第2 【事業の状況】

 本文における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループを取り巻く事業環境は、これまで以上に急速かつ大きく変化しております。少子高齢化、人口減少といった要因により、数年後には個人金融資産が減少に転じるとも予想されております。また、FinTechを活用した新たな金融サービスやAI、ブロックチェーンといった新たな潮流が金融業界のビジネスモデルに大きな変化をもたらすものとも予想されております。さらに、フィデューシャリー・デューティー(お客様本位の業務運営)や働き方改革といった社会的要請に対してもこれまで以上に応えていく必要が出てまいりました。

当社グループは、これら新たな潮流や課題に対し危機感を抱くだけではなく、大きなビジネスチャンスととらえ、今年度より、経営計画「New Age's, Flag Bearer 5~新時代の旗手~」をスタートさせました。本経営計画は、(1)これまで培ってきた当社独自のビジネスモデルを更に進化させることをめざす「さらなる経営基盤の強化と成長」と(2)当社グループが次のステージに成長するための基盤・機能を確保する「戦略テーマの追求」という大きな2つの戦略を柱としております。

(1)「さらなる経営基盤の強化と成長」では、次の6つの施策に取り組んでおります。

①「リテール顧客セグメント別戦略の独自性の追求」

富裕層・資産形成層・成熟層に区分したお客様の特性やニーズに合わせ、最適なサービスを提供するため、機能の強化や拡充を図っております。富裕層のお客様向け「オルクドール」における機能・サービスの一層の拡充、「財産診断サービス」をはじめとする成熟層向け各種サービスの充実、若年層を中心とする資産形成層向け「MONEQUE」店舗やネット機能の拡充に努めるとともに、これまで以上にフィデューシャリー・デューティーに応えることにより、お客様に選ばれる総合金融グループをめざしております。

②「法人トライラテラルとグローバルマーケットでの業務拡大」

当社独自の海外情報の提供やグローバルマーケットを投資対象とした商品ラインアップを更に充実させ、M&A仲介機能等を強化しつつ、市場・企業金融・法人営業の3部門の連携を強化したうえで、お客様との取引拡大を図っております。

③「グレート・プラットフォーム」

これまで当社グループから提携合弁証券や同業証券に対して提供してきた事務・システム、教育、情報、商品に加え、M&A機能や当社グループ内のマーケティングスタイルなどを融合させた一段上のサービス提供をめざしております。

④「生産性革命」

地域特性を踏まえた店舗統廃合による運営効率の向上、ビッグデータを駆使したデータベースマーケティングの展開に加え、本部組織におけるテレワークの導入やオフィス機能改革、さらにはグループ全体での業務プロセスの再構築により、グループが有する能力の最大化に向け取組んでおります。

⑤「組織管理と防衛ラインの充実」

業容の拡大に伴い必要となる管理・統制体制の構築や、新たなリスクにも対応し得るグループ・ガバナンスの充実を図っております。また、大幅な権限委譲による意思決定の迅速化、適切なリスクテイクを支える環境整備、さらに実効性あるモニタリング体制などのコーポレート・ガバナンスの充実に努めております。

⑥「人間性と専門性の追求」

これらの施策を着実に実行するためには、「誠実な会社」、「仲間に信頼される会社」であり続けることが大切であるとの考えに基づき、ハート(人間性)とプロフェッショナリティ(専門性)を兼ね備えた人材の育成に重きを置き、働きやすい職場環境の構築、シニア社員を含む社員総活躍推進や働き方改革など、抜本的な人事制度の改革に取り組んでおります。

(2)「戦略テーマの追求」では、次のステージへの成長や、新たな基盤・機能を確保するために必要な「同業他社M&A」、「資産運用機能」、「多様な年金・保険機能」、「銀行機能」、「海外戦略」、「大都市圏」という6つの戦略テーマを策定し、具体的な施策を検討・推進しております。

 

このような経営計画を通じて、当社グループは大手証券やメガバンク系証券のグループとは異なる「第3の極」を形成していくことを目標とし、業務を推進してまいります。

 

 (当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)

(1) 基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益(以下、「当社グループの企業価値等」という。)を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。

当社取締役会は、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社グループの企業価値等に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。しかしながら、株券等の大量買付行為((3)において定義する。以下同じ。)の中には、その目的等から見て、対象会社の企業価値等に資さないものも少なくありません。当社グループが構築してきたコーポレートブランド・企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させていくためには、当社グループの企業価値の源泉を維持するとともに、経営計画を実行していくことが必要不可欠であり、これらが当社の株券等の大量買付行為を行う者により中長期的に確保され、向上させられるのでなければ、当社グループの企業価値等は損なわれることになります。

(2) 当社の企業価値の源泉及び基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

当社グループにおける企業価値の源泉は、金融商品取引業及びその関連業務において永年にわたり蓄積してきた商品やサービス、金融・資本市場等についての高度な専門知識と豊富な経験及び当社グループをとりまく国内外のあらゆるステークホルダーの皆様との長期的信頼関係であると考えております。当社は、上記(1)のような当社グループの企業価値等を著しく損なう大量買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を講ずることにより、当社グループの企業価値等を確保する必要があると考えております。

また、当社は、基本方針の実現に資するための取組みとして、経営計画に基づき具体的施策を実行していくことで、当社グループの企業価値等の向上が図れるものと考えております。更に、基本方針の実現に資する取組みとして、当社はコーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題の一つとして位置づけていることからコーポレート・ガバナンスに関する基本方針を定め、継続的に企業価値の向上を図ることを目的として、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に努めております。

なお、詳細につきましては、「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成28年6月29日開催の第104期定時株主総会にて「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」の更新を上程し、株主の皆様にご承認いただいております(更新後の「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」を、以下「本プラン」という。)。

本プランは、当社が発行者である株券等について、(a)大量買付行為を行おうとする者(以下、「大量買付者」という。)の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付け、(b)大量買付者の株券等所有割合とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる当該株券等の買付け、(c)当社の他の株主が、大量買付者の共同保有者に該当し、その結果、当該大量買付者の株券等保有割合が20%以上となるような行為((a)から(c)を総称して、以下、「大量買付行為」という。)を対象といたします。

本プランは、当社グループの企業価値等を確保・向上させることを目的として、当社の株券等の大量買付行為が行われる場合等に、(a)大量買付者に対し、必要かつ十分な情報の事前提供を要請し、(b)当社経営陣が情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、(c)株主の皆様に対し、当社経営陣の計画や代替案等の提示や、大量買付者との交渉を行っていくための手続きを定めております。大量買付者が本プランにおいて定められた手続に従わない等、当社グループの企業価値等を著しく損なうと判断される場合には、当社は、対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てます。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下、「本新株予約権」という。)には、(a)大量買付者及びその関係者による行使を制限する行使条件、(b)当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されておりますが、大量買付者からその他の財産の交付と引換えに新株予約権を取得することができる旨の条項は、採用しておりません。

 

本新株予約権の無償割当が実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。

本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、また当社グループの企業価値等の確保又は向上のために必要かつ相当な対抗措置を発動するか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行います。その判断の客観性、合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置しております。

独立委員会は、3名以上の委員により構成され、委員は、社外取締役、実績ある会社経営者、投資銀行業務に精通する者、当社の事業に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは会社法等を主たる研究対象とする研究者またはこれらに準ずる者等の社外者の中から当社取締役会が選任するものとしております。独立委員会は、大量買付者、当社の取締役、従業員等に必要に応じて独立委員会への出席及び説明を要求することができ、当社取締役会からの諮問事項について審議・決議して、当社取締役会に対し勧告を行います。この勧告は公表されるものとし、当社取締役会はかかる勧告を最大限尊重して対抗措置の発動または不発動につき速やかに決議を行うものとします。

本プランは、対抗措置の発動または不発動を判断する当社取締役会の決議に際して、独立委員会による勧告手続を経なければならず、かつ当社取締役会は、同勧告を最大限尊重しなければならないものとすることにより、当社取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性が確保できるよう設計されております。

更に、大量買付者が本プランに定められた手続を遵守した場合で、当社取締役会が大量買付行為に対する対抗措置を発動するか否かの判断を行うにあたり、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、当該大量買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様の意思を確認するための株主総会を開催することもできるものとされております。

当社取締役会は、株主総会が開催された場合、対抗措置の発動に関して、当該株主総会における株主の皆様のご判断に従うものとします。

(4) 本プランの合理性(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由)

本プランは、以下の理由により、上記(1)の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。

① 会社の支配に関する基本方針に沿うものであること

本プランは、大量買付者に大量買付に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、情報判断のための一定の評価期間が経過した後にのみ大量買付行為を開始することを求め、当社所定のルールを遵守しない大量買付者には対抗措置を講じることとしております。

また、ルールが遵守された場合でも、大量買付行為により当社グループの企業価値等が損なわれると判断される場合は、大量買付者に対し対抗措置を講じることとしていることから、本プランは会社支配に関する基本方針に沿うものであると考えております。

② 買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」、「事前開示・株主意思の原則」、「必要性・相当性確保の原則」)を完全に充足しており、また、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨に合致したものです。なお、本プランは、平成20年6月30日に公表された、経済産業省に設置された企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も勘案しております。

③ 株主共同の利益を損なうものではないこと

本プランは、株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会を確保して、適切な投資判断を行うことを可能とするものであることから、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものと考えております。

 

④ 株主意思を重視し、また、対抗措置の発動について合理的な客観的要件を設定するものであること

本プランについて株主の皆様の意思を適切に反映させる機会を確保するため、第104期定時株主総会において本プランを承認する議案をお諮りし、株主の皆様にご承認いただきました。また、本プランの有効期間の満了前であっても、当社株主総会において、本プランの廃止が決定された場合には、本プランはその時点で廃止されることとなり、その意味で、本プランの更新だけでなく存続についても、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。

また、本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動または不発動の判断を株主の皆様が当社取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものです。加えて、当社取締役会は、本プランに従った対抗措置の発動に関する決議に際して、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、株主総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することができることとしております。

したがって、当該発動条件に従った対抗措置の発動は、株主の皆様のご意向が反映されたものとなります。

⑤ 会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと(独立性の高い社外者の判断を重視していること)

本プランは、対抗措置の発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることを要し、当社取締役会は同委員会の勧告を最大限尊重するものであること等、当社取締役会による判断の公正性・客観性が担保される工夫がなされており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

⑥ デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、当社取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお発動を阻止できない、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではありません。

また、本プランは、当社取締役会の構成員の交代を一度に行うことがないために、その発動を阻止するのに時間がかかる、いわゆるスローハンド型買収防衛策でもありません。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態の異常な変動等、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主な事業等のリスクは、以下のとおりであります。なお、現時点では確認できていないリスクや現在は重要でないと考えられるリスクも当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える可能性があります。

(1) 経済情勢及び市場変動に伴うリスクについて

当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、株価、金利及び為替市況等の変動並びに景気後退などの国内外の経済情勢の影響を受けやすく、投資需要の減少等による手数料収入の減少やトレーディング損益の変動等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、お客様の多様なニーズに応えるために大量の有価証券を保有しておりますが、市場の混乱等による急激な市況変動や金利変動等により金融資産の価値が変動した場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされる場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 法的規制に伴うリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、その業務の種類に応じて法令・諸規則の規制を受けております。国内の金融商品取引業者は、金融商品取引法及び関連する政省令等により登録規制、顧客勧誘規制、顧客取引規制及び自己売買規制その他の金融商品取引業者としての行為について規制されており、万が一、抵触した場合には業務停止等の行政処分を受ける可能性があります。

また、東海東京証券株式会社を含む第一種金融商品取引業者は、これらの法令により所定の自己資本規制比率を維持することが求められており、万が一、定められた自己資本規制比率を下回った場合には業務停止等を命じられる可能性により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 競争状況に伴うリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、近年の大幅な規制の緩和等により、競争が激化する一方で、取扱商品の多様化が進んできております。このような状況のなかで、将来、より強力な競合先の出現等で従来と変わらぬ競争力を維持できない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 取引先又は発行体の信用力悪化に伴うリスクについて

当社グループは、自己の計算において金融資産を保有しているほか、取引先との提携・友好関係の維持・構築を目的とした株式等の保有やお客様の多様なニーズに応えるために大量の有価証券を保有しておりますが、取引先が決済を含む債務不履行に陥った場合、また、保有する有価証券の発行体が信用状況を著しく悪化させた場合には、元本の毀損による損失や利払いの遅延等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 資金調達環境の悪化に伴うリスクについて

当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、大量の有価証券を保有するために多額の資金を必要とすることから、適切な流動性を確保し、財務の安全性を維持することが必要となります。しかしながら、市場環境の激変、クレジット・クランチ、銀行の貸出余力の低下、格付会社による当社及び東海東京証券株式会社の信用格付の低下、当社グループの業績に対する不透明感等が生じた場合は、必要資金の確保に際し、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされること等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) システムリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業にはコンピュータシステムは必要不可欠の設備であるため、業務上使用するコンピュータシステムや回線において、プログラム障害、外部からの不正アクセス、災害や停電等が原因となる障害が発生した場合、その規模によっては当社グループの業務に支障が生じるだけでなく、社会的信用の低下による取引の減少等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) オペレーショナルリスクについて

当社グループは、多様な業務を行うことに伴い、日々膨大な事務処理が発生しており、役職員が正確な事務処理を怠ること、及び事務管理上又は事務処理上のミス、事故又は不正等による損失の発生により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、法令違反があった場合は、監督官庁から業務停止等の行政処分を課される可能性もあり、社会的信用が低下するなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8) 情報セキュリティーに係るリスクについて

当社グループは、多くのお客様等の個人情報、取引先等の重要な営業情報及び当社グループ自身の重要情報を保有しており、不正な手段や過失等によりお客様等の個人情報及び当社グループの営業情報等が流出した場合は、当社グループの業務に支障が生じるだけでなく、損害賠償の請求や社会的信用の低下により取引が減少するなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 災害等に関するリスクについて

当社グループの主たる子会社である東海東京証券株式会社の営業店舗網及び営業基盤は、東海地区及び関東地区を主力としており、これら地区の市民生活やインフラに重大な影響を及ぼす災害等が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の各地の活動拠点には多くの役職員が業務に従事しており、地震・台風等の大規模な自然災害の発生、これらの事象に伴う停電その他の障害の発生、又は病原性感染症の感染拡大等の場合は、当社グループの事業の縮小を余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 訴訟に関するリスクについて

当社グループでは、国内外で日々様々な取引が成立しており、法令、商慣習、契約及び約款等に基づく相互の認識の違い等が生じた場合、取引先との間に損害賠償請求訴訟等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 人材確保に係るリスクについて

当社グループは、金融商品取引業を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っており、有能な人材の確保に努めております。しかしながら、優秀な人材確保への競争は激しく、必要な人材の確保が困難な場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12) 海外事業に関するリスクについて

当社グループは、現地子会社の設置、海外の有力証券会社グループ等との提携等積極的に海外展開を図っております。展開にあたっては、弁護士等現地の専門家の助言を受けて進めておりますが、現地の法令、商慣習等に抵触した場合には、事業展開の中止、中断、縮小若しくは遅延又は社会的信用の低下等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13) 風評に関するリスクについて

当社グループは、お客様、取引先からの信用に大きく依存しております。そのため、憶測や必ずしも正確な事実に基づいていない風説・風評の流布に晒された場合は、その内容が正確でないにもかかわらず、当社グループの社会的信用が低下する風評被害の発生により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(14) リスク管理方針や態勢に関するリスクについて

当社グループは、リスクカテゴリーごとに責任部署を定め、当社及び子会社全体のリスクを統合的に管理しておりますが、想定外の市場の変動、リスク管理用データの過誤・陳腐化、事業内容の変貌又は法令の改正等により、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない可能性があり、それにより損失・損害等が生じる場合は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(15) 事業の拡大に伴うリスクについて

当社グループは、グループ顧客基盤拡大を図る観点から買収や資本提携により業容の拡大を図ってまいりました。買収や資本提携を成功に導くには、事業の効率的な統合等が必要となります。買収・資本提携した事業が、当社の予想通りの収益を計上できない可能性もあります。当社グループが当初期待した成果が得られない場合、又は、想定しなかった重大な問題点が買収や資本提携後に発見された場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

 

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況は、以下のとおりであります。

 

(1) 財政状態

資産の部では、流動資産のうち現金及び預金が前年度末比179億10百万円増加し905億94百万円に、預託金が前年度末比83億24百万円増加し458億30百万円に、トレーディング商品が前年度末比956億4百万円増加し3,880億99百万円に、信用取引資産が前年度末比126億87百万円増加し572億97百万円に、有価証券担保貸付金が前年度末比741億25百万円増加し2,891億17百万円となる一方、短期差入保証金が前年度末比35億84百万円減少し154億11百万円となりました。また、固定資産のうち投資有価証券が前年度末比69億15百万円増加し409億69百万円となりました。

負債の部では、流動負債のうちトレーディング商品が前年度末比892億54百万円増加し2,817億9百万円に、約定見返勘定が前年度末比144億11百万円増加し219億52百万円に、信用取引負債が前年度末比102億80百万円増加し194億13百万円に、有価証券担保借入金が前年度末比663億74百万円増加し1,975億38百万円に、預り金が前年度末比28億68百万円増加し357億94百万円に、受入保証金が前年度末比44億33百万円増加し127億94百万円に、短期社債が前年度末比27億円増加し120億円となりました。

また、固定負債のうち社債が前年度末比72億17百万円増加し162億円に、長期借入金が前年度末比31億74百万円増加し649億6百万円となりました。

純資産の部では、利益剰余金が前年度末比180億68百万円増加し1,087億61百万円となり、取締役会決議による自己株式取得を行ったことなどにより自己株式が前年度末比13億83百万円減少(純資産は増加)し△61億88百万円に、その他有価証券評価差額金が前年度末比10億79百万円増加し25億19百万円となる一方、取締役会決議による自己株式消却を行ったことなどにより資本剰余金が40億57百万円減少し289億58百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度末の総資産は前年度末比2,231億85百万円増加9,656億21百万円に、負債合計は前年度末比2,055億65百万円増加7,907億71百万円となり、純資産合計は前年度末比176億19百万円増加1,748億49百万円となりました。また、当連結会計年度末の自己資本比率は17.9%(前年度末は20.9%)となり、1株当たり純資産額は668円18銭(前年度末は593円47銭)となりました。

 

(2) 経営成績

(受入手数料)

 

連結会計年度

区分

株券
(百万円)

債券
(百万円)

受益証券
(百万円)

その他
(百万円)

合計
(百万円)

前連結会計年度
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日

委託手数料

12,194

26

708

0

12,930

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

360

378

738

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

4

107

6,804

6,916

その他の受入手数料

77

17

3,812

2,441

6,349

合計

12,635

529

11,326

2,442

26,934

当連結会計年度
自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日

委託手数料

16,952

19

443

17,415

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

450

360

811

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

2

79

7,762

7,844

その他の受入手数料

247

17

4,522

5,049

9,836

合計

17,652

477

12,728

5,049

35,907

 

 

当連結会計年度の受入手数料の合計は33.3%増加(前年同期増減率、以下(1)において同じ。)し359億7百万円を計上いたしました。

① 委託手数料

当社子会社である東海東京証券株式会社の株式委託売買高は5.9%減少し47億63百万株、株式委託売買金額は22.8%増加し4兆9,063億円となり、また、当社グループに髙木証券株式会社が加わったことも寄与し、当社グループの株式委託手数料は39.0%増加し169億52百万円の計上となり、委託手数料全体では34.7%増加174億15百万円を計上いたしました。

② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

株式は引受高の増加により25.2%増加し4億50百万円を計上いたしました。また、債券は4.8%減少し3億60百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では9.8%増加8億11百万円を計上いたしました。

③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

受益証券は髙木証券株式会社による投資信託の販売額が寄与し14.1%増加し77億62百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では13.4%増加78億44百万円を計上いたしました。

④ その他の受入手数料

投資信託の代行手数料は18.6%増加し45億22百万円の計上となり、また、保険手数料収入やコンサルティング料の増加等から、その他の受入手数料全体では54.9%増加98億36百万円を計上いたしました。

 

(トレーディング損益)

 

区分

前連結会計年度
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日

当連結会計年度
自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日

株券等トレーディング損益         (百万円)

13,779

22,227

債券・為替等トレーディング損益   (百万円)

21,957

22,867

合計

35,737

45,095

 

 

当連結会計年度の株券等トレーディング損益は、米国株式を中心とした外国株式の売買の増加により61.3%増加し222億27百万円の利益の計上となりました。また、債券・為替等トレーディング損益は、仕組債を中心とした外国債券の売買等が前連結会計年度に引続き堅調に推移し4.1%増加し228億67百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は26.2%増加450億95百万円の利益を計上いたしました。

 

(金融収支)

当連結会計年度の金融収益は55.4%増加42億58百万円となり、金融費用は39.0%増加23億42百万円となりました。差引の金融収支は81.4%増加19億16百万円の利益の計上となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、取引関係費が提携合弁証券からの外債販売の取次ぎ量の増加に伴い支払手数料が増加したこと等から23.6%増加し138億27百万円となりました。また、グループ会社の増加に伴い、不動産関係費は12.0%増加し67億97百万円、事務費は11.5%増加し80億43百万円、減価償却費は9.8%増加し19億44百万円、租税公課は20.9%増加し15億21百万円となり、人件費はグループ会社の増加に加えて業績連動による賞与も増加したことから22.8%増加し311億10百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費は20.7%増加654億72百万円となりました。

 

(営業外損益)

当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益は前連結会計年度において一時的な出資に係る持分法による投資利益(負ののれん発生益)を計上したことから4.6%減少し19億63百万円となり、受取配当金は16.1%減少し6億99百万円となりました。この結果、営業外収益の合計は6.1%減少36億93百万円を計上いたしました。また、営業外費用の合計は23.0%増加2億円となりました。

 

(特別損益)

当連結会計年度の主な特別損益は、負ののれん発生益111億60百万円、投資有価証券売却益8億81百万円を特別利益に計上いたしました。また、減損損失6億26百万円を特別損失に計上いたしました。

 

以上の結果、当連結会計年度の営業収益は30.3%増加852億61百万円、純営業収益は30.1%増加829億19百万円となり、営業利益は83.7%増加174億46百万円、経常利益は57.8%増加209億39百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は111.8%増加253億97百万円を計上いたしました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは193億32百万円の収入(前連結会計年度は29億44百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益が317億42百万円の黒字となり、有価証券担保借入金が663億74百万円増加し、トレーディング商品(負債)が892億54百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、有価証券担保貸付金が741億25百万円増加し、トレーディング商品(資産)が918億90百万円増加し、それぞれ支出となったことなどによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは5億88百万円の支出(前連結会計年度は85億7百万円の支出)となりました。これは投資有価証券の売却による収入107億72百万円、固定資産の取得による支出18億2百万円、投資有価証券の取得による支出37億76百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出40億59百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出7億96百万円などによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは16億17百万円の支出(前連結会計年度は358億64百万円の収入)となりました。これは長期借入れによる収入43億円、配当金の支払による支出73億29百万円などによるものです。

以上の結果、現金及び現金同等物は171億60百万円増加し、当連結会計年度末の残高は892億4百万円となりました。

 

(4) トレーディング業務の概要

① トレーディング商品

トレーディング商品の残高は次のとおりです。

 

区分

前連結会計年度
(平成29年3月31日)

当連結会計年度
(平成30年3月31日)

資産の部の
トレーディ
ング商品

商品有価証券等

(百万円)

289,264

384,823

 株券

(百万円)

21,124

12,142

 債券

(百万円)

231,133

336,207

 受益証券

(百万円)

37,006

36,473

デリバティブ取引

(百万円)

3,230

3,276

合計

(百万円)

292,495

388,099

負債の部の
トレーディ
ング商品

商品有価証券等

(百万円)

185,261

276,368

 株券

(百万円)

19,450

11,541

 債券

(百万円)

165,764

264,441

 受益証券

(百万円)

47

385

デリバティブ取引

(百万円)

7,192

5,340

合計

(百万円)

192,454

281,709

 

 

② トレーディング業務のリスク管理

トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。

 

  なお、「第2 事業の状況」に記載の消費税等の課税取引については、消費税等を含んでおりません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 金融商品の評価

当社グループは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引等については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。時価は、取引所等の市場価格のある有価証券及びデリバティブ取引等については市場価格により算定しております。市場価格のない有価証券及びデリバティブ取引等については主に金利、配当利回り、原証券価格、スワップレート、ボラティリティー、契約期間等を基に算出した現在価値の見積価格により算定しており、異なる前提条件等によった場合には当該時価が変動する可能性があります。

② 投資有価証券の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。これらの株式には価格変動性の高い市場価格のある株式と、価格の決定が困難である市場価格のない株式が含まれております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合に減損処理を行います。

将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

③ 固定資産の減損

収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。

④ 退職給付費用及び債務

従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。

 

⑤ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。評価性引当金の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当金が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)のわが国経済は、世界経済の成長が続く中で堅調に推移しました。年度末にかけてはやや減速感があったものの、10-12月期の実質GDP成長率は8四半期連続でプラス成長となりました。

海外においては、米国経済は4-6月期以降3四半期連続で年率プラス3%前後での高成長を継続しており、さらに昨年末に成立した大型減税や政府歳出枠拡大などが成長を後押しするなど堅調に推移しました。また、中国経済は公共投資と輸出が景気の下支えとなったほか、欧州経済も米国向けやアジア向け輸出を中心に予想以上の拡大を見せるなど概ね堅調に推移しました。さらに新興国経済も、先進国経済に牽引される形で好調を維持しました。

株式市場は、日経平均株価が4月に18,900円台で始まった後、米国によるシリア爆撃や北朝鮮情勢への懸念など、地政学的リスクの高まりにより一時18,200円台まで下落しましたが、米国株式市場や国内企業業績の改善などから上昇に転じました。9月以降は日本経済や企業業績を再評価する動きが広がったことで出遅れ感の強かった日本株に資金が流入し、10月には過去最高となる16連騰を記録したほか、年明け1月には26年2ヶ月ぶりに24,000円台まで上昇しました。しかし、2月以降は米長期金利の上昇や円高ドル安、米国テクノロジー株の調整や米中貿易摩擦への懸念などを背景に再び下落に転じ、3月末は21,400円台で取引を終えました。なお、本年度の東証1部の1日当たり平均売買代金は2兆9,570億円となり、前年同期の2兆5,424億円を上回りました。

債券市場は、長期金利の指標である10年物国債利回りが、前述の地政学的リスクの高まりから一時マイナス0.01%台となる局面も見られましたが、日本銀行のイールドカーブ・コントロール(YCC)により概ね0.05%近辺で推移し、3月末は0.04%台で取引を終えました。

為替市場は、4月に1ドル111円台で始まった後、地政学的リスクの高まりを受けた一時的な円高局面は見られたものの、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加利上げ観測などにより5月には1ドル114円台半ばまで円安が進み、その後は1ドル108円から114円台での推移が続きました。年明け以降は、日本の金融正常化観測や米財務長官のドル安容認発言に加え、米国金利の上昇、米国の保護主義的な政策を受けて円高ドル安が進み、3月末は1ドル106円20銭台で取引を終えました。

 

こうした市場環境において、お客様の投資意欲の増大や、お客様のニーズに合わせた商品提供に努めたことにより、当社グループの業績も堅調に推移いたしました。

また当社グループは、当連結会計年度より経営計画「New Age's, Flag Bearer 5 (ニューエイジズ フラッグベアラー ファイブ) ~新時代の旗手~」をスタートさせました。本経営計画は、前経営計画の基本戦略を継承したうえで新たな課題に対応し、当社独自のビジネスモデルを構築することで、さらに次のステージである「総合金融グループ」への進化をめざしていくものです。

 

リテール部門では顧客セグメントに応じたサービスの充実を図ってまいりました。富裕層のお客様向けには「Orque d'or (オルクドール)」ブランドの浸透に努め、資産運用に限らず、事業承継・相続対策などの総合的なソリューションの提供により、会員数及び預り資産は順調に拡大しております。なお、来春には「オルクドール・サロン」を東京の日本橋髙島屋三井ビルディングの最上階にオープンすることを予定しており、首都圏においてもサービスの充実を図ってまいります。

成熟層のお客様向けには、相続ニーズに応えるための「財産診断サービス」の提供や、リスク選考度の高いお客様への専門家対応など、お客様に合わせたサービス・商品の提供に努め、取引活性化に取り組みました。

 

若年層を中心とした資産形成層のお客様向けには、「つみたてNISA」などによる資産形成のご案内に加え、保険・住宅ローンほか、これからのライフイベント毎に必要となる金融サービスに対してワンストップで対応できる新コンセプト店舗「MONEQUE (マニーク)」を愛知及び東京に合計4店舗開設いたしました。昨年子会社化した株式会社ETERNALにおいては、「保険テラス」による来店誘致型保険サービスを資産形成層のお客様を中心に提供するだけでなく、東海東京証券株式会社との保険サービスに係るスキルやノウハウの共有を行うなど事業シナジーの拡大に努めてまいりました。

 

市場部門では、好調な市場環境を背景に提携合弁証券やプラットフォーム提供先である同業証券のニーズに合致した適時適切な商品提供を行ったことにより、外国株式の取引額が増加するなど、収益の拡大に繋がりました。一方で、取引額の増大に伴うリスク管理の高度化にも注力し、適切な管理を行いました。

企業金融部門では、債券引受業務における引受額が増加し、地方債引受リーグテーブルでは大手証券やメガバンク系証券に次ぐ6位を維持いたしました。

法人営業部門では、顧客層の裾野拡大や顧客ニーズに適合した商品・サービスの提供などによる収益力の向上に引き続き努めております。

4月に子会社化した髙木証券株式会社においては、適切な経営資源の配分見直しや経営効率の改善に注力したことにより、特に下期の収支が改善いたしました。

 

国内のアライアンス戦略においては、これまで国内有力地方銀行と設立した合計6社の合弁証券が着実に成長しているほか、当社プラットフォームにより取引を行っていただいている提携証券が57社まで拡大するなど、ビジネスモデルを深化させてまいりました。

これらに加え、3月には株式会社十六銀行と包括的業務提携に関して基本合意しており、今後7社目となる合弁証券の設立を計画しております。

 

さらに、多様化・複雑化するお客様のニーズに的確に対応するため、9月にM&Aアドバイザリーにおいて優れた実績を持つピナクル株式会社を子会社化したほか、FinTechにおいて秀でた技術やビジネスモデルを有する企業への出資や、信託などの新たな機能の獲得に努めております。

一方海外においては、4月に中国本土の業務提携先である国泰君安証券に対し、多分野における協業を推進する戦略的パートナーとして出資したほか、9月にはベトナムのバオベト証券と業務提携に係る覚書を締結いたしました。

 

当社グループは、資本市場の発展と国民の皆さまの健全な資産形成に貢献すると同時に、企業市民として地域社会の活性化に貢献することをCSRの基本方針に置いております。特に、ホームマーケットである中部地区の将来の繁栄、発展に資することが使命だと考え、さまざまな活動を展開しております。地域における次世代人材の育成という面では、名古屋大学とともに国際化をリードできる人材育成を目的としたグローバル事業を推進しており、市民・学生向けの国際情勢講座の提供などに取り組んでおります。また、中京大学とは、スポーツ文化の溢れる地域づくりを目的とし、学生アスリート向けの支援を行っております。地域経済に対しては、「オルクドール・サロン」をオープンイノベーションの場として提供し、セミナーや交流会を開催しております。

 

また当社グループでは、経営理念において「お客様の資産を活かし、豊かなライフマネジメントの実現と企業価値向上を支援するために、全力で努力する企業グループであり続ける」ことをミッションの1つとして掲げ、お客様にご満足いただける商品・サービスの提供に努めております。このミッションに沿い、さらなるお客様本位のサービス向上への取り組みを図るため、「お客様本位の業務運営に関する取り組み方針」を策定し、具体的な社内におけるアクションプランの制定及びモニタリング体制の整備に取り組んでおります。今後とも引き続き、より一層のお客様本位の業務運営の実現をめざしてまいります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資金需要は主に運転資金であり、株式及び債券を自己の計算により売買を行うために要する資金、顧客が行う信用取引に対し資金を貸し付ける業務及び人件費・不動産関係費など販売費及び一般管理費に係るものであります。

なお、当社グループは金融機関との間に、総額430億円(平成30年3月31日現在)のコミットメントライン契約を締結しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。