成28年3月31日)

当連結会計年度
(平成29年3月31日)

資産の部の
トレーディ
ング商品

商品有価証券等

(百万円)

255,620

289,264

 株券

(百万円)

17,797

21,124

 債券

(百万円)

208,886

231,133

 受益証券

(百万円)

28,936

37,006

デリバティブ取引

(百万円)

3,613

3,230

合計

(百万円)

259,234

292,495

負債の部の
トレーディ
ング商品

商品有価証券等

(百万円)

129,790

185,261

 株券

(百万円)

17,708

19,450

 債券

(百万円)

112,061

165,764

 受益証券

(百万円)

19

47

デリバティブ取引

(百万円)

7,321

7,192

合計

(百万円)

137,111

192,454

 

  

② トレーディング業務のリスク管理

トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。

 

  なお、「第2 事業の状況」に記載の消費税等の課税取引については、消費税等を含んでおりません。

 

 

2 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループでは、平成24年4月より経営計画「Ambitious 5」をスタートさせ、過去5年に渡り、以下の5つの戦略、①Community& the Middle(戦略的地域・顧客への特化)、②Alliance& Platform(事業基盤の積極拡大)、③Expertise(専門的ノウハウ)、④Humanity(人間味溢れる企業)、⑤Risk Management(危機対応力の強化)について、様々な施策に取り組んでまいりました。

①Community & the Middleにつきましては、富裕層のお客様向け新ブランド「Orque  d'or(オルクドール)」の立上げを通じて富裕層ビジネスの会員基盤拡大を図り、資産形成層のお客様向けには、保険・銀行・証券のワンストップサービスを手掛ける店舗「MONEQUE(マニーク)」をスタートさせました。

②Alliance & Platformにつきましては、有力地方銀行との提携合弁証券会社として、新たに、池田泉州TT証券株式会社、ほくほくTT証券株式会社を設立・開業した他、当社子会社であった宇都宮証券株式会社を株式会社栃木銀行との間で提携合弁証券会社として再スタートいたしました。また、当社から商品・サービスを提供するプラットフォームビジネスの対象先証券会社も飛躍的に拡大いたしました。更に、当社グループの顧客基盤拡大の観点から、エース証券株式会社へ出資し関連会社とし、同じく髙木証券株式会社を買収し子会社化いたしました。また、次世代層エントリー商品としての保険機能を充実させるため、保険乗合代理店を運営する株式会社ETERNALを買収いたしました。

③Expertise、④Humanity、⑤RiskManagementにつきましては、人事制度の改定、ダイバーシティの推進、コーポレート・ガバナンス体制等、大きく進展させることが出来ました。

こうした成果が上がる一方、顧客セグメント毎に当社の特徴を打ち出す訴求方法を更に深堀りしていくことや「MONEQUE(マニーク)」を通じた次世代のお客様の拡大とビジネスモデルの確立、提携合弁証券会社やプラットフォームビジネス対象先証券会社へ提供する商品・サービスの更なる拡充や営業店から本社組織に至るまでの組織運営の生産性向上等に課題があることを認識しております。

 

こうした前経営計画「Ambitious 5」の成果と課題を踏まえる一方、高齢化の一層の進展により国内で保有される金融資産が数年後には減少に転ずると予想されること、顧客本位の業務運営の徹底(フィデューシャリー・デューティ)や働き方改革などの社会的要請、更にインターネット取引やFintech、AIなどのデジタル金融サービスの浸透などの経営環境の大きな変化も勘案し、当社グループは、次の5年間の新しい経営計画として「New Age’s, Flag Bearer 5 (ニューエイジズ フラッグベアラー ファイブ) ~ 新時代の旗手 ~」を策定し、平成29年4月よりスタートさせました。

新経営計画では、前経営計画で成果が上がった戦略の基本路線は維持し拡大しながら、5年後には独自のビジネスモデルを構築した「総合金融グループ」に進化を遂げ、お客様に選ばれる金融グループとなり、金融業界における新時代の旗手になることを目指してまいります。

この目的達成に向け、前経営計画で実行したプロジェクトの成果を確実にしつつ、当社グループの独自性を追求し、他社に真似できないビジネスモデルを確立し、グループ内に展開していくことを目指す「更なる経営基盤の強化と成長」と、当社グループが次のステージへ成長するための機能を確保する「戦略テーマの追求」の大きく2つの戦略を推進してまいります。

「更なる経営基盤の強化と成長」では、以下の6つのテーマに沿って施策を展開いたします。

まず、リテール顧客のセグメント別戦略の独自性を追求してまいります。富裕層のお客様向けには、「Orqued'or(オルクドール)」の機能・サービスの一層の充実による中部地域における顧客基盤の拡大と、首都圏を始めとする大都市圏への展開を進めてまいります。

一方、成熟層のお客様向けには、財産診断サービスを活用した顧客ニーズへの的確な対応、ライフイベントに応じた最適なサービスの導入、リスク選好度の高い既存顧客の集約化と専門家対応による取引活性化、中堅企業オーナーを対象とした法人営業・リテール営業の一体的な営業体制、職域営業の充実を図ります。

若年層主体の資産形成層のお客様に対しては、保険をエントリー商品として、銀行、証券の機能を併せ持つ「MONEQUE(マニーク)」店舗を展開し、将来の潜在顧客の基盤拡大を図ります。

次に、「Ambitious 5」でも実績の上がっている地方債等の引受を土台として、法人営業、企業金融、マーケットの3部門の連携を強化し、併せてグローバルマーケットを対象とした商品ラインアップの充実を図る「法人トライラテラルとグローバルマーケットでの業務拡大」を推進いたします。

 

これらの施策の実施により、顧客本位の業務運営の徹底を推進し、当社グループ内におけるビジネスモデルとしての確立を目指します。

更に、現在当社グループから提携合弁証券会社や同業他証券へ提供している事務・システム、教育、情報、商品、ネット、信託などのプラットフォームサービスは、M&A機能や当社グループ内で確立されたマーケティングスタイル等も融合させ、「グレートプラットフォーム」モデルとして、一段上のサービスへの進化を図ります。

また、全社的な生産性向上の観点から、限られた経営資源を効率的に投入し、最大の成果を得るために「生産性革命」を推進します。

まず、組織運営の生産性向上のための、社内ルールや会議体の運営方法の見直し、生産性向上に資するインフラの導入を実施します。

リテール営業の推進においても、基幹店とサテライト店の店舗形態の転換と営業人員の配置の見直し、営業スタイルの変更や顧客セグメント別の独自の営業手法導入による生産性向上を図ります。

人事制度面では、ダイバーシティ推進によるシニアや女性の一層の活用を図る一方、社員の専門性を追求し評価出来る処遇体系の見直しなどを推進し、社員が従来以上に働きがいが感じられ、結果として働き方改革に資する制度を目指します。

また、買収先・出資先などとも、今後システムなどインフラの一体化を推進し、グループとしての効率化と生産性向上を図り、グループとしてのシナジー効果創出に努めてまいります。

組織管理と防衛ラインの充実の観点からは、昨年導入した「監査等委員会設置会社」における取締役会機能の更なる深化や、当社グループ内組織における業務運営部門、リスク・コンプライアンス所管部門、内部監査所管部署の3段階の防衛ラインの役割明確化による組織管理の充実化を図ってまいります。

以上の施策を追求するうえで、顧客セグメント別戦略の独自性追求に不可欠な専門性の向上や、専門スキルを持つ人財とスキルセットの把握、専門性を評価・処遇できる人事制度の見直しを通じて、社員個人を支える「働き方改革」の実現と、専門性の追求との両立を図ることで、「人間性」と「専門性」の追求を実現してまいります。

 

次のステージを目指す「戦略テーマの追求」では、グレートプラットフォームの機能プラットフォームを充実させるため、グループ商品組成力の向上のための「資産運用機能」や、次世代顧客との接点を確保する「年金・保険機能」、融資・決済機能を含む「銀行機能」の確保を進めてまいります。

また、グループ顧客基盤拡大を図る観点から、引き続き「同業他社M&A」を推進する他、将来有望となるアジア金融市場へのアクセスを可能とする海外金融機関との連携を目指す「海外戦略」を追求いたします。

更に、独自の顧客セグメント別マーケティングスタイルの展開により、中部以外の「大都市圏」マーケットの開拓を目指してまいります。

 

 

 (当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)

(1) 基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益(以下、「当社グループの企業価値等」という。)を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。

当社取締役会は、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社グループの企業価値等に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。しかしながら、株券等の大量買付行為((3)において定義する。以下同じ。)の中には、その目的等から見て、対象会社の企業価値等に資さないものも少なくありません。当社グループが構築してきたコーポレートブランド・企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させていくためには、下記(2)の企業価値の源泉を維持するとともに、前述の経営計画を実行していくことが必要不可欠であり、これらが当社の株券等の大量買付行為を行う者により中長期的に確保され、向上させられるのでなければ、当社グループの企業価値等は損なわれることになります。

(2) 当社の企業価値の源泉及び基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

当社グループにおける企業価値の源泉は、金融商品取引業及びその関連業務において永年にわたり蓄積してきた商品やサービス、金融・資本市場等についての高度な専門知識と豊富な経験及び当社グループをとりまく国内外のあらゆるステークホルダーの皆様との長期的信頼関係であると考えております。当社は、上記(1)のような当社グループの企業価値等を著しく損なう大量買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を講ずることにより、当社グループの企業価値等を確保する必要があると考えております。

また、当社は、基本方針の実現に資するための取組みとして、前述の経営計画に基づき具体的施策を実行していくことで、当社グループの企業価値等の向上が図れるものと考えております。更に、基本方針の実現に資する取組みとして、当社はコーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題一つとして位置づけていることからコーポレート・ガバナンスに関する基本方針を定め、継続的に企業価値の向上を図ることを目的として、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に努めております。

なお、詳細につきましては、「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成28年6月29日開催の第104期定時株主総会の終結の時をもって有効期間が満了する「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」の更新を同総会に上程し、株主の皆様にご承認いただきました(更新後の「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」を、以下「本プラン」という。)。

本プランは、当社が発行者である株券等について、(a)大量買付行為を行おうとする者(以下、「大量買付者」という。)の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付け、(b)大量買付者の株券等所有割合とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる当該株券等の買付け、(c)当社の他の株主が、大量買付者の共同保有者に該当し、その結果、当該大量買付者の株券等保有割合が20%以上となるような行為((a)から(c)を総称して、以下、「大量買付行為」という。)を対象といたします。

本プランは、当社グループの企業価値等を確保・向上させることを目的として、当社の株券等の大量買付行為が行われる場合等に、(a)大量買付者に対し、必要かつ十分な情報の事前提供を要請し、(b)当社経営陣が情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、(c)株主の皆様に対し、当社経営陣の計画や代替案等の提示や、大量買付者との交渉を行っていくための手続きを定めております。大量買付者が本プランにおいて定められた手続に従わない等、当社グループの企業価値等を著しく損なうと判断される場合には、当社は、対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てます。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下、「本新株予約権」という。)には、(a)大量買付者及びその関係者による行使を制限する行使条件、(b)当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されておりますが、大量買付者からその他の財産の交付と引換えに新株予約権を取得することができる旨の条項は、採用しておりません。

 

本新株予約権の無償割当が実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。

本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、また当社グループの企業価値等の確保又は向上のために必要かつ相当な対抗措置を発動するか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行います。その判断の客観性、合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置しております。

独立委員会は、3名以上の委員により構成され、委員は、社外取締役、実績ある会社経営者、投資銀行業務に精通する者、当社の事業に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは会社法等を主たる研究対象とする研究者またはこれらに準ずる者等の社外者の中から当社取締役会が選任するものとしております。独立委員会は、大量買付者、当社の取締役、従業員等に必要に応じて独立委員会への出席及び説明を要求することができ、当社取締役会からの諮問事項について審議・決議して、当社取締役会に対し勧告を行います。この勧告は公表されるものとし、当社取締役会はかかる勧告を最大限尊重して対抗措置の発動または不発動につき速やかに決議を行うものとします。

本プランは、対抗措置の発動または不発動を判断する当社取締役会の決議に際して、独立委員会による勧告手続を経なければならず、かつ当社取締役会は、同勧告を最大限尊重しなければならないものとすることにより、当社取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性が確保できるよう設計されております。

更に、大量買付者が本プランに定められた手続を遵守した場合で、当社取締役会が大量買付行為に対する対抗措置を発動するか否かの判断を行うにあたり、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、当該大量買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様の意思を確認するための株主総会を開催することもできるものとされております。

当社取締役会は、株主総会が開催された場合、対抗措置の発動に関して、当該株主総会における株主の皆様のご判断に従うものとします。

(4) 本プランの合理性(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由)

本プランは、以下の理由により、上記(1)の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。

① 会社の支配に関する基本方針に沿うものであること

本プランは、大量買付者に大量買付に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、情報判断のための一定の評価期間が経過した後にのみ大量買付行為を開始することを求め、当社所定のルールを遵守しない大量買付者には対抗措置を講じることとしております。

また、ルールが遵守された場合でも、大量買付行為により当社グループの企業価値等が損なわれると判断される場合は、大量買付者に対し対抗措置を講じることとしていることから、本プランは会社支配に関する基本方針に沿うものであると考えております。

② 買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」、「事前開示・株主意思の原則」、「必要性・相当性確保の原則」)を完全に充足しており、また、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨に合致したものです。なお、本プランは、平成20年6月30日に公表された、経済産業省に設置された企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も勘案しております。

③ 株主共同の利益を損なうものではないこと

本プランは、株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会を確保して、適切な投資判断を行うことを可能とするものであることから、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものと考えております。

 

④ 株主意思を重視し、また、対抗措置の発動について合理的な客観的要件を設定するものであること

本プランについて株主の皆様の意思を適切に反映させる機会を確保するため、第104期定時株主総会において本プランを承認する議案をお諮りし、株主の皆様にご承認いただきました。また、本プランの有効期間の満了前であっても、当社株主総会において、本プランの廃止が決定された場合には、本プランはその時点で廃止されることとなり、その意味で、本プランの更新だけでなく存続についても、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。

また、本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動または不発動の判断を株主の皆様が当社取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものです。加えて、当社取締役会は、本プランに従った対抗措置の発動に関する決議に際して、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、株主総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することができることとしております。

したがって、当該発動条件に従った対抗措置の発動は、株主の皆様のご意向が反映されたものとなります。

⑤ 会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと(独立性の高い社外者の判断を重視していること)

本プランは、対抗措置の発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることを要し、当社取締役会は同委員会の勧告を最大限尊重するものであること等、当社取締役会による判断の公正性・客観性が担保される工夫がなされており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

⑥ デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、当社取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお発動を阻止できない、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではありません。

また、本プランは、当社取締役会の構成員の交代を一度に行うことがないために、その発動を阻止するのに時間がかかる、いわゆるスローハンド型買収防衛策でもありません。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態の異常な変動等、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主な事業等のリスクは、以下のとおりであります。なお、現時点では確認できていないリスクや現在は重要でないと考えられるリスクも当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える可能性があります。

(1) 経済情勢及び市場変動に伴うリスクについて

当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、株価、金利及び為替市況等の変動並びに景気後退などの国内外の経済情勢の影響を受けやすく、投資需要の減少等による手数料収入の減少やトレーディング損益の変動等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、お客様の多様なニーズに応えるために大量の有価証券を保有しておりますが、市場の混乱等による急激な市況変動や金利変動等により金融資産の価値が変動した場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされる場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 法的規制に伴うリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、その業務の種類に応じて法令・諸規則の規制を受けております。国内の金融商品取引業者は、金融商品取引法及び関連する政省令等により登録規制、顧客勧誘規制、顧客取引規制及び自己売買規制その他の金融商品取引業者としての行為について規制されており、万が一、抵触した場合には業務停止等の行政処分を受ける可能性があります。

また、東海東京証券株式会社を含む第一種金融商品取引業者は、これらの法令により所定の自己資本規制比率を維持することが求められており、万が一、定められた自己資本規制比率を下回った場合には業務停止等を命じられる可能性により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 競争状況に伴うリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、近年の大幅な規制の緩和等により、競争が激化する一方で、取扱商品の多様化が進んできております。このような状況のなかで、将来、より強力な競合先の出現等で従来と変わらぬ競争力を維持できない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 取引先又は発行体の信用力悪化に伴うリスクについて

当社グループは、自己の計算において金融資産を保有しているほか、取引先との提携・友好関係の維持・構築を目的とした株式等の保有やお客様の多様なニーズに応えるために大量の有価証券を保有しておりますが、取引先が決済を含む債務不履行に陥った場合、また、保有する有価証券の発行体が信用状況を著しく悪化させた場合には、元本の毀損による損失や利払いの遅延等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 資金調達環境の悪化に伴うリスクについて

当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、大量の有価証券を保有するために多額の資金を必要とすることから、適切な流動性を確保し、財務の安全性を維持することが必要となります。しかしながら、市場環境の激変、クレジット・クランチ、銀行の貸出余力の低下、格付会社による当社及び東海東京証券株式会社の信用格付の低下、当社グループの業績に対する不透明感等が生じた場合は、必要資金の確保に際し、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされること等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) システムリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業にはコンピュータシステムは必要不可欠の設備であるため、業務上使用するコンピュータシステムや回線において、プログラム障害、外部からの不正アクセス、災害や停電等が原因となる障害が発生した場合、その規模によっては当社グループの業務に支障が生じるだけでなく、社会的信用の低下による取引の減少等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) オペレーショナルリスクについて

当社グループは、多様な業務を行うことに伴い、日々膨大な事務処理が発生しており、役職員が正確な事務処理を怠ること、及び事務管理上又は事務処理上のミス、事故又は不正等による損失の発生により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、法令違反があった場合は、監督官庁から業務停止等の行政処分を課される可能性もあり、社会的信用が低下するなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8) 情報セキュリティーに係るリスクについて

当社グループは、多くのお客様等の個人情報、取引先等の重要な営業情報及び当社グループ自身の重要情報を保有しており、不正な手段や過失等によりお客様等の個人情報及び当社グループの営業情報等が流出した場合は、当社グループの業務に支障が生じるだけでなく、損害賠償の請求や社会的信用の低下により取引が減少するなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 災害等に関するリスクについて

当社グループの主たる子会社である東海東京証券株式会社の営業店舗網及び営業基盤は、東海地区及び関東地区を主力としており、これら地区の市民生活やインフラに重大な影響を及ぼす災害等が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の各地の活動拠点には多くの役職員が業務に従事しており、地震・台風等の大規模な自然災害の発生、これらの事象に伴う停電その他の障害の発生、又は病原性感染症の感染拡大等の場合は、当社グループの事業の縮小を余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 訴訟に関するリスクについて

当社グループでは、国内外で日々様々な取引が成立しており、法令、商慣習、契約及び約款等に基づく相互の認識の違い等が生じた場合、取引先との間に損害賠償請求訴訟等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 人材確保に係るリスクについて

当社グループは、金融商品取引業を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っており、有能な人材の確保に努めております。しかしながら、優秀な人材確保への競争は激しく、必要な人材の確保が困難な場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12) 海外事業に関するリスクについて

当社グループは、現地子会社の設置、海外の有力証券会社グループ等との提携等積極的に海外展開を図っております。展開にあたっては、弁護士等現地の専門家の助言を受けて進めておりますが、現地の法令、商慣習等に抵触した場合には、事業展開の中止、中断、縮小若しくは遅延又は社会的信用の低下等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13) 風評に関するリスクについて

当社グループは、お客様、取引先からの信用に大きく依存しております。そのため、憶測や必ずしも正確な事実に基づいていない風説・風評の流布に晒された場合は、その内容が正確でないにもかかわらず、当社グループの社会的信用が低下する風評被害の発生により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(14) リスク管理方針や態勢に関するリスクについて

当社グループは、リスクカテゴリーごとに責任部署を定め、当社及び子会社全体のリスクを統合的に管理しておりますが、想定外の市場の変動、リスク管理用データの過誤・陳腐化、事業内容の変貌又は法令の改正等により、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない可能性があり、それにより損失・損害等が生じる場合は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(15) 事業の拡大に伴うリスクについて

当社グループは、グループ顧客基盤拡大を図る観点から買収や資本提携により業容の拡大を図ってまいりました。買収や資本提携を成功に導くには、事業の効率的な統合等が必要となります。買収・資本提携した事業が、当社の予想通りの収益を計上できない可能性もあります。当社グループが当初期待した成果が得られない場合、又は、想定しなかった重大な問題点が買収や資本提携後に発見された場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

6 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 金融商品の評価

当社グループは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引等については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。時価は、取引所等の市場価格のある有価証券及びデリバティブ取引等については市場価格により算定しております。市場価格のない有価証券及びデリバティブ取引等については主に金利、配当利回り、原証券価格、スワップレート、ボラティリティー、契約期間等を基に算出した現在価値の見積価格により算定しており、異なる前提条件等によった場合には当該時価が変動する可能性があります。

② 投資有価証券の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。これらの株式には価格変動性の高い市場価格のある株式と、価格の決定が困難である市場価格のない株式が含まれております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合に減損処理を行います。

将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

③ 固定資産の減損

収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。

④ 退職給付費用及び債務

従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。

 

⑤ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。評価性引当金の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当金が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 概要

当連結会計年度の営業収益は、前年度比3.2%減少し654億12百万円、金融費用を差し引いた純営業収益は前年度比3.8%減少し637億28百万円となりました。純営業収益から販売費及び一般管理費を差し引いた営業利益は前年度比24.9%減少し94億97百万円に、経常利益は前年度比13.3%減少し132億69百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比3.5%減少し119億90百万円となりました。また、1株当たり当期純利益は45円73銭(前年同期は46円92銭)、自己資本利益率は7.8%(前年同期は8.1%)となりました。

② 営業収益

受入手数料は、前年度比21.4%減少し269億34百万円となり、商品別の受入手数料は株券が前年度比19.9%減少し126億35百万円、債券が前年度比26.4%増加し5億29百万円、受益証券が前年度比30.6%減少し113億26百万円、その他が前年度比39.7%増加し24億42百万円となりました。株券では、東証1部の1日当たり平均売買代金が前年度比11.8%減少し2兆5,424億円となり、東海東京証券株式会社の株式委託売買代金は前年度比4.6%増加し3兆9,956億円となりましたが、個人投資家の対面取引による売買が減少したため株式委託手数料は前年度比19.5%減少し121億94百万円となりました。受益証券では、投資信託の販売額が減少したため、受益証券の募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は前年度比34.8%減少し68億4百万円となりました。

トレーディング損益は、前年度比17.8%増加し357億37百万円の利益を計上いたしました。株券等トレーディング損益は、米国株式を中心とした外国株式の売買が増加したことにより前年度比17.9%増加し137億79百万円の利益を計上いたしました。債券・為替等のトレーディング損益は、仕組債や国債の売買が好調に推移したことにより前年度比17.8%増加し219億57百万円の利益を計上いたしました。

③ 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、前年度比1.1%増加し542億30百万円となりました。これは主に、取引関係費が提携合弁証券からの外債販売の取次ぎ量の減少に伴い支払手数料が減少したこと等により前年度比5.1%減少し111億87百万円となる一方で、事務費が勘定系システムの一時的な事務委託費の増加等から前年度比8.0%増加し72億15百万円となったこと等によるものです。

④ その他

営業外収益では、持分法による投資利益は前年度比116.9%増加し20億58百万円となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益11億89百万円、持分変動利益8億51百万円、事業譲渡益8億50百万円を計上しております。

 

(3) 財政状態

資産の部では、流動資産のうち現金及び預金が前年度末比274億79百万円増加し726億83百万円に、預託金が前年度末比87億94百万円増加し375億6百万円に、トレーディング商品が前年度末比332億60百万円増加し2,924億95百万円に、信用取引資産が前年度末比32億35百万円増加し446億10百万円に、有価証券担保貸付金が前年度末比809億49百万円増加し2,149億92百万円に、短期差入保証金が前年度末比72億98百万円増加し189億95百万円となりました。また、固定資産のうち投資有価証券が前年度末比89億83百万円増加し340億54百万円となりました。

負債の部では、流動負債のうちトレーディング商品が前年度末比553億42百万円増加し1,924億54百万円に、信用取引負債が前年度末比34億24百万円増加し91億32百万円に、有価証券担保借入金が前年度末比626億25百万円増加し1,311億64百万円に、預り金が前年度末比140億73百万円増加し329億25百万円となる一方、約定見返勘定が前年度末比77億21百万円減少し75億40百万円に、受入保証金が前年度末比22億45百万円減少し83億60百万円に、1年内償還予定の社債が前年度末比48億11百万円減少し310億44百万円となりました。

 

また、固定負債のうち社債が前年度末比70億33百万円増加し89億83百万円に、長期借入金が前年度末比420億31百万円増加し617億31百万円となりました。

純資産の部では、利益剰余金が前年度末比51億55百万円増加し906億93百万円となる一方で、取締役会決議による自己株式取得を行ったことなどにより自己株式が前年度末比11億81百万円増加(純資産は減少)し△75億72百万円に、その他有価証券評価差額金が前年度末比5億86百万円減少し14億39百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度末の総資産は前年度末比1,733億86百万円増加し7,419億35百万円に、負債合計は前年度末比1,713億61百万円増加し5,847億6百万円となり、純資産合計は前年度末比20億25百万円増加し1,572億29百万円となりました。また、当連結会計年度末の自己資本比率は20.9%(前年度末は26.9%) となり、1株当たり純資産額は593円47銭(前年度末は580円16銭)となりました。

 

(4) 流動性及び資金の源泉

① キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の123億2百万円のキャッシュの収入に対して29億44百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益、トレーディング商品(負債)、有価証券担保借入金、預り金がそれぞれ収入となる一方で、顧客分別金信託、トレーディング商品(資産)、有価証券担保貸付金がそれぞれ支出となったことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の7億75百万円のキャッシュの支出に対して85億7百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入があった一方で、投資有価証券の新規取得、子会社株式の取得及び関連会社株式の取得による支出があったことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が218億29百万円のキャッシュの支出に対して358億64百万円の収入となりました。これは主に、長期借入金残高が増加し収入となった一方で、配当金の支払及び自己株式の取得により支出があったことによるものです。

以上の結果、現金及び現金同等物は299億3百万円増加し、当連結会計年度末の残高は720億43百万円となりました。

② 資金需要

当社グループの資金需要は主に運転資金であり、株式及び債券を自己の計算により売買を行うために要する資金、顧客が行う信用取引に対し資金を貸し付ける業務及び人件費・不動産関係費など販売費及び一般管理費に係るものであります。

なお、当社グループは金融機関との間に、総額410億円(平成29年3月31日現在)のコミットメントライン契約を締結しております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」の「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況」の「2 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。