第2 【事業の状況】

 

 本文における将来に関する事項は、四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、事業等のリスクに重要な変更及び新たに発生した事項はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、当社グループが発行する社債に含まれるデリバティブ損益について、従来「金融収益」及び「金融費用」に計上しておりましたが、「トレーディング損益」として表示する方法に変更し、表示方法の変更の内容を反映させた組替え後の数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

《市場環境》

当第3四半期連結累計期間(2019年4月1日から2019年12月31日まで)のわが国経済は、海外景気の減速の影響を受けつつも、緩やかな回復基調で推移しました。輸出や生産には弱含みが見られ、製造業においては、業況判断指数(DI)が前回の調査から5ポイント低下の0となり、4期連続で悪化しましたが、研究開発投資や省力化投資等の設備投資は底堅く推移しました。雇用環境については消費増税の影響も限定的なものに留まり、全般に良好な状態が継続しています。消費者物価指数は、賃金の伸び悩みに加えて前年からの原油価格の低下もあり、足元前年同月比ではプラス0.8%と上昇しておりますが、日本銀行の目標とする2%からは未だに乖離しており、物価の安定は引続き今後の課題として残っています。

海外経済は、米中貿易交渉の影響等から製造業を中心に成長の勢いが鈍化しています。米国経済は、雇用所得環境の改善や税制改革の恩恵により、個人消費を中心に堅調に推移しています。欧州経済については、ドイツを中心に輸出や生産が弱い動きとなっています。中国経済は総じて緩やかな減速が続いていますが、財政・金融政策の効果による下支えもあり、企業の景況感はやや持ち直しています。

株式市場では、日経平均株価が4月に21,500円台で始まった後、米中貿易交渉に対する悲観と楽観が繰り返される中、10月中旬まで概ね20,000~22,000円のレンジで推移しました。しかし、10月下旬に開催された米中閣僚級協議で米中貿易交渉に進展がみられたことや、FRB(米連邦準備制度理事会)が短期国債の買入れを再開したことなどを背景に、日経平均株価は11月上旬に23,000円台まで上昇しました。12月に入ると、実際に米中貿易交渉が第1段階の部分合意に達したことに加えて、英国の総選挙で与党・保守党が地滑り的な勝利を収め、英国の合意なき欧州連合(EU)離脱懸念が後退したことが好感され、日経平均株価は一時24,000円台まで上昇しました。その後、短期的な過熱感などから利益確定の売りに押され、12月末の日経平均株価は23,600円台で取引を終えています。

なお、4~12月の東証1部の1日当たりの平均売買代金は2兆4,321億円となり、前年同期の2兆9,220億円を大きく下回りました。

債券市場では、長期金利の指標である10年物国債利回りが4月にマイナス0.085%で始まった後、同月中旬には一時マイナス0.01%まで上昇しました。その後は米利下げ観測や米中対立激化によるリスク回避志向の高まりなどから米10年国債利回りが低下する中、日本の10年物国債利回りも低下をたどり、9月初旬にはマイナス0.295%と期中の最低金利をつけました。しかし、欧米債券への資金流入の一服や日本銀行の長期・超長期国債買い入れオペの減額、米中貿易交渉の進展期待などを背景に10年物国債利回りは12月に一時プラス圏まで反発し、12月末はマイナス0.025%で取引を終えています。

為替市場では、4月に1ドル110円台で始まった後、同月中旬には期中高値となる112円台まで上昇しました。しかし、米中貿易摩擦の激化や世界経済の減速、米利下げ観測の高まりなどを受けて円高ドル安が進行し、ドル円は8月下旬に期中安値となる104円台をつけました。9月に入ると、米中貿易交渉の進展期待に加え、英国の合意なきEU離脱は回避されるとの見方が有力視される中、12月末は1ドル108円台で取引を終えました。

 

 

《財政状態の状況》

当第3四半期連結会計期間末の総資産は1,955億97百万円減少(前連結会計年度末比、以下《財政状態の状況》において同じ。)し1兆1,954億79百万円となりました。このうち流動資産は1,983億59百万円減少1兆1,251億72百万円となりました。主な要因は、トレーディング商品(資産)が1,737億45百万円減少4,837億79百万円となり、有価証券担保貸付金が397億32百万円減少4,531億26百万円となる一方、現金及び預金が278億61百万円増加757億81百万円となりました。

また、固定資産は、投資有価証券が22億90百万円増加443億80百万円となったことなどから27億62百万円増加703億6百万円となりました。

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は1,931億7百万円減少1兆336億69百万円となりました。このうち流動負債は1,994億円減少9,383億25百万円となりました。主な要因は、トレーディング商品(負債)が1,380億49百万円減少4,084億49百万円、有価証券担保借入金が794億76百万円減少2,658億23百万円短期借入金が267億53百万円減少972億14百万円となる一方、約定見返勘定(負債)が270億83百万円増加430億57百万円となりました。

また、固定負債は、社債が76億70百万円減少99億3百万円となる一方、長期借入金が132億85百万円増加814億15百万円となり、固定負債合計は62億92百万円増加947億24百万円となりました。

当第3四半期連結会計期間末の利益剰余金は4億79百万円増加1,010億20百万円となる一方、資本剰余金は自己株式の消却を行ったことなどにより43億74百万円減少し、純資産合計は24億89百万円減少1,618億10百万円となりました。

 

《経営成績の状況》
(受入手数料)

前第3四半期連結累計期間(自 2018年4月1日 至 2018年12月31日)

区分

株券
(百万円)

債券
(百万円)

受益証券
(百万円)

その他
(百万円)

合計
(百万円)

委託手数料

8,096

31

395

8,523

引受け・売出し・特定投資家
向け売付け勧誘等の手数料

728

301

1,030

募集・売出し・特定投資家向
け売付け勧誘等の取扱手数料

18

57

4,840

4,917

その他の受入手数料

60

10

3,474

3,836

7,380

合計

8,904

400

8,710

3,836

21,852

 

 

当第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)

区分

株券
(百万円)

債券
(百万円)

受益証券
(百万円)

その他
(百万円)

合計
(百万円)

委託手数料

8,221

34

754

9,010

引受け・売出し・特定投資家
向け売付け勧誘等の手数料

165

469

635

募集・売出し・特定投資家向
け売付け勧誘等の取扱手数料

2

18

4,995

5,016

その他の受入手数料

230

11

3,076

3,904

7,223

合計

8,620

533

8,826

3,904

21,885

 

 

 

当第3四半期連結累計期間の受入手数料の合計は0.2%増加(前年同期増減率、以下《経営成績の状況》において同じ。)し218億85百万円を計上いたしました。

① 委託手数料

当社の主要子会社である東海東京証券株式会社の株式委託売買高は33.9%減少し17億93百万株、株式委託売買金額は0.9%減少し3兆546億円となる中、個人投資家の売買高は増加し当社グループの株式委託手数料は1.5%増加82億21百万円の計上となり、委託手数料全体では5.7%増加90億10百万円を計上いたしました。

② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

株式は公募・売出しの引受高の減少により77.3%減少1億65百万円を計上いたしました。また、債券は55.8%増加4億69百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では38.4%減少6億35百万円を計上いたしました。

③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

受益証券は、個人向けを中心とする投資信託の販売額が増加したことから3.2%増加49億95百万円を計上し、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では2.0%増加50億16百万円を計上いたしました。

④ その他の受入手数料

投資信託の代行手数料は11.4%減少30億76百万円を計上する一方、保険手数料収入は3.6%増加の22億74百万円を計上した結果、その他の受入手数料全体では2.1%減少72億23百万円を計上いたしました。

 

(トレーディング損益)

区分

前第3四半期
連結累計期間
(自 2018年4月1日
 至 2018年12月31日)

当第3四半期
連結累計期間
(自 2019年4月1日
 至 2019年12月31日)

株券等トレーディング損益         (百万円)

11,039

13,076

債券・為替等トレーディング損益   (百万円)

14,202

9,194

合計

25,241

22,270

 

 

当第3四半期連結累計期間の株券等トレーディング損益は、主に国内株式の売買等の増加により18.4%増加130億76百万円の利益を計上し、外貨建債券や仕組債の売買を中心とした債券・為替等トレーディング損益は35.3%減少91億94百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は11.8%減少222億70百万円の利益計上となりました。

 

(金融収支)

当第3四半期連結累計期間の金融収益は17.5%減少21億48百万円を計上いたしました。また、金融費用は16.2%減少13億95百万円を計上し、差引の金融収支は19.8%減少7億53百万円の利益を計上いたしました。

 

(販売費及び一般管理費)

当第3四半期連結累計期間の取引関係費は提携合弁証券からの外債販売の取次ぎ量の減少に伴う支払手数料の減少などから6.9%減少85億32百万円となり、人件費は業績連動賞与の減少などにより5.6%減少210億13百万円となる一方、減価償却費は日本橋新オフィスの固定資産の償却費計上などにより38.2%増加22億90百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費は3.0%減少457億61百万円を計上いたしました。

 

(営業外損益)

当第3四半期連結累計期間の営業外収益は、前第3四半期連結累計期間に計上していた持分法による投資利益が持分法による投資損失に転じたほか、受取配当金は26.3%減少2億58百万円となりました。この結果、営業外収益の合計は1.6%減少11億33百万円を計上いたしました。また、営業外費用は、FinTech企業への投資等に係るのれん償却など先行的なコストの増加により持分法による投資損失が46百万円、投資事業組合運用損が1億4百万円となり、営業外費用の合計は15.7%増加2億88百万円を計上いたしました。

 

 

(特別損益)

当第3四半期連結累計期間の主な特別利益は、持分変動利益20億54百万円を計上いたしました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は6.8%減少463億4百万円、純営業収益は6.5%減少449億9百万円となり、営業損失は8億51百万円(前年同期営業利益8億70百万円)、経常損失は7百万円(前年同期経常利益17億72百万円)を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する四半期純利益は85.1%増加25億6百万円を計上いたしました。

 

《経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等》

当社グループを取り巻く事業環境は、デジタライゼーションの進展、フィデューシャリー・デューティーへの対応、働き方改革への取り組み、国内外のマーケットの変調、お客さまのニーズの多様化、システムの高度化などに係る高コスト化、また証券ビジネスへの異業種からの参入による競争激化等、目まぐるしく変化しています。

前述の市場環境の中、当社グループは中期経営計画「New Age's, Flag Bearer 5 ~新時代の旗手~」の3年目を迎えました。本経営計画では、グレート・プラットフォームの構築と生産性革命によって「さらなる経営基盤の強化と成長」を実現するとともに、次のステージに上がるための「戦略テーマの追求」に邁進してまいります。

当社は、経営計画の柱のひとつであり、当社グループの特色である地方銀行との国内アライアンス戦略において、7社目となる合弁証券会社「十六TT証券株式会社」(以下、「十六TT証券」。)が、6月3日に開業いたしました。当該合弁証券会社に対し、会社分割の方法により、当社完全子会社である東海東京証券株式会社(以下、「東海東京証券」。)における岐阜県内の4店舗を承継したことから、特別利益が20億円程度生じております。十六TT証券は、地域に根ざした証券会社として株式会社十六銀行および当社が連携し、お客さまのニーズに合わせた多様で良質な金融商品・サービスを提供することで、お客さまおよび地域経済の成長・発展に寄与してまいります。

また、お客さまのニーズの多様化や高度化、あるいはFinTechやAIなどデジタル金融サービスの浸透などのビジネス環境の急激な変化に対応すべく、次世代層に向けた証券サービスとして、スマートフォンを利用したスマホ専業証券を設立することを決定し、11月に3.0証券準備株式会社(以下、「3.0証券」。)を設立いたしました。

さらに、資産形成層向け金融サービスの企画や開発を担う株式会社マネーコンパス・ジャパンを設立し、資産管理アプリ「おかねのコンパス」を開発し、2020年1月、東海東京証券向けに「おかねのコンパス for TT」をリリースいたしました。「おかねのコンパス」は、3.0証券とも連携し「おかねのコンパス」が取り揃えるFinTech企業の投資サービスだけでは満足しきれない顧客層に3.0証券の機能を提供することで、幅広いお客さまニーズへの対応を目指しております。

12月には、グローバルで暗号資産取引所を運営するHuobi(フォビ)グループの日本法人であるフォビジャパン株式会社との資本業務提携に係る契約を締結いたしました。この資本業務提携を通じて、暗号資産の交換、暗号資産を活用したIEO(※1)をはじめとした新しい資金調達、地域通貨への取組み、暗号資産の保管・管理等の領域における新規事業の展開を推進してまいります。また、将来的には当該ビジネスを提携先をはじめとした地方銀行に展開することも検討してまいります。

また、当社のシンガポール現地法人であるTokai Tokyo Global Investments Pte. Ltd.は、シンガポールでSTO(※2)取引所(セキュリティ・トークン取引所)を運営するICHX TECH Pte.Ltd.(以下、「ICHX社」。)への出資に係る契約を、ICHX社と締結しました。ST取引は、証券取引の決済期間の短縮化、24時間365日マーケットにアクセス可能なこと(流動性の向上)やコストの大幅な削減など、発行体・投資家にとって大きなメリットが期待でき、当社グループは本件出資により、ICHX社の日本における重要なパートナーとして、本邦の発行体・投資家をアジアで初めて政府認可を受けるSTO取引所へ取り次ぐなど、共に先進的なサービスの提供を検討してまいります。

東海東京証券では、富裕層向けサービスブランド「Orque d'or(オルクドール)」のメンバー向けサロン「オルクドール・サロンTOKYO」を4月にオープンいたしました。東京における富裕層ビジネス展開の基点として活用しております。また、短期の資金需要に対応する提案ができる「証券担保ローン」のサービス開始や株式会社格付投資情報センター(以下、「R&I」。)より、「R&I 顧客本位の投信販売会社評価」において「A+」評価を取得するなど、今後も様々なサービスの提供や「お客様本位の業務運営」に関わる取組みを通じて、お客様の豊かなライフマネジメントの実現に貢献してまいります。

当社では、2019年1月に本社を移転し柔軟な勤務環境、社員間コミュニケーションの強化、会議運営の効率化、利便性の向上等を実現し「働き方改革」を推進するために、諸機能を盛り込んだシステム基盤として、イントラネットシステムを更改いたしました。

 

9月には当社の完全子会社である東海東京証券と髙木証券株式会社(以下、「髙木証券」。)は、東海東京証券を存続会社として合併いたしました。合併により、東海東京証券は、髙木証券が築いてきた関西を中心とした営業基盤を受け継ぎ、店舗や業務の統合などによって更なるサービスの向上を目指すほか、同社のIFA事業を再編のうえ新たに展開するなど、当社グループの企業価値の向上を追求してまいります。IFA事業については、一般社団法人「ファイナンシャル・アドバイザー協会(仮称)」の設立準備会において、設立に賛同する同業他社と共同で、設立・発足を含めた継続的支援を行うこととなりました。

また、当社は、証券および証券関連業界が一丸となり設立された「証券コンソーシアム」の活動の一環である「KYC共通化ワーキンググループ」に参加しております。

 

今年度は当社グループの中期経営計画3年目となる折り返しの年であり、従来の証券会社とは異なる、未来に続く新たなビジネスモデルの構築により、メガバンク系や大手証券に対抗できる金融業界の「第3極」を形成する新しい時代のリーダーを目指してまいります。

 

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。中期経営計画においては、数値目標として自己資本利益率(ROE)10%、経常利益300億円、子会社及び関連会社の預かり資産10兆円の指標を掲げております。

 

※1 IEO: (Initial Exchange Offering) 企業や事業プロジェクトが暗号資産による資金調達を行う際に、暗号資産取引所が主体となり、デューデリジェンスや投資家の本人確認から販売までを行うこと。

※2 STO:セキュリティ・トークン(ST)とは、ブロックチェーン技術等により主に株式、債券、不動産などを裏付けとしてデジタル化した証券。「STO」は、セキュリティ・トークン・オファリングの略で、STを発行し投資家に販売することで資金を調達すること。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財産上の対処すべき課題について、重要な変更及び新たに生じた事項はありません。

 

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」という。)を定めております。その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は以下の通りです。

① 基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値ひいては株主の共同の利益(以下、「当社グループの企業価値等」という。)を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。

当社取締役会は、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社グループの企業価値等に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。しかしながら、株券等の大量買付行為(③において定義する。以下同じ。)の中には、その目的等から見て、対象会社の企業価値等に資さないものも少なくありません。当社グループが業界での確固たる地位を築き、当社グループが構築してきたコーポレートブランド、企業価値等を確保し、向上させていくためには、下記②の企業価値の源泉を維持し、前述の経営計画を実行していくことが必要不可欠であり、これらが当社の株券等の大量買付行為を行う者により中長期的に確保され、向上させられなければ、当社グループの企業価値等は損なわれることになります。

 

② 当社の企業価値の源泉及び基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

当社グループは、当社及び子会社27社並びに関連会社12社(2019年12月31日現在)により構成され、金融商品取引業及びその関連業務を中心にお客様のニーズにあった金融商品、サービス、ソリューションを提供しております。

 

当社グループの中核をなす東海東京証券株式会社は、中部地区を中心とする営業基盤を持ち、対面営業を主体とするリテール証券業務から投資銀行業務までを幅広く手がけ、多種多様な商品・サービスを提供するとともに、中堅・中小の証券会社に金融商品取引業に必要な各種インフラを提供する「プラットフォームビジネス」を展開するなど、独自性ある金融サービスを提供しております。

一方、当社は、当社グループの運営・統括に当たるとともに、金融業界の新たな時代に向けた重要な戦略として、地域の特性に応じた地域戦略や有力地方銀行との提携合弁証券会社を中心としたアライアンス戦略等を推進しております。

また、当社は、基本方針の実現に資するための取組みとして、経営計画に基づき具体的施策を実行していくことで、当社グループの企業価値等の向上が図れるものと考えております。更に、基本方針の実現に資する取組みとして、当社はコーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題の一つとして位置づけていることからコーポレート・ガバナンスに関する基本方針を定め、継続的に企業価値の向上を図ることを目的として、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に努めております。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、2019年6月26日開催の第107期定時株主総会の終結の時をもって有効期間が満了する「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」の更新を同総会に上程し、株主の皆様にご承認いただきました(更新後の「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」を、以下「本プラン」という。)。

本プランは、当社が発行者である株券等について、(a)大量買付行為を行おうとする者(以下、「大量買付者」という。)の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付け、(b)大量買付者の株券等所有割合とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる当該株券等の買付け、(c)当社の他の株主が、大量買付者の共同保有者に該当し、その結果、当該大量買付者の株券等保有割合が20%以上となるような行為((a)から(c)を総称して、以下、「大量買付行為」という。)を対象といたします。

本プランは、当社グループの企業価値等を確保・向上させることを目的として、当社の株券等の大量買付行為が行われる場合等に、(a)大量買付者に対し、必要かつ十分な情報の事前提供を要請し、(b)当社経営陣が情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、(c)株主の皆様に対し当社経営陣の計画や代替案等の提示や、大量買付者との交渉を行っていくための手続を定めております。大量買付者が本プランにおいて定められた手続に従わない等、当社グループの企業価値等を著しく損なうと判断される場合には、当社は、対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てます。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下、「本新株予約権」という。)には、(a)大量買付者及びその関係者による行使を制限する行使条件、(b)当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されておりますが、大量買付者からその他の財産の交付と引換えに新株予約権を取得することができる旨の条項の採用はいたしません。

本新株予約権の無償割当が実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。

本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、また当社グループの企業価値等の確保又は向上のために必要かつ相当な対抗措置を発動するか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行います。その判断の客観性、合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置しております。

独立委員会は、3名以上の委員により構成され、委員は、社外取締役、実績ある会社経営者、投資銀行業務に精通する者、当社の事業に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは会社法等を主たる研究対象とする研究者またはこれらに準ずる者等の社外者の中から当社取締役会が選任するものとしております。独立委員会は、大量買付者、当社の取締役、従業員等に必要に応じて独立委員会への出席及び説明を要求することができ、当社取締役会からの諮問事項について審議・決議して、当社取締役会に対し勧告を行います。この勧告は公表されるものとし、当社取締役会はかかる勧告を最大限尊重して対抗措置の発動または不発動につき速やかに決議を行うものとします。

 

本プランは、対抗措置の発動または不発動を判断する当社取締役会の決議に際して、独立委員会による勧告手続を経なければならず、かつ当社取締役会は、同勧告を最大限尊重しなければならないものとすることにより、当社取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性が確保できるよう設計されております。

さらに、大量買付者が本プランに定められた手続を遵守した場合で、当社取締役会が大量買付行為に対する対抗措置を発動するか否かの判断を行うにあたり、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、当該大量買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様の意思を確認するための株主総会を開催することもできるものとされております。

当社取締役会は、株主総会が開催された場合、対抗措置の発動に関して、当該株主総会における株主の皆様のご判断に従うものとします。

 

④ 本プランの合理性(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由)

当社取締役会は、本プランが、以下の理由により、上記①の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。

ⅰ 会社の支配に関する基本方針に沿うものであること

本プランは、大量買付者に大量買付に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、情報判断のための一定の評価期間が経過した後にのみ大量買付行為を開始することを求め、当社所定のルールを遵守しない大量買付者には対抗措置を講じることとしております。

また、ルールが遵守された場合でも、大量買付行為により当社グループの企業価値等が損なわれると判断される場合は、大量買付者に対し対抗措置を講じることとしていることから、本プランは会社支配に関する基本方針に沿うものであると考えております。

ⅱ 買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」、「事前開示・株主意思の原則」、「必要性・相当性確保の原則」)を完全に充足しており、また、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨に合致したものです。なお、本プランは、2008年6月30日に公表された、経済産業省に設置された企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も勘案しております。

ⅲ 株主共同の利益を損なうものではないこと

本プランは、株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会を確保して、適切な投資判断を行うことを可能とするものであることから、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものと考えております。

ⅳ 株主意思を重視し、また、対抗措置の発動について合理的な客観的要件を設定するものであること

本プランについて株主の皆様の意思を適切に反映させる機会を確保するため、第107期定時株主総会において本プランを承認する議案をお諮りし、株主の皆様にご承認いただきました。また、本プランの有効期間の満了前であっても、当社株主総会において、本プランの廃止が決定された場合には、本プランはその時点で廃止されることとなり、その意味で、本プランの更新だけでなく存続についても、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。

また、本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動または不発動の判断を株主の皆様が当社取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものです。加えて、当社取締役会は、本プランに従った対抗措置の発動に関する決議に際して、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、株主総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することができることとしております。

したがって、当該発動条件に従った対抗措置の発動は、株主の皆様のご意向が反映されたものとなります。

 

ⅴ 会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと(独立性の高い社外者の判断を重視していること)

本プランは、対抗措置の発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることを要し、当社取締役会は同委員会の勧告を最大限尊重するものであること等、当社取締役会による判断の公正性・客観性が担保される工夫がなされており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

ⅵ デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、当社取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお発動を阻止できない、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではありません。

また本プランは、当社取締役会の構成員の交代を一度に行うことがないために、その発動を阻止するのに時間がかかる、いわゆるスローハンド型買収防衛策でもありません。

 

(3) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とします。
 主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っています。
 有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しています。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理体制を定めています。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。