本文における将来に関する事項は、四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。
当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当第1四半期連結累計期間(2020年4月1日から2020年6月30日まで)のわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に進む中、消費・生産・輸出のいずれも大幅に悪化、特に前年同月比でみた4月の小売売上高はリーマンショック時を上回る減少率となりました。また、雇用環境では5月の有効求人倍率が1.20倍と前月から0.12ポイント低下し、その下げ幅が1974年1月の第1次オイルショックに次ぐ2番目の大きさとなり急激に悪化しました。このような経済状況の中、日本銀行は4月の金融政策決定会合で国債購入額の上限を撤廃し無制限購入を決定、政府は過去最大規模の第2次補正予算を成立させました。5月終盤の緊急事態宣言の解除以降は経済活動の緩やかな再開や政府による景気支援策等、徐々に景気回復を促す政策が講じられました。
海外経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から経済活動自粛の動きが世界的に広がる中、例外なく急激な減速に見舞われました。しかし、その後は経済活動の段階的な再開や欧米など主要各国の政府・中央銀行による強力な景気支援策などを背景に、景気は4月頃を底に持ち直しの動きを見せています。今後も、新型コロナウイルスの感染再拡大のリスクが残る中、予断を許さない状況にあります。
株式市場は、日経平均株価が4月に18,600円台で始まった後、各国の政府・中央銀行が積極的に景気支援策を打ち出したことや、先進国の新型コロナウイルスの感染拡大が一旦収束に向かい経済活動の段階的な再開が始まったこと、さらには新型コロナウイルス感染症に対抗する新たなワクチンや治療薬の開発期待が高まったことなどを受け総じて上昇傾向を辿り、6月8日には約3か月ぶりに日経平均株価が23,000円台まで回復しました。しかし、その後は6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)において、米国経済に関する慎重な見通しが強調されたことを受け米国株市場が急落、日本株市場にも強い売り圧力が掛かり、日経平均株価は一時22,000円割れまで売り込まれました。以降は下げ渋る展開となり、6月末の日経平均株価は22,200円台で取引を終えました。なお、4~6月の東証1部の1日当たり平均売買代金は2兆7,265億円となり、前年同期の2兆4,722億円を大きく上回りました。
債券市場は、長期金利の指標である10年物国債利回りが4月にマイナス0.005%で始まった後、新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感から、安全資産としての買いが相場を支え、4月28日には4月以降、最低となるマイナス0.055%まで低下しました。経済活動の自粛が続く中、日本銀行が4月27日の金融政策決定会合において追加緩和を決定し、国債買入上限を撤廃したことも金利低下につながりました。5月に入ると先進国での経済活動の段階的な再開により、景気回復期待や株高、欧米長期金利の上昇などを受けて10年物国債利回りは0%前後まで反発しました。その後は横ばいが続き、6月末はプラス0.03%で取引を終えました。
為替市場では、4月に1ドル107円台で始まった後、FRB(米連邦準備制度理事会)の強力な資金供給策等によるドル資金需要のひっ迫緩和を受けてドル売りが強まり、5月には期中において安値となる106円割れまで下落しました。その後は先進国での経済活動の段階的な再開や株の急反発などを背景とするリスクオンの動きから円安ドル高が進み、6月には高値となる109円台後半まで上昇しました。しかし、節目の110円手前では戻り売りに押されるとともに、米国の一部地域における新型コロナウイルスの感染再拡大が嫌気されてドル安円高に転じた結果、6月末は1ドル107円台で取引を終えました。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は1,109億4百万円増加(前連結会計年度末比、以下《財政状態の状況》において同じ。)し1兆2,242億18百万円となりました。このうち流動資産は1,108億78百万円増加し1兆1,544億20百万円となりました。主な要因は、トレーディング商品(資産)が569億18百万円増加し4,792億70百万円となり、有価証券担保貸付金が1,108億49百万円増加し4,527億18百万円となる一方、信用取引資産が516億16百万円減少し476億51百万円となり、短期差入保証金が104億5百万円減少し367億1百万円となりました。
また、固定資産は、投資有価証券が1億22百万円増加し451億70百万円となったことなどから25百万円増加し697億97百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は1,092億70百万円増加し1兆621億79百万円となりました。このうち流動負債は1,110億30百万円増加し9,645億38百万円となりました。主な要因は、トレーディング商品(負債)が835億55百万円増加し4,249億72百万円となり、有価証券担保借入金が651億32百万円増加し2,766億89百万円となる一方、約定見返勘定(負債)が441億2百万円減少となりました。
また、固定負債は、社債が15億61百万円減少し119億35百万円となったことなどから16億35百万円減少し971億45百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の利益剰余金は1億44百万円減少し1,011億32百万円となる一方、非支配株主持分が15億45百万円増加し49億41百万円となり、純資産合計は16億33百万円増加し1,620億38百万円となりました。
前第1四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年6月30日)
当第1四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年6月30日)
当第1四半期連結累計期間の受入手数料の合計は15.6%増加(前年同期増減率、以下《経営成績の状況》において同じ。)し73億44百万円を計上いたしました。
当社の主要子会社である東海東京証券株式会社(以下、「東海東京証券」。)の株式委託売買高は66.0%増加し7億83百万株、株式委託売買金額は75.9%増加し1兆4,251億円となる中、個人投資家の売買は増加し当社グループの株式委託手数料は54.4%増加し34億95百万円の計上となり、委託手数料全体では55.1%増加し36億79百万円を計上いたしました。
株式は2.5%増加し70百万円を計上いたしました。また、債券は50.0%減少し81百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では34.3%減少し1億51百万円を計上いたしました。
受益証券は、個人向けを中心とする投資信託の販売額が減少したことから26.9%減少し11億77百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では27.2%減少し11億82百万円を計上いたしました。
投資信託の代行手数料は21.1%減少し8億30百万円の計上となり、また、保険手数料収入は緊急事態宣言の発令を踏まえた来店型店舗の一部閉鎖の影響などにより13.9%減少し6億8百万円の計上となる一方、コンサルティング報酬などが増加し、その他の受入手数料全体では9.6%増加し23億31百万円を計上いたしました。
当第1四半期連結累計期間の株券等トレーディング損益は46.5%増加し53億87百万円の利益の計上となり、外貨建債券や仕組債の売買を中心とした債券・為替等トレーディング損益は36.0%減少し18億47百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は10.2%増加し72億34百万円の利益を計上いたしました。
当第1四半期連結累計期間の金融収益は38.9%増加し7億85百万円を計上いたしました。
また、金融費用は36.3%増加し6億68百万円を計上し、差引の金融収支は56.3%増加し1億17百万円の利益を計上いたしました。
当第1四半期連結累計期間の取引関係費は提携合弁証券からの外債販売の取次ぎ量に連動する支払手数料の減少などから25.1%減少し21億47百万円となり、人件費は11.1%減少し65億90百万円となり、不動産関係費は日本橋旧オフィスの契約解消や店舗統廃合などにより13.0%減少し18億18百万円となり、事務費は証券子会社の合併によるシステム費用の減少により12.1%減少し16億55百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費は13.8%減少し136億81百万円を計上いたしました。
当第1四半期連結累計期間の営業外損益は、前第1四半期連結累計期間に計上していた持分法による投資損失が持分法による投資利益に転じ、為替差益が為替差損に転じました。この結果、営業外収益は持分法による投資利益7百万円、受取配当金1億30百万円などを計上し、営業外収益の合計は26.7%減少し2億94百万円を計上いたしました。また、営業外費用は、投資事業組合運用損10百万円、為替差損12百万円などを計上し、営業外費用の合計は85.8%減少し26百万円を計上いたしました。
当第1四半期連結累計期間の主な特別利益は、金融商品取引責任準備金戻入1億23百万円を計上し、特別損失は投資有価証券評価損2億13百万円を計上いたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の営業収益は14.0%増加し153億65百万円、純営業収益は13.1%増加し146億96百万円となり、営業利益は10億14百万円(前年同期営業損失28億83百万円)、経常利益は12億83百万円(前年同期経常損失26億66百万円)を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する四半期純利益は231.7%増加し8億49百万円を計上いたしました。
当社グループを取り巻く事業環境は、デジタライゼーションの進展、フィデューシャリー・デューティーへの対応、働き方改革への取り組み、国内外のマーケットの変調、お客様のニーズの多様化、システムの高度化などに係る高コスト化、また証券ビジネスへの異業種からの参入による競争激化等目まぐるしく変化しています。
前述の市場環境の中、当社グループは中期経営計画「New Age's, Flag Bearer 5 ~新時代の旗手~」(以下、「本経営計画」。)の4年目を迎えました。本経営計画では、グレートプラットフォームの構築と生産性革命によって「さらなる経営基盤の強化と成長」を実現するとともに、次のステージに上がるための「戦略テーマの追求」に邁進しております。従来の証券会社とは異なる、未来に続く新たなビジネスモデルの構築により、メガバンク系証券や大手証券に対抗できる金融業界の「第3極」を形成する新しい時代のリーダーを引き続き目指してまいります。
本年度は、本経営計画推進のために、グループにおけるデジタライゼーション戦略の加速・強化を目的として「デジタル戦略グループ」を新設したほか、現提携銀行を含めた地方銀行(第二地方銀行を含む)や通信・流通系企業等に対しても様々なビジネスプラットフォーム機能を幅広く提供し活用いただくために「グレートプラットフォーム事業推進部」を設け、当社グループの戦略機能の更なる高度化と早期実現を図っております。その他、「持続可能な開発目標(SDGs(※1))」に対する当社グループ全体での取り組みを推進する体制として「SDGs推進部」を設置し、グループ企業価値の向上と社会的課題解決に向けた優先課題を定め、着実に実行へと進めております。
一方、グループにおけるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を強化する「マネー・ローンダリング統括部」を新設し、リスク管理レベルの向上に努めております。
事業面では、2020年1月に設立、4月に発足した一般社団法人「ファイナンシャル・アドバイザー協会」へ、東海東京証券が委託正会員として入会しました。顧客本位の業務運営を徹底することで、顧客の信頼を高め、個人の安定的な資産形成にさらに貢献できるよう、同協会に対し継続的に支援を行ってまいります。
また、お客さまへの充実したサービスのご提供を目指しデジタル証券取引サービスの開発を進めており、6月に日本国内でデジタル証券取引所の運営を目指すHash DasH株式会社を子会社として有するHash DasH Holdings株式会社への出資を実施しております。7月には日本の不動産を証券化し、シンガポールのセキュリティ・トークン((※2)以下、「ST」。)取引所であるiSTOXへの上場に向けた実証実験を開始しました。また、当社は日本セキュリティトークン協会(任意団体)に、東海東京証券は日本STO協会(自主規制団体)に正会員として加盟し、将来的には日本国内でのST販売も視野に入れております。
当社グループの新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、お客さま並びに役社員の健康・安全を第一に考え、新型コロナウイルス感染防止を優先した業務運営を心掛けております。5月14日から各地域毎に緊急事態宣言が解除されたことを受け、マスク着用と手の消毒を徹底の上、店頭窓口には飛沫防止スクリーンを設置するなどの感染予防策を講じ、5月18日より順次営業店舗の業務を再開しております。また、社員の時差出勤の推進及びテレワーク勤務等を実施しております。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。中期経営計画においては、数値目標として自己資本利益率(ROE)10%、経常利益300億円、グループ預かり資産10兆円の指標を掲げております。
(※1)SDGs:
「Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標(SDGs)」のことで2015年決定の「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」という国連文書に盛り込まれた概念。SDGsは2030年を目指す17の目標と169のターゲットから構成されており、企業の役割も重視され、SDGsでは、企業の本業活用が推奨されている。
(※2)セキュリティ・トークン:
ブロックチェーン技術等により主に株式、債券、不動産を裏付けとしてデジタル化した証券。
当第1四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とします。
主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っています。
有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しています。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理体制を定めています。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。