本文における将来に関する事項は、四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。
当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日から2020年12月31日まで)のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動自粛の影響を受け、4-6月期の実質GDP成長率が前期比年率29.2%減と過去最大の落ち込みとなりました。しかし、その後はグローバルでの経済活動再開の動きや、政府による経済支援策の効果などを背景に、景気は徐々に改善の動きを強めています。今後も、新型コロナウイルス感染症の拡大状況次第で経済活動正常化の動きが鈍化する可能性はあるものの、政策当局による支援策の効果に加え、欧米諸国にはやや遅れつつ日本でも近くワクチンの接種が開始される見通しであり、景気改善の方向性は継続するものと思われます。
海外の経済も、コロナ禍による経済活動抑制の影響から、2020年前半(1-6月期)は大半の国が景気後退(2四半期連続でのマイナス成長)に陥る展開となりました。しかし、その後は経済活動の段階的な再開や主要国政府・中央銀行による強力な景気支援策などを背景に持ち直しを見せ、7-9月期のGDP成長率は急回復、この先も概ね改善が続く見通しです。今後の見通しに関しては、新型コロナウイルス感染症の拡大状況、ワクチンの普及ペース、政策当局の支援策の持続性などがポイントになると思われます。
株式市場は、日経平均株価が4月に18,600円台で始まった後、主要国の政策当局が積極的な景気支援策とともに経済活動の段階的な再開を始めたこと、また新型コロナウイルス感染症のワクチンや治療薬開発への期待が高まったことなどから総じて上昇基調を継続、その結果、日経平均株価は6月初旬に23,000円台を回復しました。その後は、6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で米国経済に関する慎重な見通しが示されたこと、7月下旬以降の決算発表を契機に4-6月期の業績悪化が改めて意識されたことなどから度々売りに押される場面もありましたが、概ね底堅い展開を維持しました。11月には、米大統領選挙の通過に伴う政治的不透明感の後退や、ワクチン開発の進展期待などからリスクオンの動きが加速し、更に年末近くに米国で追加経済対策が成立したことも加わり、日経平均株価は約30年ぶりとなる水準にまで上昇、12月末の日経平均株価は27,400円台で取引を終えました。なお、4~12月の東証1部の1日当たり平均売買代金は2兆6,368億円となり、前年同期の2兆4,321億円を上回りました。
債券市場は、長期金利の指標である10年物国債利回りが4月にマイナス0.005%で始まった後、新型コロナウイルス感染症の拡大に対する警戒感から安全資産としての買いが相場を支え、4月28日には期中最低のマイナス0.055%まで低下しました。しかし、5月に入ると主要国の段階的な経済活動再開で景気回復期待が高まる中、株高や欧米長期金利の上昇を受けて10年物国債利回りはプラス圏まで反発しました。さらに、第二次補正予算を受けた国債増発に伴う需給悪化懸念から、7月には期中最高のプラス0.055%まで反発しました。その後はゼロ%からプラス0.05%を中心とした横ばいが続き、12月末はプラス0.02%で取引を終えました。
為替市場では、4月に1ドル107円台で始まった後、FRB(米連邦準備制度理事会)の強力な資金供給策によるドル余剰によってドル売り圧力が強まり、5月には一時106円割れまで下落しました。その後は主要国の段階的な経済活動再開や各国政府・中央銀行による大規模な政策対応を背景に株が急反発する中で円安ドル高が進み、6月には期中高値の109円台後半まで上昇しました。しかし、新型コロナウイルス感染症の再拡大を受けたFRBの緩和策長期化観測や、11月3日の米大統領選でバイデン次期大統領の誕生がほぼ確実になったことによる米財政赤字拡大の思惑からドル売り圧力が一段と強まり、12月には期中安値となる102円台後半まで下落、12月末は103円台で取引を終えました。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は3,443億73百万円増加(前連結会計年度末比、以下《財政状態の状況》において同じ。)し1兆4,576億87百万円となりました。このうち流動資産は3,454億60百万円増加し1兆3,890億2百万円となりました。主な要因は、トレーディング商品(資産)が1,860億51百万円増加し6,084億2百万円となり、有価証券担保貸付金が1,920億92百万円増加し5,339億61百万円となる一方、信用取引資産が572億54百万円減少し420億12百万円となりました。
また、固定資産は、投資有価証券が2億3百万円増加し452億51百万円となる一方、有形固定資産が8億50百万円減少し111億88百万円となったことなどから10億87百万円減少し686億84百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は3,391億21百万円増加し1兆2,920億30百万円となりました。このうち流動負債は3,345億70百万円増加し1兆1,880億77百万円となりました。主な要因は、トレーディング商品(負債)が1,331億61百万円増加し4,745億78百万円となり、有価証券担保借入金が1,852億52百万円増加し3,968億10百万円となり、短期借入金が214億87百万円増加し1,571億68百万円となりました。
また、固定負債は、社債が22億30百万円減少し112億65百万円となる一方、長期借入金が69億90百万円増加し889億円となったことなどから46億74百万円増加し1,034億56百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の利益剰余金は21億6百万円増加し1,033億83百万円となり、非支配株主持分が29億45百万円増加し63億41百万円となったことなどから、純資産合計は52億52百万円増加し1,656億57百万円となりました。
前第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
当第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
当第3四半期連結累計期間の受入手数料の合計は3.7%増加(前年同期増減率、以下《経営成績の状況》において同じ。)し226億84百万円を計上いたしました。
当社の主要子会社である東海東京証券株式会社の株式委託売買高は、個人投資家の売買の増加により36.5%増加し24億49百万株、株式委託売買金額は44.4%増加し4兆4,118億円となり、当社グループの株式委託手数料は22.0%増加し100億27百万円の計上。委託手数料全体では15.0%増加し103億64百万円を計上いたしました。
株式は206.5%増加し5億7百万円を計上いたしました。一方、債券は48.8%減少し2億40百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では17.8%増加し7億47百万円を計上いたしました。
受益証券は、個人向けを中心とする投資信託の販売額が減少したことから11.8%減少し44億7百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では12.0%減少し44億14百万円を計上いたしました。
投資信託の代行手数料は14.0%減少し26億46百万円の計上となり、また、保険手数料収入は緊急事態宣言の発令を踏まえた来店型店舗の一部閉鎖の影響などにより0.4%減少し22億66百万円の計上となり、コンサルティング報酬などが増加したものの、その他の受入手数料全体では0.9%減少し71億57百万円を計上いたしました。
当第3四半期連結累計期間の株券等トレーディング損益は、28.2%増加し167億68百万円の利益の計上となり、外貨建債券や仕組債の売買を中心とした債券・為替等トレーディング損益は9.2%減少し83億49百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は12.8%増加し251億17百万円の利益を計上いたしました。
当第3四半期連結累計期間の金融収益は2.5%増加し22億2百万円を計上いたしました。また、金融費用は35.6%増加し18億92百万円を計上し、差引の金融収支は58.9%減少し3億9百万円の利益を計上いたしました。
(販売費及び一般管理費)
当第3四半期連結累計期間の取引関係費は支払手数料や旅費交通費の減少などから12.8%減少し74億41百万円となり、人件費は3.3%減少し203億25百万円となり、事務費は証券子会社の合併によるシステム費用の減少により13.7%減少し50億11百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費は6.6%減少し427億25百万円を計上いたしました。
(営業外損益)
当第3四半期連結累計期間の営業外損益は、前第3四半期連結累計期間に計上していた持分法による投資損失が利益に転じた結果、営業外収益は持分法による投資利益8億37百万円、投資事業組合運用益3億85百万円、受取配当金2億23百万円などを計上し、営業外収益の合計は70.9%増加し19億36百万円を計上いたしました。また、営業外費用は、投資事業組合運用損1億55百万円などを計上し、営業外費用の合計は30.4%減少し2億円を計上いたしました。
当第3四半期連結累計期間の主な特別利益は、新株予約権戻入益1億1百万円、金融商品取引責任準備金戻入1億23百万円を計上し、特別損失は投資有価証券評価損2億64百万円を計上いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は8.0%増加し500億4百万円、純営業収益は7.1%増加し481億11百万円となり、営業利益は53億86百万円(前年同期営業損失8億51百万円)、経常利益は71億21百万円(前年同期経常損失7百万円)を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する四半期純利益は102.9%増加し50億87百万円を計上いたしました。
当社グループは、10月1日に「東海東京フィナンシャル・グループ誕生20周年」を迎え(2000年10月、東京証券株式会社と東海丸万証券株式会社との合併により東海東京証券株式会社(以下、「東海東京証券」。)が誕生いたしました。)、コーポレートスローガン「未来をつなぐ、心をむすぶ」を新しく制定しました。当社が進める地方銀行との新しい提携や、あらゆるノウハウの柔軟な連携で未来の金融業界をリードしつつ、お客様との信頼の絆を大切にすることにより、引き続きお客様一人ひとりの心に寄り添ってまいります。
当社グループを取り巻く事業環境は、デジタライゼーションの進展、フィデューシャリー・デューティーへの対応、働き方改革への取り組み、国内外のマーケットの変調、お客様のニーズの多様化、システムの高度化などに係る高コスト化、また証券ビジネスへの異業種からの参入による競争激化等、目まぐるしく変化していますが、当社グループは中期経営計画「New Age's, Flag Bearer 5 ~新時代の旗手~」(以下、「本経営計画」。)の4年目を迎え、引き続きグレートプラットフォームの機能拡充と生産性革命によって「さらなる経営基盤の強化と成長」を実現するとともに、メガバンク系証券や大手証券に対抗できる金融業界の「第3極」を形成する総合金融グループを目指してまいります。
本年度は、本経営計画推進のために、グループにおけるデジタライゼーション戦略の加速・強化を目的として「デジタル戦略グループ」を新設したほか、現提携銀行を含めた地方銀行(第二地方銀行を含む)や通信・流通系企業等に対しても様々なビジネスプラットフォーム機能を幅広く提供し活用いただくために「グレートプラットフォーム事業推進部」を設け、当社グループの戦略機能の更なる高度化と早期実現を図っております。
加えて、「持続可能な開発目標(SDGs(※1))」に対する当社グループ全体での取組みを推進する体制として「SDGs推進部」を設置しました。当社グループは、国際連合が提唱するSDGsの趣旨に賛同し、その達成に向けた取組みを推進するため、2020年9月に「SDGs宣言」を制定し、経営理念である「金融機能の担い手として、お客様の資産形成や資本の充実に貢献する」事業活動を通じて常にイノベーティブであるとともに、地域・人・地球環境を大切にし、持続可能な社会の実現を目指すことを公表しました。同時に当社グループのSDGsに関わる優先すべき重要課題として、1.健康、2.教育と働き方、3.金融イノベーション、4.地域経済、5.環境保全を掲げ、10月には、東海東京証券が、東京都が発行する「東京グリーンボンド(※2)」の引受け共同主幹事を務めたことに加え、海外金融機関が発行したグリーンボンドの販売を担うなど、「環境保全」に資する取り組みを推進しております。また、「健康」促進の観点からは、従来より当社は積極的にアスリート社員を採用することを通して、社会におけるスポーツ支援と当社グループの社員の健康増進に継続して取り組んでおります。今年度も新たに2名を内定しました。
その他、グループにおけるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を強化するために「マネー・ローンダリング統括部」を新設し、リスク管理レベルの向上に努めております。
事業面では、2020年1月に設立、4月に発足した一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会へ、東海東京証券が委託正会員として入会しました。顧客本位の業務運営を徹底することで、お客様の信頼を高め、個人の安定的な資産形成にさらに貢献できるよう、同協会に対し継続的に支援を行ってまいります。
当社グループが推進するデジタル戦略の一環として、お客様への充実したサービスのご提供を目指しデジタル証券取引サービスの開発を進めており、6月に日本国内でデジタル証券取引所の運営を目指すHash DasH株式会社を子会社に有するHash DasH Holdings株式会社への出資を実施しております。7月には日本の不動産を証券化し、シンガポールのセキュリティ・トークン((※3)以下、「ST」。)取引所であるiSTOXへの上場に向けた実証実験を開始しました。また、当社は一般社団法人日本セキュリティトークン協会(任意団体)に、東海東京証券は一般社団法人日本STO協会(自主規制団体)に正会員として加盟し、将来的には日本国内でのST販売も視野に入れております。
これらの当社グループにおけるデジタル戦略への取組やテレワークのためのインフラ整備促進などが、経済産業省と東京証券取引所が共同で主催する中長期的な企業価値の向上や競争力強化に結び付く戦略的IT投資の促進に向けた取組の一環として「攻めのIT経営銘柄」を選定する中で評価され、当社グループが「DX銘柄2020」の「DX注目企業2020」に選定されました。
当社グループの新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、お客様並びに役社員の健康・安全を第一に考え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を優先した業務運営を心掛けております。5月14日から各地域毎に緊急事態宣言が解除されたことを受け、マスク着用と手の消毒を徹底の上、店頭窓口には飛沫防止スクリーンを設置するなどの感染予防策を講じ、5月18日より順次営業店舗の業務を再開しております。
2021年1月8日には再度、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県、同月13日には大阪、京都、兵庫の関西2府1県、愛知、岐阜の東海2県、栃木、福岡の両県でも緊急事態宣言が発令されました。営業店舗の業務は継続しておりますが、より一層感染予防を徹底してまいります。また、密な業務環境を避けるために、社員の時差出勤の推進及びテレワーク勤務等を実施しております。
対面営業証券ビジネスを取り巻く環境は、今後ますます厳しさを増していくことが想定される一方、中期経営計画の最終年度を控え、KGI達成に向けた喫緊の課題として、リテール営業の生産性をより向上させていく必要があります。こうした中、東海東京証券では、新たな働き方に対応した「効率的な店舗運営」と「機動的な顧客対応」を実現する店舗体制を追求しており、その一環として関西地区の拠点である大阪支店及び梅田支店の再編を行いました。新しい効率化へのチャレンジとして、梅田支店のサテライト店舗化によるオフィスの軽量化(賃料や運営コストの削減)、FMC(※4)化を実施いたしております。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。中期経営計画においては、最終年度となる来年度の数値目標として自己資本利益率(ROE)10%、経常利益300億円、グループ預かり資産10兆円の指標を掲げております。
(※1)SDGs:
「Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標(SDGs)」のことで2015年決定の「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」という国連文書に盛り込まれた概念。SDGsは2030年を目指す17の目標と169のターゲットから構成されており、企業の役割も重視され、SDGsでは、企業の本業活用が推奨されている。
(※2)グリーンボンド:
環境事業に要する資金を調達するために発行する債券。東京グリーンボンドは、国際資本市場協会(International Capital Market Association:ICMA)が定義する「グリーンボンド」の特性に従った債券である旨、セカンド・パーティー・オピニオンを取得しています(セカンド・パーティー・オピニオン発行者:ISS ESG(旧:ISS-oekom))。
(※3)セキュリティ・トークン:
ブロックチェーン技術等により主に株式、債券、不動産を裏付けとしてデジタル化した証券。
(※4)FMC(Fixed-Mobile Convergence):
固定電話と携帯電話の融合。携帯電話での社内の内線利用や店舗の代表電話等の運用が可能となる。
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とします。
主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っています。
有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しています。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理を実施しています。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。